JP2002319400A - 電極とその製造方法及びこれを用いたリチウム電池 - Google Patents

電極とその製造方法及びこれを用いたリチウム電池

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JP2002319400A
JP2002319400A JP2001123828A JP2001123828A JP2002319400A JP 2002319400 A JP2002319400 A JP 2002319400A JP 2001123828 A JP2001123828 A JP 2001123828A JP 2001123828 A JP2001123828 A JP 2001123828A JP 2002319400 A JP2002319400 A JP 2002319400A
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sulfur
electrode
solution
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lithium
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JP2001123828A
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Yasushi Nakagiri
康司 中桐
Hideji Takesawa
秀治 武澤
Tomo Inatomi
友 稲富
Kenichi Morigaki
健一 森垣
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い電圧と、良好な充放電サイクル特性が得
られるリチウム電池用の電極を実現する。 【解決手段】 分子中に少なくとも1個のチオール基も
しくはチオレート基を有する有機硫黄化合物と、金属イ
オンとを有する表面層を、硫黄の粒子表面の少なくとも
一部に形成した複合粒子でリチウム電池の正極を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池、エレクトロ
クロミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学
素子に用いられる有機硫黄化合物および硫黄を含む硫黄
系複合電極およびその製造方法さらにこの硫黄系複合電
極を正極に用いたリチウム電池に関する。
【0002】
【従来の技術】1971年に導電性のポリアセチレンが
発見されて以来、導電性高分子を電極材料に用いると軽
量で高エネルギー密度の電池や、大面積のエレクトロク
ロミック素子、微小電極を用いた生物化学センサー等の
電気化学素子が期待できることから、導電性高分子電極
が盛んに検討されてきた。ポリアセチレン以外にも、他
のπ電子共役系導電性高分子として、ポリアニリン、ポ
リピロール、ポリアセン、ポリチオフェンといった比較
的安定な高分子が開発され、このような高分子を正極に
用いたリチウム二次電池が開発されている。これらの電
池のエネルギー密度は、40〜80Wh/kgといわれ
ている。
【0003】最近では、さらに高エネルギー密度が期待
できる有機材料として、米国特許第4,833,048
号に有機ジスルフィドが提案されている。この化合物
は、最も簡単には、M+−−S−R−S−−M+と表さ
れる(Rは脂肪族あるいは芳香族の有機基、Sは硫黄、
M+はプロトンあるいは金属カチオン)。この化合物は
電解酸化によりS−S結合を介して互いに結合し、M+
−−S−R−S−S−R−S−S−R−S−−M+のよ
うな形でポリマー化する。こうして生成したポリマーは
電解還元により元のモノマーに戻る。カチオン(M+)
を供給、捕捉する金属Mと有機ジスルフィド系化合物を
組み合わせた金属−硫黄二次電池が前述の米国特許に提
案されている。
【0004】これらの電池は金属リチウム負極を使用し
ており、電池作動電圧は3〜4Vであり、エネルギー密
度は150Wh/kg以上となるので、通常の二次電池
に匹敵あるいはそれ以上のエネルギー密度が期待でき
る。
【0005】また、一方で、さらなる高エネルギー密度
化のため硫黄の高容量性を生かして、単体硫黄そのもの
を正極に使用するといった検討も行われ、米国特許第
5,523,179号で提案されている。この電池は、
金属リチウム負極を用いて作動電圧が2Vであり、10
0〜800Wh/kgの高エネルギー密度が期待できる
といわれている。
【0006】しかしながら、高容量化のために単体硫黄
を正極に使用した場合には、単体硫黄の酸化還元反応は
室温では遅く、大電流を取り出すことが困難である。ま
