JP2002318935A - 電子代理人センター及び電子商取引システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中小企業のメーカにおいては、量産メーカと
量販小売店との間の取引きのような電子商取引を行うこ
とができないという課題があった。 【解決手段】 メーカ４２と問屋４３と小売店４４と消
費者４５は、それぞれ、必要な取引情報（受注情報や発
注情報など）を電子代理人センター４１が所有する取引
データベース４６に保持しておく。取引を行うときは、
例えば、消費者４５から商品やサービスの購入要求の情
報を受けた電子代理人センター４１は、受信した情報に
基づいて、条件が合致する情報を取引データベース４６
から検索し、検索された情報を要求元の消費者４５に返
送する。これによって、例えば、メーカ４２と消費者４
５との間で電子商取引が成立する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、インターネット
上で電子商取引における取引情報の仲介を行う仮想の電
子代理人センター、及びこの電子代理人センターによっ
て電子商取引が実現される電子商取引システムに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】昨今、インターネットによる電子商取引
が盛んに行われている。このような電子商取引の場合、
インターネット上に仮想の電子代理人を存在させ、この
電子代理人が、商品情報やサービス情報などの各種情報
を格納したデータベースを構築している。そして、電子
代理人が、売買双方の要求情報を受け取り、自らのデー
タベースを検索してその結果情報を相互に返却すること
により電子商取引を実現している。このような電子商取
引の利用分野としては、ＥＣ（Electronic Commerce)、
ＣＡＬＳ（Commerce At Light Speed）やＥＤＩ（E1ect
ronic Data Interchange）などが知られている。尚、以
下の説明では、必要に応じて、電子商取引きで行われる
商品情報およびサービス情報を「取引情報」と称し、商
品情報やサービス情報を格納するデータベースを「取引
データベース」と称する。

【０００３】また、インターネット上で仲介役となる仮
想の電子代理人を設ける技術は種々報告されている。例
えば、特開平１０−３１２３９８号公報には、分散型の
カタログデータベースを検索する場合に、仲介エージェ
ントを介することにより、あたかも総合的な仮想カタロ
グとみなして検索を行う技術が開示されている。この技
術によれば検索作業が簡単になると共にデータベース構
築の負担が軽減される。また、特開平１１−１６１７１
６号公報には、インターネットを通じて電子商取引を行
う場合に、企業と消費者セグメントとの間にインタフェ
ースサーバを設けて電子商取引を円滑に行う技術が開示
されている。さらに、特開平１１−２９６４５６号公報
には、イントラネット環境において、複数のサーバを統
括するプロキシ（代理）サーバを設けることにより、複
数のサーバを秩序化して一元管理し、各サーバへのアク
セスを容易にする技術が開示されている。

【０００４】また、金属加工流通業界などにおいては、
メーカ⇒問屋⇒小売店という流れで製品が流通してお
り、最終的に消費者に渡るビジネスモデルが確立されて
いる。尚、流通規模によっては、１次問屋、２次問屋と
いうように流通ルートが複雑になっている場合もある。
さらに、大企業などにおいては、上記の流通ルートを簡
素化して、インターネットによる特定の企業間のＢtoＢ
（Business to Business）や個人客を対象としたＢtoＣ
（Business to Consumer）の電子商取引が行われてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属加
工流通業界などにおける従来のビジネスプロセスでは、
大企業などの量産メーカと量販小売店の登場によって、
問屋などの中間段階を省いた直接取引によるロスカット
商法が進行している。このような量産メーカと量販小売
店の取引きにおいては、前述のようにインターネット上
に仮想の電子代理人を存在させて電子商取引を行うこと
ができる。しかし、地場産業を中心とした中小企業のメ
ーカの場合は、依然として、前述の流通ルートのような
メーカから問屋や小売店を経由して消費者へ至る流通ル
ートで商品取引きが行われている。したがって、量産メ
ーカの商法に対抗するためにも、中小企業のメーカから
問屋、小売店を経由して消費者へ至る商品流通に関し
て、サプライチェーンの効率化による流通システムの最
適化が必要となってくる。しかし、現在の技術において
は、メーカ⇒問屋⇒小売店⇒消費者という流通ルートに
共通して介在させる電子代理人は実現していない。した
がって、中小企業のメーカにおいては、量産メーカと量
販小売店との間の取引きのような電子商取引を行うこと
ができないという課題がある。

