JP2002333428A - 希土類元素を含む電極及び該電極を備えた電気化学セル - Google Patents

希土類元素を含む電極及び該電極を備えた電気化学セル

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JP2002333428A
JP2002333428A JP2001137463A JP2001137463A JP2002333428A JP 2002333428 A JP2002333428 A JP 2002333428A JP 2001137463 A JP2001137463 A JP 2001137463A JP 2001137463 A JP2001137463 A JP 2001137463A JP 2002333428 A JP2002333428 A JP 2002333428A
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rare earth
earth element
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Tadashi Inaba
忠司 稲葉
Jiro Sakata
二郎 坂田
Masayoshi Masuoka
優美 増岡
Keiichi Saji
啓市 佐治
Tadashi Nakamura
忠司 中村
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Toyota Central R&D Labs Inc
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望するレベルのイオン化活性を維持しつつ
酸化触媒作用は実質的に存在しないかその活性が実用上
無視し得る程度でしかない電極と、その電極を備えた電
気化学セルを提供すること。 【解決手段】 本発明の電極(11)は、希土類元素単
体及び/又は希土類元素を含む酸化物(13)と、P
t、Pd、Rh、Ir、Ru、Ag、Ni及びAuから
成る群から選択される一種又は二種以上の金属又はそれ
らの合金(12)とから実質的に構成されている。ま
た、本発明の電気化学セル(1)は、酸素イオン導電性
を有する固体電解質(15)上にそのような電極を少な
くとも一つ備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、酸素ポンプセル
や種々のガス検知センサ等に適用し得る電極及び該電極
を備えた電気化学セルに関し、そのような電極及び電気
化学セルを製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 固体電解質に一対の電極を形成して成
る電気化学セルが種々の用途に利用されている。例え
ば、酸素イオンによる導電性(以下「酸素イオン導電
性」という。)を有する固体電解質(安定化ジルコニア
等)を主体に構築された電気化学セルは、いわゆる酸素
センサとして自動車用エンジンの空燃比制御等に利用さ
れている。また、自動車の排ガス浄化システムや燃料電
池システムにおいて、かかる電気化学セルを可燃性ガス
(炭化水素等)センサや触媒劣化検知センサ及び発電デ
バイスとして利用することが検討されている。
【0003】この種の技術として例えば特表平8−51
0561号公報及び特表平8−510840号公報に
は、酸素イオン導電性固体電解質上に典型的な高触媒活
性電極であるPt電極と、PtにBiを含有させて低触
媒活性とした電極とを形成して成るガスセンサ(セル)
が記載されている。このセンサによると、両電極の触媒
活性の差により生じる起電力を検出し、その値に基づい
て被検ガス中に存在する所定のガス成分(酸素、窒素酸
化物(NOx)等)の濃度を検知・測定することができる。
また、特開平8−247995号公報には、酸素イオン
導電性固体電解質を主体に構築された酸素ポンプセルを
各々有する2つの空間(前室及び後室)を設けたことを
特徴とする可燃性ガス濃度測定装置が開示されている。
この装置では、装置内の前室に導入した被検ガスから第
1の酸素ポンプセルを介して酸素を排出し、次いで後室
へ送られた被検ガス中の可燃性ガスを燃焼させるために
第2の酸素ポンプセルを介して送り込まれた酸素量(ポ
ンプ電流)に基づいて可燃性ガス濃度を測定する。この
ような測定手段によると、被検ガス中の酸素濃度変化の
影響を受けることなく目的とする可燃性ガス成分の濃度
を測定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 上述したような電気
化学セルの適用範囲(例えば使用可能温度域)をこれま
でよりも拡大したり、或いは、より高感度なガスセンサ
や酸素ポンプセルを開発するためには、固体電解質上に
形成される電極の性状に着目する必要がある。電極の特
性(例えばイオン化活性の程度や触媒作用の強弱)に応
じて、固体電解質への酸素イオンの取込み速度やその拡
散・移動の効率が異なるからである。例えば、上記公報
に記載のBi含有Pt電極は、Biの融点が低く、長時
間高温域で使用することが困難である。また、上述の可
燃性ガス濃度測定装置の酸素ポンプセルに形成されてい
る一対の電極はいずれも可燃性ガスの燃焼(酸化)を促
す触媒活性が比較的高い。かかる触媒作用による可燃性
ガスの燃焼(酸化)作用は、当該酸素ポンプセルを搭載
した可燃性ガス濃度測定装置による可燃性ガスの正確な
定量検知を阻害する要因となり得、好ましくない。この
