JP2002317308A - 産前妊婦用ガードルまたはショーツ - Google Patents

産前妊婦用ガードルまたはショーツ

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JP2002317308A
JP2002317308A JP2001125694A JP2001125694A JP2002317308A JP 2002317308 A JP2002317308 A JP 2002317308A JP 2001125694 A JP2001125694 A JP 2001125694A JP 2001125694 A JP2001125694 A JP 2001125694A JP 2002317308 A JP2002317308 A JP 2002317308A
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tension
girdle
cloth
shorts
abdomen
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JP2001125694A
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English (en)
Inventor
Mayumi Ogawa
真由美 小川
Sayoko Tsuji
佐夜子 辻
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Wacoal Corp
Original Assignee
Wacoal Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膨出してくる下腹部を段差をつけることなく
腹部最下部から持ち上げサポートすることが可能で、着
用感が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部位が適
正な産前妊婦用ガードルまたはショーツを提供する。 【解決手段】 腹部のフロント布21の緊迫力の強い部分
21cは、下腹部から脇側斜め上方に向かってウェストラ
イン近傍まで存在し、その外脇縁形状は、外脇縁の下方
部分が鼠蹊溝より内側になるように下方に向かって狭く
なり、下縁は股布前側上縁25に直接縫合されており、緊
迫力の強い部分の上縁ライン30の形状は下方に向かって
凸の略円弧状のカーブを描いており、前中心において臍
部より下方でかつ股布24の前側上縁25から上方にほぼ1
0〜20cmの範囲を通り略円弧状に脇側に至ってい
て、緊迫力の強い部分の上縁ライン30より上側部分が、
中緊迫力部分21b及び緊迫力の弱い部分21aからなる産前
妊婦用ガードル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産前妊婦用ガード
ルまたはショーツに関する。特に本発明は、腹部におけ
る補強用当て布等による段差が生じにくい腹部サポート
機能を有する産前妊婦用ガードルまたはショーツに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、産前妊婦用ガードルまたはシ
ョーツとしては、やや下側の腹部部分に補強布を裏打ち
し、腹部を下方からサポートする産前妊婦用ガードル等
が用いられている。しかし、補強布を裏打ちした場合に
は、当該補強布の縁部が段差となって現れ、外観が見苦
しくなるだけでなく、当該補強布の縁部の段差部分が、
妊婦の腹部の肉に食い込んで、かゆみや痛みが生じた
り、血行阻害を生じるおそれもある。特に、妊娠後期に
は、臨月に近くなると、妊婦の腹部は、大きくふくれあ
がるとともに、胎児も成長し、重量が増加してくるの
で、妊婦の腹部の肉が、補強布により強い力で押し当て
られることになり、補強布の縁部の段差部分が、妊婦の
腹部の肉に食い込んでかゆみや痛みが生じたり、血行阻
害を生じるおそれもより大きくなる。
【0003】また、産前妊婦用ガードルまたはショーツ
の腹部布において、やや下側の腹部部分に挿入または編
み込まれる弾性糸の本数を変えることにより、やや下側
の腹部部分の緊迫力を強めた産前妊婦用ガードルも提案
されている。この場合には、補強布が裏打ちされていな
いので、当該補強布の縁部の段差部分が、妊婦の腹部の
肉に食い込んで、かゆみや痛みが生じたり、血行阻害を
生じるおそれは改善されるが、弾性糸の挿入または編み
込みのみでは、胎児の成長による腹部が下方に膨出する
ことを支えるには不十分であったり、挿入または編み込
まれる弾性糸の本数を変えることにより、緊迫力を強め
