JP2002348172A - 高周波用配線基板 - Google Patents

高周波用配線基板

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JP2002348172A
JP2002348172A JP2001161161A JP2001161161A JP2002348172A JP 2002348172 A JP2002348172 A JP 2002348172A JP 2001161161 A JP2001161161 A JP 2001161161A JP 2001161161 A JP2001161161 A JP 2001161161A JP 2002348172 A JP2002348172 A JP 2002348172A
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dielectric
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JP2001161161A
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Hiromi Iwachi
裕美 岩地
Yoshitake Terashi
吉健 寺師
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い熱伝導性を有するとともに、高周波領域で
低誘電率および低誘電損失を有し、また銀、銅、金等の
低抵抗金属によって配線回路層を形成することができる
高周波用配線基板を提供することを目的とする。 【解決手段】誘電体基板1の表面または内部に高周波信
号を伝送する配線回路層2が被着形成されてなる高周波
用配線基板において、ガラス成分30〜95重量%と、
少なくとも窒化アルミニウム結晶粒子を含有するフィラ
ー成分5〜70重量%とからなり、窒化アルミニウム結
晶粒子内における酸素量が0.8重量%以下であり、且
つ開気孔率が1%以下とし、さらに窒化アルミニウム結
晶粒子の平均粒径が2μm以上、熱伝導率が5W/m・
K以上、測定周波数15GHzにおける比誘電率が8以
下、誘電損失が100×10-4以下のガラスセラミック
スを誘電体基板1として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子収納用
パッケージ、多層配線基板等に適用され、特に高い熱伝
導率と低誘電損失を有する高周波用配線基板に関する。
【0002】
【従来技術】近年、高度情報化時代を迎え、情報通信技
術が急速に発達している。それに伴い、半導体素子の高
速化、大型化が進行している。そのため、半導体素子の
高速化に伴い、パッケージや基板等における信号遅延の
問題が大きくなっている。同時に、半導体素子の大型化
に伴う発熱量の増加による、パッケージや基板等におけ
る熱抵抗の問題も大きくなっている。
【0003】従来より、セラミック多層配線基板として
は、アルミナ質焼結体からなる絶縁層の表面または内部
にタングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる
配線回路層が形成されたアルミナ配線基板が最も普及し
ている。
【0004】ところが、従来のアルミナ配線基板では、
その導体であるタングステン(W)や、モリブデン(M
o)などの高融点金属は導体抵抗が大きく、さらにアル
ミナの誘電率も9程度と高いことから、信号遅延が大き
いことが問題となっていた。そこで、W、Moなどの金
属に代えて、銅、銀、金などの低抵抗金属を導体として
使用し、さらに絶縁層の誘電率を低くすることが要求さ
れている。
【0005】そのため、最近では、ガラス、または、ガ
ラスとセラミックフィラーとの複合材料であるガラスセ
ラミックスを絶縁層として用いることにより、1000
℃以下の低温焼成を可能とし、融点の低い銅、銀、金な
どの低抵抗金属を導体として使用できるようにし、かつ
誘電率をアルミナよりも低くすることが可能な、ガラス
セラミック配線基板が開発されつつある。
【0006】例えば、特公平4−12639号のよう
に、ガラスにSiO2系フィラーを添加した絶縁相と、
銅、銀、金などの低抵抗金属からなる配線層とを900
〜1050℃の温度で同時焼成した多層配線基板や、特
開昭60−240135号のように、ホウケイ酸亜鉛系
ガラスに、アルミナ、ジルコニア、ムライトなどのフィ
ラーを添加したものを低抵抗金属と同時焼成したものな
どが提案されている。その他、特開平5−298919