た、金属リチウムを負極とした電池を構成した際、約2
Vの低い電池電圧しか得られない。このような電池を室
温下で動作させると、酸化還元反応が遅く電極反応抵抗
が高いので、2V以下の低い動作電圧しか得られないと
いう欠点がある。さらに、充放電サイクル特性が悪いと
いった課題もあった。単体硫黄を正極に用いた場合の充
放電サイクル劣化の現象は次のように考えられる。
【0007】単体硫黄は同素体が多く知られている。シ
クロオクタ硫黄(S8)はα型(斜方晶)、β型(単斜
晶)、γ型(単斜晶)の3種類の構造が知られている。
シクロヘキサ硫黄(S6)は菱面体晶構造であり、その
他にさらに大きな環状、鎖状および無定形等が報告され
ている。すなわち、これらの構造におけるエネルギー的
な差は小さく、硫黄元素は鎖を形成しながら不安定にい
ろんな形態をとることがわかる。このような状況の硫黄
粉末を充放電の出発物質に用い、放電(リチウム挿入)
および充電(リチウム脱離)を繰り返すと、初期の状態
の硫黄が再現されなくなり、絶縁物である硫黄が単離し
ていき、電子の授受やリチウムイオンの挿入が行われな
くなるものと思われる。また、放電生成物としてのリチ
ウム含有硫黄の最終形はLi2Sであるが、この物質は
可逆性が悪く、やはり遊離していき充放電反応に関与で
きなくなるものと考えられる。
【0008】ー方、分子内にチオール基またはチオレー
ト基を有する有機硫黄化合物のうち、前記のような特定
の有機ジスルフィド化合物は、金属リチウム負極と組み
合わせると3V以上の高い電池電圧が得られる。しか
し、これらの化合物は、酸化還元(充放電)を繰り返す
と、電極容量が徐々に減少するという問題がある。これ
は、次の理由による。
【0009】有機ジスルフィド化合物を酸化(充電)す
ると、電気絶縁性でかつイオン伝導性に乏しいポリジス
ルフィド化合物が生成する。ポリジスルフィド化合物は
電解質に対する溶解性が乏しい。ー方、このポリジスル
フィド化合物が還元(放電)によりモノマー化した際に
生成する有機ジスルフィドモノマーは、電解質に対する
溶解性が高い。従って、酸化還元を操り返すと、モノマ
ー化したジスルフィドが一部電解質に溶解し、溶解した
モノマーは電極中にもともと位置していた場所と異なる
場所でポリマー化する。
【0010】そして、カーボン等の導電剤から離れてポ
リマー化して析出したポリジスルフィド化合物は、電極
内の電子・イオン伝導のネットワークから孤立し、電極
反応に関与しなくなる。酸化還元を繰り返すと、孤立す
るポリジスルフィド化合物が増加して、電池の容量が徐
々に低下する。また、溶解性の高い有機ジスルフィドモ
ノマーは、動きやすく、正極からセパレータまたは電解
質内、さらには負極側に散逸する。このため、有機ジス
ルフィド化合物を含む電極を正極に用いた電池では、充
放電効率が低くなったり、充放電サイクル寿命が短くな
ったりするという欠点を有していた。
【0011】これらの欠点を解決するために、単体硫黄
の高容量性を生かしながら、ジスルフィド化合物の高電
圧性、室温サイクル特性を活用するという試みがなされ
ている。(T. Sotomura, N. Oyam
a ; 194th ECSmeeting Abst
ract No.75,(Nov.1−6 /199
8, Boston)この場合の電極作製方法は、銅集
電体上に2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジア
ゾールとポリアニリンと硫黄を混合したインクを複合体
として形成するというものである。さらに、集電体の銅
が正極内に溶出し、有機硫黄化合物の金属錯体を形成す
るとされている。
【0012】この場合、充電時に銅の溶出が起こり、サ
イクルを繰り返すと集電体からの銅イオンの溶出が過剰
になり、電解質内や負極に銅が流出して容量の劣化を引
き起こす。また、複合体を形成していないもしくは形成
する前の硫黄が集電体の銅と反応し、CuSやCu2S
を容易に形成しやすい。このCuSやCu2Sは充放電
電圧が低くサイクル特性は非常に悪い。さらに、正極内
での単体硫黄がリチウムと反応してポリスルフィドや最
終形態としてのLi2Sになり電解液中に溶出して遊離
して、やはり、容量低下を引き起こすといった問題も存
在する。そのため、上記のような作製方法で、銅集電体
上に2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ルとポリアニリンと硫黄の複合体を形成して充放電を行
うのは、非常に難しいといった課題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決し、有機硫黄化合物の電圧特性と単体硫黄の