【０００６】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、インターネット上に仮想の電子代
理人センターを設け、メーカ/問屋/小売店／消費者の各
エージェントが共通の電子代理人センターを介すること
により、各社のビジネスプロセスを集合化させて、最適
な電子商取引を行うことのできる電子代理人センターを
提供することを目的とする。また、この発明は、インタ
ーネット上に電子代理人センターという仮想センター設
けることで企業連携が取れ、調達量や供給量を取りまと
めてサプライチェーンのスループットを向上させる電子
商取引を行うことができる電子商取引システムを提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係る電子代理
人センターは、インターネット上で、流通ルートの介在
する複数のエージェントの取引情報を仲介し、複数のエ
ージェントに所望の電子商取引を成立させるサーバを備
えた電子代理人センターであって、サーバは、取引対象
となるエージェントによって端末から入力された取引情
報と、予めデータベースに保持している取引情報とを比
較照合し、合致した取引情報を結果情報として取引対象
となるエージェントの端末へ返送するものである。

【０００８】この発明に係る電子代理人センターは、サ
ーバが、複数のエージェントの端末から入力された取引
情報を保持する取引データベースを備え、取引データベ
ースより検索された取引情報に基づいて、取引情報の条
件が合致したエージェントを選択し、選択されたエージ
ェントの端末へ結果情報を返送するものである。

【０００９】この発明に係る電子代理人センターは、サ
ーバが、取引対象となるエージェントの端末から取得し
た取引条件の要求内容を分解し、分解された要素を単位
として取引データベースを検索して結果情報を作成し
て、この結果情報をエージェントの端末に返送するもの
である。

【００１０】この発明に係る電子代理人センターは、サ
ーバが、エージェントの端末から入力された複数の取引
情報について取引データベースを検索して合致した個々
の情報を統合して結果情報とし、この結果情報をエージ
ェントの端末へ返送するものである。

【００１１】この発明に係る電子代理人センターは、サ
ーバが、エージェントの端末から入力された取引情報で
指定されている言語を取引データベースの言語に翻訳す
るものである。

【００１２】この発明に係る電子代理人センターは、サ
ーバが、取引データベースの言語からエージェントの端
末から入力された取引情報で指定された言語に翻訳する
ものである。

【００１３】この発明に係る電子商取引システムは、複
数のエージェントがインターネット上でサーバを介して
商取引を行う電子商取引システムにおいて、サーバは、
予め取引情報を保持するデータベースを備え、電子代理
人が存在する電子代理人センターを実現し、電子代理人
は、取引を要求するエージェントによって電子代理人セ
ンターに送付された取引情報と合致する取引情報を有す
るエージェントをデータベースから検索し、取引を要求
するエージェントと取引情報の合致するエージェントと
の間に電子商取引のビジネスプロセスを確立させるもの
である。

【００１４】この発明に係る電子商取引システムは、エ
ージェントがメーカ、問屋、小売店、消費者のいずれか
であるものである。

【００１５】この発明に係る電子商取引システムは、電
子代理人センターが、取引を要求したエージェントごと
に専属電子代理人が担当するものである。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態１．この発明においてインターネット上で電
子商取引を行う電子商取引システムの概要について説明
する。すなわち、この発明では、インターネット上に仮
想の電子代理人センターを設け、メーカエージェントと
問屋エージェントと小売店エージェントと消費者エージ
ェントとが、共通の電子代理人センターを介して電子商
取引を行うようにシステムが構築されている。これによ
り、電子代理人センターに存在する電子代理人が、メー
カエージェントや問屋エージェントや小売店エージェン
トや消費者エージェントなどからの要求を受け取り、自
らのデータベースを検索してその結果情報を相互に返却
することにより電子商取引を実現している。このように
して、各社で分散されていた独自のビジネスプロセスを
集合化させて、あたかも１つの総括的な電子代理人セン
ターとみなして、商取引に関する引合/商談/依頼/折衝/
調整/受注/発注/売買などが実施される。したがって、
メーカや問屋や小売店や消費者のビジネスの負担を抑え
ることができると共に、従来に比べて簡単且つ効率的に
商売を行うことができる。

