JP2002363193A - 環状ホスファゼン類、その製造方法、それを有効成分とする難燃剤およびそれを含む樹脂組成物と成形品 - Google Patents

環状ホスファゼン類、その製造方法、それを有効成分とする難燃剤およびそれを含む樹脂組成物と成形品

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JP2002363193A
JP2002363193A JP2001170228A JP2001170228A JP2002363193A JP 2002363193 A JP2002363193 A JP 2002363193A JP 2001170228 A JP2001170228 A JP 2001170228A JP 2001170228 A JP2001170228 A JP 2001170228A JP 2002363193 A JP2002363193 A JP 2002363193A
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halogen
tert
flame retardant
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Naohiko Fukuoka
直彦 福岡
Heinosuke Yasuda
平之介 保田
Masayuki Nishimatsu
雅之 西松
Yoshinori Omae
吉則 大前
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Chemipro Kasei Kaisha Ltd
Original Assignee
Chemipro Kasei Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精製を繰り返すことなくハロゲン含有量が極
めて低い環状ホスファゼン類、そのための新規な方法、
それを有効成分とする難燃剤およびそれを含む樹脂組成
物と成形品の提供。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Arはアリール基、mは3〜10の整数であ
る。)で示され事実上ハロゲンを含有しないことを特徴
とする環状ホスファゼン類、その製造方法、それを有効
成分とする難燃剤およびそれを含む樹脂組成物と成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環状ホスファゼン
類、その製造方法、それを有効成分とする難燃剤および
それを含む樹脂組成物と成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の環状アリールオキシホスファゼン
の製造法としては、例えば、横山〔日本化学雑誌第80
巻第10号p118(1959)〕にあるように、五塩
化りんと塩化アンモニウムをモノクロロベンゼン中で反
応させ、下記一般式(4)と
【化5】 (式中、mは3〜10の整数である。)下記一般式
(5)
【化6】 (式中、nは1〜20の整数である。)で示される環状
および鎖状のクロロホスファゼン混合物を得る。そし
て、このようにして得られた環状および鎖状のクロロホ
スファゼン混合物を石油エーテルなどで再結晶し、下記
一般式(4)
【化7】 (式中、mは3〜10の整数である。)で示されるクロ
ロホスファゼン類を得、これをフェノール類と反応さ
せ、環状のアリールオキシホスファゼンを得るものであ
る。具体的には、横山〔日本化学雑誌第81巻第3号p
481(1960)〕は、ピリジンを触媒とする塩化ト
リホスホニトリルとアルカリ金属フェノラート類の縮合
反応について報告している。
【0003】また、特開昭58−219190号公報に
は重縮合体および残存塩素を事実上含有しないことを特
徴とするフェノール性水酸基を有するホスホニトリル酸
ポリヒドロキシフェニルエステルおよびその製造法が開
示されている。これはホスホニトリルハライドと2価フ
ェノールの一方の水酸基がメチル基で保護されたモノメ
トキシフェノールのNa塩もしくはK塩を反応させてホ
スホニトリル酸ポリヒドロキシフェニルエステルを得た
後に、ピリジンハロゲン化水素酸塩を反応させメトキシ
部分を水酸基に変換することを特徴とするフェノール性
水酸基を有するホスホニトリル酸ポリヒドロキシフェニ
ルエステルおよびその製造法である。
【0004】本発明者らは、特開2001−2691号
公報において環状のハロゲン化ホスファゼンとアルカリ
金属フェノラート類を窒素含有鎖式または環式の有機化
合物を含む溶媒中で反応させる環状ホスファゼンの製造
法を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の環状アリールオ
キシホスファゼンの製造法は、単離した環状のクロロホ
スファゼンを原料とするが、環状と鎖状のクロロホスフ
ァゼン混合物から環状のクロロホスファゼン類を工業的
に大量に得ようとすると、大量のハロゲンガスが発生
し、著しく環境を汚染する可能性があることや、作業性
が非常に悪いなどの問題がある。
【0006】ちなみに上記日本化学雑誌第81巻第3号
p481(1960)では得られるホスホニトリル酸フ
ェニルエステルは固体ではなく、不純物を多く含む黄色
粘性液体であり、精製も出来ないものである。
【0007】また、上記特開昭58−219190号公
報では、ホスホニトリルハライドの塩素1に対しモノメ
トキシフェノールのNa塩を1.1倍使用し、反応を行
なっている。しかし、この方法では反応が完結せず未置
換の有機ハロゲン化合物が残ってしまう。
【0008】このように上記公報では、前記一般式
(1)で示されるホスファゼンはその構造式上ではハロ
ゲンを含有していないが、必ずしも置換基のすべてをア
リールオキシ基に変換することができず、生成物の一部
の化合物は構造式中にハロゲンが残存した状態となる。
特に化合物中の最終に残った1個のハロゲンは置換する
ことは困難であり、250時間くらいの反応時間をかけ
ても完全に置換させることはできない。
【0009】特開2001−2691号公報による製造
方法では、従来の方法に比べ速やかに反応が進行しハロ
ゲン含有量が少ないホスファゼン類が得られるが、ハロ
ゲン含有量が100ppm程度であり、いくらかのハロ
