JP2002321937A - ホウ酸塩ガラス、エタロンフィルター基板、及びエタロンフィルター - Google Patents

ホウ酸塩ガラス、エタロンフィルター基板、及びエタロンフィルター

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JP2002321937A
JP2002321937A JP2001123090A JP2001123090A JP2002321937A JP 2002321937 A JP2002321937 A JP 2002321937A JP 2001123090 A JP2001123090 A JP 2001123090A JP 2001123090 A JP2001123090 A JP 2001123090A JP 2002321937 A JP2002321937 A JP 2002321937A
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Japan
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glass
etalon filter
substrate
temperature coefficient
refractive index
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JP2001123090A
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English (en)
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Kazuo Ohara
和夫 大原
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Ohara Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エタロンフィルターに好適なdS/dtが小
さいガラスを提供する。 【解決手段】 質量百分率で、SiO22〜8%、B2
364〜75%、Al2 35〜15%、Li2O0〜5
%、BaO5〜20%、ZrO20〜4%、Nb250〜
5%、As23+Sb230〜2%を含有するホウ酸塩
ガラスである。さらに光路長の温度係数(dS/dT、
ここでdS/dT=n×CTE+dn/dtであって、
CTEがガラスの平均線膨張係数、nがガラスの屈折
率、dn/dtがガラスの屈折率の温度係数である)が
8ppm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用デバイ
ス、特にエタロンフィルターに使用するのに好適なホウ
酸塩ガラス、ならびにこのガラスを用いたエタロンフィ
ルター基板およびエタロンフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信システムの急速な普及にと
もない、光通信用デバイスに使用するガラスが求められ
ている。光通信システムやそれに関連するレーザーシス
テムにおいては、波長の安定化、光出力の安定化および
波長選択等の目的でエタロンフィルターが使用されてい
る。エタロンフィルターの基板は、光路長が一定である
ことがもっとも望ましい。よって、光路長の温度による
変化が大きい、すなわち、光路長の温度係数(dS/d
T)が大きい材料を基板として使用すると、光路長の温
度変化を防ぐために、厳密な温度制御が必要となる。特
に、バルクなガラスを研磨して得られるソリッドエタロ
ンフィルターでは、基板の光路長の温度変化がフィルタ
ーの最大透過波長の変化に与える影響が大きい。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】このような厳密な温度
制御を不要とするためには、光路長の温度係数(dS/
dT)がなるべく小さい材料を基板として用いる必要が
ある。光路長の温度係数(dS/dT)は下記式1のよ
うに表すことができる。
【0004】 (dS/dT)=n×CTE+dn/dt (式1) なお、ここで、CTEは基板の平均線膨張係数,nは基
板の屈折率、dn/dtは基板の屈折率の温度係数であ
る。
【0005】従来、エタロン板(エタロンフィルター基
板)としては、硝子等が使用されていた。しかし、従来
のガラスは石英より光路長の温度係数(dS/dt)が
大きいため、例えば、特開2000−81512号公報
に示されているように、近年では、石英基板が使用され
るようになってきている。しかし、石英のdS/dtは
9.0ppmであり、エタロンフィルター用の基板とし
て用いる場合、光路長を一定にするために、やはり精密
な温度制御が必要であり、石英よりもdS/dtが小さ
い材料が求められている。さらに、石英は、一般的には
