JP2002345905A - 歯科用ユニット - Google Patents

歯科用ユニット

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JP2002345905A
JP2002345905A JP2001156902A JP2001156902A JP2002345905A JP 2002345905 A JP2002345905 A JP 2002345905A JP 2001156902 A JP2001156902 A JP 2001156902A JP 2001156902 A JP2001156902 A JP 2001156902A JP 2002345905 A JP2002345905 A JP 2002345905A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 術者がスツールの高さを変えることなく患者
の上顎診療と下顎診療とを行うことができ、治療行為中
の術者の負担を軽減することができる歯科用ユニットを
提供する。 【解決手段】 背もたれ5とフットレスト6とが着座部
4に回動可能に取り付けられている患者用椅子3と、患
者用椅子を上下方向に駆動する昇降手段9と、患者用椅
子を傾起方向に駆動する傾起手段10とを備え、着座部
は患者導入位置から下降されることが可能であり、さら
に患者用椅子の上下方向の位置を検出する上下位置検出
手段12と、患者用椅子の傾起方向の姿勢を検出する傾
起姿勢検出手段13と、上下位置検出手段および傾起姿
勢検出手段からの情報をもとに患者用椅子のフットレス
ト最下部23が床面22に干渉しないように昇降手段お
よび傾起手段の動作を制御する制御手段14とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科医等で使用さ
れる位置調整可能な歯科用ユニットの技術分野に関す
る。
【0002】
【従来の技術】歯科医で使用される歯科用ユニットには
従来から油圧シリンダ等のアクチュエータを利用して患
者用椅子の高さや傾きを調整する機構が組み込まれてい
る。これらの調整機構は、患者を診療に都合のよい姿勢
へと導くために使用されている。
【0003】ところで、歯科用ユニットの患者用椅子に
は大きく分けて、患者のひざ関節に対応してフットレス
ト部分が回動屈曲することにより、通常の椅子に腰掛け
るように患者導入(着座)が行なえる膝おれタイプの椅
子(図13(a)参照)と、座面から足先側が一体で構
成され、長座するように患者導入を行うカンタータイプ
椅子(図13(b)参照)とがある。
【0004】膝おれタイプの椅子の場合に、治療を施す
術者(ドクター)は、治療を施す部位によって、前歯
や、上顎の場合は図14(a)の様に患者用椅子の背も
たれを大きく傾斜させたり、下顎の場合は図14(b)
の様に背もたれの傾斜角を比較的少な目にして治療を行
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、膝おれタイプ
の椅子の場合に、患者用椅子の最低位(ステップ部底
面)は患者導入時の位置であり、カンタータイプの椅子
の最低位に比較してフットレストの分だけ高くしなけれ
ばならない。したがって下顎診療を行なうときは、術者
は図14(c)に示すように、座るイス(スツール)の
高さを調整して治療を行わなくてはならず、術者の身長
が低い場合非常に不安定な姿勢での作業を強いられるこ
とになる。また、術者の身長が高い場合であっても上顎
診療と下顎診療とでは床からの患者の口腔内までの高さ
(作業高さ)が異なるため、適切な作業姿勢をとるため
には,スツールの高さをその都度調整しなければならな
いという問題があった。またスライド機構を介してドク
ターモジュールが取り付けられている歯科用ユニットの
場合には、スライド機構自体が床面から一定の高さを持
っているため、その上方にて行なわれる患者導入の位置
は一層高いものとなり、さらに術者への負担が増加す
る。
【0006】そこで、本発明は、術者がスツールの高さ
を変えることなく患者の上顎診療と下顎診療とを行うこ
とができ、治療行為中の術者の負担を軽減することがで
きる歯科用ユニットを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0008】本発明の第一態様の歯科用ユニットは、位
置調整可能な患者用椅子と、患者用椅子を駆動する駆動
装置と、患者用椅子の位置を検出する位置検出手段と、
位置検出手段からの情報に基づいて駆動装置の動作を制
御する制御手段とを備えた歯科用ユニットであって、駆
動装置は患者用椅子を歯科用ユニットの他の部位に干渉
する位置まで駆動可能であり、制御手段は患者用椅子が
干渉する位置に侵入しないように駆動装置の動作を制御
することを特徴とする。ここに、「干渉する」とは、異
なる二つの部位が同一の空間的位置を取ろうとすること
をいう。現実には一方が干渉する領域にあるときは他方
がその領域に侵入しようとすると両者の衝突が発生す
る。また、上記二つの部位の内の一つは、その歯科用ユ
ニットが据え付けられている床面をも含む概念である。
【0009】この第一態様の歯科用ユニットによれば、
干渉域にまで患者用椅子を駆動させることができるの
で、患者用椅子の可動範囲を広くとることができ設計上
の自由度を極めて高くとることができる。またこの場合
に制御手段により、一の部位が他の部位に衝突すること
を回避することができる。
【0010】本発明の第二態様の歯科用ユニットは、背
もたれ(5)とフットレスト(6)とが着座部(4)に
回動可能に取り付けられている患者用椅子(3)と、患
者用椅子を上下方向に駆動する昇降手段(9、18)
と、患者用椅子を傾起方向に駆動する傾起手段(10)
とを備え、着座部は患者導入位置から下降されることが
可能であり、さらに患者用椅子の上下方向の位置を検出
する上下位置検出手段(12)と、患者用椅子の傾起方
向の姿勢を検出する傾起姿勢検出手段(13)と、上下
位置検出手段および傾起姿勢検出手段からの情報をもと
に患者用椅子のフットレスト最下部(23)が床面(2
2)に干渉しないように昇降手段および傾起手段の動作
を制御する制御手段(14)とを備えた歯科用ユニット
(1)である。
【0011】ここに、「フットレスト」とは、患者用椅
子の患者脚部を支える部分であって、ステップをも含む
概念である。したがって「フットレスト最下部」とは、
ステップ最下部をも含む。「患者導入位置」とは、診療
のために患者を導く際の患者用椅子のポジションをい
い、傾起方向に最も起きていて、その状態においてフッ
トレスト最下部が床面に接しない範囲での最低位のポジ
ションをいう。さらに「床面」とは、ステップ下方から
下方前方にかけての患者導入路として使用される部分を
いい、歯科用ユニットが据え付けられている床面、およ
び歯科用ユニットの一部が患者導入路として使用されて
いる場合には、その歯科用ユニットの一部をも含む概念
である。
【0012】この第二態様の歯科用ユニットによれば、
患者用椅子を導入ポジションよりさらに下げることがで
きるので、術者が患者下顎診療を行なう際にスツールを
上昇させる必要がなくなり診療を行うのに術者への負担
が少なくて都合がよい。また、制御手段により患者用椅
子のフットレスト最下部と床面との干渉を回避すること
により、両者が衝突して不測の故障が起きたり、両者の
間に物をはさむような事態が起きるのを未然に回避でき
る。
【0013】この発明の第三態様の歯科用ユニットは、
背もたれとフットレストとが着座部に回動可能に取り付
けられている患者用椅子と、患者用椅子を上下方向に駆
動する昇降手段と、患者用椅子を傾起方向に駆動する傾
起手段と、スライド機構(21)を介して取り付けられ
たドクターモジュールとを備え、着座部は患者導入位置
から下降されることが可能であり、さらに、前記患者用
椅子の上下方向の位置を検出する上下位置検出手段と、
患者用椅子の傾起方向の姿勢を検出する傾起姿勢検出手