【００１７】図１は、この発明の実施の形態１における
電子商取引システムの概略構成図である。４１は取引情
報の仲介を行う機能をサーバによって実現する電子代理
人センターである。このサーバは一般的な構成をしたも
のであり、記憶手段（ＲＯＭ、ＲＡＭ等）やデータ通信
に必要な送受信手段を備え、ＣＰＵ等から構成された制
御手段が設けられている（図示省略）。この制御手段は
前記記憶手段に格納された制御プログラムに従って、電
子代理人センターとして機能するようにサーバを制御す
る。４６は電子代理人センター４１が所有し、取引情報
を格納する取引データベースであり、具体的には前記サ
ーバによって管理、（データ入出力について）制御さ
れ、サーバの内部に備えられたＨＤＤ等の記憶手段、ま
たは、外部記憶手段に設けられる。４２はメーカ、４３
は問屋、４４は小売店、４５は消費者がそれぞれ管理す
るクライアント端末である（以下、これらの各クライア
ント端末をメーカ４２、問屋４３、小売店４４、消費者
４５と記載する）。４７は電子商取引が実行されたとき
に決済を行う（サーバ等を備えた）銀行・カード会社で
ある。４８は電子商取引が行われたときに、自らの端末
等に送られてきた電子代理人センター４１からの指示に
従い、消費者などへ商品の配達を行う運送会社である。
前記各端末、各サーバは電子商取引を実現可能にネット
ワーク網ＮＴによって通信接続されている。

【００１８】このようなシステム構成において、メーカ
４２と問屋４３の間や、問屋４３と小売店４４の間のよ
うな、インターネットによるＢtoＢの取引においては、
電子代理人センター４１が、取引データベース４６に格
納された情報を検索しながら、企業間の商談や受発注や
これに伴う依頼/折衝/調達業務や、各種の情報提供業務
などを代行している。したがって、メーカ４２や問屋４
３や小売店４４などは取引業務の簡素化を図ることがで
きる。尚、取引データベース４６には、例えば、金属加
工業やその他のメーカの様々な商品情報や、現実社会で
行われている様々なサービス業務（例えば、旅行、不動
産、金融、保険などの業務）のサービス情報などが格納
されている。

【００１９】また、メーカ４２と消費者４５の間におけ
るＢtoＣの取引では、電子代理人センター４１が仲介役
となって消費者の所望する商品についてのインターネッ
ト通販を行うことができる。さらに、メーカ４２と消費
者４５の間のＢtoＣの取引では、電子代理人センター４
１が消費者の代理人となって、取引データベース４６の
格納情報を検索しながら取引の仲介や取引先探しなどを
行うことができる。したがって、電子代理人センター４
１は、消費者である個人客の所望する商品を複数の企業
から検索して取引を実現させることができるので、消費
者にとってはより価格の安い商品を入手することができ
る。尚、電子代理人センター４１は消費者４５から入力
されたカード（クレジットカード等）認証を行って取引
仲介を行っている。

【００２０】さらに、小売店においては、小売店４４を
用いたインターネットによる調達により、品揃えの幅を
広げ、嗜好が多様化している消費者に対して対面販売を
行うこともできる。これによって、量販系小売店とのサ
ービスの差別化を図ることができ、専門小売店としての
デマンドチェーンを実現することができる。尚、銀行・
カード会社４７は、メーカ/問屋/小売店/消費者におい
て電子商取引が実行されたときに決済を行う。また、運
送会社４８は、電子商取引が成立して電子代理人センタ
ー４１から配達依頼を受けたときにそれぞれの配達先へ
商品の配達を行う。