溶融法により製造し、その場合1700℃程度という非
常に高い温度で溶融しなければならないため、溶融が困
難であり、しかもそのような高温に耐える特殊な溶融炉
を必要とする。また、特殊な製造方法を用いて、より低
い温度で石英を合成する方法も種々提案されているが、
いずれの方法も製造工程が複雑であり、一般的に石英
は、ガラスよりも製造コストが高いという問題がある。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の諸欠点、
すなわち光路長の温度変化が大きく、製造が困難である
という問題を解決し、精密な温度制御が不要な、光通信
用デバイス、特にエタロンフィルター基板として好適な
光路長の温度係数が小さいガラスならびにこのガラスを
用いたエタロンフィルター基板およびこの基板を用いた
エタロンフィルターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ね、種々の組成系のガラスを用
いて実験した結果、B23、SiO2およびAl23
含むホウ酸塩ガラスにおいて、溶融石英より溶融温度が
低く、かつ、ガラスの化学的耐久性を維持しつつ、光路
長の温度係数(dS/dT)が8ppm以下のガラスが
得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】すなわち、前記目的を達成するための請求
項1に記載の発明は、B23、SiO2およびAl23
を含むホウ酸塩ガラスであって、光路長の温度係数(d
S/dT、ここでdS/dT=n×CTE+dn/dt
であって、CTEがガラスの平均線膨張係数、nがガラ
スの屈折率、dn/dtがガラスの屈折率の温度係数で
ある)が8ppm以下であることを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のホウ酸塩ガラスにおいて、質量百分率で、 SiO2 2〜8%、 B23 64〜75%、 Al23 5〜15%、 Li2O 0〜5%、 BaO 5〜20%、 ZrO2 0〜4%、 Nb25 0〜5%、 As23+Sb23 0〜2%、 を含有することを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のホウ酸塩ガラスにおいて、B23に対するA
23のモル比が0.045〜0.160の範囲内であ
ることを特徴とする。
【0011】また、請求項4に記載のエタロンフィルタ
ー基板は、B23、SiO2およびAl23を含み、光
路長の温度係数(dS/dT、ここでdS/dT=n×
CTE+dn/dtであって、CTEがガラスの平均線
膨張係数、nがガラスの屈折率、dn/dtがガラスの
屈折率の温度係数である)が8ppm以下であるホウ酸
塩ガラスからなることを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
のエタロンフィルター基板において、ホウ酸塩ガラス
は、質量百分率で、 SiO2 2〜8%、 B23 64〜75%、 Al23 5〜15%、 Li2O 0〜5%、 BaO 5〜20%、 ZrO2 0〜4%、 Nb25 0〜5%、 As23+Sb23 0〜2%、 を含有することを特徴とする。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項4または
5に記載のエタロンフィルター基板において、ホウ酸塩
ガラスにおいて、B23に対するAl23のモル比が
0.045〜0.160の範囲内であることを特徴とす
る。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項4、請求
項5または請求項6に記載のエタロンフィルター基板に
おいて、ソリッドエタロンフィルター用の基板であるこ
とを特徴とする。
【0015】また、請求項8に記載のエタロンフィルタ
ーは、B23、SiO2およびAl23を含み、光路長
の温度係数(dS/dT、ここでdS/dT=n×CT
E+dn/dtであって、CTEがガラスの平均線膨張
係数、nがガラスの屈折率、dn/dtがガラスの屈折
率の温度係数である)が8ppm以下であるホウ酸塩ガ
ラスからなるエタロンフィルター基板を基板とすること
を特徴とする。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
のエタロンフィルターにおいて、ホウ酸塩ガラスは、質
量百分率で、 SiO2 2〜8%、 B23 64〜75%、 Al23 5〜15%、 Li2O 0〜5%、 BaO 5〜20%、 ZrO2 0〜4%、 Nb25 0〜5%、 As23+Sb23 0〜2%、 を含有することを特徴とする。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項8また
は9に記載のエタロンフィルターにおいて、ホウ酸塩ガ
ラスにおいて、B23に対するAl23のモル比が0.