段と、上下位置検出手段および傾起姿勢検出手段からの
情報をもとに患者用椅子のフットレスト最下部がスライ
ド機構上の床面に干渉しないように昇降手段および傾起
手段の動作を制御する制御手段と、を備えた歯科用ユニ
ットにより前記課題を解決する。ここに「ドクターモジ
ュール」とは、術者が使用するハンドピース類をまとめ
たユニットであって通常、患者用椅子とは別個に設けら
れる。また、「スライド機構」とは、ドクターモジュー
ル等を患者用椅子に前後方向に移動可能に取り付ける機
構をいい、通常患者用椅子のステップ下方から前方に向
けて設けられている。
【0014】このような構成においては、スライド機構
の高さの分だけ患者導入ポジションの高さを高くせざる
を得ない。従ってなおさら本発明の効果が意義深いもの
となる。すなわち従来は術者が患者下顎診療を行なう際
にはスライド機構の高さの分だけ余計にスツールを上昇
させる必要があったが、本構成により患者用椅子が大き
く下降されるようにされたため、術者が患者下顎診療を
行なう際にスツールを上昇させる必要がなくなり、術者
の負担を確実に軽減することができる。
【0015】また、上記態様において、傾起姿勢検出手
段からの情報に基づいて昇降手段の可動範囲が決定さ
れ、上下位置検出手段からの情報に基づいて傾起手段の
可動範囲が決定されるように構成してもよい。
【0016】このように構成した場合には、上下方向と
傾起方向とが、相互の検出手段の情報にて制御されるの
で、患者用椅子の干渉域への侵入を確実に防止すること
ができる。
【0017】また、上記において、制御手段は傾起手段
の傾起動作に対するフットレスト最下部の移動の軌跡に
関するデータと、上下位置検出手段および傾起姿勢検出
手段からの情報とにより昇降手段と傾起手段との動作を
制御するようにしてもよい。
【0018】このようにすれば、フットレスト最下部を
床面すれすれにしかも床面に触れることなく移動させつ
つ、患者用椅子の昇降、傾起を行なうことができる。
【0019】また、上記態様において、昇降手段はパン
タグラフ機構(18)とパンタグラフ機構を伸縮させる
上下方向伸縮機構(9)とを備え、傾起手段はパンタグ
ラフ機構に取り付けられた傾起方向伸縮機構(10)を
備えており、上下位置検出手段は上下方向伸縮機構の伸
縮長さに対応付けられて取り付けられた上下方向絶対位
置センサ(12a)であり、傾起姿勢検出手段は傾起方
向伸縮機構の伸縮長さに対応付けられて取り付けられた
傾起方向絶対位置センサ(13a)であることとしても
よい。
【0020】このように構成した場合には、上下方向伸
縮機構により昇降動作が実現され、傾起方向伸縮機構に
より傾起動作が実現される。また、それぞれに位置セン
サを取り付けることにより、上下、傾起各方向の絶対位
置を検出してフットレスト最下部が干渉域に進入するこ
とがないよう上下方向伸縮機構および傾起方向伸縮機構
の動作を制御することが可能である。
【0021】また、上記態様において、上下位置検出手
段および傾起姿勢検出手段は、ポテンショメータ(4
0)により構成してもよい。
【0022】このようにすれば、上記態様の発明を、低
コストにて十分な性能と信頼性を備えた絶対位置センサ
にて容易に構成することができる。
【0023】上記第二態様の歯科用ユニットにおいて、
上下位置検出手段は、患者用椅子が最も起きた姿勢にお
いて上下方向に関して干渉が発生し得る領域にあること
を感知する上下方向干渉位置感知センサ(12b)であ
り、傾起姿勢検出手段は、患者用椅子が最も下降した位
置において傾起方向に関して干渉が発生し得る領域にあ
ることを感知する傾起方向干渉位置感知センサ(13
b)として構成することもできる。
【0024】このように構成した場合には、患者用椅子
が干渉域にあることを上下方向および傾起方向に関する
センサにて感知して、これにより上下方向および傾起方
向の動作を制御することにより干渉が発生するのを未然
に防止することができる。上記構成において更に、上下
方向干渉位置感知センサからの情報をもとに傾起手段の
動作が制御され、傾起方向干渉位置感知センサからの情
報をもとに昇降手段の動作が制御されることとしてもよ
い。このようにしても、上下方向と傾起方向が、相互の
検出手段の情報にて制御されるので、患者用椅子の干渉
域への侵入を確実に防止することができる。
【0025】また、上記構成において、歯科用ユニット
は上下方向干渉位置感知センサおよび傾起方向干渉位置
感知センサに加えてさらに上下方向絶対位置検出手段お
よび傾起方向絶対位置検出手段とを備え、制御手段は上
下方向干渉位置感知センサからの検知信号に上下方向絶
対位置検出手段からの検知信号を関連付けて上下方向の
動作を制御するとともに、傾起方向干渉位置感知センサ
からの検知信号に傾起方向絶対位置検出手段からの検知
信号を関連付けて傾起方向の動作を制御することとして
もよい。
【0026】このようにすれば、異なる手段にて同一方
向の位置を検出しているので、一方の手段に誤差等が生
じても他方の手段による検出結果による補正ができ、よ
り正確で安定した制御を実現することができる。
【0027】また、上記構成において、さらに上下方向
干渉位置感知センサおよび傾起方向干渉位置感知センサ
の干渉感知範囲は、実際に患者用椅子により発生する物
理的干渉の範囲より所定量広く設定され、制御装置は、
オート動作中に上下方向干渉位置感知センサが干渉の発
生を検知した場合、そのときの上下方向絶対位置検出手
段の検出値を記憶して、その後の上下方向絶対位置検出
手段の検出値と干渉発生時の検出値との差が広く設定さ
れた所定量より小さければ、上下方向干渉位置感知セン
サが干渉の発生を感知していてもそのまま動作を継続さ
せ、オート動作中に傾起方向干渉位置感知センサが干渉
の発生を検知した場合、そのときの傾起方向絶対位置検
出手段の検出値を記憶して、その後の傾起方向絶対位置
検出手段の検出値と干渉発生時の検出値との差が、広く
設定された所定量より小さければ、傾起方向干渉位置感
知センサが干渉の発生を感知していてもそのまま動作を
継続させる制御を行なうように構成してもよい。
【0028】このように構成すれば、昇降手段や傾起手
段のオーバーランにより目標位置を超えてしまうような
場合や、各検出手段、センサ類の取り付けガタや検出誤
差が発生するような場合であっても目標位置までのオー
ト動作を安定して行うことができる。
【0029】さらに上記において、制御手段は上下方向
干渉位置感知センサが干渉領域にあることを感知してい
るときに上昇・起き方向の動作をする場合には、昇降手
段による上昇動作後に傾起手段による起き動作を行い、
傾起方向干渉位置感知センサが干渉領域にあることを感
知しているときに下降・傾き方向の動作をする場合に
は、傾起手段による傾き動作後に昇降手段による下降動
作を行うように動作制御することとしてもよい。
【0030】このようにすれば、相互に干渉する領域を
迂回するように動作制御が行なわれ、確実に干渉が発生
するのを防止することができる。
【0031】上記態様において、上下方向干渉位置感知
センサおよび傾起方向干渉位置感知センサはマイクロス
イッチ、ホールセンサ、超音波センサ、反射式光セン
サ、またはフォトインタラプタ(12b、13b)のい
ずれかの一により構成してもよい。
【0032】このようにすれば、上記態様の発明を、低
コストにて十分な性能と信頼性を備えた感知型センサに
て容易に構成することができる。
【0033】また上記態様で、さらに上下方向絶対位置
検出手段および前記傾方向絶対位置検出手段を、ポテン
ショメータ、または磁気式若しくは光式のエンコーダに
より構成してもよい。
【0034】このようにすれば、上記態様の発明を、低
コストにて十分な性能と信頼性を備えた絶対位置センサ
にて容易に構成することができる。
【0035】また、上下方向伸縮機構および傾起方向伸
縮機構は油圧機構として構成してもよいし、または電動
機構として構成してもよい。
【0036】このようにすれば、上記態様の発明を、低
