JP2002352852A - 非水系電解液二次電池 - Google Patents
非水系電解液二次電池Info
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Abstract
優れたリチウム二次電池の提供。 【解決手段】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
負極と、正極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる
電解液とから構成される非水系電解液二次電池におい
て、非水溶媒中に一般式(I)で表されるビニレンカー
ボネート化合物及び/又は一般式(II)で表されるビ
ニルエチレンカーボネート化合物を含有し、更に酸無水
物を含有する非水系電解液二次電池。 (式中、R1、R2は、それぞれ独立して、H原子又は
C1〜4のアルキル基。) (式中、R3〜R5は、それぞれ独立して、H原子又は
C1〜4のアルキル基、R6〜R8は、それぞれ独立し
て、H原子又はC1〜4のアルキル基またはC2〜7の
アルケニル基。)
Description
電池に関する。詳しくは特定の非水系電解液を使用する
ことにより、高容量で保存特性、サイクル特性に優れた
非水液系電解液二次電池を提供するものである。
ない、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池の開
発が進められている。また、リチウム二次電池の適用分
野の拡大に伴い電池特性の改善も要望されている。金属
リチウムを負極とする二次電池は高容量化を達成できる
電池として古くから盛んに研究が行われている。しか
し、金属リチウムは充放電の繰り返しによりデンドライ
ト状に成長し、最終的には正極に達して電池内部におい
て短絡が生じてしまうという問題がある。この問題は金
属リチウム二次電池を実用化する際の最大の技術的な課
題となっている。
人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出すること
が可能な炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池が提
案されている。このような非水系電解液二次電池では、
リチウムが金属状態で存在しないためデンドライトの形
成が抑制され、電池寿命と安全性を向上することができ
る。特に人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛系炭素質材料を用
いた非水系電解液二次電池は、高容量化の要求に応える
ものとして注目されている。
池においては、非水系電解液の高誘電率溶媒として通
常、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等
の環状カーボネートが広く用いられ、コークスなどの非
黒鉛系炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池では、
プロピレンカーボネートを含む溶媒が好適に用いられて
いる。
は、これとリチウムを吸蔵・放出可能な他の負極材と混
合して負極とした非水系電解液二次電池では、プロピレ
ンカーボネートを含む溶媒を用いると、充電時に電極表
面でプロピレンカーボネートの分解反応が激しく進行し
て、黒鉛系炭素質負極への円滑なリチウムの吸蔵・放出
が不可能になる。
分解が少ないことから、黒鉛系炭素質負極を用いた非水
系電解液二次電池では、エチレンカーボネートが電解液
用の高誘電率溶媒として多用されている。しかしなが
ら、エチレンカーボネートを主溶媒としても、充放電過
程において電極表面で電解液が分解するために充放電効
率の低下、サイクル特性の低下、ガス発生による電池内
圧の上昇等の問題があった。
のために種々の添加剤を含有させた電解液が提案されて
いる。黒鉛系負極を用いた非水系電解液電池の電解液の
分解を抑制するために、ビニレンカーボネート及びその
誘導体を含有する電解液(特開平8−45545号公
報)や側鎖に非共役不飽和結合を有するエチレンカーボ
ネート誘導体を含む電解液(特開2000‐40526
号公報)が提案されている。これらの化合物を含む電解
液は、前記化合物が、負極表面で還元分解されて皮膜を
形成し、この皮膜により電解液の過度の分解が抑制され
る。
温環境下での保存特性については、必ずしも満足できる
ものではない。また、ビニレンカーボネート化合物は充
電状態の正極材とも反応しやすく、添加量が多くなると
保存特性が更に低下する傾向にある。
鑑みてなされたものであり、非水系電解液二次電池の電
解液の分解を最小限に抑えて、充放電効率が高く、高温
下でも保存特性、サイクル特性の優れた高エネルギー密
度の非水系電解液二次電池を提供するものである。
を達成するために種々の検討を重ねた結果、特定の電解
液を用いることで、電解液の分解を最小限に抑えて充放
電効率を向上させ、保存特性、サイクル特性を向上させ
ることができることを見いだし、この発明を完成させる
に至った。
ことが可能な負極と、正極と、非水溶媒にリチウム塩を
溶解してなる電解液とから少なくとも構成される非水系
電解液二次電池において、非水溶媒中に一般式(I)で
表されるビニレンカーボネート化合物及び/又は一般式
(II)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を
含有し、更に酸無水物を含有することを特徴とするもの
である。
ることが可能な負極と、正極を少なくとも備えた非水系
電解液二次電池用の非水系電解液であって、該非水系電
解液が非水溶媒とリチウム塩から少なくとも構成され、
前記非水溶媒中に一般式(I)で表されるビニレンカー
ボネート化合物及び/又は一般式(II)で表されるビニ
ルエチレンカーボネート化合物を含有し、更に酸無水物
を含有することを特徴とする前記非水系電解液、にあ
る。
充電時から、負極表面の電解液分解活性の高い部位に、
ビニレンカーボネート化合物及び/又はビニルエチレン
カーボネート化合物由来の還元反応生成物の被膜と、酸
無水物の還元反応生成物の皮膜が効率よく生成し、理由
は明確ではないが、この複合被膜が高温環境下やサイク