ことに関し、特開平11−271269号公報には、可
燃性ガスに影響を与えることなく酸素のみを汲み出し得
る電極を備えた電気化学セル(酸素ポンプセル)を搭載
した炭化水素ガス検出装置が記載されている。しかし、
この公報に記載されている電極は、Ptに比べイオン化
活性が低いことからセルに流せる電流が小さい。従っ
て、より高性能な炭化水素ガス検出装置等を開発するに
は、かかる能力を向上させて利用可能な酸素濃度域を拡
大するとともに炭化水素ガス検出感度の向上を図るべ
く、セルに備えられた電極自体の改良が望まれている。
【0005】そこで本発明は、従来の電気化学セルに関
する上記課題を解決するべく創出されたものであり、そ
の目的とするところは、比較的高温条件下でも所望する
レベルのイオン化活性を維持し得、且つ、酸化触媒作用
は実質的に存在しないかその活性が実用上無視し得る程
度でしかない電極を提供することである。また、そのよ
うな電極を製造する方法を提供することである。また、
本発明の他の目的は、そのような電極を備えた電気化学
セル及びその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】 本発明
によって提供される電極は、希土類元素単体及び/又は
希土類元素を含む酸化物と、Pt、Pd、Rh、Ir、
Ru、Ag、Ni及びAuから成る群から選択される一
種又は二種以上の金属又はそれらの合金とから実質的に
構成された電極である。好ましくは多孔質の電極であ
る。かかる構成の電極は、上記金属又は合金を含有する
ことによって比較的高いイオン化活性(酸素に電荷を与
えてイオン化する機能をいう。以下同じ。)を維持する
ことができる。さらに、希土類元素単体及び/又は希土
類元素を含有する酸化物を含むことによって、上記金属
又は合金が本来的に有している触媒作用(典型的には酸
化触媒作用又は還元触媒作用)を抑止又はその活性を実
用上無視し得るレベルにまで低下することができる。
【0007】かかる二つの作用効果を奏する結果、本発
明の電極を安定化ジルコニア等の固体電解質上に形成す
ると、以下に列挙する使用形態の電気化学セルを構築す
ることができる。すなわち、 (1).所定の電圧を印加した際に、可燃性ガス(例えば炭
化水素、水素、一酸化炭素のいずれか)を含む被検ガス
中から当該可燃性ガスに影響(典型的には酸化・燃焼反
応)を及ぼすことなく酸素を選択的に汲み出すポンプセ
ル、或いは拡散律速のもと、酸素の選択的汲み出しの程
度に応じてセルに流れる電流値に基づいて酸素濃度を検
知する酸素センサ。 (2).所定の電圧を印加した際に、窒素酸化物ガス(N
Ox)を含む被検ガス中から当該窒素酸化物ガスに影響
(典型的には酸化又は還元反応)を及ぼすことなく、酸
素を選択的に汲み出すポンプセル、或いは拡散律速のも
と、酸素の選択的汲み出しの程度に応じてセルに流れる
電流値に基づいて被検ガス中の酸素濃度を検知する酸素
センサ。 (3).酸化触媒作用を奏する電極とペアで本発明の電極を
用いることにより、両電極間で可燃性ガス(例えば炭化
水素、水素及び一酸化炭素のいずれか)の酸化反応(燃
焼)差による酸素濃度差を生じさせるとともに、その際
に得られる起電力を利用して当該可燃性ガスの濃度を検
知する可燃性ガスセンサ又は該起電力を利用した燃料電
池。
【0008】また、本発明の電極は、比較的高融点の金
属(又は合金)及び希土類(単体又は化合物)で実質的
に構成されているため、比較的高温条件下での使用を可
能とする。このため、内燃機関の高温排ガス中に含まれ
る酸素ガス、炭化水素等の可燃性ガス、NO等の濃度
を検出する用途に好ましく使用することができる。さら
に高温条件下でも高いイオン活性を保持し得る結果、高
温排ガス中の数百ppm以下程度の低濃度炭化水素ガス
成分を、酸素濃度に影響されることなく、迅速且つ高感
度で測定することができる電気化学セルを構築すること
ができる。
【0009】本発明の電極として好ましいものの一つ
は、上記一種又は二種以上の金属又はそれらの合金から
実質的に構成された部分と、その表面に形成された上記
希土類元素単体及び/又は希土類元素を含む酸化物から
成る被覆層とを有する。この構成の電極によると、高イ
オン化活性の維持と触媒作用の抑止又はその活性の低減
をより高いレベルで実現することができる。また、本発
明の電極として好ましいものの他の一つは、上記希土類
元素としてPr及び/又はTbを含む。これら特定の希
土類元素の単体または化合物を含むことにより、共存す
る金属又は合金の触媒作用を特に効果的に抑止又はその
活性を低下させることができる。
【0010】また、本発明は、少なくとも一対の電極
と、酸素イオン導電性を有する固体電解質とを備え、そ
れら電極の少なくとも一つが上述した本発明の電極のい
ずれか(好ましくは多孔質電極)であることを特徴とす
る電気化学セルを提供する。本発明の電気化学セルは、
イオン化活性が高く且つ所定の触媒作用を抑止又はその
活性を実用上無視し得るレベルにまで低下させた電極を
備えているため、従来よりも高感度のセンサや高効率の
酸素ポンプセルとして用いることができる。典型的に
は、上記(1).又は(2).に示したような形態(ポンプセ
ル、酸素センサ等)で使用することができる。
【0011】本発明の電気化学セルとして好ましい一つ
のものは、上記少なくとも一つの電極(即ち本発明の電
極)と対になる電極が、酸化触媒又は還元触媒として機
能する金属又は合金から実質的に構成されている。この
