JP2002324552A - 鉛蓄電池用正極板の製造法 - Google Patents
鉛蓄電池用正極板の製造法Info
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アンチモンを含まない鉛合金からなる格子体
を用いた鉛蓄電池用正極板を製造する際に、ペーストの
固さを大幅に増すことなく、正極活物質の組成の不均一
性を可能な限り小さくし、化成効率の優れた方法を提供
する。 【構成】 本発明は、アンチモンを含まない鉛合金から
なる格子体に予め準備した酸化鉛と金属鉛と硫酸鉛の混
合物、水、希硫酸および導電材を混練したペーストを充
填する鉛蓄電池用正極板の製造法であって、前記導電材
は減圧下または大気圧下で300℃以上に加熱されたカ
ーボンブラックであることを特徴とする。そして、前記
カーボンブラックは、前記ペーストに酸化鉛と金属鉛と
硫酸鉛の混合物中の鉛元素1モル当たり2.0g以下添
加されていることを特徴とする。
を用いた鉛蓄電池用正極板を製造する際に、ペーストの
固さを大幅に増すことなく、正極活物質の組成の不均一
性を可能な限り小さくし、化成効率の優れた方法を提供
する。 【構成】 本発明は、アンチモンを含まない鉛合金から
なる格子体に予め準備した酸化鉛と金属鉛と硫酸鉛の混
合物、水、希硫酸および導電材を混練したペーストを充
填する鉛蓄電池用正極板の製造法であって、前記導電材
は減圧下または大気圧下で300℃以上に加熱されたカ
ーボンブラックであることを特徴とする。そして、前記
カーボンブラックは、前記ペーストに酸化鉛と金属鉛と
硫酸鉛の混合物中の鉛元素1モル当たり2.0g以下添
加されていることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池用正極板
の製造法に関するものである。
の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池用正極板は、鉛合金で形成され
た格子体に、酸化鉛と金属鉛の混合物(以下、鉛粉と記
す)、水、硫酸および場合によっては若干の補強材、導
電材を混連したペ−ストを充填し、これを高湿度下で熟
成乾燥させて未化成正極板とし、これを化成して製造さ
れる。前記格子体には近年アンチモンを含まない鉛合金
が多用されている。そして、前記未化成正極板を硫酸中
で化成するにはタンク化成あるいは電槽化成が行われて
いる。タンク化成の場合、過剰の希硫酸中に該極板を浸
し通電しており、電槽化成の場合は予め極群に組んで電
槽内に組み入れた後、電解液となる希硫酸を所定の量だ
け注入して通電している。
た格子体に、酸化鉛と金属鉛の混合物(以下、鉛粉と記
す)、水、硫酸および場合によっては若干の補強材、導
電材を混連したペ−ストを充填し、これを高湿度下で熟
成乾燥させて未化成正極板とし、これを化成して製造さ
れる。前記格子体には近年アンチモンを含まない鉛合金
が多用されている。そして、前記未化成正極板を硫酸中
で化成するにはタンク化成あるいは電槽化成が行われて
いる。タンク化成の場合、過剰の希硫酸中に該極板を浸
し通電しており、電槽化成の場合は予め極群に組んで電
槽内に組み入れた後、電解液となる希硫酸を所定の量だ
け注入して通電している。
【0003】ところで、この化成工程で未化成正極板が
希硫酸と接すると未化成活物質の酸化鉛が硫酸分と反応
し硫酸鉛と水が生じる。この反応は正極板の表面から進
行するので正極板の内部には濃度が低下した、場合によ
ってはほとんど真水のような希硫酸しか入り込まない。
そのため極板の表面と内部では通電の開始時や開始後し
ばらくの間は未化成活物質に組成や結晶形、粒子径の差
や、それを取り巻く希硫酸の濃度の差が生じる。 また
特に電槽化成の場合、正極板の内部と表面の差の他に、
注液口に近い部分と遠い部分の間に硫酸と酸化鉛の反応
量の差異も生じる。 しかし、これを解消するために注
入する希硫酸の濃度や量をむやみに多くしたり濃くする
わけにはいかず、タンク化成以上に正極板の部分毎の希