045〜0.160の範囲内であることを特徴とする。
【0018】請求項11に記載の発明は、請求項8、請
求項9または請求項10に記載のエタロンフィルターに
おいて、ソリッドエタロンフィルターであることを特徴
とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の光路長の温度係数が小さ
いガラスならびにこのガラスを用いたエタロンフィルタ
ー基板およびこの基板を用いたエタロンフィルターにつ
いて、光路長の温度係数およびガラスの組成を上記のよ
うに限定した理由を以下に述べる。
【0020】まず光路長の温度係数(dS/dT)につ
いてであるが、dS/dTが8ppmを越えると光通信
用デバイス、特にエタロンフィルターの精密な温度制御
が必要となる。dS/dTは7.5ppm以下であるこ
とがより好ましく、さらに7ppm以下であることが好
ましい。
【0021】次に、組成についてであるが、B23成分
は、ガラス形成酸化物であるとともに、ガラスのdS/
dTを小さくする最も有効な成分であり、本発明のガラ
スに不可欠な成分である。dS/dTを8ppm以下に
するためには、その量を64%以上にすることが好まし
い。また、その量が75%を超えるとガラスの化学的耐
久性が著しく低下する場合があるため好ましくない。特
にdS/dTが小さく、かつ、良好な化学的耐久性を有
するガラスを得るためには、B23成分の量を66〜7
3%の範囲とすることが好ましく、さらに、その範囲を
68〜71%とすることがより好ましい。
【0022】SiO2成分は、ガラスの化学的耐久性を
良好に維持するために、本発明のガラスに不可欠な成分
で、2〜8%の範囲で含有することが好ましい。その量
が2%未満では、得られるガラスの化学的耐久性が著し
く低下する場合があるため好ましいとは言えず、また8
%を越えるとガラスの耐失透性が悪化する場合があるた
め好ましくない。特に良好な化学的耐久性を有するガラ
スを得るためには、SiO2成分の量を3〜7%の範囲
とすることが好ましく、さらに、その範囲を4〜6%と
することがより好ましい。
【0023】Al23成分はガラス化学的耐久性を向上
させる成分であり、本発明のガラスに不可欠な成分で、
5〜15%の範囲で含有することが好ましい。その量が
5%未満では化学的耐久性が低下する場合があるため好
ましくない。また、15%を超えるとdS/dTが所望
の値より大きくなりやすく、さらに、ガラスの耐失透性
が悪化する場合があるので好ましいとは言えない。特に
良好な化学的耐久性を有し、かつ耐失透性が優れたガラ
スを得るためには、Al23成分の量を6〜13%の範
囲とすることが好ましく、さらに、その範囲を7〜12
%とすることがより好ましい。
【0024】また、ガラスの化学的耐久性を良好に維持
するためには、B23に対するAl 23のモル比を0.
045以上にすることが好ましく、ガラスの溶融性を向
上させるためには、B23に対するAl23のモル比を
0.160以下にすることが好ましい。
【0025】BaO成分は,ガラスの溶融性を向上さ
せ、その耐失透性を向上させ、さらに、その化学的耐久
性を向上させる効果があるため、本発明のガラスに5〜
20%の範囲で含有させることが望ましい成分である。
しかし、その量が5%未満の場合にはこれらの効果が十
分に得られず、また、20%を超えるとdS/dTが所
望の値より大きくなるため、好ましくない。BaO成分
を添加する場合、上記BaO成分添加による諸効果を十
分に得つつ、かつ、dS/dTが小さいガラスを得るた
めには、その量を7〜19%の範囲とすることがより好
ましく、さらに、その範囲を9〜18%とすることが好
ましい。
【0026】Li2O成分は,ガラスの溶融性を向上さ
せ、さらにその耐失透性を向上させる成分であり、任意
に添加し得るが、5%を越えると化学的耐久性を悪化さ
せ、かつ、dS/dTを大きくしてしまう。特に良好な
化学的耐久性を有し、かつ、dS/dTが小さいガラス
を得るためには、その量を4%までとすることが好まし
く。さらに、3%までとすることがより好ましい。
【0027】ZrO2成分はガラスの化学的耐久性を向
上させる成分であり、任意に添加し得るが、その量が4
%を越えるとガラスの耐失透性が悪化するとともに、d
S/dTを大きくしてしまい所望の特性が得られない。