構成の電気化学セルによると、比較的幅広い酸素濃度
(酸素分圧)条件下で、上記一対の電極間の触媒活性の
差に基づく高い起電力を生じさせることができる。この
ため、従来よりも高感度のガスセンサや高効率の燃料電
池に利用することができる。典型的には、上記(3).に示
したような形態(可燃性ガスセンサ、燃料電池等)で用
いることができる。
【0012】また、本発明によって、上述した本発明の
電極を好適に製造する方法が提供される。すなわち、本
発明の電極製造方法の一つは、(a).希土類元素単体及び
/又は希土類元素を含む化合物の粉状物と、Pt、P
d、Rh、Ir、Ru、Ag、Ni及びAuから成る群
から選択される一種又は二種以上の金属又はそれらの合
金から成る粉状物とを含む電極形成用材料を調製する工
程と、(b).その材料を所定の形状にして焼成する工程と
を包含する。この製造方法(以下「本発明の第1の電極
製造方法」という。)によると、上記金属又は合金と希
土類元素単体及び/又は希土類元素を含む酸化物とが混
合した電極を製造することができる。
【0013】また、本発明の電極製造方法の他の一つ
は、(A).Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Ag、Ni及
びAuから成る群から選択される一種又は二種以上の金
属又はそれらの合金から成る粉状物を含む電極形成用材
料を調製する工程と、(B).その材料を所定の形状にして
焼成する工程と、(C).その焼成物の表面の少なくとも一
部を希土類元素単体及び/又は希土類元素を含む化合物
で被覆する工程とを包含する。この製造方法(以下「本
発明の第2の電極製造方法」という。)によると、上記
金属又は合金から実質的に構成された部分(以下「金属
コア部」という。)と、その表面に形成された前記希土
類元素単体及び/又は希土類元素を含む酸化物から成る
被覆層とを有する電極を製造することができる。
【0014】また、本発明の第1及び第2の製造方法と
して特に好ましいものは、希土類元素としてPr及び/
又はTbを含む方法である。これら特定の希土類元素を
含む材料から製造された電極は、上記金属又は合金が本
来有している触媒作用を特に効果的に抑止又はその活性
を低下することができる。
【0015】なお、本発明の第1及び第2の製造方法に
よって所定の形状(典型的には薄膜形状、モノリス形
状、ハニカム形状)の電極を種々の形状の安定化ジルコ
ニア等の酸素イオン導電性固体電解質上に製造すること
によって、本発明の電気化学セルを好適に製造すること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好適な実施形態
を詳細に説明する。先ず、本発明の電極について説明す
る。本発明の電極は、希土類元素単体及び/又は希土類
元素を含む酸化物と、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、
Ag、Ni及びAuから成る群から選択される一種又は
二種以上の金属又はそれらの合金とから実質的に構成さ
れておればよく、電極自体のイオン化活性、触媒作用の
抑制、導電性等に悪影響を及ぼさない限りにおいて種々
の微量成分(例えば他の金属元素やセラミック成分)を
含有していてもよい。
【0017】本発明の電極を構成する金属成分として
は、高導電性であるか又はイオン化活性が高いものが好
ましい。高融点のものが特に好ましい。そのような金属
として、白金族元素(典型的にはPt、Pd及びR
h)、それ以外の貴金属(典型的にはAu及びAg)、
高導電性及び/又はイオン化活性が高い卑金属(例えば
Ni)が挙げられる。また、それらの合金でもよい。高
導電性であり且つイオン化活性が高い合金が好ましい。
本発明の電極の金属成分として好ましいものは、Pt、
Pd、Rh、Ag、Au及びNiから成る群から選択さ
れる一種又は二種以上の金属又はそれらの合金である。
本発明の電極を酸素ポンプセル、酸素センサ、可燃性ガ
スセンサ等の電極として用いる場合は、Pt或いはP
t、Pd若しくはRhを含む合金が特に好適である。本
発明の電極をNOセンサ等の電極として用いる場合は
Au或いはAuやAgを含む合金、特にPtとAuとの
合金が好ましい。
【0018】また、本発明の電極に含有させ得る希土類
元素を含む酸化物としては、希土類酸化物、希土類を固
溶させた酸素イオン導電性固体電解質、導電性酸化物に
希土類を添加した化合物(例えば(La,Sr)MnO
3 )等が挙げられる。La、Ce、Pr、Nd、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及び
Luから成る群から選択される希土類元素から成る単体
又はその酸化物が好ましい。Pr又はTbの単体やそれ
らの酸化物を含むものが特に好ましい。
【0019】本発明の電極では、金属成分のイオン化活
性を所定のレベルに維持しつつ、当該金属成分の触媒作
用を実質的に失わせるか或いはその活性を実用上支障の
ない程度にまで低下させ得る限りにおいて、希土類元素
単体及び/又は希土類元素を含む酸化物の含有率を特に
制限するものではない。本発明の電極のほぼ全体を上記
金属成分と希土類元素単体及び/又は希土類元素を含む
酸化物との混合体とする場合には、かかる含有率を電極
全体の0.5〜80wt%とするのがよく、1〜70wt%
とするのが好ましい。また、上記金属コア部の表面に希
土類元素単体及び/又は希土類元素を含む酸化物の被覆
層を形成する場合には、かかる含有率を電極全体の0.
