JP2002343294A - 複合電子顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
TEM像とTEM像との対応を正確にとることができる
複合電子顕微鏡を提供することを目的としている 【解決手段】SEM/STEM像とTEM像を観察する
ことができる複合電子顕微鏡であって、SEM/STE
M像の回転角にTEM像を合わせるためのSEM/ST
EM像の回転角と、TEMの倍率と結像系レンズに流す
電流値が記憶された第1の記憶手段44と、TEM像の
回転角にSEM/STEM像を合わせるためのTEM像
の倍率と回転角とが記憶された第2の記憶手段45と、
前記第1又は第2の記憶手段に記憶されているデータに
基づいて表示モードに応じた倍率と回転角の補正を行な
うコンピュータ40と、該コンピュータ40により補正
された画像を表示する表示手段35とを具備して構成さ
れる。
Description
画像とTEM画像を表示することができる複合電子顕微
鏡に関し、更に詳しくは視野探しに要する時間を短縮す
ることができる電子顕微鏡に関する。
置は、TEMのアタッチメントとして開発されてきた。
また、近年ではこれらの装置にX線分光による元素分析
や電子線エネルギー損失分光法などによる分析機能を付
加して使用されるようになってきている。また、分析は
点、線、面のスキャン法すなわちSEM/STEMモー
ドにより試料の局所的な元素の情報を得ている。
成概念図である。電子レンズL1で集束された電子線
(電子ビーム)は、偏向器8により偏向走査され、試料
1上に照射される。この時、試料1の表面から発生した
2次電子は、検出器2により検出される。検出器2とし
ては、例えば電子が当ると光を発するシンチレータとこ
のシンチレータが発した光を受けて再び電子に変換し増
倍するPMT(光電子増倍管)とを組合わせた検出器が
用いられる。
増幅器3で増幅された後、CRT4に輝度信号として送
られるため、CRT4の画面には試料1で発生した2次
電子の強度に応じてCRT4の輝度を変化させた像(S
EM像)が表示される(以上をSEMモードあるいはS
EM像表示モードと呼ぶことにする)。
ム)は、電子レンズL2で集束され検出器5に入力され
る。検出器5は、入力された透過電子線に応じた電気信
号を発生する。ここで、検出器5としては、例えば前記
の如きシンチレータとPMTとを組合わせた検出器が用
いられる。この検出器5の出力は続く増幅器6に入り増
幅される。増幅された透過電子信号は、試料1を透過し
た電子線の強度に応じてCRT7上の輝度を変化させC
RT7上に像(STEM像)を表示する(以上をSTE
MモードあるいはSTEM像表示モードと呼ぶことにす
る)。なお、ここでCRT4、7としては、共通化して
もよい。
2,5としては、双方共にシンチレータとPMTとを組
合わせた検出器が用いられるが、SEM系の検出器2に
は2次電子を引き込むための電極が設けられ、+10k
V程度の電圧が印加されている点で検出器5と異なる。
ある。電子レンズL3を通過した電子線EBは、試料1
に照射される。この時、試料1を透過した電子線は、電
子レンズL4により蛍光スクリーン10上に拡大投射さ
れる。オペレータは、この蛍光スクリーン上の画像を観
察することができる。
透過像は、光学レンズ(又は光ファイバ)11により、
TVカメラ12上に結像され、該TVカメラ12で撮影
され、CRT13に表示される(以上をTEMモードあ
るいはTEM像表示モードと呼ぶことにする)。ここ
で、SEM/STEM/TEM複合装置の場合、CRT
13はCRT4又は7と共通化されてもよい。SEM/
STEM像とTEM像の相違点は、SEM/STEMモ
ードでは細く絞った電子線で試料上を走査するのに対
し、TEMモードでは平行で太いビームで試料上を照射
する点である。
面等の特徴的な視野を探し、その視野の分析を行なって
いる。また、特徴的な興味ある視野をSEM/STEM
モードで探し、その場所の高分解能像や電子回折パター
ンをTEMモードによって得ることもある。
場合、TEM像とSEM/STEM像の視野の対応は非
常に重要であり、裸野が大きく異なると、ユーザはそれ