特に良好な耐失透性を有し、かつ、dS/dTが小さい
ガラスを得るためには、その量を3%までとすることが
好ましく。さらに、2%までとすることがより好まし
い。
【0028】Nb25成分はガラスの化学的耐久性を向
上させる成分であり、任意に添加し得るが、その量が5
%を越えると耐失透性を悪化させてしまう、特に良好な
耐失透性を有するガラスを得るためには、その量を3%
までとすることが好ましく。さらに、2%までとするこ
とがより好ましい。
【0029】As23およびSb23成分は、ガラス溶
融の際の清澄剤として任意に添加し得るが、その効果を
得るためには、両成分の1種または2種の合計量が2%
までで十分である。清澄効果を十分に得ながら、かつ、
環境対策上の問題が少ないガラスを得るためには、両成
分の1種または2種の合計量を0.01〜1%の範囲と
することが好ましく、さらに、その範囲を0.1〜1%
とすることがより好ましい。
【0030】なお、前記各成分の他に、ガラスの溶融性
や耐失透性の改善等を目的として、本発明のガラスの所
望の特性を損なわない範囲で、Na2O、K2O、Cs2
O、MgO、CaO、SrO、F2、La23、Bi2
3、P25、TiO2、WO3、Y23およびTa25
分の1種または2種以上を合計で2%まで添加すること
ができる。
【0031】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例について説明す
る。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるもの
ではない。まず、酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の通常のガ
ラス原料を、表1に示す組成比になるように、秤量、混
合した。これを通常のガラス溶解装置を用いて約120
0℃〜1400℃の温度で溶解し、撹拌均質化した後,
金型等にキャストして成形し、冷却することにより、実
施例No.1〜No.12のガラスを容易に得ることがで
きた。本発明の好適な実施例(No.1〜No.12)の
ガラスでは、失透および時間経過による潮解は生じなか
った。
【0032】表1および表2には、前記実施例(No.
1〜No.12)のガラス、比較例のガラス(No.Aお
よびNo.B)および石英の組成(重量%)、ならびにそ
れらのガラスおよび石英の1550nmにおける屈折率
(n)、1550nmにおける屈折率の温度係数dn/
dt(0〜50℃)、0〜50℃の平均線膨張係数(C
TE)および前述の式1によりそれらの値から計算した
dS/dTを示した。なお、1550nmは光通信技術
において使用される代表的な波長である。比較例のガラ
スNo.A、No.Bは実施例No.1〜No.1同様の方
法で製造した。石英については、SiO2の純度が9
9.99%の市販の合成石英を用いた。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1に見られるように、本発明の好適な実
施例(No.1〜No.12)のガラスは、いずれも、光
路長の温度係数(dS/dT)が8ppm以下であり、
石英より一段と小さいdS/dTを有しており、温度変
化による光路長の変化が小さいことが分かる。また、比
較例No.Aのガラスは、溶融し、成形した後、冷却す
る過程でガラスが失透し、光学部品としては適切なもの
ではなかった。これはSiO2の割合が多すぎるためと
考えられる。比較例No.Bのガラスは、化学的耐久性
が著しく悪く、溶融、成形、冷却して固化した後、空気
中の水分の影響でガラスの表面が2日後に潮解した。こ
れは、B23の割合が多すぎるためと考えられる。以上
の理由により、比較例No.AおよびNo.Bのガラスに
ついては、屈折率、dn/dtおよびCTEを測定する
ことができなかった。
【0036】次に図1に基づき本発明のソリッドエタロ
ンフィルター基板の実施例を説明する。図1は本発明の
ソリッドエタロンフィルター基板1の側面図である。こ
こでは、表1に示した、1550nmにおける屈折率n
が1.4890である実施例No.1のガラスの対向す
る表面を精密に平行になるように研磨し、図1に示すよ
うに、厚みdが1.82±0.01mmのソリッドエタ
ロンフィルター基板1を作製した。表1の実施例No.