ゲンが残ってしまう。
【0010】ところが、プラスチックに添加する難燃剤
として従来ハロゲン系難燃剤が使用されていたが、燃焼
時に有害なハロゲン系ガスを発生することやダイオキシ
ンなどの有害物質を発生させる恐れがあることから、現
在ノンハロゲン系難燃剤が要求されている。また、電子
部品剤用では、特に有機ハロゲン化合物が品質に影響を
与えるため使用する材料は、ノンハロゲンであることが
好ましい。このようによりハロゲンを含まない難燃剤や
電子部品剤が望まれている。
【0011】本発明の第1の目的は、前記従来技術の欠
点を解決し、精製を繰り返すことなくハロゲン含有量が
極めて低い環状ホスファゼン類、そのための新規な方法
を提供する点にある。本発明の第2の目的は、それを有
効成分とする難燃剤およびそれを含む樹脂組成物と成形
品を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らはホ
スファゼンの製造において生成物中に有機ハロゲン化合
物を事実上含まない反応条件や精製条件について鋭意研
究した結果、環状および鎖状のハロゲン化ホスファゼン
混合物とフェノール類をアルカリの存在下に反応させ、
環状および鎖状のアリールオキシホスファゼン混合物を
得、これを晶析にて分離精製を行うと鎖状のホスファゼ
ン類が未置換のハロゲン含有ホスファゼンを溶解させる
すばらしい晶析溶媒の働きをし、ハロゲン含有量が極め
て低い環状ホスファゼン類が得られることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0013】すなわち、本発明の第1は、下記一般式
(1)
【化8】 (式中、Arはアリール基、mは3〜10の整数であ
る。)で示され事実上ハロゲンを含有しないことを特徴
とする環状ホスファゼン類に関する。本発明の第2は、
ハロゲン含有量が50ppm以下である請求項1記載の
環状ホスファゼン類に関する。本発明の第3は、下記一
般式(1)
【化9】 (式中、Arはアリール基、mは3〜10の整数であ
る。)で示される環状ホスファゼン類、下記一般式
(2)
【化10】 (式中、Qはハロゲンおよび/またはアリールオキシ
基、qは3〜10の整数である。)で示される環状ホス
ファゼン類と下記一般式(3)
【化11】 (式中、Qはハロゲンおよび/またはアリールオキシ
基、nは1〜20の整数である。)で示される鎖状ホス
ファゼンとからなるホスファゼン組成物より前記一般式
(1)で示される環状ホスファゼン類を晶析により分離
精製することを特徴とする請求項1または2記載の環状
ホスファゼン類の製造方法に関する。本発明の第4は、
請求項1または2記載の環状ホスファゼン類を有効成分
とする難燃剤に関する。本発明の第5は、請求項1また
は2記載の環状ホスファゼン類を含有することを特徴と
する樹脂組成物に関する。本発明の第6は、請求項5記
載の樹脂組成物よりなることを特徴とする成形品に関す
る。
【0014】本発明で使用される環状および鎖状のアリ
ールオキシホスファゼン混合物は環状と鎖状のハロゲン
化ホスファゼンの混合物とフェノール類を公知の方法で
反応させることで得られる。たとえばアルカリ金属フェ
ノラートのスラリーに環状および鎖状のハロゲン化ホス
ファゼンの混合物の溶液を滴下するかもしくは環状ハロ
ゲン化ホスファゼン類の溶液を滴下し、反応させれば良
い。
【0015】本発明に使用される環状および鎖状のアリ
ールオキシホスファゼン混合物を製造する原料となる環
状および鎖状のハロゲン化ホスファゼンの混合物は、一
般式(4)で示される環状ハロゲン化ホスファゼン類と
一般式(5)で示される鎖状ハロゲン化ホスファゼン類
の混合物であれば特に限定されるものではない。ここで
得られる環状および鎖状のアリールオキシホスファゼン
の混合物は原料である一般式(4)と(5)の化合物に
おけるmとnにほぼ依存する。
【0016】本発明においては、環状および鎖状のアリ
ールオキシホスファゼンの混合物を芳香族非極性溶媒を
含む溶媒中で晶析することによりハロゲン含有量が極め
て低い環状アリールオキシホスファゼンが得られる。し
かし、不思議なことに環状のアリールオキシホスファゼ
ンを同様の方法で精製するとハロゲンの含有量が減少し
ない。このことから鎖状のアリールオキシホスファゼン
がハロゲンを含有するアリールオキシホスファゼン類を
選択的に溶解させる溶媒として働き、すばらしい精製効
果をもたらすものと推定される。
【0017】特に、本発明の精製法は、環状および鎖状
のハロゲン化ホスファゼン混合物とフェノール類との縮
合反応が完結せずハロゲン成分が残っているホスファゼ
ン混合物からハロゲンの含有量が極めて低い環状のアリ
ールオキシホスファゼン類を得るのに非常に有効な方法
である。
【0018】前記アリールオキシ基としては、例えば、
非置換またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
so−プロピル基、tert−ブチル基、tert−オ
クチル基、メトキシ基、エトキシ基、2,3−ジメチル
基、2,4−ジメチル基、2,5−ジメチル基、2,6
−ジメチル基、3,5−ジメチル基、ヒドロキシ基、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プ
ロポキシ基、フェニル基等で置換されたフェニルオキシ
基などを挙げることができる。
【0019】前記アルカリ金属フェノラート類は、1種
のみを用いてもよいが2種以上を併用して用いても良
い。2種併用した場合は生成物におけるアリールオキシ
基が2種類になることは当然である。
【0020】一般式(1)で示される環状ホスファゼン
類としてつぎのようなものが挙げられる。例えば、m=
3の場合
【化12】
【化13】
【0021】m=4、5の場合
【化14】
【0022】一般式(2)で示され、Qがハロゲン基で
ある環状ホスファゼン類および組成物としては次のよう
なものが挙げられる。例えば、m=3の場合
【化15】
【化16】
【0023】m=4、5の場合
【化17】
【0024】本発明のホスファゼンの晶析において慣用
の分散剤やイオン交換樹脂を添加してもよい。分散剤と
して、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエ
チルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキ
サイド、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサル
フェート、トリラウリルメチルアンモニウムクロライ
ド、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムアセテー
トトリメチルフェニルアンモニウムクロライド、ベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアン
モニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウ
ムクロライドなどが挙げられる。イオン交換樹脂とし
て、アンバーライトIR−116、IR−118
(H)、IR−120B、IR−122、IR−124
(商品名 オルガノ社製)およびアンバーリスト15、
A−26、A−27、A−21、252、200C、2
00CT、IRC−50、IRC−84、IRC−71
8、IRA−401、IRA−402、IRA−400
(商品名 オルガノ社製)などが挙げられる。
【0025】本発明による難燃剤は、前記ホスファゼン
類を混合して使用したり、他の難燃剤を併用することで
さらなる効果が期待できる。本発明による難燃剤に添加
されても良い他の難燃剤として水酸化金属化合物、珪酸
塩、有機珪素化合物、無機系難燃剤、りん系難燃剤、お
よび窒素系難燃剤が挙げられ、これらを併用しても良
い。
【0026】本発明の難燃剤に添加されても良い水酸化
金属化合物の金属としては、元素周期表第2族、第13
族(新IUPACフォーマット1〜18族のうちの2
族、13族であり、従来の元素周期表IIa、IIIb族に
相当)の金属および亜鉛が挙げられ、好ましくはマグネ
シウム、アルミニウムが挙げられる。これらの水酸化金
属化合物は、この水酸化金属化合物単独でもよいが、こ
れを有機化合物、例えば、高級脂肪族カルボン酸、水素
添加油あるいは高級脂肪族カルボン酸の元素周期表第1
族、第2族、第12族または第13族(新IUPACフ
ォーマット1〜18族のうちの1族、2族、12族また
は13族であり、従来の元素周期表Ia、IIa、IIbま
たはIIIb族に相当)の金属塩で被覆したものでも良
い。該水酸化金属化合物、特に水酸化マグネシウムは、
キスマ−5A、5B、5E、5J(商品名 協和化学
製)、マグシーズN−3、N−1、水マグ200、1
0、10A、スターマグUM、M、L、S、C、CY
(商品名 神島化学製)、FR−200(商品名 ブロ
モケム・ファーイースト製)などとして市販されている
から、これをそのまま使用しても良い。
【0027】本発明の難燃剤に添加されても良い珪酸塩
としては、例えば珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウ
ム、オルト珪酸ナトリウム、水ガラス、珪酸マグネシウ
ム、珪酸カリウム、珪酸カリウムマグネシウム、珪酸カ
ルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、ケイ
モリブデン酸、苦土カンラン石、カンラン石など、環状
珪酸塩としてケイ灰石、緑柱石など、鎖状珪酸塩として
ガン化輝石、リチウム輝石、角セン石類など、層状珪酸
塩として雲母、粘土鉱物など、三次元珪酸塩として二酸
化ケイ素、正長石、ゼオライトなどが挙げられる。
【0028】本発明の難燃剤に添加されても良い有機珪
素化合物として、例えば、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、トリメト
キシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリプロポキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシ
メチルフェニルシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプ
ロピルメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラ
ン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメト
キシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)
ジメトキシメチルシラン、3−グリシドプロピルトリメ
トキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチ
ルシランなどのアルコキシシラン化合物、ジメチルポリ
シロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メ
チルフェニルポリシロキサンなどのポリシロキサン化合
物およびアルキル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、
メルカプト、アルコール、アルキル高級アルコールエス
テル、ポリエーテル、アルキルアラルキル・ポリエーテ
ル変性シリコーンが挙げられる。
【0029】本発明の難燃剤に添加されても良い無機系
難燃剤としては、例えば三酸化アンチモン、四酸化アン
チモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ホウ
酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどが挙げ
られる。
【0030】本発明の難燃剤に添加されても良いりん系
難燃剤としては、例えば、赤りん、ポリリン酸アンモニ
ウム、トリフェニルホスフェート、トリエチルホスフェ
ート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニル
ホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホス
フィンオキサイド、グリシジル−α−メチル−β−ジブ
トキシホスフィニルプロピオネート、ジブチルヒドロオ
キシメチルホスフォネート、ジブトキシホスフィニルプ
ロピルアミド、ジメチルメチルホスフォネート、ジ(ポ