ぞれのモードで目的の視野を探すことを強いられること
になる。このような不具合を解決するため、TEMモー
ドとSEM/STEMモードにそれぞれ電子線偏向器の
電流値を記憶する回路を設け、モード問で視野が一致す
るようにしている。
TEM像とTEM像とでは像の性質が異なり(SEM像
は例えば粒子があるところが光り、STEM像、TEM
像は粒子があるところが暗くなる)、視野の対応がつき
にくい。
モードで検出方法が異なるために、TEMモードにおい
ては結像する間に像が回転するために、それぞれのモー
ドで視野の確認をとることが困難であった。また、従来
の顕微鏡では、TEM像は像観察室の蛍光スクリーン上
に、SEM/STEM像はCRT上にそれぞれ像が表示
されるので、2つのモード間の像を比較することは困難
であった。
ものであって、SEM/STEM像とTEM像との対応
を正確にとることができる複合電子顕微鏡を提供するこ
とを目的としている。
本件第1の発明は、走査型電子顕微鏡(SEM)モード
/走査透過型電子顕微鏡(STEM)モード及び透過型
電子顕微鏡(TEM)モードとを備え、SEM/STE
M像とTEM像を観察することができる複合電子顕微鏡
であって、走査型電子顕微鏡(SEM)モード/走査透
過型電子顕微鏡(STEM)モードのための走査手段
と、TEM像の倍率とその倍率における像の回転角とが
記憶された記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている
データに基づいて走査型電子顕微鏡(SEM)モード/
走査透過型電子顕微鏡(STEM)モードにおけるSE
M/STEM像をTEM像の回転角に合わせるための補
正を行なうコンピュータと、該コンピュータにより補正
された画像を表示する表示手段とを具備して構成される
ことを特徴とする。
応じて回転するTEM像に対してSEM/STEM像の
回転角(像の方向)を合わせることができる。これによ
って、SEM/STEM像とTEM像の対応する領域を
同一の表示手段に倍率と回転角の対応がとれた状態で表
示するので、SEM/STEM像とTEM像との対応を
正確にとることができる。
EM)モード/走査透過型電子顕微鏡(STEM)モー
ド及び透過型電子顕微鏡(TEM)モードとを備え、S
EM/STEM像とTEM像を観察することができる複
合電子顕微鏡であって、走査型電子顕微鏡(SEM)モ
ード/走査透過型電子顕微鏡(STEM)モードのため
の走査手段と、透過型電子顕微鏡(TEM)モードのた
めの結像系の複数のレンズと、SEM/STEM像の回
転角にTEM像の回転角を合わせるための、SEM/S
TEM像の回転角に対するTEM像の倍率とTEMの結
像系の各レンズに流す電流値が記憶された第1の記憶手
段と、TEM像の回転角にSEM/STEM像の回転角
を合わせるための、TEM像の倍率に対する像の回転角
が記憶された第2の記憶手段と、前記第1又は第2の記
憶手段に記憶されているデータに基づいて表示モードに
応じた回転角の補正を行なうコンピュータと、該コンピ
ュータにより補正された画像を表示する表示手段とを具
備して構成されることを特徴とする。
表示されたSEM/STEM像にTEM像の方向を合わ
せることができ、かつ、倍率に応じて回転するTEM像
に対してSEM/STEM像の回転角(像の方向)を合
わせることができる。これによって、SEM/STEM
像とTEM像の対応する領域を同一の表示手段に倍率と
回転角の対応がとれた状態で表示するので、SEM/S
TEM像とTEM像との対応を正確にとることができ
る。
施の形態を詳細に説明する。
図である。本発明では、視野の一致ばかりでなく、視野
の倍率や回転角を同時に又はそれぞれどちらか一方を他
方に一致させるようになっている。また、本発明では、
TEM像をCRT上で観察できるようにTV装置を備え
ていることを前提としている。
を発生する電子銃、CL1、CL2は電子銃20から発
生された電子線を集束するコンデンサレンズ、CMは同
じく電子線を集束するコンデンサミニレンズである。C
LA1、CLA2は、それぞれ電子線をX方向及びY方
