JP2002332472A - 接着剤、接着シート及び積層体 - Google Patents

接着剤、接着シート及び積層体

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JP2002332472A
JP2002332472A JP2001174378A JP2001174378A JP2002332472A JP 2002332472 A JP2002332472 A JP 2002332472A JP 2001174378 A JP2001174378 A JP 2001174378A JP 2001174378 A JP2001174378 A JP 2001174378A JP 2002332472 A JP2002332472 A JP 2002332472A
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ceramic green
green sheet
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boiling point
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JP2001174378A
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Takeshi Hasegawa
剛 長谷川
Shigeru Danjo
滋 檀上
Yasuhiko Oyama
康彦 大山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックグリーンシートを用いた多層配線
基板の小型化、薄型化及び回路の高精細化を実現するた
めに、薄膜化、高精細化が可能な金属箔とセラミックグ
リーンシートを強固に接着することができ、且つ、スク
リーン印刷で塗布してもスクリーンメッシュの目詰まり
等の不具合を起こすことがない接着剤、接着シート、並
びに、セラミックグリーンシート、接着剤層及び金属箔
からなる積層体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(1)及び沸点150〜5
00℃の液状成分(2)からなる接着剤もしくは接着シ
ート、又は、熱可塑性樹脂(1)、液状成分(2)及び
沸点50〜145℃の溶剤(3)からなる接着剤を用い
て、セラミックグリーンシートと金属箔とが積層された
積層体を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックグリー
ンシートと金属箔とを接着するための接着剤及び接着シ
ート、並びに、セラミックグリーンシート、接着剤層及
び金属箔からなる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化が進んでいる
が、携帯情報端末の発達やコンピュータを持ち運んで操
作する所謂モバイルコンピューティングの普及によっ
て、一層小型化が進み、これら電子機器に内蔵される多
層配線基板には、一層の小型化、薄型化且つ回路の高精
細化が要求されている。
【0003】また、通信機器に代表されるように、高速
動作が求められる電子機器が広く使用されるようになっ
てきたが、このような電子機器に対応するために、高速
動作に適した多層のプリント配線基板が求められてい
る。高速動作が求められるということは、高い周波数の
信号に対して正確なスイッチングが可能であるなど、多
種な要求を含んでおり、高速動作を行うためには、配線
の長さを短くすると共に、配線の幅を細くし且つ配線の
間隙を小さくして、電気信号の伝搬に要する時間を短縮
することが必要である。即ち、高速動作に適応させると
いう見地からも、多層配線基板には、小型化、薄型化及
び回路の高精細化(回路の高密度化)が求められる。
【0004】従来、上記のような多層配線基板には、そ
の高周波特性などの利点から、アルミナなどを主成分と
するセラミックグリーンシートが絶縁基板として幅広く
用いられており、例えば、該セラミックグリーンシート
上にスクリーン印刷によってWやMo等の高融点金属か
らなる導電ペーストをパターン形成した後に、その塗工
されたセラミックグリーンシートを積層し、焼成する製
造方法が用いられている。
【0005】しかしながら、上記のようなスクリーン印
刷により導電体をパターン形成する方法では、導電体の
