JP2002332552A - 快削性焼結部材およびその製造方法 - Google Patents
快削性焼結部材およびその製造方法Info
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Abstract
る焼結部材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 基地組織の全面にわたり結晶粒内に10
μm以下のMnS粒子0.15〜10質量%が均一に分
散し、かつMnS粒子の40%以上が5μm以下の焼結
部材である。この焼結部材を、Mn:0.1〜8質量%
を含有する鋼粉末にSが0.05〜5質量%となる量の
金属硫化物粉末を配合し混合した混合粉末を、金型内で
圧縮成形し、その成形体を900〜1300℃の温度範
囲で焼結することによって得る。
Description
低下を招くことなく被削性を改善した快削性焼結部材お
よびその製造方法に関する。
品が製造でき、切削加工などの機械加工を省略あるいは
最小限に抑えることで、材料費や加工コストを削減でき
ることが特徴の1つである。ところが、用途と需要が拡
大するにつれて形状もますます複雑化しているので、成
形困難または成形不可能な場合や、製品によっては要求
される精度もますます厳しくなっており、このため、二
次加工が必要不可欠となってきている。一方、粉末冶金
法のもう一つの特徴としては、溶製法では製造不可能な
組織構造の合金を比較的容易に製造できることにある。
例えば、硬質相が分散する耐摩耗性焼結合金等が実際に
製造されているが、このような組織構造では被削性は悪
く、被削性の点で改良の要望が大きくなってきている。
よる被削性の改善手段としては、MnS、MoS2、C
aF2、珪酸マグネシウム系鉱物等の被削性改善物質の
粉末を与えた混合粉末を成形−焼結して焼結部材の組織
中にこれらの被削性改善物質を分散させる手法がよく用
いられている。この方法は簡便で被削性の向上が図れる
が、被削性改善物質は焼結部材の気孔中もしくは粉末粒
界に分散し、局所的にしか存在していない。また、これ
らの被削性改善物質は焼結過程における粉末どうしの拡
散結合を阻害するため、得られる焼結部材の強度は低下
する傾向にある。
せて基地全体にMnSを分散させて被削性を改善するこ
とを狙った、粉末中に既にMnとSを固溶させて与えた
粉末が実用化されている。ただし、この種の粉末では粉
末段階で既に粉末中に固溶したMnとSがMnSとして
粉末表面に析出してしまうため、添加法に比べれば改善
されているものの、焼結の進行が阻害されるといった短
所がある。また、MnSは粉末段階で既に形成されてい
るので、焼結時にMnS粒子が成長し主として粉末粒界
に分散することとなり、このため、強度は低下する傾向
にある。
れたものであって、強度を低下させることなく被削性を
改善した焼結部材およびその製造方法を提供することを
目的とする。
末粒界ではなく結晶粒内に微細なMnSを焼結過程で析
出させたことにより強度低下を招かず被削性を改善した
ことを骨子とする。すなわち、本発明の快削性焼結部材
は、基地組織の全面にわたり結晶粒内に10μm以下の
MnS粒子が均一に分散することを特徴とする。また、
本発明の快削性焼結部材の製造方法は、Mn:0.1〜
8質量%を含有する鋼粉末にSが0.05〜5質量%と
なる量の金属硫化物粉末を配合し混合した混合粉末を用
い、金型内で圧縮成形した成形体を900〜1300℃
の温度範囲で焼結することを特徴とする。
粒界ではなく結晶粒内に分散するので、焼結時の粉末ど
うしの拡散結合が阻害されず、その結果、強度の低下が
生じない。また、大きなMnSは介在物として働き破壊
の基点となり易いが、本発明の結晶粒内に析出するMn
Sは10μm以下(多くは5μm以下であって、40%
以上が5μm以下が好ましい)と微細であるため破壊の
基点となり難く、このことも強度低下が生じない要因の
1つとなっている。これにより本発明では添加法に比べ
てより多量のMnSを含有することが可能となり、しか
もMnSの分散箇所が結晶粒内であることから、切削加
工時に切刃に対して連続的にMnSが作用し、被削性が
向上する。
が0.15質量%より少ないと被削性向上の効果が乏し
く、また、10質量%より多かったり粒径が10μmよ
り大きっかたりすると、強度の低下が発生する。したが
って、MnS粒子は粒径が10μm以下で、かつ0.1
