JP2002322197A - ペプチジルヒドロキサム酸誘導体およびその用途 - Google Patents

ペプチジルヒドロキサム酸誘導体およびその用途

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JP2002322197A JP2001125618A JP2001125618A JP2002322197A JP 2002322197 A JP2002322197 A JP 2002322197A JP 2001125618 A JP2001125618 A JP 2001125618A JP 2001125618 A JP2001125618 A JP 2001125618A JP 2002322197 A JP2002322197 A JP 2002322197A
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Oushiyou Sai
応渉 崔
Atsushi Inoue
淳 井上
Masayuki Nakamura
雅之 中村
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強力なPDF阻害作用および抗菌作用を有す
るペプチジルヒドロキサム酸誘導体を提供することであ
る。 【解決手段】 式(I) 【化1】 〔式中、Rは置換されていてもよい炭素数6〜10の
アリール基を示し、RとRは同一または異なって、
水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R は炭
素数1〜5のアルキル基を示す。〕で表わされる化合物
またはその塩を含有するペプチドデホルミラーゼ阻害剤
および抗菌剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペプチドデホルミ
ラーゼ阻害活性および抗菌活性を有する新規なペプチジ
ルヒドロキサム酸誘導体およびその誘導体を有効成分と
する医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】次々と出現する薬剤耐性菌に対して抗菌
力を発揮するために、今までにない新たな作用機序を有
する化合物が求められている。原核生物におけるタンパ
ク質合成は、メチオニルtRNAのホルミル化から始ま
り、N−末にホルミル基を有するポリペプチドが最初に
合成される(Meinnel,T.,Mechulam,Y.,Blanquet,
S.,Biochimie,75,1161-75 (1993))。ペプチドデホ
ルミラーゼ(以下、PDFと記載することもある。)
は、このポリペプチドからN−末のホルミル基を切断す
る酵素で、機能を持ったタンパク質とする酵素であるた
め、原核生物の生育には不可欠な酵素である(Adams,
J.M.,J. Mol. Biol.,33,571-89 (1968),Livingsto
n,D.M.,Leder,P.,Biochemistry,8,435-43 (196
8),Takeda,M.,Webster,R.E.,Pro. Natl. Acad. Sc
i. U.S.A.,60,1487-94 (1968))。一方、ヒトなどの
真核生物のタンパク質合成は、ペプチドのホルミル化−
脱ホルミル化を必要としないので、PDFを有しない。
このため、細菌などの原核生物にのみ存在するPDFの
阻害は抗菌剤開発の魅力的なターゲットである。PDF
は活性部位に鉄を有するメタロプロテアーゼであり、そ
の不安定さゆえ精製が困難で阻害剤を探索するための活
性測定ができなかった。しかし、近年の分子生物学の進
歩によりPDFが単離精製され、その阻害剤の開発が始
まった(Rajagopalan,P.T.R.,Yu,X.C.,Pei,D.,J.
Am. Chem. Soc.,119,12418-9 (1997),Rajagopala
n,P.T.R.,Datta,A.,Pei,D.,Biochemistry,36,1
3910-8 (1997),Becker,A.,Schlichting,I.,Kabsc
h,W.,Shultz,S.,Wagner,A.F.V.,J. Biol. Che
m.,273,11413-16 (1998),Meinnel,T.,Blanquet,
S.,Dardel,F.,J. Mol. Biol.,262,375-86 (199
6),Chan,M.K.,Gong,W.M.,Rajagopalan,P.T.R.,H
ao,B.,Tsai,C.M.,Pei,D.,Biochemistry,36,139
04-9 (1997),Dardel,F.,Ragusa,S.,Lazennec,
C.,Blanquet,S.,Meinnel,T.,J. Mol.Biol.,262,
375-86 (1996))。現在までのところ報告されているP
DF阻害剤としては、天然物のアクチノニン(Chen,Da
wn Z.; Patel,Dinesh V.; Hackbarth,Corinne J.; Wa
ng,Wen; Dreyer,Geoffrey; Young,Dennis C.; Margo
lis,Peter S.; Wu,Charlotte; Ni,Zi-Jie; Trias,J
oaquim; White,Richard J.; Yuan,Zhengyu,Biochemi
stry,39,1256-62 (2000))を始め、H−phosph
onate誘導体(Hu,Yun-Jin; Rajagopalan,P. T.