号には、ムライトやコージェライトを結晶相として析出
させたガラスセラミック材料も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記に挙げた
ような従来のガラスセラミックにおいては、熱伝導率が
2W/m・K以下と低く、熱放散性において従来のアル
ミナ等に比べて劣るものであった。
【0008】そこで、特開昭63−307182号に記
載されるように、フィラーとしてそれ自体が熱伝導性に
優れたAlNを用いたガラスセラミックスを絶縁基板と
する配線基板が提案されている。
【0009】しかし、AlNをフィラーとして用いたガ
ラスセラミックスは、従来のガラスセラミックスに比較
して熱伝導性の向上が見られる反面、比誘電率が12と
高く、低誘電率化が求められる配線基板に対しては不向
きであった。また、周波数が500MHz以上の高周波
信号を伝送するような高周波用配線基板においては、誘
電損失が小さいことが望まれるが、AlNを含む従来の
ガラスセラミックスは誘電損失が20×10-3以上と大
きく、高周波用の配線基板としても適用しにくいもので
あった。
【0010】従って、本発明は、高い熱伝導性を有する
とともに、高周波領域において比誘電率および誘電損失
が低く、また銀、銅、金等の低抵抗金属と同時焼成が可
能な高周波用配線基板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を鋭意検討した結果、ガラスセラミックス中のフィラー
成分として少なくとも窒化アルミニウム結晶粒子と含有
し、該窒化アルミニウム結晶粒子内における酸素量を
0.8重量%以下に制御することにより、銀、銅、金等
の低抵抗、低融点金属、なかでも銀と同時焼成を可能と
しつつ、高熱伝導率、とともに高周波領域においても低
い誘電損失を有するガラスセラミックを歩留まりよく提
供することができることを知見し、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の高周波用配線基板は、誘電
体基板の表面または内部に高周波信号を伝送する配線回
路層が被着形成されてなるものであって、前記誘電体基
板が、ガラス成分と、フィラー成分とからなる開気孔率
が1%以下のガラスセラミックスからなり、前記フィラ
ー成分として少なくとも窒化アルミニウム結晶粒子と含
有し、該窒化アルミニウム結晶粒子内における酸素量が
0.8重量%以下であることを特徴とするものである。
【0013】また、より具体的には、ガラス成分を30
〜95重量%と、フィラー成分を5〜70重量%の割合
で含有することが低温での焼結性および電気特性を制御
する上で望ましく、また窒化アルミニウム結晶粒子の平
均粒径が2μm以上であることを特徴とする。これによ
って、熱伝導率が5W/m・K以上、測定周波数15G
Hz付近における比誘電率が8以下、誘電損失が100
×10-4以下の特性を有することを特徴とするものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の高周波用配線基板の一例
について図1をもとに説明する。図1の高周波用配線基
板によれば、誘電体基板1の表面や内部には、高周波信
号を伝送可能な配線回路層2が被着形成されている。配
線回路層2は、例えば、マイクロストリップ線路、コプ
レーナ線路、ストリップ線路、グランド付きコプレーナ
線路などが挙げられ、例えば、マイクロストリップ線路
の場合には、グランド層2aや、中心導体2bによって
構成される。また、必要に応じて誘電体基板1内部に
は、ビアホール導体3などが配設される。また、この配
線基板の表面には高周波素子4などが実装される。
【0015】本発明によれば、誘電体基板として、表面
に実装された高周波素子4などから発生する熱を効果的
に放散させつつ、信号の伝送損失を低減するために高周
波領域で低誘電損失の誘電体基板によって形成すること
が必要である。
【0016】本発明によれば、この誘電体基板1をガラ
ス成分と、フィラー成分との混合体からなるガラスセラ
ミックスによって形成し、またフィラー成分として少な
くとも窒化アルミニウム(以下、AlNと記する)結晶
粒子を含有する。
【0017】本発明によれば、このセラミックス中に分
散されているAlN結晶粒子内における酸素量が0.8
重量%以下であることが重要である。これによって、A
lN結晶粒子自体の熱伝導性を高めることができること
によってガラスセラミックスの熱伝導率を向上させるこ
とができる。また、本発明によれば、このような低酸素