5〜10質量%の割合で分散することが好ましい。
nを含む鋼粉末とSの供給源となる金属硫化物粉末とに
分けて与え、焼結時に金属硫化物粉末が分解して放出し
たSと基地中のMnとを結合させて析出させる手法が挙
げられる。上記本発明の快削性焼結部材の製造方法はこ
れを具体化したものである。なお、分解した金属硫化物
の金属成分は、基地に固溶され、あるいは炭化物を生成
し、基地の強度あるいは耐摩耗性の向上に寄与する。
%より少ないと形成されるMnS量が少なく被削性改善
の効果が乏しい。一方、Mn量が8質量%より多いと鋼
粉末自体が硬くなり過ぎて圧縮性が低下し、結果として
強度が低下する。また、金属硫化物粉末中のS量に関し
ては、0.05質量%より少ないと形成されるMnS量
が少なく被削性改善の効果が乏しい。一方、S量が5質
量%より多いと焼結性が阻害されて強度が低下すること
に加え、Mnの存在しない箇所ができてしまうため被削
性の低下も生じ、さらに、焼結中にSの飛散が増える不
具合も生じる。
て、焼結時に金属硫化物粉末を分解させ、かつ金属硫化
物より分解したSと基地中のMnとを結合させてMnS
を形成するためには、900℃以上で焼結することが必
要である。ただし、1300℃を上回る温度で焼結する
と、MnS粒子が成長し10μm以上に粗大化して強度
を低下させること、および場合によっては液相が発生し
て焼結体の型くずれが生じたりする懸念があるため、上
限を1300℃とする。
ると金属硫化物より分解したSが酸素と結合してSOX
ガスとして離脱し、基地のMnと結合するS量が減少す
るため、真空雰囲気中もしくは露点が−10℃以下の分
解アンモニアガス、窒素ガス、水素ガス、アルゴンガス
のいずれかの雰囲気中で焼結することが好ましい。
としては、MoS2粉末、Cr2S 3粉末、CoS2粉
末、WS2粉末、CuS2粉末が好適である。これらの
粉末は、MnSよりSとの結合力が小さいため焼結時に
Sを放出し易い。また、Sが放出された後のMo、C
r、Co、CuはFe基地へ拡散して基地の固溶強化に
働き、W、一部のMo、CrはCと反応して炭化物を形
成し、基地の耐摩耗性を強化する。FeSもMnSより
Sの結合力が小さく、少量の添加では効果的であるが、
多量の添加はMnを含まない、すなわちMnSが析出し
ない基地部分を形成してしまい被削性が低下するため、
使用に際しては添加量に注意が必要である。
上記のMn、S以外の成分については特に限定するもの
ではなく、従来知られている範囲で他の元素を含有して
も差し支えない。以下に、本発明の快削性焼結部材に用
いるMn、S以外の元素について推奨する組成範囲を説
明する。
るが、この組織は靱性が高いため切り粉が長くなり切削
加工が困難となる。粒内に分散したMnS粒子はチップ
ブレーカー効果を発揮し、フェライト組織でも容易に加
工できる。C量が増えるにしたがい、硬いセメンタイト
組織が増してくるため被削性は悪化する。また、Cは焼
結助剤としての効果もあるため、添加量が増えるにした
がって焼結が進行しやすいが、これが分散MnS粒子の
粗大化も進めてしまい、被削性が悪化する。被削性の悪
化はCが3質量%を超えると顕著になるため、Cの含有
量は3質量%とした。
なりMnS粒子の粗大化を引き起こすことと、5質量%
を超えるとほとんど強度向上の効果が無いためCの含有
量は5質量%以下とした。
粉末の表面に強固な酸化被膜が形成され焼結性を損ない
強度低下を招くため、10質量%以下とした。
れるが、15質量%を超えるとNiリッチのオーステナ
イト相が多くなり硬度や強度の低下を招くため、15質
量%以下とした。
耐摩耗性向上に寄与するが、10質量%を超えると粉末
の圧縮性が低下して十分な圧粉体密度を得られないた
め、10質量%以下とした。
摩耗性向上に寄与するが、5質量%を超えると粉末の圧
縮性が低下して十分な圧粉体密度を得られないため、5
質量%以下とした。
粉末の圧縮性が低下して十分な圧粉体密度を得られない
ため、15質量%以下とした。
耐摩耗性向上に寄与するが、5質量%を超えると粉末の
圧縮性が低下して十分な圧粉体密度を得られないため、
5質量%以下とした。
織形態によるものではなく、あらゆる組織形態および混
合組織形態において有効である。例えば、本出願人が出
願した特願2000−133915号、これは被削性と
耐摩耗性の両者を考慮した安価なバルブシートに関する
ものであるが、この金属組織に適用した場合、すなわ