向に走査/偏向する走査/偏向コイル(スキャンコイ
ル)である。21は前記電子線が照射される試料、22
は該試料21の表面から発生する2次電子を検出するS
EM信号検出器である。該SEM信号検出器22として
は、例えば電子が当ると光を発するシンチレータとこの
シンチレータが発した光を受けて再び電子に変換し増倍
するPMT(光電子増倍管)とを組合わせた検出器が用
いられる。
ズCL1、CL2、CM、走査/偏向コイルCLA1、
CLA2及びSEM信号検出器22とで走査電子顕微鏡
(SEM)の検出系を構成している。
する対物レンズ、OMは同じく試料21を透過した電子
線を拡大する対物ミニレンズである。OLは、像の拡大
倍率が大きい時に用いられ、OMは像の拡大倍率が小さ
い時に用いられる。OLとOMが同時に用いられること
はない。ISC1、ISC2は結像系のレンズ軸の軸合
わせを行なう像シフトコイルであり、X方向及びY方向
にそれぞれ設けられている。
子線を結像するための結像レンズである。PLはプロジ
ェクタレンズと呼ばれ、IL1、IL2、IL3と比べ
て倍率が高くなっている。TEMに用いられるレンズは
一般には電磁型であるため、そのレンズの倍率に従って
像の回転が起こてしまう。しかし、IL1、IL2、I
L3、PLの如く複数のレンズを用いて各レンズの倍率
をうまく組み合わせるようにすれば、複数のレンズを組
み合わせて得られる総合倍率を一定に保ったままで、像
が回転しないようにしたり、像に任意の回転を与えたり
することができる。PLAは、像の拡大中心が中心位置
よりずれることを補正するための投影像シフトコイルで
ある。
ーン、24は該蛍光スクリーン23上に結像された像を
検出するSTEM信号検出器である。第1の蛍光スクリ
ーン23としては、例えば透過電子を受けて発光する蛍
光物質が用いられ、STEM信号検出器24としては、
例えば光信号を電気信号に変換するPMT(光電子増倍
管)が用いられる。25は透過電子を受ける第2の蛍光
スクリーンである。第2の蛍光スクリーン25は、蛍光
面を持ち、入射した電子線により発光するようになって
いる。第1の蛍光スクリーン23と第2の蛍光スクリー
ン25は図に示す向きに移動可能に構成されている。例
えば、TEM像を得る場合には、蛍光スクリーン23は
移動して電子線が第2の蛍光スクリーン25に直接照射
されるようになっている。
に変換された透過電子像を光学的に導く光ファイバ、2
7は該光ファイバ26から伝送されてきた透過電子像を
撮影するTVカメラである。なお、図示されていない
が、透過電子像を蛍光面にうける第3の蛍光スクリーン
が設けられており、肉眼で透過電子像を観察することも
できる。この時、第1、第2の蛍光スクリーン23、2
5は脇に移動し、第3の蛍光スクリーンに透過電子像が
可視化されるようになっている。
走査/偏向コイルCLA1、CLA2、対物レンズOL
(又はミニレンズOM)、像シフトコイルISC1、I
SC2、結像レンズIL1、IL2、IL3、PL、投
影像シフトコイルPLA、蛍光スクリーン23、STE
M信号検出器24とでSTEMの検出系を構成してい
る。また、コンデンサレンズCL1、CL2、CM、対
物レンズOL(又はミニレンズOM)、像シフトコイル
ISC1、ISC2、結像レンズIL1、IL2、IL
3、PL、投影像シフトコイルPLA、蛍光スクリーン
25、光ファイバ26及びTVカメラ27とでTEMの
検出系を示している。
(scan control circuit)、29は偏向系を制御する偏
向系制御部(deflector control circuit)、30はレ
ンズ系の制御を行なうレンズ系制御部(lens control c
ircuit)である。なお、走査系制御部28においては、
走査/偏向コイルCLA1、CLA2に供給する電流の
X方向およびY方向の成分を調節することによって、S
EM/STEM像を任意に回転させることができるよう
になっている。なお、このとき、ある走査の方向を回転
角0°と定めておく。同様に、レンズ系制御部30にお
いては、結像レンズIL1、IL2、IL3、PLに供
給する電流の組合わせを変えることによって、TEM像