含有のAlN結晶粒子を含有させることをによって、ガ
ラスセラミックスの高周波領域での低誘電率化とともに
誘電損失を低減することができる。この窒化アルミニウ
ム粒子の酸素量は0.5重量%以下であることが望まし
い。
【0018】即ち、ガラスセラミックス中のAlN結晶
粒子中の酸素量が0.8重量%を越えると、熱伝導率が
低下するとともに誘電率が大きくなる傾向にあり、また
高周波領域での誘電損失も増大してしまう。このAlN
結晶粒子内の酸素量は、オージェ電子顕微鏡により後述
する実施例に基づき容易に測定することができる。
【0019】また、本発明によれば、AlN結晶粒子
は、平均粒径が2μm以上、特に4μm以上の粒子とし
て存在することが望ましい。これは、平均粒径が大きく
なるほどに熱伝導性および誘電損失が低下する、強度が
向上する傾向にあるためである。しかし、粒子が大きく
なりすぎると、セラミックス表面の平滑性が低下した
り、粗大粒子を起点とする破壊が生じやすくなり強度が
低下することから、平均粒径は30μm以下、特に15
μm以下、さらには10μm以下がよい。
【0020】本発明によれば、高熱伝導化を図る上で、
フィラーとしてAlN結晶粒子を5重量%以上、特に1
0重量%以上、さらには20重量%以上の割合で含有す
ることが望ましい。
【0021】さらに、ガラスセラミックス中には、フィ
ラーとしてAlN結晶粒子以外に、他のセラミックフィ
ラーを含んでいてもよい。他のフィラーとしては、Al
23、SiO2(クォーツ、クリストバライト、トリジ
マイト)、3Al23・2SiO2、MgSiO3、Mg
2SiO4、CaMgSi26、Mg2Al4Si518
ZnAl2O4、MgAl24、CaAl2Si28、S
rAl2Si28、BaAl2Si28、Ca2MgSi
7、Sr2MgSiO7、Ba2MgSiO7、ZnO、
CaSiO3、SrSiO3、BaSiO3、Si34
SiCの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、A
lN結晶粒子の分散による効果を阻害しない範囲で含有
され、特に30重量%以下の割合で含まれるのが適当で
ある。
【0022】また、本発明のガラスセラミックスにおけ
るガラス成分としては、シリカガラス、ホウケイ酸ガラ
ス、アルミノケイ酸ガラス、Pb系ガラス、Bi系ガラ
ス、アルカリ系ガラス、アルカリ土類系ガラス、アルミ
ノホウケイ酸ガラス等が挙げられるが、特に、1000
℃以下での焼結性を実現し、CuやAg等の低抵抗金属
との同時焼結を行うためには、アルミノケイ酸ガラス、
アルミノホウケイ酸ガラス、アルカリ系ガラス、アルカ
リ土類系ガラスの群から選ばれる少なくとも1種が望ま
しい。
【0023】また、上記ガラス成分は、非晶質ガラス、
結晶化ガラスのいずれでもよいが、強度向上のために
は、結晶化ガラスであることが望ましい。ガラスから析
出可能な結晶相としては、SiO2(石英)、MgAl2
4(スピネル)、ZnAl2 4(ガーナイト)、Ca
(Mg,Al)(Si,Al)26(ディオプサイ
ド)、CaMgSi27(アケルマナイト)、Sr2
gSi27(Sr−アケルマナイト)、CaMgSiO
4(モンティセライト)、Ca3MgSi28(メリライ
ト)、Mg2SiO4(エンスタタイト)、MgSiO3
(エンスタタイト)、3Al23・2SiO2(ムライ
ト)、Mg2Al4Si518(コージェライト)、(S
r,Ca)Al2Si28(スラウソナイト)、CaA
2Si28(アノーサイト)、BaAl2Si28(セ
ルジアン)、(Ca,Sr)SiO3、SrSiO3の群
から選ばれる少なくとも1種が好適に挙げられる。
【0024】また、本発明におけるガラスセラミックス
は、開気孔率が1%以下であることも必要である。これ
は、誘電損失を低減する上で必要であり、開気孔率が1
%よりも大きいと、開気孔内に水分が吸着され、高周波
領域での誘電損失が大きくなってしまうためである。特
に、開気孔率は0.5%以下、特に0.2%以下である
ことが望ましい。
【0025】本発明におけり上記ガラスセラミックス
は、熱伝導率が5W/m・K以上、特に8W/m・K以
上と高く、電気特性として測定周波数1GHzにおい
て、比誘電率が8以下、特に7.5以下、さらには7以
下であり、また誘電損失が60×10-4以下、特に50
×10-4以下、さらには30×10-4以下の優れた特性
を有するものである。
【0026】本発明のガラスセラミックスにおいて全量
中、ガラス成分は30〜95重量%、好ましくは32.