1〜20wt%とするのが好ましい。
【0020】次に、本発明の電極の製造方法について説
明する。なお、以下で詳述する具体的な内容以外の条件
設定や補助的処理工程の追加は、電極および電気化学セ
ルの製造分野で一般的に行われているものであれば特に
制限されない。上述した本発明の第1及び第2の製造方
法によると、多孔質形状の本発明の電極を好適に製造す
ることができる。先ず、本発明の第1の製造方法に係る
一典型例を以下に説明する。上記(a).工程即ち電極形成
用材料の調製工程は、典型的には、希土類元素単体及び
/又は希土類元素を含む化合物の粉状物(微粒子状、フ
レーク状を包含する。以下同じ。)と、Pt、Pd、R
h、Ir、Ru、Ag、Ni及びAuから成る群から選
択される一種又は二種以上の金属又はそれらの合金から
成る粉状物とを所定の重量比又はモル比となるようにビ
ヒクルに添加し、よく攪拌することによって行われる。
これにより、ペースト状の電極形成用材料が得られる。
配合する粉状物としては、平均粒径が概ね0.1〜10
0μmのものが好ましい。また、希土類元素を含む化合
物としては、各種希土類元素の酸化物、硝酸塩、炭酸塩
等が挙げられる。
【0021】次いで、上記(b).工程即ち形状化及び焼成
工程を従来の電極形成プロセスと同様の手法により行
う。例えば、所定のセラミック基材上に上記ペーストを
スクリーン印刷法等に基づいて所定のサイズ・厚みに塗
布し、それを適当な焼成温度(例えば800〜1600
℃)で焼成する。これにより、薄膜形状の多孔質電極が
セラミック基材上に形成される。このとき、かかる基材
としてジルコニア等の酸素イオン導電性固体電解質を使
用することによって電極形成と同時に電気化学セルの製
造を行うことができる。例えば、MgO、CaO、Y2
3等を適宜添加して安定化したジルコニアから成るグ
リーンシートの表面に上記ペーストを塗布し、それを所
定の焼成温度(1400〜1600℃)で焼成すること
によって、焼成ジルコニア上に本発明の多孔質電極が焼
結・形成された電気化学セルを製造することができる。
【0022】次に、本発明の第2の製造方法に係る一典
型例を説明する。上記(A).工程即ち電極形成用材料の調
製工程は、上記(a).工程と同様、Pt、Pd、Rh、I
r、Ru、Ag、Ni及びAuから成る群から選択され
る一種又は二種以上の金属又はそれらの合金から成る粉
状物を所定のビヒクルに添加し、よく攪拌することによ
って行われる。これにより、ペースト状の電極(金属コ
ア部)形成用材料が得られる。次いで、上記(B).工程即
ち形状化及び焼成工程を、上記(b).工程と同様に行う。
これにより、薄膜形状に焼成された多孔質金属コア部が
セラミック基材上に形成される。次いで、上記(C).工程
即ち被覆層形成工程が行われる。この工程は、例えば、
希土類化合物(硝酸塩、炭酸塩等)の溶液を金属コア部
の表面に塗布し、次いで700〜1000℃程度に加熱
することにより行われる。あるいは、金属コア部の表面
に種々のメッキ処理を施してもよい。例えば、(A).及び
(B).工程によって金属コア部が表面に形成された安定化
ジルコニア等の固体電解質を塩化プラセオジム(PrCl3)
等の希土類塩化物の水溶液に浸すとともに、金属コア部
と別途用意した電極との間に電圧を印可し通電する。こ
の電解メッキ処理により、金属コア部表面にPr等の希
土類元素単体を被覆することができる。メッキ処理後、
洗浄して700〜1000℃程度で加熱処理することに
より、金属コア部と被覆層とから成る本発明の電極を製
造することができる。同時に、当該電極が形成された本
発明の電気化学セルが得られる。
【0023】次に、本発明の電気化学セルについて説明
する。本発明の電気化学セルを構成する固体電解質とし
ては、酸素イオン導電性を示すものであれば特に制限な
く使用することができる。かかる酸素イオン導電性固体
電解質の典型例としては、ジルコニウム系固体電解質
(典型的にはZrO2−M23固溶体又はZrO2−MO
固溶体:ここでMはY、Yb、Gd、Ca又はMgが好
ましい)、セリア系固体電解質(典型的にはCeO2
23固溶体又はCeO2−M固溶体:ここでMはY又
はSmが好ましい)が挙げられる。自動車等の内燃機関
からの高温排ガスを被検ガスとした場合の安定性と酸素
イオン導電性の観点からジルコニウム系固体電解質が好
ましく、3〜8mol%のY23を固溶させた安定化ジル
コニアが特に好ましい。
【0024】本発明によって提供される電気化学セル
は、上述した本発明の電極を備えることで特徴付けられ
るものであり、当該電極を備える限り、セル自体の形状
や電極の配置状況等に特に制限はない。すなわち、セル
の外形や電極の形成・配置部位等は、その電気化学セル
の目的・用途に応じて適宜決められるものであり、当業
者の設計事項にすぎない。例えば、本発明の電気化学セ
ルは、図1〜図4に模式的に示すような形状や電極配置
をとり得る。図1及び図2に示す電気化学セル1,2
は、フラットなプレート形状の酸素イオン導電性固体電
解質15,25の両面にそれぞれ膜状の多孔質電極1
1,17,21,27が焼結して形成されたものであ
る。これらの図において、固体電解質15,25の上面