Ravi; Pei,Dehua,Bioorg. Med. Chem. Lett.,8,247
9-82,(1998))、ペプチドアルデヒド誘導体(Durand,
Daniel J.; Gordon Green,Barbara; O'Connell,John
F.; Grant,Stephan K.,Arch. Biochem. Biophys.,36
7,297-302,(1999))、ビフェニル酸誘導体(Green,B
arbara Gordon; Toney,Jeffrey H.; Kozarich,John
W.; Grant,Stephan K.,Arch. Biochem. Biophys.,37
5,355-8,(2000))、ペプチドチオール誘導体(Huntin
gton,Kristi M.; Yi,Tian; Wei,Yaoming; Pei,Dehu
a,Biochemistry,39,4543-51 (2000))、ペプチドヒ
ドロキサム酸誘導体(WO99/57097)、スルホニルヒドロ
キサム酸誘導体(Apfel,Christian; Banner,David
W.; Bur,Daniel; Dietz,Michel; Hirata,Takahiro;
Hubschwerlen,Christian; Locher,Hans; Page,Malco
lm G. P.; Pirson,Wolfgang; Rosse,Gerard; Speckli
n,Jean-Luc,J. Med. Chem.,43,2324-31 (200
0))、ヒドロキシアミン誘導体(WO 99/39704; Cleme
nts,John M.; Beckett,R. Paul; Brown,Anthony; Ca
tlin,Graham; Lobell,Mario; Palan,Shilpa; Thoma
s,Wayne; Whittaker,Mark; Wood,Stephen; Salama,
Sameeh; Baker,Patrick J.; Rodgers,H. Fiona; Bary
nin,Vladimir; Rice,David W.; Hunter,Michael
G.,Antimicrob. Agents Chemother.,45,563-570 (20
01))などが挙げられるが、未だ臨床に用いられている
ものはなく、研究開発の段階である。
【0003】一方、ペプチジルヒドロキサム酸誘導体
は、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤として今ま
で多くの報告がされている(US 4599361,US 5256657,
US 5268384,US 5552419,EP 236872,EP 274453,EP 4
23943,EP 489577,EP 489579,EP 497192,EP 57475
8,WO 90/05716,WO 90/05719,WO 91/02716,WO 92/13
831,WO 92/22523,WO 93/09090,WO 93/09097,WO 93/
20047,WO 93/24449,WO93/24475,WO 94/02446,WO 94
/02447,WO 94/21612,WO 94/25434,WO 94/25435,WO
96/26918,WO 96/25156,WO 2000/034313,JP 08311096
等)が、PDF阻害剤としては、上述のペプチドヒド
ロキサム酸誘導体(WO 99/57097)に述べられているだ
けである。そこで、PDF阻害活性を有する新規ペプチ
ジルヒドロキサム酸誘導体の開発を図るべく発明者らは
鋭意研究を行った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】強力なPDF阻害作用
および抗菌作用を有するペプチジルヒドロキサム酸誘導
体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、強いPDF阻害
作用および抗菌作用を有する下記一般式(I)
【化2】
【0006】〔式中、Rは置換されていてもよい炭素
数6〜10のアリール基を示し、RとRは同一また
は異なって、水素または炭素数1〜4のアルキル基を示
し、R は炭素数1〜5のアルキル基を示す。〕で表わ
される化合物およびその塩を創製し、さらに研究を進め
て本発明を完成した。なお、本発明で使用するアミノ酸
に光学異性体が存在する場合、特に明示しない限りL体
を示すものとする。また、本明細書中において「低級ア
ルキル」とは、特に明示しない限り炭素数1〜5のアル
キル基を意味するものとする。
【発明の実施の形態】
【0007】上記式(I)中、Rで表される炭素数6
〜10のアリール基としては、たとえばフェニル、ナフ
チル、インデニル、アズレニルなどが挙げられる。好ま
しくは、フェニル、ナフチルである。アリール基が有し
てもよい置換基としてはハロゲン原子(フッ素、塩素な
ど)、低級アルキル、トリフルオロメチル、炭素数1〜
5のアルコキシ、ヒドロキシル、炭素数2〜5のアシル
オキシ、カルボキシル及び炭素数2〜5のアシル基が挙
げられる。好ましくはハロゲン原子および低級アルキル
基である。より好ましくは、フッ素である。Rで表さ
れる置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基
の好適な具体例としては、4−フルオロフェニルであ
る。
【0008】RまたはRで表される炭素数1〜4の
アルキル基としては、たとえばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチルなどが挙げられる。好ましくはプ
ロピル、イソプロピル、tert−ブチルである。より
好ましくはイソプロピルである。RとRは、好まし
くはRまたはRの一方が水素であって、他方がプロ
ピル、イソプロピル、イソブチルまたはtert−ブチ
ルであり、より好ましくは、Rがプロピル、イソプロ
ピル、イソブチルまたはtert−ブチルであって、R
が水素であり、さらに好ましくはRがイソプロピル
であって、Rが水素である。
【0009】Rで表される炭素数1〜5のアルキル基
としては、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
tert−ペンチルなどが挙げられる。好ましくはイソ
ブチルである。
【0010】本発明における一般式(I)で表される化
合物の塩としては生理学的に許容される塩が好ましく、
たとえば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との
塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩な
