JP2002336954A - シリンダライナの鋳包み成形方法 - Google Patents
シリンダライナの鋳包み成形方法Info
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Abstract
ルミニウム基複合材ビレットを製造する工程と、アルミ
ニウム基複合材ビレットを筒に成形すると同時に、筒の
外面にリブを成形する押出し工程と、リブを先端側から
圧縮してリブの根元にアンダカット形状を成形する引抜
き工程と、引抜き材を切断してシリンダライナを形成す
る切断工程と、シリンダライナをシリンダブロックの鋳
型内にセットして注湯する鋳造工程とからなる。 【効果】 引抜き工程では、リブを先端側から圧縮して
根元にアンダカット形状を成形すので、根元の隅に応力
が集中せず、根元の割れを防止することができる。リブ
を圧縮すので、リブは低くなり、その分だけシリンダラ
イナ同士を接近させることができ、シリンダブロックは
小型化になる。
Description
包み成形方法に関する。
んだものとしては、例えば、次図のようなシリンダブロ
ックがある。次図でシリンダライナの鋳包み成形方法に
ついて説明する。図20は従来のシリンダライナの鋳包
み成形方法の説明図である。まず、シリンダライナ10
1を形成し、その次にシリンダライナ101・・・(・・・は
複数を示す。以下同様。)を各々シリンダピッチPだけ
離して図に示していない鋳型内にセットし、そして鋳型
にダイカスト機で溶融金属を充填することで、シリンダ
ライナ101・・・をシリンダ部102に鋳包んだシリン
ダブロック103を得ることができる。このようにシリ
ンダライナ101を鋳包むことで、シリンダの耐摩耗性
の向上を図ることができる。
ック103のシリンダピッチをPに設定してシリンダラ
イナ101を鋳包むと、シリンダライナ101と隣のシ
リンダライナ101との間の鋳物肉厚はT2となり、薄
く、シリンダライナ101間の強度を確保し難かった。
この場合、シリンダライナの外面の凸部を踏襲しなが
ら、アンカ効果を向上させるとともに、鋳物肉厚を確保
し、且つシリンダブロックを小型化できるものが求めら
れていた。
の外周部のアンカ効果を向上させることができ、シリン
ダブロックの小型化を図ることができるシリンダライナ
の鋳包み成形方法を提供することにある。
に請求項1は、酸化物系セラミックスからなる多孔質成
形体とともに、アルミニウム合金及び、マグネシウム又
はマグネシウム発生源を炉内に納め、窒化マグネシウム
の作用で酸化物系セラミックスを還元し、酸化物系セラ
ミックスの多孔質にアルミニウム合金の溶湯を浸透させ
てアルミニウム基複合材ビレットを製造する工程と、ア
ルミニウム基複合材ビレットを押出しプレスで筒に成形
すると同時に、この筒の外面にリブを成形する押出し工
程と、押出し後の押出し材を引抜き装置で仕上げるとと
もに、リブを先端側から圧縮してリブの根元にアンダカ
ット形状を成形する引抜き工程と、引抜き後の引抜き材
を所定長さに切断加工してアルミニウム基複合材のシリ
ンダライナを形成する切断工程と、シリンダライナをシ
リンダブロックの鋳型内にセットして注湯する鋳造工程
と、からなることを特徴とする。
時に、筒の外面にリブを成形することで、リブを第1段
階の形状に成形する。引抜き工程では、押出し材のリブ
を先端側から圧縮してリブの根元にアンダカット形状を
成形すので、根元の略90°の隅に応力が集中せず、根
元から亀裂が入る虞れがない。また、押出し材のリブを
先端側から圧縮してリブの根元にアンダカット形状を成
形すので、シリンダライナのアンカ効果は向上する。さ
らに、リブは低くなり、その分だけシリンダライナ同士
を接近させることができ、シリンダブロックは小型にな
る。
をS1、引抜き工程後のリブの断面積をS2としたとき
に、(S1−S2)/S1を百分率表示で5〜12%に
設定することを特徴とする。5%未満では、引抜き後の
内径が大きくなり過ぎる場合もあれば、逆に小さくなり
過ぎる傾向もあり、引抜き後の内径のばらつきは大き
い。12%を超えると、引抜き工程後のリブの根元に割
れが発生しやすくなる。その結果、引抜き後の内径精度
の観点から下限を5%とし、引抜き工程後のリブの根元
の割れ対策の観点から上限を12%とする。
Lh、リブの先端部の幅をLwとしたときに、Lh<L
wに設定することを特徴とする。リブの高さLhを、L
h<Lwに設定するので、リブの高さは小さく、その分
