JP2002326207A - 木材の防汚方法 - Google Patents
木材の防汚方法Info
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Abstract
有する木材防汚剤を提供する。 【解決手段】 【化1】 で示される3−フェニルピロール誘導体(式中、Xは水
素原子、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を表
し、R1とR2は同時に或いは他と独立して水素原子、
ハロゲン原子またはニトロ基を表すか、R1とR2は一
緒になってジハロメチレンジオキシ基を表す。)と第4
級アンモニウム化合物或いはポリエチレンイミンを含有
する水溶液を木材防汚剤として用いる。
Description
低下させる微生物の発生を効果的に防止する木材防汚方
法に関する。
建材、工業用材料、土木用材料等として広範な用途に使
用されているが、特に、野外、床下等の、劣化環境の厳
しい場面で使用する場合、木材腐朽菌及びシロアリ等に
よる生物劣化により、その長期の使用が困難である。そ
こで木材を木材腐朽菌及びシロアリから保護するため
に、水溶性薬剤を木材内部にまで浸透させるための加圧
注入処理や、あるいは塗布、吹き付け、浸漬による表面
処理が一般に行われている。
では、その表層が高い水分含量の状態となるため、処理
木材を乾燥するまでの間にフザリウム属、アスペルギル
ス属、ペニシリウム属、トリコデルマ属などに属する微
生物が発生、生育して、木材を汚染し、商品価値を著し
く低下させるという問題があった。また、こうした汚染
菌は、処理木材を雨水に接触する環境で使用した場合に
も発生することがあり、処理木材の商品イメージ、商品
価値を低下させるという問題があった。
カルボキシミド系、フタルイミド系、スルファミド系、
キノリン系、イミダゾール系、ベンゾチアゾール系、ト
リアゾール系、有機ヨード系、トリハロアリル系、チオ
シアネート系薬剤等の木材処理剤に対する添加が提案さ
れてきた。しかしながら、処理木材で発生する様々な微
生物を抑制するためには、抗菌スペクトルが広いこと、
木材処理剤あるいはその水溶液中での安定性が高いこ
と、水溶性が高く木材内部への薬剤成分の浸透性を妨害
しないことが重要であり、また特別な防汚処理を必要と
しない簡便な方法であることも重要であり、こうした様
々な要求に応える有効な防汚方法が強く望まれていた。
題を解決するために、従来の木材保存処理に適用可能な
多くの抗生物剤について鋭意探索を行った。本検索は有
効な抗生物剤の抗菌スペクトル、水溶性、広範囲なpH
域、特にアルカリpH域での安定性、木材内部への浸透
性を評価し、さらに複数の有効成分の組み合わせを検討
するという極めて困難なものであったが、ついに4−
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−
4−イル)ピロール−3−カルボニトリル、4−(2,
3−ジクロロフェニル)ピロール−3−カルボニトリル
等の3−フェニルピロール系の化合物と第4級アンモニ
ウム化合物或いはポリエチレンイミンを有効成分とする
抗生物剤が極めて高い防汚性を付与し、上記の課題が解
決されることを見出して本発明を完成するに至った。
特開昭62−483および特開昭62−212306
で、植物病原性微生物を防除するためまたは生きている
植物をそのような微生物の攻撃から保護するため及び/
または腐敗しやすい植物または動物に由来する貯蔵品を
保護するためピロール誘導体を殺菌剤として用いること
を記載しているが上記問題に対する言及は一切認められ
なかった。また木材保存剤の成分として第4級アンモニ
ウム化合物或いはポリエチレンイミンを使用することは
一般に知られていることであるが、さらに3−フェニル
ピロール誘導体を同時に使用することで得られる極めて
高い相乗的な防汚効果は従来知られていなかった。この
相乗効果の詳細な理由は不明であるが、第4級アンモニ
ウム化合物或いはポリエチレンイミンの有するカチオン
性物質としての効果が3−フェニルピロール誘導体の有
する殺菌性を増強しているものと考えられる。
のである [1][化1]で表される3−フェニルピロール誘導体
及び第4級アンモニウム化合物或いはポリエチレンイミ
ンを含有する水溶液を木材に接触させることを特徴とす
る木材の防汚方法。
−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール
−4−イル)ピロール−3−カルボニトリル及び4−
(2,3−ジクロロフェニル)ピロール−3−カルボニ
トリルから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求
