JP2002330948A - 画像処理制御方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の画像処理を適切な順序で実行させる画
像処理制御装置において、処理内容（処理の順序や処理
の省略）の変更に対して、簡単かつ柔軟に対応すること
を可能にする。 【解決手段】 複数の種類の画像処理と複数の種類の画
像処理を行う際の処理順序とを関連付けて記載したテー
ブルＴを記憶手段１３に記憶する。入力手段１１によ
り、画像データＳに施す画像処理の種類を入力する。制
御手段１２は、入力手段１１により入力された複数の画
像処理の処理順序を、テーブルＴを参照して決定する。
画像処理手段１４は、制御手段１２により決定された画
像処理の種類および順序に従って、画像データＳに画像
処理を施し、表示装置２０に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、医用画像を表す画
像信号に対して指定された複数の種類の画像処理を施す
場合の画像処理制御方法および装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】周知のように従来より、Ｘ線画像、ＲＩ
画像、ＣＴ（コンピューテッド・トモグラフィ）画像、
超音波画像、ＭＲＩ（磁気共鳴イメージング）画像等さ
まざまの医用画像が医療分野において広く利用されてい
る。また、放射線を照射すると、この放射線エネルギの
一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光等の励起光
を照射すると蓄積された放射線エネルギに応じて輝尽発
光を示す蓄積性蛍光体（輝尽性蛍光体）を利用して、人
体等の被写体の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積性
蛍光体（蓄積性蛍光体シート）に記録し、この蓄積性蛍
光体シートをレーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光
を生じせしめ、得られた輝尽発光光を光電的に読み取っ
て画像信号を得る放射線画像記録読取システム（ＣＲ；
コンピューテッド・ラジオグラフィ）がよく知られてい
る。

【０００３】これらのシステムにおいては、読み取って
得られた画像信号に階調処理、周波数処理、マルチ周波
数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理等の各種の画像処
理を施し、この画像処理が施された後の画像信号に基づ
いて、観察読影性（診断適性）の優れた診断用可視像を
写真感光材料（フイルム等）に記録し、またはその画像
信号を一時的に記録媒体に記録した後にＣＲＴ等の画像
表示装置に表示することにより放射線画像を再生し診断
等に供している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記放射線
画像の画像信号に対し、各種の画像処理を複数施す場
合、指定された複数の画像処理をどのような順序で施す
か、あるいは指定された複数の画像処理のうちどちらの
画像処理を施すか、ということが画質、処理時間などに
影響を与える。

【０００５】例えば、上述の放射線画像記録読取システ
ムにおいて読み取られた放射線画像の画像信号に対して
階調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理の
３種類の画像処理を施すように指定された場合、周波数
処理、ダイナミックレンジ圧縮処理、階調処理の順番で
行うことが望ましい。また、放射線画像の画像信号に対
してマルチ周波数処理と周波数処理を施すように指定さ
れた場合には、マルチ周波数処理のみの処理を行うこと
が望ましい。

【０００６】そのため、放射線画像の画像信号に対して
複数の種類の画像処理を施すように指定された場合、指
定された複数の画像処理の種類に応じて好適な処理内容
となるように順序の並べ替えや不必要な画像処理の省略
などの処理を指定するロジックを組み込んだプログラム
を作成して対応していた。

【０００７】しかしながら、上述のようなプログラムに
より対応した場合、指定された複数の画像処理の種類に
応じた処理内容（処理の順序や処理の省略）を変更した
い場合には、プログラムを作成し直す必要があるため大
変な労力を要する。

【０００８】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、画像信号に対して複数の種類の画像処理を施すよ
うに指定された場合に、画像処理装置に対して適切な順
序を指定することができ、また、処理内容（処理の順序
や処理の省略）の変更に対しても簡単かつ柔軟に対応す
ることが可能な画像処理制御方法および装置を提供する
ことを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明による画像処理制
御方法は、医用画像を表す画像信号に対し指定された複
数の種類の画像処理を施す際に、複数の種類の画像処理
の処理順序を決定し、その処理順序に従い複数の種類の
画像処理を実行させる画像処理制御方法であって、複数
の種類の画像処理と複数の種類の画像処理を行う際の処
理順序とを関連付けてテーブル化し、指定された複数の
種類の画像処理に対応する処理順序をテーブルを参照し
て決定し、決定した処理順序に従って指定された複数の
種類の画像処理を実行させることを特徴とするものであ
る。

