JP2002327076A - プリプレグ及びその製造方法 - Google Patents

プリプレグ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002327076A
JP2002327076A JP2001132966A JP2001132966A JP2002327076A JP 2002327076 A JP2002327076 A JP 2002327076A JP 2001132966 A JP2001132966 A JP 2001132966A JP 2001132966 A JP2001132966 A JP 2001132966A JP 2002327076 A JP2002327076 A JP 2002327076A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
prepreg
impregnated
fiber sheet
reinforcing fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001132966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4989822B2 (ja
Inventor
Shiro Asada
史朗 浅田
Hisao Koba
久雄 木場
Akihiro Ito
彰浩 伊藤
Kazutami Mitani
和民 三谷
Kimihiro Ikezaki
公裕 池崎
Katsumi Wakabayashi
巧己 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2001132966A priority Critical patent/JP4989822B2/ja
Publication of JP2002327076A publication Critical patent/JP2002327076A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4989822B2 publication Critical patent/JP4989822B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プリプレグを積層させて成形品を製造する際
に、層間にエアがトラップされてボイドを生じることが
なく、取り扱い性にも優れ、いかなる複雑な形状の成形
品をも製造可能であるプリプレグとその製造方法とを提
供する。 【解決手段】強化繊維シートにマトリックス樹脂を、少
なくとも内部に連続する樹脂層を形成するように含浸さ
せ、その後、前記樹脂が含浸された前記強化繊維シート
の少なくとも片側表面に、凹凸面をもつ保護フィルムの
前記凹凸面を前記強化繊維シートに向けて貼り付ける。
その状態で30〜60℃、大気圧下で12時間以上放置
する。得られたプリプレグ(1) は、内部に連続する樹脂
層(3a)が存在し、少なくとも片側表面は、実質的に含浸
樹脂が存在する樹脂含浸部分(3b)と、実質的に樹脂が存
在しない繊維部分(2a)とにより構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化複合成形物
を製造する際に用いられるプリプレグとその製造方法と
に関し、特に、真空バギング成形に好適に用いられるプ
リプレグとその製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合成形物を製造する際に用い
られるプリプレグは、従来からプリプレグの形状を維持
する目的で、シリコーンがコートされた離型紙によりそ
の片面が保持されているのが一般的である。また、他面
にはプリプレグのタックを保持するため、或いは埃など
の異物の付着を防止するために、例えばポリエチレン製
フィルムなどの保護フィルムによって覆われている。
【0003】しかし、これら離型紙や保護フィルムなど
のシート状物でプリプレグの片面又は両面を覆うことに
より、表面張力などのシート状物との相互作用によりプ
リプレグに含まれる樹脂がシート状物の側へ偏移し、プ
リプレグの両表面が樹脂リッチとなる。
【0004】このように両表面が樹脂リッチとなってい
るプリプレグは、目的とする複合成形物に加工するため
に、所望のパターンにカットした後、シート状物を剥が
しても、その直後ではプリプレグの表面が樹脂リッチの
ままである。かかる表面が樹脂リッチのプリプレグを複
数枚、単に積層しただけでは2枚のプリプレグの間にエ
アがトラップされてしまう。このようにプリプレグの間
にエアがトラップされた状態でプリプレグを硬化する
と、得られた成形物は一体性が損なわれてしまう。或い
は、これらトラップされたエアの跡がボイドとなり、そ
のボイドはある応力下で応力集中部となるため、複合成
形物としての強度が低下するなど、機能が損なわれるこ
とになる。
【0005】このような不都合を回避するため、積層さ
れたプリプレグの間にエアがトラップされるのをなくす
必要がある。例えばオートレイアップマシンを使用し
て、プリプレグを積層する際に加圧加熱しながらプリプ
レグ同士を押し当てて、プリプレグの間の空気を抜きな
がら積層する方法があるが、このオートレイアップマシ
ンは極めて高価なため得られた複合成形物の価格にも影
響を及ぼす。また、このオートレイアップマシンは複雑
な形状に積層させる場合での使用には適していないた
め、その用途が限られてしまう。これらの理由により、
現在でもプリプレグの積層作業は作業者により手作業で
行われているのが実情である。
【0006】このため、プリプレグの表面にタルクを付
着させ、プリプレグ表面の樹脂同士が直接面状に粘着す
ることを防いで樹脂自体のべたつきを低下させて、エア
トラップを防止する方法が提案されている。このタルク
を付着させる方法は、プリプレグのタック性を低下させ
るには効果的であるが、単にタック性を低減させるだけ
にすぎず、タルクが成形物中に含まれることになるた
め、大型の成形物を製造する場合に、不用意に重量増を
もたらすことになる。また成形物の機械的物性を考慮す
ると、タルクは均一に付着させることが望ましいが、斑
付けを起こしタルクが局在化することもあり、その場合
には成形物の機械的物性が低下するおそれもある。
【0007】或いは、第31回(1986年4月7〜1
0日開催)及び第32回(1987年4月6〜9日開
催)の国際SAMPEシンポジウムで発表された論文
(「Production of void free composite parts withou
t debulking 」、「Degree of impregnation of prepre
gs - Effects on prosity 」)に開示されている層間ボ
イドを防止する方法では、強化繊維シートの全体に樹脂
が含浸されずに、強化繊維シートの片側表面に偏って樹
脂が含浸されているプリプレグを採用している。この樹
脂が片側表面に偏って含浸されたプリプレグは、複数枚
のプリプレグを積層したときの層間にトラップされたエ
アや揮発物を硬化の際に逃がすための流路が形成される
ため、ボイドが生じるのを防止できるとしている。
【0008】樹脂が強化繊維シートの片側表面に偏って
含浸されたこのプリプレグは、強化繊維シートを、予め
計量された樹脂を塗工した離型紙と樹脂が塗工されてい
ない離型紙と間に介装し、これを両面から挟着・押圧す
るという方法により製造される。
【0009】或いは、特開平2−227212号公報に
開示されている方法では、周方向に凹凸部を有するロー
ラにより、樹脂が十分に含浸されているプリプレグの表
面にプリプレグの成形方向に沿った多数の凹溝を形成し
