JP2002335447A - ディジタルサブトラクション装置 - Google Patents

ディジタルサブトラクション装置

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JP2002335447A JP2001138319A JP2001138319A JP2002335447A JP 2002335447 A JP2002335447 A JP 2002335447A JP 2001138319 A JP2001138319 A JP 2001138319A JP 2001138319 A JP2001138319 A JP 2001138319A JP 2002335447 A JP2002335447 A JP 2002335447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体の撮像部位のサブトラクション像を好
適に得ることができるディジタルサブトラクション装置
を提供する。 【解決手段】 サブトラクション像を表示するモニタ4
と、与えられた変更指示に従ってしきい値周波数を変更
するしきい値変更手段7とを備えているので、しきい値
変更手段7からのしきい値周波数の変更指示に従って、
しきい値周波数変更に係る新たなサブトラクション像が
モニタ4にリアルタイムに表示されるので、適正なしき
い値を対話的にリアルタイムに設定することができ、モ
ニタ4に表示されるサブトラクション像をモニタリング
しながら好適なサブトラクション像を表示させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療分野、工業
分野などに用いられる、被検体の撮像部位をX線透視撮
像してその撮像部位のサブトラクション像を得るディジ
タルサブトラクション装置に係り、特に、被検体の撮像
部位のサブトラクション像を好適に得る技術に関する。
【0002】
【従来技術】従来のディジタルサブトラクション装置と
しては、例えば、医療分野で用いられる、被検体の所定
の撮像部位のサブトラクション像を得るディジタルアン
ギオグラフィ装置がある。このディジタルアンギオグラ
フィ装置としては、例えば、被検体の撮像部位を1回X
線透視撮像するだけでその撮像部位のサブトラクション
像を得れるものがある。以下に、このディジタルアンギ
オグラフィ装置により、被検体の所定の撮像部位のサブ
トラクション像を得る動作について、説明する。
【0003】まず、造影剤が投与された被検体の所定の
撮像部位を、X線透視撮像装置(X線管と、イメージイ
ンテンシファイアとテレビカメラ、FPD(Flat
Panel Detector)などで構成される撮像
系とを備えたもの)でもってX線透過像として撮像し、
この撮像したX線透視像をディジタルデータに変換して
基本画像を取得する。この基本画像は、造影剤が投与さ
れた血管像などの高周波数成分が残っている画像であ
り、これをライブ像として用いる。一方、周波数特性変
換回路によって、前記基本画像を構成する周波数成分を
空間/周波数変換処理で取り出し、所定のしきい値周波
数以上の周波数成分を除去し、これに周波数/空間変換
処理を施して、前記基本画像から前記しきい値周波数以
上の周波数成分を除去した高周波数成分除去画像を得て
いる。この高周波数成分除去画像は、造影剤が投与され
た血管像などの高周波数成分が除去された画像であり、
これをマスク像として用いる。前記の空間/周波数変換
処理としては、FFT(高速フーリエ変換)、カルーネ
ン・レーベ変換、DCT(離散コサイン変換)、アダマ
ール変換などの各変換方式がある。また、前記の周波数
/空間変換処理としては、前記空間/周波数変換処理の
逆変換(逆FFT、逆カルーネン・レーベ変換、逆DC
T、逆アダマール変換など)がある。
【0004】次に、遅延回路によって、後段の演算器へ
のライブ像(基本画像)の供給を前記周波数特性変換回
路の処理時間分だけ遅延させることで、ライブ像(基本
画像)とマスク像(高周波数成分除去画像)とを後段の
演算器に同期して供給している。そして、演算器は、ラ
イブ像(基本画像)からマスク像(高周波数成分除去画
像)をサブトラクションしてサブトラクション像(サブ
トラクション画像)を求めている。なお、上述の所定の
しきい値周波数は、サブトラクション像に残したい関心
物(血管像など)を好適に除去し得る周波数値のことで
あり、このしきい値周波数を予め理論的あるいは実験的
に求めておいて設定することで、サブトラクション像を
得るようにしている。
【0005】このように、造影剤が投与された被検体の
所定の撮像部位を1回だけX線透視撮像するだけで、そ
の撮像部位のサブトラクション像を得ることができるの
で、造影剤の投与前後の2回にわたってX線透視撮像す
る場合に比べて、被検体へのX線曝射線量が軽減できる
とともに、ライブ像(基本画像)からマスク像(高周波
数成分除去画像)を生成していることから、造影剤投与
前後の2回の撮像における被検体の体動などに起因する
マスク像とライブ像の画像ずれを完全に無くすことがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、上述した従来例では、関心物(例え
ば、血管像など)を好適に除去するための、予め実験的
に求めたしきい値周波数を用いて、ライブ像(基本画
像)からそのしきい値周波数以上の周波数成分を除去し
たマスク像(高周波数成分除去画像)を得て、ライブ像
(基本画像)からマスク像(高周波数成分除去画像)を
サブトラクションして、関心物(例えば、血管像など)
を残したサブトラクション像を得るようにしているの
で、例えば、X線透視撮像毎に、関心物の空間的形状
(大きさや形など)の傾向が異なるような場合におい
て、全てに渡って適正なしきい値を用意しておくことは
事実上不可能であり、標準値から外れた関心物、すなわ
ち、設定されたしきい値では十分に除去されない関心物
については、好適なサブトラクション像を得ることがで
きないという問題がある。
【0007】また、一回のX線透視撮像において、空間
的形状の異なる複数種類の関心物が存在する場合、つま
り、撮像部位内に空間的形状の異なる複数種類の関心物
が存在する場合にも、全ての関心物に対して最適となる
ようなしきい値を求めることは不可能であり、一部の関
心物については好適なサブトラクション像を得ることが
できず、好適に観察できなくなる。例えば、関心物を例
えば血管とした場合であっても、動脈や静脈などで臓器
に近い部分の太い血管と、動脈や静脈の末梢に位置する
毛細血管などの細い血管とでは、それらの大きさの違い
からわかるように、上述のしきい値周波数は異なる。
【0008】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、被検体の撮像部位のサブトラクショ
ン像を好適に得ることができるディジタルサブトラクシ
ョン装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載のディジタルサブトラクション装置
は、被検体の所定の撮像部位のサブトラクション像を得
るためのディジタルサブトラクション装置であって、
(a)前記撮像部位にX線を照射し、その部位のX線透
過像を撮像するX線透視手段と、(b)前記X線透過像
をディジタルデータに変換するデータ変換手段と、
(c)前記ディジタルデータに変換されたX線透過像
(以下、基本画像という)から所定のしきい値周波数以
上の周波数成分を除去した画像(以下、高周波数成分除
去画像)を得る周波数特性変換手段と、(d)前記基本
画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行
い、その撮像部位のサブトラクション像を求める演算手
段と、(e)前記演算手段への基本画像の供給を遅らせ
て、前記基本画像と高周波数成分除去画像とを前記演算
手段に同期して供給させる遅延手段と、(f)サブトラ
クション像を表示する表示手段と、(g)与えられた変
更指示に従って前記のしきい値周波数を変更するしきい
値周波数変更手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0010】また、請求項2に記載のディジタルサブト
ラクション装置は、請求項1に記載のディジタルサブト
ラクション装置において、前記基本画像の高周波数成分
を強調した画像(以下、高周波数成分強調画像という)
を得る第2の周波数特性変換手段を備え、前記演算手段
は、前記基本画像と高周波数成分除去画像とのサブトラ
クションを行うのではなく、前記高周波数成分強調画像
と前記高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行