【００１０】ここで「処理順序を決定する」とは、指定
された複数の画像処理のうち全ての画像処理に対して順
序を決定する場合に限らず、指定された複数の画像処理
のうち一部の画像処理に対して順序を決定し残りの画像
処理を省略するように決定する場合も含む。

【００１１】また、本発明による画像処理制御装置は、
医用画像を表す画像信号に対し指定された複数の種類の
画像処理を施す際に、複数の種類の画像処理の処理順序
を決定し、その処理順序に従い複数の種類の画像処理を
実行させる画像処理制御装置であって、複数の種類の画
像処理と複数の種類の画像処理を行う際の処理順序とを
関連付けて記載したテーブルを記憶した記憶手段と、指
定された複数の種類の画像処理に対応する処理順序をテ
ーブルを参照して決定し、決定した処理順序に従って指
定された複数の種類の画像処理を実行させる制御手段と
を備えてなることを特徴とするものである。

【００１２】また、本発明による画像処理制御装置にお
いては、医用画像を表す画像信号に対し施す画像処理の
種類を入力する入力手段をさらに備えたものとし、制御
手段を、入力手段により入力された複数の種類の画像処
理に対応する処理順序をテーブルを参照して決定し、決
定した処理順序に従って入力された複数の種類の画像処
理を実行させるものとしてもよい。

【００１３】

【発明の効果】本発明による画像処理制御装置によれ
ば、複数の種類の画像処理と複数の種類の画像処理を行
う際の処理順序とを関連付けてテーブル化し、指定され
た複数の種類の画像処理に対応する処理順序をテーブル
を参照して決定し、決定した処理順序に従って指定され
た複数の種類の画像処理を実行させるようにしたため、
画像信号に対して複数の種類の画像処理を施すように指
定された場合に、画像処理装置に対して適切な順序を指
定することができ、また、画像信号に対して複数の種類
の画像処理を施すように指定された場合の処理順序を変
更する場合にテーブルの内容を変更するだけでよいた
め、処理順序の変更に対して簡単かつ柔軟に対応するこ
とが可能となる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の画像処理制御装置
の具体的な実施の形態について説明する。図１は本発明
の第１の実施形態による画像処理制御装置を備えた画像
処理装置の構成を示す概略ブロック図である。

【００１５】本実施の形態による画像処理装置１０は、
画像データＳに対して施す画像処理の種類を入力する入
力手段１１と、複数の種類の画像処理と複数の種類の画
像処理を行う際の処理順序とを関連付けて記載したテー
ブルＴを記憶した記憶手段１３と、入力手段１１により
入力された複数の種類の画像処理に対応する処理順序を
記憶手段１３に記憶されたテーブルＴを参照して決定
し、決定した処理順序に従って画像処理手段１４に複数
の種類の画像処理を実行させる制御手段１２と、画像デ
ータＳに対して制御手段１２により指定された画像処理
の種類および順序に従って画像処理を施す画像処理手段
１４とからなり、さらに画像を表示するための表示装置
２０が画像処理装置１０に接続されている。なお、上記
入力手段１１、制御手段１２および記憶手段１３によ
り、画像処理制御装置１が構成されている。

【００１６】入力手段１１としては、キーボードやマウ
スなどの入力装置が用いられる。

【００１７】制御手段１２は、ＣＰＵなどの演算装置
と、入力手段１１により入力された複数の種類の画像処
理に対応する処理順序を記憶手段１３に記憶されたテー
ブルＴを参照して決定し、決定した処理順序に従って画
像処理手段１４に複数の種類の画像処理を実行させる処
理が記述されたプログラムにより実現される。

【００１８】記憶手段１３は、半導体メモリやハードデ
ィスクなどの記憶媒体により実現される。ここで、記憶
手段１３に記憶されるテーブルについて図を用いて説明
する。図２はテーブルの一例を示した図である。

【００１９】図２に示すテーブルＴは、横軸が画像デー
タに施される可能性のある各種の画像処理、縦軸は画像
データＳに施す画像処理の組合せとなっており、各配列
要素は、横軸が示す各種の画像処理を画像データに施す
際の、各組合せにおける処理順序を記載したものであ
る。