【００２１】図２は、この発明の実施の形態１における
電子代理人センターがメーカ/問屋/小売店/消費者との
間で行う仲介業務の概念図である。図２において、５１
は電子代理人センターであり、この電子代理人センター
５１には、メーカ電子代理人５２と問屋電子代理人５３
と小売店電子代理人５４と消費者電子代理人５５が存在
している。また、電子代理人センター５１は、メーカ５
６、問屋５７、小売店５８、消費者５９とそれぞれイン
ターネットが可能なネットワーク網によって接続されて
いる。そして、メーカ５６はメーカ電子代理人５２と、
問屋５７は問屋電子代理人５３と、小売店５８は小売店
電子代理人５４と、消費者５９は消費者電子代理人５５
と、それぞれ通信を行い、電子商取引に関する引合、商
談、依頼、折衝、調達、受発注、売買などを実行するよ
うにビジネスプロセスが構成されている。

【００２２】このようなビジネスプロセスにおいて、メ
ーカ５６は、自社商品を量販の小売店５８のルートへ乗
せたり、インターネット通販の形態で消費者５９へ直接
販売したりして販路の拡大を図ることができる。また、
問屋５７は、インターネット通販によって、見積や商談
業務の迅速化と受注業務の経費削減化を図ったり、商品
在庫の効率化による売上原価の低減など、利益率の向上
を図ったりすることができる。さらに、小売店５８は、
インターネットによる調達により、品揃えを豊富にし、
電子代理人センター５１が顧客の嗜好に合った商品を探
索して消費者５９に提示することもできる。また、消費
者５９は、電子代理人センター５１を通して複数のメー
カを検索し、最も価格の安い商品を購入することができ
る。

【００２３】図３は、この発明の実施の形態１における
電子商取引システムの詳細構成図である。図３におい
て、１，２はメーカが管理するクライアント、３，４は
問屋が管理するクライアント、５，６は小売店が管理す
るクライアント、７，８は消費者が管理するクライアン
トである。９，１０はメーカのエージェントに対応して
ＨＴＭＬで記述されたデータを表示するブラウザ、１
１，１２は問屋のエージェントに対応してＨＴＭＬで記
述されたデータを表示するブラウザ、１３，１４は小売
店のエージェントに対応してＨＴＭＬで記述されたデー
タを表示するブラウザ、１５，１６は消費者のエージェ
ントに対応してＨＴＭＬで記述されたデータを表示する
ブラウザである。

【００２４】１７，１８はメーカが管理するクライアン
ト１，２上に実現したメーカエージェント、１９，２０
は問屋が管理するクライアント３，４上に実現した問屋
エージェント、２１，２２は小売店が管理するクライア
ント５，６上に実現した小売店エージェント、２３，２
４は消費者が管理するクライアント７，８上に実現した
消費者エージェントである。２５はサーバ上に実現した
電子代理人が存在する電子代理人センター、２６，２７
はサーバ上に実現した電子代理人、２８，２９は受発注
情報などの取引情報を格納するテーブルを有する取引デ
ータベース、３０，３１はネットワークである。

【００２５】すなわち、図３に示す電子商取引システム
は、メーカ/問屋/小売店/消費者の管理するクライアン
ト１〜８と、電子代理人２６，２７が存在する電子代理
人センター２５とがネットワーク３０，３１によって接
続された構成となっている。また、図示していないが、
クライアント１〜８のそれぞれは、取引内容を指定する
ための入力部や取引内容指定用の入力画面や結果表示用
の出力画面などの表示部などを有している。したがっ
て、メーカ/問屋/小売店/消費者が、自己の管理するク
ライアント１〜８の入力部や入力画面や出力画面によ
り、自由に情報を入力したり出力したりすることができ
るようになっている。

【００２６】また、電子代理人２６，２７は、商品に関
する取引・仲介サービスを提供する機関である電子代理
人センター２５のサーバ上に実現している。さらに、メ
ーカエージェント１７，１８および問屋エージェント１
９，２０および小売店エージェント２１，２２および消
費者エージェント２３，２４は、複数のクライアントに
対応するサーバなどとともに実現してもよい。