厚みが厚くなってしまうため、多層配線基板に要求され
る小型化、薄型化及び回路の高精細化に対応できなくな
ってきている。そこで特開2000−31623号公報
には、金属薄膜をセラミックグリーンシート等に転写す
るための金属転写フィルムが開示されている。
【0006】この金属転写フィルムは、金属との密着性
の低い表面を有するプラスチックフィルムと、その表面
に設けられる金属層と、金属層の表面に設けられる粘着
層とからなるものであるが、粘着層とセラミックグリー
ンシートとの接着性が低いため転写性を満足するには、
プラスチックフィルムの表面を金属との密着性を低下さ
せる煩雑な処理が必要となっている。また、うまく転写
できた場合でも、その接着性の低さから、焼成工程まで
の間に金属層が剥離する可能性があるといった問題点が
あった。
【0007】また、セラミックグリーンシートと金属箔
との積層に用いられる接着剤中に低沸点の高揮発性溶剤
が含まれると、スクリーン印刷により被着体に塗工する
際に溶剤が蒸発するため、数枚の被着体を塗工するだけ
でスクリーンメッシュが目詰まりを起こすという問題点
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
セラミックグリーンシートを用いた多層配線基板の小型
化、薄型化及び回路の高精細化を実現するために、薄膜
化、高精細化が可能な金属箔とセラミックグリーンシー
トを強固に接着することができ、且つ、スクリーン印刷
で塗布してもスクリーンメッシュの目詰まり等の不具合
を起こすことがない接着剤、接着シート、並びに、セラ
ミックグリーンシート、接着剤層及び金属箔からなる積
層体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明(以下、第1発明という)であるセラミックグリー
ンシートと金属箔とを接着するための接着剤は、熱可塑
性樹脂(1)及び沸点150〜500℃の液状成分
(2)からなり、(1)と(2)の重量比が90:10
〜5:95で混合されてなることを特徴とする。
【0010】本願の請求項2に記載の発明(以下、第2
発明という)であるセラミックグリーンシートと金属箔
とを接着するための接着剤は、熱可塑性樹脂(1)、沸
点150〜500℃の液状成分(2)及び沸点50〜1
45℃の溶剤(3)からなり、(1)と(2)の重量比
が90:10〜5:95、且つ、〔(1)+(2)〕と
(3)が重量比5:95〜90:10で混合されてなる
ことを特徴とする。
【0011】本願の請求項3に記載の発明(以下、第3
発明という)であるセラミックグリーンシートと金属箔
とを接着するための接着剤は、熱可塑性樹脂(1)及び
沸点150〜500℃の液状成分(2)からなり、
(1)と(2)の重量比が90:10〜5:95で混合
されてなり、且つ、沸点150℃未満の液状成分を含有
しないことを特徴とする。
【0012】本願の請求項4に記載の発明(以下、第4
発明という)であるセラミックグリーンシートと金属箔
とを接着するための接着シートは、熱可塑性樹脂(1)
及び沸点150〜500℃の液状成分(2)からなり、
(1)と(2)が重量比90:10〜5:95で混合さ
れ、シート状に成形されてなることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項5に記載の発明(以下、第
5発明という)である積層体は、セラミックグリーンシ
ートと金属箔とが第1〜第3発明のいずれか一に記載の
接着剤又は第4発明の接着シートを用いて積層されてな
ることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項6に記載の発明(以下、第
6発明という)である積層体は、セラミックグリーンシ
ートと金属箔とが積層されてなる積層体において、23
℃、50%RH及び剥離速度300mm/分の条件下で
測定される、セラミックグリーンシートと金属箔との1
80度剥離強度が1N/25mm以上であることを特徴
とする。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。第1発明
のセラミックグリーンシートと金属箔とを接着するため
の接着剤は、熱可塑性樹脂(1)及び液状成分(2)か
らなるものが用いられる。
【0016】上記熱可塑性樹脂(1)としては,特に限
定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン樹脂;ポリブタジエン、ポリクロロプレ
