JP2002338439A - テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤及び養毛剤 - Google Patents

テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤及び養毛剤

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JP2002338439A
JP2002338439A JP2001142460A JP2001142460A JP2002338439A JP 2002338439 A JP2002338439 A JP 2002338439A JP 2001142460 A JP2001142460 A JP 2001142460A JP 2001142460 A JP2001142460 A JP 2001142460A JP 2002338439 A JP2002338439 A JP 2002338439A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用
を有する植物抽出物を見いだし、それを利用したテスト
ステロン5α−リダクターゼ阻害剤、養毛剤及び頭部化
粧料を提供する。 【解決手段】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害
剤、養毛剤及び頭部化粧料にグアバ(Psidium guajava
L.)の葉部からの抽出物を含有せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テストステロン5
α−リダクターゼ阻害剤、養毛剤(育毛剤)及び頭部化
粧料に関する。具体的には、テストステロン5α−リダ
クターゼ阻害作用を有する植物抽出物を含有する新規な
テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤、養毛剤(育
毛剤)及び頭部化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】多くのステロイドホルモンは産生臓器か
ら分泌された分子型で受容体と結合してその作用を発現
するが、アンドロゲンと総称される男性ホルモンの場
合、たとえばテストステロンは標的臓器の細胞内に入っ
てテストステロン5α−リダクターゼにより5α−ジヒ
ドロテストステロン(5α−DHT)に還元されてから
受容体と結合し、アンドロゲンとしての作用を発現す
る。
【0003】アンドロゲンは重要なホルモンであるが、
それが過度に作用すると、男性型脱毛症、多毛症、脂漏
症、座瘡、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟等、
さまざまな好ましくない症状を誘発する。そこで、従来
から、これらの各種症状を改善するために過剰のアンド
ロゲンの作用を抑制する方法、具体的には、テストステ
ロンを活性型5α−DHTに還元するテストステロン5
α−リダクターゼの作用を阻害することにより活性な5
α−DHTを生じるのを抑制する方法と、テストステロ
ンから生じた5α−DHTが受容体と結合するのを阻害
することによりアンドロゲン活性を発現させない方法と
が検討され、その結果、シプロテロンアセテート、オキ
センドロン、酢酸クロルマジノン等の有効性が確認され
た。
【0004】しかしながら、これらはステロイドホルモ
ン誘導体であるため、ホルモン様作用等の好ましくない
副作用を有するという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、テ
ストステロン5α−リダクターゼ阻害作用を有する植物
抽出物を見いだし、それを利用したテストステロン5α
−リダクターゼ阻害剤、養毛剤及び頭部化粧料を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明により提供されるテストステロン5α−リダ
クターゼ阻害剤は、グアバ(Psidium guajava L.)の葉
部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴と
し、本発明により提供される養毛剤及び頭部化粧料は、
グアバ(Psidium guajava L.)の葉部からの抽出物を含
有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、「グアバの葉部からの抽出物」
には、抽出処理によってグアバの葉部から得られる抽出
液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液を乾燥
して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精
製物のいずれもが含まれる。
【0008】抽出処理の際に抽出原料として使用するも
のは、グアバ(学名:Psidium guajava L.)の葉部であ
る。葉部には、完全葉の他、葉の一部(例えば葉身、葉
柄、托葉など)が含まれる。また、抽出原料には、グア
バの葉部が含まれる限り、グアバのその他の植物体構成
部分(例えば茎部)が含まれていてもよい。
【0009】グアバは、フトモモ科に属する植物で、ア
レルギー疾患に使用されたり、お茶として飲料にされた
りしているが、テストステロン5α−リダクターゼ阻害
作用を有することはこれまで知られていなかった。グア
バはバンジロウとも呼ばれ、熱帯・亜熱帯地方などで広
く栽培されているので、これらの地域から容易に入手が
可能である。