【００２７】メーカエージェント１７，１８、問屋エー
ジェント１９，２０、小売店エーシェント２１，２２、
消費者エージェント２３，２４と、それぞれのエージェ
ントに対応するブラウザ９〜１６との間においては、ユ
ーザインタフェース言語、例えばＨＴＭＬ（Hyper Text
Markup Language）やＸＭＬ(eXtensib1e Markup Langu
age)が用いられている。また、メーカ/問屋／小売店／
消費者の各エージェント１７〜２４と電子代理人２６，
２７との間では、エージェント間通信言語、例えば、Ａ
ＣＬ（Agent Communication Language）が用いられ、電
子代理人２６，２７と取引データベース２８，２９の間
では、データベース言語、例えばＳＱＬ（structured Q
uery Language)が用いられている。

【００２８】情報通信を行う場合、メーカ/問屋／小売
店／消費者の各エージェント１７〜２４は、ユーザイン
タフェース言語（例えば、ＨＴＭＬ）とエージェント間
通信言語（例えば、ＡＣＬ）の間の変換を行ない、電子
代理人２６，２７は、データベース言語（例えば、ＳＱ
Ｌ）とエージェント間通信言語（例えば、ＡＣＬ）の間
の変換を行う。また、メーカ/問屋／小売店／消費者の
各エージェント１７〜２４は、予め、それぞれの取引対
象である取引情報を電子代理人２６，２７に通知し、取
引データベース２８，２９に格納する。

【００２９】そして、メーカ/問屋／小売店／消費者の
各エージェント１７〜２４からの取引情報の要求を受け
た電子代理人２６，２７は、受け取った取引情報に基づ
いて、該当する要求に対応する情報を取引データベース
２８，２９より検索し、合致した結果情報を要求元のエ
ージェント１７〜２４に送付する。例えば、電子代理人
２６が、メーカエージェント１７と問屋エージェント１
９から取引情報の要求を受けると、自己の取引データベ
ース２８に格納されているテーブルを検索して、両者の
取引情報に合致する受注情報や発注情報などを取り出
し、これを商取引の結果情報としてメーカエージェント
１７と問屋エージェント１９とに送付する。これによっ
て、メーカエージェント１７と問屋エージェント１９と
の間で電子商取引が成立する。このようにして、電子代
理人２６，２７を介した仮想の電子代理人センター２５
が構築される。

【００３０】次に、図３に示す電子商取引システムの動
作について、フローチャートを用いて詳細に説明する。
図４は、図３に示す電子商取引システムにおいて、電子
代理人センターの電子代理人が行う取引手順の流れを示
すフローチャートである。先ず、メーカ、問屋、小売
店、消費者が、それぞれの管理するクライアント１〜８
より取引情報を入力する（ステップＳＴ１）。すると、
メーカエージェント１７，１８、問屋エージェント１
９，２０、小売店エージェント２１，２２、消費者エー
ジェント２３，２４は、エージェント間通信言語（例え
ば、ＡＣＬ）を用いて、それぞれの取引情報を電子代理
人センター２５へ送付する（ステップＳＴ２）。 する
と、電子代理人センター２５に存在する電子代理人２
６，２７が、エージェント間通信言語（例えば、ＡＣ
Ｌ）で受け取った取引情報を、自己の所有する取引デー
タベース２８，２９へ保持する（ステップＳＴ３）。

【００３１】次に、ユーザ（例えば、消費者）が、自己
の管理するクライアント８より取引要求（つまり、問い
合わせ情報）を入力する（ステップＳＴ４）。すると、
クライアント８の消費者エージェント２４が、入力され
た取引要求をユーザインタフェース言語（例えば、ＨＴ
ＭＬ）からエージェント間通信言語（例えば、ＡＣＬ）
に変換して、電子代理人センター２５の管理する電子代
理人２７へ送付する（ステップＳＴ５）。そして、電子
代理人２７は、受け取った取引要求をエージェント間通
信言語（例えば、ＡＣＬ）をデータベース言語（例え
ば、ＳＱＬ）に変換した後、自己が保有している取引デ
ータベース２９のテーブルに格納されている取引情報を
検索し、その中から取引要求（または、その分解要素）
とマッチングする情報を選択する（ステップＳＴ６）。