の倍率を一定に保ったままで、TEM像を任意に回転さ
せることができるようになっている。この場合も、上記
のSEM/STEM像の回転角0°と一致する方向をT
EM像の回転角0°と定めておく。
29からの信号を受けてこれら信号を加算し、前記走査
/偏向コイルCLA1、CLA2に与える加算回路であ
る。該加算回路31は、走査系制御部28から与えられ
る走査信号と、偏向系制御部29から与えられる光軸調
整用の信号を受けて、走査信号に光軸調整用信号を加算
して走査/偏向コイルCLA1、CLA2に与える。
トコイルISC1、ISC2及び投影像シフトコイルP
LAにも与えられており、電子線の偏向を制御してい
る。レンズ系制御部30はコンデンサレンズCL1、C
L2、CM、対物レンズOL(又はOM)及び結像系レ
ンズIL1、IL2、IL3、PLに制御信号を与えて
いる。
M信号検出器24の出力を受けて増幅する画像信号増幅
部(image signal amp.)である。40は装置全体の制
御を行なうコンピュータである。33は前記画像信号増
幅部32とコンピュータ40間に接続され、画像信号増
幅部32の出力(アナログ信号)をディジタル画像信号
に変換する画像信号インタフェース(ITF)、34は
TVカメラ27とコンピュータ40間に接続され、TV
カメラ27の出力信号をディジタル画像信号に変換する
キャプチャカードである。35はコンピュータ40と接
続され、各モード(SEM/STEMモード、TEMモ
ード)の画像情報を表示する表示手段としての表示部で
ある。該表示部35としては、例えばCRTが用いられ
る。36は、コンピュータ40に表示画像モードの指定
を行なう他、各種のコマンドを入力する操作部である。
該操作部36としては、例えばキーボードが用いられ
る。
制御部28とコンピュータ40間に接続されるスキャン
インタフェース(ITF)、42は偏向系制御部29と
コンピュータ40間に接続される偏向インタフェース
(ITF)、43はレンズ系制御部30とコンピュータ
40間に接続されるレンズインタフェース(ITF)で
ある。
EM像を合わせる時のSEM/STEM像の倍率と回転
角と、TEMの結像系レンズ(IL1、IL2、IL
3、PL)に流す電流値が記憶される第1の記憶手段と
してのメモリ(以下、メモリ1と略す)、45はTEM
像の回転角にSEM/STEM像を合わせる時のTEM
像の倍率と回転角と、SEM/STEMの走査/偏向コ
イル(CLA1、CLA2)に流す電流値が記憶される
第2の記憶手段としてのメモリ(以下、メモリ2と略
す)である。46は各表示モード(SEM/STEMモ
ード、TEMモード)における画像信号が記憶される画
像メモリである。このように構成された装置の動作を説
明すれば、以下の通りである。
してやると、コンピュータ40はSEM像/STEM像
表示動作を行なう。即ち、試料21上に照射される電子
線により発生した2次電子はSEM信号検出器22で検
出され電気信号に変換される。SEM信号検出器22の
出力は、画像信号増幅部32で増幅される。該画像信号
増幅部32は2次電子信号を画像信号インタフェース3
3へ与え、該画像信号インタフェース33は、2次電子
信号をディジタル画像信号に変換する。このディジタル
画像信号は、画像メモリ46に一旦記憶される。画像メ
モリ46に記憶された画像信号は、コンピュータ40に
より読み出されて、表示部35に表示される。
レンズIL1、IL2、IL3、PLを経て対物レンズ
OL(又はOM)により集束された後蛍光スクリーン2
3に照射される。蛍光スクリーン23は、蛍光物質で構
成されており、照射された電子線の強度に応じた光を発
光させる。この光は、STEM信号検出器(PMT:光
電子増倍管)24により電気信号に変換され、続く画像
信号増幅部32で増幅される。該画像信号増幅部32の
出力は画像信号インタフェース33に入り、ディジタル
画像信号に変換される。このディジタル画像信号は、画
像メモリ46に一旦記憶される。画像メモリ46に記憶
された画像信号はコンピュータ40により読み出され
て、表示部35に表示される。
像とSTEM像が同時に或いは個々に表示される。
コンピュータ40はTEM像表示動作を行なう。ただ