うことで、その撮像部位のサブトラクション像を求める
ことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項3に記載のディジタルサブト
ラクション装置は、請求項1に記載のディジタルサブト
ラクション装置において、前記ディジタルデータに変換
されたX線透過像(以下、基本画像という)を順次取り
込み、複数回数分の撮像で得られた基本画像の平均画像
を求める積分処理手段を備え、前記周波数特性変換手段
は、前記平均画像から所定のしきい値周波数以上の周波
数成分を除去した画像(以下、高周波数成分除去画像)
を得るようにし、前記演算手段は、前記平均画像と前記
高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行い、撮
像部位のサブトラクション像を求めることを特徴とする
ものである。
【0012】また、請求項4に記載のディジタルサブト
ラクション装置は、請求項1または請求項3に記載のデ
ィジタルサブトラクション装置において、前記周波数特
性変換手段は、実空間上で直線形状で表されるテンプレ
ートフィルタでもって前記基本画像の高周波数成分を実
空間上で除去する実空間フィルタリング部を備えたこと
を特徴とするものである。
【0013】また、請求項5に記載のディジタルサブト
ラクション装置は、請求項4に記載のディジタルサブト
ラクション装置において、前記実空間フィルタリング部
のテンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,
Y,Z軸で表される、実空間上の3次元直交座標系にお
いて、X,Y軸方向を前記テンプレートフィルタの矩形
形状の底面大きさとし、Z軸方向を前記テンプレートの
ゲインとした四角柱形状で表されるものであることを特
徴とするものである。
【0014】また、請求項6に記載のディジタルサブト
ラクション装置は、請求項4に記載のディジタルサブト
ラクション装置において、前記実空間フィルタリング部
のテンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,
Y,Z軸で表される、実空間上の3次元直交座標系にお
いて、X,Y軸方向を前記テンプレートフィルタの矩形
形状の底面大きさとし、Z軸方向を前記テンプレートの
ゲインとし、Z軸方向に先細りとなる立体形状であっ
て、かつ、前記テンプレートフィルタのZ方向の少なく
とも中央から先細りの先端部にかけて角錐形状で表され
るものであることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】この発明の作用は次の通りである。すなわち、
請求項1に記載の発明によれば、被検体の所定の撮像部
位に対して、X線透視手段でX線透過像を撮像し、デー
タ変換手段でディジタルデータに変換して基本画像を得
る。この基本画像は、関心物の高周波数成分が残ってい
る画像であり、これをライブ像として用いる。一方、周
波数特性変換手段は、前記基本画像から所定のしきい値
周波数以上の周波数成分を除去した高周波数成分除去画
像を得る。この高周波数成分除去画像は、関心物の高周
波数成分が除去された画像であり、これをマスク像とし
て用いる。遅延手段は、後段の演算手段へのライブ像
(基本画像)の供給を前記周波数特性変換手段での所定
の処理時間分だけ遅延させることで、ライブ像(基本画
像)とマスク像(高周波数成分除去画像)とを後段の演
算手段に同期して供給している。そして、演算手段は、
ライブ像(基本画像)からマスク像(高周波数成分除去
画像)をサブトラクションしてサブトラクション像を求
める。表示手段は、サブトラクション像を表示する。し
きい値周波数変更手段は、与えられた変更指示に従って
前記のしきい値周波数を変更する。したがって、しきい
値周波数の変更指示により、しきい値周波数変更に係る
新たなサブトラクション像が表示手段に表示されるの
で、適正なしきい値を対話的に設定することができ、表
示手段に表示されるサブトラクション像をモニタリング
しながら好適なサブトラクション像が得れる。
【0016】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明と同様の作用で基本画像と高周波数
成分除去画像とが得られる。そして、第2の周波数特性
変換手段は、得られた基本画像の高周波数成分を強調し
た高周波数成分強調画像を得る。演算手段は、この高周
波数成分強調画像と高周波数成分除去画像とのサブトラ
クションを行うことで、その撮像部位の関心物をより強
調したサブトラクション像を求める。したがって、関心
物をより強調したサブトラクション像を得る場合であっ
ても、しきい値周波数の変更により、好適なサブトラク
ション像が得られる。
【0017】また、請求項3に記載の発明によれば、積
分処理手段は、複数回数分の撮像で得られた基本画像の
平均画像を求める。この平均画像をライブ像として用
い、このライブ像(平均画像)から請求項1に記載の発
明と同様の処理で高周波数成分除去画像を得ているの
で、ライブ像及びマスク像のS/N比が向上する。演算
手段は、ライブ像(平均画像)からマスク像(平均画像
から得られた高周波数成分除去画像)をサブトラクショ
ンして、撮像部位のサブトラクション像を求める。した
がって、高画質なサブトラクション像を得る場合であっ
ても、しきい値周波数の変更により、好適なサブトラク
ション像が得られる。
【0018】また、請求項4に記載の発明によれば、上
述の周波数特性変換手段での高周波数成分除去画像の生
成は、実空間フィルタリング部によって行われる。実空
間フィルタリング部は、実空間上で直線形状で表される
テンプレートフィルタでもって前記基本画像の高周波数
成分を実空間上で除去する。従来のガウス関数形状のテ
ンプレートフィルタでは、フィルタサイズが例えば51
(TAP数)×51(TAP数)のように大きくなるこ
とでフィルタリングの演算量が膨大になり、リアルタイ
ムに近い短時間での処理は不可能であったが、この請求
項1に記載の発明では、実空間上で直線形状で表される
テンプレートフィルタでもってフィルタリングするの
で、フィルタ移動によって更新される部分についての加
減算のみを行なうだけで良く、フィルタサイズに依らず
にそのフィルタリングの演算量が一定量に低減され、リ
アルタイムに近い短時間での処理が可能となり、しきい
値周波数の変更により、リアルタイムに好適なサブトラ
クション像が得られる。
【0019】また、請求項5に記載の発明によれば、実
空間フィルタリング部のテンプレートフィルタ形状は、
互いに直交するX,Y,Z軸で表される、実空間上の3
次元直交座標系において、X,Y軸方向をテンプレート
フィルタの矩形形状の底面大きさとし、Z軸方向を前記
テンプレートのゲインとした四角柱形状で表されるもの
としている。したがって、フィルタ移動によって更新さ
れる部分についての加減算のみを行なうだけで良く、フ
ィルタサイズに依らずにそのフィルタリングの演算量が
一定量に低減され、リアルタイムに近い短時間での処理
が可能となる。また、しきい値周波数の変更により、リ
アルタイムに好適なサブトラクション像が得られる。
【0020】また、請求項6に記載の発明によれば、実
空間フィルタリング部のテンプレートフィルタ形状は、
互いに直交するX,Y,Z軸で表される、実空間上の3
次元直交座標系において、X,Y軸方向をテンプレート
フィルタの矩形形状の底面大きさとし、Z軸方向を前記
テンプレートのゲインとし、Z軸方向に先細りとなる立
体形状であって、かつ、テンプレートフィルタのZ方向
の少なくとも中央から先細りの先端部にかけて角錐形状
で表されるものとしている。したがって、フィルタ移動
によって更新される部分についての加減算のみを行なう
だけで良く、フィルタサイズに依らずにそのフィルタリ
ングの演算量が一定量に低減され、リアルタイムに近い
短時間での処理が可能となる。また、しきい値周波数の
変更により、リアルタイムに好適なサブトラクション像
が得られる。さらに、前述の請求項5に記載の四角柱形
状の場合よりも、高周波数成分を除去する周波数特性に
優れる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
ディジタルサブトラクション装置に係る一実施例として
のX線ディジタルアンギオグラフィ装置について、図面
を参照しながら説明する。
【0022】<第1実施例>図1は、この発明の第1実
施例に係るX線ディジタルアンギオグラフィ装置の全体
構成を示す正面図であり、図2は、X線透視装置を側面
から見た図であり、図3は、画像処理部の構成を示すブ
ロック図である。
【0023】この第1実施例のX線ディジタルアンギオ