リオキシエチレン)−ヒドロキシメチルホスフォネー
ト、芳香族縮合リン酸エステルなどが挙げられる。
【0031】赤りんは単独でもよいし、また、適当な無
機化合物あるいは有機化合物で被覆されたものでもよい
し、さらには、非ハロゲン系有機高分子組成物で希釈さ
れたものでもよい。該赤りんの市販品として、ノーバレ
ッド120、120UF、120UFA、ノーバエクセ
ルST、W、MG、RXシリーズ、ノーバパレット各種
(商品名 燐化学製)、ヒシガードCP、CP−15、
UR−15、TP−10、セーフTP−10(日本化学
製)、RP−120(鈴裕化学製)などが市販されてい
るから、これをそのまま使用できる。
【0032】本発明の難燃剤に添加されても良い窒素系
難燃剤としては、例えばスルファミン酸グアニジン、リ
ン酸グアニジン、リン酸グアニール尿素、メラミンホス
フェート、ジメラミンホスフェート、メラミンボレー
ト、メラミンシアヌレートなどが挙げられる。
【0033】本発明による難燃剤は、例えば、慣用の添
加剤をさらに含有しても良く、例えば、充填剤、プラス
チック強化剤、滑剤などを含有しても良い。
【0034】本発明による難燃剤に添加されても良い充
填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、
クレー、焼成クレー、シラン改質クレー、タルク、マイ
カ、シリカ、ウォラストナイト、ベントナイト、珪藻
土、珪砂、軽石粉、スレート粉、アルミナホワイト、硫
酸アルミ、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、
二硫化モリブデン、表面処理フィラー、再生ゴム、ゴム
粉末、エボナイト粉末、セラックなどが挙げられる。
【0035】本発明による難燃剤に添加されても良いプ
ラスチック強化剤として、例えば、雲母粉、グラファイ
ト、ガラス繊維、ガラス球、火山ガラス中空体、カーボ
ン繊維、炭素中空体、無煙炭粉末、人造氷晶石、シリコ
ン樹脂粉末、シリカ球状微粒子、ポリビニルアルコール
繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、高強力ポリアクリ
レート繊維などが挙げられる。
【0036】本発明による難燃剤に添加されても良い滑
剤として、例えば、パラフィンワックス、流動パラフィ
ン、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレンワック
ス、複合ワックス、モンタンワックス、シリコーンオイ
ル、ステアリン酸、ステアリン酸リチウム、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ヒドロキシステアリン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12
−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキ
システアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン
酸亜鉛、ラウリル酸カルシウム、ラウリル酸バリウム、
ラウリル酸亜鉛など、ヤシ油、パーム核油、ニシン油、
タラ肝油、鯨油、パーム油、綿実油、オリーブ油、落花
生油、大豆油、アマニ油、ヒマシ油およびそれらの油に
水素添加した硬化油が挙げられる。
【0037】本発明による樹脂組成物は、例えば、慣用
の添加物をさらに含有しても良く、例えば、酸化防止
剤、光安定剤、金属不活性剤を含有しても良く、また必
要に応じて各種充填剤、導電性粉末などを含有しても良
い。
【0038】本発明によるホスファゼン組成物のほかに
添加されても良い酸化防止剤としては、例えば、2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−
tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノ
ール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチル
フェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフ
ェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6
−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−
メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフ
ェノール、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフ
ェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチル−ウ
ンデカ−1′−イル)−フェノール、2,4−ジメチル
−6−(1′−メチル−トリデカ−1′−イル)−フェ
ノールおよびそれらの混合物、2,4−ジ−オクチルチ
オメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−
ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4
−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,
6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノールお
よびそれらの混合物、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチ
ルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイ
ドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオ
キシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルハイド
ロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ア