高容量、高エネルギー密度という特徴を損なわず、かつ
室温下でも酸化還元反応が速く進行する硫黄系複合電極
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】本発明は、また、高エネルギー密度という
特徴を損なわず、かつ充放電効率が高く保持され、良好
な充放電サイクル特性が得られるリチウム電池を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め本発明の電極は、分子中に少なくとも1個のチオール
基もしくはチオレート基を有する有機硫黄化合物と、金
属イオンとを有する表面層を、硫黄の粒子表面の少なく
とも一部に形成した複合粒子を有することを特徴とす
る。
【0016】このとき、表面層がさらに、導電性高分子
を有することが有効である。また、表面層が、さらに、
バインダーを有することが有効である。
【0017】以上の電極の作成は、分子中に少なくとも
1個のチオール基もしくはチオレート基を有する有機硫
黄化合物と、金属とを溶解または分散した溶液中に、硫
黄粒子を浸漬する工程と、前記溶液中の前記硫黄粒子を
分散する工程と、前記硫黄粒子の表面の少なくとも一部
に前記有機硫黄化合物を被覆する工程と、前記有機硫黄
化合物を被覆した前記硫黄粒子を分離する工程と、前記
有機硫黄化合物を被覆した前記硫黄粒子と導電材料とバ
インダーとを電極化する工程を少なくとも有することが
望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の硫黄系複合電極は、硫黄
粒子の、表面の一部もしくは全面が、分子中に少なくと
も1個のチオール基またはチオレート基を有する有機硫
黄化合物と金属イオンさらには導電性高分子からなる材
料で被覆されている表面被膜を持つ複合粒子を含有して
いるものである。
【0019】被覆割合は硫黄粒子の全表面積の10%以
上が望ましい。さらに、被覆膜中に被覆膜の製膜性を高
めかつ高い膜強度を得る目的で、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジン、ポリ
弗化ビニリデン等の有機高分子バインダーを添加しても
よい。
【0020】本発明の硫黄系複合正極の製造方法は、表
面被膜の構成材料を溶解した溶媒中に硫黄粒子を浸漬す
る工程と、溶媒中に粒子を均一に分散する工程と、粒子
表面の一部もしくは全面に有機硫黄系材料が被覆された
複合粒子を作製する工程と、乾燥処理により複合粒子を
分離する工程と、前記複合粒子と導電材料とバインダー
により電極化する工程よりなるものである。溶媒中に粒
子を均一に分散する工程で超音波照射を行うことが望ま
しい。
【0021】また、本発明のリチウム電池は、上記した
硫黄系複合電極を正極とし、リチウム塩を含む非水電解
質、および負極を具備するものである。さらに、本発明
における硫黄系複合電極の複合粒子の被膜構成材料とし
て含有する導電性高分子材料は、ポリアニリン、ポリピ
ロール、ポリアセン、ポリチオフェン、ポリアセチレン
のうち少なくとも一つであることが望ましい。
【0022】さらに、本発明における硫黄系複合電極の
複合粒子の被膜構成材料として含有する金属イオンは価
数の変化する金属イオンであり、Cu、Ag、Au、N
i、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Cr、Mnまたは
Feより選ばれる少なくとも一つであることが望まし
い。
【0023】本発明の硫黄系複合電極およびその製造方
法は、単体硫黄粒子の表面に、必要量の銅を含有させた
有機硫黄、導電性高分子の複合体被膜を作製し、それを
用いて非溶解性の基板上に電極を作製することを特徴と
している。そのために、金属イオンが過剰に正極内に存
在することなく、電極作製時より電極中に適正量の金属
イオンを含有することが出来る。また、硫黄と金属イオ
ンが直接接する事も防止できる。さらに、硫黄がリチウ
ムと反応した場合でも被膜の存在により、ポリスルフィ
ドが電解質中へ溶出していくことを防ぐことが出来る。
これらのおかげで、金属イオンの電解質や負極への流
出、硫黄と金属イオンとの直接反応、正極内での硫黄ま
たは硫化リチウムの溶出等を防止することができる。そ
の結果、容量低下やサイクル特性の劣化を抑制すること
ができる。
【0024】本発明の複合電極は、単体硫黄粒子の表面
に、有機硫黄化合物の金属錯体(以下M−SSで表
す)、導電性高分子を含有する被膜が作製されているこ
とから、有機硫黄化合物(以下SSで表す)とポリアニ
リン(以下PAnで表す)のみからなる複合電極に較ベ
て大きな容量が得られる。単体硫黄は、重量当たり16
75Ah/kgの大きな理論容量を有しているが、室温