グラフィ装置は、ベッド1、X線透視手段としてのX線
透視装置2、画像処理部3、表示手段としてのモニタ
4、制御部5、操作盤6などを備えて構成されている。
【0024】ベッド1は、床面に設置されたベッド基台
11と天板12を備えている。被検体Mは天板12上に
載置される。この天板12はモータ13の駆動で水平移
動可能であり、天板12上の被検体MとX線透視装置2
との相対的な位置関係を被検体Mの体軸方向に変位する
ことができる。モータ13の駆動制御は、制御部5によ
り行われる。
【0025】X線透視装置2は、X線管21、撮像系2
2を支持するC型アーム23がベッド1の近傍に定置さ
れた装置基台24の上部に支持されて構成されている。
C型アーム23は、モータ25の駆動で図2の矢印方向
に変位可能に装置基台24に支持されており、X線管2
1、撮像系22を被検体Mの体軸回りに変位可能に構成
し、X線透過像の撮像方向の調整が可能となっている。
モータ25の駆動制御は制御部5により行われる。
【0026】X線管21と撮像系22とはC型アーム2
3の両端部に取り付けられており、天板12上の被検体
Mを挟み込んだ状態で対向配置されている。X線管21
から被検体Mの任意の撮像部位に向けて照射され、被検
体Mを透過したX線は、撮像系22で受像され、その部
位のX線透過像が撮像される。X線管21からのX線の
照射は、X線高電圧発生装置26から所定の電力(X線
管電圧およびX線管電流)がX線管21に供給されて行
われる。X線高電圧発生装置26からX線管21への所
定の電力の供給は制御部5に制御されて行われる。撮像
系22は、イメージインテンシファイアやテレビカメラ
などで構成されている。撮像されたX線透過像は画像処
理部3に与えられる。
【0027】画像処理部3は、図3に示すように、デー
タ変換手段としてのA/D(アナログtoディジタルデー
タ)変換器31、高周波除去手段としての周波数特性変
換回路32、遅延回路33、演算手段としての演算器3
4、階調変換回路35、D/A(ディジタルtoアナロ
グ)変換器36で構成されている。
【0028】造影剤が投与された被検体Mの所定の撮像
部位のX線透過像が撮像されると、撮像系22からのそ
の像の画像信号(アナログ信号)は、A/D変換器31
でディジタルデータに変換され基本画像が得られる。こ
の基本画像は、骨格などの低周波数成分や、造影剤が投
与された血管像などの高周波数成分を含んだ画像であ
り、これをライブ像として用いる。この基本画像(ライ
ブ像)は、周波数特性変換回路32と遅延回路33とに
与えられる。周波数特性変換回路32は、後述する処理
によって基本画像から血管像などの高周波数成分を除去
しマスク像を得る。演算器34では、遅延回路33を経
て供給されるライブ像と、周波数特性変換回路32を経
て供給されるマスク像とのサブトラクションを行いサブ
トラクション像を求めて階調変換回路35に与える。階
調変換回路35では、サブトラクション像をモニタ5に
表示したとき見やすい画像にするために、サブトラクシ
ョン像を構成する各画素の濃度を調整(全画素を対象
に、各画素の濃度に所定濃度を加算したり減算する)す
る。階調変換されたサブトラクション像はD/A変換器
36に与えられ、そこでD/A変換されてモニタ4に表
示される。遅延回路33は、周波数特性変換回路32で
の処理時間による時間的な遅れを補償するために設けて
おり、これにより、ライブ像とマスク像とが同期されて
演算器34に供給される。なお、画像処理部3を構成す
る各部の動作制御は、制御部5により行われる。
【0029】周波数特性変換回路32は、基本画像(ラ
イブ像)から血管像などの高周波数成分を除去して高周
波数成分除去画像(マスク像)を得ることを、実空間デ
ータのままで高速処理することを目的とするものであ
る。また、この周波数特性変換回路32は、図3に示す
ように、しきい値変更手段7に接続されており、しきい
値変更手段7から変更指示(しきい値周波数を変更させ
るための指示)が与えられるようになっており、この変
更指示に従ってしきい値周波数が変更される。このしき
い値変更手段7は、制御部5の機能うちで画像処理部3
の周波数特性変換回路32を制御する機能と、操作盤6
の機能うちでしきい値周波数の変更指示を制御部5に与
える機能とを備えたものであり、制御部5および操作盤
6の構成うちの一部の構成に属するものである。
【0030】周波数特性変換回路32は、実空間上で直
線形状で表されるテンプレートフィルタでもって前記基
本画像の高周波数成分を実空間上で除去する実空間フィ
ルタリング部32aを備えている。この実空間フィルタ
リング部32aのテンプレートフィルタ形状は、例え
ば、図7に示すように、互いに直交するX,Y,Z軸で
表される、実空間上の3次元直交座標系において、X,
Y軸方向をテンプレートフィルタの矩形形状である底面
大きさとし、Z軸方向をこのテンプレートのゲインとし
た四角柱形状で表されるものとしている。この実空間上
で四角柱形状のテンプレートフィルタ(以下、適宜に
「ボックスフィルタ」と呼ぶ)による処理方法は、図8
に示すように、入力画像(入力される基本画像)におけ
る画素(i,j)の近傍(N×N点の正方形分)の平均
濃度を出力画像の画素(i,j)の値とし、この平均処
理を全画素について行うことで、基本画像から所定のし
きい値周波数以上の周波数成分(高周波数成分)を除去
した高周波数成分除去画像(マスク像)を得るものであ
り、移動平均フィルタ法と適宜に呼ぶこととする。
【0031】なお、図8は、図7に示したボックスフィ
ルタを、フィルタ処理しようとする基本画像の所定の複
数個の画素上に位置させた状態をZ軸方向から見下ろし
た図である。図8では、ボックスフィルタのフィルタサ
イズを、説明の便宜上、3×3の正方形として図示し、
画素(i,j)とその周囲の8画素とからなる9画素
(9点)の平均値を画素(i,j)の値としているが、
このフィルタサイズは、次に説明するように所定のしき
い値周波数以上の周波数成分(高周波数成分)を除去す
る大きさに設定される。すなわち、このボックスフィル
タは、そのフィルタサイズに応じてしきい値周波数が変
更されることになる。つまり、フィルタサイズを大きく
すればしきい値周波数を下げることになりぼかしの程度
が大きくなるし、フィルタサイズを小さくすればしきい
値周波数を上げることになりぼかしの程度が小さくなる
のである。ボックスフィルタのフィルタサイズは、図7
に示すように、例えば21×21点(TAP数×TAP
数)の正方形としている。このTAP数はカーネルの点
数のことでもある。また、標準的な空間的形状の血管像
を好適に除去し得るしきい値周波数は、実験的あるいは
理論的に求めておくことができるので、標準的な空間的
形状の血管像を好適に除去し得るボックスフィルタのフ
ィルタサイズも同様に実験的あるいは理論的に求めてお
いても良いし、そのフィルタサイズは初期値として設定
しておいても良い。この第1実施例では、しきい値変更
手段7からの変更指示は、フィルタサイズを変更すると
いう形式で行われ、操作盤6の例えばダイヤルや操作ボ
タンなどを操作することで、変更量を連続的に変化させ
るように入力したり、操作盤6の例えばテンキーなどで
特定の数値(変更後の値)を指定入力したりするなど、
各種の入力方法でもって使用者により操作される。使用
者は、モニタ4に表示されるサブトラクション像をモニ
タリングしながら、必要に応じて、対話的に上記の変更
を行うことになる。
【0032】なお、上述の移動平均フィルタ法は、次に
説明するようにすることで、高速に演算処理ができるよ
うに改良されたものである。例えば、フィルタサイズが
N点×N点であるボックスフィルタを用いて移動平均を
求めるには、ボックスフィルタが位置するN×N点の画
素を正直に加算した合計値をボックスフィルタの点数分
(N×N点)で平均することで、ボックスフィルタの中
心の画素の値を算出し、この演算を全画素について個別
に行なっていたのでは、演算量が膨大になり高速に演算
処理することができないし、フィルタサイズが大きくな
るにつれてその演算量は増加することになる。
【0033】そこで、次に説明するようにして、上述の
移動平均フィルタ法を高速に演算処理可能に改良してい
る。すなわち、図9に示すように、N×N点の移動平均
を求めるには、各画素についてN×N点の加算を正直に
計算することなく、前回の結果に対して、更新される部
分についての加減算を行うことで、簡単に計算でき、演
算時間が短縮できる。例えば、1次元状の「A」〜
「F」の画素に対して、1次元状の3点のボックスフィ
ルタで移動平均する場合を例に挙げて説明する。「A」
〜「C」の画素にボックスフィルタがある場合は、「A
+B+C」の3点平均値が「B」画素の値となる。そし
て、ボックスフィルタを次の位置(「B」〜「D」の画