ている。凹溝の方向を一定にして前記プリプレグを複数
枚、積層させて真空バッギング成形により成形する場合
には、プリプレグ表面の凹溝が層間にトラップされたエ
アや揮発物を逃す通路として機能するため、層間ボイド
を防止できるとしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、片側表
面に樹脂が偏在する上記ダブルフィルム法により製造さ
れたプリプレグでは、使用するにあたり、樹脂が塗工さ
れていない離型紙を剥ぎ取り、プリプレグとそれを担持
するための樹脂の塗工された離型紙とからなるプリプレ
グ材の状態で使用する必要がある。この際、樹脂を塗工
していない離型紙は強化繊維と直接触れているため、同
離型紙を剥ぎ取る際に単糸が強化繊維シートから抜き取
られ、更にはその抜き取られた単糸が次々と他の単糸を
絡め取っていき、遂にはその部分に目開きを生ずるとい
った不都合も生じ、製品として重要な欠陥が生じること
がある。
【0011】また、片側表面には樹脂が存在していない
ため、かかる表面に樹脂が存在しない面同士を対向させ
て積層する場合、層間において互いを粘着させて積層す
ることができず、プリプレグの取り扱い性が低下する。
【0012】一方、特開平2−227212号公報に開
示されているプリプレグ表面に凹溝を形成する方法で
は、上下2層が各凹溝を互いに交差するよう積層された
場合には、その凹溝の形態が維持され、同凹溝が空気の
流れ道となり、トラップされたエアが流れることがで
き、ボイドフリーな成形体が得られる。しかしながら、
上下2つの層を各凹溝が略平行となるよう積層した場合
には、プリプレグ表面の凹溝がその上に積層されたプリ
プレグの裏側の材料により塞がれ易くなり、逆にエアが
トラップされるためボイドが形成され易くなる。
【0013】本発明はかかる従来の問題点を解決すべく
なされたものであり、プリプレグを積層させて成形品を
製造する際に、プリプレグの層間にエアがトラップされ
てボイドを生じることがなく、取り扱い性にも優れ、い
かなる複雑な形状の成形品をも製造可能であるプリプレ
グと同プリプレグの製造方法とを提供することを目的と
している。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本件請求項1に係る発明は、強化繊維シートにマト
リックス樹脂が含浸されてなるプリプレグであって、内
部に連続する樹脂層が存在し、少なくとも片側表面は、
実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分と、実質的に
含浸樹脂が存在しない繊維部分とにより構成されている
ことを特徴としている。なお、前記強化繊維シートと
は、炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維が一方向に引
き揃えられたシートや、強化繊維織編物、又は不織布な
どをいう。
【0015】本発明のプリプレグは、少なくとも片側表
面に実質的に含浸樹脂が存在しない繊維部分が形成され
ているため、複数枚の前記プリプレグを、オートレイア
ップマシンなどの高価な装置を用いることなく、また、
脱バルクなどを行うことなく、手作業により積層させ、
例えば真空バッギング成形法などの従来の方法により硬
化させたときにも、層間にボイドが発生することなく、
所望の機械的強度を備えた成形物を得ることができる。
【0016】これは、前記プリプレグの片側表面の前記
繊維部分が、硬化成形時において、積層時に層間にトラ
ップされたエアや成形時の揮発物などの抜け道となるた
めである。なお、前記繊維部分は成形時、樹脂が完全に
硬化されるまでの間に、周囲の樹脂が前記繊維部分へと
流動し、樹脂により満たされる。
【0017】更には、前記片側表面には樹脂が十分に含
浸しており実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分が
形成されているため、積層時における上下の層の密着性
が適度に得られ、プリプレグの取扱い性も向上する。
【0018】本件請求項2に係る発明では、前記片側表
面は前記繊維部分が海部を、前記樹脂含浸部分が島部を
構成する海島状となっていることを特徴としている。こ
のように前記繊維部分を海部、前記樹脂含浸部分を島部
とすることにより、層間にトラップされたエアや揮発物
を効率よく効果的に外部へと逃がすことができる。
【0019】本件請求項3に係る発明は、前記島部の面
積が前記片側表面の全面積に対して1〜80%であるこ
とを特徴とする。更に前記島部の面積は前記片側表面の
全面積に対して2〜50%であることが好ましい。前記
島部の面積が前記片側表面の全面積に対して1%よりも
少ない場合には積層時における上下の層の密着性が不足
し、プリプレグの取り扱いが困難となるおそれがある。
また、前記島部の面積が前記片側表面の全面積に対して
80%よりも多い場合には、成形時に周囲の樹脂の流動
により繊維部分がすぐに閉塞されてしまい、層間にトラ
ップされたエアや揮発物を完全に外部へと逃がすことが
できず、残存エアが成形体内部のボイドとなるおそれが
ある。
【0020】本件請求項4に係る発明は、隣り合う前記
島部の中心間距離が1〜10mmであることを特徴とし
ている。更に前記中心間距離は2〜5mmであることが
好ましい。前記島部の中心間距離が上記範囲となる大き
さで前記島部を形成することにより、層間にトラップさ
れたエアや揮発物をより円滑に且つ完全に外部へと逃が
すことができる。
【0021】かかる本発明によるプリプレグを製造する
ために、本件請求項5に係る発明では、強化繊維シート
に対してマトリックス樹脂を、少なくとも内部に連続す
る樹脂層を形成するように含浸させること、及び前記マ
トリックス樹脂が含浸された前記強化繊維シートの少な
くとも片側表面に、凹凸面をもつ保護フィルムの前記凹
凸面を前記強化繊維シートに向けて貼り付けること、を
含んでなることを特徴とするプリプレグの製造方法を提
供している。更に本件請求項6に係る発明では、前記凹
凸面の前記凸部のみを前記マトリックス樹脂が含浸され
た前記強化繊維シートに接触させてなることを特徴とし
ている。
【0022】本発明で使用可能な強化繊維の材質は特に
限定されるものではないが、前記強化繊維として、例え
ば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、
スチール繊維なとを使用することができる。なかでも炭
素繊維は、性敬語の機械的特性が良好なことから好適に
用いられる。この炭素繊維としてはポリアクリロニトリ
ル(PAN)系の炭素繊維及びピッチ系の炭素繊維のい
ずれも使用可能である。
【0023】本発明で使用される強化繊維シートも、そ
の強化繊維の形態及びその配列など、特に限定されな
い。前記強化繊維シートには、長繊維を一方向に引き揃
えたシートや、クロス(織物)、トウ、マット、ニッ
ト、スリーブの形態のものが挙げられる。
【0024】また、保護フィルムの材質についても特に
限定されるものではなく、マトリックス樹脂との密着性
とを考慮して、マトリックス樹脂の種類に応じて適宜、
変更が可能である。例えば、保護フィルムとして従来か
ら使用されているポリエチレン製のフィルムを使用する
ことができる。
【0025】更に、マトリックス樹脂も特に限定される
ものではない。本発明で使用される樹脂としては熱硬化
性樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステルとビスマレ
イミド樹脂とを組み合わせた三菱ガス化学(株)製BT
レジンなどが上げられるが、エポキシ樹脂を用いること
が好ましい。
【0026】エポキシ樹脂としては、例えば2官能樹脂
であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフ
タレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキ
シ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂や、或いはこれらを
組み合わせた樹脂などが好適に用いられる。
【0027】更には、3官能以上の多官能性エポキシ樹
脂を用いることもできる。この多官能性エポキシ樹脂と
しては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノ
ジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、
テトラグリシジルアミンのようなグリシジルアミン型エ
ポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)
エタンやトリス(グリシジルオキシメタン)のようなグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂、或いはこれらの組み
合わせが好適に用いられる。
【0028】本発明のマトリックス樹脂には硬化剤を添
加することが好ましい。前記硬化剤としては、ジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族
アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアン
ジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミ
ン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボ
ン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミ
ド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメル
カプタン、三フッ化硼素エチルアミン錯体のようなルイ
ス酸錯体などが挙げられる。
【0029】また、これらの硬化剤をマイクロカプセル
化したものもプリプレグの保存安定性を高めるために好
適に用いることができる。これらの硬化剤には硬化活性
を高めるために適当な硬化促進剤を組み合わせることが
できる。好ましい例としては、ジシアンジアミドに3―
(3、4―ジクロロフェニル)―1、1、ジメチル尿素
(DCMU)等の尿素誘導体あるいはイミダゾール誘導
体を硬化促進剤として組み合わせる例、カルボン酸無水
物やノボラック樹脂に第三アミンを硬化促進剤として組
み合わせる例などが挙げられる。
【0030】またこれらエポキシ樹脂と硬化剤、あるい
はそれらの一部を予備反応させたものをマトリックス樹
脂の組成物中に配合することもできる。この方法は粘度
調節や保存安定性向上に有効である場合がある。
【0031】更に、上述したマトリックス樹脂の構成要
素に加えて、樹脂粘度の制御やプリプレグ取扱い性の制
御を目的として熱可塑性樹脂を配合してもよい。その場
合、エポキシ樹脂との相溶性や、複合材料としたときの
物性へ悪影響を及ぼさないことなどを考慮して樹脂を選
択する。好ましい例としては、ポリビニルフォルマー
ル、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、
ポリメチルメタアクリレート、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテ
ルイミド、ポリインミド等がある。また、これらの樹脂
を2種類以上混合しても構わない。
【0032】また、添加剤として、ゴム粒子、可溶性の
ゴム、コアシェル構造のゴムなどを含有させることがで
きる。これらは少なくとも母体樹脂に一部溶解している
か、或いは溶解せずに粒子状で存在するが、本発明では
品質の良好なプリプレグを得るため、粒子状で存在する
場合には、実質的に粒子径が約50μm以上のものは含
まれないよう、予め粒子を粉砕しておくか溶解させてお
くことが好ましい。
【0033】本発明の製造方法にあっては、先ず、従来
の方法により強化繊維シートに対してマトリックス樹脂
を含浸させる。例えば、離型紙の表面にマトリックス樹
脂を均一に塗布し、その樹脂表面に強化繊維シートを貼
り付けて樹脂を含浸させる。この方法により製造された
プリプレグは、マトリックス樹脂が強化繊維シートの片
側、即ち離型紙側の表面に偏った状態で含浸されてい
る。
【0034】或いは、表面にマトリックス樹脂を均一に
塗布した離型紙により強化繊維シートの両側から挟み、
強化繊維シートに樹脂を含浸させることもできる。この
方法により得られたプリプレグは樹脂がプリプレグ全体
に均一に含浸されている。これら従来の方法により強化
繊維シートに樹脂を含浸させると、少なくとも内部に連
続する樹脂層が形成されている。
【0035】次に、これらプリプレグの少なくとも片側
表面に、凹凸面を有する保護フィルムの前記凹凸面を貼
り付ける。例えば片面にのみ離型紙が貼着されている場
合には、繊維リッチとなっている他面側には保護フィル
ムを貼り付けることが好ましい。また、両面に離型紙が
貼着されている場合には少なくとも片側の離型紙を剥離
し、その面に上記保護フィルムを貼り付ける。
【0036】前記保護フィルムは凸部が樹脂の含浸され
ている前記強化繊維シートに密着し、凹部は前記シート
から離れた状態にある。このとき、保護フィルムの凸部
が密着している部分では、強化繊維シートに含浸してい
る樹脂が表面張力により保護フィルムの側に引き付けら
れ、その部分が樹脂リッチとなり、実質的に含浸樹脂が
存在する樹脂含浸部分が形成される。一方、保護フィル
ムの凹部に対応する部位は、樹脂が含浸された強化繊維
シートとは離れているため前記表面張力が作用せず、前
記凸部の側へ、或いはプリプレグの内部へと樹脂が移動
するため、凹部に対応する部位では実質的に含浸樹脂が
存在しない繊維部分となる。
【0037】かかるプリプレグの製造方法では、プリプ
レグを保管、運搬する際に通常その表面に貼り付けられ
ている保護フィルムを、上述したような凹凸面をもつフ
ィルムに変更するだけで、上述したような表面が樹脂含
浸部分と繊維部分とから構成される成形時にボイドが生
じることのない優れたプリプレグを容易に製造すること
ができ、格別に大掛かりな装置も不要であるため、その
製造コストに影響を及ぼすこともない。
【0038】保護フィルムの凹凸面との接触と樹脂の表
面張力とを利用した本発明の製造方法にあっては、プリ
プレグ表面への樹脂含浸部分と繊維部分とからなる海島
構造の発現は、樹脂の粘度に依存する経時的現象であ
る。
【0039】そのため、本件請求項7に係る発明は、前
記強化繊維シートに前記保護フィルムを貼り付けた状態
で、4時間以上、前記マトリックス樹脂の粘度を100
00Poise 以下に保持することを含んでなることを特徴
とする。或いは、本件請求項8に係る発明は、前記強化
繊維シートに前記保護フィルムを貼り付けた状態で、4
時間以上、30〜150℃に保持することを含んでなる
ことを特徴とする。
【0040】このように含浸樹脂を所定の粘度以下にし
て、或いは所定の温度下で、4時間以上おくことによ
り、樹脂が十分量、前記凸部の接触している表面へと移
動して、樹脂含浸部分と繊維部分とが明確に形成され
る。
【0041】一般に保持する温度を高くすることによっ
て樹脂の粘度は低くなる。この樹脂粘度は前記マトリッ
クス樹脂によって異なるが、一般に保持する温度は30
℃以上とすることが好ましい。また、温度が高すぎる場
合には樹脂の硬化反応が進み樹脂が移動するのに十分な