1のガラスは、dS/dTの値が石英より小さいので、
本実施例のソリッドエタロンフィルター基板1は、石英
を基板とする従来のソリッドエタロンフィルター基板よ
りも、温度変化による基板の光路長の変化が小さい。ま
た、表1に示した本発明の実施例(No.2〜No.1
2)のガラスの屈折率等から下記式2より最大透過が得
られるときの所望の厚みdを求め、これらの各実施例の
ガラスの対向する表面を精密に平行になるように研磨
し、図1に示す、前記所望の厚みdであるソリッドエタ
ロンフィルター基板1を作製した。表1に示すように実
施例No.2〜No.12のガラスは、いずれも、dS
/dTの値が石英より小さいので、これらの実施例のガ
ラスを用いた本発明の実施例のソリッドエタロンフィル
ター基板1は、石英を基板とする従来のソリッドエタロ
ンフィルター基板よりも、温度変化による基板の光路長
の変化が小さい。
【0037】次に図2に基づき本発明のソリッドエタロ
ンフィルターの実施例を説明する。図2は本発明の実施
例のソリッドエタロンフィルター2の側面図である。図
2のソリッドエタロンフィルター2は、図1に示した実
施例No.1のガラスから作製したソリッドエタロンフ
ィルター基板1の対向する平行な両表面上に公知の反射
膜3を蒸着して作製したものである。ソリッドエタロン
フィルターでは、最大透過は、以下の式2を満たすとき
に起こる。 d=m×λ/2n/cosθ (式2)
【0038】ここで、λは最大透過させようとする光線
の波長、nはその波長における基板の屈折率、mは任意
の整数、θはソリッドエタロンフィルターに入射する光
に対するソリッドエタロンフィルターの屈折角であり、
dはソリッドエタロンフィルター基板の対向する平行な
両表面上に形成する反射膜の表面どうし間の距離であ
る。しかし反射膜の膜厚は非常に薄いため、通常はdを
基板の厚みとしてよい。本発明のソリッドエタロンフィ
ルター2の基板1のガラス(表1の実施例No.1)
は、dS/dTの値が石英より小さいので、ソリッドエ
タロンフィルター2は、石英を基板とする従来のソリッ
ドエタロンフィルターよりも、基板の温度変化による光
路長の変化が小さく、精密な温度制御を必要としない。
また、表1に示した本発明の実施例(No.2〜No.
12)のガラスから作製された図1に示すソリッドエタ
ロンフィルター基板1の対向する平行な両表面上に公知
の反射膜3を蒸着して、図2に示すソリッドエタロンフ
ィルター2を作製した。表1の実施例No.2〜No.
12のガラスは、いずれも、dS/dTの値が石英より
小さいので、これらの実施例のガラスを基板として用い
た本発明の実施例のソリッドエタロンフィルター2は、
石英を基板とする従来のソリッドエタロンフィルターよ
りも、基板の温度変化による光路長の変化が小さく、精
密な温度制御を必要としない。
【0039】
【発明の効果】上述したとおり、本発明のホウ酸塩ガラ
スは、B23、SiO2およびAl2 3を含むホウ酸塩
ガラスであって、光路長の温度係数(dS/dT)が8
ppm以下であるから、石英および従来のガラスよりも
dS/dTは小さく、光通信用デバイス、特にエタロン
フィルターに使用するのに好適である。また、本発明の
エタロンフィルター基板は、本発明に係るガラスからな
るものであるから、石英や従来のガラスからなる従来の
エタロンフィルター基板よりも温度変化による基板の光
路長の変化が小さく、しかも石英よりも製造コストが安
いため、経済的にも有利である。また、本発明のエタロ
ンフィルターは、本発明に係るエタロンフィルター基板
からなるものであるから、石英や従来のガラスを基板と
する従来のエタロンフィルターよりも温度変化による基
板の光路長の変化が小さいため、精密な温度制御を必要
としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のソリッドエタロンフィルター
基板の側面図である。
【図2】本発明の実施例のソリッドエタロンフィルター
の側面図である。
【符号の説明】