項1に記載の木材の防汚方法。
は下記の化学式に示される構造を有する第4級アンモニ
ウム化合物であって、脂肪族基、炭化水素基或いはポリ
オキシエチレン基が同一の窒素原子に結合しているもの
である。かかる塩を形成するためのアニオンは特に限定
されるものではない。
独立して脂肪族基、炭化水素基、ポリオキシエチレン基
を表す。Xはアニオン形成原子あるいは原子団を表
す。)
1,2−エチレンイミンを重合して選られるポリマーで
あり、ポリエチレンイミンの重合度は2〜1000が好
適である。本発明における防汚剤を使用するに際して
は、他の何等の成分も加えず、3−フェニルピロール誘
導体と第4級アンモニウム化合物或いは酸によって弱酸
性から弱アルカリ性のpHとしたポリエチレンイミンを
混合したものをそのまま用いても良いが、必要あれば界
面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、乳剤、水
和剤、懸濁剤、フロアブル剤等に製剤化することも可能
である。これらの製剤には、有効成分が合計量で通常
0.001〜90重量%、好ましくは0.01〜50重
量%含有される。また3−フェニルピロール誘導体と第
4級アンモニウム化合物或いはポリエチレンイミンの混
合比は3−フェニルピロール誘導体1に対し第4級アン
モニウム化合物或いはポリエチレンイミンは通常1〜1
000の割合、好ましくは10から500の割合であ
る。この様な製剤は、そのままで或いは水で希釈して用
い、その際の木材処理液中に含有される3−フェニルピ
ロール誘導体の濃度は通常0.1ppm〜5000pp
mであり、好ましくは1ppm〜100ppmである。
材料すなわち木材、木片、木粉、木質加工品(合板、フ
ァイバーボード、パーティクルボード、集成材等を含
む)、籾殻、藁、竹材等のことであり、本発明は、これ
らの木材の薬剤処理後の乾燥過程、あるいは処理木材使
用時での、生物的な木材汚染の防止に有用である。本発
明の木材防汚方法は、木材の表面に塗布したり、木材を
浸漬して含浸させたり、木材中に加圧或いは減圧して注
入する等の従来用いられてきた手段を採用することによ
り、木材に容易に処理剤水溶液を接触させることができ
る。
剤、木材防腐剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺蟻剤(シロアリ
防除剤)、忌避剤、殺菌剤、共力剤と混用又は併用して
木材を処理することも可能である。かかる木材保存剤と
して、具体的には以下のものがあげられる。ナフテン酸
銅系薬剤、ナフテン酸亜鉛系薬剤、アルキルアンモニウ
ム化合物系薬剤、銅アルキルアンモニウム化合物系薬
剤、バーサチック酸亜鉛・ピレスロイド系薬剤、銅・ほ
う酸・アゾール化合物系薬剤、銅・アゾール化合物系薬
剤、プロペタンホス・アゾール化合物系薬剤、ほう酸・
アルキルアンモニウム化合物系薬剤、リグニン・銅・ホ
ウ素化合物系薬剤、リグニン・銅・アゾール化合物系薬
剤。
体のpHがアルカリ域にあるものにおいては、多くの抗
生物剤が不安定であり充分な防汚性が得られないという
欠点があった。しかしながら本発明で開示する有効成分
の組み合わせはアルカリpH域においても安定性が高
く、その結果、様々な木材保存剤において使用可能であ
り極めて有用である。本発明の防汚方法はpH3〜1
2、好ましくはpH6〜11の広範なpH域で利用可能
である。
発明はこの例に限定されるものではない。なお各成分の
配合量は、重量%(以下本明細書では、%と略記す
る。)で表示した。
ジオキソール−4−イル)ピロール−3−カルボニトリ
ルを1%の濃度で含むプロピレングリコール溶液を調製
した。
−3−カルボニトリルを1%の濃度で含むプロピレング
リコール溶液を調製した。
10%の濃度で含む水溶液を調製した。
水溶液を調製した。
を10%の濃度で含む水溶液を各々調製した。これら製
剤1から製剤5を単独、または混合して水で希釈し、以
下に示す比較処方例及び実施処方例を得、防カビ試験に
供した。
した。
した。
した。
した。
した。
した。
した。
した。
した。
加した。
998部を添加した。
997部を添加した。
997部を添加した。
996部を添加した。
998部を添加した。
997部を添加した。
997部を添加した。
996部を添加した。
998部を添加した。
水997部を添加した。
水997部を添加した。
水996部を添加した。
水998部を添加した。
水997部を添加した。
水997部を添加した。
水996部を添加した。調製したそれぞれの希釈液を、
20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを10に調
整して木材処理剤溶液を得、以下の実験に供した。
