JP2002332187A - 二軸回転吊りフック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の重量物吊りフックは、アイボルトのよう
に単にネジ込んだ状態で使用するものがほとんどであ
る。特に２個所以上に取付けて使用する場合において
は、そのリング部分の方向性が不規則であるため、時に
は危険性を伴う等作業性において制約があった。 【解決手段】対称方向に二本の同芯軸を有した円筒状の
回転リング（３）に回転フック−Ａ（４）と回転フック
−Ｂ（５）を、あらかじめ組込んでおきこれを本体金具
（１）にはめ込んで、テーパーボルト（２）により対象
重量物の取付面に締め込んで取付ける。この状態にて、
回転リング（３）は取付面に対し平行方向に３６０度回
転し、溶接付にて一体化した回転フック−Ａ（４）と回
転フック−Ｂ（５）は、回転リング（３）の同芯軸を支
点として２００度以上回転可能としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、クレーンやワイ
ヤー等の吊り道具を用いて、吊り上げ吊り下し等の作業
を行う場合、対象重量物に取付け使用する吊りフック
を、二方向に自在に回転できるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来は、アイボルトに代表されるよう
な、単にねじ込んで使用するものがほとんどである。一
部に二方向に回転するものも有るが、吊り下げる方向に
よっては偏芯荷重がかかり、不安定であり又強度上も不
利であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来は、次のような欠
点があった。 （イ）アイボルトの場合、取付け面より突出したリング
部の占有体積が大きく、又一体形状の為、取付け場所に
他の干渉物がない事等の制約が有った。 （ロ）アイボルトを複数使用する場合、それぞれリング
の向きを任意方向とする事はリング部とネジ部が一体形
状の為、ねじ込み量を加減しない限り困難である。ねじ
込み量を加減すると、その保証荷重を確保する事が出来
なくなり、又リングの向きを調整する等の作業も必要と
なり面倒である。 （ハ）二方向に回転する従来の吊りフックの場合、その
内のいずれかの方向に偏芯があるものは吊る方向によっ
ては偏荷重がかかり、強度上及び吊下げ状態の安定上不
利であった。 （ニ）一般に吊りフックは、２ケ以上で使用されること
が多いが、それぞれがいずれの方向にても、偏芯もなく
自在にしかも短時間に使用可能とする事は困難であっ
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】以下に本発明が、課題を
解決する手段について説明する。 （イ）図１は、本体金具（１）の二面図を示す。左図は
その中心断面図、右図は矢視図である。中心部にテーパ
ー状（傾斜角度付）の穴を設ける。 （ロ）図２は、テーパーボルト（２）の二面図を示す。
左図はその長手方向矢視図、右図は頭部矢視図である。
テーパー形状部の寸度は、本体金具（１）のテーパー状
穴部と同一寸度とする。頭部内側外周面は回転リング
（３）の抜け止と本体金具（１）の締付けを兼ねる。 （ハ）図３は、回転リング（３）の二面図を示す。左図
はその側面図、右図は正面図である。中心部の穴寸法
は、本体金具（１）の本体部外径より若干大きく設定す
る。両端に突出した軸は同芯軸とし、その外径は回転フ
ック−Ａ（４）と回転フック−Ｂ（５）の端部穴をこれ
にはめ込み、回転可能な状態に設定する。 （ニ）図４は、回転フック−Ａ（４）の三面図を示す。
中央はその平面図、左右図はそれぞれの側面図である。
左図の穴部寸法は、回転リング（３）の同芯軸の片側に
はまり込む寸法とする。 （ホ）図５は、回転フック−Ｂ（５）の二面図を示す。
左図はその平面図、右図は側面図である。端部の穴部
は、回転リング（３）の同芯軸の残る片側にはまり込む
寸法とする。 （ヘ）図６は、本発明の構成部品を組付ける順序を示す
概念図でる。 （ト）図７は、本発明の二軸回転吊りフックを、重量物
に取付けた状態の三面図を示す。 左図はその平面図、右図は正面図、左下図は側面図であ
る。

【０００５】

【発明の実施の状態】図８に、重量物の取付面に対し、
垂直（直角）方向に吊り下げた状態を示す。図９に、重
量物の取付面に対し、４５度前後の方向に吊り下げた状
態を示す。図１０に、取付面を重量物の側面２個所以上
とした時の吊り下げ状態を示す。いずれの場合において
も、二軸回転吊りフックが自在に無理なく回転するの
で、安全に尚且つ迅速に作業を実行する事が出来る。

【０００６】

【発明の効果】本発明は、以上のような構造であるが次
のような効果がある。 （イ）ワイヤーロープを通すリング部が自在に回転する
ので、取付場所の確保がしやすい。 （ロ）ワイヤーロープを通すリング部が自在に回転する
ので、取付後周辺の他の部品との干渉を避ける事が可能
となる。 （ハ）ワイヤーロープを通すリング部が自在に回転する
ので、吊り下げる方向に対して無理なく、尚且つ迅速に
対応する事が出来る。 （ニ）テーパーボルトによって締付けるため、確実にし
かも無駄な調整をすることなく迅速に、尚且つ安全に重
量物に取付ける事が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の、本体金具（１）の中心断面図と矢視
図を示す。

【図２】本発明の、テーパーボルト（２）の長手方向矢
視図と頭部矢視図を示す。

【図３】本発明の、回転リング（３）の側面図と正面図
を示す。

【図４】本発明の、回転フック−Ａ（４）の平面図と左
右それぞれの側面図を示す。

【図５】本発明の、回転フック−Ｂ（５）の平面図と側
面図を示す。

【図６】本発明の、構成部品を取付けるための順序を示
す概念図である。

【図７】本発明の、二軸回転吊りフックを重量物に取付
けた状態の三面図を示す。

【図８】取付面に対し、垂直方向に吊り下げた状態を示
す。

【図９】取付面に対し、４５度前後の方向に吊り下げた
状態を示す。

【図１０】取付面を側面として、２箇所以上で吊り下げ
た状態を示す。

【符号の説明】

１ 本体金具 ２ テーパーボルト ３
回転リング ４ 回転フック−Ａ ５ 回転フック−Ｂ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】対称方向に二本の同芯軸を有した回転リン
   グ（３）に、回転フック−Ａ（４）と回転フック−Ｂ
   （５）を、その同芯軸にあらかじめ組込んでおきこれを
   さらに本体金具（１）に組付けた後、テーパーボルト
   （２）により重量物に取付ける。この時、回転フック−
   Ａ（４）と回転フック−Ｂ（５）は、溶接付にて一体化
   されており、回転リング（３）の同芯軸を支点として２
   ００度以上回転する。同時に、回転リング（３）は取付
   けられた面の平行方向に対し、３６０度自在に回転する
   事が出来る。これにより本発明の二軸回転吊りフック
   は、上記角度の範囲内にて、自在に回転する事が出来る
   ようにしたものである。