硫酸濃度が不均一性になってしまう。これらはアンチモ
ンを含まない鉛合金からなる格子体を用いた正極板の化
成後の組成や電池特性に無視できない影響を与える。例
えば化成後の正極板の表面と内部の活物質のX線回折ピ
−クを測定した場合、厚みが3.5mmを越す正極板で
はα-PbO2とβ-PbO2のピ−ク比は明らかに異なる
ことが多くの文献で報告されている。これは放電の際の
活物質利用率の低下や自己放電速度の増加をもたらす要
因となっており、上記の不均一性は可能な限り小さくす
ることが望ましい。
希硫酸と接すると未化成活物質の酸化鉛が硫酸分と反応
し硫酸鉛と水が生じる。この反応は正極板の表面から進
行するので正極板の内部には濃度が低下した、場合によ
ってはほとんど真水のような希硫酸しか入り込まない。
そのため極板の表面と内部では通電の開始時や開始後し
ばらくの間は未化成活物質に組成や結晶形、粒子径の差
や、それを取り巻く希硫酸の濃度の差が生じる。 また
特に電槽化成の場合、正極板の内部と表面の差の他に、
注液口に近い部分と遠い部分の間に硫酸と酸化鉛の反応
量の差異も生じる。 しかし、これを解消するために注
入する希硫酸の濃度や量をむやみに多くしたり濃くする
わけにはいかず、タンク化成以上に正極板の部分毎の希
硫酸濃度が不均一性になってしまう。これらはアンチモ
ンを含まない鉛合金からなる格子体を用いた正極板の化
成後の組成や電池特性に無視できない影響を与える。例
えば化成後の正極板の表面と内部の活物質のX線回折ピ
−クを測定した場合、厚みが3.5mmを越す正極板で
はα-PbO2とβ-PbO2のピ−ク比は明らかに異なる
ことが多くの文献で報告されている。これは放電の際の
活物質利用率の低下や自己放電速度の増加をもたらす要
因となっており、上記の不均一性は可能な限り小さくす
ることが望ましい。
【0004】一方、ペ−スト混錬の際に希硫酸の濃度を
増やすとペ−ストが固くなり、格子体への充填性が低下
し工業上の不都合が生じる。またペ−ストを充填した極
板に硫酸分をしみこませる方法も試みたが、これは内部
まで均一に硫酸を浸透させられず、効果が不十分であっ
た。
増やすとペ−ストが固くなり、格子体への充填性が低下
し工業上の不都合が生じる。またペ−ストを充填した極
板に硫酸分をしみこませる方法も試みたが、これは内部
まで均一に硫酸を浸透させられず、効果が不十分であっ
た。
【0005】そこで発明者は、特願2000−8158
5号で予め鉛粉中に硫酸鉛を所定の量だけ混合し、これ
を硫酸と水で混錬し、格子体に充填する方法を提案し
た。この方法は所期の効果を発揮したが、この方法では
鉛粉に予め混合する硫酸鉛に導電性が乏しいためにこれ
を多量に混合する場合にはその粒子径を所定の値より小
さくする必要があり、これは時間と手間を必要とし、な
おかつ化成時間の短縮は困難だった。
5号で予め鉛粉中に硫酸鉛を所定の量だけ混合し、これ
を硫酸と水で混錬し、格子体に充填する方法を提案し
た。この方法は所期の効果を発揮したが、この方法では
鉛粉に予め混合する硫酸鉛に導電性が乏しいためにこれ
を多量に混合する場合にはその粒子径を所定の値より小
さくする必要があり、これは時間と手間を必要とし、な
おかつ化成時間の短縮は困難だった。
【0006】一方、化成効率を向上させるには正極中に
導電材としてカ−ボンブラックを添加することが有効で
あるが、正極板は一般にその中に反応に関与しない物質
があると活物質の結合が著しく弱くなり寿命が劣化する
ので、カ−ボンブラックの添加量は化成効率向上の目標
値と寿命劣化の兼ね合いで検討しなければならない。
導電材としてカ−ボンブラックを添加することが有効で
あるが、正極板は一般にその中に反応に関与しない物質
があると活物質の結合が著しく弱くなり寿命が劣化する
ので、カ−ボンブラックの添加量は化成効率向上の目標
値と寿命劣化の兼ね合いで検討しなければならない。
【0007】また、カ−ボンブラックにはその表面に炭
化水素やその誘導体を付着させている。それらがセル内
で正極の化成にともない酸化されてカルボキシル基を持