どが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、
たとえばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属
塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類
金属塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げら
れる。有機塩基との塩の好適な例としては、たとえばト
リメチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジア
ミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例
としては、たとえば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リ
ン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例
としては、たとえばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フ
マール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、
コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられ
る。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、たとえ
ばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げら
れ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、たとえば
アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられ
る。
【0011】本発明の化合物は、たとえば下記の一般反
応式
【化3】
【0012】〔反応式中、R、R、R、Rは上
記一般式(I)で定義したのと同意義を有する。また、
は低級アルキル基を示し、Bzlはベンジル基を示
す。〕により製造することができる。一般式(II)で表
されるスルホニルクロリド〔以下、化合物(II)と記載
することもある。〕としては、たとえばナフタレンスル
ホニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド、フルオ
ロベンゼンスルホニルクロリド、クロロベンゼンスルホ
ニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、ブロモベン
ゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド
などが挙げらる。
【0013】一般式(III)で表される化合物〔以下、
化合物(III)と記載することもある。〕としては、い
わゆるα−アミノ酸と称されるものであればいずれでも
よい。特にグリシン、アラニン、バリン、D−バリン、
ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、
tert−ロイシンなどが好適である。化合物(II)と
化合物(III)の反応は、通常知られうる方法、たとえ
ばショッテン−バウマン(Shotten−Bauma
nn)反応などにより行なうことができる。
【0014】一般式(IV)で表される化合物とN−ヒド
ロキシコハク酸イミドは、通常使用される有機溶媒(た
とえば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、酢酸エチルなど)に溶解し、縮合剤で縮合させ
る。該縮合剤としては、たとえばN,N−ジシクロヘキ
シルカルボジイミドまたは1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などが好適
に使用される。一般式(VI)で表されるアミノ酸エステ
ル〔以下、化合物(VI)と記載することもある。〕とし
ては、たとえばグリシンメチルエステル、グリシンエチ
ルエステル、グリシンtert−ブチルエステル、アラ
ニンメチルエステル、アラニンエチルエステル、アラニ
ンtert−ブチルエステル、バリンメチルエステル、
バリンエチルエステル、バリンtert−ブチルエステ
ル、ノルバリンメチルエステル、ノルバリンエチルエス
テル、ノルバリンtert−ブチルエステル、ロイシン
メチルエステル、ロイシンエチルエステル、ロイシンt
ert−ブチルエステル、イソロイシンメチルエステ
ル、イソロイシンエチルエステル、イソロイシンter
t−ブチルエステル、ノルロイシンメチルエステル、ノ
ルロイシンエチルエステル、ノルロイシンtert−ブ
チルエステル、tert−ロイシンメチルエステル、t
ert−ロイシンエチルエステル、tert−ロイシン
tert−ブチルエステル、2−アミノヘキサン酸メチ
ルエステル、2−アミノヘキサン酸エチルエステル、2
−アミノヘキサン酸tert−ブチルエステルなどが挙
げられる。
【0015】一般式(VII)で表される化合物〔以下、
化合物(VII)と記載することもある。〕は、一般式
(V)で表される化合物と化合物(VI)より、公知のペ
プチド合成法に準じて製造することができる。例えば、
液相合成法、固相合成法などのペプチド合成の常套手段
を用いることができる。さらに、化合物(VII)をアル
カリまたは酸で加水分解すると、一般式(VIII)で表わ
される化合物〔以下、化合物(VIII)と記載することも
ある。〕を製造することができる。アルカリ加水分解
は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム水溶液など
のアルカリ水溶液を用いるが、化合物(VII)の溶解度
を増加させるためにアルカリ水溶液にメタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、ジオキサンおよびテトラヒドロフランなどを添加し
た溶液も好適に利用できる。アルカリ加水分解物は次い
で塩酸および硫酸などの無機酸で処理し遊離カルボン酸
とする。反応温度は、通常、冷却下から加温下の範囲で
あり、好ましくは0℃〜30℃の範囲である。酸加水分
解の条件としては、一般に塩酸および硫酸などの無機酸
を使用するが、三塩化ホウ素のようなルイス酸も使用で
きる。反応は酢酸、ギ酸溶液中で行うのが好ましい。反
応温度は、通常室温から加温下の範囲であり、好ましく
は30℃〜100℃の範囲である。
【0016】化合物(VIII)またはカルボキシル基にお
けるその反応性誘導体またはその塩を、有機溶媒中、O