【００２０】もちろん、テーブルは上記のものに限ら
ず、複数の種類の画像処理と複数の種類の画像処理を行
う際の処理順序とを関連付けて記載したものであればど
のようなテーブルでもよい。

【００２１】表示装置２０は、ＣＲＴや液晶などのモニ
タにより実現される。

【００２２】次に以上のように構成された本実施の形態
による画像処理装置の動作について説明する。

【００２３】最初に画像データＳが画像処理装置１０に
入力される。ユーザは入力手段１１により、画像データ
Ｓに施す複数の画像処理の種類を入力する。なお、本実
施の形態では、ユーザが画像処理Ａ、画像処理Ｂおよび
画像処理Ｅを入力したものとして説明する。

【００２４】制御手段１２は、入力手段１１により入力
された複数の画像処理の好適な処理順序を、記憶手段１
３に記憶されているテーブルＴを参照して決定する。本
実施の形態では、画像処理Ａ、画像処理Ｂおよび画像処
理Ｅが入力されているため、対応するＤ９の項目を参照
し処理順序（１番目に画像処理Ｅ、２番目に画像処理
Ｂ、画像処理Ａは行わない）を決定する。

【００２５】画像処理手段１４は、制御手段１２により
決定された画像処理の種類および順序に従って、画像デ
ータＳに画像処理を施す。本実施の形態では、まず画像
処理Ｅを施し、この画像処理Ｅが施された画像データＳ
に対して画像処理Ｂを施し、最終的な画像処理結果を表
示装置２０に出力する。

【００２６】また、画像処理装置１０において行われる
画像処理の種類が増えた場合や、処理順序を変更したい
場合には、横軸の画像処理の種類を表す項目を増やした
り、各配列要素に記載される処理順序を表す番号を変更
するなど、テーブルＴの内容を変更するだけで対応する
ことができる。

【００２７】上記画像データＳに施す画像処理として
は、例えば階調処理、周波数処理、特開平１０−７５３
９５号広報に記載されているようなマルチ周波数処理、
ダイナミックレンジ圧縮処理等が挙げられるが、これら
の画像処理に限定されるものではなく、その他どの様な
画像処理であってもよい。

【００２８】なお、上述の階調処理は、用意された複数
の階調補正曲線の中から各撮影の撮影対象物や撮影目的
に応じて最適な階調補正曲線を選出し、その選出した階
調補正曲線に基づいて行ったり、あるいは、直角座標の
一方の軸に変換前画像信号のレベルを、他方の軸に変換
後画像信号のレベルを取った座標系中に基準となる階調
補正曲線を設定し、この座標系において上記階調補正曲
線をその曲線上の１点を中心として回転および／または
平行移動して撮影対象および撮影目的に応じた階調補正
曲線を得、この階調補正曲線に基づいて行ったりするも
のである。

【００２９】また、周波数処理は、原画像信号Ｓorgか
ら非鮮鋭マスク画像信号Ｓusを引いたものに強調係数β
を乗じたものを、原画像信号Ｓorgに加算することによ
り、原画像信号の所定の空間周波数成分を強調したりす
るものである。これを式で表すと下記の式（１）のよう
になる。

【００３０】 Ｓproc＝Ｓorg＋β×（Ｓorg−Ｓus） （１） （但し、Ｓproc：処理済画像信号 Ｓorg ：原画像信号 Ｓus ：非鮮鋭マスク画像信号 β ：強調係数） また、マルチ周波数処理は、低周波数から高周波数すべ
ての帯域のコントラストを任意に強調することができる
ものであり、例えば式（２）によって処理される。