5〜85重量%、より好ましくは、35〜80重量%、
AlNを含むセラミックフィラー成分は、5〜70重量
%、好ましくは、15〜67.5重量%、より好ましく
は20〜65重量%の比率で存在させることが焼結性お
よび熱的特性、および電気特性の改善を行うのに最適で
ある。 (製造方法)次に、本発明におけるガラスセラミックス
を製造する方法について説明する。まず、出発原料とし
て、ガラス粉末とセラミックフィラー粉末とを所定の比
率で混合する。ガラス粉末を30〜95重量%、特に3
2.5〜85重量%、最適には35〜75重量%と、A
lNを5重量%以上含有含むセラミックフィラーを5〜
70重量%、特に15〜67.5重量%、最適には25
〜65重量%の割合で混合する。
【0027】ガラスおよびフィラーの組成を上記範囲に
限定したのは、ガラス粉末が30重量%より少ない、あ
るいはセラミックフィラーが70重量%よりも多いと1
000℃以下の低温焼成において該組成物を相対密度9
5%以上に緻密化することが困難となり、前記ガラスが
95重量%を超える、あるいはAlN量が5重量%より
も少ないと磁器の熱伝導率の向上効果が不十分となる為
である。
【0028】また、ガラスとしては、ガラス転移点が8
00℃以下、特に750℃以下、最適には700℃以下
であることによって、1000℃以下の焼成における緻
密化を促進することができる。
【0029】また、本発明において、用いられるガラス
としては、SiO2と、B23を必須成分として含有
し、具体的には、SiO2を15〜70重量%、B23
を0.5〜30重量%の割合で含有するもので、さらに
他の成分として、MgO、CaO、SrO、BaO、Z
nO、Al23の群から選ばれる少なくとも1種を含有
することもできる。しかしながら、ガラスと非酸化物系
セラミックフィラーとの反応性を抑制することが必要あ
る。この反応性を抑制する上では、ガラスの組成、焼成
温度、焼成雰囲気等を適宜制御することが必要である。
特に、ガラス組成においては、Pb、Bi、Cuおよび
アルカリ金属元素の含有量が総量で0.5重量%以下、
特に0.3重量%以下、さらには0.1重量%以下であ
ることが望ましい。これは、上記の特定成分は、AlN
との反応を促進する成分であって、これらが上記の比率
を超えて存在すると、反応が生じてしまうためである。
【0030】さらに、用いるガラスとしては、それ単
体、あるいはフィラーを含む組成物を焼成した際に、結
晶化することによって熱伝導率と強度の向上を図ること
ができる。ガラスの結晶化によって析出する結晶相は、
前述の通りである。また、焼結性を高める上では、ガラ
ス粉末の平均粒径が2μm以下、特に1.8μm以下と
することが望ましい。
【0031】一方、フィラーとして添加するAlN粉末
の酸素含有量が0.8重量%以下、特に0.5重量%以
下、さらに0.3重量%以下であることが重要である。
即ち、AlN粉末の酸素含有量が0.8重量%よりも多
いと1000℃以下の焼成でガラスセラミックスの熱伝
導率5W/m・K以上、低誘電率化、低誘電損失化が達
成できなくなるためである。また、AlN粉末の平均粒
径を2μm以上とすることによって、セラミックスの熱
伝導性を向上させることができる。
【0032】なお、かかる平均粒径が大きなAlN粉末
を均一に、かつ低コストで作製するには、窒化アルミニ
ウム粉末が直接窒化法によって作製されたものであるこ
とが望ましい。また、AlN粉末中の酸素含有量の減少
させるには、AlN原料を製造する際の窒化処理を20
00℃以上の高温で処理したり、市販のAlN原料にY
23などの焼結助剤を添加し、非酸化性雰囲気で仮焼処
理することによってAlN原料中の酸素量を低減でき
る。
【0033】さらに、窒化アルミニウム粉末中のFe、
Si、C、Cu、Mn、Mg、Zn、Ni、Cr、Ti
等のAl以外の不純物は総量で0.1重量%以下、特に
0.02重量%以下であることが高熱伝導化を図る上で
望ましい。
【0034】本発明のガラスセラミックスは、上記の組
成で秤量混合された混合粉末を用いて所定の成形体を作
製し、その成形体を800〜1000℃の酸化性雰囲気
または不活性雰囲気中で焼成し、開気孔率が1%以下と
なるまで緻密化させることによって作製できる。