−ベンジルヒドロキシルアミンと縮合させることによ
り、一般式(IX)で表わされる化合物〔以下、化合物
(IX)と記載することもある。〕を製造することができ
る。化合物(VIII)のカルボキシル基における好適な反
応性誘導体としては、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性
化アミド、活性化エステル等が挙げられる。酸ハロゲン
化物としては酸塩化物等が挙げられ、酸無水物として
は、たとえば置換されたリン酸(ジアルキルリン酸、フ
ェニルリン酸、ジフェニルリン酸、ジベンジルリン酸、
ハロゲン化リン酸等)、ジアルキル亜リン酸、亜硫酸、
チオ硫酸、硫酸、スルホン酸(メタンスルホン酸等)、
脂肪族カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、ピバル酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、トリクロ
ロ酢酸等)または芳香族カルボン酸(安息香酸等)のよ
うな酸との混合酸無水物または対称酸無水物等が挙げら
れる。活性化アミドの好適な例としては、たとえばイミ
ダゾール、4−置換イミダゾール、ジメチルピラゾー
ル、トリアゾールまたはテトラゾール等が挙げられる。
活性化エステルの好適な例としては、たとえばシアノメ
チルエステル、メトキシメチルエステル、ジメチルイミ
ノメチルエステル、ビニルエステル、プロパルギルエス
テル、p−ニトロフェニルエステル、トリクロロフェニ
ルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、メチルフ
ェニルエステル、フェニルアゾフェニルエステル、フェ
ニルチオエステル、p−ニトロフェニルチオエステル、
p−クレジルチオエステル、カルボキシメチルチオエス
テル、ピラニルエステル、ピリジルエステル、8−キノ
リルチオエステル、またはN,N−ジメチルヒドロキシ
アミン、1−ヒドロキシ−2−(1H)−ピリドン、N
−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイ
ミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等のN−ヒド
ロキシ化合物とのエステル等が挙げられる。化合物(VI
II)およびその反応性誘導体の好適な塩としては、たと
えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カ
ルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、
ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩、たとえばト
リメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、
ピコリン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン
塩、N,N−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機塩
基塩等のような塩基塩が挙げられる。これら反応性誘導
体は、使用する化合物(VIII)の種類によって任意に選
択することができる。この反応において、化合物(VII
I)を遊離の形またはその塩の形で使用する場合には
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−シク
ロヘキシル−N’−モルホリノエチルカルボジイミド、
N−シクロヘキシル−N’−(4−ジエチルアミノシク
ロヘキシル)カルボジイミド、N,N’−ジエチルカル
ボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミ
ド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド、N,N’−カルボニルビス(2−メチ
ルイミダゾール)、ペンタメチレンケテン−N−シクロ
ヘキシルイミン、ジフェニルケテン−N−シクロヘキシ
ルイミン、エトキシアセチレン、1−アルコキシ−1−
クロロエチレン、亜リン酸トリメチル、ポリリン酸エチ
ル、ポリリン酸イソプロピル、オキシ塩化リン、ジフェ
ニルホスホリルアジド、塩化チオニル、塩化オキサリ
ル、たとえば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロ
ピル等のハロギ酸低級アルキル、トリフェニルホスフィ
ン、2−エチル−7−ヒドロキシベンズイソオキサゾリ
ウム塩、2−エチル−5−(m−スルホフェニル)イソ
オキサゾリウムヒドロキシド分子内塩、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール、1−(p−クロロベンゼンスルフ
ォニルオキシ)−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾー
ル、N,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオニル、ホ
スゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、オキシ塩化リン
等との反応によって調製したいわゆるビルスマイヤー試
薬等のような常用の縮合剤の存在下に反応を行うのが望
ましい。縮合はアルカリ金属炭酸水素塩などの無機塩
基、あるいはトリ低級アルキルアミン、ピリジン、N−
低級アルキルモルホリンおよび1−ヒドロキシベンゾト
リアゾールなどの有機塩基の存在下に行ってもよい。1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩と1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの
組み合わせが好適である。有機溶媒としては、例えばジ
クロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルム
アミドおよびテトラヒドロフランなどの慣用の溶媒ある
いはそれら混合溶媒が挙げられる。好ましくは、ジクロ
ロメタンとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒で
ある。反応温度は、通常冷却下から加温下の範囲であ
り、好ましくは、20℃〜50℃の範囲である。
【0017】さらに化合物(IX)のベンジル基を脱保護
し、再結晶またはカラムクロマトグラフィーで精製する
ことにより、化合物(I)を製造することができる。脱
保護の方法は、還元、または酸加水分解があげられる。
還元は、接触還元あるいはBirch還元(Birch,A.
