JP2002349528A - ねじおよび締結構造 - Google Patents

ねじおよび締結構造

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JP2002349528A
JP2002349528A JP2001158037A JP2001158037A JP2002349528A JP 2002349528 A JP2002349528 A JP 2002349528A JP 2001158037 A JP2001158037 A JP 2001158037A JP 2001158037 A JP2001158037 A JP 2001158037A JP 2002349528 A JP2002349528 A JP 2002349528A
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reverse
mating
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JP2001158037A
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English (en)
Inventor
Kazuo Fukazawa
一男 深沢
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FUKASAWA KK
Original Assignee
FUKASAWA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 戻り回転が生じて緩むのを防止でき、かつ製
造が容易なねじを提供する。 【解決手段】 自分自身で相手部材9に雌ねじを加工し
ながら相手部材9にねじ込まれるねじ1において、先端
側に正方向ねじ部4、頭部3付近に正方向ねじ部4と外
径が概ね同じかまたはそれより大きい逆方向ねじ部5を
それぞれ設ける。相手部材9がプラスチックや木材等の
柔軟な材料である場合、またはこのような柔軟な材料か
らなる相手部材と金属等の柔軟性のない材料からなる相
手部材とを重ねて締結する場合等に使用するに好適であ
り、正方向ねじ部4および逆方向ねじ部5が同軸上に存
在するので、締め付け完了後は、正逆何れの方向にも回
転することが困難になり、戻り止め効果が発揮される。
正方向および逆方向ねじ部4,5は設置位置を分離され
ているので、製造が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タッピンねじ、木
ねじ等のように頭部を持ち、作業者により締め付け方向
に回転力を加えられることにより、自分自身で相手部材
に雌ねじを加工しながら該相手部材にねじ込まれるねじ
およびこの種のねじを用いた締結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なこの種のねじにおいて
は、一方向のねじ山(通常は右ねじ)のみが設けられて
いた。
【0003】また、特開平4−175508号には、タ
ッピンねじとして好適なねじとして、軸部のうちの同一
部分に、ねじ込み用の主ねじと、この主ねじとは逆方向
の副ねじとを互いに交差するようにして設けたねじが開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の一般的なこの種
のねじにおいては、締め付けても、ねじの軸方向への応
力により戻り回転が生じ、それがねじ緩みの原因となっ
ていた。これを詳しく説明すると、ねじの戻り回転に抗
する要素は、相手部材の雌ねじ部から雄ねじ谷部への
圧力と摩擦、および相手部材の雌ねじ部から雄ねじ山
の側面への、ねじの締め付け軸力相当分の圧力と摩擦で
ある。しかしながら、ともに初期のねじ込みから時
間が経過すると、接触面同士の馴染み等により圧力が低
下し、戻り回転に抗する力が激減するため、ついにはね
じの戻り回転・ねじの緩みへと至っていた。
【0005】他方、前記特開平4−175508号に開
示されているねじにおいては、主ねじとは逆向きの副ね
じの存在により、ねじのゆるみが防止される。しかしな
がら、軸部の同一部分に主ねじと副ねじとが設けられて
いるので、ねじ込み可能とするためには、副ねじ山の外