ち、基地組織が、ベイナイト単相のみ、もしくはベイナ
イトとマルテンサイトの混合相のみからなる組織を呈す
るとともにベイナイトとマルテンサイトの比が100:
0〜50:50であって、かつ基地硬さが250〜80
0Hvの範囲内であるバルブシートに適用した場合、強
度や耐摩耗性を低下させることなく被削性をさらに改善
させることが可能である。
耐摩耗性材料の基地に適用した場合にも効果があり、本
発明の基地中に従来知られている硬質粒子や硬質相を分
散させた焼結部材の被削性を改善できる。以下に本発明
の快削性焼結部材に推奨される硬質粒子および硬質相の
形態を説明する。
V炭化物、W炭化物、ステダイト]耐摩耗性を付与する
目的で、一般によく用いられる炭化物である。炭化物粉
末の形態で混合粉末に与えられることもあるが、混合粉
末の硬さが高くなり、圧縮性が低下するため、一般には
炭化物形成元素を含む鋼粉末と黒鉛粉末とに分けて与え
られ、焼結時に炭化物として析出させる手法が採られて
いる。これらの炭化物は、硬さが高い特性を有し、材料
の耐摩耗性を高める目的で用いられる。
よりなる硬質相]Co基金属間化合物群およびCo拡散
相よりなる硬質相は、耐摩耗性焼結合金として、特開平
2−163350号公報等で知られる硬質相である。こ
れは、Co−Mo−Si系合金粉末を本発明の混合粉末
に添加して成形−焼結することで、基地中に分散させた
硬質相である。
相]Mo珪化物硬質粒子群を主体とする硬質相は、耐摩
耗性焼結合金として、特公平61−8142号公報等で
知られる硬質相で、Fe−Mo−Si系合金粉末に添加
して成形−焼結することで、基地中に分散させた硬質相
である。
物を主体とする硬質粒子群およびこの硬質粒子群の周囲
のCr拡散相よりなる硬質相]Cr炭化物またはCr炭
化物とCr硫化物を主体とする硬質粒子群およびこの硬
質粒子群の周囲のCr拡散相よりなる硬質相は、耐摩耗
性焼結合金として、特開平9−195012号公報等で
知られる硬質相である。これは、Fe−Cr−C系合金
粉末を混合粉末に添加して成形−焼結することで、基地
中に分散させた硬質相である。
は、硬質なFe−Mo金属間化合物を基地中に分散させ
て耐摩耗性を確保する上で有効であり、古くより採用さ
れている手法である。主にFe−Mo合金粉末を混合粉
末に添加して成形−焼結することで、基地中に分散させ
た硬質相である。
は、材料の被削性は低いため、被削性の改善が望まれて
いる分野の1つである。これらの硬質粒子や硬質相が分
散する材料に本発明のMnS分散技術を適用すると、耐
摩耗性を劣化させることなく被削性が改善され、適用範
囲の拡大が見込まれる。
部材は、基地の結晶粒内に10μm以下のMnS粒子を
0.15〜10質量%均一に分散させたものであるが、
強度の低下を許容し、さらに被削性の改善を望む場合に
は、従来の快削成分を添加手法と併用することが可能で
ある。
鉱物、BN、MnS、CaF2、Pb等の被削性改善成
分粉末を添加して成形−焼結することで、焼結部材の気
孔中もしくは粉末粒界にこれらの被削性改善成分を分散
させる。これにより、強度の低下は生じるものの、一層
の被削性の改善がなされる。したがって、ある程度の強
度の低下は実用上問題ないが、一層の被削性が要求され
る部材に対しては有効な手段である。ただし、これらの
被削性改善成分粉末の添加量、すなわち被削性改善成分
の金属組織中への分散量が5質量%を超えると強度が著
しく低下するため、分散量は5質量%に止めるべきであ
る。
PbまたはPb合金、CuまたはCu合金、アクリル樹
脂のうちのいずれかを含浸もしくは溶浸して被削性をよ
り一層改善することも可能である。
表1の粉末記号P1〜P22で示す本発明の請求範囲内
外のFe−Mn合金粉末をベース粉末として用意した。
なお、粉末記号P1、P16〜P21にも極微量のMn
が含有されているが、これは不可避不純物程度のレベル
であり、以下においてはMn未含有として扱うことにす
る。次に、これらP1〜P22と、MoS2粉末、黒鉛
粉末、Cu粉末、Ni粉末およびMnS粉末を適宜用い
て、表2に示す組成の試料番号01〜45の混合粉末を
用意した。次いで、これら混合粉末をそれぞれ成形圧力
650MPaで圧縮成形し、その圧粉体をアンモニア分
解ガス雰囲気中で60分間加熱し、焼結した。なお、各
試料の焼結温度は表2に示す通りである。また、表3
に、試料番号01〜45のMn、SおよびMnSの質量