【0035】また、本発明によれば、図1に示すよう
に、上記のガラスセラミックスを誘電体基板1とし、そ
の表面や内部に高周波用の配線回路層2を具備する配線
基板を得るには、前記の混合粉末に適当な有機バイン
ダ、溶媒を混合してスラリーを調製し、これをプレス成
形、押出成形、ドクターブレード法等のテープ成形法に
よってシート状に成形してグリーンシートを作製する。
【0036】そして、このグリーンシートに所望により
スルーホールを形成した後、スルーホール内にCuまた
はAgを主成分とする金属ペーストを充填し、グリーン
シートの表面には所定の回路パターンに導電性ペースト
を用いてスクリーン印刷法、グラビア印刷法等によって
印刷、塗布したり、金属箔を貼りつけてエッチングによ
ってパターン化したり、パターン化された金属箔を貼り
つける等によって高周波用の配線回路層を形成する。
【0037】上記配線回路層を形成したグリーンシート
を、所望により、複数枚積層して、例えば、40〜12
0℃、5〜40MPaにて加熱圧着し、酸化性雰囲気ま
たは弱酸化性雰囲気中、1000℃以下、特に800〜
1000℃、さらに800〜970℃にて0.2〜10
時間、特に0.5〜2時間焼成することによって配線基
板を作製することができる。
【0038】そして、この配線基板の表面には、適宜、
高周波素子等が搭載され高周波用の配線回路層と高周波
信号の伝達が可能なように接続される。接続の方法とし
ては、配線回路層に直接搭載させて半田などによって接
続させたり、あるいは樹脂、Ag−エポキシ、Ag−ガ
ラス、Au−Si等の樹脂、金属、セラミックスの少な
くとも1種からなる厚み50μm程度の接着剤により高
周波素子を絶縁基板表面に固着し、ワイヤボンディン
グ、TABテープ等により配線回路層と高周波素子とを
接続させる方法が適応可能である。
【0039】
【実施例】ガラス粉末として、表1に示す組成および特
性を示すものを準備した。また、セラミックフィラーと
して、表2に示す特性を有する還元窒化法、または直接
窒化法によって作製されたAlN粉末を準備し、適宜、
仮焼処理を施した。なお、仮焼処理を行う場合には、A
lN粉末に適宜Y23を0.5重量%添加した後に処理
を施した。なお、平均粒径についてはマイクロトラック
法によりd50値を測定した。また、粉末中の酸素量につ
いては、酸素、窒素同時分析装置(EMGA−650F
A)を用いて酸素含有量を測定した。
【0040】そして、上記ガラス粉末とAlN粉末を表
3に示す組み合わせで表3の比率で混合し、この混合物
にアクリル系有機バインダ、可塑剤、トルエンを添加
し、スラリーを調製した後、このスラリーを用いてドク
ターブレード法により厚さ300μmのグリーンシート
を作製した。
【0041】そして、このグリーンシートを10〜15
枚積層し、50℃の温度で10MPaの圧力を加えて熱
圧着し、該積層体を水蒸気含有/窒素雰囲気中、700
℃で脱バインダ処理を行った後、乾燥窒素中で950℃
で1時間焼成した。なお、焼成に際しては、昇温速度、
降温速度を300℃/hとした。
【0042】得られたガラスセラミックスについて、ア
ルキメデス法により開気孔率を測定するとともに、ガラ
スセラミックスの任意の断面において窒化アルミニウム
結晶粒子の酸素含有量をオージェ電子顕微鏡により測定
した。測定にあたっては、セラミックス表面をスパッタ
しつつ同時に深さ方向により酸素量を測定した。また、
X線回折測定を行い、セラミックス中に検出される結晶
相を同定した。
【0043】また、ガラスセラミックスを直径50m
m、厚み1mmの形状に切り出し、ネットワークアナラ
イザー、シンセサイズドスイーパーを用いて空洞共振器
法によりTE011モードの1GHz付近および13〜1
8GHz(15GHz付近)の共振周波数にて共振特性
を測定し、誘電率、誘電損失を算出した。また、ガラス
セラミックスをφ10mm、厚さ1mmに加工しレーザ
ーフラッシュ法にて熱伝導率を測定した。結果は表1に
示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】表1〜3の結果によれば、AlNの原料粉
末およびセラミックス中のAlN結晶粒子中の酸素量