時間が確保されない場合や、プリプレグを後に室温で保
管する場合にプリプレグのタック性が損なわれる場合も
あるので、保持温度は150℃以下とすることが好まし
い。
【0042】本件請求項9に係る発明によれば、前記保
護フィルムの前記凹凸面は、多数の凸部が互いに独立し
て形成されてなることを特徴とする。かかる凹凸面をも
つ保護フィルムを使用することにより、樹脂含浸部分が
島部、繊維部分が海部を構成する表面をもつプリプレグ
を製造することができる。
【0043】更に本件請求項10に係る発明では、前記
保護フィルムの前記凹凸面は、多数の凸部がフィルム面
に均一に分散して配されてなることを特徴としている。
このように凸部が均一に分散していることにより、得ら
れるプリプレグの表面は、繊維部分に対して樹脂含浸部
分が均一に存在している。かかるプリプレグから成形さ
れた成形品は、樹脂密度や繊維密度が均一なものにな
る。なお、前記凸部は上述した理由から均一に分散して
いることが望ましいが、もちろん、前記凸部が不均一に
分散していてもよい。
【0044】本件請求項11に係る発明は、隣り合う前
記凸部の中心間距離が1〜10mmであることを特徴と
している。更に前記中心間距離は2〜5mmであること
が好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の
好適な実施形態によるプリプレグの平面図、図2は図1
のI−I線に沿った矢視断面図である。
【0046】前記プリプレグ1は、強化繊維シート2
と、同シート2に含浸されたマトリックス樹脂3とから
構成されている。前記強化繊維シートとしては、例えば
炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維が一方向に引き揃
えられたシートや、強化繊維の織編物、不織布などを使
用することができる。
【0047】前記プリプレグ1は樹脂3が裏面側に偏っ
て含浸されており、内部には連続する樹脂層3aが存在
している。更に、表面は、強化繊維シートに樹脂が十分
に含浸され、実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分
3bと、実質的に樹脂が存在せず、前記強化繊維が露出
している繊維部分2aとにより構成されている。
【0048】前記繊維部分2aは海部を、前記樹脂含浸
部分3bは島部を構成する海島状であり、前記樹脂含浸
部分3bが独立して存在している。本実施例では、樹脂
含浸部分3bの表面形状が菱形をなしており、等間隔で
規則的に矢来状に配列されている。この隣り合う前記樹
脂含浸部分3bの中心間距離は1〜10mmであること
が好ましい。更に、前記島部である樹脂含浸部分3bの
面積は、全表面積に対して1〜80%であることが好ま
しい。なお、この樹脂含浸部分3bの形状及びその配列
は、樹脂の流動性やタック性に応じて適宜、設計を変更
することが可能である。
【0049】かかる構成を備えたプリプレグを製造する
には、まず、強化繊維シートの片面に対してマトリック
ス樹脂を、少なくとも内部に連続する樹脂層を形成する
ように含浸させる。例えば、離型紙の表面に所定量のマ
トリックス樹脂を塗工し、その表面に強化繊維シートを
供給した後、押圧ロールを通過させるなどの手段により
強化繊維シートに樹脂を含浸させて、片面側に樹脂が偏
って含浸されたプリプレグを得ることができる。或い
は、所定量のマトリックス樹脂を塗工した離型紙により
強化繊維シートの表裏を挟持した後、押圧ロールを通過
させるなどの手段により強化繊維シートの全体に樹脂が
含浸したプリプレグを得ることができる。
【0050】このように少なくとも内部に連続する樹脂
層をもつプリプレグの少なくとも片側表面、例えば片面
側に樹脂が偏って含浸されたプリプレグの場合には、そ
の樹脂が偏って含浸している側とは反対の他面側に、凹
凸面をもつ保護フィルムの前記凹凸面を前記強化繊維シ
ートに向けて貼り付ける。このとき、前記保護フィルム
の凹凸面は、その凸部のみが強化繊維シートに密着して
いる。
【0051】樹脂が含浸された前記強化繊維シートに前
記保護フィルムを貼り付けた状態で、樹脂の粘度を10
00Poise 以下として4時間以上、或いは、30〜60
℃の温度下で4時間以上、保持することにより、前記強
化繊維シートは前記保護フィルムの凸部が密着している
部位においてその表面張力により、内部の樹脂が表面側
へと移動する。その結果、図1に示すように、強化繊維
シート1の表面は前記凸部が密着している部位では、樹
脂が十分に含浸され実質的に含浸樹脂が存在している樹
脂含浸部分3bとなり、保護フィルムが密着していない
保護フィルムの凹部に対応する部位では樹脂が実質的に
存在しない繊維部分2aとなる。
【0052】このような表面張力による樹脂の移動は、
全体に樹脂が含浸されており、表面全体に樹脂が実質的
に存在している強化繊維シートであっても見られる。全
体的に樹脂が存在している表面に凹凸面をもつ保護フィ
ルムを貼着した場合に、同強化繊維シートは前記保護フ
ィルムの凸部が密着している部分へその周囲の樹脂が移
動し、凸部が密着している部分は、樹脂が十分に含浸さ
れ実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分となり、そ
の周囲は実質的に樹脂が存在しない繊維部分となる。
【0053】前記保護フィルムとしては、従来から保護
フィルムとして使用されているポリエチレン製のフィル
ムを使用することが好ましいが、マトリックス樹脂との
密着性とを考慮して、マトリックス樹脂の種類に応じて
適宜、変更が可能である。
【0054】前記保護フィルムは少なくともその片面が
凹凸面となっており、特に海部である凹部に凸部が島状
に、各凸部同士が独立して存在していることが好まし
い。更には、前記凸部が均一に且つ規則的に配列されて
いることが好ましい。
【0055】また、前記保護フィルムの全面積に対する
凸部の面積は1〜80%であり、同凸部の面積は4〜5
0%であることが好ましい。また、隣り合う各凸部の中
心間距離が1〜10mmであり、更には前記距離は2〜
5mmであることが好ましい。
【0056】以下、本発明の具体的な実施例及び比較例
について説明する。なお、以下の実施例では凹凸面をも
つ保護フィルムとして、表面に凹凸面が形成されている
ポリエチレン製のエンボスフィルムを使用している。エ
ンボスフィルムの凹凸パターンは、対角線の長さが4m
m×2mmの菱形の凸部が、間隔が0.5mmで矢来状
に配置されている。
【0057】(実施例1)表1に示した組成Aでエポキ
シ樹脂組成物を調整した。この樹脂を樹脂目付が108
g/m2 となるように離型紙上に均一に塗布して樹脂フ
ィルムを準備した。また、強化繊維シートは、三菱レイ
ヨン(株)製の炭素繊維、TR30S(引張弾性率:2
35GPa)を一方向に引き揃えたシート状物である。
前記樹脂フィルムと強化繊維シートにより、炭素繊維目
付(以下、「FAW」とする。)が200g/m2 、樹
脂含有率(以下、「RC」とする。)が35%の一方向
プリプレグを作成した。
【0058】そのプリプレグの表面側に上記エンボスフ
ィルムの凹凸面をプリプレグ側に向けて貼り付け、80
℃雰囲気中で4時間保持した。得られたプリプレグは表
面のエンボスフィルムの凹部に相当する部位では、樹脂
がプリプレグの内部へと浸透しており、プリプレグ表面
には実質的に樹脂が存在しない繊維部分となっていた。
また、エンボスフィルムの凸部に相当する部位では、樹
脂が十分に含浸され樹脂リッチの、実質的に含浸樹脂が
存在する樹脂含浸部分となっていた。かかるプリプレグ
は十分に積層作業が行えるタック性が確保されているこ
とが確認された。