J.;Rao,G. Subba.,Adv. Org. Chem.,1972,8,
1.)など公知の方法を利用できるが、接触還元が好まし
い。接触還元の触媒はパラジウム−炭素、ラネーニッケ
ルおよび酸化白金などが挙げられる。好ましくはパラジ
ウム−炭素である。水素圧は1気圧〜50気圧である
が、好ましくは1気圧〜5気圧である。溶媒としては、
アルコール類(メタノール、エタノールなど)、エーテ
ル類(テトラヒドロフランなど)、有機酸類(酢酸な
ど)およびこれらの混合溶媒を使用できる。反応温度は
通常室温から加温下の範囲である。酸加水分解の条件と
しては、一般に濃塩酸を使用するが、三フッ素化ホウ素
のようなルイス酸も使用できる。反応温度は、通常室温
から加温下の範囲であり、好ましくは30℃〜100℃
の範囲である。
【0018】上記の一般反応式は本発明の化合物の合成
方法を限定するものではなく、この分野で公知の他の方
法を用いることもできる。また、ペプチド合成の手段
は、液相合成法、固相合成法などのペプチド合成の常套
手段を用いればよく、例えば、泉屋信夫他著、「ペプチ
ド合成の基礎と実験」、丸善株式会社、1985年;矢
島治明、榊原俊平著、「生化学実験講座1」、日本生化
学会編、東京化学同人、1977年;木村俊也著、「続
生化学実験講座1」、日本生化学会編、東京化学同人、
1987年;鈴木信夫著、「第4版 実験化学講座 2
2 有機合成 IV」、日本化学会編、丸善株式会社、1
992年などに記載された方法またはそれに準じた方法
により製造される。
【0019】本発明の一般式(I)で表される化合物お
よびその塩(以下、本発明化合物と略称する場合があ
る。)は、文献未載の新規化合物であり、後記試験例に
示すように優れたPDF阻害活性および抗菌活性を有す
るため、それらを有効成分とし、必要により後記の担体
等を組み合わせることにより、PDF阻害剤および抗菌
剤として有用である。
【0020】本発明化合物を含有する医薬は、温血動物
(例えば、ヒト、ラット、マウス、ウサギ、ウシ、ブ
タ、イヌ、ネコなど)に全身的または局所的に投与され
る。全身的には経口投与の他、静脈内注射、皮下注射、
筋肉内注射などの非経口法で投与される。局所的には皮
膚、粘膜、鼻内、眼内などに投与される。ヒトに経口的
に投与される製剤としては、たとえば粉末、顆粒、錠
剤、カプセル剤、シロップ剤および液剤などが挙げられ
る。製剤が粉末、顆粒、錠剤などとして製造される場
合、固形製剤を製造するのに好適な任意の製薬担体、た
とえば賦形剤(澱粉、ブドウ糖、果糖、白糖など)、滑
沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、崩壊剤(澱
粉、結晶セルロースなど)、結合剤(澱粉、アラビアゴ
ムなど)などを用いることができ、コーティング剤(ゼ
ラチン、白糖など)でコーティングされていてもよい。
また、製剤がシロップや液剤として製造される場合、た
とえば安定剤(エデト酸ナトリウムなど)、懸濁化剤
(アラビアゴム、カルメロースなど)、矯味剤(単シロ
ップ、ブドウ糖など)、芳香剤などを適宜に選択して使
用することができる。非経口的に製造される製剤として
は、注射剤、坐剤などが挙げられる。製剤が注射剤とし
て製造される場合、たとえば溶剤(注射用蒸留水な
ど)、安定化剤(エデト酸ナトリウムなど)、等張化剤
(塩化ナトリウム、グリセリン、マンニトールなど)、
pH調整剤(塩酸、クエン酸、水酸化ナトリウムな
ど)、懸濁化剤(メチルセルロースなど)を用いること
ができ、坐剤として製造される場合、たとえば坐剤基剤
(カカオ脂、マクロゴールなど)などを適宜に選択して
使用することができる。外用製剤としては、たとえば軟
膏、クリーム剤、ローション剤、点鼻剤および点眼剤な
どが挙げられる。これら外用製剤には本発明化合物に加
えて、たとえば軟膏基剤(ワセリン、ラノリンなど)、
溶剤(生理食塩水、精製水など)、安定剤(エデト酸ナ
トリウム、クエン酸など)、湿潤剤(グリセリンな
ど)、乳化剤(ポリビニルピロリドンなど)、懸濁化剤
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロ
ースなど)、界面活性剤(ポリソルベート80、ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油など)、保存剤(塩化ベンザ
ルコニウム、パラベン類、クロロブタノールなど)、緩
衝剤(ホウ酸、ホウ砂、酢酸ナトリウム、クエン酸緩衝
剤、リン酸緩衝剤など)、等張化剤(塩化ナトリウム、
グリセリン、マンニトールなど)、pH調整剤(塩酸、
水酸化ナトリウムなど)などの製薬学的添加剤、賦形
剤、溶剤などを適宜に選択して使用することができる。
【0021】本発明化合物の投与量は対象となる疾患、
症状、投与対象、投与方法などにより異なるが、成人の
感染症に使用する場合、1回あたりの投与量は、経口投
与では通常1〜1000mg、好ましくは10〜200