【0010】抽出原料として使用するグアバの葉部は、
採取後ただちに乾燥し、中切又は細切したもの、あるい
は粉砕したものが適当である。乾燥は天日で行ってもよ
いし、通常使用される乾燥器を用いて行ってもよい。グ
アバの葉部は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によ
って脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用し
てもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、グアバの
葉部の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことがで
きる。
【0011】抽出処理の際には、抽出溶媒として極性溶
媒を使用するのが好ましい。グアバの葉部に含まれるテ
ストステロン5α−リダクターゼ阻害作用を示す成分
は、極性溶媒を抽出溶媒とする抽出処理によって容易に
抽出することができる。
【0012】好適な抽出溶媒の具体例としては、例え
ば、水、親水性有機溶媒又はこれらの混合物等が挙げら
れる。親水性有機溶媒の具体例としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール
等の低級脂肪族アルコール又は含水の低級脂肪族アルコ
ール;アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレン
グリコール、グリセリン、プロピレングリコール、イソ
プレングリコール等の極性溶媒;クロロホルム、酢酸エ
チル等の中間極性溶媒等が挙げられる。これらの抽出溶
媒は取り扱いが容易であり、抽出作業を比較的容易に行
なうことができる。
【0013】抽出溶媒として使用し得る水には、純水、
水道水、井戸水等の他、これらに各種処理を施したもの
が含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加
熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩
衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒と
して使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、
生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0014】2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒と
して使用する場合、その混合比は適宜調整することがで
きる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を
使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合
比を2:8〜8:2(重量比)とすることができる。
【0015】抽出処理は、グアバの葉部に含まれる可溶
性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定されず、
常法に従って行うことができる。抽出処理の際には、特
殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温ないし還流加
熱下において任意の装置を使用することができる。
【0016】例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出
原料を投入し、ときどき攪拌しながら可溶性成分を溶出
させる。この際、抽出条件は抽出原料等に応じて適宜調
整し得るが、抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍
量(重量比)であり、抽出時間は通常1〜4時間であ
り、抽出温度は通常、常温〜95℃である。
【0017】抽出処理により可溶性成分を溶出させた
後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得
ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液
若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精
製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、
濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。例えば、抽
出液を遠心分離などにより固液分離して目的となる抽出
物を得ることができる。
【0018】得られた抽出液はそのままでもテストステ
ロン5α−リダクターゼ阻害剤として使用することがで
きるが、活性が低い場合もあるため、濃縮液またはその
乾燥物としたものの方が利用しやすい。例えば、適当に
濃縮したエキス状物や、スプレードライ等の方法を用い
てさらに乾固させた乾燥エキスとして使用することがで
きる。抽出液の乾燥物を得るにあたっては、吸湿性を改
善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキ
ャリアーを添加してもよい。
【0019】また、グアバの葉部は特有の匂いと味を有
しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱
色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能である