径を主ねじ山の外径より小さくしなければならないた
め、緩み防止効果を大きくすることができないという問
題があった。
【0006】また、軸部の同一部分に主ねじと逆方向の
副ねじとの両方が設けられているので、製造が難しく、
締め付け不良等を生じず、しかも所期の目的を達成でき
る製品を製造するには高度の製造技術が必要とされると
いう問題があった。
【0007】さらに、軸部の同一部分に主ねじと副ねじ
とが設けられているので、主ねじの長さに対して副ねじ
の長さを適宜調整することができなかった。
【0008】また、従来、ねじにより穴の開いていない
床板材を鉄板に締結する場合、床板材と鉄板とが十分締
結されず、締め付け作業完了後も2枚の板間に隙間が空
いたままになってしまうことが多く、これが床板の浮き
上がりの原因となっていた。このような不都合な現象が
生じるのは、次の理由による。
【0009】床板材側からねじをねじ込んで行き、ねじ
の先端が鉄板に達したとき、ねじは続いて直ちに鉄板に
ねじ込まれて行く訳ではなく、鉄板への食いつきにある
程度時間が費やされてから初めて鉄板にねじ込まれて行
く。したがって、鉄板に対して軸方向に関しねじの進行
が止まってしまう時間が若干生じるが、この間、床板材
の方に対してはねじは相対的に締め付け方向にそのまま
進行して行くので、鉄板に対して床板材がねじの頭部側
に動き、床板材と鉄板との間に隙間が生じることにな
る。そして、その後、ねじが鉄板にねじ込まれるように
なった後は、ねじは床板材および鉄板の双方に対して同
一ピッチで(したがって、同一速度で)締め付け方向に
進行するので、一旦生じた前記隙間はそのまま最後まで
残存してしまう。
【0010】本発明は、このような従来の事情に鑑みて
なされたもので、本発明の1つの目的は、ねじ面同士の
馴染み等により前記の摩擦力による戻り回転防止力
が低下しても、戻り回転が生じて緩むのを防止すること
ができるねじおよび締結構造を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、逆方向ねじの外径を
正方向ねじの外径と概ね同じまたはそれより大きくして
緩み防止効果を大きくすることができるねじを提供する
ことにある。
【0012】本発明の他の目的は、製造が容易なねじを
提供することにある。本発明の他の目的は、抜け方向の
保持力を増大させることができるねじを提供することに
ある。
【0013】本発明の他の目的は、正方向のねじ山の長
さに対して逆方向のねじ山の長さを調整することによ
り、戻り止めの効果と強制的に緩めて取り外す場合の作
業の容易性との兼ね合いを調整することができるねじを
提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、床板材のような柔軟
な材料からなる相手部材と鉄板のような柔軟性のない材
料からなる相手部材とを、両者間に隙間を生じさせるこ
となく、互いに重なるように強固に締結することができ
るねじおよび締結構造を提供することにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、以下の説明か
ら明らかになろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によるねじは、軸
部と、この軸部の後端部に設けられた頭部とを有し、自
分自身で相手部材に雌ねじを加工しながら該相手部材に
前記軸部をねじ込まれるねじにおいて、前記軸部の先端
側に設けられた正方向ねじ部と、前記軸部のうちの前記
頭部付近の部分に設けられた、前記正方向ねじ部と逆方
向で、前記正方向ねじ部と外径が概ね同じかまたはそれ
より大きい逆方向ねじ部とを有しており、前記正方向ね
じ部および逆方向ねじ部は軸方向に関し互いにその設置
位置を分離されているものである。
【0017】本発明によるねじは、相手部材がプラスチ
ックや木材等の柔軟な材料である場合、またはプラスチ
ックや木材等の柔軟な材料からなる相手部材と金属等の
柔軟性のない材料からなる相手部材とを互いに重なるよ
うに締結する場合等に好適である。
【0018】相手部材がプラスチックや木材等の柔軟な
材料単独である場合、このねじは、通常のタッピンねじ
のねじ込み作業の場合と同様に、相手部材に向かって軸
方向の力を作用させながら、正転方向に回転することに