ン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のエラストマ
ー樹脂;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキ
サイド、ポリテトラメチレングリコール等のポリエ−テ
ル樹脂;ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン
−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルホルマール、
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルエーテル等のポリビニル系樹脂;(メタ)アクリル
樹脂、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン
樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げら
れる。
【0017】上記熱可塑性樹脂(1)は高接着性が発現
可能なことから、ガラス転移温度30〜150℃のもの
が好ましく、より好ましくは50〜150℃のものであ
る。さらに焼成時の熱分解性を考慮すると、(メタ)ア
クリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン樹脂、ブチラール樹脂等が好適に用いられる。これら
は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。
【0018】本発明で用いられる液状成分(2)として
は、常圧における沸点が150〜500℃の液状成分で
あれば特に限定されず、例えば、ジエチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト等のフタル酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジブチ
ル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸
ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪族二塩基酸エステル系
可塑剤;トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリフェニルホスフェート等の燐酸エステル系可
塑剤などの可塑剤類;エチレングリコール、ジエチレン
グリコール等のグリコール類;ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル等のグリコールエーテル類;1,6−ヘキサンジオー
ル、オクタンジオール等のジオール類;イソホロン等の
ケトン系溶剤;ブチルカルビトールアセテート等のエス
テル系溶剤などが挙げられる。
【0019】上記液状成分(2)の沸点が150℃未満
であると、接着剤層から揮発し易いため安定した接着強
度が得られなくなり、500℃を超えると焼成時に残渣
として残るため、不具合となることがある。上記液状成
分(2)としては、沸点200〜450℃のものが好ま
しい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併
用されてもよい。
【0020】第1発明において、上記熱可塑性樹脂
(1)及び液状成分(2)は、重量比〔(1):
(2)〕90:10〜5:95の範囲となるように用い
られる。熱可塑性樹脂(1)の比率が90を超えると、
接着剤のセラミックグリーンシートへの染み込み性が低
いため充分な接着強度が得られず、5未満であると液状
成分(2)量が多いため凝集力が不足し、充分な接着強
度が得られないことがある。特に好ましい範囲は、
(1):(2)の重量比が50:50〜5:95であ
る。
【0021】次に、第2発明について説明する。第2発
明のセラミックグリーンシートと金属箔とを接着するた
めの接着剤は、熱可塑性樹脂(1)、液状成分(2)及
び溶剤(3)からなるものが用いられる。
【0022】上記熱可塑性樹脂(1)、液状成分(2)
としては、第1発明と同様のものが用いられ、(1)と
(2)との重量比は、第1発明と同様の理由により9
0:10〜5:95の範囲に制限され、好ましくは5
0:50〜5:95である。
【0023】上記溶剤(3)としては、例えば、熱可塑
性樹脂(1)及び液状成分(2)を溶解可能なものであ