側には、Pt等の金属成分12と酸化プラセオジムや酸
化テルビウム等から成る希土類酸化物成分13とから実
質的に構成された本発明の電極11,21が焼結して形
成されている。このうち図1に記載のものは、金属成分
12と希土類酸化物成分13との混成電極(以下「希土
類混合電極」という。)11である。また、図2に記載
のものは、金属コア部22と希土類酸化物等の被覆層2
3とから成る希土類被覆電極21である。
【0025】他方、固体電解質15,25の反対面に
は、本発明の電極11,21と対になる電極17,27
が形成されている。特に限定するものではないが、かか
る電極17,27を比較的高い酸化触媒活性または還元
触媒活性を有する金属又は合金(例えばPt、Pd)に
よって形成することにより、本形態のセル1,2を酸素
ポンプセルとして或いは各種ガスセンサ(酸素センサ、
可燃性ガスセンサ、NO センサ等)として好適に用い
ることができる。すなわち、固体電解質15,25を隔
壁として、本発明の電極11,21に面する空間(又は
ガス流路)と、対となる電極17,27に面する空間
(又はガス流路)とを隔離する装置(後述する図5参
照)を構築する。ここで、各空間又は流路へのガス流入
(拡散)は、ガスの流動及び拡散を制御するのに好まし
い小孔を有する隔壁或いは好ましい孔径サイズを有する
多孔質の拡散制御材(多孔質アルミナ等、図5の52,
53,55,56)によって制御されていることが好ま
しい。また、本発明の多孔質電極をガス拡散制御体に用
いる場合は、拡散制御材(図5の52,53,55,5
6)を用いずにセルを構成できる。本発明の電極11,
21から電極17,27に酸素イオンが伝導していくよ
うに両電極間に電圧を印加すると、本発明の電極11,
21側空間(又はガス流路)に含まれる可燃性ガスと酸
素のうち、酸素を選択的に電極17,27側空間(又は
ガス流路)へ汲み出すことができる。これにより、可燃
性ガスに影響を与えることなく電極11,21側空間
(又はガス流路)の酸素濃度を制御できる。また、拡散
制御が十分な場合、得られる飽和電流(限界電流)から
電極11,21側空間(又はガス流路)の酸素濃度を測
定することができる。更に、高触媒活性電極17,27
側空間が可燃性ガスと酸素を含む場合、可燃性ガスの燃
焼(酸化)差に基づき、本発明の電極11,21との間
に起電力が発生する。この起電力から可燃性ガスの濃度
を測定することもできる。なお、固体電解質15,25
を隔壁としてその両側又は一方の側に被検ガスを流し得
る隔離空間を設けたガス濃度測定装置自体の構成やその
構築手段は、上述の公報類にも詳しく記載されており、
当該分野における公知技術でもあるので、詳細な説明は
省略する。
【0026】次に、図3及び図4に示す電気化学セル
3,4について簡単に説明する。これらのセルは、フラ
ットなプレート形状の酸素イオン導電性固体電解質3
5,45の一方の面に少なくとも一対の多孔質電極3
1,37,41,47が形成されていることを特徴とす
る。なお、図3の電極31は、図1における電極11と
同様の金属成分32と希土類酸化物成分33とから成る
希土類混合電極31(本発明の電極)である。電極37
はそれと対になる電極であり図1の電極17に相当す
る。また、図4の電極41は、図2における電極21と
同様、金属コア部42と被覆層43とから成る希土類被
覆電極41である。電極47はそれと対になる電極であ
り、図2の電極27に相当する。このような形態のセル
3,4も、被検ガス中に含まれる炭化水素等の可燃性ガ
スを検知・測定するセンサとして好適に用いることがで
きる。すなわち、これら電極31,37,41,47に
面する空間を装置内の被検ガス流路とする装置を構築す
る。而して、その被検ガス流路に可燃性ガス(炭化水素
ガス等)と酸素を含む被検ガスを流した際には、高触媒
活性電極37,47で生じる可燃性ガスの燃焼(酸化)
に基づいて電極間で発生する起電力に基づいて被検ガス
中の可燃性ガス濃度を測定することができる。
【0027】
【実施例】 以下、本発明に関するいくつかの実施例を
説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定す
ることを意図したものではない。
【0028】<実施例1:電気化学セルの作製(1)>
平均粒径1μmの白金(Pt)粉と、平均粒径10μmの酸
化プラセオジム(Pr6O1 1)を用いて、PtとPr611
重量比1:1となるような電極形成用ペーストを調製し
た。すなわち、最終的な濃度(重量比)がPt粉20wt
%、Pr611粉20wt%、バインダー(ここではセル
ロースを使用した)3wt%および残部が溶剤(ここでは
エーテル及び酸性溶液を使用した)となるように各原料
を秤量し、三本ロールミルを用いて混練することによっ
て、希土類混合電極形成用ペーストを調製した。また、
最終的な濃度(重量比)がPt粉30wt%、バインダー
3wt%および残部が溶剤となるPt電極形成用ペースト
を調製した。一方、6mol%のY23で安定化したジル
コニアのグリーンシートを一般的なドクターブレード法
によって調製した。