素の位置)に移動させたときには、前回の値(「A+B
+C」)から更新される部分(「D」が加わり、「A」
が外される)についての加減算(−A+D)を行うだけ
でよく、前回と今回とで重複する加算を行なうという無
駄が排除できるし、フィルタサイズが大きくなってもそ
の演算量(演算の総量)は低減したまま一定である。こ
の例では、説明の便宜上、ボックスフィルタを3点とし
ているが、ボックスフィルタの点数が大きくなればなる
程、全点について正直に順次加算していく演算量と、更
新される部分の加減算のみを行なう演算量との差は大き
くなり、効果的に改善されることがわかる。なお、図
7,図8に示すようにN×N点のボックスフィルタの2
次元移動平均の場合には、縦方向のN行累算値を、図9
と同様の方法で求め、さらに横方向に図9と同様の方法
を繰り返していけばよい。すなわち、N×N点のボック
スフィルタの2次元移動平均の場合であっても、更新さ
れる部分の加減算は、1画素の加算および1画素の減算
のみである。上述したように演算の総量を低減している
ので、汎用のチップを用いて実空間フィルタリング部3
2aを構成することができ、基本画像を撮像してから極
めて短時間で(リアルタイムに近く)サブトラクション
像をモニタ4に表示させることができる。
【0034】図1,図2に戻って、制御部5は、操作盤
6からの各種の指示などによって、各装置、各部の駆動
制御や動作制御を行う。例えば、制御部5は、操作盤6
から、ボックスフィルタのフィルタサイズを変更する変
更指示を受けると、実空間フィルタリング部32aのボ
ックスフィルタのフィルタサイズを変更指示に応じたサ
イズに変更する。この制御部5は、例えば、後述する動
作を実現するプログラムを遂行するCPU(中央処理装
置)で構成されている。
【0035】操作盤6は、撮像部位や条件の設定、処理
開始指示、フィルタサイズを変更する変更指示などを、
操作者が行うためのものである。操作盤6における、フ
ィルタサイズを変更する構成としては、例えば、マウ
ス、トラックボール、キーボード、ジョイスティックな
どの入力装置が挙げられる。
【0036】上記構成を有する実施例装置の動作を以下
に説明する。まず、被検体Mのある1箇所の撮像部位
(例えば胸部)のサブトラクション像を得る場合の動作
を説明する。
【0037】この場合、まず、操作者により操作盤6か
ら設定された撮像部位や条件(撮像方向など)に従っ
て、制御部5は、モータ13を駆動制御して被検体Mを
載置した天板12を水平移動させ、設定された撮像部位
(胸部とする)を、X線管21、撮像系22の間の撮像
位置に位置させ、モータ25を駆動制御してX線管2
1、撮像系22を被検体M(の撮像部位)の体軸回りに
変位させ、撮像方向を調節する。この状態を図4に示
す。図4では、撮像部位SBの下方からX線を照射して
X線透過像を撮像するように撮像方向が調節されてい
る。
【0038】次に、被検体Mに造影剤を投与する。な
お、造影剤を投与してから上記位置合わせ動作などを行
ってもよい。いずれにしても、以下の撮像動作の前に、
被検体Mに造影剤を投与しておき、撮像部位SBに造影
剤が拡散した状態で操作者が操作盤6から処理開始を指
示し、以下の撮像動作が実行される。
【0039】処理開始が指示されると、制御部5はX線
高電圧発生装置26を制御して、X線管21に所定の電
力を供給させてX線を照射させ、造影剤が拡散された撮
像部位SBのX線透過像を撮像させる。そして、制御部
5は、画像処理部3の各部を制御して、基本画像(ライ
ブ像)を得るとともに、その基本画像からマスク像を求
め、ライブ像とマスク像とのサブトラクションを行わせ
サブトラクション像をモニタ4に表示させる。
【0040】したがって、ある撮像部位のサブトラクシ
ョン像を得るための被検体へのX線照射は1回でよく、
1フレームの基本画像からマスク像とライブ像を得てい
るので、被検体の体動によるマスク像とライブ像の画像
のずれも完全に無い。
【0041】ここで仮に、モニタ4に表示されたサブト
ラクション像が好適なものでない場合には、使用者は操
作盤6によってフィルタサイズの変更指示を入力する。
制御部5は、実空間フィルタリング部32aのボックス
フィルタのフィルタサイズを、操作盤6からの変更指示
に応じたサイズに変更する。そして、X線透視撮像を行
って基本画像(ライブ像)を得るか、または、A/D変
換器31の出力側に設けられたメモリ(図示省略)に記
憶しておいたディジタルデータとしての基本画像(ライ
ブ像)を読み出すようにする。実空間フィルタリング部
32aは、前記の変更されたフィルタサイズでもって基
本画像(ライブ像)をフィルタリングして、マスク像
(高周波数成分除去画像)を生成する。減算器34によ
り、基本画像(ライブ像)からマスク像(高周波数成分
除去画像)をサブトラクションして得られたサブトラク
ション像は、階調変換回路36やD/A変換器36を介
して、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラクショ
ン像として、モニタ4にリアルタイムに表示される。こ
のように、操作盤6への変更指示入力から、フィルタサ
イズ変更に係る新たなサブトラクション像のモニタ4へ
の表示までは、即時に行われる。したがって、フィルタ
サイズ変更に係る新たなサブトラクション像がモニタ4
にリアルタイムに表示されるので、適正なしきい値(適
正なフィルタサイズ)を対話的にリアルタイムに設定す
ることができ、モニタ4に表示されるサブトラクション
像をモニタリングしながら好適なサブトラクション像を
表示させることができる。
【0042】次に、被検体MとX線透視装置2との相対
的な位置関係を被検体Mの体軸方向に変位させて、例え
ば、図5に示すように、胸部から腹部にかけての領域S
R内の複数の撮像部位のサブトラクション像を得る場合
の動作を説明する。なお、この実施例では、X線透視装
置2を固定し、これに対して被検体Mを載置した天板1
2を水平移動するように構成しているが、撮像状況をわ
かり易くするために、図5では、天板12上の被検体M
を固定し、これに対してX線透視装置2(X線管21、
撮像系22)が変位しているように描いている。
【0043】この場合、制御部5は、最初の撮像部位
(図では、撮像領域SRの左端部側の撮像部位)を撮像
位置に位置させ、撮像方向を調節する。そして、以下の
撮像動作の前に被検体Mに造影剤を投与しておく。
【0044】被検体Mの各撮像部位(領域SR)に造影
剤が拡散し、処理開始が指示されると、上記1箇所の撮
像領域SBのサブトラクション像を求めた手順と同様の
手順で、最初の撮像部位のサブトラクション像を求め、
天板12を図5の左方向に定速で移動させながら、以降
の各撮像部位が撮像位置に位置するごとに、その撮像部
位のサブトラクション像を順次求めていく。
【0045】したがって、被検体とX線透視装置との相
対的な位置関係を被検体の体軸方向に変位させて、複数
の連続する撮像部位に対するサブトラクション像を得る
場合であっても、被検体へのX線曝射線量を必要最小限
とし、被検体の体動や撮像する部位のずれなどに起因す
る、各撮像部位ごとの対となるマスク像とライブ像との
画像のずれを完全に無くしている。
【0046】ここで仮に、上述の領域SRを撮像してい
る途中で好適なサブトラクション像が得られなくなった
場合について説明する。好適なサブトラクション像が得
られなくなると、使用者は操作盤6にフィルタサイズの
変更指示を入力する。制御部5は、実空間フィルタリン
グ部32aのボックスフィルタのフィルタサイズを、操
作盤6からの変更指示に応じたサイズに変更する。操作
盤6からのフィルタサイズの変更指示に従って、フィル
タサイズ変更に係る新たなサブトラクション像がモニタ
4にリアルタイムに表示されるので、適正なしきい値
(適正なフィルタサイズ)を対話的にリアルタイムに設
定することができ、モニタ4に表示されるサブトラクシ
ョン像をモニタリングしながら好適なサブトラクション
像を表示させることができる。
【0047】なお、天板12を固定し、X線透視装置2
を天板12上の被検体Mの体軸方向に移動させること
で、被検体とX線透視装置との相対的な位置関係を被検
体の体軸方向に変位させるように構成してもよい。
【0048】また、被検体Mのある部位(例えば、胸
部)を撮像位置に位置させた状態で、図6に示すよう
に、X線管21、撮像系22をその部位の回り(体軸回
り)に回転変位させながら、各撮像方向からのサブトラ
クション像を求めることもあるが、このような場合であ
っても、上記各動作と同様に、被検体MへのX線曝射線
量を必要最小限とし、各撮像方向からのサブトラクショ
ン像を求めるための一対のマスク像とライブ像とに画像
のずれが生じることがない。