し、ここでは説明の都合上、像の倍率のみを優先して像
の回転は無視した動作であるものとする。従って、像の
倍率が決まると、その倍率を実現するに適した条件で各
結像系レンズIL1〜IL3、PLが制御されるが、そ
れに伴って像は回転することになる。そこで、像の倍率
に対する回転量を、例えば実験的に予め求めておく。
行で太い電子線が照射される。この場合には、走査/偏
向コイルCLA1、CLA2には走査信号は加算しな
い。試料21を透過した電子線は各結像系レンズIL1
〜IL3、PLを透過する毎に回転され、結像レンズP
Lを透過して蛍光スクリーン25上に像が投影される。
この光に変換された像は、光ファイバ26によりTVカ
メラ27に導かれる。TVカメラ27はTEM画像を撮
影する。TVカメラ27で撮影されたTEM画像信号
は、画像信号増幅部32で増幅された後、画像信号イン
タフェース33でディジタル画像信号に変換され、画像
メモリ46に記憶される。
TEM像表示モードへの切り替え 操作部36により、(1)で説明したSEM像/STE
M像表示モードからTEM像表示モードに切り替えたも
のとする。コンピュータ40は、切り替え指示を判読す
ると、SEM/STEM像と同じ倍率、同じ回転角でT
EM像が表示されるように、結像系レンズ(IL1、I
L2、IL3、PL)に流れる電流値を調整する。
メモリ1に記憶されているデータを読み出す。図2はメ
モリ1に記憶されているデータの内容を示す図である。
図において、×1000はSEM/STEM像の倍率
(実は、SEM/STEMモードでは倍率を変えても像
は回転しない。従って正しくはTEM像の倍率というべ
きであるが、ここではSEM/STEM像の倍率とTE
M像の倍率とを一致させることを前提としているので、
SEM/STEM像の倍率とした)、角度はSEM/S
TEM像の回転角、IL1、IL2、IL3、PLは結
像系の各レンズを示す。そして、指定された倍率、指定
された回転角で表示されるSEM/TEM像と同じ倍率
と同じ回転角のTEM像を得るために必要な結像系のレ
ンズに流れる電流値Kθiが記憶されている(θは回転
角度、iは結像系の各レンズの番号を示す)。ここで
は、角度は0°から359°まで1°間隔で設定されて
いるが、これに限るものではない。そして、このような
テーブルは、倍率毎に設けられている。このデータテー
ブルの電流値は、例えば実験的に予め求めておくことが
できる。
行で太い電子線が照射される。この場合には、走査/偏
向コイルCLA1、CLA2には走査信号は加算しな
い。試料21を透過した電子線は各結像系レンズIL1
〜IL3、PLを透過する毎に回転され、結像レンズP
Lを透過して蛍光スクリーン25上に像が投影される。
この光に変換された像は、光ファイバ26によりTVカ
メラ27に導かれる。TVカメラ27はTEM画像を撮
影する。TVカメラ27で撮影されたTEM画像信号
は、画像信号増幅部32で増幅された後、画像信号イン
タフェース33でディジタル画像信号に変換され、画像
メモリ46に記憶される。
°で走査されている場合、表示部35に表示されるSE
M/STEM像は回転のない像となる。ここで、TEM
の結像系レンズの電流値を任意に設定しておくと、電子
線は1つの結像レンズを透過する度に回転させられるの
で、表示部35に表示されるTEM像はSEM/STE
M像とは倍率と回転角が異なり、対比観察が困難とな
る。
000、回転角が0°の場合、コンピュータ40は、メ
モリ1に記憶されているそれぞれの結像系レンズに流す
べき電流値K01、K02、K03、K04を読み込
み、レンズインタフェース43を介してレンズ系制御部
30から結像系レンズに前記した電流値を流すように動
作する。この結果、表示部35に表示されるTEM像
は、SEM/STEM像と同じ倍率、同じ回転角(ここ
では0°)の画像として表示され、SEM/STEM像
との対比観察が可能となる。
調整法について説明する。図3(a)は回転角0°の時
の試料を示している。横軸はX、縦軸はYである。この
ような試料を回転角0°で走査すると、表示部35に表
示されるSEM像は、(a)に示すような像となる。こ