が、化粧料等に添加する場合には大量に使用するもので
はないから、未精製のままでも実用上支障はない。精製
は、具体的には活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換
樹脂処理等によって行うことができる。
【0020】以上のようにして得られるグアバの葉部か
らの抽出物は、テストステロン5α−リダクターゼ阻害
作用を有する。
【0021】グアバの葉部からの抽出物は、そのままで
もテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤として使用
することができるが、常法に従って製剤化して使用する
こともできる。製剤化する場合、保存や取り扱いを容易
にするために、デキストリン、シクロデキストリン等の
薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤を添
加することができる。グアバの葉部からの抽出物は、製
剤化により錠剤、カプセル剤、散剤、液剤等、任意の剤
形とすることができ、外皮用剤、内服液剤、内服固形剤
注射剤、座剤等として使用することができる。また、グ
アバの葉部からの抽出物は、任意の皮膚外用剤、化粧
料、医薬部外品、医薬品等の構成成分として広く利用す
ることができ、特に養毛剤(育毛剤)や頭部化粧料の配
合成分として好適なものである。
【0022】本発明のテストステロン5α−リダクター
ゼ阻害剤は、テストステロンを活性型5α−ジヒドロテ
ストステロン(活性型5α−DHT)に還元するテスト
ステロン5α−リダクターゼの作用を阻害することがで
きる。したがって、本発明のテストステロン5α−リダ
クターゼ阻害剤は、テストステロン5α−リダクターゼ
の活性過多や分泌過多に起因する各種疾患、例えば、男
性型脱毛症、多毛症、脂漏症、座瘡、前立腺肥大症等の
予防・治療に有用である。
【0023】〔養毛剤・頭部化粧料〕グアバの葉部から
の抽出物は、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作
用を有しており、頭皮におけるふけ・かゆみや、男性型
脱毛症などの疾患を予防及び/又は改善することができ
るとともに、頭髪や頭皮に適用した場合の使用感と安全
性に優れているため、養毛剤又は頭部化粧料に配合する
のに好適である。なお、頭部化粧料には、頭髪又は頭皮
のいずれに適用するものも含まれる。また、養毛剤に
は、養毛を目的として頭髪又は頭皮のいずれに適用され
るものも含まれる。
【0024】養毛剤又は頭部化粧料には、グアバの葉部
からの抽出物をそのまま配合してもよいし、製剤化した
テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤を配合しても
よい。なお、グアバの葉部はお茶として飲料にされてお
り、その安全性は確認されているものであって、グアバ
の葉部からの抽出物を用いた医薬品や化粧品等において
も、副作用なく使用できるものである。
【0025】グアバの葉部からの抽出物を配合し得る養
毛剤又は頭部化粧は特に限定されないが、その具体例と
しては、乳液、クリーム、ローション等の剤型のもの、
例えば、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアローショ
ン、ヘアクリーム、ヘアリンス、ヘアシャンプー、ヘア
セットローション、ヘアスプレー、ヘアパック等が挙げ
られる。
【0026】養毛剤又は頭部化粧料中におけるグアバの
葉部からの抽出物の配合量は、抽出物の生理活性等によ
って適宜調整することができるが、通常0.001〜1
0重量%、好ましくは0.01〜2重量%である。
【0027】本発明の養毛剤又は頭部化粧料には、テス
トステロン5α−リダクターゼ阻害作用の妨げにならな
い限り、養毛剤又は頭部化粧料の製造に通常使用される
各種主剤及び助剤、その他任意の助剤を配合することが
でき、グアバの葉部からの抽出物のみが主剤となるもの
に限られるわけではない。
【0028】本発明の養毛剤又は頭部化粧料において、
グアバの葉部からの抽出物と共に構成成分として利用可
能なものとしては、用途に応じた任意の生理活性物質、
界面活性剤、油脂、香料、色素、防腐剤、増粘剤、保湿
剤、抗酸化剤等が挙げられ、これらを配合することによ
り使用を容易にしかつ使用効果の向上を図ることができ
る。
【0029】本発明の養毛剤又は頭部化粧料において、
グアバの葉部からの抽出物と併用することによって効果
が期待できるものの具体例としては、以下のものが挙げ
られる。
【0030】殺菌・抗菌剤:安息香酸、安息香酸ナトリ
ウム、パラオキシ安息香酸ナトリウム、塩化ベンゼトニ
ウム、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノー
ル、感光素101号、感光素201号、サリチル酸、サ
リチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ハロカルバン、レゾ
ルシン、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキ
チオール、キトサン、キトサン分解物、ワレモコウエキ
ス、クジンエキス、エンメイソウエキス、ウワウルシエ
キス、ホップエキス、ユッカエキス、ケイヒエキス等。
【0031】保湿剤:セリン、グリシン、スレオニン、
アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ビトロネ
クチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ロ