は、熱伝導性のみならず、比誘電率、誘電損失に対して
影響があり、酸素量が多くなるほど、熱伝導率が低下
し、誘電率が増大し、また誘電損失も大きくなる傾向が
見られたが、本発明に基づき、AlNの原料粉末および
セラミックス中のAlN結晶粒子中の酸素量を0.8重
量%以下とすることによって、熱伝導率5W/m・K以
上、比誘電率8以下、誘電損失(15GHz)を100
×10-4以下に低下させることができる。特に、酸素量
を0.5重量%以下とすることによって誘電損失(15
GHz)を60×10-4以下が達成できた。
【0048】但し、AlN粉末の平均粒径が2μmより
小さく、ガラスセラミックス中のAlN結晶粒子の平均
粒径が2μmより小さい試料No.1や、AlN量が9
0重量%の試料No.11では、焼結できず、ガラスセ
ラミックスの開気孔率1%以下に緻密化することが難し
く、吸水して絶縁性が劣化し、かつ誘電損失が増大し
た。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のガラスセラ
ミックスによれば、ガラスセラミックス中にフィラーと
して分散されたAlN結晶粒子中の酸素含有量を0.8
重量%以下とすることによって、高い熱伝導率を有しつ
つ、低誘電率、低誘電損失なガラスセラミックスを作製
でき、CuやAgを主成分とする配線回路層を具備す
る、特に高周波用の配線基板の絶縁基板として好適に使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用配線基板の一例を説明するた
めの概略断面図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板 2 配線回路層 2a グランド層 2b 中心導体 3 ビアホール導体 4 高周波素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G001 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA36 BA71 BA73 BB01 BB02 BB03 BB04 BB05 BB06 BB07 BB36 BB71 BB73 BC13 BC17 BC22 BC53 BD23 BE22 BE26 BE32 BE33 4G030 AA07 AA08 AA09 AA10 AA32 AA35 AA36 AA37 AA51 BA12 CA04 CA08 GA14 GA15 GA17 GA20 GA25 5E346 AA12 AA15 AA38 AA43 BB02 BB03 BB04 CC18 CC32 CC39 DD02 DD34 EE24 FF18 GG03 HH06 HH17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体基板の表面または内部に高周波信号
    を伝送する配線回路層が被着形成されてなる高周波用配
    線基板において、前記誘電体基板が、ガラス成分と、フ
    ィラー成分とからなる開気孔率が1%以下のガラスセラ
    ミックスからなり、前記フィラー成分として少なくとも
    窒化アルミニウム結晶粒子と含有し、該窒化アルミニウ
    ム結晶粒子内における酸素量が0.8重量%以下である
    ことを特徴とする高周波用配線基板。
  2. 【請求項2】ガラス成分を30〜95重量%と、フィラ
    ー成分を5〜70重量%の割合で含有することを特徴と
    する請求項1記載の高周波用配線基板。
  3. 【請求項3】前記窒化アルミニウム結晶粒子の平均粒径
    が2μm以上であることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の高周波用配線基板。
  4. 【請求項4】熱伝導率が5W/m・K以上、測定周波数
    15GHz付近における比誘電率が8以下、誘電損失が
    100×10-4以下であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれか記載の高周波用配線基板。
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