【0029】次に、そのシートの片面に通常のスクリー
ン印刷法によって上記希土類混合電極形成用ペーストを
所定の厚みに塗布した。また、シートの反対側の面には
上記Pt電極形成用ペーストを同様に塗布した。その
後、このシートを大気中で約1500℃で焼成した。こ
の一連の処理によって、シート状の安定化ジルコニアの
一方の面に希土類混合多孔質電極(即ちPtとPr6
11との混成電極)および他方の面にPt多孔質電極(図
1参照)が形成された電気化学セルを得た。
【0030】<実施例2:電気化学セルの作製(2)>
実施例1で用いたものと同じジルコニアグリーンシート
の両面に上記Pt電極形成用ペーストをスクリーン印刷
法によって塗布した。次いで、このシートを大気中で約
1500℃で焼成した。この処理により、両面にPt多
孔質電極の形成された焼成ジルコニアシートを得た。次
に、一方のPt電極上に0.05Mの硝酸プラセオジム
(Pr(NO3)3)水溶液を滴下し、その表面部をPr(NO3)3
で被覆した。その後、約900℃の加熱処理を行い、酸
化プラセオジムから成る被覆層を形成した。この一連の
処理によって、シート状の安定化ジルコニアの一方の面
に希土類被覆多孔質電極(即ち白金から成る金属コア部
と酸化プラセオジムから成る被覆層とを有する電極)お
よび他方の面にPt多孔質電極(図2参照)が形成され
た電気化学セルを得た。
【0031】<実施例3:電気化学セルの作製(3)>
上記硝酸プラセオジム水溶液に代えて0.05Mの硝酸
テルビウム(Tb(NO3)3)水溶液を使用した以外は、実施例
2と同様の処理を行い、シート状の安定化ジルコニアの
一方の面に希土類被覆多孔質電極(即ち白金から成る金
属コア部と酸化テルビウムから成る被覆層とを有する電
極)および他方の面にPt多孔質電極が形成された電気
化学セルを得た。
【0032】<実施例4:電気化学セルの作製(4)>
実施例1で用いたものと同じジルコニアグリーンシート
の両面に上記Pt電極形成用ペーストをスクリーン印刷
法によって塗布した。次いで、このシートを大気中で約
1500℃で焼成した。この処理により、両面にPt多
孔質電極の形成された焼成ジルコニアシートを得た。次
に、このシートを0.1Mの塩化プラセオジム(PrCl3)
水溶液中に浸漬し、両電極間に電圧3.0Vを印加して
通電した。この電解メッキ処理により、カソードに相当
するPt電極の表面にPrを析出させ、Pr皮膜を形成
した。その後、洗浄し、約900℃の加熱処理を行っ
て、シート状の安定化ジルコニアの一方の面に希土類被
覆多孔質電極(即ち白金から成る金属コア部とプラセオ
ジム単体及び/又は酸化プラセオジムから成る被覆層
(メッキ層)とを有する電極)および他方の面にPt多
孔質電極が形成された電気化学セルを得た。
【0033】<比較例1:電気化学セルの作製(5)>
実施例1で用いたものと同じジルコニアグリーンシート
の両面に上記Pt電極形成用ペーストをスクリーン印刷
法によって塗布した。次いで、このシートを大気中で約
1500℃で焼成した。この処理により、両面にPt多
孔質電極の形成された電気化学セルを得た。
【0034】<比較例2:電気化学セルの作製(6)>
最終的な濃度(重量比)がPr611粉(実施例1と同
じもの)30wt%、バインダー(実施例1と同じもの)
3wt%および残部が溶剤(実施例1と同じもの)となる
ように各原料を秤量し、三本ロールミルを用いて混練す
ることによって、Pr611電極形成用ペーストを調製
した。次に、実施例1で用いたものと同じジルコニアグ
リーンシートの片面に、このペーストをスクリーン印刷
法によって塗布した。また、シートの反対側の面には上
記Pt電極形成用ペーストを同様に塗布した。次いで、
このシートを大気中で約1500℃で焼成した。この一
連の処理によって、シート状の安定化ジルコニアの一方
の面にPr611多孔質電極および他方の面にPt多孔
質電極が形成された電気化学セルを得た。
【0035】<実施例5:ポンプ特性の評価>図5に模
式的に示すようなガス測定装置50を構築した。本装置
50の本体部分は、大まかにいって、通気不能なセラミ
ック材(ZrO2、Al23等)51,54と、上記実
施例及び比較例で得たいずれかの電気化学セル70とか
ら構成されている。而して、電気化学セル70の固体電
解質71が隔壁となり、その両側にガス室60,61が
形成されるように構築されている。ここでは拡散制御体
52,53,55,56は設けず、多孔質構造の電極を
拡散制御体に用いた。ここで、電気化学セル70は、図
5において固体電解質71の下面の電極73が本発明に
係る電極(希土類混合電極又は希土類被覆電極)となる
ように配置した。従って、固体電解質71の他方の面
(図中の上面)にある電極72は希土類元素を含まない
Pt電極である。これら電極72,73の表面にはそれ
ぞれ導電性メッシュ75,76を設けており、リード線
を介して電流計57及び定電圧電源58に接続した。ま
た、両電極72,73間に発生する起電力を測定するた
めの電位差計59も接続した。また、図示しないヒータ
を装備し、セル温度を800℃付近まで加熱できるよう
にした。
【0036】図5の測定装置を使用して各実施例及び比