より、まず正方向ねじ部を相手部材にねじ込み、続いて
逆方向ねじを相手部材に侵入させることができる。ここ
で、逆方向ねじ部は、正方向ねじ部が相手部材に加工し
た雌ねじを破壊しながら進行することになるが、相手部
材が柔軟な材料からなるので、逆方向ねじ部によって相
手部材は大きく流動化し、この相手部材の流動化によ
り、逆方向ねじ部が十分な逆推進力を発揮しない間に締
結作業が終了する。そして、締結作業終了後に、流動し
ていた相手部材が逆方向ねじ部に密着し、逆方向の雌ね
じが完成する。このようにして締結が完了すると、正方
向ねじ部および逆方向ねじ部が同軸上に存在するため、
正・逆何れの方向にもねじが回転することが困難にな
り、ねじの戻り止め効果が発揮されることとなる。
【0019】なお、さらに詳しく言うと、相手部材が柔
軟な材料からなる場合(特にプラスチック等からなる場
合)、正方向ねじ部によっても相手部材はある程度流動
化することがあるが、逆方向ねじ部による流動化ほどの
高いレベルの流動化ではないので、正方向ねじ部による
締め付け方向の推進力は十分作用する。正方向ねじ部に
よっても相手部材がある程度流動化していた場合は、締
結作業終了後、相手部材が正方向ねじ部に密着し、正方
向の雌ねじが完全に完成することになる(正方向ねじ部
によっては相手部材が流動化していない場合は、相手部
材への正方向ねじ部の侵入と同時に実質的に正方向の雌
ねじが完成する)。
【0020】このねじにおいては、正方向および逆方向
ねじ部は軸方向に関し互いにその設置位置を分離されて
いるので、逆方向ねじ部の外径を正方向ねじ部の外径と
概ね同じかまたはそれより大きくできるため、緩み防止
効果を大きくすることができる。
【0021】また、正方向および逆方向ねじ部は軸方向
に関し互いにその設置位置を分離されているので、製造
が容易である(逆方向ねじ部の外径を正方向ねじ部の外
径と概ね同じとする場合は、製造がさらに容易にな
る)。
【0022】さらに、このねじにおいては、戻り止めの
効果と強制的に緩めて取り外す場合の作業の容易性との
兼ね合いを、正方向ねじ部および逆方向ねじ部の長さの
比率、それぞれのピッチやねじ山条数を変更することに
より調整することができる。
【0023】本発明による締結構造は、柔軟な材料から
なる第一の相手部材と柔軟性のない材料からなる第二の
相手部材とを互いに重なるようにねじで締結する締結構
造であって、前記ねじは、軸部と、この軸部の後端部に
設けられた頭部とを有し、自分自身で相手部材に雌ねじ
を加工しながら該相手部材に前記軸部をねじ込まれるよ
うになっている締結構造において、前記ねじは、前記軸
部の先端側に設けられた正方向ねじ部と、前記軸部のう
ちの前記頭部付近の部分に設けられた、前記正方向ねじ
部と逆方向で、前記正方向ねじ部と外径が概ね同じかま
たはそれより大きい逆方向ねじ部とを有し、前記正方向
ねじ部および逆方向ねじ部は軸方向に関し互いにその設
置位置を分離されており、前記第二の相手部材に前記正
方向ねじ部がねじ込まれ、前記第一の相手部材に前記逆
方向ねじ部が侵入しているものである。
【0024】この締結構造においては、まず正方向ねじ
部が第一の相手部材にねじ込まれ、続いて正方向ねじ部
が第二の相手部材にねじ込まれて行くとともに逆方向ね
じ部が第一の相手部材に侵入する。これにより、ねじの
先端が第一の相手部材を貫通して第二の相手部材の表面
に達した時点で、一旦第一の相手部材と第二の相手部材
との間に隙間が生じてしまったとしても、ねじが締め付
けに入る時点では、正方向ねじ部の推力でねじが締め付
け方向に進む一方、逆方向ねじ部は第一の相手部材が流
動化状態にあるので推力を発揮しないため、最終的に
は、正方向ねじ部と第二の相手部材に形成された雌ねじ
との螺合部とねじの頭部との間に第一の相手部材が強く
挟み付けられるので、第一および第二の相手部材は互い
の間に隙間が生じないように強固に締結される。
【0025】なお、締結完了時に第一の相手部材中に残
る正方向ねじ部の長さは短くすることができるので、第
一の相手部材における正方向ねじ部の推力(この推力は
締結過程において第一および第二の相手部材間に一時的
に隙間が生じたとき、その隙間を維持させようとする要
因となる)は十分小さくできるため、一旦前記隙間が生
じても、その隙間を解消して、前記のように第一および