【００３２】さらに、電子代理人２７は、選択された結
果情報をデータベース言語（例えば、ＳＱＬ）からエー
ジェント間通信言語（例えば、ＡＣＬ）に変換して消費
者エージェント２４へ送付する。この際、電子代理人２
７は、個々に選択された結果情報を統合した形の結果情
報を生成する（ステップＳＴ７）。そして、電子代理人
２７は、この結果情報を要求元の消費者エージェント２
４に送付する（ステップＳＴ８）。これにより、要求元
の消費者エージェント２４は、受け取った結果情報をエ
ージェント間通信言語（例えば、ＡＣＬ）からユーザイ
ンタフェース言語（例えば、ＨＴＭＬ）に変換する（ス
テップＳＴ９）。すると、ブラウザ１６などのユーザイ
ンタフェースが、この結果情報を消費者の管理するクラ
イアント８の表示画面に一覧表示し、消費者は所望の電
子商取引を確立する（ステップＳＴ１０）。

【００３３】以上は、消費者が行う電子商取引の流れに
ついて説明したが、メーカ、問屋、小売店、消費者が、
それぞれ、所望の取引情報を入力すれば、電子代理人セ
ンター２５の電子代理人２６または電子代理人２７が、
取引データベース２８または２９に格納された情報か
ら、それぞれの取引条件に合致した結果情報を選択し
て、メーカ、問屋、小売店、消費者のクライアント１〜
８の何れかに送信する。これによって、メーカ、問屋、
小売店、消費者は、それぞれの取引条件に合致した電子
商取引を成立させることができる。

【００３４】ここで、商品名や価格や商品個数などの要
求の入力は、基本的には、ユーザが電子代理人センター
２５のＵＲＬ（Uniform Resource Locator）を指定し
て、これにアクセスすることにより設定される入力画面
上で行われるが、これらの入力データをユーザ側で保持
して、電子代理人センター２５へのアクセスをすること
なしに、ユーザ側で要求入力画面の設定をローカルに行
えるようにしてもよい。

【００３５】また、電子代理人２６，２７はセッション
管理機能を備えている。すなわち、ステップＳＴ４のユ
ーザが取引要求を入力して送付するときの送付元の消費
者エージェント名を保持する機能と、ステップＳＴ６の
要求情報に対する結果情報を選択して送付するときの送
付元の電子代理人名を保持する機能とを備えている。

【００３６】また、ステップＳＴ５において、消費者エ
ージェント２４が、入力された取引要求をユーザインタ
フェース言語（例えば、ＨＴＭＬ）からエージェント間
通信言語（例えば、ＡＣＬ）に変換して、電子代理人セ
ンター２５の管理する電子代理人２７へ送付するとき、
要求されている用語（つまり、電子代理人センター２５
の標準用語）と、これに対応する消費者エージェント２
４の用語とが相違しているときには、電子代理人２６，
２７がこれら用語間の翻訳を行う。尚、消費者エージェ
ント２４に限らず、何れのエージェント１７〜２４の用
語が相違している場合についても、同様に、電子代理人
２６，２７は用語間の翻訳を行う。例えば、商品のいわ
ゆる値段を、電子代理人センター２５の標準インタフェ
ースでは「値段」を使い、あるエージェントでは「プラ
イス」などと表現しているときには、ユーザが指定した
「値段」を、電子代理人２６，２７が自動的に「プライ
ス」に翻訳する。

【００３７】以上のように、この実施の形態１によれ
ば、インターネット上に電子代理人センターという仮想
のセンターを設けることにより、インターネット上で企
業連携をとることができ、もって、商品の調達量や供給
量を取りまとめてサプライチェーンのスループットを向
上させることができる。さらに、ＢtoＢの取引において
は、企業間の商談や受発注や、これに伴う依頼/折衝/調
達業務や、各種の情報提供業務などを電子代理人が代行
しているので、商取引業務の簡素化を図ることができ
る。また、ＢtoＣでは、電子代理人が消費者である個人
客の所望する商品を複数の企業から検索して取引を実現
させることもできるので、消費者にとってはより価格の
安い商品を入手することができるという効果が得られ
る。