ーヤルゼリー、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、ス
フィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸又は
そのエステル類、エイコサペンタエン酸又はそのエステ
ル類、ペクチン、酵母抽出物、小麦胚芽油、アボガド
油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ-オリザノ
ール、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキ
ス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキ
ス、セイヨウトチノキエキス、マンネンロウエキス、ア
ルテアエキス、小麦フスマ、コメヌカ等。
【0032】細胞賦活剤:リボフラビン又はその誘導
体、ピリドキシン又はその誘導体、ニコチン酸又はその
誘導体、パントテン酸又はその誘導体、α−トコフェロ
ール又はその誘導体、アルニカエキス、ニンジンエキ
ス、オタネニンジンエキス、エゾウコギエキス、ヘチマ
エキス、ベニバナエキス、ビワ葉エキス、ユキノシタエ
キス、サルビアエキス、ニンニクエキス、マンネンロウ
エキス等。
【0033】消炎・抗アレルギー剤:アズレン、アラン
トイン、アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾ
チーム、イプシロンアミノカプロン酸、オキシベンゾ
ン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン
酸又はその誘導体、感光素301号、感光素401号、塩酸ジ
フェンヒドラミン、トラネキサム酸又はその誘導体、コ
ルチゾン、アルニカエキス、インチンコウエキス、サン
シシエキス、ジュウヤクエキス、トウキエキス、ヨモギ
エキス、ワレモコウエキス、リンドウエキス、サイコエ
キス、センキュウエキス、ボウフウエキス、セイヨウノ
コギリソウエキス、シソエキス等。
【0034】抗酸化・活性酸素消去剤:ジブチルヒドロ
キシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸
プロピル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサ
イドディスムターゼ、カタラーゼ、ローズマリーエキ
ス、メリッサエキス、オウゴンエキス、エイジツエキ
ス、ホップエキス、ハマメリスエキス、シャクヤクエキ
ス、セージエキス、キナエキス、カミツレエキス、ユー
カリエキス、イチョウ葉エキス、タイムエキス、カルダ
モンエキス、キャラウェイエキス、ナツメグエキス、ロ
ーレルエキス、クローブエキス、ターメリックエキス
等。
【0035】
【実施例】以下、本発明に係る実施例を示し、本発明に
ついて更に詳細に説明する。
【0036】〔製造例1〕グアバ(学名:Psidium guaj
ava L.)の葉部300gを、水、50%エタノール、エタノー
ル各3000mlに投入し、95℃で1時間還流抽出を行った。
得られた抽出液を蒸発乾固し、その抽出物を用いて以下
の試験を行った。3種類の抽出溶媒を用いて上記抽出処
理を行ったところ、抽出物の収率は表1のとおりであっ
た。なお、抽出溶媒が混合物の場合、以下に示す混合比
は重量基準によるものである。
【0037】 [表1]試 料 抽 出 溶 媒 抽出物収率(重量%) 1 水 15.8 2 エタノール/水(1/1) 16.4 3 エタノール 13.4
【0038】〔試験例1〕テストステロン5α−リダク
ターゼ阻害作用の試験 テストステロン(東京化成(株)製)4.2mgをプロピレ
ングリコール1mLに溶解し、その20μLに、1mg/mLのNADP
H含有5mmol/L トリス塩酸緩衝液(pH 7.2)825μLを加
えて混合した。さらに、各試料溶液(溶媒:水、エタノ
ールもしくはその混合液)80μL及びS-9(ラット肝臓ホ
モジネート:オリエンタル酵母(株)製)75μLを加え
て混合し、37℃で35分間インキュベーションした。その
後、塩化メチレン1mLを加えて反応を停止させ、激しく
振とうした。その後、3000rpmで10分間遠心分離し、塩
化メチレン層を分取して、反応生成物であるジヒドロキ
シテストステロン、アンドロスタンジオール等の反応生
成物をガスクロマトグラフィーにより定量した。別にコ
ントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶媒を同量
(80μL)用いた場合についても同様に処理して、反応
生成物を定量した。次式により酵素反応後に有機層に抽
出された各化合物の濃度(ppm:μg/mL)を計算した。
【0039】
【式1】濃度=ピーク面積×検量線作成時の濃度/検量
線作成時のピーク面積
【0040】次に、テストステロン−5α−リダクター
ゼによる変換率を求めた。テストステロン(3)は反応の
基質であり、5α-androstane-3α(1), 17β-diolおよび
Stanolone(2)は反応の生成物となる。反応時の各化合物
の分解をみこして、反応は生成物量と残存する基質量を
合わせたものを反応開始時の基質量として、次式よりテ
ストステロン−5α−リダクターゼによる変換率を求め
た。
【0041】
【式2】変換率=有機層中の(1)+(2)の総量/有機層中の
(1)+(2)+(3)の総量×100
【0042】また、次式により酵素反応の阻害率(%)
を算出した。
【0043】
【式3】阻害率={1−(試料添加時の変換率)/(溶媒