つ有機物に変換されると、正極の腐食や自己放電を著し
く増加させ電池性能に悪影響を与える。
化水素やその誘導体を付着させている。それらがセル内
で正極の化成にともない酸化されてカルボキシル基を持
つ有機物に変換されると、正極の腐食や自己放電を著し
く増加させ電池性能に悪影響を与える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するためになされたものであり、アンチモンを含まな
い鉛合金からなる格子体を用いた鉛蓄電池用正極板を製
造する際に、ペ−ストの固さを大幅に増すことなく、正
極活物質の組成の不均一性を可能な限り小さくし、化成
効率の優れた鉛蓄電池用正極板の製造法を提供すること
を目的とする。
決するためになされたものであり、アンチモンを含まな
い鉛合金からなる格子体を用いた鉛蓄電池用正極板を製
造する際に、ペ−ストの固さを大幅に増すことなく、正
極活物質の組成の不均一性を可能な限り小さくし、化成
効率の優れた鉛蓄電池用正極板の製造法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、アンチモンを含まない鉛合金からなる格
子体に予め準備した酸化鉛と金属鉛と硫酸鉛の混合物、
水、希硫酸および導電材を混練したペーストを充填する
鉛蓄電池用正極板の製造法において、前記導電材は、減
圧下または大気圧下で300℃以上に加熱されたカ−ボ
ンブラックであることを特徴とする。
め、本発明は、アンチモンを含まない鉛合金からなる格
子体に予め準備した酸化鉛と金属鉛と硫酸鉛の混合物、
水、希硫酸および導電材を混練したペーストを充填する
鉛蓄電池用正極板の製造法において、前記導電材は、減
圧下または大気圧下で300℃以上に加熱されたカ−ボ
ンブラックであることを特徴とする。
【0010】また、前記カ−ボンブラックは、前記ペ−
ストに酸化鉛と金属鉛と硫酸鉛の混合物中の鉛元素1モ
ル当たり2.0g以下添加されていることを特徴とす
る。
ストに酸化鉛と金属鉛と硫酸鉛の混合物中の鉛元素1モ
ル当たり2.0g以下添加されていることを特徴とす
る。
【0011】
【作用】鉛粉に硫酸鉛を添加すると、ペーストを固くし
ないで均一な組成の活物質が得られるが、硫酸鉛の量に
よっては化成時の活物質の導電性が低下し化成効率が低
下することがある。しかし、上記のように加熱処理され
たカ−ボンブラックを適切な量だけペ−ストに添加する
ことで該ペ−ストの導電性を維持し、化成効率の低下を
防止できる。また、活物質の軟化による劣化を大幅に抑
制することができる。更に、自己放電の増加を抑制でき
る。
ないで均一な組成の活物質が得られるが、硫酸鉛の量に
よっては化成時の活物質の導電性が低下し化成効率が低
下することがある。しかし、上記のように加熱処理され
たカ−ボンブラックを適切な量だけペ−ストに添加する
ことで該ペ−ストの導電性を維持し、化成効率の低下を
防止できる。また、活物質の軟化による劣化を大幅に抑
制することができる。更に、自己放電の増加を抑制でき
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0013】(実施例1)カ−ボンブラックに付着した
不純物を除去する条件を検討するため、カ−ボンブラッ
クをペ−ストに添加する前の加熱処理の温度の適切な範
囲を検討した。
不純物を除去する条件を検討するため、カ−ボンブラッ
クをペ−ストに添加する前の加熱処理の温度の適切な範
囲を検討した。
【0014】カルシウム0.5%、スズ0.7%を含む鉛
合金よりなる寸法43mm×70mmで厚み3.5mm
の格子体に、鉛粉中の総鉛元素に対し硫酸鉛を20モル
%混合し、それぞれの温度で加熱処理したカ−ボンブラ
ックを鉛元素1モル当たり1.0g添加したペ−ストを
厚み3.6mmに充填し、熟成、乾燥した未化成正極板
を、未化成負極板、ガラスマットとともに公称容量7A
h2Vの単セルに組み、所定の濃度と量の希硫酸を注入
して電槽化成を施して試作セルA〜Hを製作した。
合金よりなる寸法43mm×70mmで厚み3.5mm