【００３８】また、この実施の形態１によれば、メーカ
は、自社商品を量販小売のルートへ乗せることも可能で
あるのみならず、インターネット通販の形態による消費
者への直接販売など、販路の拡大や確保を図ることがで
きる。さらに、問屋は、インターネット通販によって、
見積や商談業務の迅速化と受注業務の経費削減化を図る
ことができる。また、商品在庫の効率化による売上原価
の低減など、利益率の向上を図ることができる。この結
果、全国規模の大手卸業に対抗して競合することができ
る。さらに、小売店においては、インターネットによる
調達により、品揃えの幅を広げることができるし、電子
商取引システムが顧客の嗜好に合った商品を探索して提
示することが可能となるため、量販系小売店とのサービ
スの差別化を図ることができ、もって、専門小売店とし
てのデマンドチェーンを実現することができるという効
果が得られる。

【００３９】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、電子
代理人センターが、エージェントの取引情報と予め保持
している取引情報とを比較照合して電子商取引を成立さ
せている。したがって、メーカや問屋や小売店や消費者
などのエージェントから任意の商品やサービスの取引要
求を受けた電子代理人センターが、受注情報や発注情報
からなる取引情報に対して、要求情報に合致した結果情
報によって電子商取引を成立させることができる。つま
り、メーカ、問屋、小売店、消費者の各エージェントの
受発注情報を電子代理人センターの取引データベースに
保持しておき、これらの各エージェントから任意の商品
やサービスの要求を受けた電子代理人センターが、この
取引データベースに基づいて選択した結果情報を各エー
ジェントに返送することによって所望の電子商取引を確
立させることができるという効果が得られる。

【００４０】この発明によれば、電子代理人センターは
要求情報の内容を分解し、この分解単位で電子代理人を
たてて各エージェントに送付し、さらには複数のエージ
ェントからの結果を総合した形の結果情報を生成して各
エージェントに送付しているので、例えば、小売店エー
ジェントが販売したい複数商品を電子代理人センターに
登録しておけば、消費者エージェントは複数商品から所
望の商品を購入することができるという効果が得られ
る。

【００４１】この発明によれば、電子代理人はメーカエ
ージェントおよび問屋エージェントおよび小売店エージ
ェントおよび消費者エージェントで要求されている言語
を、これに対応する電子代理人センターの標準言語に翻
訳されている。さらに、エージェントに返送する時に
は、標準言語に翻訳された言語は各エージェント側の用
語に翻訳されている。したがって、取引情報はそれぞれ
の環境の言語に自動的に翻訳されるので、正確且つ迅速
に情報の受け渡しを行うことができるという効果が得ら
れる。

【００４２】この発明によれば、複数のエージェントと
取引情報の仲介を行う電子代理人センターとで電子商取
引システムを構成してビジネスプロセスを確立させてい
る。したがって、ユーザは、分散している各社の取引デ
ータベースを１つの情報源とみなすことができる。これ
によって、要求の内容に応じて、複数の会社の取引デー
タベースにまたがる横断的な一括要求や、ある商品やサ
ービスに関連する商品・サービスの発見や、所望する情
報の取得などを簡単に行うことができるという効果が得
られる。

【００４３】この発明によれば、電子代理人センター
が、各エージェントから送付された情報を管理し、引
合、商談、依頼、折衝、調整、受注、発注、売買を電子
代理人センターというインターネット上の仮想センター
にてビジネスプロセスを実行する手段を備えたシステム
を構築している。つまり、インターネット上に電子代理
人センターという仮想センターを設けることによって、
中小企業にとって厳しい競争の中で生き残りをかけるか
解決手段を提供している。これによって、製造から配販
のビジネスプロセスの改善を目指すことができる。一
方、このようなシステムを全国的に普及させることによ
って、例えば、中小企業の金属加工流通業界での製造/
配販の活性化を図ることができ、これによる経済的効果
に寄与することもできるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１における電子商取引
システムの構成図である。