ル中において安定であり、過度の電解液の分解を抑制す
ると思われ、充放電効率や保存特性、サイクル特性を向
上させると推定される。
いて完成されたものであり、リチウムを吸蔵・放出する
ことが可能な負極と、正極と、非水溶媒にリチウム塩を
溶解してなる電解液とから少なくとも構成される非水系
電解液二次電池において、非水溶媒中に一般式(I)で
表されるビニレンカーボネート化合物及び/又は一般式
(II)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を
含有し、更に酸無水物を含有することを特徴とするもの
である。
式(I)で表されるビニレンカーボネート化合物及び下
記一般式(II)で表されるビニルエチレンカーボネート
化合物を単独で又は混合して含有し、更に酸無水物を含
有することを特徴とする。
て、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R
1 、R2が炭素数1〜4のアルキル基である場合、その
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基が挙げられる。これらの中、メ
チル基、エチル基が好ましい。
るビニレンカーボネート化合物の具体例としては、ビニ
レンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチ
ルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカ
ーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート等
を挙げることができる。中でもビニレンカーボネート、
4,5−ジメチルビニレンカーボネートが好ましく、ビ
ニレンカーボネートが特に好ましい。これらは2種以上
混合して用いてもよい。
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のア
ルキル基を表し、R6、R7及びR8は、それぞれ独立し
て、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基または炭素
数2〜7のアルケニル基を表す。R 3、R4、R5、R6、
R7及びR8が炭素数1〜4のアルキル基である場合、そ
の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基が挙げられる。これらの中、メ
チル基、エチル基が好ましい。
アルケニル基である場合、その具体例としては、ビニル
基、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、プロペ
ニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニ
ル基、3−メチルプロペニル基、ブテニル基等が挙げら
れる。そしてこのような一般式(II)で表されるビニル
エチレンカーボネート化合物の具体例としては、4−ビ
ニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエ
チレンカーボネート、4−エチル−4−ビニルエチレン
カーボネート、4−n−プロピル−4−ビニルエチレン
カーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカーボ
ネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,
5−ジビニルエチレンカーボネート等を挙げることがで
きる。
4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5
−ジビニルエチレンカーボネートが好ましく、4−ビニ
ルエチレンカーボネートが特に好ましい。これらは一般
式(I)の化合物として2種以上、又は一般式(II)の
化合物として2種以上、又は一般式(I)の化合物と一
般式(II)の化合物をそれぞれ1種つづ以上混合して用
いてもよい。
は限定されない。また、酸無水物の構造を1分子中に複
数個有する化合物であってもよい。本発明に使用される
酸無水物の具体例として、無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水酪酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マ
レイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水
イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水
物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5
−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、フェニ
ルコハク酸無水物、2−フェニルグルタル酸無水物、無
水フタル酸、無水ピロメリット酸等が挙げることができ
る。中でも好ましいのは、無水コハク酸、無水グルタル
酸、無水マレイン酸である。これらの酸無水物は2種以
上混合して用いてもよい。
(I)で表されるビニレンカーボネート化合物及び/又
は一般式(II)で表されるビニルエチレンカーボネート
化合物の含有量は特に限定されないが、溶媒総重量に基
づいて好ましくは0.01〜5重量%である。尚、溶媒
総重量とは、電解液を非水溶媒とリチウム塩の溶質に分
けて考えた場合の、非水溶媒部の総重量とする。
含有量は特に限定されないが、溶媒総重量に基づいて好
ましくは0.01〜5重量%である。本発明に使用され
る非水溶媒としては、特に限定されず、例えば、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネ
ート、エチルメチルカーボネート等のジアルキル(炭素
数1〜4のものが好ましい)カーボネート、テトラヒド
ロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エー
テル、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エ