%と、MnSの粒子の大きさ別の割合を示す。
いて行った被削性試験および圧環強さの測定結果を、表
3に併記する。被削性試験は、5mm厚の板状に加工し
た試料に対してφ3mmの超硬チップドリルで穴を空け
る試験で、チップドリル1本、5kNの一定荷重の条件
下で空けることのできた穴の数を測定した。もちろん、
穴の数が多ければ多いほど被削性がよい。以下、図1〜
図5を参照して実施例を考察し、本発明の効果を明らか
にする。なお、これら図で示す番号は試料番号である。
9の被削性および圧環強さの変化を示している。これに
よると、Mn量が1.0質量%まではMn量の増加に伴
い被削性が大きく向上するが、S量が0.4質量%と一
定のため全S量がMnSとして析出するMn量1.0質
量%以降においては、被削性の改善効果は認められな
い。Mn量が1.0質量%を超えると、8質量%付近ま
ではほぼ一定の被削性を示し、8質量%を超えると、M
nによる基地の強化と圧縮性の低下の影響が顕著に表
れ、被削性および強度の低下が認められる。
〜14の被削性および圧環強さの変化を示している。こ
れによると、S量が2.0質量%まではS量の増加に伴
い被削性が大きく向上するが、Mn量が約1質量%と一
定のため全Mn量がMnSとして析出するS量2.0質
量%以降においては、Sは添加したMoS2の形態で残
留し、MoS2の被削性改善効果により少量ではあるが
加工穴数が増加している。強度に関しては、MoS2が
残留するS量2.0質量%以降では低下しており、S量
が5質量%を超えると強度は著しく低下する。これは焼
結性の低下に起因すると想定される。
として析出するようにMn量とS量を変えた試料番号1
5〜23におけるMnS量の影響を調べた結果である。
これによると、MnS量の増加に伴い被削性は向上する
一方、強度はMnS量の増加に伴い徐々に低下し、1
0.4質量%を超えると強度は著しく低下する。
粒子の大きさおよび割合の影響を試料番号06、24〜
27、44、45によって明らかにした結果である。こ
れによると、10μm以上のMnS粒子を含む試料番号
27は従来のMnS析出粉末を使用したもの(試料番号
44)と同等であるが、析出したMnS粒子の全てが1
0μm以下で、そのうち5μm以下のMnS粒子が40
%以上の試料番号06、24〜26では、被削性の改善
効果が顕著である。また、このことは焼結温度900〜
1200℃の範囲で目的とする粒径のMnSが得られる
ことも示している。
06、28〜35と、これらと同種でMn未含有の試料
番号01、36〜43の被削性を示している。これによ
ると、いずれの合金もMnの添加によるMnS粒子の析
出によって被削性を著しく改善できることが判る。
結部材によれば、強度が低下することなく被削性が著し
く改善された部材としてきわめて有望であり、また、本
発明の快削性焼結部材の製造方法によれば、そのような
部材を好適かつ効率的に製造することができるといった
効果を奏する。
性と強度に与える影響を示す線図である。
と強度に与える影響を示す線図である。
削性と強度に与える影響を示す線図である。
およびその割合が被削性に与える影響を示す線図であ
る。
を含む鉄基合金へのMnの含有が被削性に与える影響を
示す線図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 基地組織の全面にわたり結晶粒内に10
μm以下のMnS粒子が均一に分散することを特徴とす
る快削性焼結部材。 - 【請求項2】 基地組織の全面にわたり結晶粒内に10
μm以下のMnS粒子0.15〜10質量%が均一に分
散することを特徴とする快削性焼結部材。 - 【請求項3】 基地組織の全面にわたり結晶粒内に10
μm以下のMnS粒子0.15〜10質量%が均一に分
散し、かつMnS粒子の40%以上は5μm以下である
ことを特徴とする快削性焼結部材。 - 【請求項4】 前記快削性焼結部材の基地が、質量比
で、Mn:0.1〜8%、S:0.05〜5%であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の快削性
焼結部材。 - 【請求項5】 前記快削性焼結部材の基地が、さらに、
質量比で、C:3%以下、Cu:5%以下、Cr:10
%以下、Ni:15%以下、Mo:10%以下、W:1
0%以下、V:5%以下、Co:15%以下、Nb:5
%以下のうち少なくとも1種以上を含有することを特徴