【図２】 この発明の実施の形態１における電子代理人
センターがメーカ/問屋/小売店/消費者との間で行う仲
介業務の概念図である。

【図３】 この発明の実施の形態１における電子商取引
システムの詳細構成図である。

【図４】 図３に示す電子商取引システムにおいて、電
子代理人センターの電子代理人が行う取引手順の流れを
示すフローチャートである。

【符号の説明】

１〜８ クライアント、９〜１６ ブラウザ、１７，１
８ メーカエージェント、１９，２０ 問屋エージェン
ト、２１，２２ 小売店エージェント、２３，２４ 消
費者エージェント、２５ 電子代理人センター、２６，
２７ 電子代理人、２８，２９ 取引データベース、３
０，３１ ネットワーク、４１ 電子代理人センター、
４２ メーカ、４３ 問屋、４４ 小売店、４５ 消費
者、４６取引データベース、４７ 銀行・カード会社、
４８ 運送会社、５１ 電子代理人センター、５２ メ
ーカ電子代理人、５３ 問屋電子代理人、５４ 小売店
電子代理人、５５ 消費者電子代理人、５６ メーカ、
５７ 問屋、５８ 小売店、５９ 消費者。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インターネット上で、流通ルートに介在
   する複数のエージェントの取引情報を仲介し、前記複数
   のエージェントに所望の電子商取引を成立させるサーバ
   を備えた電子代理人センターであって、 前記サーバは、取引対象となるエージェントによって端
   末から入力された取引情報と、予めデータベースに保持
   している取引情報とを比較照合し、合致した取引情報を
   結果情報として取引対象となるエージェントの端末へ返
   送することを特徴とする電子代理人センター。
2. 【請求項２】 サーバは、複数のエージェントの端末か
   ら入力された取引情報を保持する取引データベースを備
   え、前記取引データベースより検索された取引情報に基
   づいて、取引情報の条件が合致したエージェントを選択
   し、該エージェントの端末へ前記結果情報を返送するこ
   とを特徴とする請求項１記載の電子代理人センター。
3. 【請求項３】 サーバは、取引対象となるエージェント
   の端末から取得した取引条件の要求内容を分解し、分解
   された要素を単位として取引データベースを検索して結
   果情報を作成し、該結果情報を前記エージェントの端末
   へ返送することを特徴とする請求項１または請求項２記
   載の電子代理人センター。
4. 【請求項４】 サーバは、エージェントの端末から入力
   された複数の取引情報について取引データベースを検索
   して合致した個々の情報を統合して結果情報とし、該結
   果情報を前記エージェントの端末へ返送することを特徴
   とする請求項１から請求項３のうちの何れか１項記載の
   電子代理人センター。
5. 【請求項５】 サーバは、エージェントの端末から入力
   された取引情報で指定されている言語を、取引データベ
   ースの言語に翻訳することを特徴とする請求項２から請
   求項４のうちの何れか１項記載の電子代理人センター。
6. 【請求項６】 サーバは、取引データベースの言語か
   ら、エージェントの端末から入力された取引情報で指定
   された言語に翻訳することを特徴とする請求項５記載の
   電子代理人センター。
7. 【請求項７】 複数のエージェントがインターネット上
   でサーバを介して商取引を行う電子商取引システムにお
   いて、 前記サーバは、予め取引情報を保持するデータベースを
   備え、電子代理人が存在する電子代理人センターを実現
   し、 前記電子代理人は、取引を要求するエージェントによっ
   て前記電子代理人センターに送付された取引情報と合致
   する取引情報を有するエージェントを前記データベース
   から検索し、前記取引を要求するエージェントと前記取
   引情報の合致するエージェントとの間に電子商取引のビ
   ジネスプロセスを確立させることを特徴とする電子商取
   引システム。
8. 【請求項８】 エージェントはメーカ、問屋、小売店、
   消費者のいずれかであることを特徴とする請求項７記載
   の電子商取引システム。
9. 【請求項９】 電子代理人センターは、取引を要求した
   エージェントごとに専属電子代理人が担当することを特
   徴とする請求項７記載の電子商取引システム。