1 ソリッドエタロンフィルター基板 2 ソリッドエタロンフィルター 3 反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 GA09 GA13 GA48 GA51 GA62 4G062 AA04 BB08 CC04 DA03 DB03 DB04 DC06 DC07 DD01 DE01 DF01 EA01 EA02 EA03 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG03 EG04 FA01 FA10 FB01 FC01 FC02 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FG02 FG03 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM04 NN01 NN10 NN32 NN34

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】B23、SiO2およびAl23を含むホ
    ウ酸塩ガラスであって、光路長の温度係数(dS/d
    T、ここでdS/dT=n×CTE+dn/dtであっ
    て、CTEがガラスの平均線膨張係数、nがガラスの屈
    折率、dn/dtがガラスの屈折率の温度係数である)
    が8ppm以下であることを特徴とするホウ酸塩ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】質量百分率で、 SiO2 2〜8%、 B23 64〜75%、 Al23 5〜15%、 Li2O 0〜5%、 BaO 5〜20%、 ZrO2 0〜4%、 Nb25 0〜5%、 As23+Sb23 0〜2%、 を含有することを特徴とする請求項1に記載のホウ酸塩
    ガラス。
  3. 【請求項3】B23に対するAl23のモル比が0.0
    45〜0.160の範囲内であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のホウ酸塩ガラス。
  4. 【請求項4】B23、SiO2およびAl23を含み、
    光路長の温度係数(dS/dT、ここでdS/dT=n
    ×CTE+dn/dtであって、CTEがガラスの平均
    線膨張係数、nがガラスの屈折率、dn/dtがガラス
    の屈折率の温度係数である)が8ppm以下であるホウ
    酸塩ガラスからなることを特徴とするエタロンフィルタ
    ー基板。
  5. 【請求項5】 ホウ酸塩ガラスは、質量百分率で、 SiO2 2〜8%、 B23 64〜75%、 Al23 5〜15%、 Li2O 0〜5%、 BaO 5〜20%、 ZrO2 0〜4%、 Nb25 0〜5%、 As23+Sb23 0〜2%、 を含有することを特徴とする請求項4に記載のエタロン
    フィルター基板。
  6. 【請求項6】 ホウ酸塩ガラスにおいて、B23に対す
    るAl23のモル比が0.045〜0.160の範囲内
    であることを特徴とする請求項4または5に記載のエタ
    ロンフィルター基板。
  7. 【請求項7】 ソリッドエタロンフィルター用の基板で
    あることを特徴とする請求項4、請求項5または請求項
    6に記載のエタロンフィルター基板。
  8. 【請求項8】B23、SiO2およびAl23を含み、
    光路長の温度係数(dS/dT、ここでdS/dT=n
    ×CTE+dn/dtであって、CTEがガラスの平均
    線膨張係数、nがガラスの屈折率、dn/dtがガラス
    の屈折率の温度係数である)が8ppm以下であるホウ
    酸塩ガラスからなるエタロンフィルター基板を基板とす
    ることを特徴とするエタロンフィルター。
  9. 【請求項9】ホウ酸塩ガラスは、質量百分率で、 SiO2 2〜8%、 B23 64〜75%、 Al23 5〜15%、 Li2O 0〜5%、 BaO 5〜20%、 ZrO2 0〜4%、 Nb25 0〜5%、 As23+Sb23 0〜2%、 を含有することを特徴とする請求項8に記載のエタロン
    フィルター。
  10. 【請求項10】 ホウ酸塩ガラスにおいて、B23に対
    するAl23のモル比が0.045〜0.160の範囲
    内であることを特徴とする請求項8または9に記載のエ
    タロンフィルター。
  11. 【請求項11】 ソリッドエタロンフィルターであるこ
    とを特徴とする請求項8、請求項9または請求項10に
    記載のエタロンフィルター。
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