【0059】上記プリプレグを用い繊維の配列方向が
〔−45°/90°/+45°/0°/0°/+45°
/90°/−45°〕の方向で8枚積層して得られるプ
リプレグスタック4の両面に、図3に示すように、テト
ラフルオロエチレンとエチレンの共重合体からなる離型
性フィルム5を配して積層する。この積層体を離型剤を
塗布した5mmのアルミニウム薄板からなるベースプレ
ート6に載置する。更に、前記積層体の上面にガラス繊
維織物からなるサーフェスブリーザー7及びナイロンか
らなるバギングフィルム8を順次積層してバギングした
のち、図4に示す条件で硬化させた。
【0060】ここで、プリプレグスタック4の両面に配
された離型性フィルム4の周縁は、その一部を除いて高
粘度の樹脂でシールされる。このシールされない開口部
分には、エアーの排出を促進させるためガラス繊維から
なる組紐9が配されると共に、その内側にはガラスヤー
ン10が配され、予めフィルム4内のエアーを抜いてお
く。次いで、上記ベースプレート6とバギングフィルム
8との全周縁を残してシール剤11をもってシールす
る。
【0061】得られた平板状の複合材料の断面を研磨し
倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、プリプレ
グの層間に複合材料の強度に影響を及ぼすボイドは観察
されなかった。
【0062】(実施例2)エポキシ樹脂組成物を表1に
示した組成Bに変更した以外は、全て実施例1と同様に
して、FAWが200g/m2 、RCが35%の一方向
プリプレグを作成した。そのプリプレグの表面側に上記
エンボスフィルムの凹凸面をプリプレグ側に向けて貼り
付け、50℃雰囲気中で12時間保持した。得られたプ
リプレグは実施例1と同様な形態を示し、良好なタック
を有していた。
【0063】次に、得られたプリプレグを実施例1と同
様に8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図5
に示す条件で硬化させた。得られた平板状の複合材料の
断面を研磨し、倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したと
ころ、プリプレグの層間に複合材料の強度に影響を及ぼ
すボイドは観察されなかった。
【0064】(実施例3)エポキシ樹脂組成物を表1に
示した組成Cに変更した以外は全て実施例1と同様にし
て、FAWが200g/m2 、RCが35%の一方向プ
リプレグを作成した。そのプリプレグの表面側に上記エ
ンボスフィルムの凹凸面をプリプレグ側に向けて貼り付
け、130℃雰囲気中で10時間保持した。得られたプ
リプレグは実施例1と同様な形態を示し、良好なタック
を有していた。
【0065】次いで、得られたプリプレグを実施例1と
同様に8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図
6に示す条件で硬化させた。得られた平板状の複合材料
の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したと
ころ、プリプレグの層間に複合材料の強度に影響を及ぼ
すボイドは観察されなかった。
【0066】(実施例4)表1に示した組成Aのエポキ
シ樹脂組成物を調製し、樹脂目付が54g/m2となる
ように離型紙上に均一に塗布して樹脂フィルムを作製し
た。三菱レイヨン(株)製の炭素繊維、TR30S(引
張弾性率:235GPa)をシート状に引き揃えた強化
繊維シートの表裏両側から、前記樹脂フィルムにより挟
み込み、加熱して、FAWが200g/m2 でRCが3
5%の一方向プリプレグを作成した。
【0067】そのプリプレグの表面側にエンボスフィル
ムの凹凸面をプリプレグ側に向けて貼り付け、80℃雰
囲気中で4時間保持した。得られたプリプレグは実施例
1と同様な形態を示し、良好なタックを有していた。
【0068】その後、上記プリプレグを用い繊維の配列
方向が〔−45°/90°/+45°/0°/0°/+
45°/90°/−45°〕の方向で8枚積層し、図3
に示すようにバギングして、図4に示す条件で硬化させ
た。得られた平板状の複合材料の断面を研磨し倍率50
倍の光学顕微鏡にて観察したところ、プリプレグの層間
に複合材料の強度に影響を及ぼすボイドは観察されなか
った。
【0069】(実施例5)表1に示した組成Aのエポキ
シ樹脂組成物を離型紙上に均一に塗布し、樹脂目付が1
33g/m2 の樹脂フィルムを作成した。その樹脂フィ
ルムと三菱レイヨン製炭素繊維クロス、TR3110を
用い、実質的に表面側に樹脂が存在しておらず、裏面側
に樹脂が偏った状態に含浸し、FAWが200g/m2
でRCが40%のクロスプリプレグを得た。
【0070】そのプリプレグ表面にエンボスフィルムを
貼り付け、80℃で5時間保持した。その後、エンボス
フィルムを剥ぐと、プリプレグ表面のエンボスフィルム
の凹部に相当する部位では、樹脂がプリプレグの内部へ
と浸透しており、プリプレグ表面には実質的に樹脂が存
在しない繊維部分が形成されていた。また、エンボスフ
ィルムの凸部に相当する部位では、樹脂が十分含浸され
樹脂リッチの、実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部
分が形成されており、十分に積層作業することができる
タックの保持が確認された。
【0071】このプリプレグを8ply積層し、図3に
示すようにバギングして、図4に示す条件で硬化した
後、この複合材料の断面を観察したところ、層間にボイ
ドは観察されなかった。
【0072】(比較例1)表1に示した組成Aのエポキ
シ樹脂組成物を用いて、樹脂目付が54g/m2となる
ように離型紙上に均一に塗布し、樹脂フィルムを作成し
た。この樹脂フィルムを、一方向にシート状に引き揃え
られた三菱レイヨン(株)製の炭素繊維TR30Sの表
裏両側から挟み込み、表裏両側から加熱して樹脂を含浸
させた。その後、上側の離型紙を剥ぎ取ることによりF
AWが200g/m2 でRCが35%の一方向プリプレ
グを得た。
【0073】そのプリプレグの離型紙が付着していない
側に、表面が平滑なポリエチレン製フィルムを貼り付
け、80℃で5時間保持した。得られたプリプレグは樹
脂が炭素繊維トウの内部まで均一に含浸しており、プリ
プレグ表面にも樹脂が均一に存在していた。タックは強
くべとついていた。
【0074】上記プリプレグを用い実施例1と同様に、
表面が平滑なポリエチレン製フィルムを剥がし、直ちに
前記プリプレグを繊維の配列方向が〔−45°/90°
/+45°/0°/0°/+45°/90°/−45
°〕の方向で8枚積層し、図3に示すようにバギングし
て、図4に示す条件で硬化させた。得られた平板状の複
合材料の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察
したところ、層間に非常に多くのボイドが確認された。
【0075】(比較例2)表1に示した組成Bのエポキ
シ樹脂組成物を用いた以外は比較例1と同様にして、F
AWが200g/m2 でRCが35%の一方向プリプレ
グを得た。そのプリプレグの離型紙が付着していない側
に、表面が平滑なポリエチレン製フィルムを貼り付け、
50℃雰囲気とした中に12時間保持した。得られたプ
リプレグは樹脂が炭素繊維トウ内部まで均一に含浸して
おり、プリプレグ表面にも樹脂が均一に存在していた。
タックは強くべとついていた。
【0076】このプリプレグを比較例1と同様に、表面
が平滑なポリエチレン製フィルムを剥がし、直ちに前記
プリプレグを繊維の配列方向が〔−45°/90°/+
45°/0°/0°/+45°/90°/−45°〕の
方向で8枚積層し、図3に示すようにバギングして、図