【００３１】 Ｓproc＝Ｓorg ＋β（Ｓorg ）・Ｆusm （Ｓorg,Ｓus1,Ｓus2,…ＳusN） Ｆusm （Ｓorg,Ｓus1,Ｓus2,…ＳusN） ＝｛ｆ_１(Ｓorg −Ｓus1)＋ｆ_２(Ｓus1 −Ｓus2)＋… ＋ｆ_ｋ(Ｓusk-1−Ｓusk )＋…＋ｆ_Ｎ(ＳusN-1−ＳusN)｝ （２） （但し、Ｓproc：処理済画像信号 Ｓorg ：原画像信号 Ｓusk(k=1〜N)：非鮮鋭マスク画像信号 ｆ_ｋ(k=1〜N) ：各帯域制限画像信号を変換する関数 β（Ｓorg） ：原画像信号に基づいて定められる強調
係数） また、ダイナミックレンジ圧縮処理とは、原画像信号を
処理して前記原画像よりもダイナミックレンジの狭い画
像を担持する処理済画像信号を求める処理のことであ
り、例えば、特開平３−２２２５７７号公報に記載され
ているように、オリジナル画像を表わす原画像信号Ｓor
g を処理して前記原画像よりもダイナミックレンジの狭
い画像を担持する処理済画像信号Ｓprocを求める画像の
ダイナミックレンジ圧縮処理方法において、各画素点に
対応して該各画素点の周囲の所定範囲内の原画像信号Ｓ
org を平均化することにより非鮮鋭マスク画像信号Ｓus
を求め、この非鮮鋭マスク画像信号Ｓusの値が増大する
につれて単調減少する関数をｆ_１（Ｓus）としたとき、
式（３）に従って処理済画像信号Ｓprocを求めるもので
ある。

【００３２】 Ｓproc＝Ｓorg ＋ｆ_１（Ｓus） （３） （但し、Ｓproc：処理済画像信号 Ｓorg ：原画像信号 Ｓus ：非鮮鋭マスク画像信号 ｆ_１ ：前記各帯域制限画像信号を変換する関数） 上記のように構成された本発明による画像処理制御方法
および装置によれば、複数の種類の画像処理と複数の種
類の画像処理を行う際の処理順序とを関連付けてテーブ
ル化し、指定された複数の種類の画像処理に対応する処
理順序をテーブルを参照して決定し、決定した処理順序
に従って指定された複数の種類の画像処理を実行させる
ようにしたため、画像信号に対して複数の種類の画像処
理を施すように指定された場合に、画像処理装置に対し
て適切な順序を指定することができ、また、画像信号に
対して複数の種類の画像処理を施すように指定された場
合の処理順序を変更する場合にテーブルの内容を変更す
るだけでよいため、処理順序の変更に対して簡単かつ柔
軟に対応することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による画像処理制御装置のブロック図

【図２】テーブルの一例を示す図

【符号の説明】

１ 画像処理制御装置 １０ 画像処理装置 １１ 入力手段 １２ 制御手段 １３ 記憶手段 １４ 画像処理手段 ２０ 表示装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 医用画像を表す画像信号に対し指定され
   た複数の種類の画像処理を施す際に、該複数の種類の画
   像処理の処理順序を決定し、その処理順序に従い前記複
   数の種類の画像処理を実行させる画像処理制御方法であ
   って、 複数の種類の画像処理と該複数の種類の画像処理を行う
   際の処理順序とを関連付けてテーブル化し、 前記指定された複数の種類の画像処理に対応する処理順
   序を前記テーブルを参照して決定し、 決定した処理順序に従って前記指定された複数の種類の
   画像処理を実行させることを特徴とする画像処理制御方
   法。
2. 【請求項２】 医用画像を表す画像信号に対し指定され
   た複数の種類の画像処理を施す際に、該複数の種類の画
   像処理の処理順序を決定し、その処理順序に従い前記複
   数の種類の画像処理を実行させる画像処理制御装置であ
   って、 複数の種類の画像処理と該複数の種類の画像処理を行う
   際の処理順序とを関連付けて記載したテーブルを記憶し
   た記憶手段と、 前記指定された複数の種類の画像処理に対応する処理順
   序を前記テーブルを参照して決定し、決定した処理順序
   に従って前記指定された複数の種類の画像処理を実行さ
   せる制御手段とを備えてなることを特徴とする画像処理
   制御装置。
3. 【請求項３】 前記医用画像を表す画像信号に対し施す
   画像処理の種類を入力する入力手段をさらに備え、 前記制御手段が、前記入力手段により入力された複数の
   種類の画像処理に対応する処理順序を前記テーブルを参
   照して決定し、決定した処理順序に従って前記入力され
   た複数の種類の画像処理を実行させるものであることを
   特徴とする請求項２記載の画像処理制御装置。