の格子体に、鉛粉中の総鉛元素に対し硫酸鉛を20モル
%混合し、それぞれの温度で加熱処理したカ−ボンブラ
ックを鉛元素1モル当たり1.0g添加したペ−ストを
厚み3.6mmに充填し、熟成、乾燥した未化成正極板
を、未化成負極板、ガラスマットとともに公称容量7A
h2Vの単セルに組み、所定の濃度と量の希硫酸を注入
して電槽化成を施して試作セルA〜Hを製作した。
【0015】カ−ボンブラックは加熱処理しないものお
よび200℃以上の各温度で加熱中の気圧を変えて60
分加熱処理をおこなったものを使った。電槽化成は電気
量42Ahを40時間かけて充電した。化成完了後、放
電電流1.8Aで1.70Vまで放電する充放電サイクル
を3サイクル繰り返し、3サイクル目の放電容量を測定
した。
よび200℃以上の各温度で加熱中の気圧を変えて60
分加熱処理をおこなったものを使った。電槽化成は電気
量42Ahを40時間かけて充電した。化成完了後、放
電電流1.8Aで1.70Vまで放電する充放電サイクル
を3サイクル繰り返し、3サイクル目の放電容量を測定
した。
【0016】次に、これらのセルを50℃で10日間放
置した後に1.8A放電容量を測定し、放置前の容量と
比較した。3セルの平均の結果を表1に示す。また、比
較のためにカ−ボンブラックを添加しない正極板を使っ
たセルを68時間で70Ah通電した比較セルA’を製
作し、同じ試験に供した。同一種類のセルは3個ずつ作
り、試験結果は3セルの平均を記した。
置した後に1.8A放電容量を測定し、放置前の容量と
比較した。3セルの平均の結果を表1に示す。また、比
較のためにカ−ボンブラックを添加しない正極板を使っ
たセルを68時間で70Ah通電した比較セルA’を製
作し、同じ試験に供した。同一種類のセルは3個ずつ作
り、試験結果は3セルの平均を記した。
【0017】
【表1】
【0018】1) A’の自己放電速度を100として
表した。
表した。
【0019】表1より、加熱温度が300℃を超えると
自己放電速度がA’の値に対して120〜130程度で
安定した。 また、加熱雰囲気を減圧にしても大気圧下
でおこなってもその効果は現れなかった。自己放電速度
の変化の境目が250℃と300℃の間にあり、従って
カ−ボンブラックの加熱処理の条件は温度300℃以上
がよい。 気圧は大気圧下でも減圧下でもよい。
自己放電速度がA’の値に対して120〜130程度で
安定した。 また、加熱雰囲気を減圧にしても大気圧下
でおこなってもその効果は現れなかった。自己放電速度
の変化の境目が250℃と300℃の間にあり、従って
カ−ボンブラックの加熱処理の条件は温度300℃以上
がよい。 気圧は大気圧下でも減圧下でもよい。
【0020】なお、加熱時間と加熱温度の関連である
が、実施例1で300℃以上で60分加熱すれば正極板
に悪影響を及ぼさない程度まで不純物を除去できること
がわかった。これ以上に温度を上げると加熱時間をさら
に短くできるが、それは設備と他の工程の生産能力の条
件に左右される問題であり、本発明では加熱温度300
℃以上であれば期待する性能を得られることが分かる。
が、実施例1で300℃以上で60分加熱すれば正極板
に悪影響を及ぼさない程度まで不純物を除去できること
がわかった。これ以上に温度を上げると加熱時間をさら
に短くできるが、それは設備と他の工程の生産能力の条
件に左右される問題であり、本発明では加熱温度300
℃以上であれば期待する性能を得られることが分かる。
【0021】(実施例2)次に、ペ−スト中のカ−ボン
添加量の適正量を検討した。実施例1と同じ構成のセル
において、鉛粉に硫酸鉛20モル%を混合した正極ペ−
スト中のカ−ボンブラック添加量を鉛元素1モル当たり
0g〜4.0gとしたセルH0〜H40を製作した。添加す
るカ−ボンブラックは350℃、大気圧下で60分加熱
したものを使った。また、比較のためにカ−ボンブラッ
クを添加しない正極板を使ったセルを68時間で70A
h通電した比較セルA’を製作した。同一種類のセルを
3個ずつ作った。電槽化成後、各種セル3つを電流1.