コストにて十分な性能と信頼性を備えた駆動手段にて比
較的容易に構成することができる。
【0037】本発明のこのような作用及び利得は、次に
説明する実施の形態から明らかにされる。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の歯科用ユニット
の一実施形態を示している。歯科用ユニット1は、ベー
ス2上に設置される患者用椅子3を備えている。患者用
椅子3は、着座部4、背もたれ5、フットレスト6およ
びフットレストの一部としてのステップ7を備えてい
る。背もたれ5の上端には不図示のヘッドレストが設け
られている。着座部4はベース2に対して上下方向に移
動可能に取り付けられ、背もたれ5、フットレスト6お
よびステップ7は、着座部4と一体に昇降可能である。
また、着座部4は、その内部に傾斜板19を備え、傾斜
板19の後端部を支点19aとして上下方向に傾きを変
更可能である。背もたれ5およびフットレスト6は、傾
斜板19との接続部分を支点としてそれぞれの傾きを変
更することができる。さらにステップ7はフットレスト
6に対して傾きを調整することができる。
【0039】ベース2と着座部4との間には着座部4の
上下方向の移動に連携して伸縮するベローズ式のカバー
8が設けられている。そのカバー8の内部には患者用椅
子3を上下方向に駆動するための昇降用油圧シリンダ9
と、傾斜板19を押し上げて背もたれ5、フットレスト
6およびステップ7に傾きを与えて傾起方向に駆動させ
るための傾起用油圧シリンダ10と、これらの油圧シリ
ンダ9、10の動作を制御するための油圧ユニット11
(図2参照)とが設けられている。またカバー8の内部
には油圧シリンダ9の動作に連携して上下方向に伸縮し
て患者用椅子3をベース2上に支持するパンタグラフ機
構18が設けられている。パンタグラフ機構18の上端
には着座部4を支持する支持板20が設けられ、前述し
た傾斜板19後端の支点19aは、支持板20のアーム
板20aに回動可能に取り付けられている。
【0040】昇降用油圧シリンダ9は、その可動部9a
の動作方向を上下方向に一致させた状態でベース2に取
り付けられる。昇降用油圧シリンダ9の可動部9aは、
パンタグラフ機構18の上部のフレームに連結され、そ
れにより可動部9aの伸縮動作に応じて患者用椅子3が
上下に駆動される。傾起用油圧シリンダ10は、支持板
20に取り付けられている。そして傾起用油圧シリンダ
10の可動部10aは、着座部4の内部に設けられてい
る傾斜板19の下面前端側に回動自在に取り付けられて
いる。前記したように傾斜板19の後端部には背もたれ
5が、前端部にはフットレスト6が回動可能に連結され
ている。傾斜板19は、リンク等の機械要素を組合せて
油圧シリンダ10の可動部10aの伸縮動作を着座部4
に対する背もたれ5およびフットレスト6の回転運動に
変換する。この変換により、傾起用油圧シリンダ10の
可動部10aの伸縮動作に応じて傾斜板19の前端が上
下方向に変位して着座部4の傾きが変化し、それに連動
するように背もたれ5およびフットレスト6の傾きが変
化する。ステップ7はフットレスト6の傾きの変化にか
かわりなくほぼ水平にその姿勢が維持されるよう、フッ
トレスト6とのリンク機構が構成されている。
【0041】なお、可動部9a、10aは油圧シリンダ
9、10のシリンダチューブとして構成してもよいし、
ピストンロッドとして構成してもよい。
【0042】油圧シリンダ9、10には患者用椅子3の
位置に関する信号を出力する位置検出装置として、各油
圧シリンダ9、10の可動部9a、10aの位置を検出
する上下位置検出センサ12および傾起姿勢検出センサ
13が取り付けられる。これについては後に詳述する。
【0043】さらにベース2の内部には、油圧シリンダ
9、10の動作制御等を行なうための制御装置として機
能する制御基板14が収容されている。ベース2の後端
には患者用椅子3を上下方向に動作させるためのフット
スイッチ15が設けられている。また、ベース2の図面
右手前側には術者が使用する各種の器具やアタッチメン
ト類を保持するドクターモジュール16が、紙面奥側に
は歯科助手が使用するアシスタントモジュール17がそ
れぞれ配置されている(図2参照)。各モジュール1
6、17は、ベース2上に患者用椅子3の前後方向に設
けられたスライド機構21を介して歯科用ユニット1に
取り付けられている。
【0044】図2は、歯科用ユニット1の制御系の構成
を示すブロック図である。各モジュール16、17には
操作パネルが設けられている。術者(ドクター)側の操
作パネルにはマニュアルスイッチ、オートスイッチ、ア
ラームモニタ等が設けられ、アシスタント側の操作パネ
ルにはオートスイッチ等が設けられる。
【0045】マニュアル操作スイッチは、患者用椅子3
の上下方向の動作を指令するための上下司令部、および
傾起方向の動作を指令するための傾起司令部を有し、各
司令部の操作状態に対応した信号を出力する。オートス
イッチはそれぞれ予め記憶されている設定位置へと患者
用椅子3を自動的に駆動するオート動作のために使用さ
れるスイッチであって、それぞれのオン・オフに対応し
た信号を発する。各スイッチ毎にそれぞれ異なる設定位
置を割り当てることができる。一般にうがい時の最適位
置、患者導入時の最適位置、上顎診療時の最適位置、下
顎診療時の最適位置等がそれぞれに割り当てられてい
る。これらの設定位置は、例えばプログラムキーを操作
して術者が適宜設定することができる。アラームモニタ
23は、例えば赤色のLEDにて構成される。液晶やC
RT等のモニタを設置し、その画面上に警報を示すマー
ク、文字等の情報を表示するようにしてもよい。
【0046】制御基板14には、歯科用ユニット1の各
部の動作制御を実行するCPU30と、そのCPU30
に対する記憶装置31とが設けられている。CPU30
は、マイクロプロセッサユニットおよびその動作に必要
な各種の周辺回路を組合せて構成されている。記憶装置
31は、例えば歯科用ユニット1の動作制御に必要なプ
ログラムや各種のデータを記憶するROMと、CPU3
0の作業領域として機能するRAMとを組合せて構成さ
れている。そして、CPU30が記憶装置31に記憶さ
れたソフトウエアと組み合わされることにより、本発明
の歯科用ユニット1の制御装置として機能する。
【0047】CPU30には入力信号として、上下位置
検出センサ12、傾起姿勢検出センサ13、フットスイ
ッチ15、マニュアル操作スイッチおよびオートスイッ
チの出力信号が導かれる。さらに、制御基板14には、
障害検出手段として障害検出回路32が設けられる。障
害検出回路32は上下位置検出センサ12および傾起姿
勢検出センサ13の障害の有無を監視して、障害が検出
されるとそれに対応した信号をCPU30に出力する。
センサ12、13の障害としては、たとえばセンサから
制御基板14への断線が想定されている。
【0048】CPU30は、上述した各種の入力要素か
らの信号に基づいて油圧駆動回路33に対する動作指令
を制御する。油圧駆動回路33はCPU30から与えら
れた動作指令に応じて油圧ユニット11に対する動作信
号を制御する。この動作信号に応じて油圧ユニット11
の制御要素(例えばソレノイドバルブ)が切換えられて
油圧シリンダ9、10の伸縮動作が制御される。なお、
油圧駆動回路33は、制御基板14上に設けてもよい
し、油圧ユニット11上に設けることもできる。
【0049】図3は、本発明の歯科用ユニット1におけ
る患者用椅子3の上下方向および傾起方向の可動範囲を
示している。各図の下方に表されている(x、y)の記
号において、xは患者用椅子3の傾起方向の姿勢を、y
は上下方向の位置を示している。x=aのときは、患者
用椅子3が傾起方向に最も寝た状態の姿勢にあること
を、x=cのときは最も起きた状態の姿勢にあることを
示している。一方、y=aのときは患者用椅子3が最も
高い位置にあることを、y=cのときは最も低い位置に
あることをそれぞれ示している。