だけシリンダライナ同士をより接近させることができ、
シリンダブロックはより小型化になる。
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るシリンダライナの鋳包
み成形方法のフローチャートであり、STはステップを
示す。 ST01:酸化物系セラミックス成形体にアルミニウム
合金を浸透させてアルミニウム基複合材ビレットを製造
する。 ST02:ビレットを押出し、筒の外面にリブを成形し
た押出し材を造る。 ST03:押出し材を引抜きつつ、リブを圧縮してアン
ダカット形状を成形した引抜き材を造る。 ST04:引抜き材を切断してシリンダライナを形成す
る。 ST05:シリンダライナをシリンダブロックの鋳型内
にセットして注湯する。 次に、ST01〜ST05を具体的に説明する。
の製造装置の概要構造図であり、アルミニウム基複合材
製造装置10は、雰囲気炉11と、この雰囲気炉11に
付属した加熱装置12と、雰囲気炉11に不活性ガスを
供給するガス供給装置13と、雰囲気炉11内を減圧す
る真空ポンプ14とからなる。15及び16は坩堝(る
つぼ)である。詳しくは、加熱装置12は、例えば、制
御装置21と、温度センサ22と、加熱コイル23とか
らなり、ガス供給装置13は、アルゴンガス(Ar)2
4のボンベ25と、窒素ガス(N2)26のボンベ27
と、これらのボンベ25,27のガスを雰囲気炉11へ
供給する管28と、この管28に設けた圧力ゲージ29
とからなる。
ころの多孔質アルミナ(Al2O3)31及びアルミニウ
ム合金41を入れる容器であり、坩堝16はマグネシウ
ム(Mg)42を入れる容器である。アルミニウム合金
41は、例えばA6061である。マグネシウム(M
g)42はマグネシウム合金でもよい。
ニウム基複合材ビレットの製造要領図であり、(a)〜
(c)は浸透までの過程を模式的に示す。 (a):まず、酸化物系セラミックスであるアルミナ
(Al2O3)31とともに、アルミニウム合金41及び
マグネシウム(Mg)42を炉内に納める。具体的に
は、坩堝15にアルミナ31を入れ、アルミナ31にア
ルミニウム合金41を載せ、坩堝16にマグネシウム4
2を入れる。
めに雰囲気炉11内を真空引きし、一定の真空度に達し
たら、真空ポンプ14を止め、雰囲気炉11にアルゴン
ガス(Ar)24を矢印の如く供給し、加熱コイル2
3で矢印の如く多孔質アルミナ31、アルミニウム合
金41及びマグネシウム42の加熱を開始する。
検出しつつ昇温(自動)する。所定温度(例えば、約7
50℃〜約900℃)に達する過程で、アルミニウム合
金41は溶解する。同時に、マグネシウム(Mg)42
は矢印の如く蒸発する。その際、雰囲気炉11内はア
ルゴンガス(Ar)24の雰囲気下にあるので、アルミ
ニウム合金41及びマグネシウム(Mg)42が酸化す
ることはない。
窒化マグネシウム44の作用でアルミナ(Al2O3)3
1を還元し、アルミナ31の多孔質にアルミニウム合金
41の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材ビレット
45を製造する。具体的には、雰囲気炉11に窒素ガス
(N2)26を矢印の如く供給しつつ加圧(例えば、
大気圧+約0.5kg/cm2)し、雰囲気炉11内の
雰囲気を窒素ガス(N2)26に置換する。
雰囲気になると、窒素ガス26は、マグネシウム(M
g)42と反応して窒化マグネシウム(Mg3N2)44
を生成する。この窒化マグネシウム44はアルミナ(A
l2O3)31を還元するので、アルミナ31は濡れ性が
よくなる。その結果、アルミナ31の多孔質にアルミニ
ウム合金41の溶湯が浸透する。アルミニウム合金41
が凝固してアルミニウム基複合材ビレット45が完成す
る。浸透過程において、雰囲気炉11内を加圧雰囲気下
にすると、浸透が速くなり、短時間でアルミニウム基複
合材ビレット45を製造することができる。なお、雰囲
気炉11内を真空ポンプ14で減圧し、減圧窒素雰囲気
下でも短時間で浸透させることができる。
5(以下「ビレット45」と略記する。)は、酸化物系
セラミックスであるアルミナ31にアルミニウム合金4
1が浸透したもので、成形性に優れ、塑性変形がしやす
い複合材料である。 (d):最後に、ビレット45をNC(数値制御)旋盤
46で所定寸法に切削加工する。寸法は下流工程の押出
しプレスに合せる。