8Aで1.70Vまで放電するサイクルを4回繰り返
し、4回目の放電容量を記録した。また、同一セルを充
電後、50℃で10日間放置する自己放電試験に供し
た。更に、同じ種類のセルを1つずつ解体し、正極の活
物質組成を測定した。その結果を表2に示す。
添加量の適正量を検討した。実施例1と同じ構成のセル
において、鉛粉に硫酸鉛20モル%を混合した正極ペ−
スト中のカ−ボンブラック添加量を鉛元素1モル当たり
0g〜4.0gとしたセルH0〜H40を製作した。添加す
るカ−ボンブラックは350℃、大気圧下で60分加熱
したものを使った。また、比較のためにカ−ボンブラッ
クを添加しない正極板を使ったセルを68時間で70A
h通電した比較セルA’を製作した。同一種類のセルを
3個ずつ作った。電槽化成後、各種セル3つを電流1.
8Aで1.70Vまで放電するサイクルを4回繰り返
し、4回目の放電容量を記録した。また、同一セルを充
電後、50℃で10日間放置する自己放電試験に供し
た。更に、同じ種類のセルを1つずつ解体し、正極の活
物質組成を測定した。その結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】1)鉛粉中に20mol%の硫酸鉛を混合した
正極板を使用した。 2)A’の放電容量を100として、比率で表示した。 3)A’の自己放電率を100として、比率で表示し
た。
正極板を使用した。 2)A’の放電容量を100として、比率で表示した。 3)A’の自己放電率を100として、比率で表示し
た。
【0024】表2から、カ−ボンブラック添加量を増や
すと放電容量が増えることが分かる。その効果は鉛粉中
の鉛元素1モル当たり4.0gまでの範囲では添加量に
従って増え続けた。
すと放電容量が増えることが分かる。その効果は鉛粉中
の鉛元素1モル当たり4.0gまでの範囲では添加量に
従って増え続けた。
【0025】次に、自己放電率の比較結果は、化成時間
の短いセルH0〜H40ではカ−ボンブラック量がある範
囲以下でも以上でも自己放電率が高くなることを示して
いる。セルH0,H02の、カ−ボンブラックが少ない領
域で自己放電率が高いのは、化成が不十分で不安定な二
酸化鉛が残っていたためと考えられる。一方カ−ボンブ
ラックが比較的多い領域で自己放電率が大きくなるの
は、50℃放置中にカ−ボンブラックが活物質の結合を
弱くしたり、正極活物質と反応し消費するためと考えら
れる。
の短いセルH0〜H40ではカ−ボンブラック量がある範
囲以下でも以上でも自己放電率が高くなることを示して
いる。セルH0,H02の、カ−ボンブラックが少ない領
域で自己放電率が高いのは、化成が不十分で不安定な二
酸化鉛が残っていたためと考えられる。一方カ−ボンブ
ラックが比較的多い領域で自己放電率が大きくなるの
は、50℃放置中にカ−ボンブラックが活物質の結合を
弱くしたり、正極活物質と反応し消費するためと考えら
れる。
【0026】次に、この正極板の耐久性を調べるため放
電電流1.8Aで1.70Vまで放電する充放電サイクル
を繰り返し、放電容量の推移を観察した。その結果を図
1に示す。容量表示は,セルA’の最初の放電時の容量
を100として、それとの相対比で表した。
電電流1.8Aで1.70Vまで放電する充放電サイクル
を繰り返し、放電容量の推移を観察した。その結果を図
1に示す。容量表示は,セルA’の最初の放電時の容量
を100として、それとの相対比で表した。
【0027】各セルの容量のピ−クからの劣化速度を比
較すると、カ−ボンブラックを3.0g/鉛 mol以上
添加したセルH30、H40の容量劣化が他のセルよりも明
らかに早い。 それぞれのセルの容量が70を下まわっ
た時に充放電試験を終了し、セルの正極板を取り出した
ところ、正極の活物質の軟化、格子体からの脱落が劣化
の原因であったが、正極は活物質中に電気化学的反応に
関与しない物質が存在すると著しく結合力が弱くなり軟
化が進むので、化成時にカ−ボンが残留したことが耐久
性の劣化原因と思われる。これらの点から、カ−ボンブ
ラックを2.0g/鉛mol以上添加すると化成効率の
向上の効果は期待できても、一方で寿命の面では悪影響
も顕著になる。これは、化成後にカ−ボンブラックが活
物質中に残存したためと考えられる。
較すると、カ−ボンブラックを3.0g/鉛 mol以上
添加したセルH30、H40の容量劣化が他のセルよりも明
らかに早い。 それぞれのセルの容量が70を下まわっ
た時に充放電試験を終了し、セルの正極板を取り出した