較例で得たセルの酸素ポンプ特性を以下のようにして評
価した。上記ヒータを作動させてセル70の温度を約7
50℃に保持した。0.1%酸素を含む窒素ガスを両ガ
ス室60,61に導入するとともに、電極73から電極
72に酸素イオンが流れる方向に所定の電圧を印加し、
その印加電圧に応じて流れる電流を測定した。更に、電
極(実施例のセルでは希土類混合電極又は希土類被覆電
極)73が面するガス室61に導入するガスに、100
ppm、200ppmまたは300ppmの可燃性ガス
(ここでは炭化水素であるC38)を共存させ、同様の
測定を行った。かかる測定結果から導いた電流−電圧
(I−V)特性を図6〜図11のグラフに示す。なお、
図6は比較例1のセルを使用したときのI−V特性を示
している。図7、図8、図9及び図10は、それぞれ、
実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4のセルを使
用したときのI−V特性を示している。また、図11に
は、実施例1(Pt/Pr611混合電極)、実施例4
(Prメッキ電極)、比較例1(Pt電極)および比較
例2(Pr611電極)のセルを使用したときの低電圧
域(0〜0.2V)におけるI−V特性を示している。
【0037】これらI−V特性図から明らかなように、
比較例1のセルでは、プロパンガスの増加に伴い、飽和
電流が減少した(図6)。このことは、比較例1のセル
ではガス室61に面するPt電極が触媒作用を有する結
果、ガス室61に導入されたプロパンガスと酸素ガスと
が燃焼(酸化反応)して当該電極界面での酸素濃度が減
少してしまったことを示すものである。
【0038】一方、各実施例のセルのI−V特性図から
明らかなように、これらのセルでは、プロパンガスを添
加しても飽和電流の大きな減少(即ち顕著な可燃性ガス
(ここでは炭化水素)濃度依存性)は認められなかっ
た。このことは、希土類元素を導入した電極では、金属
成分たるPtの触媒作用が失われるかその活性が著しく
低下しており、酸素と炭化水素等の可燃性ガスとの反応
性が極めて低いことを示すものである。すなわち、希土
類元素を導入した電極を備えた各実施例のセルは、可燃
性ガスに影響されず(換言すれば可燃性ガスに影響を及
ぼすことなく)、酸素を汲み出し得る酸素ポンプセル
(ポンプ素子)として好適である。このような特性を有
することから、各実施例に係るセルは、被検ガス(例え
ば自動車の排ガス)から特定の成分だけを検出するガス
センサに好ましく使用することができることが確認され
た。
【0039】また、図11から明らかなように、希土類
混合電極を備えたセル(実施例1)よりも希土類被覆電
極を備えたセル(実施例2〜4)のほうがより高い電流
が得られ、電極界面抵抗が小さいことがわかり、より好
ましいことが確認された。さらに、希土類元素としてP
rを含むもの(図11ではPrメッキ電極を備えた実施
例4のセルについて表示している。)は比較的高濃度の
プロパンガス存在下であっても電流の減少が殆ど無いと
いう点で特に好ましかった。なお、比較例2のセルのよ
うに希土類元素化合物のみから成る電極は、Pt電極の
ような触媒作用はないものの電極界面抵抗が大きすぎる
という不具合を有することが確認された。
【0040】<実施例6:起電力特性の評価>図5の測
定装置を使用して実施例4で得たセルの起電力特性を以
下のようにして評価した。実施例5と同様、セル70の
温度を約750℃に保持しつつ0.1%酸素を含む窒素
ガスを両ガス室60,61に導入した。そして、Prメ
ッキ電極(希土類被覆電極)73が面するガス室61に
導入するガスに、メタンガス(CH4)又はプロパンガス(C3
H8)を添加するとともに、その濃度を0から100pp
mまではほぼ20ppmずつ、100ppmを越えて5
00ppmまではほぼ100ppmずつ段階的に増加さ
せていったときのPt電極72とPrメッキ電極73と
の間の起電力を電位差計59で測定した。結果を図12
に示す。
【0041】図12に示すように、CH4を添加したと
き及びC38を添加したときのいずれの場合において
も、可燃性ガス(炭化水素ガス)濃度に対応した起電力
が発生した。すなわち、Pt電極側で酸素と可燃性ガス
が反応して酸素濃度が低下したのに対し、希土類被覆電
極(Prメッキ電極)側ではそのような反応が起こら
ず、結果、両電極間に酸素濃度差が生じて比較的高い起
電力が発生したものと考えられる。このことから、各実
施例に係るセルを用いることによって高感度に可燃性ガ
ス検知が行えることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学セルの一形態を模式的に説明
する図である。
【図2】本発明の電気化学セルの一形態を模式的に説明
する図である。
【図3】本発明の電気化学セルの一形態を模式的に説明
する図である。
【図4】本発明の電気化学セルの一形態を模式的に説明
する図である。
【図5】本発明の電気化学セルを備えた装置の一例を示
す概略構成図である。
【図6】一比較例に係る電気化学セルの酸素ポンプ特性
(I−V特性)を示すグラフであり、横軸は電圧