こで、試料の走査方向を(b)に示すようにX軸(水平
方向)に対してθだけ回転させて走査すると、この時、
表示部35に表示されるSEM像は、(c)に示すよう
なものとなる。
像からTEM像への切り替えを指示した場合、コンピュ
ータ40は表示されるTEM像がSEM/STEM像の
表示状態(c)と同じ倍率、同じ角度になるように、結
像系レンズに流す電流値を調整する。図2に示すテーブ
ルを参照すると、角度θだけ回転させて走査した時の結
像系レンズに流す電流値は、それぞれKθ1、Kθ2、
Kθ3、Kθ4である。コンピュータ40は、この電流
値が結像系レンズに流れるように、レンズ系制御部30
を制御する。
ようなものとなる。ここで、パターン「H」の明暗が図
3の(c)の場合と逆になっているのは、透過像の場
合、パターンの部分が電子線を通さないためである。
の切り替え 最初に装置が(2)TEM像表示モードで説明した像の
回転は無視したTEMモードに設定され、TEM像が表
示部35に表示されているものとする。ここで、操作部
36からSEM/STEM像への切り替えを指示する
と、コンピュータ40は切り替え指示を認識する。ここ
で、コンピュータ40は、TEM像からSEM/STE
M像に切り替えた時に、TEM像と倍率、回転角が同じ
になるように走査/偏向コイルCLA1、CLA2に流
す電流値を調整する。この目的のために、メモリ2を参
照する。
内容を示す図である。このテーブルは、TEM像の倍率
とその倍率における回転角で構成されている。
1000のとき、θ=θ1)で表示されている場合、コ
ンピュータ40はメモリ2のテーブルを参照して、同じ
倍率、同じ回転角でSEM/STEM像が表示されるた
めに必要な走査/偏向コイルCLA1、CLA2に流す
べき電流値Ix、IyをIxo、Iyo、θから計算す
る。Ixo、Iyoは、それぞれ回転補正を行なわない
時の各コイルの電流値であり、SEM/STEM像の倍
率によって決まる。
御部28を制御し、走査/偏向コイルCLA1、CLA
2にそれぞれ電流値Ix、Iyを加算して流すようにす
る。この結果、SEM/STEM像は、TEM像と同じ
倍率、同じ回転角で表示され、比較観察を容易に行なう
ことができる。なお、電流値Ixo、Iyoと回転角θ
との演算結果の上記電流値Ix、Iyをテーブルにし
て、メモリ2に追加して記憶してもよい。
る。TEM像と、STEM像と、SEM像がそれぞれ表
示されている。本発明によれば、SEM/STEMの画
像信号及びTEM画像信号を画像メモリ46に記憶させ
ておくことができるので、これらSEM/STEM像及
びTEM像を表示部35に同時に或いは個々に表示する
ことができる。ここで、TEM像/STEM像とSEM
像の画像が反転しているのは、SEM像が試料の表面か
ら発生する2次電子像を表示しているのに対し、STE
M/TEM像は試料の透過電子像を表示しているためで
ある。
図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示
す。図において、50はSEM/STEMモードにおけ
る電子線をx,y方向に偏向する偏向器、21は試料、
51は試料21を透過した電子線をm倍に拡大する電子
レンズ、52はTV用蛍光スクリーン上に結像されたT
EM像である。偏向器50は図1の偏向/走査コイルC
LA1、CLA2に対応し、電子レンズ51は図1の結
像系レンズIL1、IL2、IL3、PLに対応してい
る。試料21を透過した電子線は、電子レンズ51によ
りm倍に拡大され、TV用蛍光スクリーン上に結像さ
れ、図に示すようなTEM像が得られる。ここで、試料
21のx方向の長さをLx、y方向の長さをLy、電子
レンズ51によりTV蛍光スクリーン上に結像されたT
EM像の試料21からの回転角をθ、x方向の長さをL
dx、y方向の長さをLdy、倍率をm、x方向の視野
ずれddx、y方向の視野ずれddyとすると、Lx、
Lyはそれぞれ次式で表される。
nθ+ddx)/m Ly=(Ldy・cosθ−Ldx・sinθ+dd
y)/m 上述の実施の形態例では、SEM/STEM像とTEM
像を同一のしかもコンピュータ40の表示部35に表示