【0050】患者導入ポジションは、患者用椅子3が傾
起方向に最も起きた姿勢、すなわちx=cであって、高
さ方向にはステップ最下部23(図1参照)が床面22
に干渉しない範囲の最下点を取る位置、すなわち図3の
(c、b)の記号で表されたポジションに対応してい
る。従来の歯科用ユニットにおいては、このポジション
が最下点、すなわちこのポジションが昇降用油圧シリン
ダ9の最も縮少した状態であり、これより下方へ患者用
椅子3を下降させることは不可能であった。それゆえ下
顎診療時に、術者はその都度自らのスツールを調整して
作業姿勢を変更することを余儀なくされていたのであ
る。本願発明者は、患者用椅子3の傾起姿勢を寝かせる
方向に動作させれば、ステップ最下部23は上昇するこ
とに着目し、患者用椅子3が、図3の(c、b)で示さ
れる姿勢(患者導入ポジション)からさらに下降可能と
なるよう昇降用油圧シリンダ9およびパンタグラフ18
を構成した。このようにした場合に昇降用シリンダ9が
最も縮小した状態において、患者用椅子3を最も寝かせ
た状態(図3の(a、c)のポジション)から徐々に起
こし、ステップ最下部23が床面22に最初に干渉し始
める点、すなわち図3の(b、c)で示されるポジショ
ンが下顎診療に最適なポジションとなる。
【0051】このようにすれば、患者用椅子3を導入ポ
ジション(c、b)からさらに下方に下降させることが
できるので下顎診療の際にも術者の姿勢変更は不要とな
る。しかしこのように構成した場合に、導入ポジション
(c、b)からさらに患者用椅子を下降させることとな
るので、ステップ最下部23と床面22とが干渉する状
態が発生する可能性がある。また、下顎診療ポジション
(b、c)からさらに患者用椅子3が傾起方向へ姿勢を
起こす動作を許容すれば、ここでもステップ最下部23
と床面22との干渉が発生する可能性がある。すなわち
xおよびyがb〜cのポジションにあるとき干渉が発生
する可能性があるのである。以下に、本発明の歯科用ユ
ニット3においてこれらの干渉を発生させないようにす
るための制御を中心とした構成について、具体的な3つ
の実施形態に基づき説明する。 (第一実施形態)本発明の第一実施形態においては、昇
降用油圧シリンダ9及び傾起用油圧シリンダ10のスト
ローク方向に平行にポテンショメータ40が設けられて
いる。始めに図4を参照しつつポテンショメータの原理
を説明する。ポテンショメータ40は、油圧シリンダ
9、10の可動部9a、10aの動作方向に沿って配置
された抵抗線41と、抵抗線41上を可動部9a、10
aと一体に往復動作する可動接触子42とを備えてい
る。ポテンショメータ40による位置情報は、可動接触
子42と抵抗線41の基準位置(端部)43との間の抵
抗値に置き換えられる。ポテンショメータ40は、いわ
ば直線状の可変抵抗器である。従って、シリンダ可動部
の位置が決まれば抵抗値は一意に決せられるので、シリ
ンダにより上下及び傾起方向に駆動される部位の絶対位
置を読み取ることができる。この実施形態においては、
ポテンショメータ40により、昇降用油圧シリンダ9及
び傾起用油圧シリンダ10の可動部9a、10aの位置
を読み取ることにより、それに対応する患者用椅子3の
上下方向および傾起方向の絶対位置を検出することがで
きる。傾起用シリンダ10の伸縮に対するステップ最下
部23の軌跡の関数は制御装置14に記憶されている。
アナログ信号を傾起用シリンダ側ポテンショメータから
受けた場合、ステップ最下部23が床面と干渉を起こさ
ないようにするためには、昇降用油圧シリンダ9の上下
方向のストロークに対して傾起用油圧シリンダ10をど
れだけ伸縮させれば良いかを演算の上、各シリンダの動
作制御を行う。そしてこのような制御により、少し傾け
て少し下げる、という動作を自動的に繰り返し行なうこ
とにより、ステップ最下部23が、床面すれすれに移動
しつつ患者用椅子3の上下位置及び傾起方向姿勢を変更
することができる。
【0052】図5は、患者導入ポジションから下顎診療
ポジションへの移動(オート動作)をする際の処理の手
順を示すフローチャートである。ここでははじめに、患
者導入ポジションから下顎診療ポジションへの移動を指
示するオートスイッチがオンの状態にあるか否かが判断
される(ステップS1)。これが肯定判断された場合、
昇降用油圧シリンダ9側の上下方向絶対位置が検出され
る(ステップS2)とともに、傾起用油圧シリンダ10
側の傾起方向絶対位置が検出される(ステップS3)。
次に、現在の患者用椅子3のポジションが下顎診療ポジ
ションにあるか否かが判断される(ステップS4)。ス
テップS4において否定判断された場合には、ステップ
S2およびステップS3の検出結果をもとに、前記軌跡
の関数にこれらの検出結果を適用して、上下方向の昇降
用シリンダ9の単位ストロークに対する傾起方向の許容
されるストロークが演算される(ステップS5)。この
演算結果に基づいて傾起用油圧リンダ10を伸長させて
(ステップS6)、患者用椅子3をわずかに寝かせ、そ
の後に昇降用油圧シリンダ9を縮小させて(ステップS
7)患者用椅子3をわずかに下降させる。そして処理は
ステップS2に戻される。ステップS4において肯定判
断されたときは、処理は終了する(ステップS8)。
【0053】このようにして、患者導入ポジションから
下顎診療ポジションへの移動は、「少し寝かせて少し下
げる」動作を、上記制御をかけつつ繰り返し行うことに
より干渉を発生させることなく達成される。
【0054】図6は、下顎診療ポジションから患者導入
ポジションへの移動(オート動作)をする際の処理の手
順を示すフローチャートである。ここでははじめに、下
顎診療ポジションから患者導入ポジションへの移動を指
示するオートスイッチがオンの状態にあるか否かが判断
される(ステップS11)。これが肯定判断された場
合、傾起用油圧シリンダ10側の傾起方向絶対位置が検
出される(ステップS12)とともに、昇降用油圧シリ
ンダ9側の上下方向絶対位置が検出される(ステップS
13)。さらに、現在の患者用椅子3のポジションが患
者導入ポジションにあるか否かが判断される(ステップ
S14)。ステップS14において否定判断された場合
には、ステップS12およびステップS13の検出結果
をもとに、前記軌跡の関数にこれらの検出結果を適用し
て、傾起用油圧シリンダ9の単位ストロークに対する上
下方向の許容されるストロークが演算される(ステップ
S15)。この演算結果に基づいて昇降用油圧リンダ9
を伸張させて(ステップS16)、患者用椅子3をわず
かに上昇させ、その後に傾起用油圧シリンダ10を縮小
させて(ステップS17)患者用椅子をわずかに起こす
方向に駆動させる。そして処理はステップS12に戻さ
れる。ステップS14において肯定判断されたときは処
理は終了する(ステップS18)。
【0055】このようにして、下顎診療ポジションから
患者導入ポジションへの移動は、「少し上昇させて少し
起こす」動作を、上記制御をかけつつ繰り返し行うこと
により、干渉を発生させることなく達成される。
【0056】本実施形態においては、ポテンショメータ
以外の絶対位置検出型の各種センサを使用することもで
きる。例えば磁気式、静電容量式等のセンサを使用でき
る。また、本実施形態においては、油圧シリンダ9、1
0の可動部9a、10aの絶対位置を検出しているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば油圧シ
リンダにより駆動される対象物すなわち着座部4の上下
方向の絶対位置や、傾斜版19の角度位置に相関した信
号を出力するセンサを位置検出装置として使用しても良
い。 (第二実施形態)本発明の第二実施形態においては、患
者用椅子3の上下方向位置および傾起方向姿勢の検出
に、フォトインタラプタが使用される。まず図7、図8
を参照しつつフォトインタラプタの原理につき説明す
る。フォトインタラプタは、所定の間隔に設けられた発
光部71と、受光部72とがフォトセンサ73を構成し