第二の相手部材を互いの間に隙間が生じないように強固
に締結することができる(勿論、締結完了時には、正方
向ねじ部全体が第一の相手部材から第二の相手部材側に
完全に脱出し、第一の相手部材中に位置する正方向ねじ
部の長さが零になるようにしてもよい)。
【0026】そして、締結作業終了後に、流動していた
第一の相手部材が逆方向ねじ部に密着し、逆方向の雌ね
じが完成する。柔軟性を有しない材料からなる第二の相
手部材の方では流動化は生じないので、正方向ねじ部の
侵入と同時に実質的に雌ねじが完成される。このように
して締結が完了すると、正方向ねじ部および逆方向ねじ
部が同軸上に存在するため、正・逆何れの方向にもねじ
が回転することが困難になり、ねじの戻り止め効果も発
揮されることとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
説明する。
【0028】
【実施例】図1および2は、タッピンねじに適用した本
発明の第一実施例を示している。図1は本実施例のねじ
1を単体で示しており、このねじ1は軸部2と、この軸
部2の後端部に設けられた頭部3とを有している。前記
軸部2の先端側には右ねじの正方向ねじ部4が設けられ
ている一方、軸部2のうちの頭部3付近の部分には、正
方向ねじ部4と逆方向、すなわち左ねじで、正方向ねじ
部4と外径が概ね同じかまたは大きい逆方向ねじ部5が
設けられている。前記正方向ねじ部4および逆方向ねじ
部5は軸方向に関しその設置位置を分離されており、こ
れにより正方向および逆方向ねじ部4,5のねじ山は互
いに交差しないようになっている。前記逆方向ねじ部5
は、正方向ねじ部4に比し短くされている。前記頭部3
には、十字穴、すりわり等の回動部6が設けられてい
る。
【0029】図2は前記ねじ1を用いた締結構造の例を
示している。被締付部材7には、正方向ねじ部4および
逆方向ねじ部5の外径より大きい径を有する取付穴8が
貫通されている。相手部材9はプラスチックや木材等の
柔軟な材料とされている。前記相手部材9には、予め下
穴を設けておいてもよいし、必要がない場合には下穴を
設けておかなくてもよい。ねじ1は、取付穴8に挿通さ
れた状態で、通常のタッピンねじのねじ込み作業の場合
と同様に、相手部材9に向かって軸方向の力を作用させ
ながら、正転方向に回転(右回転)することにより、ま
ず正方向ねじ部4を相手部材9にねじ込み、続いて逆方
向ねじ5を相手部材9に侵入させることができる。ここ
で、逆方向ねじ部5は正方向ねじ部4が相手部材9に加
工した雌ねじを破壊しながら進行することになるが、相
手部材9が柔軟な材料からなるので、逆方向ねじ部5に
よって相手部材9は大きく流動化し、この相手部材9の
流動化により逆方向ねじ部5が十分な逆推進力を発揮し
ない間に締結作業が終了する。そして、締結作業終了後
に、流動していた相手部材9が逆方向ねじ部5に密着
し、逆方向の雌ねじが完成する。このようにして締結が
完了すると、正方向ねじ部4および逆方向ねじ部5が同
軸上に存在するため、正・逆何れの方向にもねじが回転
することが困難になり、ねじの戻り止め効果が発揮され
ることとなる。
【0030】なお、さらに詳しく言うと、相手部材9が
柔軟な材料からなる場合(特にプラスチック等からなる
場合)、正方向ねじ部4によっても相手部材9はある程
度流動化することがあるが、逆方向ねじ部5による流動
化ほどの高いレベルの流動化ではないので、正方向ねじ
部4による締め付け方向の推進力は十分作用する。正方
向ねじ部4によっても相手部材9がある程度流動化して
いた場合は、締め付け作業終了後、相手部材9が正方向
ねじ部4に密着し、正方向の雌ねじが完成する(正方向
ねじ部4によっては相手部材9が流動化していない場合
は、相手部材9への正方向ねじ部4の侵入と同時に実質
的に正方向の雌ねじが完成する)。
【0031】また、従来の一般的な木ねじの場合は、頭
部3付近にはねじ部が設けられていなかったので、頭部
3付近の部分が抜け方向の保持力について何ら寄与しな
いのに対し、このねじ1においては頭部3付近に逆方向
ねじ部5が設けられており、締結後、逆方向ねじ部5の
食い付きがあるため、抜け方向の保持力が増加する。
【0032】また、このねじ1においては、正方向およ
び逆方向ねじ部4,5は軸方向に関し互いにその設置位
