JP2002355972A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2002355972A
JP2002355972A JP2001163898A JP2001163898A JP2002355972A JP 2002355972 A JP2002355972 A JP 2002355972A JP 2001163898 A JP2001163898 A JP 2001163898A JP 2001163898 A JP2001163898 A JP 2001163898A JP 2002355972 A JP2002355972 A JP 2002355972A
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ink
base plate
jet head
ink jet
heating resistor
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Yoichi Moto
洋一 元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク滴iを記録紙の所定位置に正確に着弾さ
せることが可能な、高性能のインクジェットヘッドを提
供する。 【解決手段】単結晶シリコンから成るベースプレート2
の上面に複数個の発熱抵抗体4及び保護膜6を順次被着
させたヘッド基板1と、複数個のインク吐出孔8を有し
たノズル部材7とを、間に所定の間隙を形成するように
して配設するとともに該間隙にインク9を充填してな
り、発熱抵抗体4の発する熱エネルギーによってインク
9中に気泡Aを発生させ、この気泡発生に伴う圧力でも
ってインク吐出孔8よりインク滴iを吐出させて記録動
作を行なうインクジェットヘッドであって、前記発熱抵
抗体4上の保護膜表面に、発熱抵抗体4と1対1に対応
する複数個の窪み6aが形成されており、記録動作時、
窪み6a内のインク9中で気泡Aを発生させるようにな
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を記録するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出・飛翔させるのに発熱抵抗
体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変
形を利用するもの、更には電磁波の照射に伴って発生す
る熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗
体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプの
ものは、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、
小さな面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネ
ルギーを発生させることができることから、高密度記録
への対応に適したものとして注目されている。
【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば図5に示す如く、単結晶
シリコン等から成るベースプレート12の上面に複数個
の発熱抵抗体13を被着・配列させたヘッド基板11
と、前記発熱抵抗体13上にインク吐出孔16を有する
ノズル部材15とを、間に所定の間隔をあけて配置させ
るとともに、前記ヘッド基板11−ノズル部材15間の
間隙にインク17を充填した構造のものが知られてお
り、記録紙をノズル部材15の外表面に沿って搬送しな
がら、ヘッド基板11の発熱抵抗体13を外部からの画
像データに基づいて選択的にジュール発熱させ、発熱抵
抗体13上のインク17中で気泡Aを発生させるととも
に、該発生した気泡Aによる圧力でもって発熱抵抗体1
3上のインク17を上方に押し上げ、インク17の一部
をインク吐出孔16より外部に吐出させることによって
記録紙に画像が記録される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェットヘッドにおいては、ヘッド基板
11とノズル部材15の間に気泡Aの拡がりを抑制する
ものが何ら存在していないことから、発熱抵抗体13を
ジュール発熱させてインク17中で気泡Aを発生させる
と、気泡Aからの圧力は四方に分散し、気泡Aからの圧
力をインク吐出孔16側に効率良く伝達することができ
ない。このため、インク滴iの吐出速度が低下し、記録
紙に対するインク滴iの着弾位置にズレを生じるという
欠点を有していた。
【0006】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、インク滴iを記録紙の所定位置に正確