ジペートおよびそれらの混合物、2,4−ビス−オクチ
ルメルカプト−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6
−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6
−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,
5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−ト
リス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6
−ジメチルベンジル)−イソシアヌレート、2,4,6
−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,
3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−
1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5
−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)−イソ
シアヌレート等および2,2′−メチレンビス(6−t
ert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−
メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェ
ノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビ
ス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノー
ル)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert
−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(6−
tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−
ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メ
チルフェニル)ブタン、エチレングリコールビス〔3,
3′−ビス(3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキ
シフェニル)ブチレート〕等ならびに、1,3,5−ト
リス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4
−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼ
ン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)−フェノール等を挙げる
ことが出来る。
【0039】本発明によるホスファゼン組成物のほかに
添加されても良い光安定剤としては、たとえば、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−
5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニ
ル〕ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−te
rt−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル
−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔3′−ter
t−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2′−オクチ
ルオキシカルボニルエチルフェニル)〕−5−クロロベ
ンゾトリアゾール等:4−ヒドロキシ−、4−メトキシ
−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデ
シルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2′,4′
−トリヒドロキシ−、2′−ヒドロキシ−4,4′−ジ
−メトキシ−または4−(2−エチルヘキシルオキシ)
−2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体など:4−te
rt−ブチルフェニル サリシレート、フェニル サリ
シレート、オクチルフェニル サリシレート、ジベンゾ
イルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベン
ゾイルレゾルシノール)、2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニルレゾルシノール、3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾ
エート等:エチル α−シアノ−β,β−ジオフェニル
アクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジ
オフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシ
シンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−
メトキシシンナメート等:ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネ
ート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)アジペート等:4,4′−ジオクチルオ
キシオキザニリド、2,2′−ジエトキシオキシオキザ
ニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−
tert−ブチルオキザニリド、2,2′−ジドデシル
オキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリ
ド、2−エトキシ−2′−エチルオキザニリド、N,
N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキザニリ
ド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エト
キシオキザニリド等:2,4,6−トリス(2−ヒドロ
キシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−ト
リアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシ
フェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒド
ロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフ
ェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2
−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−
(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニ
ル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−
1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0040】本発明におけるホスファゼン組成物のほか
に添加されても良い金属不活性化剤としては、たとえば
N,N′−ジ−フェニルシュウ酸ジアミド、N−サルチ
ラル−N′−サリチロイルヒドラジン、N,N′−ビス
(サリチロイル)ヒドラジン、N,N′−ビス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロ
ピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,
2,3−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)シュウ酸
ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N′−ジ
アセタール−アジピン酸ジヒドラジド、N,N′−ビス
サリチロイルシュウ酸ジヒドラジド、N,N′−ビスサ
リチロイルチオプロピオン酸ジヒドラジド等が挙げられ
る。
【0041】本発明によるホスファゼン組成物を含有す
る樹脂組成物を構成する樹脂として、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル(エチ
ル)共重合体、AS樹脂、ABS樹脂、PC樹脂、PC
・ABSアロイ、ポリスチレン、PET、PC・PET
アロイ、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン
サルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹
脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコー
ン樹脂、不飽和ポリエステル、などを挙げることができ
る。
【0042】本発明の樹脂組成物は、各種成形品として
の用途に供されるが、被膜、特に電線、ケーブル類、電
気部品、機械部品、プラグ、マウント、ケーシング、カ
バー、外装の防火保護被膜を製造するための材料として
有用である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではな
い。
【0044】得られたホスファゼン類に含まれるハロゲ
ンは電量滴定法により分析を行った。電量滴定法では、
得られたホスファゼンを熱分解し、ハロゲン化水素とし
て吸収液に捕らえ、ハロゲンと当量の銀を電気分解して
ハロゲン化銀とするとき、この電気量からハロゲン量を
求めた。
【0045】難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
および難燃性の評価 難燃性の評価は、サンプルサイズ60mm×150mm
×1mmのものを作成し、難燃性の度合いを示す酸素指
数により評価を行った。日本工業規格JISK7201
(酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法)に準
拠。
【0046】実施例1 撹拌機、温度計、水分測定用分留受器、還流冷却管を備
えた1Lのフラスコ中に48%NaOH 87.5g
(1.05mol)、トルエン220mL、フェノール
98.8g(1.05mol)を仕込み、撹拌下加熱し
共沸脱水(回収水64mL)を行ないフラスコ内の水分
を除去し、フェノールのNa塩化を行った。これを80
℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド25.0g
(0.342mol)を仕込み、撹拌下80℃でクロロ
ホスファゼン混合物のトルエン溶液{クロロホスファゼ
ン混合物〔一般式(4)で m=3のもの 74.7
%、m=4のもの 9.9%、m=5以上のもの 1
1.8%、一般式(5)で示される鎖状ホスファゼン類
2.6%〕58.0g(0.5unitmol)をトル
エン275mLに溶解したもの}を2時間かけて滴下
し、同温度で撹拌反応を10時間行った。反応終了後、
フラスコ内に水200mLを加えて無機塩を溶解させた
後、分液ロートにより有機層の分液を行った。有機層を
75%硫酸で中和し、水洗後、トルエンを留去し褐色ワ
ックス状のフェノキシホスファゼン混合物113.4g
(収率98%)を得た。撹拌機、温度計、還流冷却管を
備えた1Lのフラスコ中に得られたフェノキシホスファ
ゼン混合物113.4gにトルエン50mL、メタノー
ル200mLを仕込み、65℃まで昇温して不溶分を熱
濾過して取り除き、このろ液をゆっくりと5℃まで冷却
して晶析を行い、環状フェノキシホスファゼン類10
8.6gを得た。得られた環状フェノキシホスファゼン
類を電量滴定法により塩素の分析を行ったところ、塩素
の含有量は10ppmであった。
【0047】比較例1 撹拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロートを備えたフラ