5に示す条件で硬化させた。得られた平板状の複合材料
の断面を研磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したと
ころ、層間に非常に多くのボイドが確認された。
【0077】(比較例3)表1に示した組成Cのエポキ
シ樹脂組成物を使用した以外は比較例1と全く同様にプ
リプレグを作成した。そのプリプレグの離型紙が付着し
ていない側に表面が平滑なポリエチレン製フィルムを貼
り付け、130℃に10時間保持した。得られたプリプ
レグは樹脂が炭素繊維トウ内部まで均一に含浸してお
り、プリプレグ表面にも樹脂が均一に存在していた。タ
ックは強くべとついていた。
【0078】その後、比較例1と同様に表面が平滑なポ
リエチレン製フィルムを剥がし、直ちに前記プリプレグ
を繊維の配列方向が〔−45°/90°/+45°/0
°/0°/+45°/90°/−45°〕の方向で8枚
積層し、図3に示すようにバギングして、図6に示す条
件で硬化させた。得られた平板状の複合材料の断面を研
磨し倍率50倍の光学顕微鏡にて観察したところ、層間
に非常に多くのボイドが確認された。
【0079】(比較例4)表1に示した組成Aのエポキ
シ樹脂組成物を離型紙上に均一に塗布し、樹脂目付13
3g/m2 の樹脂フィルムを作成した。その樹脂フィル
ムと三菱レイヨン(株)製の炭素繊維クロス、TR31
10を用い、樹脂が炭素繊維クロス全体に充分行きわた
った状態に含浸したクロスプリプレグを作成した。
【0080】そのプリプレグ表面に平滑で凹凸のないポ
リエチレン製フィルムを貼り付け、80℃で5時間保持
した。これにより得られたクロスプリプレグはフィルム
を剥ぐと、プリプレグの表面は全体が樹脂で覆われて
た。タックは強くベトついていた。
【0081】このプリプレグを用い、実施例4と同様に
8ply積層し、図3に示すようにバギングして、図4
に示す条件で硬化した後、断面を観察したところ、層間
に多量のボイドが観察された。
【0082】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態によるプリプレグの平
面図である。
【図2】図1のI−I線に沿った矢視断面図である。
【図3】バギング方法を示す説明図である。
【図4】硬化条件を示すグラフである。
【図5】硬化条件を示すグラフである。
【図6】硬化条件を示すグラフである。
【符号の説明】
1 プリプレグ 2 強化繊維シート 2a 繊維部分 3 マトリックス樹脂 3a 樹脂層 3b 樹脂含浸部分 4 プリプレグスタック 5 離型フィルム 6 ベースプレート 7 サーフェスブリーザー 8 バギングフィルム 9 エッジブリーザー 10 ガラスヤーン 11 シール剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 彰浩 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 三谷 和民 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 池崎 公裕 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 若林 巧己 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4F072 AA01 AA07 AD13 AD23 AD37 AD38 AD45 AE02 AG03 AG20 AH06 AH21 AL09 4F100 AD11A AK01B AK04B AK53A BA02 BA10A BA10B BA44A DD01B DD02B DG11A DH01A EA061 EJ172

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維シートにマトリックス樹脂が含
    浸されてなるプリプレグであって、 内部に連続する樹脂層が存在し、少なくとも片側表面
    は、実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分と、実質
    的に含浸樹脂が存在しない繊維部分とにより構成されて
    なることを特徴とするプリプレグ。
  2. 【請求項2】 前記片側表面は前記繊維部分が海部を、
    前記樹脂含浸部分が島部を構成する海島状となっている
    ことを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】 前記島部の面積が前記片側表面の全面積
    に対して1〜80%であることを特徴とする請求項2記
    載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】 隣り合う前記島部の中心間距離が1〜1
    0mmであることを特徴とする請求項2又は3記載のプ
    リプレグの製造方法。
  5. 【請求項5】 強化繊維シートに対してマトリックス樹
    脂を、少なくとも内部に連続する樹脂層を形成するよう
    に含浸させること、及び前記マトリックス樹脂が含浸さ
    れた前記強化繊維シートの少なくとも片側表面に、凹凸
    面をもつ保護フィルムを貼り付けること、を含んでなる
    ことを特徴とするプリプレグの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記凹凸面の前記凸部のみを前記マトリ
    ックス樹脂が含浸された前記強化繊維シートに接触させ
    てなることを特徴とする請求項5記載のプリプレグの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記強化繊維シートに前記保護フィルム
    を貼り付けた状態で、4時間以上、含浸樹脂の粘度を1
    0000Poise 以下に保持することを含んでなることを
    特徴とする請求項5又は6記載のプリプレグの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記強化繊維シートに前記保護フィルム
    を貼り付けた状態で、4時間以上、30〜150℃の温
    度に保持することを含んでなることを特徴とする請求項
    5又は6記載のプリプレグの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記保護フィルムの前記凹凸面は、多数
    の凸部が互いに独立して形成されてなることを特徴とす
    る請求項5記載のプリプレグの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記保護フィルムの前記凹凸面は、多
    数の凸部がフィルム面に均一に分散して配されてなるこ
    とを特徴とする請求項9記載のプリプレグの製造方法。
  11. 【請求項11】 隣り合う前記凸部の中心間距離が1〜
    10mmであることを特徴とする請求項9又は10記載
    のプリプレグの製造方法。
JP2001132966A 2001-04-27 2001-04-27 プリプレグの製造方法 Expired - Lifetime JP4989822B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001132966A JP4989822B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 プリプレグの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001132966A JP4989822B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 プリプレグの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012027604A Division JP2012111957A (ja) 2012-02-10 2012-02-10 プリプレグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002327076A true JP2002327076A (ja) 2002-11-15