に着弾させることが可能な、高性能のインクジェットヘ
ッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、単結晶シリコンから成るベースプレートの上
面に複数個の発熱抵抗体及び保護膜を順次被着させたヘ
ッド基板と、前記発熱抵抗体と対応する複数個のインク
吐出孔を有したノズル部材とを、間に所定の間隙を形成
するようにして配設するとともに該間隙にインクを充填
してなり、前記発熱抵抗体の発する熱エネルギーによっ
てインク中に気泡を発生させ、この気泡発生に伴う圧力
でもって前記インク吐出孔よりインク滴を吐出させて記
録動作を行なうインクジェットヘッドであって、前記発
熱抵抗体上の保護膜表面に、発熱抵抗体と1対1に対応
する複数個の窪みが形成されており、記録動作時、前記
窪み内のインク中で前記気泡を発生させるようになした
ことを特徴とするものである。
【0008】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記ベースプレートを形成する単結晶シリコンの{10
0}面もしくは{110}面がベースプレートの上面と
合致させてあり、かつ前記ベースプレートの上面に、各
発熱抵抗体を内面に被着させた複数個の凹部が設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0009】更に本発明のインクジェットヘッドは、前
記凹部が、ベースプレートを形成する単結晶シリコンに
対する異方性エッチングにて形成されたものであること
を特徴とするものである。
【0010】また更に本発明のインクジェットヘッド
は、前記凹部の深さが0.5μm〜30.0μmに設定
されることを特徴とするものである。
【0011】更にまた本発明のインクジェットヘッド
は、前記ヘッド基板−ノズル部材間のインクが流動する
ように、インクを循環させることを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明のインクジェットヘッドによれば、
ヘッド基板の発熱抵抗体上に被着させた保護膜の表面に
発熱抵抗体と1対1に対応する窪みを形成し、記録動作
時、前記窪み内のインク中でインク吐出用の気泡を発生
させるようになしたことから、インク中で発生した気泡
がその周囲に拡がろうとしても、その拡がりは気泡を囲
繞するように配されている窪みの内壁でもって確実に抑
えられ、気泡の発生に伴う圧力の分散が有効に防止され
る。これにより、気泡からの圧力はインク吐出孔側に効
率良く伝達されることとなり、インク滴の吐出速度を高
速に維持して、インク滴を記録紙の所定位置に正確に着
弾させることができる。
【0013】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ベースプレートを形成する単結晶シリコンの{10
0}面もしくは{110}面をベースプレートの上面と
合致させた上、かかるベースプレートの上面に、各発熱
抵抗体を内面に被着させた複数個の凹部を設けておくこ
とにより、これらの上に従来周知の薄膜形成技術等によ
って保護膜を形成するだけで上述の窪みを凹部上に位置
する保護膜表面に簡単に形成することができ、しかも、
ベースプレート上面の凹部も従来周知の異方性エッチン
グによって極めて高精度に形成することができる利点が
ある。
【0014】更に本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ヘッド基板−ノズル部材間のインクが流動するよう
に、インクを循環させることにより、インクがベースプ
レートや発熱抵抗体、或いはこれらを被覆する保護膜等
と常に接するようになることから、高速記録に対応すべ
く発熱抵抗体を短時間で繰り返し発熱させる場合であっ
ても、ベースプレートの内部に蓄積される熱はインク側
に少しずつ逃がされるようになっており、これによって
ベースプレートを全体的に冷却せしめ、ベースプレート
の温度が過度に高温となるのを有効に防止することがで
きる上に、発熱抵抗体の発する熱等によってインク中の
水分もしくは油分がインク吐出孔から多量に蒸発し、イ
ンク吐出孔内のインクの粘度が上昇しようとしても、こ
の部分にはインク吐出孔の直下を流れるインクから水分
もしくは油分が順次補給されるのでインクが固まってし
まうことはなく、インク吐出孔の目詰まりを有効に防止
することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るイ
ンクジェットヘッドの斜視図、図2は図1のインクジェ
ットヘッドの縦断面図、図3は図1のインクジェットヘ
ッドの横断面図であり、1はヘッド基板、7はノズル部
材、9はヘッド基板1−ノズル部材7間に充填されるイ
ンクである。
【0016】前記ヘッド基板1は、矩形状をなすように
形成されたベースプレート2の上面に、長手方向にわた
って複数個の凹部3を配列させるとともに該各凹部3の