ところ、正極の活物質の軟化、格子体からの脱落が劣化
の原因であったが、正極は活物質中に電気化学的反応に
関与しない物質が存在すると著しく結合力が弱くなり軟
化が進むので、化成時にカ−ボンが残留したことが耐久
性の劣化原因と思われる。これらの点から、カ−ボンブ
ラックを2.0g/鉛mol以上添加すると化成効率の
向上の効果は期待できても、一方で寿命の面では悪影響
も顕著になる。これは、化成後にカ−ボンブラックが活
物質中に残存したためと考えられる。
【0028】以上の点を考慮し、正極板に悪影響を及ぼ
さず化成効率を向上させる範囲として、正極用鉛粉への
カ−ボンブラック添加量は2.0g/鉛mol以下がよ
い。
さず化成効率を向上させる範囲として、正極用鉛粉への
カ−ボンブラック添加量は2.0g/鉛mol以下がよ
い。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ペ−スト固さ
を大幅に増すことなく正極活物質の不均一性を可能な限
り小さくした鉛蓄電池用正極板の製造法において、正極
板の性能を劣化させることなく化成効率の優れた鉛蓄電
池用正極板を提供することができる。
を大幅に増すことなく正極活物質の不均一性を可能な限
り小さくした鉛蓄電池用正極板の製造法において、正極
板の性能を劣化させることなく化成効率の優れた鉛蓄電
池用正極板を提供することができる。
【図1】本発明に係るセルと比較セルの充放電試験の結
果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 アンチモンを含まない鉛合金からなる格
子体に予め準備した酸化鉛と金属鉛と硫酸鉛の混合物、
水、希硫酸および導電材を混練したペーストを充填する
鉛蓄電池用正極板の製造法において、 前記導電材は、
減圧下または大気圧下で300℃以上に加熱されたカ−
ボンブラックであることを特徴とする鉛蓄電池用正極板
の製造法。 - 【請求項2】 前記カ−ボンブラックは、前記ペ−スト
に酸化鉛と金属鉛と硫酸鉛の混合物中の鉛元素1モル当
たり2.0g以下添加されていることを特徴とする請求
項1記載の鉛蓄電池用正極板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001130826A JP2002324552A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 鉛蓄電池用正極板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001130826A JP2002324552A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 鉛蓄電池用正極板の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002324552A true JP2002324552A (ja) | 2002-11-08 |
Family
ID=18979127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001130826A Pending JP2002324552A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 鉛蓄電池用正極板の製造法 |
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JP (1) | JP2002324552A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2001
- 2001-04-27 JP JP2001130826A patent/JP2002324552A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105206800A (zh) * | 2015-08-20 | 2015-12-30 | 东南大学 | 一种以硫酸铅作为活性物质的铅酸电池正极及利用该正极制备铅酸电池的方法 |
CN105206800B (zh) * | 2015-08-20 | 2018-08-21 | 东南大学 | 一种以硫酸铅作为活性物质的铅酸电池正极及利用该正极制备铅酸电池的方法 |
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