下では酸化還元反応の可逆性に乏しく、利用率も20%
以下と低い。しかし、M−SS、さらにSSおよびPA
nと複合化して用いると、80%以上の高い利用率で、
しかも高い可逆性が得られる。
【0025】また、単体硫黄だけでは、金属リチウム負
極と組み合わせた場合、2Vの電池電圧しか得られない
が、粒子表面で起こるM−SS、さらにSSおよびPA
nとの反応と組み合わせることにより、3V以上の高い
電池電圧が得られる。さらに、M−SSおよびSSの
(ポリ)チオレートアニオン、単体硫黄の(ポリ)チオ
レートアニオンがPAnにドーピングし、導電体を形成
する。このため、本発明の複合電極内にあっては、酸化
還元反応をスムーズに進行することが可能である。
【0026】複合粒子の表面被膜構成成分の一つである
M−SSは、自らが活物質として作用するのみならず、
SSおよびSSとPAnの複合体が電解質に溶解し正極
から散逸するのを防止する作用がある。このため、優れ
た充放電サイクル寿命を得ることができる。さらに、本
発明の複合電極は、SSとPAnのみの複合電極に較
べ、より平坦な電圧を与える。
【0027】M−SSのMとしては、Cu、Ag、A
u、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Cr、M
n、Feといったイオン価数変化の起こる金属を用いる
ことが望ましい。この金属イオンの価数変化が起こるこ
とにより、モノマー化、ポリマー化の酸化還元のみなら
ず、金属イオンの価数変化も酸化還元反応に含まれ、充
放電容量の増加に寄与する。特に、好適にはCuが用い
られる。M−SSのSSとしては、ー般式(R(S)
y)nで表される化合物を用いることができる。Rは脂
肪族基、芳香族基、Sは硫黄、yは1以上の整数、nは
2以上の整数である。HSCH2CH2SHで表される
ジチオグリコール、C2N2S(SH)2で表される
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、
C3H3N3S3で表されるs−トリアジン−2,4,
6−トリチオール、C6H6N4S3で表される7−メ
チル−2,6,8−トリメルカプトプリン、C4H6N
4S2で表される4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカ
プトピリミジン等が用いられる。何れも市販品をそのま
ま用いることができる。また、これらのSSを、ヨウ
素、フェリシアン化カリウム、過酸化水素等の酸化剤を
用いて化学重合法により、または電解酸化法により重合
したSSのダイマー、テトラマーを含む重合物を用いる
ことができる。さらに、SSとしては、(CSx)n
(x=0.5〜2、n=2以上の数)で表されるポリカ
ーボンジスルフィドを用いることもできる。
【0028】上記したMを含む金属塩とSSを用いて、
M−SSを形成することができる。金属錯体を形成する
塩としては、次のようなものを用いることができる。銅
塩の場合は、塩化第二銅、N,N−ジエチルカルバミン
酸銅(((C2H5)2NCSS)2Cu)等の2価の
銅塩、さらに塩化第二銅などをSO2で還元した1価の
銅塩などを用いることができる。また、銀塩の場合は、
硝酸銀、N,N−ジエチルカルバミン酸銀((C2H
5)2NCSSAg)、トリフルオロメタンスルホン酸
銀(CF3SO3Ag)、四フッ化硼酸銀(AgBF
4)等の1価の銀塩などを用いることができる。その他
の金属塩に関しても同様の物質を用いることができる。
SSと金属塩から硫黄粒子表面に錯体を形成するには、
後述する実施例に示したようなSS化合物のエタノール
溶液、金属塩のエタノール溶液を混合する方法がある
が、その他の方法を用いても構わない。各種金属錯体が
混合されるような手法を用いても良いし、2種以上の金
属塩で形成される金属錯体が形成されるような方法を用
いても良い。SSと銅塩と銀塩とで形成される錯体を例
示すると、SSが2,5−ジメルカプト−1,3,4−
チアジアゾールの場合は、CuAg(C2HN2S3)
4、ジチオグリコールの場合は、CuAg(C2H2S
2)4、s−トリアジン−2,4,6−トリチオールの
場合は、Cu3Ag3(C3N3S3)4、7−メチル
−2,6,8−トリメルカプトプリンの場合は、CuA
g(C6H4N4S3)4、さらに4,5−ジアミノ−
2,6−ジメルカプトピリミジンの場合は、CuAg
(C4H4N4S2)4、などが挙げられる。また、金
属錯体をリチウム化処理してチオレート基を持つ金属錯
体としても構わない。リチウム化処理としては、ブチル
リチウムやフェニルリチウム等のR・Li(Rは脂肪族
基または芳香族基)溶液中での化学的処理や、電気化学