【0049】また、実空間フィルタリング部32aは、
実空間上で直線形状で表されるテンプレートフィルタで
もって、基本画像の高周波数成分を実空間上で除去して
おり、次に説明するような効果がある。
【0050】例えば、従来のガウス関数形状のテンプレ
ートフィルタでは、図16に示すそのガウス曲線形状か
らもわかるように、基本画像を単純な加減算のみで処理
することできないし、フィルタサイズ(N×N点)が例
えば51(TAP数)×51(TAP数)点のように大
きくなることでフィルタリングの演算量が膨大になり、
従来例の場合における演算量は次に示す式(1)で表さ
れて、リアルタイムに近い短時間での処理は不可能であ
った。なお、式(1)中のPは、1回の乗算と1回の加
算との2回であり、式(1)中のG2 は、基本画像の全
画素数である。例えば、参考までに式(1)に具体的な
数値を代入してみる。 演算量=N(TAP数)×N(TAP数)×P×G2 … (1) =51×51×2×G2
【0051】これに対して、上述した第1実施例では、
実空間フィルタリング部32aは、実空間上で直線形状
で表される、四角柱形状のテンプレートフィルタでもっ
て、基本画像をフィルタリングするので、基本画像を単
純な加減算のみで処理することできるし、さらに、フィ
ルタリング処理における重複する演算(加算)を繰り返
し実行することがないように演算量を軽減することがで
きる。この第1実施例の場合におけるフィルタリングの
演算量は次に示す式(2)で表される。なお、式(2)
中のQは、1回の加算と1回の減算との2回であり、式
(2)中のG2は、前述の式(1)と同様に、基本画像
の全画素数である。例えば、参考までに式(2)に具体
的な数値を代入してみる。
【0052】式(1),(2)を比してわかるように、
第1実施例の場合におけるフィルタリングの演算量は、
フィルタ移動によって更新される部分についての単純な
加減算を実行するだけで良く、式(2)中にTAP数が
含まれていないことから、フィルタサイズに依らずに一
定量でしかも式(1)に比べて大幅に低減され、リアル
タイムに近い短時間での処理が可能となることがわか
る。したがって、上述のボックスフィルタを用いた場合
であっても、しきい値変更手段7からしきい値周波数の
変更指示(ボックスフィルタのフィルタサイズ変更指
示)が入力されると、フィルタサイズ変更に係る新たな
サブトラクション像をモニタ4にリアルタイムに表示さ
せることができる。
【0053】<第2実施例>続いて、この発明のX線デ
ィジタルサブトラクション装置の第2実施例に係るX線
ディジタルアンギオグラフィ装置について説明する。図
10は、この発明の第2実施例に係る実空間フィルタリ
ング部40のテンプレートフィルタ形状を示す模式図で
ある。図11は、この第2実施例に係る実空間フィルタ
リング部40のブロック図である。この第2実施例のX
線ディジタルアンギオグラフィ装置は、第1実施例の実
空間フィルタリング部32aに替えて、図11に示す実
空間フィルタリング部40を採用し、第2実施例の実空
間フィルタリング部40のテンプレートフィルタ形状
を、四角柱形状から後述するような八角錐形状に替えた
点以外については、前述の第1実施例と同様であるの
で、特にテンプレートフィルタ形状が実空間上で後述す
るような八角錐形状である実空間フィルタリング部40
の構成および機能について詳細に説明するものとする。
【0054】まず、実空間フィルタリング部40のテン
プレートフィルタ形状について説明する。実空間フィル
タリング部40のテンプレートフィルタ形状は、図10
に示すように、互いに直交するX,Y,Z軸で表され
る、実空間上の3次元直交座標系において、X,Y軸方
向をテンプレートフィルタの矩形形状である底面大きさ
とし、Z軸方向をこのテンプレートのゲインとし、Z軸
方向に先細りとなる立体形状であって、かつ、テンプレ
ートフィルタのZ方向の少なくとも中央から先細りの先
端部にかけて八角錐形状で表されるものとしている。な
お、このような実空間フィルタリング部40のテンプレ
ートフィルタ形状を、説明の便宜上、略八角錐形状とも
呼ぶこととする。
【0055】実空間フィルタリング部40は、図11に
示すように、入力される基本画像の行方向に後述する所
定のフィルタをかける行方向三角形フィルタ41と、こ
の行方向三角形フィルタ41でフィルタ処理されたデー
タを記憶する記憶手段42と、この記憶手段42に記憶
された行方向処理後の基本画像の列方向に後述する所定
のフィルタをかける列方向三角形フィルタ43と、行方
向三角形フィルタ41と記憶手段42と列方向三角形フ
ィルタ43とを制御する制御手段44とを備えている。
【0056】行方向三角形フィルタ41は、図12に示
すように、更新される部分のうちで新たに加えられる、
後述する三角形状の右側の下がり勾配部分の画素の値
(図14(b)参照)を生成する第1の1次元フィルタ
ブロック51と、更新される部分のうちで削除される、
後述する三角形状の左側の上がり勾配部分の画素の値
(図14(b)参照)を生成する第2の1次元フィルタ
ブロック52と、これらの第1の1次元フィルタブロッ
ク51と第2の1次元フィルタブロック52とからの画
像データを減算する減算器53と、この減算器53から
の出力を累算して出力する累算回路54と、入力される
基本画像を第1の1次元フィルタブロック51よりも所
定量遅延させて第2の1次元フィルタブロック52に入
力するための遅延回路55とを備えている。
【0057】第1の1次元フィルタブロック51は、一
方の入力ポートに入力される画像データ(基本画像の行
方向についての一連の画像データ)から、他方の入力ポ
ートから入力される画像データ(基本画像の行方向につ
いての一連の画像データ)を減算して出力する減算器6
1と、入力される基本画像を減算器61の一方の入力ポ
ートよりも所定量遅延させて減算器61の他方の入力ポ
ートに入力するための遅延回路62と、この減算器61
からの出力を累算して出力する累算回路63とを備えて
いる。なお、第2の1次元フィルタブロック52も、第
1の1次元フィルタブロック51と同様に構成されてお
り、減算器61と累算回路62と遅延回路63とを備え
ている。
【0058】なお、列方向三角形フィルタ43は、前述
の行方向三角形フィルタ41と同様に構成されており、
行方向三角形フィルタ41で処理されて記憶手段42に
記憶された基本画像の行方向のデータを、列方向にフィ
ルタリング処理するものである。
【0059】ここで、テンプレートフィルタ形状が実空
間上で略八角錐形状である実空間フィルタリング部40
について、そのフィルタリング機能について説明する。
この実空間フィルタリング部40は、実空間の1次元形
状が三角形をしている図13(a)に示す1次元フィル
タを、図10に示すように2次元に拡張したものと等価
である。図13(c)に示すように、行列(縦横)分離
型のフィルタで構成することで、高速化に有利となる。
なお、フィルタ係数の一例を図13(b),(c)に示
す。例えば、図13(a)に示すように実空間形状が三
角形である1次元フィルタを5点のものとすると、図1
3(b)に示すように左から順に「1,2,3,2,
1」の係数となる。図13(b)に示す行(横)方向の
1次元フィルタを列(縦)方向に並べると、図13
(c)の右上側に示すような2次元フィルタとなる。ま
た、図13(b)に示す行(横)方向の1次元フィルタ
を縦方向にしたもの、つまり上から順に「1,2,3,
2,1」の係数としたものを、行(横)方向に並べる
と、図13(c)の左上側に示すような2次元フィルタ
となる。そして、これらの2次元フィルタをその同一点
同士の係数をかけることで、図13(c)の下側に示す
ような、行列(縦横)分離型のフィルタ、つまり、実空
間上で略八角錐形状(略ピラミッド形状)であるテンプ
レートフィルタと等価な効果が得られる。
【0060】なお、図13に示してきた係数(「1,
2,3,4,6,9」)は、図14に説明するように、
重み度を示すものである。すなわち、図14(a)に示
すように、図13(b)に示す1次元フィルタが基本画
像の「A」〜「E」の画素に位置する場合に、それらの
画素の値を何倍するかを示している。具体的に、画素
「A」は図13(b)に示す1次元フィルタの係数
「1」にあるので「A」を1倍したもの、つまり「A」
のままとなり、画素「B」は図13(b)に示す1次元
フィルタの係数「2」にあるので「B」を2倍したも
の、つまり「2B」となり、画素「C」は図13(b)
に示す1次元フィルタの係数「3」にあるので「C」を
3倍したもの、つまり「3C」となり、画素「D」は図
13(b)に示す1次元フィルタの係数「2」にあるの
で「D」を2倍したもの、つまり「2D」となり、画素
「E」は図13(b)に示す1次元フィルタの係数