するようにしているが、複数の表示部に表示してもよい
し、コンピュータ40の表示部35上ではなく、SEM
/STEM像の専用表示部やTEM像専用の表示部に表
示してもよい。また、このように倍率と回転角を一致さ
せるモードと従来通り一致させないモードを切り換える
ことができるようにしてもよい。この場合の切り換えは
コンピュータ40に付属の操作部36から行なうことが
できる。
L1、IL2、IL3、PLの4段としたが、通常、3
段以上であれば、本発明の目的は達せられる。更に、対
物レンズOL、対物ミニレンズOMもTEM像を回転さ
せるが、これを考慮しない上記説明でも、本発明の目的
は達せられる。更に加えて、上記説明では、SEM/S
TEM像の倍率とTEM像の倍率とは同一の倍率である
ことを前提としているが、SEM/STEM像の倍率と
TEM像の倍率とが異なる倍率であって、回転角だけを
補正することも、上記説明から容易に可能である。
SEM/STEM像の回転角(像の方向)を合わせるこ
とができる。任意に回転させて表示されたSEM/ST
EM像にTEM像の方向を合わせることができ、かつ、
倍率に応じて回転するTEM像に対してSEM/STE
M像の回転角(像の方向)を合わせることができる。
れば、(1)倍率に応じて回転するTEM像に対してS
EM/STEM像の回転角(像の方向)を合わせること
ができるし、(2)任意に回転させて表示されたSEM
/STEM像にTEM像の方向を合わせることができ
る。このようにSEM/STEM像とTEM像の倍率と
回転角を一致させて表示部上に像を表示することによっ
て、視野の対応をよくすることができる。また、それぞ
れのモードの画像情報を記憶しているので、ユーザは表
示部上でそれぞれの像を比較観察することができる。ま
た、倍率と回転角が一致しているので、ユーザは視野探
しをすることなく、直感的に視野を確認することができ
る。
図である。
図である。
ある。
23 第1の蛍光スクリーン、24 STEM信号検出
器、25 第2の蛍光スクリーン、26 光フアイバ、
27 TVカメラ、28 走査系制御部、29 偏向系
制御部、30 レンズ系制御部、31 加算回路、32
画像信号増幅部、33 画像信号インタフェース(I
TF)、34 キャプチャカード、35 表示部、36
操作部、40 コンピュータ、41 スキャンインタ
フェース、42 偏向インタフェース、43 レンズイ
ンタフェース、44 メモリ1、45 メモリ2、46
画像メモリ、CL1、CL2、CM コンデンサレン
ズ、CLA1、CLA2 走査/偏向コイル、OL 対
物レンズ、OM 対物ミニレンズ、ISC1、ISC2
像シフトコイル、IL1、IL2、IL3、PL 結
像系レンズ、PLA 投影像シフトコイル
Claims (6)
- 【請求項1】 走査型電子顕微鏡(SEM)モード/走
査透過型電子顕微鏡(STEM)モード及び透過型電子
顕微鏡(TEM)モードとを備え、SEM/STEM像
とTEM像を観察することができる複合電子顕微鏡であ
って、 走査型電子顕微鏡(SEM)モード/走査透過型電子顕
微鏡(STEM)モードのための走査手段と、 TEM像の倍率とその倍率における像の回転角とが記憶
された記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されているデータに基づいて走査型
電子顕微鏡(SEM)モード/走査透過型電子顕微鏡
(STEM)モードにおけるSEM/STEM像をTE
M像の回転角に合わせるための補正を行なうコンピュー
タと、 該コンピュータにより補正された画像を表示する表示手
段とを具備して構成される複合電子顕微鏡。 - 【請求項2】 前記補正は、前記コンピュータが前記記
憶手段に記憶された回転角に基づいて所定の演算を施
し、その結果で前記走査手段を制御するようになしたこ
とを特徴とする請求項1記載の複合電子顕微鏡。 - 【請求項3】 前記記憶手段には、前記TEM像の回転
角に基づいてSEM/STEM像に対する補正すべき値
を演算した結果をあらかじめ記憶しておき、それに基づ
いて前記走査手段を制御するようになしたことを特徴と