mgを1日1〜4回、注射剤では通常0.1〜100m
g、好ましくは1〜50mgを1日1〜4回である。ま
た、成人の眼感染症に局所的に使用する場合は、通常本
発明化合物を0.001〜1.0w/v%、好ましくは
0.01〜0.5w/v%含有する点眼液を、1回20
〜50μL、1日1〜6回点眼するのがよい。
【0022】本発明の製剤には、本発明の目的に反しな
い限り、その他の抗菌成分および/または別種の薬効成
分を適宜含有させてもよい。
【0023】
【実施例】本発明を以下の実施例、試験例および製剤例
に従いさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより
何ら限定されるものではない。
【0024】実施例 N−(4−フルオロフェニルスル
ホニル)−L−バリル−L−ロイシノヒドロキサム酸 工程1) L−バリン(47g,400mmol)を1
M水酸化ナトリウム水溶液400mLに溶解し、さらに
精製水600mLを加え、氷冷下で攪拌しながら、4−
フルオロベンゼンスルホニルクロリド(78g,400
mmol)のテトラヒドロフラン溶液400mLと1M
水酸化ナトリウム水溶液400mLを同時に滴下した。
この溶液を室温で18時間攪拌した。反応終了後、反応
液を塩酸でpH3に調整して酢酸エチルで抽出した。有
機層を2N−塩酸、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸
マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去して、残渣無
色油状物をヘキサンから結晶化して、N−(4−フルオ
ロフェニルスルホニル)−L−バリン(77g,70
%)を得た。
【0025】工程2) N−(4−フルオロフェニルス
ルホニル)−L−バリン(67g,240mmol)と
N−ヒドロキシコハク酸イミド(36g,320mmo
l)をテトラヒドロフラン700mLに溶解し、氷冷下
で攪拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(61g,320m
mol)のジクロロメタン溶液を加えた。この溶液を室
温で18時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去
し、残渣を酢酸エチルに溶解し、2N−塩酸、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、残渣
を酢酸エチル−ヘキサン混液(1:10v/v)で洗浄
し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バ
リン N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(82
g,90%)を白色結晶として得た。1 H-NMRスペクトル(300MHz,DMSO-d6)δ:0.87(d,3
H,J=6.9Hz),0.90(d,3H,J=6.9Hz),2.03−2.14
(m,1H),2.77(s,4H),4.10-4.15(m,1H),7.33
-7.40(m,2H),7.82-7.88(m,2H),8.66(d,1H,J
=9.0Hz).
【0026】工程3) N−(4−フルオロフェニルス
ルホニル)−L−バリン N−ヒドロキシコハク酸イミ
ドエステル(15g,40mmol)とL−ロイシンエ
チルエステル塩酸塩(10g,52mmol)をジクロ
ロメタン150mLに溶解し、トリエチルアミン(12
g,120mmol)を加えた。この溶液を室温で18
時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣を
酢酸エチルに溶解し、2N−塩酸、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチ
ル−ヘキサン混液(1:1 v/v)で洗浄し、N−
(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L
−ロイシンエチルエステル(14g,83%)を白色結
晶として得た。 融点;110−111℃1 H-NMRスペクトル(300MHz,DMSO-d6)δ:0.68(d,3
H,J=6.1Hz),0.79(d,3H,J=6.7Hz),0.80(d,3
H,J=6.1Hz),0.85(d,3H,J=6.7Hz),1.11(t,3
H,J=7.1Hz),1.19−1.33(m,3H),1.77−1.88
(m,1H),3.52−3.57(m,1H),3.84−3.91(m,1
H),3.95-4.05(m,2H),7.31-7.39(m,2H),7.75-
7.82(m,2H),7.88(d,1H,J=9.3Hz),8.17(d,1
H,J=7.3Hz).Anal.Calcd for C19H29FN2O5S:C,5
4.79;H,7.01;N,6.73.Found:C,54.65;H,7.15;
N,6.75.