的なリチウム挿入処理等を用いることができる。
【0029】単体硫黄は市販の単体硫黄粉未を用いる。
純度は99.9%以上が好ましい。粉末の粒径は10μ
m以下が好ましい。また、鎖状硫黄、不定形硫黄を用い
ることもできる。これらの物質を単独で用いても良い
し、混合状態で用いても構わない。
【0030】導電性高分子としては、ポリアニリン、ポ
リピロール、ポリアセン、ポリチオフェン、ポリアセチ
レン等を用いることができ、単体もしくは混合物で用い
ても良いが、好適には以下に示す溶解性のポリアニリン
が望ましい。ポリアニリンは、アニリンまたはその誘導
体を化学重合法または電解重合法により重合して得られ
るものが用いられる。特に、脱ドープ状態の還元性ポリ
アニリンは、有機ジスルフィドモノマーを有効に捕捉す
るので好ましい。ポリアニリンの還元度(RDI)は、
ポリアニリンをN−メチル−2−ピロリドンに微量溶解
した溶液の電子吸収スペクトル比で示される。すなわ
ち、640nm付近の長波長側に現れるキノンジイミン
構造に起因する吸収ピークの強度(I640)と340
nm付近の短波長側に現れるパラ置換ベンゼン構造に起
因する吸収ピークの強度(I340)との比(RDI=
I640/I340)で表すことができる。RDIが
0.5以下のポリアニリンが好適に用いられる。ポリア
ニリンの脱ドープの程度は、伝導度により表される。伝
導度が、10−5S/cm以下のポリアニリンが好適に
用いられる。
【0031】硫黄粒子表面の被膜の厚さとしては、0.
1〜10μm内が望ましい。好ましくは、0.5〜5μ
m内がより望ましい。M−SSとSSとの割合は、M−
SS1重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましく
は、0.5から5重量部を用いる。SSおよび/または
ポリアニリンの合計割合は、M−SS1重量部に対し、
0.01〜10重量部が好ましい。SSおよびポリアニ
リンを混合した場合のそれぞれの割合は、SS1重量部
に対し、ポリアニリン0.01〜10重量部が好まし
い。
【0032】本発明の複合電極には、金属カチオンM+
を含有する電解質を添加してもよい。このような電解質
としては、有機ジスルフィドモノマーの拡散移動がしに
くい固体状または半固体状の高分子電解質が好ましい。
ポリエチレンオキサイドにLiClO4、LiCF3S
O3、LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を溶解
したポリマー固体電解質、プロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネート等の非水溶媒中にLiClO4、L
iCF3SO3、LiBF4、LiPF6、LiN(C
F3SO2)2等のリチウム塩を溶解した電解液をポリ
アクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリ
ル酸、ポリエチレンオキサイドのような高分子でゲル化
した半固体状の高分子電解質が有効に用いられる。
【0033】さらに、本発明の複合電極には、製膜性を
高めかつ高い膜強度を得る目的で、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジン、ポリ
弗化ビニリデン等の有機高分子バインダーを添加しても
よい。また、導電性をさらに高める目的で導電剤を添加
してもよい。このような導電剤には、黒鉛粉末、アセチ
レンブラック粉末、黒鉛繊維等の炭素粉末または繊維が
ある。
【0034】本発明の硫黄系複合電極の製造方法として
は、表面被膜の構成材料を溶解した溶媒中に硫黄粒子を
浸漬する工程と、溶媒中に粒子を均一に分散する工程
と、粒子表面の一部もしくは全面に有機硫黄系材料が被
覆された複合粒子を作製する工程と、乾燥処理により複
合粒子を分離する工程と、前記複合粒子と導電材料とバ
インダーにより電極化する工程からなっている。溶媒中
に粒子を均一に分散する工程で超音波照射を行うことが
望ましい。
【0035】また、本発明のリチウム電池としては、上
記した硫黄系複合電極を正極として用いる。そして、リ
チウム塩を含む非水電解質、および負極を具備してい
る。非水電解質としては、電解液を用いても構わない
し、固体電解質、ポリマー電解質を用いても良い。ポリ
マー電解質としては、固体状または半固体状の高分子電
解質が好ましい。ポリエチレンオキサイドにLiClO
4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等の
リチウム塩を溶解したポリマー固体電解質、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート等の非水溶媒中に