の試験片とし、これを耐圧容器に入れ、次の手順で薬剤
処理を行った。 1) 耐圧容器に試験片を入れ、蓋を閉めた後、真空
ゲージの目盛りが700mmHgに至るまで真空ポンプ
で減圧を行い、この状態で30分間維持した。 2) 減圧状態を常圧状態に戻す過程において、予め
準備しておいた木材処理剤溶液を容器内に導入した。 3) この容器に液送ポンプを用いて木材処理剤溶液
を導入し、10気圧の圧力で加圧し、その状態を1時間
維持した。その後、容器内の圧力を常圧に戻し、容器内
の木材処理剤溶液を除去した。 4) 次に、真空ゲージの目盛りが700mmHgに
至るまで真空ポンプで減圧を行い、この状態で10分間
維持した後、試験片を取り出した。
ッパーの中に等間隔に設置し、処理した木片が乾燥しな
いように蓋をし、30℃の恒温室でインキュベートし
た。1ヶ月後、木材表面の微生物の生育を視覚的に判定
し、次式によって防汚率を求めた。
染された木片の個数))/10×100
ソール−4−イル)ピロール−3−カルボニトリル B;4−(2,3−ジクロロフェニル)ピロール−3−
カルボニトリル C;ジデシルジメチルアンモニウムクロライド D;塩化ベンザルコニウム E;ポリエチレンイミン塩酸塩
フルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)ピ
ロール−3−カルボニトリル、或いは4−(2,3−ジ
クロロフェニル)ピロール−3−カルボニトリルに4級
アンモニウム化合物或いはポリエチレンイミンを加えた
液で処理された木片で極めて顕著な防汚性が認められ
た。
2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−4−イ
ル)ピロール−3−カルボニトリルあるいは4−(2,
3−ジクロロフェニル)ピロール−3−カルボニトリル
と第4級アンモニウム化合物或いはポリエチレンイミン
を含有する水溶液で木材を処理するものであり、これに
より、微生物による木材汚染に対して極めて顕著な防止
効果が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 【化1】 (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基または
シアノ基を表し、R1とR2は同時に或いは他と独立し
て水素原子、ハロゲン原子またはニトロ基を表すか、R
1とR2は一緒になってジハロメチレンジオキシ基を表
す。)で表される3−フェニルピロール誘導体及び第4
級アンモニウム化合物或いはポリエチレンイミンを含有
する水溶液を木材に接触させることを特徴とする木材の
防汚方法。 - 【請求項2】3−フェニルピロール誘導体が、4−
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−
4−イル)ピロール−3−カルボニトリル及び4−
(2,3−ジクロロフェニル)ピロル−3−カルボニト
リルから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項
1に記載の木材の防汚方法。
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JP2011511035A (ja) * | 2008-02-06 | 2011-04-07 | ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ | フェニルピロールとピリオン化合物の組み合わせ |
JP2013530997A (ja) * | 2010-07-01 | 2013-08-01 | ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ | ピリオン化合物とポリエチレンイミンとの抗微生物性組み合わせ |
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JPH09505248A (ja) * | 1993-11-22 | 1997-05-27 | バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト | 銅化合物から成る木材保存剤 |
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2001
- 2001-05-01 JP JP2001170235A patent/JP4599762B2/ja not_active Expired - Fee Related
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