の説明図である。その次に、ビレット45を均質化処理
する。この均質化処理は、ビレット45を第1加熱炉5
1に入れ、第1熱源52によって高温で長時間の加熱を
行なうもので、例えば、加熱温度は510℃〜530
℃、保持時間は7〜9時間に設定する。この工程によ
り、アルミニウム基複合材中に生じた粗大な金属間化合
物など成分的に不均一な部分を均質化して、加工性や機
械的性質を改良することができる。
図である。続いて、ビレット45を焼鈍処理する。この
焼鈍は、ビレット45を第2加熱炉53に入れ、第2熱
源54で所望の温度、時間だけ加熱を行なう。その際の
目安は、加熱温度を300℃以上、保持時間を1時間以
上に設定する。この工程により、予めビレット45の加
熱を効率的に行なうことができるとともに、押出しの加
工性の向上を図ることができる。
図である。次いで、加熱したビレット45を押出す。ビ
レット45を予め加熱した押出しプレス55のコンテナ
56に挿入し、ラム57で押出すことにより、ダイス5
8とマンドレル59の間を通して、押出し材61に成形
する。
る。押出しプレス55で押出した押出し材61は、筒6
2と、この筒62の外面に成形した複数のリブ63・・・
とからなり、長尺なものである。
63は、筒62の外面からピッチ角度θで放射状に一体
成形したもので、リブ63の高さをH、厚さをtに設定
し、リブ63の断面積をS1とした。64はリブ63の
根元部、65はリブ63の先端部である。D1は押出し
後の筒62の内径を示す。
の説明図であり、一例を示す。引き続いて、押出し材6
1を溶体化処理する。この溶体化処理は、押出してから
連続的に押出し材61を横型加熱炉66に入れ、所望の
温度、時間だけ加熱し、その後急冷する処理であり、例
えば、加熱温度は510℃〜530℃で、保持時間は2
時間程度で溶体化処理し、その直後に、水槽67の水に
入れて急冷する。なお、横型加熱炉66や水槽67など
の設備は一例であり、設備は縦型でもよく、また、水を
一定温度に設定しもよく、水以外の冷媒でもよい。
き工程の第1説明図である。(a):まず、つかみ部を
造る。具体的には、押出し材61にアルミニウム管71
を矢印の如く挿入する。アルミニウム管71は、押出し
材61の内径D1より僅かに小さい外径d1の管であ
る。Duは外径を示す。(b)は押出し材61の端面ま
でアルミニウム管71を挿入したことを示す。
き工程の第2説明図であり、(b)は(a)のb矢視図
であり、(d)は(c)のd−d線断面図である。 (a):プレスマシン72に押出し材61をセットし、
所定の範囲L1(例えば、端面から200〜300m
m)を縮径する。
転鍛造:ロータリースエージング)させ、アルミニウム
管71とともに、押出し材61の所定の範囲をダイス7
3で押付け、細いつかみ部を造る。
することで、引抜きダイスの孔に通せるようにした部位
である。押出し材61並びにアルミニウム管71には、
ダイスの押付け力により大きな応力がかかり、塑性変形
する。アルミニウム管71は成形性がよいので、押出し
材61の変形に追従しながら、なおかつ、弾性によりダ
イスの押付け力に抗しつつ、押出し材61の内周面を矢
印の如く押付ける。
の内周面にアルミニウム管71が密着して押出し材61
を矢印の如く押付けるから、押出し材61の内面の表層
部には圧縮応力が発生し、塑性変形する際の押出し材6
1の割れを防止することができる。
き工程の第3説明図である。 (a):つかみ部74を引抜き装置75のダイス76に
通した後(白抜き矢印の方向)、つかみ部74につかみ
具77を取付ける。続けて、押出し材61内にプラグ7
8を矢印の如く入れる。つかみ部74はアルミニウム管
71によって厚くなるので、引張り応力が小さくなり、
引きにおいてもより割れが発生し難くなる。
1を引抜き材81に成形する。具体的には、つかみ具7
7を白抜き矢印の如く引くことで、ダイス76とプラグ
78の間を通して、押出し材61の内外径に精度を付与
し、仕上げるとともに、リブ63をアンダカット形状に
成形する。次図で成形を詳細に説明する。
3−13線断面図である。(a)は引抜き材81の断面
を示し、内径をD2に仕上げるとともに、16個のリブ
63を先端側から矢印の如く圧縮し、引抜き工程後の
リブである逆台形リブ82・・・を成形したことを示す。
形リブ82を示す。逆台形リブ82は、二点鎖線のリブ
63を先端側から矢印の如く圧縮してリブ63の根元
部64,64にアンダカット形状を成形したものであ