LiClO4、LiCF3SO3、LiBF4、LiP
F6、LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を溶解
した電解液をポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイドのよう
な高分子でゲル化した半固体状の高分子電解質が有効に
用いられる。
【0036】さらに、負極としては、金属リチウム、リ
チウム合金、リチウムが可逆的に出入りできる炭素材料
およびリチウム含有複合窒化物などが用いられる。
【0037】このような製造方法により作製された硫黄
系複合正極およびリチウム電池においては、錯体形成の
ための必要以上の金属イオンが存在せず、集電体から金
属の溶出が起こることもないので、硫黄と直接反応する
金属イオン、電解質に溶解する硫黄等を抑制することが
できる。充放電中に単離した硫黄やリチウム含有硫黄
は、電解液中に溶解して容量低下の要因となる。つま
り、このような製造方法により作製された硫黄系複合正
極およびリチウム電池を形成することにより、サイクル
特性が高く、高容量な電極を得ることができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0039】(実施例1)まず、2、5−ジメルカプト
−1,3,4−チアジアゾール(以下、DMcTで表
す)1.8g(12ミリモル)を50mlのエタノール
に溶解して溶液Aを調製した。続いて、ヨウ素0.76
g(6ミリモル)を、50mlのエタノールに溶解して
溶液Bを調製し、塩化第二銅2水和物(CuCl2・2
H2O)1.02g(6ミリモル)を、25mlのエタ
ノールに溶解して溶液Cを調製した。そして、この溶液
BとCを混合して、混合溶液Dを調製した。
【0040】次に、溶液Aに硫黄単体の粉末1g(平均
粒径9μm)を投入した。そして、超音波洗浄機を利用
して超音波照射を10分行い、粉末粒子を溶液中に均一
に分散させた。続いて、濾過により溶液成分を分離し、
表面が濡れた状態で、硫黄粒子を溶液D中に投入した。
【0041】すると粒子表面を赤橙色の固形物が覆い、
被覆膜が形成された。この被覆膜を持つ複合粒子を含む
液を遠心分離して、固形物を取り出した後、この固形物
を熱アルコールにより数度洗浄した。最後に、固形物を
エチルエーテルで洗浄した後、真空乾燥して、硫黄粒子
表面に、銅DMcT錯体が表面被膜として形成した複合
粒子を得た。複合粒子の断面をSEMおよびEPMAで
観察し、硫黄粒子の表面に銅、硫黄、炭素、窒素を含有
する膜が1〜2μm形成されていることを確認した。
【0042】この銅DMcT被膜複合粒子粉末1g、ア
セチレンブラック粉末(AB)0.25gおよびポリフ
ッ化ビニリデン粉末(PVDF)0.25gを混合し
て、NMPによりスラリー化した。このスラリーを厚さ
20μmのAl箔集電体上に塗着した。その後、80℃
−1hrの真空乾燥を行い、硫黄系複合電極を作製し
た。こうして作製した電極の厚みは、Al箔を含めて厚
さ45μmであった。
【0043】(実施例2)まず、S−トリアジン−2、
4、6−トリチオール(以下、TTAと略す)2.1g
(12ミリモル)を50mlのエタノールに溶解して溶
液Aを調製した。続いて、ヨウ素0.76g(6ミリモ
ル)を、50mlのエタノールに溶解して溶液Bを調製
し、硝酸銀0.51g(3ミリモル)および塩化第二銅
2水和物(CuCl2・2H2O)0.51g(3ミリ
モル)を25mlのエタノールに溶解して溶液Cを調製
した。そして、この溶液BとCを混合して、混合溶液D
を調製した。
【0044】次に、溶液Aに硫黄1gを投入した。そし
て、実施例1と同様の手法で、硫黄粒子表面に銀-銅T
TA錯体が表面被膜として形成した複合粒子を得た。こ
の銀−銅TTA被膜複合粒子粉末1g、AB粉末0.2
5gおよびアクリロニトリル/メチルアクリレートコポ
リマー粉末(共重合モル比=95/5、数平均分子量4
00,000)0.15gを粉砕混合した。一方、エチ
レンカーボネート/ジメチルカーボネート混合溶媒(容
積比1:1)に1MのLiBF4及び0.5MのLiP
F6を溶解して電解液を調製した。この電解液3.0g
を前記の混合物に添加混練し、その混合物を75℃にお
いてヒートプレスローラにて圧延し、最後に厚さ30μ
mのTi箔集電体上に圧着した。こうして作製した電極
の厚みは、Ti箔を含めて厚さ56μmであった。
【0045】(実施例3)ポリアニリン(日東電工
(株)製;商品名アニリード、以下PAnで表す)をア
ルカリ溶液中で脱ドープした後、ヒドラジンで還元し
て、脱ドープ還元状態のPAnを得た。この脱ドープ還