れば特に限定されず、使用する熱可塑性樹脂(1)に応
じて適宜選択される。このような溶剤(3)としては、
例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等
のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル系溶剤;へキサン、へプタン等の炭化水素系溶
剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤など
が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種
以上が併用されてもよい。これらの内、常圧での沸点5
0〜145℃のものが、取り扱い性及び塗布時の揮発性
の面から好適に用いられる。
【0024】第2発明の接着剤は、上記熱可塑性樹脂
(1)及び液状成分(2)を溶剤(3)に、〔(1)+
(2)〕:(3)の重量比が5:95〜90:10の範
囲となるように溶解することにより得られる。上記溶剤
(3)の比率が95を超えると、溶剤量が多くなるため
コストが高くなり、10未満であると溶解不良を起こし
たり、粘度が高くなるといった不具合を生じる。
【0025】次に、第3発明について説明する。第3発
明のセラミックグリーンシートと金属箔とを接着するた
めの接着剤は、熱可塑性樹脂(1)及び液状成分(2)
からなり、常圧において沸点150℃未満の液状成分を
含有しないものが用いられる。上記熱可塑性樹脂(1)
及び液状成分(2)は、第1発明と同様のものが用いら
れる。
【0026】第3発明の接着剤において、常圧において
沸点150℃未満の液状成分を含有すると、接着剤層か
ら揮発し易いため安定した接着強度が得られなくなり、
接着剤をスクリーン印刷により被着体に塗布した場合に
液状成分が揮発することにより、スクリーンメッシュに
目詰まりを起こすことがある。従って、スクリーン印刷
適性が要求される場合は、沸点150℃未満の液状成分
を含有しない、第3発明の接着剤が好適に用いられる。
【0027】次に、第4発明について説明する。第4発
明のセラミックグリーンシートと金属箔とを接着するた
めの接着シートは、熱可塑性樹脂(1)及び沸点150
〜500℃の液状成分(2)からなるものが用いられ
る。上記熱可塑性樹脂(1)及び液状成分(2)として
は、第1発明と同様のものが用いられる。
【0028】上記熱可塑性樹脂(1)と液状成分(2)
との重量比は、第1発明と同様の理由により90:10
〜5:95の範囲に制限され、好ましくは50:50〜
5:95である。
【0029】上記接着シートは、例えば、第1発明の接
着剤を、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の塗布により離
型性を付与したプラスチック、紙等のフィルム上に塗工
した後、溶剤の一部又は全部を揮発させることによって
得ることができる。上記以外に接着シートを得る方法と
しては、例えば、上記熱可塑性樹脂(1)及び液状成分
(2)の混合物をシート状に押出成形する方法等が挙げ
られる。
【0030】次に、第5発明について説明する。第5発
明の積層体は、セラミックグリーンシートと金属箔と
が、第1〜第3発明のいずれか一に記載の接着剤又は第
4発明の接着シートを用いて積層された積層体から形成
される。
【0031】上記セラミックグリーンシートとしては、
アルミナ等のセラミック粉末、バインダー樹脂及び可塑
剤等の混合物をシート状に成形したものが用いられる。
また、上記金属箔としては特に限定されないが、配線基
板の配線層を形成するのに好適な金属、例えば、金、
銀、銅、アルミニウム等の低抵抗金属、或いはこれら低
抵抗金属の少なくとも1種を含む合金等の金属箔が好適
に用いられる。
【0032】第5発明の積層体を製造するには、第1〜
第3発明の接着剤を、セラミックグリーンシート及び金
属箔のいずれか一方又は両方に、スプレー、ロールコー
ター、フローコーター、刷毛、スクリーン印刷等を用い
て塗布した後、接着剤に含まれる溶剤(3)を揮発させ
て被着体上に接着剤層を形成する。セラミックグリーン
シートは多孔質材料であるため、溶剤(3)の揮発は下
記に示す貼り合せ工程の前後いずれの段階で行ってもよ
い。また、接着剤層に凝集力が発現する程度に溶剤の一
部を揮発させてもよく、溶剤の全部を揮発させてもよ
い。
【0033】次いで、上記接着剤により被着体上に形成