り、逆台形リブ82の高さをLh、逆台形リブ82の先
端部83の幅をLwとしたときに、Lh<Lwに設定し
た。その際には、根元部64,64に根元部64の幅を
減少させるような拘束力をかけずに、矢印の如く筒6
2の中心方向に圧縮させる力で塑性変形させる。
12%の範囲に設定した。ここで、断面減少率をRa、
リブ63の断面積をS1、引抜き工程後のリブの断面
積、つまり、逆台形リブ82の断面積をS2としたとき
に、断面減少率Raは次式で定めることができる。 Ra(%)=〔(S1−S2)/S1〕×100
関係を示したグラフであり、横軸を断面減少率Raと
し、縦軸を△D=Db−D3としたものである。ただ
し、Dbを内径の規格値、D3を内径の実測値、△Dを
内径の規格値と実測値との差とした。+αは許容上限
値、−αは許容下限値である。
容上限値+αを超えるほど大きくなる場合や許容下限値
−α近くまで小さくなる場合がり、内径のばらつきは大
きく、精度は安定しない。断面減少率Raが12%を超
えると、逆台形リブ82の根元部64に割れが発生しや
すくなる。その結果、引抜き材81の内径精度の観点か
ら下限を5%とし、逆台形リブ82の根元部64の割れ
対策の観点から上限を12%とする。
したリブ63を矢印の如く圧縮しながら、根元部64
の隅を拘束せずに塑性変形させるので、略90°の隅に
応力集中は起きず、根元部64の割れを防止することが
できる。また、押出しで成形したリブ63を矢印の如
く圧縮しながら、根元部64の隅を拘束せずに塑性変形
させるので、略90°の隅に応力集中は起きず、内径の
精度を向上させることができる。
硬化処理の説明図であり、一例を示す。この人工時効硬
化処理は、引抜き材81を第3加熱炉84に入れ、所望
の温度、時間だけ加熱し、空冷する。例えば、加熱温度
は170℃〜180℃で、保持時間は約8時間に設定す
る。
ある。引抜き後の引抜き材81をカッタ85で所定長さ
Lsに切断加工してアルミニウム基複合材のシリンダラ
イナ86を形成する。その際、シリンダライナ86の端
面87,87を切断すると同時に仕上げる。
ある。最後に、シリンダライナ86・・・をシリンダブロ
ックの鋳型88内にセットして注湯する。具体的には、
まず、シリンダライナ86・・・をライナ支持部材91・・・
に取付けるとともに、ライナ支持部材91・・・を鋳型8
8内の鋳包み材取付け部92・・・に嵌め込むことで、シ
リンダライナ86・・・のセットは完了する。
鋳型88を取付けたダイカスト機93のスリーブ94内
の溶融アルミニウム合金を所定の圧力で鋳型88のキャ
ビティ95に充填する。アルミニウム合金は、例えば、
Al−Si−Cu系合金の一種であるJIS−ADC1
2を用いる。溶融アルミニウム合金が凝固した後、シリ
ンダブロックを取り出す。
斜視図である。シリンダブロック96は、水冷直列4気
筒のエンジンの一部で、シリンダライナ86・・・をシリ
ンダ部96aに鋳包み、シリンダ部96aの外方にウォ
ータジャケット部96bを有するものである。96c〜
96fは第1〜第4シリンダを示す。
る。シリンダブロック96では、シリンダピッチは、従
来と同じくPに設定し、且つ一定とした。このように、
本発明のシリンダライナの鋳包み成形方法で、逆台形リ
ブ82の高さをLh、先端部83の幅をLwとし、Lh
<Lwに設定したので、シリンダピッチがPであって
も、シリンダライナ86・・・間の鋳物肉厚はTとなり、
従来のシリンダライナ間の鋳物肉厚T2よりも鋳物肉厚
を増加させることができ、強度を確保することができ
る。従って、シリンダブロック96の小型化を図ること
ができる。
形方法で、シリンダライナ86・・・に逆台形リブ82を
成形し、シリンダライナ86・・・を鋳包んだので、アン
ダカット形状の根元部64・・・で溶融アルミニウム合金
が凝固してアンカ効果を向上させることができる。
ブ63の数量は16個としたが、数量は16個に限定す
るものではない。引抜き工程後のリブの高さをLh、リ
ブの先端部の幅をLwとしたときに、Lh<Lwに設定
したが、Lh<Lwに限定するものでない。シリンダラ
イナを水冷直列4気筒に用いたが、エンジンは直列4気
筒に限定するものではない。
する。請求項1では、酸化物系セラミックスからなる多
孔質成形体とともに、アルミニウム合金及び、マグネシ
ウム又はマグネシウム発生源を炉内に納め、窒化マグネ
シウムの作用で酸化物系セラミックスを還元し、酸化物
系セラミックスの多孔質にアルミニウム合金の溶湯を浸