(V)、縦軸は電流(mA)である。
【図7】一実施例に係る電気化学セルの酸素ポンプ特性
(I−V特性)を示すグラフであり、横軸は電圧
(V)、縦軸は電流(mA)である。
【図8】一実施例に係る電気化学セルの酸素ポンプ特性
(I−V特性)を示すグラフであり、横軸は電圧
(V)、縦軸は電流(mA)である。
【図9】一実施例に係る電気化学セルの酸素ポンプ特性
(I−V特性)を示すグラフであり、横軸は電圧
(V)、縦軸は電流(mA)である。
【図10】一実施例に係る電気化学セルの酸素ポンプ特
性(I−V特性)を示すグラフであり、横軸は電圧
(V)、縦軸は電流(mA)である。
【図11】低電圧域における二つの実施例の電気化学セ
ル及び二つの比較例の電気化学セルそれぞれの酸素ポン
プ特性(I−V特性)を示すグラフであり、横軸は電圧
(V)、縦軸は電流(mA)である。
【図12】一実施例に係る電気化学セルの起電力特性を
示すグラフであり、横軸は時間(sec)、縦軸は起電力
(mA)である。
【符号の説明】
1、2,3,4,70 電気化学セル 11,31 希土類混合電極 21,41 希土類被覆電極 15,25,35,45,71 酸素イオン導電性固体
電解質 17,27,37,47 高触媒活性電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/90 G01N 27/46 331 // H01M 8/12 311G 325K (72)発明者 増岡 優美 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐治 啓市 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 中村 忠司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS02 AS03 BB01 BB08 BB12 DD08 EE02 EE12 EE13 5H026 AA06 BB01 BB04 BB08 CX04 EE01 EE02 EE12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素単体及び/又は希土類元素を
    含む酸化物と、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Ag、
    Ni及びAuから成る群から選択される一種又は二種以
    上の金属又はそれらの合金とから実質的に構成された電
    極。
  2. 【請求項2】 前記一種又は二種以上の金属又はそれら
    の合金から実質的に構成された部分と、その表面に形成
    された前記希土類元素単体及び/又は希土類元素を含む
    酸化物から成る被覆層とを有する、請求項1に記載の電
    極。
  3. 【請求項3】 前記希土類元素としてPr及び/又はT
    bを含む、請求項1又は2に記載の電極。
  4. 【請求項4】 少なくとも一対の電極と、酸素イオン導
    電性を有する固体電解質とを備える電気化学セルであっ
    て、それら電極の少なくとも一つが、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の電極であることを特徴とする電気化学セ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも一つの電極と対になる電
    極が、酸化触媒又は還元触媒として機能する金属又は合
    金から実質的に構成されている、請求項4に記載の電気
    化学セル。
  6. 【請求項6】 (a).希土類元素単体及び/又は希土類元
    素を含む化合物の粉状物と、Pt、Pd、Rh、Ir、
    Ru、Ag、Ni及びAuから成る群から選択される一
    種又は二種以上の金属又はそれらの合金から成る粉状物
    とを含む電極形成用材料を調製する工程と、 (b).その材料を所定の形状にして焼成する工程と、を包
    含する、希土類元素単体及び/又は希土類元素を含む酸
    化物と前記金属又はそれらの合金とから実質的に構成さ
    れた電極を製造する方法。
  7. 【請求項7】 (A).Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、A
    g、Ni及びAuから成る群から選択される一種又は二
    種以上の金属又はそれらの合金から成る粉状物を含む電
    極形成用材料を調製する工程と、 (B).その材料を所定の形状にして焼成する工程と、 (C).その焼成物の表面の少なくとも一部を、希土類元素
    単体及び/又は希土類元素を含む化合物で被覆する工程
    と、を包含する、希土類元素単体及び/又は希土類元素
    を含む酸化物と前記金属又はそれらの合金とから実質的
    に構成された電極を製造する方法。
  8. 【請求項8】 前記希土類元素としてPr及び/又はT
    bを含む、請求項6又は7に記載の製造方法。
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