した一方の接着剤層と、もう一方の被着体又は被着体上
に形成した接着剤層とを、プレス、アプリケーター、ロ
ーラー等を用いて、常温又は加熱下で貼り合せることに
より、第5発明の積層体が得られる。
【0034】第4発明の接着シートを使用する場合は、
セラミックグリーンシート及び金属箔の間に接着シート
を挿入し、プレス、アプリケーター、ローラー等を用い
て、常温又は加熱下で貼り合せることにより、第5発明
の積層体が得られる。また、上記接着シートをセラミッ
クグリーンシート及び金属箔のいずれか一方に予め積層
した後、プレス、アプリケーター、ローラー等を用い
て、常温又は加熱下でもう一方の被着体と貼り合せるこ
とにより、積層体を作製してもよい。
【0035】上記接着剤層又は接着シートの厚みとして
は1〜100μmの範囲が好ましい。厚みが1μm未満
であると充分な接着強度が得られず、100μmを超え
ると焼成時に金属箔の密着不良を起こすことがある。よ
り好ましくは3〜50μmである。
【0036】なお、上記金属箔から配線基板の配線層を
形成する場合は,セラミックグリーンシートと金属箔を
接着した後で配線パターンを形成してもよく、接着前の
金属箔から配線パターンを形成した後でセラミックグリ
ーンシートと接着してもよい。
【0037】第6発明の積層体は、セラミックグリーン
シートと金属箔とが積層されてなる積層体において、2
3℃、50%RH、剥離速度300mm/分の条件下で
測定される、セラミックグリーンシートと金属箔との1
80度剥離強度が1N/25mm以上である。好ましく
は3N/25mm以上、より好ましくは5N/25mm
以上である。上記180度剥離強度が1N/25mm未
満であると、多層配線基板用途に用いられる際に、焼成
前の段階でセラミックグリーンシートから金属箔が剥離
することがある。
【0038】上記積層は接着剤層を介して行われる。接
着剤はセラミックグリーンシートと金属箔を接着できる
ものであれば特に限定されず、接着剤、接着シート、両
面粘着テープ等の形態で用いられるが、中でも、第1〜
3発明の接着剤又は第4発明の接着シートが特に好適に
用いられる。
【0039】上記接着剤層の厚みとしては、第5発明と
同様の理由により、1〜100μmの範囲が好ましい。
【0040】上記180度剥離強度の測定に際し、セラ
ミックグリーンシート及び金属箔の両方が柔軟性を有
し、積層体の剥離時に剥離角度が180度を保てない場
合がある。その際には、セラミックグリーンシート又は
金属箔のいずれか一方を、金属板、プラスチック板等の
板状物に両面粘着テープ、接着剤等を用いて固定し、剥
離角度が180度を保つようにして剥離接着強度の測定
を行うことが好ましい。
【0041】(作用)第1〜第3発明の接着剤及び第4
発明の接着シートは、貼り合せた後の接着剤層中に、熱
可塑性樹脂(1)と液状成分(2)を含んでいるため、
多孔質材料の接着に適しており、セラミックグリーンシ
ートと金属箔の強固な接着が可能となり、このようにし
て得られる第5発明の積層体は、多層配線基板の小型
化、薄型化及び回路の高精細化に有効な材料として使用
可能である。また、第6発明の積層体は、セラミックグ
リーンシートと金属箔とが高い接着強度を有するため、
多層配線基板等の製造工程における応力に対し、金属箔
の剥離等の不具合が発生せず、高い生産性が可能とな
る。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1) ・接着剤の調製 ガラス転移温度72℃のメタクリル酸エステル共重合体
(積水化成品社製、商品名:IBM−2)15重量部、
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(積水化学社製、商品
名:DOP、沸点386℃) 15重量部、及び、酢酸エ
チル70重量部をポリビン中に入れ、振盪機にかけて溶
解させ接着剤を調製した。
【0043】・積層体の作製 上記接着剤を、電解メッキ法により形成された電解銅箔
(厚み:12μm)上に数滴滴下しバーコーターにより
塗布した後、常温で30分間放置して酢酸エチルを揮発
させ接着剤層を設けた。接着剤層の厚みは25μmであ
った。上記電解銅箔の接着剤層形成面にセラミックグリ
ーンシートを重ね合わせて、55℃、面圧9.8N/c
2 の条件下で1分間加熱プレスを行い積層体を得た。
【0044】(実施例2) ・接着シートの作製 実施例1で調製した接着剤を、片面シリコーン離型処理
したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(リンテック社製、商品名:PET5001)の離型面
にアプリケーターを用いて塗工した後、110℃で2分
間乾燥し15μm厚の接着シートを作製した。
【0045】・積層体の作製 上記PETフィルム付き接着シートを、セラミックグリ
ーンシートに常温、線圧49N/cmの条件下でラミネ
ートし、PETフィルムを剥がした後、電解メッキ法に
より形成された電解銅箔(厚み:12μm)を重ね合わ
せ、常温、線圧49N/cmの条件下でラミネートして
積層体を得た。
【0046】(実施例3)ガラス転移温度61℃のブチ
ラール樹脂(積水化学社製、商品名:エスレックBL−
S)10重量部、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル
(大八化学社製、商品名:DOS、沸点377℃)20
重量部及びエタノール70重量部をポリビン中に入れ、
振盪機にかけて溶解させ接着剤を調製した。上記接着剤
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得
た。
【0047】(実施例4)実施例3で調製した接着剤を
用いたこと以外は、実施例2と同様にして接着シートを
得た後積層体を作製した。
【0048】(比較例1)ガラス転移温度72℃のメタ
クリル酸エステル共重合体(積水化成品社製,商品名:
IBM−2)2重量部、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル(積水化学社製、商品名:DOP、沸点386℃)4
8重量部及び酢酸エチル50重量部をポリビン中に入
れ、振盪機にかけて溶解させ接着剤を調製した。上記接
着剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体
を得た。
【0049】(比較例2)比較例1の接着剤を用いたこ
と以外は実施例2と同様にして、接着シートの作製を試
みたが、凝集力が低くシート状物を得ることができなか
った。
【0050】(比較例3)ガラス転移温度61℃のブチ
ラール樹脂(積水化学社製、商品名:エスレックBL−
S)15重量部、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル
(大八化学社製、商品名:DOS、沸点377℃)1重
量部及びエタノール84重量部をポリビン中に入れ、振
盪機にかけて溶解させ接着剤を調製した。上記接着剤を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得
た。
【0051】(比較例4)比較例3で調製した接着剤を
用いたこと以外は、実施例2と同様にして接着シートを
得た後積層体を作製した。
【0052】実施例1〜4及び比較例1,3,4で得ら
れた積層体につき、以下の方法で常態接着性及び耐曲げ
性を評価し結果を表1に示した。 (常態接着性)得られた積層体を25mm×100mm
に切り取り、厚み2.5mmのアルミ板に両面テープで
セラミックグリーンシート側を貼り付けた。このように
して得られた試験片を引張試験機を用いて、温度23
℃、50%RH、剥離速度300mm/分の条件で、銅
箔をセラミックグリーンシートから剥離する180度剥
離試験を行い、接着強度を測定した。
【0053】(耐曲げ性)得られた積層体を10mm×
100mmに切り取り、外径84mmのABS管の外側
に、積層体の長手方向がABS管の円周方向となるよう
に、積層体のグリーンシート側を貼付けて試験体を作製
した。この試験体を23℃、50%RHの条件下で24
時間静置し、剥がれの有無を評価した。
【0054】
【表1】
【0055】(実施例5) ・接着剤の調製 ガラス転移温度72℃のメタクリル酸エステル共重合体
(積水化成品社製、商品名:IBM−2)20重量部、
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(積水化学社製、商品
名:DOP、沸点386℃) 40重量部、及び、ブチル
カルビトールアセテート(沸点247℃) 40量部をポ
リビン中に入れ、振盪機にかけて溶解させ接着剤を調製
した。
【0056】・積層体の作製 上記接着剤を、電解メッキ法により形成された電解銅箔
(厚み:12μm)上に数滴滴下し、バーコーターによ
り塗布量15g/m2 となるように塗布した後、セラミ
ックグリーンシートを重ね合わせて、55℃、面圧9.