【0027】工程4) N−(4−フルオロフェニルス
ルホニル)−L−バリル−L−ロイシンエチルエステル
(12g,29mmol)をエタノール300mLに溶
解し、水酸化ナトリウム(3.5g,86mmol)水
溶液200mLを加えた。この溶液を氷冷下で5時間攪
拌した。反応終了後、反応液を塩酸でpH7に調整し、
溶媒を減圧留去して酢酸エチルで抽出した。有機層を2
N−塩酸、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル
から再結晶してN−(4−フルオロフェニルスルホニ
ル)−L−バリル−L−ロイシン(8.2g,73%)
を白色結晶として得た。 融点;171−172℃1 H-NMRスペクトル(300MHz,DMSO-d6)δ:0.67(d,3
H,J=6.1Hz),0.78(d,3H,J=6.7Hz),0.79(d,3
H,J=6.1Hz),0.84(d,3H,J=6.7Hz),1.22−1.34
(m,3H),1.77−1.88(m,1H),3.52−3.58(m,1
H),3.81−3.89(m,1H),7.30-7.36(m,2H),7.76
-7.84(m,3H),8.05(d,1H,J=7.6Hz),12.44
(s,1H). Anal.Calcd for C17H25FN2O5S:C,52.57;H,6.48;
N,7.21.Found:C,52.40;H,6.55;N,7.13.
【0028】工程5) N−(4−フルオロフェニルス
ルホニル)−L−バリル−L−ロイシン(0.50g,
1.29mmol)、O−ベンジルヒドロキシルアミン
塩酸塩(0.62g,3.86mmol)、1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール(0.17g,1.29mmo
l)およびN−メチルモルホリン(0.65g,6.4
4mmol)をジクロロメタン20mLに溶解し、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩(0.32g,1.67mmol)を加え
て、室温で終夜攪拌した。反応終了後、反応液にジクロ
ロメタン50mLと水20mLを加えて分配した。有機
層を1N−水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。無機物を
濾去した後、溶媒を減圧留去して、無色固形物を得た。
カラムクロマトグラフィー[Silica gel Me
rck−60(70−230メッシュ),酢酸エチル−
ヘキサン混液(1:2 v/v)]で精製し、N−(4
−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L−ロ
イシノヒドロキサム酸ベンジルエステル(0.42g,
66.1%)を無色固形物として得た。1 H-NMRスペクトル(300MHz,DMSO-d6)δ:0.67(d,3
H,J=5.7Hz),0.74−0.80(m,9H),1.05-1.20(m,
3H),1.77(m,1H),3.56(m,1H),3.84(m,1
H),4.70(s,2H),7.29-7.36(m,7H),7.77-7.81
(m,3H),8.01(d,1H,J=7.8Hz),11.21(s,1
H).
【0029】工程6) N−(4−フルオロフェニルス
ルホニル)−L−バリル−L−ロイシノヒドロキサム酸
ベンジルエステル(0.40g,0.81mmol)を
テトラヒドロフラン20mLに溶解し、10%パラジウ
ム−炭素0.04gを窒素雰囲気下で慎重に加えた。水
素気流下、室温常圧で水素の吸収が止まるまで攪拌し
た。反応終了後、触媒を濾去し、溶媒を減圧留去した。
残渣に酢酸エチル50mLを加えて、1N−水酸化ナト
リウム水溶液で抽出した。抽出液を1N−塩酸で酸性と
し、酢酸エチル100mLで再度抽出した。有機層を飽
和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥
した。無機物を濾去した後、溶媒を減圧留去し、N−
(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バリル−L
−ロイシノヒドロキサム酸(0.32g,98.2%)
を無色固形物として得た。酢酸エチル5mLから再結晶
し、N−(4−フルオロフェニルスルホニル)−L−バ
リル−L−ロイシノヒドロキサム酸(化合物1)を無色
結晶として得た。 融点;142.2−142.9℃1 H-NMRスペクトル(300MHz,DMSO-d6)δ:0.69(d,3
H,J=5.4Hz),0.74−0.79(m,9H),1.07−1.21
(m,3H),1.76(m,1H),3.55(m,1H),3.89(m,
1H),7.29−7.35(m,2H),7.73-7.81(m,3H),7.9
5(d,1H,J=8.4Hz),8.80(s,1H),10.59(br s,
1H). Anal.Calcd for C17H26FN3O5S:C,50.61;H,6.49;
N,10.41.Found:C,50.89;H,6.58;N,10.40.