内面に沿って発熱抵抗体4を1個ずつ被着させ、これら
全体を単一の保護膜6で被覆した構造を有している。
【0017】前記ベースプレート2は、単結晶シリコン
から成り、その{100}面もしくは{110}面を上
面と合致させるようにして形成されている。
【0018】このようなベースプレート2の表面には酸
化シリコン(SiO2)等から成る絶縁膜2aが例えば
1μm〜3μmの厚みに設けられており、該絶縁膜2a
によってベースプレート2を被覆し、後述する発熱抵抗
体4等と電気的に絶縁している。
【0019】また前記ベースプレート2の上面に設けら
れている複数個の凹部3は、例えば50μm〜200μ
mの幅、0.5μm〜30.0μmの深さにてベースプ
レート2の長手方向に直線状に配列されており、各々の
凹部3の断面形状は四角形状をなしているため、このよ
うな凹部3の内面に沿って発熱抵抗体4や保護膜6を従
来周知の薄膜形成技術等によってそれぞれ略一定の厚み
に被着させると、凹部3内に設けられる保護膜6の表面
にも、凹部3と略相似形をなす所定の窪み6aが形成さ
れる。
【0020】尚、前記ベースプレート2は、従来周知の
チョコラルスキー法(引き上げ法)等によって形成した
単結晶シリコンのインゴット(塊)を、その{100}
面もしくは{110}面が露出されるようにして所定厚
みにスライスすることによって製作され、得られたベー
スプレート2の上面の一部をKOHやNH2(CH2 2
NH2等を含むエッチング液で所定の深さまでエッチン
グすることにより凹部3が形成され、また前記凹部3の
内面を含むベースプレート2の表面を従来周知の熱酸化
法により所定の深さ領域まで酸化することにより絶縁膜
2aが形成される。この場合、ベースプレート2を形成
する単結晶シリコンの{100}面もしくは{110}
面がベースプレート2の上面と合致させてあるため、凹
部3は上述のエッチング液を用いた異方性エッチングに
より極めて高精度に形成される。
【0021】また前記ベースプレート2の各凹部3内に
配設される発熱抵抗体4は、例えば600dpi(dot
per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列されてお
り、その各々がTaNやTaSiO,TaSiNO,Ti
SiO,TiSiCO,NbSiO等の電気抵抗材料を
例えば0.005μm〜0.15μmの厚みで薄く堆積
させた抵抗薄膜により形成されているため、その両端に
接続される電極5等を介して電源電力が印加されるとジ
ュール発熱を起こし、凹部3上に設けられる窪み6a内
に充填されるインク9中で気泡Aを発生させる。
【0022】このような発熱抵抗体4は、従来周知の薄
膜形成技術、具体的には、スパッタリング、フォトリソ
グラフィー及びエッチング技術等を採用し、上述の電気
抵抗材料を凹部3の内面に沿って所定厚み、所定パター
ンに被着させることにより形成される。
【0023】また前記発熱抵抗体4の両端に接続される
電極5は、アルミニウム等の金属か成り、ベースプレー
ト2の上面に所定パターンをなすように被着されてい
る。
【0024】前記電極5は、前述した複数個の発熱抵抗
体4に電源電力を供給するための給電線として機能する
ものであり、発熱抵抗体4と同様に、従来周知の薄膜形
成技術を採用し、上述の金属材料をベースプレート2の
上面に所定厚み、所定パターンに被着させることにより
形成される。
【0025】そして、上述したベースプレート2の上
面、並びに各凹部3の内面には、先に述べた発熱抵抗体
4や電極5等を被覆するようにして保護膜6が被着され
ている。
【0026】前記保護膜6は、例えば窒下珪素(Si3
4)やサイアロン(SiAlON)等の無機質材料に
よって例えば0.2μm〜2.0μmの厚みに形成され
ており、インク9中に含まれているアルカリイオンや水
分等が発熱抵抗体4や電極5等に接触してこれらを腐食
したり、或いは、インク9中に含まれている染料の固ま
り等が発熱抵抗体4の表面に付着しようとするのを有効
に防止する作用を為す。
【0027】前記保護膜6は、従来周知のスパッタリン
グや真空蒸着法等を採用し、前述の無機質材料を発熱抵
抗体4等が設けられているベースプレート2の上面、並
びに凹部3の内面に沿って略一定(±0.1μm以内)
の厚みに堆積させることにより形成される。
【0028】この場合、得られる保護膜6の表面は下地
に応じた形状をなすことから、各凹部3内に設けられる
保護膜6の表面には、前述したように、凹部3と略相似
形の窪み6aが形成されることとなる。
【0029】また一方、前記ノズル部材7は、上述した
ヘッド基板1の上面との間に例えば25μm〜200μ
mの間隙を形成するようにして、ヘッド基板1上に配設
される。
【0030】前記ノズル部材7は、発熱抵抗体4や窪み
6aと1対1に対応する複数個のインク吐出孔8を有し
ており、これらのインク吐出孔8を対応する窪み6aの