ている。両者の間に遮蔽物(インタラプタ)74がない
場合には、受光部72は発光部71の光を受光して、信
号「0」を発信する。一方両者の間にインタラプタ74
が存在して受光部72が光を受光できない場合、フォト
インタラプタからは信号「1」が発信される。このよう
なフォトインタラプタは昇降用油圧シリンダ9に取り付
けられて上下方向干渉位置感知センサ12b、傾起用油
圧シリンダ10に取り付けられて傾起方向干渉位置感知
センサ13bとして機能する。
【0057】本第二実施形態においては、昇降用油圧シ
リンダ9および傾起用油圧シリンダ10が干渉域に入る
とフォトインタラプタの発する信号が「1」となり、干
渉域以外では「0」となるように構成されている。この
ような構成を実現するため昇降用油圧シリンダ9および
傾起用油圧シリンダ10では、図7にあるように可動部
側にシリンダ縮小方向にインタラプタ74が固定されて
おり、シリンダ9、10側にフォトセンサ73が取り付
けられている。そして、可動部9a、10aが下降して
きて、インタラプタ74がフォトセンサ73の隙間に侵
入するときが干渉域に入り込むとき(図3においてy=
b)に一致するように、インタラプタ74の長さが調整
されている。図7において、インタラプタ74の先端が
フォトセンサ73の隙間にないとき(非干渉域、図7に
おいて実線)、患者用椅子3は図3におけるx=a〜
b、またはy=a〜bの領域にあり、フォトインタラプ
タ12bから発せられる信号は「0」である。一方、イ
ンタラプタ74の先端がフォトセンサ73の隙間に侵入
したとき(干渉域、図7において一点鎖線)、患者用椅
子3は図3においてx=b〜c、またはy=b〜cの領
域にあり、フォトインタラプタ12bから発せられる信
号は「1」となる。
【0058】一方、図8にあるように可動部の伸張方向
に向けてインタラプタ74を固定して、シリンダとの相
対位置を保つようにフォトセンサ73を取り付けてもよ
い。この場合には、可動部が下降して、インタラプタ7
4がフォトセンサ73の隙間から離脱するときが干渉域
に入り込むときとなるように、インタラプタ74の長さ
が設定される。またフォトセンサから発せられる信号
は、受光時(干渉域)「1」、非受光時時(非干渉域)
「0」となり図7の場合と逆に設定される。図8におい
て、インタラプタ74の先端がフォトセンサ73の隙間
にないとき(図8において実線)、患者用椅子3は、図
3においてx=b〜c、またはy=b〜cの領域にあ
り、フォトインタラプタ12b、13bから発せられる
信号は「1」となる。一方、インタラプタ74の先端が
フォトセンサ73の隙間に侵入したとき(図8において
一点鎖線)、患者用椅子3は図3においてx=a〜b、
またはy=a〜bの領域にあり、フォトインタラプタ1
3bから発せられる信号は「0」となる。
【0059】図9は、図3における患者用椅子3の各姿
勢に対応する各フォトインタラプタ12b、13bの発
する信号を示している。以下に図9を参照しつつ第二実
施形態の制御について説明する。まず患者用椅子3がエ
リア(1、1)にあるときは、アラームモニタ(図2参
照)をゆっくりと点滅させて、術者に患者用椅子3が両
方向の干渉エリアにあることを知らせる。また患者用椅
子3がエリア(1、1)に入ったときはポジション設定
のためのメモリ設定動作が禁止され、同時にマニュアル
による下降、起き方向の動作も禁止される。
【0060】すでにメモリにより設定されているポジシ
ョンへのオート動作については、その開始点から目標ポ
ジションへの動作方向により、下表に基づく制御が行な
われる。
【0061】
【表1】
【0062】上記制御において、いわゆるオーバーラン
により、オート動作中に(1、1)のエリアにわずかに
進入することがあるが、わずかなオーバーランは無視し
て動作を継続するように所定の制御条件を追加しておく
とよい。これ以外の場合において、動作中に(1、1)
となったらすべて動作は禁止される。
【0063】上記表1において、本発明第二実施形態に
かかる動作制御を必要とするのは、動作開始エリアが
(0、1)であって、動作方向が「下・傾」の場合(以
下において「ケース1」という。)、および動作開始エ
リアが(1、0)であって、動作方向が「上・起」の場
合(以下において「ケース2」という。)である。
【0064】ケース1の動作制御について図10を参照
しつつ以下に説明する。図10において、(0、1)の
領域にある点S1は動作開始ポジション、(1、0)の
領域にある点E1は目標ポジションをそれぞれ表してい
る。いま、S1のポジションにおいて、メモリに設定さ
れているE1のポジションへのオート動作が選択される
と、昇降用油圧シリンダのフォトインタラプタ12b、
および傾起用油圧シリンダのフォトインタラプタ13b
からの検出信号から現在のポジション(1、0)および
動作方向「下・傾」が検出される。そして傾起用油圧シ
リンダ10を伸長させて、点M1であらわされるポジシ
ョンに移動する。次いで昇降用油圧シリンダ9を縮小さ
せてM1からE1への下降が行なわれる。このようにす
ることにより、ポジションを移動する間に(1、1)の
領域を通ることが回避されるので、確実に干渉の発生を
防止することができる。このような制御が行なわれず、
点S1からE1への直線的なポジション移動が行なわれ
ると(図10の一点鎖線参照)、(1、1)の領域を通
過することとなり、干渉が発生(ステップ最下点23が
床面22に衝突)する可能性がある。
【0065】次にケース2の動作制御について図11を
参照しつつ以下に説明する。図11において、(1、
0)の領域にある点S2は動作開始ポジション、(0、
1)の領域にある点E2は目標ポジションをそれぞれ表
している。いま、S2のポジションにおいて、メモリに
設定されているE2のポジションへのオート動作が選択
されると、昇降用油圧シリンダのフォトインタラプタ1
2b、および傾起用油圧シリンダのフォトインタラプタ
13bからの検出信号から現在のポジション(0、1)
および動作方向「上・起」が検出される。そして昇降用
油圧シリンダ9を伸長させて、点M2であらわされるポ
ジションに移動する。次いで傾起用油圧シリンダ10を
縮小させてM2からE2への起き方向の動作が行なわれ
る。この場合においても、ポジションを移動する間に
(1、1)の領域を通ることがないので、確実に干渉の
発生を防止することができる。このような制御が行なわ
れず、点S2からE2への直線的なポジション移動が行
なわれると(図11の一点鎖線参照)、(1、1)の領
域を通過することとなり、干渉が発生(ステップ最下点
23が床面22に衝突)する可能性がある。
【0066】このように本第二実施形態においては、目
標ポジションへの動作が、必ずまずステップ最下部23
が上昇する方向に行なわれ、その後に下降する方向に行
なわれるので、双方干渉エリア(1、1)に近づくこと
なくポジション変更を行うことができる。 (第三実施形態)本発明の第三実施形態の歯科用ユニッ
トは、第二実施形態の歯科用ユニットに使用されている
フォトインタラプタにより構成された干渉位置感知セン
サ(12b、13b)に加えて、上下方向絶対位置検出
センサ12cおよび傾起方向絶対位置検出センサ13c
が備えられている。これらの絶対位置センサは、第一実
施形態にあるポテンショメータにて構成してもよい。
【0067】以下にこれらのセンサにより、どのように
第三実施形態の歯科用ユニットの動作制御が行なわれる
かについて説明する。この実施形態においては、干渉位
置感知センサ(12b、13b)により干渉が発生して
いると感知される範囲(図12の斜線部分)は、実際に
干渉が発生する範囲(図12の斜線が重なっている部
分)より所定幅(上下方向にW1、傾起方向にW2)広
く設定されるように干渉位置感知センサ(12b、13
b)の配置およびインタラプタ長さの設定が行なわれて
いる。このような状態において、非干渉域から干渉域ギ
リギリの位置付近への下降・起き方向のオート動作が行