「1」にあるので「E」を1倍したもの、つまり「E」
のままとなる。
【0061】図13(c)の下側に示すような、行列
(縦横)分離型のフィルタ、つまり、実空間上で略八角
錐形状(略ピラミッド形状)であるテンプレートフィル
タは、列(縦)方向と行(横)方向とに分離すると、図
14に示すように、前述の第1実施例での移動平均のア
ルゴリズムの延長で計算でき、フィルタリング処理にお
ける重複する演算(加算)を繰り返し実行することがな
いように演算量を軽減することができる。
【0062】すなわち、第1の1次元フィルタブロック
51は、図14(b)に示すように、更新される部分の
うちで新たに加えられる、三角形状の下がり勾配部分の
画素の値を生成する。図14(b)では、更新される部
分のうちで新たに加えられる、三角形状の下がり勾配部
分の画素の値は、「D+E+F」である。
【0063】また、第2の1次元フィルタブロック52
は、図14(b)に示すように、更新される部分のうち
で削除される、三角形状の上がり勾配部分の画素の値を
生成する。図14(b)では、更新される部分のうちで
削除される、三角形状の上がり勾配部分の画素の値は、
「A+B+C」である。
【0064】図13(b)に示す1次元フィルタが基本
画像の「A」〜「E」の画素に位置する場合には、図1
4(a)に示すように、重み付けされたもの「A+2B
+3C+2D+E」が得られる。次に、図13(b)に
示す1次元フィルタが画素1つ分移動して基本画像の
「B」〜「F」の画素に位置する場合には、図14
(a)に示したものから「A+B+C」を引くとともに
「D+E+F」を加えることで、図14(b)に示すよ
うに、重み付けされたもの「B+2C+3D+2E+
F」が得られる。したがって、図13(b)に示す1次
元フィルタが画素1つ分移動して基本画像の「B」〜
「F」の画素に位置する場合に、最初から正直に演算し
て、つまり、前回(図14(a)に示すもの)と今回
(図14(b)に示すもの)とで重複する演算を行なう
ことで、図14(b)に示す重み付けされたもの「B+
2C+3D+2E+F」を得る必要はない。次に、図1
3(b)に示す1次元フィルタがさらに画素1つ分移動
して基本画像の「C」〜「G」の画素に位置する場合に
は、同様に、図14(b)に示したもの「B+2C+3
D+2E+F」から「B+C+D」を引くとともに「E
+F+G」を加えて重み付けされたもの「C+2D+3
E+2F+G」が得られる。
【0065】このように、フィルタ移動によって更新さ
れる部分の加減算は、3画素分の加算および3画素の減
算のみであるので、この更新される部分の加減算を行な
うだけで良い。
【0066】次に、行方向三角形フィルタ41によっ
て、図14(b)に示す「B+2C+3D+2E+F」
を得る動作を、具体的に説明する。なおこの図14で
は、説明の便宜上、フィルタサイズを5点(TAP数=
5点)としているので、第1の1次元フィルタブロック
51の遅延回路62と、第2の1次元フィルタブロック
52の遅延回路62と遅延回路55との遅延量は、次に
示す式(3)により、それぞれ「3」に設定されてい
る。
【0067】これらの遅延回路のパラメータ(遅延量)
などがデジタルフィルタで言うところのTAP数に相当
する。TAP数を変えることで、しきい値周波数の値を
変更できる。なお、図14では、説明の便宜上、フィル
タサイズを5点としていたが、この第2実施例では、図
10に示すようにTAP数を51×51点とした場合に
は、第1の1次元フィルタブロック51の遅延回路62
と、第2の1次元フィルタブロック52の遅延回路62
と遅延回路55との遅延量は、「26」に設定される。
制御手段44は、第1の1次元フィルタブロック51の
累算回路63と、第2の1次元フィルタブロック52の
累算回路63と、累算回路54との累算値の初期化や、
第1の1次元フィルタブロック51の遅延回路62と、
第2の1次元フィルタブロック52の遅延回路62と遅
延回路55との遅延量の設定を行なう。
【0068】例えば、基本画像の「A」〜「F」が行方
向三角形フィルタ41に入力された時点での、この行方
向三角形フィルタ41の各構成での処理状況について見
てみる。第1の1次元フィルタブロック51の減算器6
1には「F」と「C」とが入力されて「F−C」が第1
の1次元フィルタブロック51の累算回路63に入力さ
れる。第1の1次元フィルタブロック51の累算回路6
3は、(「C+D+E」+「F−C」)により「D+E
+F」が出力される。また、遅延回路55の遅延量が
「3」であるので、第2の1次元フィルタブロック52
の減算器61には未だ「C」のみが入力されるだけで
「C」が第2の1次元フィルタブロック52の累算回路
63に入力される。第2の1次元フィルタブロック52
の累算回路63は、(「A+B」+「C」)により「A
+B+C」が出力される。減算器53では、第1の1次
元フィルタブロック51の累算回路63から出力された
「D+E+F」と、第2の1次元フィルタブロック52
の累算回路63から出力された「A+B+C」との減算
が行なわれ、(「D+E+F」−「A+B+C」)が出
力される。累算回路54は、前回の値「A+2B+3C
+2D+E」と、減算器53からの(「D+E+F」−
「A+B+C」)とを累算し、「B+2C+3D+2E
+F」を記憶手段42に出力する。
【0069】以上、上述した第2実施例では、実空間フ
ィルタリング部40は、実空間上で直線形状で表され、
略八角錐形状のテンプレートフィルタでもって、基本画
像の高周波数成分を実空間上で除去しており、更新され
る部分の加減算のみを行なえば良いので、前述の第1実
施例の場合と同等に、フィルタリングの演算量は、式
(2)で表され、この式(2)中にTAP数が含まれて
いないことから、フィルタサイズに依らずに一定量でし
かも、従来例の式(1)に比べて大幅に低減され、リア
ルタイムに近い短時間での処理が可能となる効果を有し
ている。さらに、この第2実施例では、次に説明する点
で、前述の第1実施例よりもさらに優れている。
【0070】すなわち、第2実施例のテンプレートフィ
ルタ形状(図10参照)は、前述の第1実施例のテンプ
レートフィルタ形状(図7参照)に比べて、理想的なテ
ンプレートフィルタ形状(図16参照)に近似している
ので、図15に示すように、前述の第1実施例の場合よ
りも、周波数特性に優れている。具体的には、前述の第
1実施例のテンプレートフィルタでは0.25lp/m
m(ラインペア/ミリ)付近でリンギング(MAXが
0.15程度の山)が生じているが、このようなリンギ
ングは第2実施例のテンプレートフィルタではかなり小
さくなっていて僅かに存在しているだけであることか
ら、前述の第1実施例に比べて、所定のしきい値周波数
以上の周波数成分を良好に除去できることがわかる。
【0071】また、しきい値周波数の値の変更が、遅延
回路の遅延量の調整で実現でき、演算量は増減しないた
め、しきい値周波数の値に依らず、低減した一定時間で
処理できる。したがって、所定の処理時間を確保したま
ま、しきい値周波数の値の変更の自由度が高いディジタ
ルサブトラクション装置が提供できる。
【0072】したがって、上述の略八角錐形状のテンプ
レートフィルタを用いた場合であっても、しきい値変更
手段7からしきい値周波数の変更指示(略八角錐形状の
テンプレートフィルタのフィルタサイズ変更指示)が入
力されると、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラ
クション像をモニタ4にリアルタイムに表示させること
ができる。
【0073】なお、この第2実施例では、実空間フィル
タリング部40のテンプレートフィルタ形状を、図10
に示すように、テンプレートフィルタのZ方向の少なく
とも中央から先細りの先端部にかけて八角錐形状で表さ
れるものとした略八角錐形状としているが、底面から先
細りの先端部までの全部を八角錐形状としても良い。
【0074】<第3実施例>図17は、第3実施例装置
の画像処理部の構成を示すブロック図である。この第3
実施例は、基本画像(ライブ像)の高周波数成分を強調
するための第2の周波数特性変換回路71を付設したこ
とを特徴とする。また、この第3実施例装置の周波数特
性変換回路32は、前述の第1,2実施例のような実空
間フィルタリング部32a,40を有するものではな
く、前記基本画像を構成する周波数成分を空間/周波数
変換処理で取り出し、所定のしきい値周波数以上の周波
数成分を除去し、これに周波数/空間変換処理を施し
て、前記基本画像から前記しきい値周波数以上の周波数
成分を除去した高周波数成分除去画像を得るものであ
る。この高周波数成分除去画像は、造影剤が投与された
血管像などの高周波数成分が除去された画像であり、こ