真上に位置させるようにしてヘッド基板1に対して固定
されている。
【0031】前記ノズル部材7のインク吐出孔8は、イ
ンクジェットヘッドの記録動作時、インク滴iを記録紙
に向けて吐出するためのものであり、各々のインク吐出
孔8の直径は10μm〜100μm程度の大きさに設定
され、発熱抵抗体4と同じ密度で主走査方向に配列され
る。
【0032】尚、前記ノズル部材7は、感光性のエポキ
シ樹脂やポリイミド樹脂,モリブデン,アルミナセラミ
ックス等を所定形状に加工したり、或いは、上記の材料
を組み合わせることによって形成され、例えばモリブデ
ンから成る場合、モリブデンのインゴット(塊)を従来
周知の金属加工法により板状に成形するとともに該板体
の所定箇所に従来周知のレーザー加工により孔あけを行
ってインク吐出孔8を穿設することにより製作され、得
られたノズル部材7を図示しないスペーサ等を介してヘ
ッド基板1上に載置させることによりノズル部材7がヘ
ッド基板1上の所定位置に固定される。
【0033】そして前記ヘッド基板1及びノズル部材7
間に充填されるインク9としては、例えば顔料タイプの
油性インクや水性染料インク等が使用され、その粘度
は、インク9の一部が保護膜表面の窪み6a内にも良好
に充填されるように、例えば0.3mPa・s〜3.0
mPa・s(25℃)に調整される。
【0034】前記インク9は図示しないインクタンクか
らヘッド基板1−ノズル部材7間の間隙に供給されるよ
うになっており、前述した発熱抵抗体4の熱エネルギー
によって窪み6a内のインク9中に気泡Aが発生する
と、該気泡発生時の圧力によってインク9の一部がイン
ク滴iとなってインク吐出孔8より外部に吐出される。
【0035】この場合、前記気泡Aは各凹部3の内側で
発生するようになっていることから、気泡Aが副走査方
向や主走査方向に拡がろうとしても、その拡がりは保護
膜表面に設けた凹部6aの内壁で確実に抑えられ、気泡
Aの発生に伴う圧力の分散が有効に防止される。これに
より、気泡Aからの圧力はインク吐出孔8側に効率良く
伝達されることとなり、インク滴iの吐出速度を高速に
維持して、インク滴iを記録紙の所定位置に正確に着弾
させることが可能となる。
【0036】かくして上述したインクジェットヘッド
は、記録紙をノズル部材7の外表面に沿ってインク吐出
孔8の配列方向と直交する方向に搬送しながら、複数個
の発熱抵抗体4を外部からの画像データに基づいて個々
に選択的に発熱させ、この熱エネルギーによって対応す
る窪み6a内のインク9中で気泡Aを発生させるととも
に、該発生した気泡Aによる圧力でもってインク9をイ
ンク吐出孔8側に押し上げ、インク滴iをインク吐出孔
8より記録紙に向けて吐出させることによって記録紙に
インクが付着され、所定の画像が記録される。
【0037】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能である。
【0038】例えば上述の実施形態において、ヘッド基
板1−ノズル部材7間のインク9が50μm/sec〜
2000μm/secの流速で副走査方向へ流動するよ
うに、インク9を循環ポンプ等によってインクタンクと
の間で循環させるようにしても良い。この場合、ベース
プレート2は循環するインク9によって良好に冷却され
ることから、ベースプレート2の温度は常に記録動作に
適した温度状態に維持されて、インク滴iの吐出量を略
一定に保つことができる上に、発熱抵抗体4の発した熱
等によってインク9中の水分もしくは油分がインク吐出
孔8から多量に蒸発し、インク吐出孔8内のインク9の
粘度が上昇しようとしても、この部分にはインク吐出孔
8の直下を流れるインク9から水分もしくは油分が順次
補給されるようになるのでインク9が固まってしまうこ
とはなく、インク吐出孔8の目詰まりを有効に防止する
ことができる利点もある。
【0039】また上述の実施形態においては、保護膜表
面に窪み6aを形成するのに、その下方に位置するベー
スプレート2の上面に予め凹部3を形成しておくように
したが、これに代えて、図4に示す如く、ベースプレー
ト2の上面を平坦に成しておき、その上に形成した表面
が平坦な保護膜6の一部を従来周知のエッチング技術に
て所定の深さまで浸蝕することにより発熱抵抗体4上の
保護膜表面に窪み6aを形成するようにしても良い。
【0040】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ヘッド基板の発熱抵抗体上に被着させた保護膜の表
面に発熱抵抗体と1対1に対応する窪みを形成し、記録
動作時、前記窪み内のインク中でインク吐出用の気泡を
発生させるようになしたことから、インク中で発生した
気泡がその周囲に拡がろうとしても、その拡がりは気泡
を囲繞するように配されている窪みの内壁でもって確実
に抑えられ、気泡の発生に伴う圧力の分散が有効に防止
される。これにより、気泡からの圧力はインク吐出孔側