なわれる際の動作制御を、二つのケース(ケース3およ
びケース4)について以下に説明する。
【0068】ケース3は図12(a)において、位置S
3からE3までのオート動作が選択された場合の動作制
御に関するものである。ケース3のオート動作中に、上
下方向干渉位置感知センサ12bが干渉域であることを
感知した場合(図12(a)の点P3通過時)、そのと
きの点P3の上下方向絶対位置検出センサ12cの検出
値Laを制御装置14にストアする。その後の上下方向
絶対位置検出センサ12cの検出値とLaとの差が、上
記W1より小さければ、たとえ上下方向干渉位置感知セ
ンサ12bが干渉域にあることを感知していても最終目
標位置までの動作が継続される。この結果最終到達位置
はE3Rとなり、E3より干渉域側にずれたものとなる
が、その差はW1以内となるように制御されているの
で、物理的な干渉域まで進入するようなことはない。
【0069】ケース4は図12(b)において、位置S
4からE4までのオート動作が選択された場合の動作制
御に関するものである。ケース4のオート動作中に、傾
起方向干渉位置感知センサ13bが干渉域であることを
感知した場合(図12(b)のP4点通過時)、そのと
きの点P4の傾起方向絶対位置検出センサ13cの検出
値Lbが制御装置14にストアされる。その後の傾起方
向絶対位置検出センサ13cの検出値とLbとの差が、
上記W2より小さければ、たとえ傾起方向干渉位置感知
センサ13bが干渉域にあることを感知していても最終
目標位置までの動作が継続される。この結果最終到達位
置はE4Rとなり、E4より干渉域側にずれたものとな
るが、その差はW2以内となるように制御されているの
で、物理的な干渉域まで進入するようなことはない。
【0070】このように一方向に2つのセンサを配置し
て、検出を行なっているので、パンタグラフや油圧機構
によるオーバーランが原因で目標値を超えてしまうよう
な場合や、あるいはそれぞれのセンサの取り付け誤差や
がたが原因となって、検出値自体が多少の誤差を内包す
るような場合であっても、目標位置までのオート動作を
安定して実行させることができる。
【0071】なお,以上の諸形態において、昇降手段
は、パンタグラフと油圧機構の組合せによる場合につい
て説明してきたが、本発明はもちろんこれに限定される
ものではない。パンタグラフは他のリンク機構に置き換
えてもよく、油圧機構も空圧機構や他の機械的な機構に
より構成してもよい。また、昇降機構をリンク機構と伸
縮機構の組合せとせず、油圧機構、空圧機構、機械的な
機構等単独にて構成してもよい。
【0072】また、本発明は、歯科用ユニットを主用途
とするが、理容や美容目的の椅子、旅客輸送手段のシー
ト等に対しても適用が可能である。
【0073】以上、現時点において、もっとも、実践的
であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して
本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示さ
れた実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲お
よび明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に
反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を
伴う歯科用ユニットもまた本発明の技術的範囲に包含さ
れるものとして理解されなければならない。
【0074】
【発明の効果】以上に説明したように、位置調整可能な
患者用椅子と、患者用椅子を駆動する駆動装置と、患者
用椅子の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段
からの情報に基づいて駆動装置の動作を制御する制御手
段とを備えた歯科用ユニットであって、駆動装置は患者
用椅子を歯科用ユニットの他の部位に干渉する位置まで
駆動可能であり、制御手段は患者用椅子が干渉する位置
に侵入しないように駆動装置の動作を制御することを特
徴とする第一態様の歯科用ユニットによれば、干渉域に
まで患者用椅子を駆動させることができるので、患者用
椅子の可動範囲を広くとることができ設計上の自由度を
極めて高くとることができる。またこの場合に制御手段
により他の部位に衝突することを回避することができ
る。
【0075】また、背もたれとフットレストとが着座部
に回動可能に取り付けられている患者用椅子と、患者用
椅子を上下方向に駆動する昇降手段と、患者用椅子を傾
起方向に駆動する傾起手段とを備え、着座部は患者導入
位置から下降されることが可能であり、さらに患者用椅
子の上下方向の位置を検出する上下位置検出手段)と、
患者用椅子の傾起方向の姿勢を検出する傾起姿勢検出手
段と、上下位置検出手段および傾起姿勢検出手段からの
情報をもとに患者用椅子のフットレスト最下部が床面に
干渉しないように昇降手段および傾起手段の動作を制御
する制御手段とを備えた第二態様の歯科用ユニットによ
れば、患者用椅子を導入ポジションよりさらに下げるこ
とができるので、術者が患者下顎診療を行なう際にスツ
ールを上昇させる必要がなくなり診療を行うのに術者へ
の負担が少なくて都合がよい。また、制御手段により患
者用椅子のフットレスト最下部と床面との干渉を回避す
ることにより、両者が衝突して不測の故障が起きたり、
両者の間に物をはさむような事態が起きるのを未然に回
避できる。
【0076】また、背もたれとフットレストとが着座部
に回動可能に取り付けられている患者用椅子と、患者用
椅子を上下方向に駆動する昇降手段と、患者用椅子を傾
起方向に駆動する傾起手段と、スライド機構を介して取
り付けられたドクターモジュールとを備え、着座部は患
者導入位置から下降されることが可能であり、さらに、
前記患者用椅子の上下方向の位置を検出する上下位置検
出手段と、患者用椅子の傾起方向の姿勢を検出する傾起
姿勢検出手段と、上下位置検出手段および傾起姿勢検出
手段からの情報をもとに患者用椅子のフットレスト最下
部がスライド機構上の床面に干渉しないように昇降手段
および傾起手段の動作を制御する制御手段と、を備えた
歯科用ユニットによれば、従来は術者が患者下顎診療を
行なう際にはスライド機構の高さの分だけ余計にスツー
ルを上昇させる必要があったが、本構成により患者用椅
子が大きく下降されるようにされたため、術者が患者下
顎診療を行なう際にスツールを上昇させる必要がなくな
り、術者の負担を確実に軽減することができる。
【0077】また、上記態様において、傾起姿勢検出手
段からの情報に基づいて昇降手段の可動範囲が決定さ
れ、上下位置検出手段からの情報に基づいて傾起手段の
可動範囲が決定されるように構成した場合には、上下方
向と傾起方向が、相互の検出手段の情報にて制御される
ので、患者用椅子の干渉域への侵入を確実に防止するこ
とができる。
【0078】また、上記において、制御手段は傾起手段
の傾起動作に対するフットレスト最下部の移動の軌跡に
関するデータと、上下位置検出手段および傾起姿勢検出
手段からの情報とにより昇降手段と傾起手段との動作を
制御するようにすれば、フットレスト最下部を床面すれ
すれにしかも床面に触れることなく移動させつつ、患者
用椅子の昇降、傾起を行なうことができる。
【0079】また、上記態様において、昇降手段はパン
タグラフ機構とパンタグラフ機構を伸縮させる上下方向
伸縮機構を備え、傾起手段はパンタグラフ機構に取り付
けられた傾起方向伸縮機構を備えており、上下位置検出
手段は上下方向伸縮機構の伸縮長さに対応付けられて取
り付けられた上下方向絶対位置センサであり、傾起姿勢
検出手段は傾起方向伸縮機構の伸縮長さに対応付けられ
て取り付けられた傾起方向絶対位置センサとして構成し
た場合には、上下方向伸縮機構により昇降動作が実現さ
れ、傾起方向伸縮機構により傾起動作が実現される。ま
た、それぞれに位置センサを取り付けることにより、上