ーテル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の
環状エステル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチル等の鎖状エステル、スルフォラン、ジエ
チルスルホン等の含硫黄有機溶媒、リン酸トリメチル、
リン酸トリエチル等の含燐有機溶媒等が挙げられる。こ
れらの溶媒は二種類以上混合して用いても良い。
が2〜4のアルキレンカーボネートからなる群から選ば
れた環状カーボネートと、アルキル基の炭素数が1〜4
であるジアルキルカーボネートよりなる群から選ばれた
鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、
且つこれらのカーボネートが全体の70容量%以上を占
める混合溶媒であるものが好ましい。
ンカーボネートの具体例としては、例えばエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネ
ート等を挙げることができ、これらの中、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。アルキ
ル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートの
具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチ
ルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、
エチル−n−プロピルカーボネート等を挙げることがで
きる。これらの中、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。な
お混合非水溶媒中には、カーボネート以外の溶媒を含有
してもよい。
て、比誘電率25以上の1種または2種以上の溶媒を9
0容量%以上含有する組み合わせが高温安定性の面から
好ましい。また、比誘電率25以上の非水溶媒としてエ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトンの内、1種または2
種以上を90容量%以上含むものが好ましい。さらに前
記非水系電解液には、他の有用な化合物、例えば従来公
知の添加剤、過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤と混合して
用いても良い。
サルファイト等のサルファイト、フェニルエチレンカー
ボネート、フルオロエチレンカーボネートのエチレンカ
ーボネート誘導体、プロパンスルトン等のスルホン酸エ
ステル、1‐メチル‐2‐ピロリジノン、1‐メチル‐
2‐ピペリドン、3‐メチル‐2‐オキサゾリジノン、
1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン、N‐メチル
スクシイミド等の含窒素化合物群から選ばれる一種以上
の化合物を、0.1〜5重量%含有していると、含まな
い場合と比較して、より容量維持特性、サイクル特性が
良好である。
203560号、同7−302614号、同9−508
22号、同8−273700号、同9−17447号各
公報等に記載されるベンゼン誘導体、特開平9−106
835号、同9−171840号、同10−32125
8号、同7−302614号、同7−302614号、
同11−162512号、特許2939469号、特許
2963898号各公報等に記載されるビフェニル及び
その誘導体、特開平9−45369号、同10−321
258号各公報等に記載されるピロール誘導体、特開平
7−320778号、同7−302614号各公報等に
記載されるアニリン誘導体等の芳香族化合物や特許29
83205号公報等に記載のエーテル系化合物、その他
特開2001‐15158号公報に記載の化合物群等を
挙げることができる。
や電極材との塗れ性を良くするために、公知の界面活性
剤を溶媒総重量に基づいて0.01〜2重量%の範囲で
添加しても良い。本発明で使用される電解液の溶質とし
ては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩について
は、溶質として使用し得るものであれば特に限定はされ
ないが、その具体例として例えば、 1)無機リチウム塩:LiPF6、LiAsF6、LiB
F4、LiTaF6、LiAlF4、LiAlF6、LiS
iF6等の無機フッ化物塩、LiClO4等の過ハロゲン
酸塩、 2)有機リチウム塩:LiCF3SO3等の有機スルホン
酸塩、LiN(CF3SO2)2 、LiN(C2F5S
O2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のパ
ーフルオロアルキルスルホン酸イミド塩、LiC(CF
3SO2)3等のパーフルオロアルキルスルホン酸メチド
塩、LiPF3(C2F5)3、LiBF2(CF3)2、L
iBF3(CF3)等の無機フッ化物塩の一部のフッ素を
パーフルオロアルキル基で置換した塩、LiB(CF3
COO)4、LiB(OCOCF2COO)2、LiB
(OCOC2F4COO)2、等のリチウムテトラキス
(パーフルオロカルボキシレート)ボレート塩が挙げら
れる。これらの溶質は2種類以上混合して用いても良
い。これらの中で、溶解度、イオン解離度、電気伝導率
特性の面から、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3
SO2)2 、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF 3
SO2)(C4F9SO2)、LiPF3(CF3)3、Li
PF3(C2F5)3、LiBF2(C2F5)2、LiB(O
COCF2COO)2がより好ましく、LiPF6、Li
BF4がさらに好ましい。特に、誘電率25以上の非水
溶媒としてγ−ブチロラクトンを60重量%以上含む非
水溶媒を選択した場合には、LiBF4がリチウム塩全
体の50重量%以上であることが好ましい。
0.5〜3モル/リットルであることが望ましい。0.