スコにテトラヒドロフランと60%のNaH42.0g
(1.05mol)を加えてから室温で撹拌する。フェ
ノール98.8g(1.05mol)を180mLのテ
トラヒドロフランで希釈した溶液を滴下ロートから徐々
に滴下した。滴下終了後、40℃で30分間加熱撹拌を
行った。次に、温度を室温に戻す。得られたフェノール
のNa塩のテトラヒドロフランの溶液は直に次の反応に
使用する。撹拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロートを
備えた1Lのフラスコに600mLのテトラヒドロフラ
ンおよびヘキサクロロホスファゼン〔一般式(4)でm
=3のもの〕58.0g(0.167mol)を加えて
室温で撹拌する。ヘキサクロロホスファゼンが完全に溶
解したら、上記フェノールのNa塩のテトラヒドロフラ
ンの溶液を滴下ロートから徐々に滴下した。滴下終了
後、24時間加熱撹拌を続ける。反応終了後、冷却し、
不溶物をろ別する。ろ液を濃縮したのち、水/アセトン
から晶析を行い、ヘキサフェノキシホスファゼン類10
7.7gを得た。得られたホスファゼン類のハロゲン含
有量は5760ppmであった。
【0048】比較例2 撹拌機、温度計、水分測定量分留受器、還流冷却管を備
えた1Lのフラスコ中に48%NaOH 87.5g
(1.05mol)、トルエン220mL、フェノール
98.9g(1.05mol)を仕込み、撹拌下加熱し
共沸脱水(回収水64mL)を行ないフラスコ内の水分
を除去し、フェノールのNa塩化を行なった。これを8
0℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド25.0
g(0.342mol)を仕込み、撹拌下80℃でヘキ
サクロロホスファゼンのトルエン溶液{ヘキサクロロホ
スファゼン〔一般式(4)でm=3のもの〕58.0g
(0.167mol)をトルエン275mLに溶解した
もの}を2時間かけて滴下し、同温度で撹拌反応を10
時間行った。反応終了後、フラスコ内に水200mLを
加え無機塩を溶解させた後、分液ロートにより有機層の
分液を行った。有機層を75%硫酸で中和し、水洗後、
トルエンを留去し淡黄色結晶のヘキサフェノキシホスフ
ァゼン類113.4gを得た。得られたホスファゼン類
のハロゲン含有量は60ppmであった。
【0049】比較例3 比較例2と同様の条件で反応を行い、有機層を中和、水
洗後、トルエンを常圧で130℃まで回収した。60℃
まで冷却し、メタノール100mLを加え徐々に5℃ま
で冷却し、析出した結晶をろ過し目的物であるヘキサフ
ェノキシホスファゼン類107.7gを得た。得られた
ホスファゼン類のハロゲン含有量は60ppmであっ
た。
【0050】実施例2 実施例1のクロロホスファゼン混合物〔一般式(4)で
m=3のもの 74.7%、m=4のもの 9.9
%、m=5以上のもの 11.8%、一般式(5)で示
される鎖状ホスファゼン類2.6%〕の代わりにクロロ
ホスファゼン混合物〔一般式(4)で m=3のもの
60.8%、m=4のもの 21.8%、m=5以上の
もの 6.2%、一般式(5)で示される鎖状ホスファ
ゼン類11.8%〕を使用した以外は実施例1と同様の
条件で、反応を行った。その結果、環状フェノキシホス
ファゼン類95.8gを得た。得られた環状フェノキシ
ホスファゼン類を電量滴定法により塩素の分析を行った
ところ、塩素の含有量は5ppmであった。
【0051】実施例3 実施例1のクロロホスファゼン混合物〔一般式(4)で
m=3のもの 74.7%、m=4のもの 9.9
%、m=5以上のもの 11.8%、一般式(5)で示
される鎖状ホスファゼン類2.6%〕の代わりにクロロ
ホスファゼン混合物〔一般式(4)で m=3のもの
55.4%、m=4のもの 14.6%、m=5以上の
もの 8.2%、一般式(5)で示される鎖状ホスファ
ゼン類21.8%〕を使用した以外は実施例1と同様の
条件で、反応を行った。その結果、環状フェノキシホス
ファゼン類84.1gを得た。得られた環状フェノキシ
ホスファゼン類を電量滴定法により塩素の分析を行った
ところ、塩素の含有量は3ppmであった。
【0052】実施例4 実施例1と同様の条件でフェノール98.8gの代わり
にp−クレゾール113.5gを使用し反応を行った。
その結果、環状p−トリルオキシホスファゼン類12
1.8gを得た。得られた環状p−トリルオキシホスフ
ァゼン類を電量滴定法により塩素の分析を行ったところ
塩素の含有量は8ppmであった。
【0053】実施例5 実施例1で得られた環状フェノキシホスファゼン類3.
2重量%、水酸化マグネシウム32.3重量%、ポリオ
レフィン系樹脂としてポリプロピレン64.5重量%を
ミキサーに挿入し、180℃で混練した。得られた混合
物を用いて圧縮成形機(185℃、3分間)で成形し得
られたシートを使用して難燃剤の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0054】実施例6〜8 実施例5と同様の操作で実施例1で得られたフェノキシ
ホスファゼン類の代わりに実施例2〜4で得られたホス
ファゼン類を使用し難燃性の評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0055】比較例4 実施例5と同様の操作で実施例1で得られたフェノキシ
ホスファゼン類を添加せずに、水酸化マグネシウムのみ
添加し、難燃性の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0056】
【表1】
【0057】酸素指数とは、所定の試験条件下におい
て、材料が燃焼を持続するのに必要な最低酸素濃度(容
量%)の数値をいう。例えば酸素指数25.0というサ
ンプルがあるとすると、これは酸素濃度が25.0%以
上で着火されると燃焼し、25.0%以下では自己消火
することを示す。大気中の酸素濃度が約20.9%であ
ることを考えると、酸素指数が20.9を上廻るもの
は、自然環境下では自己消火することを意味するもので
あり、難燃効果が大きいことがよくわかる。
【0058】実施例9 水酸化マグネシウム32.3重量%、ポリオレフィン6
4.5重量%にそれぞれ実施例2で得られた環状フェノ