れをマスク像として用いる。前記の空間/周波数変換処
理としては、FFT(高速フーリエ変換)、カルーネン
・レーベ変換、DCT(離散コサイン変換)、アダマー
ル変換などの各変換方式がある。また、前記の周波数/
空間変換処理としては、前記空間/周波数変換処理の逆
変換(逆FFT、逆カルーネン・レーベ変換、逆DC
T、逆アダマール変換など)がある。
【0075】基本画像の高周波数成分を強調する処理
は、例えば、空間/周波数変換して得られた各基本画像
の周波数成分のうちの高周波数成分部分を増分させ、そ
れを周波数/空間変換することで実現できる。第2の周
波数特性変換回路71ではこのような処理を実現するよ
うに構成される。
【0076】これにより、関心物(例えば血管像)がよ
り強調されたサブトラクション像を得ることができる。
また、関心物(例えば血管像)がより強調されたサブト
ラクション像を得る場合であっても、しきい値変更手段
7からしきい値周波数の変更指示を入力することによ
り、しきい値周波数変更に係る新たなサブトラクション
像をモニタ4にリアルタイムに表示させることができ
る。なお、この第3実施例に係る特徴部分は、以下の第
4実施例にも同様に適用することができる。
【0077】<第4実施例>図18は、第4実施例装置
の画像処理部の構成を示すブロック図である。この第4
実施例は、複数回分の撮像で得られた基本画像の平均画
像を求める積分処理部81を付設したことを特徴とす
る。
【0078】積分処理部81は、図19(a)に示すよ
うに、第2の階調変換回路91と加算器92とメモリ9
3とで構成してもよいし、図19(b)に示すように加
算器92とメモリ93と除算器94とで構成してもよ
い。
【0079】例えば、N回分の撮像で得られた基本画像
の平均画像を求める場合、図19(a)の構成では、順
次与えられる基本画像の濃度(基本画像を構成する各画
素の濃度)を第2の階調変換回路91で1/Nにするよ
うに階調変換させ、加算器92で、メモリ93に記憶さ
れている加算画像に加算していく。ただし、最初の基本
画像が与えられるときには、メモリ93には何も記憶さ
れていない。
【0080】また、図19(b)の構成では、加算器9
2で、順次与えられる基本画像を、メモリ93に記憶さ
れている加算画像(最初の基本画像が与えられるときに
は、メモリ93には何も記憶されていない)に順次加算
していき、最後に、メモリ93に記憶されたN回分の基
本画像の加算結果を除算器94で1/Nにする。
【0081】このように、複数回分の撮像で得られた基
本画像の平均画像を求めることにより、基本画像のS/
N比を向上させることができ、この発明では、基本画像
からマスク像とライブ像を求めるので、マスク像とライ
ブ像のS/N比をまとめて向上させることができ、高画
質なサブトラクション像を得ることができる。また、高
画質なサブトラクション像を得る場合であっても、しき
い値変更手段7からしきい値周波数の変更指示を入力す
ることにより、しきい値周波数変更に係る新たなサブト
ラクション像をモニタ4にリアルタイムに表示させるこ
とができる。なお、周波数特性変換回路32に前述の第
1,2実施例の実空間フィルタリング部32aを備えた
場合には、しきい値変更手段7からしきい値周波数の変
更指示としてのフィルタサイズの変更指示を入力するこ
とにより、フィルタサイズ変更に係る新たなサブトラク
ション像がモニタ4にリアルタイムに表示される。
【0082】なお、例えば、ある撮像部位に対する1撮
像方向からのサブトラクション像を得る場合には、その
撮像部位に1方向からのみX線照射して基本画像を撮像
する動作をN回繰り返すことになる。従来装置において
も、マスク像やライブ像のS/N比を向上させるため
に、マスク像とライブ像をそれぞれ複数(N)回分撮像
し、各画像の平均画像を求めることがあるが、この場
合、被検体へのX線照射は、マスク像とライブ像を別々
に撮像するので、2×N回行うことになる。これに対し
てこの実施例では被検体へのX線照射は従来装置の半分
でよい。
【0083】また、被検体とX線透視装置との相対的な
位置関係を被検体の体軸方向に変位させながら、複数の
撮像部位のサブトラクション像を得る場合には、対象と
なる撮像部位の相前後する複数の撮像部位で撮像された
複数回分の基本画像からその対象となる撮像部位の平均
画像を求めるようにしてもよい。ある部位の周回方向に
X線管、撮像系を回転変位させながら複数の撮像方向か
らのサブトラクション像を得る場合も同様に、対象とな
る撮像方向の相前後する複数の撮像方向から撮像された
複数回分の基本画像からその対象となる撮像方向からの
平均画像を求めるようにしてもよい。これらの場合で
も、被検体へのX線曝射線量は従来の場合(従来装置で
同様の手順で平均画像を求める場合)の半分になる。
【0084】この発明は、上記の各実施例に限られるも
のではなく、下記のように変形実施することができる。
【0085】(1)上述の各実施例のディジタルサブト
ラクション装置における実空間フィルタリング32a,
40を汎用チップでもってソフトウエア的に実現するこ
ともできる。
【0086】(2)上述の各実施例のディジタルサブト
ラクション装置は、上述の各実施例のように、被検体M
を人体などとして医療用に用いることもできるし、被検
体MをBGA(Ball Grid Array)基板やプリント配線
基板など各種の電子部品などとして非破壊検査用に用い
ることもできる。
【0087】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載のディジタルサブトラクション装置によれば、
サブトラクション像を表示する表示手段と、与えられた
変更指示に従ってしきい値周波数を変更するしきい値周
波数変更手段とを備えているので、しきい値周波数の変
更指示により、しきい値周波数変更に係る新たなサブト
ラクション像が表示手段に表示されるので、適正なしき
い値を対話的に設定することができ、表示手段に表示さ
れるサブトラクション像をモニタリングしながら好適な
サブトラクション像を得ることができる。
【0088】また、請求項2に記載のディジタルサブト
ラクション装置によれば、基本画像の高周波数成分を強
調した高周波数成分強調画像を得て、この高周波数成分
強調画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクション
を行ってサブトラクション像を求めるので、関心物(例
えば血管像)がより強調されたサブトラクション像を得
ることができる。また、関心物がより強調されたサブト
ラクション像を得る場合であっても、しきい値周波数の
変更により、好適なサブトラクション像を得ることがで
きる。
【0089】また、請求項3に記載のディジタルサブト
ラクション装置によれば、複数回数分の撮像で得られた
基本画像の平均画像を求め、この平均画像をライブ像と
して用いるとともに、このライブ像(平均画像)から高
周波数成分除去画像を得て、ライブ像(平均画像)から
マスク像(平均画像から得られた高周波数成分除去画
像)をサブトラクションしてサブトラクション像を求め
るので、ライブ像及びマスク像のS/N比を向上させる
ことができ、高画質なサブトラクション像を得ることが
できる。また、高画質なサブトラクション像を得る場合
であっても、しきい値周波数の変更により、好適なサブ
トラクション像を得ることができる。
【0090】また、請求項4に記載のディジタルサブト
ラクション装置によれば、実空間上で直線形状で表され
るテンプレートフィルタでもってフィルタリングするの
で、フィルタ移動によって更新される部分についての加
減算のみを行なうだけで良く、フィルタサイズに依らず
にそのフィルタリングの演算量を一定量に低減でき、リ
アルタイムに近い短時間での処理ができ、しきい値周波
数の変更により、リアルタイムに好適なサブトラクショ
ン像が得られる。
【0091】また、請求項5に記載のディジタルサブト
ラクション装置によれば、実空間フィルタリング部のテ
ンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,Y,Z
軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、
X,Y軸方向をテンプレートフィルタの矩形形状の底面
大きさとし、Z軸方向を前記テンプレートのゲインとし
た四角柱形状で表されるものとしているので、フィルタ
移動によって更新される部分についての加減算のみを行
なうだけで良く、フィルタサイズに依らずにそのフィル
タリングの演算量を一定量に低減でき、リアルタイムに
近い短時間での処理が可能となる。また、しきい値周波
数の変更により、リアルタイムに好適なサブトラクショ
ン像が得られる。