元状態のPAnは、伝導度が10−8S/cm、RDI
値が0.26であった。
【0046】まず、先ほど準備したPAn2.4g(1
3ミリモル)を50mlのN−メチルピロリドン(NM
P)に溶解して溶液Aを調製した。続いて、リチウム化
DMcT(LiDMcT)1.8g(12ミリモル)を
50mlのNMPに溶解して溶液Bを調製した。そし
て、この溶液AとBを混合して、混合溶液Cを調製し
た。さらに、ジメチルジチオカルバミン酸銅([(CH
3)2NCSS−]2Cu)1.64g(6ミリモル)
を、25mlのNMPに溶解して溶液Dを調製した。
【0047】次に、溶液Cに硫黄1gを投入した。そし
て、超音波洗浄機により超音波照射を10分行い、粉末
粒子を溶液中に均一に分散させた。続いて、濾過により
溶液成分を分離し、表面が濡れた状態で、硫黄粒子を溶
液D中に投入した。
【0048】すると粒子表面を暗青緑色の固形物が覆
い、被覆膜が形成された。この被覆膜を持つ複合粒子を
含む液を遠心分離して、固形物を取り出した。その後、
NMPで洗浄し、真空乾燥して、硫黄粒子表面に、PA
n-銅-LiDMcT錯体が表面被膜として形成した複合
粒子を得た。複合粒子の断面をSEMおよびEPMAで
観察し、硫黄粒子の表面に銅、硫黄、炭素、窒素を含有
する膜が1〜2μm形成されていることを確認した。
【0049】このPAn-銅-LiDMcT被膜複合粒子
粉末1g、AB0.25gおよびPVDF0.25gを
混合して、NMPによりスラリー化した。このスラリー
を厚さ20μmのAl箔集電体上に塗着した。その後、
80℃−1hrの真空乾燥を行い、硫黄系複合電極を作
製した。こうして作製した電極の厚みは、Al箔を含め
て厚さ47μmであった。
【0050】(実施例4)まず、実施例3で準備したP
An2.4g(13ミリモル)を50mlのNMPに溶
解して溶液Aを調製した。続いて、TTA2.1g(1
2ミリモル)を50mlのNMPに溶解して溶液Bを調
製した。そして、この溶液AとBを混合して、混合溶液
Cを調製した。さらに、塩化第2パラジウム(PdCl
2)0.53g(3ミリモル)および二価の無水塩化銅
(CuCl2)0.4g(3ミリモル)さらにPVDF
0.5gを、25mlのNMPに溶解して溶液Dを調製
した。
【0051】次に、溶液Cに硫黄粉末1gを投入した。
そして、実施例3と同様の方法で、硫黄粒子表面に、P
An-Pt-銅-DMcT錯体が表面被膜として形成した
複合粒子を得た。このPAn-Pt-銅-DMcT被膜複
合粒子粉末1g、アセチレンブラック粉末(AB)0.
25gおよびポリフッ化ビニリデン粉末(PVDF)
0.25gを混合して、NMPによりスラリー化した。
このスラリーを厚さ20μmのAl箔集電体上に塗着し
た。その後、80℃−1hrの真空乾燥を行い、硫黄系
複合電極を作製した。こうして作製した電極の厚みは、
Al箔を含めて厚さ46μmであった。
【0052】(比較例1)実施例1の溶液B、C、Dを
調製せずに、同様な工程を行って、硫黄粒子の表面にD
McTのみを被覆した複合粒子を準備した。その粉末を
用いて、20μm厚のAl箔上に複合電極を作製した。
こうして作製した電極の厚みは、Al箔を含めて厚さ4
5μmであった。
【0053】(比較例2)実施例3で、硫黄粒子を浸漬
させることなく、溶液Cと溶液Dを混合して単体硫黄を
含まずに、PAn-銅-DMcT粉末を準備した。その粉
末を用いて、20μm厚のAl箔上に複合電極を作製し
た。こうして作製した電極の厚みは、Al箔を含めて厚
さ47μmであった。
【0054】次いで各電極の電極性能評価を行った。実
施例1〜4、比較例1〜2で得た電極を正極として用
い、厚み0.3mmの金属リチウムを負極として用いて
2×2cm角の電池を構成した。セパレータ層として、
厚み0.3mmのゲル電解質を用いた。ゲル電解質は、
LiBF4を1M溶解した容積比1:1で混合したプロ
ピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合溶液
20.7gをポリアクリロニトリル3.0gでゲル化し
て得たものである。これらの電池を、20℃において、
1mAの一定電流で、4〜2Vの範囲で繰り返し充放電
させた。各充放電サイクルでの放電容量(単位:mA
h)を測定して、充放電サイクルの進行に伴う放電容量
の減少の程度により充放電サイクル特性を評価した。そ
の結果を表1に示す。また、実施例1、3および比較例
1〜4の正極を用いた電池について、充放電第5サイク
ル目の放電曲線を図1に示す。横軸が放電容量(単位:
mAh)、縦軸が電池電圧(単位:V)である。
【0055】
【表1】
【0056】以上より、本発明に従う実施例の電極を用
いた電池では、比較例の電極を用いた電池に較べ、充放