下、傾起各方向の絶対位置を検出してフットレスト最下
部が干渉域に進入することがないよう上下方向伸縮機構
および傾起方向伸縮機構の動作を制御することが可能で
ある。
【0080】また、上記態様において、上下位置検出手
段および傾起姿勢検出手段を、ポテンショメータにより
構成すれば、上記態様の発明を、低コストにて十分な性
能と信頼性を備えた絶対位置センサにて容易に構成する
ことができる。
【0081】上記第二態様の歯科用ユニットにおいて、
上下位置検出手段は、患者用椅子が最も起きた姿勢にお
いて上下方向に関して干渉が発生し得る領域にあること
を感知する上下方向干渉位置感知センサであり、傾起姿
勢検出手段は、患者用椅子が最も下降した位置において
傾起方向に関して干渉が発生し得る領域にあることを感
知する傾起方向干渉位置感知センサであであることとし
て構成した場合には、患者用椅子が干渉域にあることを
上下方向および傾起方向に関するセンサにて感知して、
これにより上下方向および傾起方向の動作を制御するこ
とにより干渉が発生するのを未然に防止することができ
る。上記構成において更に、上下方向干渉位置感知セン
サからの情報をもとに傾起方向伸縮機構の動作が制御さ
れ、傾起方向干渉位置感知センサからの情報をもとに上
下方向伸縮機構の動作が制御されることとしてもよい。
このようにしても、上下方向と傾起方向が、相互の検出
手段の情報にて制御されるので、患者用椅子の干渉域へ
の侵入を確実に防止することができる。
【0082】また、上記構成において、歯科用ユニット
は上下方向干渉位置感知センサおよび傾起方向干渉位置
感知センサに加えてさらに上下方向絶対位置検出手段お
よび傾起方向絶対位置検出手段とを備え、制御手段は上
下方向干渉位置感知センサからの検知信号に上下方向絶
対位置検出手段からの検知信号を関連付けて上下方向の
動作を制御するとともに、傾起方向干渉位置感知センサ
からの検知信号に傾起方向絶対位置検出手段からの検知
信号を関連付けて傾起方向の動作を制御することとすれ
ば、異なる手段にて同一方向の位置を検出しているの
で、一方の手段に誤差等が生じても他方の手段による検
出結果による補正ができるので、より正確で安定した制
御を実現することができる。
【0083】また、上記構成において、上下方向干渉位
置感知センサおよび傾起方向干渉位置感知センサの干渉
感知範囲は、実際に患者用椅子により発生する物理的干
渉の範囲より所定量広く設定され、制御装置はオート動
作中に上下方向干渉位置感知センサが干渉の発生を検知
した場合、そのときの上下方向絶対位置検出手段の検出
値を記憶して、その後の上下方向絶対位置検出手段の検
出値と干渉発生時の検出値との差が広く設定された所定
量より小さければ、上下方向干渉位置感知センサが干渉
の発生を感知していてもそのまま動作を継続させ、オー
ト動作中に傾起方向干渉位置感知センサが干渉の発生を
検知した場合、そのときの傾起方向絶対位置検出手段の
検出値を記憶して、その後の傾起方向絶対位置検出手段
の検出値と干渉発生時の検出値との差が、広く設定され
た所定量より小さければ、傾起方向干渉位置感知センサ
が干渉の発生を感知していてもそのまま動作を継続させ
る制御を行なうように構成すれば、昇降手段や傾起手段
のオーバーランにより目標位置を超えてしまうような場
合や、各検出手段、センサ類の取り付けガタや検出誤差
が発生するような場合であっても目標位置までのオート
動作を安定して行うことができる。
【0084】さらに上記において、制御手段は上下方向
干渉位置感知センサが干渉領域にあることを感知してい
るときに上昇・起き方向の動作をする場合には、昇降手
段による上昇動作後に傾起手段による起き動作を行い、
傾起方向干渉位置感知センサが干渉領域にあることを感
知しているときに下降・傾き方向の動作をする場合に
は、傾起手段による傾き動作後に昇降手段による下降動
作を行うように動作制御することとすれば、相互に干渉
する領域を迂回するように動作制御が行なわれ、確実に
干渉が発生するのを防止することができる。
【0085】上記態様において、上下方向干渉位置感知
センサおよび傾起方向干渉位置感知センサをマイクロス
イッチ、ホールセンサ、超音波センサ、反射式光セン
サ、またはフォトインタラプタのいずれかの一により構
成すれば、上記態様の発明を、低コストにて十分な性能
と信頼性を備えた感知型センサにて容易に構成すること
ができる。
【0086】また上記態様で、さらに上下方向絶対位置
検出手段および前記傾方向絶対位置検出手段を、ポテン
ショメータ、または磁気式若しくは光式のエンコーダに
より構成すれば、上記態様の発明を、低コストにて十分
な性能と信頼性を備えた絶対位置センサにて容易に構成
することができる。
【0087】また、上下方向伸縮機構および傾起方向伸
縮機構は油圧機構、または電動機構として構成すれば、
上記態様の発明を、低コストにて十分な性能と信頼性を
備えた駆動手段にて比較的容易に構成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての歯科用ユニットの
概略構成を示す図である。
【図2】本発明が適用された歯科用ユニットの制御系の
構成を示すブロック図である。
【図3】本発明が適用された歯科用ユニットの患者用椅
子の上下方向および傾起方向の可動範囲を連続的に示す
図である。
【図4】第一実施形態に使用されるポテンショメータを
示す図である。
【図5】患者導入ポジションから下顎診療ポジションへ
の移動をする際の処理の手順を示すフローチャートであ
る。
【図6】下顎診療ポジションから患者導入ポジションへ
の移動をする際の処理の手順を示すフローチャートであ
る。
【図7】第二実施形態において油圧シリンダに取り付け
られたフォトインタラプタの一例を示す図である。
【図8】第二実施形態において油圧シリンダに取り付け
られたフォトインタラプタの他の一例を示す図である。
【図9】図3の患者用椅子の各姿勢に対応するフォトイ
ンタラプタからの信号を示す図である。
【図10】ケース1の動作制御を示す図である。
【図11】ケース2の動作制御を示す図である。
【図12】第三実施形態の制御を示す図である。
【図13】従来の患者用椅子の導入ポジションを示す図
である。
【図14】従来のひざおれタイプ患者用椅子の診療ポジ
ションを示す図である。
【符号の説明】
1 歯科用ユニット 3 患者用椅子 4 着座部 5 背もたれ 6 フットレスト 7 ステップ 9 昇降用油圧シリンダ(昇降手段・上下方向伸縮機
構) 10 傾起用油圧シリンダ(傾起手段・傾起方向伸縮機
構) 12 上下位置検出センサ(上下位置検出手段) 12a 上下方向絶対位置検出センサ(ポテンショメー
タ) 12b 上下方向干渉位置感知センサ(フォトインタラ
プタ) 13 傾起姿勢検出センサ(傾起姿勢検出手段) 13a 傾起方向絶対姿勢検出センサ(ポテンショメー
タ) 13b 傾起方向干渉位置感知センサ(フォトインタラ
プタ) 14 制御基板(制御手段) 18 リンク機構(パンタグラフ機構) 21 ドクターモジュール用スライド機構 22 ユニット床面 23 ステップ最下部(フットレスト最下部) 40 ポテンショメータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61G 15/04 A61G 15/00 F 15/06 A61C 19/00 D

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置調整可能な患者用椅子と、 前記患者用椅子を駆動する駆動装置と、 前記患者用椅子の位置を検出する位置検出手段と、 前記位置検出手段からの情報に基づいて前記駆動装置の
    動作を制御する制御手段とを備えた歯科用ユニットであ
    って、 前記駆動装置は前記患者用椅子を前記歯科用ユニットの
    他の部位に干渉する位置まで駆動可能であり、 前記制御手段は前記患者用椅子が前記干渉する位置に侵
    入しないように前記駆動装置の動作を制御することを特