JP4989822B2 JP4989822B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=18980904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001132966A Expired - Lifetime JP4989822B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 プリプレグの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4989822B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004009314A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. プリプレグ、frp成形用中間材料並びにこれらの製造方法および繊維強化複合材料の製造方法
JP2004106347A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Mitsubishi Rayon Co Ltd Frp成形用中間材料及びその製造方法
WO2004037505A1 (ja) * 2002-10-23 2004-05-06 Mitsubishi Rayon Co.,Ltd. プリプレグ及びその製造方法
JP2004182923A (ja) * 2002-12-05 2004-07-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグ及びそれを用いた繊維強化複合材料の製造方法
JP2007098819A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd サンドイッチパネルの製造方法
JP2007098818A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd 繊維強化プラスチックパネルの製造方法
JP2014015567A (ja) * 2012-07-10 2014-01-30 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグ
WO2014038633A1 (ja) 2012-09-06 2014-03-13 三菱レイヨン株式会社 プリプレグ及びその製造方法
US9180606B2 (en) 2003-03-06 2015-11-10 Vestas Wind Systems A/S Method for preparing pre-form materials
US9481789B2 (en) 2011-03-03 2016-11-01 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Matrix resin composition, prepreg and method for producing the same, and fiber-reinforced composite material
JP2017128109A (ja) * 2015-11-10 2017-07-27 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company 複合製品のためのエッジブリーザ
JPWO2017150529A1 (ja) * 2016-02-29 2018-03-08 三菱ケミカル株式会社 繊維強化樹脂材料積層体及びその製造方法
CN114030205A (zh) * 2021-11-16 2022-02-11 航天特种材料及工艺技术研究所 一种包装箱及其制作方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59146836A (ja) * 1983-02-10 1984-08-22 三菱レイヨン株式会社 表面粘着特性の改良されたプリプレグ
JPS6211939Y2 (ja) * 1982-12-28 1987-03-24
JPH0189932U (ja) * 1987-12-07 1989-06-13
JPH0489209A (ja) * 1990-07-31 1992-03-23 Tonen Corp プリプレグの製造法
JPH07276358A (ja) * 1994-04-08 1995-10-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグシート
JPH07276360A (ja) * 1994-04-05 1995-10-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグシート
JPH11322977A (ja) * 1998-05-15 1999-11-26 Toho Rayon Co Ltd 一方向繊維強化プリプレグ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6211939Y2 (ja) * 1982-12-28 1987-03-24
JPS59146836A (ja) * 1983-02-10 1984-08-22 三菱レイヨン株式会社 表面粘着特性の改良されたプリプレグ
JPH0189932U (ja) * 1987-12-07 1989-06-13
JPH0489209A (ja) * 1990-07-31 1992-03-23 Tonen Corp プリプレグの製造法
JPH07276360A (ja) * 1994-04-05 1995-10-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグシート
JPH07276358A (ja) * 1994-04-08 1995-10-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグシート
JPH11322977A (ja) * 1998-05-15 1999-11-26 Toho Rayon Co Ltd 一方向繊維強化プリプレグ

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8679991B2 (en) 2002-07-18 2014-03-25 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Prepreg, intermediate material for forming FRP, and method for production thereof and method for production of fiber-reinforced composite material
WO2004009314A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. プリプレグ、frp成形用中間材料並びにこれらの製造方法および繊維強化複合材料の製造方法