5モル/リットル以下もしくは3モル/リットル以上で
は、電解液の電気伝導率が低く、電池の性能が低下する
ため好ましくない。本発明の電池を構成する負極の材料
としては、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や人
造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出可能な炭素
質材料、酸化錫、酸化珪素等のリチウムを吸蔵・放出可
能な金属酸化物材料、リチウム金属、種々のリチウム合
金を用いることができる。これらの負極材料は二種類以
上混合して用いても良い。
を吸蔵・放出可能な炭素質材料の具体例としては、例え
ば様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や、人造黒
鉛、天然黒鉛等が挙げられる。好適には種々の原料から
得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人
造黒鉛及び精製天然黒鉛或いはこれらの黒鉛にピッチを
含む種々の表面処理を施した材料が主として使用される
が、これらの黒鉛材料は学振法によるX線回折で求めた
格子面(002面)のd値(層間距離)は0.335〜
0.338nmであり、0.335〜0.337nmで
あるものが好ましい。灰分は1重量%以下であるのが好
ましく、0.5重量%以下であるのがより好ましく、
0.1重量%以下であるのが特に好ましい。また、学振
法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)は30
nm以上であるのが好ましく、50nm以上であるのが
より好ましく、100nm以上であるのが特に好まし
い。
材料粉体のメジアン径は、1〜100μmであるのが好
ましく、3〜50μm以下であるのがより好ましく、5
〜40μmであるのが更に好ましく、7〜30μmであ
るのが特に好ましい。BET法比表面積は、0.3〜2
5.0m2/gであるのが好ましく、0.5〜20.0
m2/gであるのがより好ましく、0.7〜15.0m2
/gであるのが更に好ましく、0.8〜10.0m2/
gであるのが特に好ましい。また、前記径に調整された
粉体をアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペク
トル分析した場合、1570〜1620cm-1の範囲の
ピークPA (ピーク強度IA )及び1300〜1400
cm-1の範囲のピークPB (ピーク強度IB )の強度比
R=IB/IA は0.01〜0.5が好ましく、157
0〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅は26cm
-1以下、特に25cm-1以下であるのが好ましい。
方法については、特に限定されない。例えば、負極材料
に、必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加
えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥する
ことにより負極を製造することができるし、また、該負
極材料をそのままロール成形してシート電極としたり、
圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
は、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な
材料であれば、特に限定されない。その具体例として
は、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム等を挙げることができる。増粘剤としては、
カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガ
ゼイン等が挙げられる。
料、グラファイト、カーボンブラック等のような炭素材
料が挙げられる。負極用集電体の材質は、銅、ニッケ
ル、ステンレス等の金属が使用され、これらの中で薄膜
に加工しやすいという点とコストの点から銅箔が好まし
い。本発明の電池を構成する正極の材料としては、リチ
ウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウ
ムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料
等のリチウムを吸蔵及び放出可能な材料を使用すること
ができる。
ず、上記の負極の製造方法に準じて製造することができ
る。また、その形状については、正極材料に必要に応じ
て結着剤、導電材、溶媒等を加えて混合後、集電体の基
板に塗布してシート電極としたり、プレス成形を施して
ペレット電極とすることができる。正極用集電体の材質
は、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属またはそ
の合金が用いられる。これらの中で、特にアルミニウム
またはその合金が軽量であるためエネルギー密度の点で
望ましい。
質や形状については、特に限定されない。但し、電解液
に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが
好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィンを原料とする多孔性シートまたは不織布等を用い
るのが好ましい。負極、正極及び非水系電解液を少なく
とも有する本発明の電池を製造する方法については、特
に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選
択することができる。
ず、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシ
リンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合
わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレ
ット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が使
用可能である。
更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限りこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 X線回折における格子面(002面)のd値が0.33
6nm、晶子サイズ(Lc)が、100nm以上(65
2nm)、灰分が0.07重量%、レーザー回折・散乱
法によるメジアン径が12μm、BET法比表面積が
7.5m2/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラ
マンスペクトル分析において1570〜1620cm-1
の範囲のピークPA(ピーク強度IA)および1300〜
1400cm-1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の
強度比R=IB/IAが0.12、1570〜1620c
m-1の範囲のピークの半値幅が19.9cm-1である天然
黒鉛粉末94重量部にポリフッ化ビニリデン6重量部を
混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させスラリ
ー状としたものを負極集電体である厚さ18μmの銅箔
上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤状
に打ち抜いて負極とした。