    徴とする歯科用ユニット。
  2. 【請求項2】 背もたれとフットレストとが着座部に回
    動可能に取り付けられている患者用椅子と、前記患者用
    椅子を上下方向に駆動する昇降手段と、前記患者用椅子
    を傾起方向に駆動する傾起手段とを備え、 前記着座部は、患者導入位置から下降されることが可能
    であり、 さらに、前記患者用椅子の上下方向の位置を検出する上
    下位置検出手段と、 前記患者用椅子の傾起方向の姿勢を検出する傾起姿勢検
    出手段と、 前記上下位置検出手段および前記傾起姿勢検出手段から
    の情報をもとに、前記患者用椅子のフットレスト最下部
    が床面に干渉しないように、前記昇降手段および傾起手
    段の動作を制御する制御手段と、 を備えた歯科用ユニット。
  3. 【請求項3】 背もたれとフットレストとが着座部に回
    動可能に取り付けられている患者用椅子と、前記患者用
    椅子を上下方向に駆動する昇降手段と、前記患者用椅子
    を傾起方向に駆動する傾起手段と、スライド機構を介し
    て取り付けられたドクターモジュールとを備え、 前記着座部は、患者導入位置から下降されることが可能
    であり、 さらに、前記患者用椅子の上下方向の位置を検出する上
    下位置検出手段と、 前記患者用椅子の傾起方向の姿勢を検出する傾起姿勢検
    出手段と、 前記上下位置検出手段および前記傾起姿勢検出手段から
    の情報をもとに、前記患者用椅子のフットレスト最下部
    が前記スライド機構上の床面に干渉しないように、前記
    昇降手段および傾起手段の動作を制御する制御手段と、 を備えた歯科用ユニット。
  4. 【請求項4】 前記傾起姿勢検出手段からの情報に基づ
    いて前記昇降手段の可動範囲が決定され、前記上下位置
    検出手段からの情報に基づいて前記傾起手段の可動範囲
    が決定されることを特徴とする請求項2または3のいず
    れかに記載された歯科用ユニット。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記傾起手段の傾起動
    作に対する前記フットレスト最下部の移動の軌跡に関す
    るデータと、前記上下位置検出手段および傾起姿勢検出
    手段からの情報とにより前記昇降手段および傾起手段の
    動作を制御することを特徴とする請求項2〜4のいずれ
    かに記載の歯科用ユニット。
  6. 【請求項6】 前記昇降手段は、パンタグラフ機構と前
    記パンタグラフ機構を伸縮させる上下方向伸縮機構とを
    備え、前記傾起手段は、前記パンタグラフ機構に取り付
    けられた傾起方向伸縮機構を備えており、 前記上下位置検出手段は、前記上下方向伸縮機構の伸縮
    長さに対応付けられて取り付けられた上下方向絶対位置
    センサであり、前記傾起姿勢検出手段は、前記傾起方向
    伸縮機構の伸縮長さに対応付けられて取り付けられた傾
    起方向絶対位置センサであることを特徴とする請求項2
    〜5のいずれかに記載された歯科用ユニット。
  7. 【請求項7】 前記上下位置検出手段および傾起姿勢検
    出手段は、ポテンショメータにより構成されていること
    を特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載された歯科
    用ユニット。
  8. 【請求項8】 前記上下位置検出手段は、前記患者用椅
    子が最も起きた姿勢において上下方向に関して前記干渉
    が発生し得る領域にあることを感知する上下方向干渉位
    置感知センサであり、前記傾起姿勢検出手段は、前記患
    者用椅子が最も下降した位置において傾起方向に関して
    前記干渉が発生し得る領域にあることを感知する傾起方
    向干渉位置感知センサであることを特徴とする請求項2
    〜4のいずれかに記載された歯科用ユニット。
  9. 【請求項9】 前記歯科用ユニットは、前記上下方向干
    渉位置感知センサおよび傾起方向干渉位置感知センサに
    加えてさらに上下方向絶対位置検出手段および傾起方向
    絶対位置検出手段とを備え、 前記制御手段は、前記上下方向干渉位置感知センサから
    の検知信号に前記上下方向絶対位置検出手段からの検知
    信号を関連付けて上下方向の動作を制御するとともに、
    前記傾起方向干渉位置感知センサからの検知信号に前記
    傾起方向絶対位置検出手段からの検知信号を関連付けて
    傾起方向の動作を制御することを特徴とする請求項8に
    記載された歯科用ユニット。
  10. 【請求項10】 前記上下方向干渉位置感知センサおよ
    び傾起方向干渉位置感知センサの干渉感知範囲は、実際
    に前記患者用椅子により発生する物理的干渉の範囲より
    所定量広く設定され、 前記制御装置は、前記オート動作中に前記上下方向干渉
    位置感知センサが前記干渉の発生を検知した場合、その
    ときの前記上下方向絶対位置検出手段の検出値を記憶し
    て、その後の前記上下方向絶対位置検出手段の検出値と
    前記干渉発生時の検出値との差が、前記広く設定された
    所定量より小さければ、前記上下方向干渉位置感知セン
    サが干渉の発生を感知していてもそのまま動作を継続さ
    せ、 前記オート動作中に前記傾起方向干渉位置感知センサが
    前記干渉の発生を検知した場合、そのときの前記傾方向
    絶対位置検出手段の検出値を記憶して、その後の前記傾
    方向絶対位置検出手段の検出値と前記干渉発生時の検出
    値との差が、前記広く設定された所定量より小さけれ
    ば、前記傾起方向干渉位置感知センサが干渉の発生を感
    知していてもそのまま動作を継続させる制御を行なう、 ことを特徴とする請求項9に記載の歯科用ユニット。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、 前記上下方向干渉位置感知センサが前記干渉領域にある
    ことを感知しているときに上昇・起き方向の動作をする
    場合には、前記昇降手段よる上昇動作後に前記傾起手段
    による起き動作を行ない、 前記傾起方向干渉位置感知センサが前記干渉領域にある
    ことを感知しているときに下降・傾き方向の動作をする
    場合には、前記傾起手段による傾き動作後に前記昇降手
    段による下降動作を行なうように動作制御することを特
    徴とする請求項8〜10のいずれかに記載された歯科用
    ユニット。
  12. 【請求項12】 前記上下方向干渉位置感知センサおよ
    び傾起方向干渉位置感知センサは、マイクロスイッチ、
    ホールセンサ、超音波センサ、反射式光センサ、または
    フォトインタラプタのいずれかの一により構成されてい
    ることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載さ
    れた歯科用ユニット。
  13. 【請求項13】 前記上下方向絶対位置検出手段および
    前記傾方向絶対位置検出手段は、ポテンショメータ、ま
    たは磁気式若しくは光式のエンコーダにより構成されて
    いることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載
    された歯科用ユニット。
  14. 【請求項14】 前記昇降手段および傾起手段は油圧機
    構により構成されていることを特徴とする請求項2〜1
    3のいずれかに記載された歯科用ユニット。
  15. 【請求項15】 前記昇降手段および傾起手段は電動機
    構であることを特徴とする請求項2〜14のいずれかに
    記載された歯科用ユニット。
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