JP2004106347A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Mitsubishi Rayon Co Ltd Frp成形用中間材料及びその製造方法
WO2004037505A1 (ja) * 2002-10-23 2004-05-06 Mitsubishi Rayon Co.,Ltd. プリプレグ及びその製造方法
US8703244B2 (en) 2002-10-23 2014-04-22 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Prepreg and method of manufacturing the prepreg
JP2004182923A (ja) * 2002-12-05 2004-07-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグ及びそれを用いた繊維強化複合材料の製造方法
US9180606B2 (en) 2003-03-06 2015-11-10 Vestas Wind Systems A/S Method for preparing pre-form materials
JP2007098819A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd サンドイッチパネルの製造方法
JP2007098818A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd 繊維強化プラスチックパネルの製造方法
US9481789B2 (en) 2011-03-03 2016-11-01 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Matrix resin composition, prepreg and method for producing the same, and fiber-reinforced composite material
JP2014015567A (ja) * 2012-07-10 2014-01-30 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグ
WO2014038633A1 (ja) 2012-09-06 2014-03-13 三菱レイヨン株式会社 プリプレグ及びその製造方法
EP3121219A1 (en) 2012-09-06 2017-01-25 Mitsubishi Rayon Co. Ltd. Prepreg roll
KR20170012576A (ko) 2012-09-06 2017-02-02 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 프리프레그 및 그의 제조 방법
US10647828B2 (en) 2012-09-06 2020-05-12 Mitsubishi Chemical Corporation Prepreg and method for producing same
JP2017128109A (ja) * 2015-11-10 2017-07-27 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company 複合製品のためのエッジブリーザ
JPWO2017150529A1 (ja) * 2016-02-29 2018-03-08 三菱ケミカル株式会社 繊維強化樹脂材料積層体及びその製造方法
CN114030205A (zh) * 2021-11-16 2022-02-11 航天特种材料及工艺技术研究所 一种包装箱及其制作方法
CN114030205B (zh) * 2021-11-16 2023-05-12 航天特种材料及工艺技术研究所 一种包装箱及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4989822B2 (ja) 2012-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8703244B2 (en) Prepreg and method of manufacturing the prepreg
CA2278816C (en) Fiber material partially impregnated with a resin
TWI677418B (zh) 切口型預浸漬物及切口型預浸漬物片
AU2013348225B2 (en) Bonding of composite materials
US7138345B2 (en) Carbon fiber reinforced base material, preform and composite material comprising the same
EP1027206B1 (en) Unidirectional fiber-random mat preform
US20090291278A1 (en) Multiaxially reinforced laminated moldings and process for production thereof
JP3505754B2 (ja) プリプレグおよびその製造方法
JP2002327076A (ja) プリプレグ及びその製造方法
WO2004009314A1 (ja) プリプレグ、frp成形用中間材料並びにこれらの製造方法および繊維強化複合材料の製造方法
JPH08259713A (ja) プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP5173358B2 (ja) 保護フィルム付プリプレグ
KR20190127685A (ko) 프리프레그 및 섬유 강화 복합 재료
JPS63170428A (ja) プリプレグの製造方法
JP2001114915A (ja) プリプレグ及び繊維強化複合材料
JP2006198920A (ja) ハニカムコキュア用プリプレグ、ハニカム積層複合材およびそれらの製造方法
JP2010195844A (ja) 部分含浸プリプレグ及びその製造方法並びにそれを用いた繊維強化複合材料の製造方法
JP4671890B2 (ja) プリプレグ
JPH10231372A (ja) プリプレグおよびその製造方法
JP7354841B2 (ja) プリプレグ、離型シート付プリプレグ、プリプレグ積層体、繊維強化複合材料、およびプリプレグの製造方法
JP2005313607A (ja) 強化繊維基材、プリプレグ、繊維強化プラスチックおよび繊維強化プラスチックの製造方法
JP2012111957A (ja) プリプレグ
US6242090B1 (en) Fibre reinforced resin composite products
JP2803272B2 (ja) プリプレグの製造方法
JP2004106347A (ja) Frp成形用中間材料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120210

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120424

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120501

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4989822

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term