にカーボンブラック6重量部、ポリフッ化ビニリデンK
F−1000(呉羽化学社製、商品名)9重量部を加え
混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリ
ー状としたものを正極集電体である厚さ20μmのアル
ミニウム箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5m
mの円盤状に打ち抜いて正極とした。電解液について
は、乾燥アルゴン雰囲気下で、十分に乾燥を行ったLi
PF6を溶質として用い、エチレンカーボネートとエチ
ルメチルカーボネートの混合物(3:7容量比)にビニ
レンカーボネート1重量%と無水コハク酸0.2重量%
の割合(それぞれ溶媒総重量に基づいて配合割合を示し
た。以下の例においても同様である)で添加し、更にL
iPF6 を1モル/リットルの割合で溶解して調製し
た。
極導電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容
し、その上に電解液を含浸させたセパレーターを介して
負極を裁置した。この缶体と負極導電体を兼ねる封口板
とを、絶縁用のガスケットを介してかしめて密封し、コ
イン型電池を作製した。 比較例1 エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混
合物(3:7容量比)にビニレンカーボネートを1重量
%割合で添加し、更にLiPF6を1モル/リットルの
割合で溶解して調製した電解液を用いた以外は実施例1
と同様にしてコイン型電池を作製した。
合物(3:7容量比)にビニルエチレンカーボネート1
重量%と無水コハク酸0.2重量%の割合で添加し、更
にLiPF6を1モル/リットルの割合で溶解して調製
した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコ
イン型電池を作製した。
合物(3:7容量比)にビニルエチレンカーボネートを
1重量%割合で添加し、更にLiPF6を1モル/リッ
トルの割合で溶解して調製した電解液を用いた以外は実
施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
無水コハク酸0.2重量%の割合で添加し、更にLiB
F4を1.5モル/リットルの割合で溶解して調製した
電解液を用いた以外は実施例1と同様にしてコイン型電
池を作製した。 比較例3 γ−ブチロラクトンにビニレンカーボネートを1重量%
の割合で添加し、更にLiBF4を1.5モル/リット
ルの割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は
実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
無水マレイン酸0.2重量%の割合で添加し、更にLi
BF4を1.5モル/リットルの割合で溶解して調製し
た電解液を用いた以外は実施例1と同様にしてコイン型
電池を作製した。
物(5:5容量比)にビニレンカーボネート1重量%と
無水コハク酸0.2重量%の割合で添加し、更にLiP
F6を1モル/リットルの割合で溶解して調製した電解
液を用いた以外は実施例1と同様にしてコイン型電池を
作製した。
物(5:5容量比)にビニレンカーボネートを1重量%
割合で添加し、更にLiPF6を1モル/リットルの割
合で溶解して調製した電解液を用いた以外は実施例1と
同様にしてコイン型電池を作製した。
の電池を25℃において、0.5mAの定電流で充電終
止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充放電を5サイク
ル行って安定させた後、充電状態で85℃で3日間保存
した。保存後の電池を25℃において0.5mAの定電
流で放電終止電圧3Vまで放電させ、次に0.5mAの
定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充
放電を行って保存後の容量を測定した。保存前の放電容
量を100とした場合の保存後の放電容量を表1に示
す。表1から明らかなように、本実施例の電池は、保存
前の放電容量に対する保存後の放電容量が向上してお
り、高温での保存特性の向上に効果がある。
負極と、正極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる
電解液とから少なくとも構成される非水系電解液二次電
池において、前記非水溶媒中に一般式(I)で表される
ビニレンカーボネート化合物及び/又は一般式(II)で
表されるビニルエチレンカーボネート化合物を含有し、
更に酸無水物を含有することにより、電解液の分解を最
小限に抑え、高い容量が得られると共に、高温下におい
ても、保存特性、サイクル特性の優れた電池を作製する
ことができ、非水系電解液二次電池の小型化、高性能化
に寄与することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
負極と、正極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる
電解液とから少なくとも構成される非水系電解液二次電
池において、前記非水溶媒中に下記一般式(I)で表さ
れるビニレンカーボネート化合物及び/又は下記一般式
(II)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を
含有し、更に酸無水物を含有することを特徴とする非水
系電解液二次電池。 【化1】 (式中R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭
素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化2】 (式中R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原
子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R6、R7及び
R8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基または炭素数2〜7のアルケニル基を表
す。) - 【請求項2】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
負極と、正極を少なくとも備えた非水系電解液二次電池
用の非水系電解液であって、該非水系電解液が非水溶媒
とリチウム塩から少なくとも構成され、前記非水溶媒中
に下記一般式(I)で表されるビニレンカーボネート化
合物及び/又は下記一般式(II)で表されるビニルエチ
レンカーボネート化合物を含有し、更に酸無水物を含有
することを特徴とする前記非水系電解液。 【化3】 (式中R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭
素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化4】 (式中R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原
子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R6、R7及び
R8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基または炭素数2〜7のアルケニル基を表
す。)
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