添加時の変換率)}×100
【0044】試料濃度を段階的に減少させて上記阻害率
の測定を行い、テストステロン5α−リダクターゼの活
性を50%阻害する試料濃度(ppm:μg/mL)を内挿法に
より求めた。
【0045】 [表2]試 料 抽 出 溶 媒 50%阻害濃度(ppm) 1 水 187 2 エタノール/水(1/1) 160 3 エタノール 190
【0046】表2に示される結果より、グアバの葉部か
らの抽出物がテストステロン5α−リダクターゼ活性を
阻害する作用を有することが確認された。また、グアバ
の葉部からの抽出物のテストステロン5α−リダクター
ゼ活性阻害作用の強さは、グアバの葉部からの抽出物の
濃度に依存して変化するので、その濃度を調節すること
によりテストステロン5α−リダクターゼ活性を阻害す
る作用の強さを調節できることが確認された。
【0047】〔配合例1〕ヘアトニックの製造 下記成分分量に基づき、ヘアトニック製造の常法により
処理して、養毛剤・頭部化粧料としてヘアトニックを製
造した。
【0048】 グアバ葉部エタノール抽出物(製造例1) 3.0(重量部) エタノール 60.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5 グリセリン 3.0 メントール 0.2 香料 0.01 パラベン 0.01 精製水 残部(全量を100重量部とする)
【0049】〔配合例2〕ヘアクリームの製造 下記成分分量に基づき、ヘアクリーム製造の常法により
処理して、養毛剤・頭部化粧料としてヘアクリームを製
造した。
【0050】 グアバ葉部50%エタノール抽出物(製造例1) 5.0(重量部) 流動パラフィン 20.0 固形パラフィン 3.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0 ソルビタンセスキオレート 1.0 カルボキシビニルポリマー 0.1 エタノール 10.0 水酸化カリウム 0.1 グリセリン 3.0 香料 0.01 パラベン 0.01 精製水 残量(全量を100重量部とする)
【0051】〔配合例3〕シャンプーの製造 下記成分分量に基づき、シャンプー製造の常法により処
理して、頭部化粧料としてシャンプーを製造した。
【0052】 グアバ葉部50%エタノール抽出物(製造例1) 3.0(重量部) ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 2.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0 グリセリン 2.0 エタノール 2.0 香料 0.01 パラベン 0.01 精製水 残量(全量を100重量部とする)
【0053】〔配合例4〕リンスの製造 下記成分分量に基づき、リンス製造の常法により処理し
て、頭部化粧料としてリンスを製造した。
【0054】 グアバ葉部水抽出物(製造例1) 2.0(重量部) セチルアルコール 2.0 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 2.0 モノステアリン酸グリセリン 2.0 シリコーン油 0.2 スクワラン 1.0 香料 0.01 パラベン 0.01 精製水 残量(全量を100重量部とする)
【0055】
【発明の効果】本発明により、新規なテストステロン5
α−リダクターゼ阻害剤、養毛剤及び頭部化粧用が提供
される。これらテストステロン5α−リダクターゼ阻害
剤、養毛剤及び頭部化粧用は、テストステロン5α−リ
ダクターゼ阻害作用を通じて、テストステロン5α−リ
ダクターゼの活性過多や分泌過多に起因する各種疾患の
予防・治療に大きく貢献できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AB032 AC012 AC022 AC072 AC10 AC122 AC422 AC432 AC482 AC642 AC692 AC782 AD152 AD532 CC37 CC38 CC39 DD23 DD31 EE22 FF01 4C088 AB57 AC05 BA10 CA06 MA63 NA14 ZA92 ZC20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グアバ(Psidium guajava L.)の葉部か
    らの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする
    テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 前記抽出物が、極性溶媒を抽出溶媒とし
    て用いて得られる抽出物であることを特徴とする請求項
    1記載のテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 グアバ(Psidium guajava L.)の葉部か
    らの抽出物を含有することを特徴とする養毛剤。
  4. 【請求項4】 前記抽出物が、極性溶媒を抽出溶媒とし
    て用いて得られる抽出物であることを特徴とする請求項
    3記載の養毛剤。
  5. 【請求項5】 グアバ(Psidium guajava L.)の葉部か
    らの抽出物を含有することを特徴とする頭部化粧料。
  6. 【請求項6】 前記抽出物が、極性溶媒を抽出溶媒とし
    て用いて得られる抽出物であることを特徴とする請求項
    5記載の頭部化粧料。
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