に効率良く伝達されることとなり、インク滴の吐出速度
を高速に維持して、インク滴を記録紙の所定位置に正確
に着弾させることができる。
【0041】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ベースプレートを形成する単結晶シリコンの{10
0}面もしくは{110}面をベースプレートの上面と
合致させた上、かかるベースプレートの上面に、各発熱
抵抗体を内面に被着させた複数個の凹部を設けておくこ
とにより、これらの上に従来周知の薄膜形成技術等によ
って保護膜を形成するだけで上述の窪みを凹部上に位置
する保護膜表面に簡単に形成することができ、しかも、
ベースプレート上面の凹部も従来周知の異方性エッチン
グによって極めて高精度に形成することができる利点が
ある。
【0042】更に本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ヘッド基板−ノズル部材間のインクが流動するよう
に、インクを循環させることにより、インクがベースプ
レートや発熱抵抗体、或いはこれらを被覆する保護膜等
と常に接するようになることから、高速記録に対応すべ
く発熱抵抗体を短時間で繰り返し発熱させる場合であっ
ても、ベースプレートの内部に蓄積される熱はインク側
に少しずつ逃がされるようになっており、これによって
ベースプレートを全体的に冷却せしめ、ベースプレート
の温度が過度に高温となるのを有効に防止することがで
きる上に、発熱抵抗体の発する熱等によってインク中の
水分もしくは油分がインク吐出孔から多量に蒸発し、イ
ンク吐出孔内のインクの粘度が上昇しようとしても、こ
の部分にはインク吐出孔の直下を流れるインクから水分
もしくは油分が順次補給されるのでインクが固まってし
まうことはなく、インク吐出孔の目詰まりを有効に防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット
ヘッドの分解斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの縦断面図であ
る。
【図3】図1のインクジェットヘッドの横断面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの横断面図である。
【図5】従来のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・ヘッド基板、2・・・ベースプレート、3・・
・凹部、4・・・発熱抵抗体、6・・・保護膜、6a・
・・窪み、7・・・ノズル部材、8・・・インク吐出
孔、9・・・インク、A・・・気泡、i・・・インク滴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶シリコンから成るベースプレートの
    上面に複数個の発熱抵抗体及び保護膜を順次被着させた
    ヘッド基板と、前記発熱抵抗体と対応する複数個のイン
    ク吐出孔を有したノズル部材とを、間に所定の間隙を形
    成するようにして配設するとともに該間隙にインクを充
    填してなり、前記発熱抵抗体の発する熱エネルギーによ
    ってインク中に気泡を発生させ、この気泡発生に伴う圧
    力でもって前記インク吐出孔よりインク滴を吐出させて
    記録動作を行なうインクジェットヘッドであって、 前記発熱抵抗体上の保護膜表面に、発熱抵抗体と1対1
    に対応する複数個の窪みが形成されており、記録動作
    時、前記窪み内のインク中で前記気泡を発生させるよう
    になしたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】前記ベースプレートを形成する単結晶シリ
    コンの{100}面もしくは{110}面がベースプレ
    ートの上面と合致させてあり、かつ前記ベースプレート
    の上面に、各発熱抵抗体を内面に被着させた複数個の凹
    部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】前記凹部が、ベースプレートを形成する単
    結晶シリコンに対する異方性エッチングにて形成された
    ものであることを特徴とする請求項2に記載のインクジ
    ェットヘッド。
  4. 【請求項4】前記凹部の深さが0.5μm〜30.0μ
    mに設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】前記ヘッド基板−ノズル部材間のインクが
    流動するように、インクを循環させることを特徴とする
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェッ
    トヘッド。
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