【0030】試験例1 試験管内における大腸菌由来Ni−PDF阻害活性の測
定をLazennecらの方法(Lazennec,C. and Mei
nnel,T.,Anal. Biochem.,244,1997,180-182.)に
準じて行った。なお、Ni−PDFの単離精製は、Ch
enらの方法(Chen,Dawn Z.; Patel,Dinesh V.; Hac
kbarth,Corinne J.; Wang,Wen; Dreyer,Geoffrey; Y
oung,Dennis C.; Margolis,Peter S.; Wu,Charlott
e; Ni,Zi-Jie; Trias,Joaquim; White,Richard J.;
Yuan,Zhengyu,Biochemistry,39,2000,1256-62.)
に準じて行った。50mMのN−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEP
ES,pH7.2)、10mMの塩化ナトリウム、0.
2mg/mLの牛血清アルブミン(BSA)の緩衝溶液
(90μL)にジメチルスルホキシドに溶解した化合物
1(10μL)とNi−PDF(0.021U/mg,
10μL)を添加し、室温で10分間インキュベーショ
ンした。そこに、0.021U/mgのホルメートデヒ
ドロゲナーゼ(FDH)、1mMの酸化型ベータニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド(β−NAD)0.
6mM、0.1mMホルミルメチオニンアラニンセリン
(fMAS)の混合溶液(90μL)を加え20分間反
応させた後、340nmにおける吸光度減少の値(A)
を測定した。化合物1を含まない反応液とNi−PDF
を含まない反応液をそれぞれ同時に同じ条件下で測定し
た吸光度減少の値(B、C)を下記の式にあてはめ、種
々の濃度における化合物1の阻害率(%)を算出した。 阻害率(%)={1−(A−C)/(B−C)}×10
0 A:Ni−PDFおよび化合物1を含む反応液の340
nmにおける吸光度減少の値 B:化合物1を含まない反応液の340nmにおける吸
光度減少の値 C:Ni−PDFを含まない反応液の340nmにおけ
る吸光度減少の値 さらに、サンプル中の化合物1の濃度との関係を対数グ
ラフにプロットし、50%阻害に必要な量(IC50
を求めた。
【0031】試験結果1 その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】試験例2 抗菌活性の測定を、日本化学療法学会の最小発育阻止濃
度(MIC)測定法(Chemotherapy 1981,29 (1),76-
79.)に準じて行った。即ち、化合物1をそれぞれ10
0、50、25、12.5、6.25、3.13、1.
56、0.78、0.39、0.2、0.1、0.05
及び0.0025μg/mLとなるように添加したミュ
ーラーヒントン寒天平板培地10mLに、10または
10CFU/mLに調製した被検菌液を接種し、約3
7℃で18〜20時間培養後、観察を行った。なお、化
合物1の溶解にはジメチルスルホキシドを使用した。
【0034】試験結果2 その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】製剤例1 錠剤 化合物1 100mg 乳糖 80mg デンプン 17mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 以上の成分を1錠分の材料として、常法により錠剤を成
形する。必要に応じて糖衣を付してもよい。
【0037】製剤例2 注射剤 化合物1 100mg 塩化ナトリウム 900mg 1N−水酸化ナトリウム 適量 注射用蒸留水 全量 100mL 以上の成分を常法により混和して注射剤とする。
【0038】製剤例3 点眼剤 化合物1 50mg ホウ酸 700mg ホウ砂 適量 塩化ナトリウム 500mg ヒドロキシメチルセルロース 0.5g エデト酸ナトリウム 0.05mg 塩化ベンザルコニウム 0.005mg 滅菌精製水 全量 100mL 以上の成分を常法により混和して点眼剤とする。
【0039】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表される化合物
およびその塩は、優れたPDF阻害作用および抗菌作用
を有しているため、PDF阻害剤および抗菌剤として用
いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C084 AA03 AA07 BA14 CA59 MA35 MA66 NA14 ZB35 ZC20 4H045 AA10 AA30 BA11 DA55 EA29 FA31 FA51 GA40 HA32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Rは置換されていてもよい炭素数6〜10の
    アリール基を示し、RとRは同一または異なって、
    水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R は炭
    素数1〜5のアルキル基を示す。〕で表わされる化合物
    またはその塩。
  2. 【請求項2】 Rがハロゲン原子で置換されているフ
    ェニル基である請求項1記載の化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】 Rが4−フルオロフェニル基である請
    求項2記載の化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】 Rがイソプロピル、Rが水素、R
    がイソブチルである請求項1記載の化合物またはその
    塩。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有する医薬。
  6. 【請求項6】 ペプチドデホルミラーゼ阻害剤である請
    求項5記載の医薬。
  7. 【請求項7】 抗菌剤である請求項5記載の医薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200014417A (ko) * 2017-06-29 2020-02-10 킴벌리-클라크 월드와이드, 인크. 디히드록삼산을 포함하는 항균 조성물 및 이를 이용한 미생물 생장 억제 방법

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