とする請求項4に記載の快削性焼結部材。 - 【請求項6】 前記基地組織が、ベイナイト単相のみ、
もしくはベイナイトとマルテンサイトの混合相のみから
なる組織を呈するとともに、ベイナイトとマルテンサイ
トの比が100:0〜50:50であって、かつ基地硬
さが250〜800Hvであることを特徴とする請求項
1〜5のいずれかに記載の快削性焼結部材。 - 【請求項7】 前記快削性焼結部材の金属組織中に、C
r炭化物、Mo炭化物、Nb炭化物、V炭化物、W炭化
物、ステダイトの少なくとも1種以上が分散することを
特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の快削性焼結
部材。 - 【請求項8】 前記快削性焼結部材の金属組織中に、C
o基金属間化合物群およびCo拡散相よりなる硬質相、
Mo珪化物硬質粒子群を主体とする硬質相、Cr炭化物
またはCr炭化物とCr硫化物を主体とする硬質粒子群
およびこの硬質粒子群の周囲のCr拡散相よりなる硬質
相、Fe−Mo硬質相の少なくとも1種以上が分散する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の快削
性焼結部材。 - 【請求項9】 前記快削性焼結部材の気孔中または粉末
粒界に、珪酸マグネシウム系鉱物、BN、MnS、Ca
F2、Pbのうち少なくとも1種以上が分散することを
特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の快削性焼結
部材。 - 【請求項10】 前記快削性焼結部材の気孔がPbまた
はPb合金、CuまたはCu合金、アクリル樹脂のうち
のいずれかで満たされていることを特徴とする請求項1
〜9のいずれかに記載の快削性焼結部材。 - 【請求項11】 Mn:0.1〜8質量%を含有する鋼
粉末にSが0.05〜5質量%となる量の金属硫化物粉
末を配合し混合した混合粉末を、金型内で圧縮成形し、
その成形体を900〜1300℃の温度範囲で焼結する
ことを特徴とする快削性焼結部材の製造方法。 - 【請求項12】 前記金属硫化物粉末が、MoS2粉
末、Cr2S3粉末、CoS2粉末、WS2粉末、Cu
2S粉末のいずれかであることを特徴とする請求項11
に記載の快削性焼結部材の製造方法。 - 【請求項13】 前記鋼粉末もしくは前記混合粉末が、
さらに、質量比で、C:3%以下、Cu:5%以下、C
r:10%以下、Ni:15%以下、Mo:10%以
下、W:10%以下、V:5%以下、Co:15%以
下、Nb:5%以下のうち少なくとも1種以上を含有す
ることを特徴とする請求項11または12に記載の快削
性焼結部材の製造方法。 - 【請求項14】 前記焼結を、真空雰囲気中もしくは露
点が−10℃以下の分解アンモニアガス、窒素ガス、水
素ガス、アルゴンガスのいずれかの雰囲気中で行うこと
を特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の快削
性焼結部材の製造方法。 - 【請求項15】 前記混合粉末に、 Mo:20〜40質量%、Cr:5〜15質量%、S
i:1〜5質量%、およびCo:残部のCo基合金粉
末、 Mo:20〜50質量%、Cr:15質量%以下、S
i:1〜12質量%、およびFe:残部のFe基合金粉
末、 Cr:4〜25質量%、C:0.25〜2.4質量%を
含有し、所望によりMo:0.3〜3質量%、V:0.
2〜2.2質量%、W:1〜5質量%のうちの1種もし
くは2種以上、およびFe:残部のFe−Cr系合金粉
末、 Mo:55〜65およびFe:残部のFe−Mo粉末、
のうち少なくとも1種以上を添加することを特徴とする
請求項11〜14のいずれかに記載の快削性焼結部材の
製造方法。 - 【請求項16】 前記混合粉末に、珪酸マグネシウム系
鉱物粉末、BN粉末、MnS粉末、CaF2粉末、Pb
粉末のうち少なくとも1種以上の粉末を添加することを
特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の快削性
焼結部材の製造方法。 - 【請求項17】 前記焼結の後に、PbまたはPb合
金、CuまたはCu合金、アクリル樹脂のうちのいずれ
かを溶浸もしくは含浸することを特徴とする請求項11
〜16のいずれかに記載の快削性焼結部材の製造方法。
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