8N/cm2 の条件下で1分間加熱プレスを行い積層体
を得た。
【0057】(実施例6)ガラス転移温度100℃のポ
リスチレン樹脂(日本ポリスチレン社製、商品名:G6
90N)10重量部、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル
(積水化学社製、商品名:DOP、沸点386℃) 45
重量部、及び、イソホロン(沸点215℃) 45量部を
ポリビン中に入れ、振盪機にかけて溶解させ接着剤を調
製した。上記接着剤を用いたこと以外は、実施例5と同
様にして積層体を得た。
【0058】(実施例7)ガラス転移温度72℃のメタ
クリル酸エステル共重合体(積水化成品社製、商品名:
IBM−2)10重量部、フタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル(積水化学社製、商品名:DOP、沸点386℃)
50重量部、及び、酢酸エチル40重量部をポリビン中
に入れ、振盪機にかけて溶解させ接着剤を調製した。上
記接着剤を用いたこと以外は、実施例5と同様にして積
層体を得た。
【0059】実施例5〜7で得られた接着剤及び積層体
につき、以下の方法で常態接着性及びスクリーン印刷適
性を評価し結果を表2に示した。 (常態接着性)得られた積層体につき、実施例1と同様
の方法により評価した。
【0060】(スクリーン印刷適性)得られた接着剤を
スクリーン印刷機により、30cm×30cmのワーク
サイズで、電解メッキ法で形成された電解銅箔(厚み:
12μm)へ塗布量15g/m2 となるように塗布し
た。同様の方法で電解銅箔100枚について接着剤塗布
を行い、スクリーンメッシュ目詰まりの有無を目視観察
により評価し、目詰まりが発生しなかったものを○、目
詰まりが発生したものを×で表示し、目詰まりが発生す
るまでの塗布枚数を括弧内に表示した。
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明は上述の構成であり、第1〜第3
発明の接着剤又は第4発明の接着シートを用いて積層体
を作製することにより、セラミックグリーンシートと金
属箔との強固な接着が可能であり、得られた積層体を使
用することによって、多層配線基板の小型化、薄型化及
び回路の高精細化が可能となる。また、第4発明の接着
シートは溶剤を殆ど含んでいないため、作業環境の汚染
が殆どなく、均一な厚みの接着シートを使用することに
より、厚み精度の高い配線基板を容易に形成することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/38 H05K 3/38 E // H05K 3/46 3/46 H T Fターム(参考) 4F100 AB01A AB17A AB33A AD00B AK01G AK25G CB00 GB41 JA05G JA20B JB16G JK06 YY00 YY00B YY00G 4J004 AA05 AA07 AA08 AA10 AA15 AB05 BA02 FA05 4J040 CA041 CA071 CA141 DA021 DA101 DB061 DC031 DC071 DD021 DD031 DD071 DE021 DE031 DF041 DF051 EB011 ED001 EE011 HB02 HB03 HB09 HB10 HB15 HB18 HB30 HB32 HB34 HD24 KA23 KA31 MA02 MA04 NA19 PA30 PA33 5E343 AA23 BB24 BB67 CC01 DD43 GG02 GG08 GG20 5E346 AA16 CC08 CC12 CC16 CC32 DD12 EE12 EE13 EE22 GG07 HH22 HH25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(1)及び沸点150〜5
    00℃の液状成分(2)からなり、(1)と(2)の重
    量比が90:10〜5:95で混合されてなるセラミッ
    クグリーンシートと金属箔とを接着するための接着剤。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(1)、沸点150〜50
    0℃の液状成分(2)及び沸点50〜145℃の溶剤
    (3)からなり、(1)と(2)の重量比が90:10
    〜5:95、且つ、〔(1)+(2)〕と(3)が重量
    比5:95〜90:10で混合されてなるセラミックグ
    リーンシートと金属箔とを接着するための接着剤。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(1)及び沸点150〜5
    00℃の液状成分(2)からなり、(1)と(2)の重
    量比が90:10〜5:95で混合されてなり、且つ、
    沸点150℃未満の液状成分を含有しないことを特徴と
    するセラミックグリーンシートと金属箔とを接着するた
    めの接着剤。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂(1)及び沸点150〜5
    00℃の液状成分(2)からなり、(1)と(2)が重
    量比90:10〜5:95で混合され、シート状に成形
    されてなるセラミックグリーンシートと金属箔とを接着
    するための接着シート。
  5. 【請求項5】 セラミックグリーンシートと金属箔とが
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤又は請求項
    4記載の接着シートを用いて積層されてなる積層体。
  6. 【請求項6】 セラミックグリーンシートと金属箔とが
    積層されてなる積層体において、23℃、50%RH及
    び剥離速度300mm/分の条件下で測定される、セラ
    ミックグリーンシートと金属箔との180度剥離強度が
    1N/25mm以上であることを特徴とする積層体。
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