透させてアルミニウム基複合材ビレットを製造する工程
と、アルミニウム基複合材ビレットを押出しプレスで筒
に成形すると同時に、この筒の外面にリブを成形する押
出し工程と、押出し後の押出し材を引抜き装置で仕上げ
るとともに、リブを先端側から圧縮してリブの根元にア
ンダカット形状を成形する引抜き工程と、引抜き後の引
抜き材を所定長さに切断加工してアルミニウム基複合材
のシリンダライナを形成する切断工程と、シリンダライ
ナをシリンダブロックの鋳型内にセットして注湯する鋳
造工程と、からなり、押出し工程でビレットを筒に成形
すると同時に、筒の外面にリブを成形することで、リブ
を第1段階の形状に成形する。
から圧縮してリブの根元にアンダカット形状を成形すの
で、根元の略90°の隅に応力が集中せず、根元から亀
裂が入る虞れがない。また、押出し材のリブを先端側か
ら圧縮してリブの根元にアンダカット形状を成形すの
で、シリンダライナのアンカ効果を向上させることがで
きる。さらに、リブは低くなり、その分だけシリンダラ
イナ同士を接近させることができ、シリンダブロックの
小型化を図ることができる。
積をS1、引抜き工程後のリブの断面積をS2としたと
きに、(S1−S2)/S1を百分率表示で5〜12%
に設定する。5%未満では、引抜き後の内径が大きくな
り過ぎる場合もあれば、逆に小さくなり過ぎる傾向もあ
り、引抜き後の内径のばらつきは大きい。12%を超え
ると、引抜き工程後のリブの根元に割れが発生しやすく
なる。その結果、引抜き後の内径精度の観点から下限を
5%とし、引抜き工程後のリブの根元の割れ対策の観点
から上限を12%とする。従って、リブの根元にアンダ
カット形状を成形することができるとともに、内径精度
を確保することができる。
をLh、リブの先端部の幅をLwとしたときに、Lh<
Lwに設定するので、リブの高さは小さく、その分だけ
シリンダライナ同士をより接近させることができ、より
シリンダブロックの小型化を図ることができる。
のフローチャート
の概要構造図
製造要領図
たグラフ
説明図
明図
(多孔質アルミナ)、41…アルミニウム合金、42…
マグネシウム、44…窒化マグネシウム、45…アルミ
ニウム基複合材ビレット、55…押出しプレス、61…
押出し材、62…筒、63…リブ、64…根元部、65
…先端部、75…引抜き装置、81…引抜き材、82…
引抜き工程後のリブ(逆台形リブ)、86…シリンダラ
イナ、88…シリンダブロックの鋳型、96…シリンダ
ブロック、Ls…所定長さ。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸化物系セラミックスからなる多孔質成
形体とともに、アルミニウム合金及び、マグネシウム又
はマグネシウム発生源を炉内に納め、窒化マグネシウム
の作用で酸化物系セラミックスを還元し、酸化物系セラ
ミックスの多孔質にアルミニウム合金の溶湯を浸透させ
てアルミニウム基複合材ビレットを製造する工程と、 前記アルミニウム基複合材ビレットを押出しプレスで筒
に成形すると同時に、この筒の外面にリブを成形する押
出し工程と、 前記押出し後の押出し材を引抜き装置で仕上げるととも
に、リブを先端側から圧縮してリブの根元にアンダカッ
ト形状を成形する引抜き工程と、 前記引抜き後の引抜き材を所定長さに切断加工してアル
ミニウム基複合材のシリンダライナを形成する切断工程
と、 前記シリンダライナをシリンダブロックの鋳型内にセッ
トして注湯する鋳造工程と、からなることを特徴とする
シリンダライナの鋳包み成形方法。 - 【請求項2】 前記押出し工程後のリブの断面積をS
1、前記引抜き工程後のリブの断面積をS2としたとき
に、(S1−S2)/S1を百分率表示で5〜12%に
設定することを特徴とする請求項1記載のシリンダライ
ナの鋳包み成形方法。 - 【請求項3】 前記引抜き工程後のリブの高さをLh、
リブの先端部の幅をLwとしたときに、Lh<Lwに設
定することを特徴とする請求項1記載のシリンダライナ
の鋳包み成形方法。
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JP2001143886A JP4580121B2 (ja) | 2001-05-14 | 2001-05-14 | シリンダライナの鋳包み成形方法 |
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