する請求項1記載の複合電子顕微鏡。 - 【請求項4】 走査型電子顕微鏡(SEM)モード/走
査透過型電子顕微鏡(STEM)モード及び透過型電子
顕微鏡(TEM)モードとを備え、SEM/STEM像
とTEM像を観察することができる複合電子顕微鏡であ
って、 走査型電子顕微鏡(SEM)モード/走査透過型電子顕
微鏡(STEM)モードのための走査手段と、 透過型電子顕微鏡(TEM)モードのための結像系の複
数のレンズと、 SEM/STEM像の回転角にTEM像の回転角を合わ
せるための、SEM/STEM像の回転角に対するTE
M像の倍率とTEMの結像系の各レンズに流す電流値が
記憶された第1の記憶手段と、 TEM像の回転角にSEM/STEM像の回転角を合わ
せるための、TEM像の倍率に対する像の回転角が記憶
された第2の記憶手段と、 前記第1又は第2の記憶手段に記憶されているデータに
基づいて表示モードに応じた回転角の補正を行なうコン
ピュータと、 該コンピュータにより補正された画像を表示する表示手
段とを具備して構成される複合電子顕微鏡。 - 【請求項5】 前記補正は、前記コンピュータが前記第
1の記憶手段に記憶された回転角に対するTEM像の倍
率とTEMの結像系の各レンズに流す電流値に基づいて
前記結像系の複数のレンズを制御する、あるいは、 前記コンピュータが前記第2の記憶手段に記憶された回
転角に基づいて所定の演算を施し、その結果で前記走査
手段を制御するようになしたことを特徴とする請求項4
記載の複合電子顕微鏡。 - 【請求項6】 前記第2の記憶手段には、前記TEM像
の回転角に基づいてSEM/STEM像に対する補正す
べき値を演算した結果をあらかじめ記憶しておき、それ
に基づいて前記走査手段を制御するようになしたことを
特徴とする請求項4記載の複合電子顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002063728A JP2002343294A (ja) | 2001-03-12 | 2002-03-08 | 複合電子顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP2001068334 | 2001-03-12 | ||
JP2001-68334 | 2001-03-12 | ||
JP2002063728A JP2002343294A (ja) | 2001-03-12 | 2002-03-08 | 複合電子顕微鏡 |
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---|---|
JP2002343294A true JP2002343294A (ja) | 2002-11-29 |
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ID=26611039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002063728A Pending JP2002343294A (ja) | 2001-03-12 | 2002-03-08 | 複合電子顕微鏡 |
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Country | Link |
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-
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- 2002-03-08 JP JP2002063728A patent/JP2002343294A/ja active Pending
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JP4726048B2 (ja) * | 2005-05-27 | 2011-07-20 | 株式会社日立製作所 | 位相回復方式の電子顕微鏡による観察方法 |
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