キシホスファゼン3.2重量%(サンプルA)、比較例
2で得られた環状フェノキシホスファゼン3.2重量%
(サンプルB)をミキサーに挿入し、実施例5と同様の
操作でシートを作成しテストピースとした。作成したテ
ストピースを以下のようなダイオキシンが発生しやすい
下記試験条件で燃焼させ、排ガス中に含まれるダイオキ
シンの量を測定した(JISK0311に準拠)。その
結果を表2に示す。 試験条件 実験実施炉 :横型管状炉 昇温速度 :5℃/min 最高到達温度 :900℃ 所要時間 :180min 900℃保持時間 :60min 供給ガス :Air(1.17L/min) 試験量 :5.73g 排ガス量 :150.5NL
【表2】 サンプルAを燃焼させた時に発生するダイオキシン類を
分析したところ、毒性の強い2,3,7,8−テトラク
ロロジベンゾ−p−ジオキシン(2,3,7,8−Te
CDD)、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ
−p−ジオキシン(1,2,3,7,8−PeCD
D)、2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラ
ン(2,3,4,7,8−PeCDF)は、いずれも検
出下限未満であったのに対し、サンプルBを燃焼させた
時に発生するダイオキシン類を分析したところ、毒性の
強い2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジオ
キシン(2,3,7,8−TeCDD)、1,2,3,
7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ジオキシン(1,
2,3,7,8−PeCDD)、2,3,4,7,8−
ペンタクロロジベンゾフラン(2,3,4,7,8−P
eCDF)は、それぞれ0.009ng/g−dry、
0.069ng/g−dry、0.10ng/g−dr
yであり、Total PCDDs毒性当量(ng/g
−dry)およびTotal PCDFs毒性当量(n
g/g−dry)は表2に示すものであった。以上のよ
うにダイオキシンが発生しやすい燃焼条件でも本発明の
フェノキシホスファゼンはダイオキシンの発生量も非常
に少ないので環境にやさしい難燃剤であるといえる。表
中の毒性当量(TEQ)は、2,3,7,8−テトラク
ロロジベンゾ−p−ジオキシン(2,3,7,8−Te
CDD)毒性当量のことであり、発生するダイオキシン
類を2,3,7,8−TeCDDの毒性に換算した値の
ことである。また、PCDDsはポリクロロジベンゾ−
p−ジオキシン類のことであり、PCDFsはポリクロ
ロジベンゾフラン類のことであり、いずれもダイオキシ
ン類である。
【0059】
【発明の効果】本発明により、原料としてハロゲンが含
まれているものを使用しているにもかかわらず、ハロゲ
ン含有量が50ppm以下というような実質的にハロゲ
ンを含まない環状ホスファゼン類を提供することができ
た。したがって、これを難燃剤として用いた樹脂類を燃
焼してもダイオキシンを発生することがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 C09K 21/12 C09K 21/12 21/14 21/14 (72)発明者 西松 雅之 兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目3番3 号 ケミプロ化成株式会社内 (72)発明者 大前 吉則 兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目3番3 号 ケミプロ化成株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA01 AA14 AA20 AC15 AF47 AH12 BC07 4H028 AA38 AA39 AA40 AA42 AA48 BA06 4H050 AA01 AA02 AA03 AB84 AD15 4J002 AA001 AC031 BB031 BB061 BB071 BB121 BB151 BB171 BC031 BC061 BF051 BG051 BN151 CD001 CF061 CF071 CF211 CG001 CH071 CL001 CN011 CP031 EW156 FD010 FD040 FD070 FD136 FD170 GQ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Arはアリール基、mは3〜10の整数であ
    る。)で示され事実上ハロゲンを含有しないことを特徴
    とする環状ホスファゼン類。
  2. 【請求項2】 ハロゲン含有量が50ppm以下である
    請求項1記載の環状ホスファゼン類。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1) 【化2】 (式中、Arはアリール基、mは3〜10の整数であ
    る。)で示される環状ホスファゼン類、下記一般式
    (2) 【化3】 (式中、Qはハロゲンおよび/またはアリールオキシ
    基、qは3〜10の整数である。)で示される環状ホス
    ファゼン類と下記一般式(3) 【化4】 (式中、Qはハロゲンおよび/またはアリールオキシ
    基、nは1〜20の整数である。)で示される鎖状ホス
    ファゼンとからなるホスファゼン組成物より前記一般式
    (1)で示される環状ホスファゼン類を晶析により分離
    精製することを特徴とする請求項1または2記載の環状
    ホスファゼン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の環状ホスファゼ
    ン類を有効成分とする難燃剤。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の環状ホスファゼ
    ン類を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の樹脂組成物よりなること
    を特徴とする成形品。
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