電サイクルの進行に伴う放電容量の低下が小さい。ま
た、図1より、本発明による電極を用いて構成した電池
は、放電容量が大きく、高い電池電圧が得られ、比較的
平坦な放電電圧を示すが、比較例として構成した電池
は、放電容量が小さく、放電電圧の緩慢な降下や、高容
量でも低放電電圧を示している。
【0057】また、本実施例においての製造時にはNM
Pを用いたが、これは市販の試薬をそのまま、またはゼ
オライト吸着剤により水分を20ppm以下に低減した
ものを用いることができる。また、その他に、ピロリド
ン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピ
ロリドンを用いることもできる。
【0058】さらに、本実施例においては、電極集電体
として、チタン箔、Al箔を用いたが、その他にカーボ
ンシート、ステンレス鋼等の金属箔、ポリアニリンやポ
リピロール等の導電性高分子膜フィルム、または導電性
高分子膜フィルムを塗着または被覆した金属箔やカーボ
ンシートを用いることもできる。
【0059】
【発明の効果】本発明の複合電極は、従来の二次電池に
くらべて大きな容量を有し、かつ高い電圧を有する電池
を与える。さらに、本発明の複合電極は、充放電中にお
いて正極内の活物質、金属イオンの散逸が軽減され、充
放電中の放電容量低下の少ない高エネルギー密度二次電
池を与える。
【0060】なお、実施例では、電池に適した例のみ示
したが、本発明の複合電極を対極に用いると、発色・退
色速度の速いエレクトロクロミック素子や、応答速度の
速いグルコースセンサー等の生物化学センサーを得るこ
ともできる。また、書き込み・読み出し速度の速い電気
化学アナログメモリーを構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電極を正極に用いたリチウム
2次電池の放電曲線を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/62 H01M 4/62 Z 10/40 10/40 Z (72)発明者 稲富 友 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森垣 健一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2K001 AA03 BA03 CA07 5H029 AJ02 AJ05 AK05 AK15 AK16 AK18 AL01 AL06 AL12 AM03 AM05 AM07 AM16 CJ08 CJ22 DJ08 DJ16 EJ01 EJ04 EJ12 5H050 AA02 AA07 BA16 BA17 BA18 CA11 CA19 CA20 CA21 CB01 CB07 CB12 DA02 DA11 EA02 EA10 EA23 EA24 EA29 FA17 FA18 GA10 GA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に少なくとも1個のチオール基も
    しくはチオレート基を有する有機硫黄化合物と、金属イ
    オンとを有する表面層を、硫黄の粒子表面の少なくとも
    一部に形成した複合粒子を有することを特徴とする電
    極。
  2. 【請求項2】 表面層が、さらに、導電性高分子を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の電極。
  3. 【請求項3】 表面層が、さらに、バインダーを有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の電極。
  4. 【請求項4】 分子中に少なくとも1個のチオール基も
    しくはチオレート基を有する有機硫黄化合物と、金属と
    を溶解または分散した溶液中に、硫黄粒子を浸漬する工
    程と、前記溶液中の前記硫黄粒子を分散する工程と、前
    記硫黄粒子の表面の少なくとも一部に前記有機硫黄化合
    物を被覆する工程と、前記有機硫黄化合物を被覆した前
    記硫黄粒子を分離する工程と、前記有機硫黄化合物を被
    覆した前記硫黄粒子と導電材料とバインダーとを電極化
    する工程を少なくとも有することを特徴とする請求項
    1、2または3記載の電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3記載の電極を正極
    とし、リチウム塩を含む非水電解質、および負極を具備
    することを特徴とするリチウム電池。
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