置を分離されているので、逆方向ねじ部5の外径を正方
向ねじ部4の外径と概ね同じかまたはそれより大きくで
きるため、緩み防止効果を大きくすることができる。
【0033】また、正方向および逆方向ねじ部4,5は
軸方向に関し互いにその設置位置を分離されているの
で、製造が容易である(逆方向ねじ部5の外径を正方向
ねじ部4の外径と概ね同じとする場合は、製造がさらに
容易になる)。
【0034】さらに、このねじ1においては、戻り止め
の効果と強制的に緩めて取り外す場合の作業の容易性と
の兼ね合いを、正方向ねじ部4および逆方向ねじ部5の
長さの比率や、それぞれのピッチやねじ山条数を変更す
ることにより調整することができる。
【0035】図3および4は、本発明の第二実施例を示
しており、本実施例においてはねじ1はドリリングタッ
ピンねじとされている。図3は、ねじ1を単体で示して
おり、このねじ1は、軸部2と、この軸部2の後端部に
設けられた頭部3とを有している。前記軸部2の先端部
には切り先部(ドリル部)10が設けられている。前記
軸部2の先端側には右ねじの正方向ねじ部4が設けられ
ている一方、軸部2のうちの頭部3付近の部分には、正
方向ねじ部4と逆方向、すなわち左ねじで、正方向ねじ
部4と外径が概ね同じかまたは大きい逆方向ねじ部5が
設けられている。前記正方向ねじ部4および逆方向ねじ
部5は軸方向に関しその設置位置を分離されており、こ
れにより正方向および逆方向ねじ部4,5のねじ山は互
いに交差しないようになっている。前記逆方向ねじ部5
は正方向ねじ部4に比し短くされている。前記頭部3に
は、十字穴、すりわり等の回動部6が設けられている。
【0036】図4は前記ねじ1を用いた締結構造の例を
示している。第一の相手部材9aは、床板材等の、柔軟
な材料からなる穴の開いていない板状部材である。第二
の相手部材9bは、鉄板等の金属板やその他の柔軟性の
ない材料からなる穴の開いていない板状部材である。
【0037】本実施例においては、第一の相手部材9a
および第二の相手部材9bを互いに重ねた状態とし、切
り先部10を第一の相手部材9aに当接して、ねじ1に
軸方向の力を作用するとともにねじ1を正転方向に回転
(右回転)して行くと、切り先部10がまず第一の相手
部材9aに穴を開け、続いて正方向ねじ部4が第一の相
手部材9aにねじ込まれて行く。続いて、切り先部10
が第二の相手部材9bに穴を開け、正方向ねじ部4が第
二の相手部材9bにねじ込まれて行くとともに逆方向ね
じ部5が第一の相手部材9bに侵入する。これにより、
ねじ1の先端が第一の相手部材9aを貫通した後、第二
の相手部材9bの表面に達した時点で、一旦第一の相手
部材9aと第二の相手部材9bとの間に隙間が生じてし
まったとしても、ねじ1が締め付けに入る時点では、正
方向ねじ部4の推力でねじ1が締め付け方向に進む一
方、逆方向ねじ部5は第一の相手部材9aが流動化状態
にあるので推力を発揮しないため、最終的には、正方向
ねじ部4と第二の相手部材9bに形成された雌ねじとの
螺合部とねじ1の頭部3との間に第一の相手部材9aが
強く挟み付けられるので、第一および第二の相手部材9
a,9bは互いの間に隙間が生じないように強固に締結
される。
【0038】なお、締結完了時に第一の相手部材9a中
に残る正方向ねじ部4の長さは短くすることができるの
で、第一の相手部材9aにおける正方向ねじ部4の推力
(この推力は締結過程において第一および第二の相手部
材9a,9b間に一時的に隙間が生じたとき、その隙間
を維持させようとする要因となる)は十分小さくできる
ため、一旦前記隙間が生じても、その隙間を解消して、
前記のように第一および第二の相手部材9a,9bを互
いの間に隙間が生じないように強固に締結することがで
きる(勿論、締結完了時には、正方向ねじ部全体が第一
の相手部材から第二の相手部材側に完全に脱出し、第一
の相手部材9a中に位置する正方向ねじ部4の長さが零
になるようにしてもよい)。
【0039】そして、締結作業終了後に、流動していた
第一の相手部材9aが逆方向ねじ部5に密着し、逆方向
の雌ねじが完成する。正方向ねじ部4によっても第一の
相手部材9aがある程度流動化していた場合は、締結作
業終了後に、流動していた第一の相手部材9aが正方向
ねじ部4に密着し、第一の相手部材9aに正方向の雌ね