【0092】また、請求項6に記載のディジタルサブト
ラクション装置によれば、実空間フィルタリング部のテ
ンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,Y,Z
軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、
X,Y軸方向をテンプレートフィルタの矩形形状の底面
大きさとし、Z軸方向をテンプレートのゲインとし、Z
軸方向に先細りとなる立体形状であって、かつ、テンプ
レートフィルタのZ方向の少なくとも中央から先細りの
先端部にかけて角錐形状で表されるものとしているの
で、フィルタ移動によって更新される部分についての加
減算のみを行なうだけで良く、フィルタサイズに依らず
にそのフィルタリングの演算量を一定量に低減でき、リ
アルタイムに近い短時間での処理が可能となる。また、
しきい値周波数の変更により、リアルタイムに好適なサ
ブトラクション像が得られる。さらに、前述の請求項5
に記載の四角柱形状の場合よりも、高周波数成分を除去
する周波数特性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係るディジタルアンギ
オグラフィ装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】X線透視装置を側面から見た図である。
【図3】第1実施例装置に備えられた画像処理部の構成
を示すブロック図である。
【図4】ある1箇所の撮像部位のサブトラクション像を
得る場合の動作を説明するための図である。
【図5】被検体の体軸方向の複数の撮像部位のサブトラ
クション像を得る場合の動作を説明するための図であ
る。
【図6】ある部位に対する複数の撮像方向からのサブト
ラクション像を得る場合の動作を説明するための図であ
る。
【図7】第1実施例のテンプレートフィルタ形状を示す
模式図である。
【図8】第1実施例の移動平均フィルタ法を説明するた
めの模式図である。
【図9】第1実施例の移動平均フィルタの計算アルゴリ
ズムを説明するための模式図である。
【図10】第2実施例のテンプレートフィルタ形状を示
す模式図である。
【図11】この発明の第2実施例に係る実空間フィルタ
リング部のブロック図である。
【図12】この発明の第2実施例に係る行方向三角形フ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図13】(a)〜(c)は第2実施例のピラミッド形
フィルタを説明するための模式図である。
【図14】(a)、(b)は第2実施例のピラミッド形
フィルタの計算アルゴリズムを説明するための模式図で
ある。
【図15】各種フィルタの周波数特性を示す特性図であ
る。
【図16】従来のガウス関数形状で表される理想的なテ
ンプレートフィルタ形状を示す模式図である。
【図17】第3実施例装置の画像処理部の構成を示すブ
ロック図である。
【図18】第4実施例装置の画像処理部の構成を示すブ
ロック図である。
【図19】(a),(b)は第4実施例の積分処理部の
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 … X線透視装置 3 … 画像処理部 4 … モニタ 7 … しきい値変更手段 31 … A/D変換器 32 … 周波数特性変換回路 33 … 遅延回路 34 … 演算器 32a… 実空間フィルタリング部 40 … 実空間フィルタリング部 71 … 第2の周波数特性変換回路 81 … 積分処理部 M … 被検体 SB … 撮像部位
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61B 6/00 350N

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の所定の撮像部位のサブトラクシ
    ョン像を得るためのディジタルサブトラクション装置で
    あって、(a)前記撮像部位にX線を照射し、その部位
    のX線透過像を撮像するX線透視手段と、(b)前記X
    線透過像をディジタルデータに変換するデータ変換手段
    と、(c)前記ディジタルデータに変換されたX線透過
    像(以下、基本画像という)から所定のしきい値周波数
    以上の周波数成分を除去した画像(以下、高周波数成分
    除去画像)を得る周波数特性変換手段と、(d)前記基
    本画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクションを
    行い、その撮像部位のサブトラクション像を求める演算
    手段と、(e)前記演算手段への基本画像の供給を遅ら
    せて、前記基本画像と高周波数成分除去画像とを前記演
    算手段に同期して供給させる遅延手段と、(f)サブト
    ラクション像を表示する表示手段と、(g)与えられた
    変更指示に従って前記のしきい値周波数を変更するしき
    い値周波数変更手段とを備えたことを特徴とするディジ
    タルサブトラクション装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のディジタルサブトラク
    ション装置において、前記基本画像の高周波数成分を強
    調した画像(以下、高周波数成分強調画像という)を得
    る第2の周波数特性変換手段を備え、前記演算手段は、
    前記基本画像と高周波数成分除去画像とのサブトラクシ
    ョンを行うのではなく、前記高周波数成分強調画像と前
    記高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行うこ
    とで、その撮像部位のサブトラクション像を求めること
    を特徴とするディジタルサブトラクション装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のディジタルサブトラク
    ション装置において、前記ディジタルデータに変換され
    たX線透過像(以下、基本画像という)を順次取り込
    み、複数回数分の撮像で得られた基本画像の平均画像を
    求める積分処理手段を備え、前記周波数特性変換手段
    は、前記平均画像から所定のしきい値周波数以上の周波
    数成分を除去した画像(以下、高周波数成分除去画像)
    を得るようにし、前記演算手段は、前記平均画像と前記
    高周波数成分除去画像とのサブトラクションを行い、撮
    像部位のサブトラクション像を求めることを特徴とする
    ディジタルサブトラクション装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項3に記載のディジ
    タルサブトラクション装置において、前記周波数特性変
    換手段は、実空間上で直線形状で表されるテンプレート
    フィルタでもって前記基本画像の高周波数成分を実空間
    上で除去する実空間フィルタリング部を備えたことを特
    徴とするディジタルサブトラクション装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のディジタルサブトラク
    ション装置において、前記実空間フィルタリング部のテ
    ンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,Y,Z
    軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、
    X,Y軸方向を前記テンプレートフィルタの矩形形状の
    底面大きさとし、Z軸方向を前記テンプレートのゲイン
    とした四角柱形状で表されるものであることを特徴とす
    るディジタルサブトラクション装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のディジタルサブトラク
    ション装置において、前記実空間フィルタリング部のテ
    ンプレートフィルタ形状は、互いに直交するX,Y,Z
    軸で表される、実空間上の3次元直交座標系において、
    X,Y軸方向を前記テンプレートフィルタの矩形形状の
    底面大きさとし、Z軸方向を前記テンプレートのゲイン
    とし、Z軸方向に先細りとなる立体形状であって、か
    つ、前記テンプレートフィルタのZ方向の少なくとも中
    央から先細りの先端部にかけて角錐形状で表されるもの
    であることを特徴とするディジタルサブトラクション装
    置。
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