じが完成するが、正方向ねじ部4によっては第一の相手
部材9aが流動化していない場合は、正方向ねじ部4の
侵入と同時に実質的に正方向の雌ねじが完成している。
第二の相手部材9bの方では流動化は生じないので、正
方向ねじ部の侵入と同時に実質的に雌ねじが完成してい
る。このようにして締結が完了すると、正方向ねじ部4
および逆方向ねじ部5が同軸上に存在するため、正・逆
何れの方向にもねじ1が回転することが困難になり、ね
じ1の戻り止め効果も発揮されることとなる。
【0040】なお、第一および第二の相手部材9に下穴
を設けておく等の場合には、必ずしもねじ1に切り先部
10を設ける必要はない。
【0041】また、各前記実施例では、正方向ねじが右
ねじ、逆方向ねじが左ねじとされているが、本発明にお
いては、勿論、必要に応じて正方向ねじを左ねじ、逆方
向ねじを右ねじとしてもよいことは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によるねじおよび締
結構造は、(イ)戻り回転が生じてねじの緩みに至るの
を防止することができる、(ロ)逆方向ねじ部の外径を
正方向ねじ部の外径と概ね同じかまたはそれより大きく
できるため、緩み防止効果を大きくすることができる、
(ハ)製造が容易である、(ニ)正方向のねじ山の長さ
に対して逆方向のねじ山の長さを調整することにより、
戻り止めの効果と強制的に緩めて取り外す場合の作業の
容易性との兼ね合いを調整することができる、(ホ)抜
け方向の保持力を増大させることができる、(ヘ)柔軟
な材料からなる相手部材と柔軟性のない材料からなる相
手部材とを、両者間に隙間を生じさせることなく、互い
に重なるように強固に締結することができる、等の優れ
た効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例におけるねじを示す側面図
である。
【図2】前記第一実施例における締結構造を示す断面図
である。
【図3】本発明の第二実施例におけるねじを示す側面図
である。
【図4】前記第二実施例における締結構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 ねじ 2 軸部 3 頭部 4 正方向ねじ部 5 逆方向ねじ部 9 相手部材 9a 第一の相手部材 9b 第二の相手部材 10 切り先部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部と、この軸部の後端部に設けられた
    頭部とを有し、自分自身で相手部材に雌ねじを加工しな
    がら該相手部材に前記軸部をねじ込まれるねじにおい
    て、 前記軸部の先端側に設けられた正方向ねじ部と、前記軸
    部のうちの前記頭部付近の部分に設けられた、前記正方
    向ねじ部と逆方向で、前記正方向ねじ部と外径が概ね同
    じかまたはそれより大きい逆方向ねじ部とを有してお
    り、前記正方向ねじ部および逆方向ねじ部は軸方向に関
    し互いにその設置位置を分離されていることを特徴とす
    るねじ。
  2. 【請求項2】 先端部に切り先部が設けられている請求
    項1記載のねじ。
  3. 【請求項3】 柔軟な材料からなる第一の相手部材と柔
    軟性のない材料からなる第二の相手部材とを互いに重な
    るようにねじで締結する締結構造であって、前記ねじ
    は、軸部と、この軸部の後端部に設けられた頭部とを有
    し、自分自身で相手部材に雌ねじを加工しながら該相手
    部材に前記軸部をねじ込まれるようになっている締結構
    造において、 前記ねじは、前記軸部の先端側に設けられた正方向ねじ
    部と、前記軸部のうちの前記頭部付近の部分に設けられ
    た、前記正方向ねじ部と逆方向で、前記正方向ねじ部と
    外径が概ね同じかまたはそれより大きい逆方向ねじ部と
    を有し、前記正方向ねじ部および逆方向ねじ部は軸方向
    に関し互いにその設置位置を分離されており、 前記第二の相手部材に前記正方向ねじ部がねじ込まれ、
    前記第一の相手部材に前記逆方向ねじ部が侵入している
    ことを特徴とする締結構造。
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