る場合には、比較的緊迫力の強い部分のパターンの縁が
任意の形状にしがたく、直線状となってしまう。従って
かかる産前妊婦用ガードルまたはショーツでは、腹部の
内、中央部の下腹部の緊迫力を強めた場合、脇部が上方
まで緊迫力が強められなかったり、逆に、脇部の緊迫力
をやや上方部分まで強くしようとすると、中央部の腹部
の緊迫力も下腹部だけでなく、脇部と同じ高さの部位ま
で緊迫力が強められてしまい、不必要な緊迫力が腹部に
かかる等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決し、膨出した腹部を、特に恥骨から上の腹部最
下部からも支えるパワーが作用し、従って膨出してくる
下腹部の下方への膨出を防止し、膨出してくる下腹部を
段差をつけることなく下方から持ち上げサポートするこ
とが可能で、更に両脇から腹部をつり上げる様に腹部を
支えるパワーが作用して、しかも腹部の上方略半分に
は、不必要な緊迫力が作用せず、腹部膨出部分をカバー
する生地に段差がなく、段差の発生による着用者の外観
の低下を引き起こさず、従って段差部分が妊婦の腹部の
肉に食い込んで、かゆみや痛みが生じたり、血行阻害を
生じるおそれのない、着用感が良好で、腹部を支えるパ
ワーが作用する部位が適正な産前妊婦用ガードルまたは
ショーツを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、以下に示すような、産前妊婦用ガードル
またはショーツを提供するものである。
【0006】(1)ジャカード編からなる地編が非弾性
糸で編まれ、更に弾性糸が挿入されるか及び/又は弾性
糸が編み込まれてなる経編地からなっていて、緊迫力の
強弱の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる非弾性
糸からなる編組織を切り替えて、組織の変化により、所
定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力
の弱い部分とがパターン状に編み分けられている経編地
(G)を少なくとも一部に用いてなるジャカード編の経
編地からなる産前妊婦用ガードルまたはショーツであっ
て、腹部を覆うフロント布は、前記経編地(G)からな
り、その比較的緊迫力の強い部分は、下腹部から脇側斜
め上方に向かって、臍位置の横方向水平ライン近傍から
ウェストライン近傍までのいずれかの位置まで存在し、
前記フロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇縁形状
は、前記外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側になるよう
に下方に向かって狭くなり、その下縁は股布の前側上縁
に直接縫合されており、比較的緊迫力の強い部分の上縁
ラインの形状は下方に向かって凸の略円弧状のカーブを
描いており、比較的緊迫力の強い部分の前記上縁ライン
は、前中心において臍部より下方でかつ股布の前側上縁
から上方にほぼ10〜20cmの範囲を通り略円弧状に
脇側に至っていて、比較的緊迫力の強い部分の上縁ライ
ンより上側部分が、それより緊迫力の弱い比較的緊迫力
の弱い部分からなる産前妊婦用ガードルまたはショー
ツ。
【0007】本発明は、上述のような腹部を覆うフロン
ト布を採用していて、緊迫力の比較的強い部分の下縁が
股布の前側上縁に直接縫合されており、特に恥骨から上
の腹部最下部からも膨出した腹部を支えるパワーが作用
し、従って妊娠時に膨出してくる下腹部を、段差をつけ
ることなく下方から持ち上げるようにサポートすること
が可能となる。下腹部から支えるパワーが十分発揮され
胎児の重量による下方へ腹部の膨出を良好に防止し、更
に両脇から腹部をつり上げる様に腹部を支えるパワーが
作用してしかも腹部の上方略半分には、不必要な緊迫力
が作用せず、腹部膨出部分をカバーする生地に段差がな
く、段差の発生による着用者の外観の低下を引き起こさ
ず、従って段差部分が妊婦の腹部の肉に食い込んで、か
ゆみや痛みが生じたり、血行阻害を生じるおそれがな
い、着用感が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部
位が適正な産前妊婦用ガードルまたはショーツが提供で
きる。更に腹部を覆うフロント布の比較的緊迫力の強い
部分の外脇縁形状が、その外脇縁の下方部分が鼠蹊溝よ
り内側になるように下方に向かって狭くなっているの
で、鼠蹊溝を圧迫せず、着用感を良好に保持し得るとと
もに、フロント布による下腹部下方部分の持ち上げ力が
集中的に作用しやすくなり好ましい。
【0008】更に本発明においては、ジャカード編から
なる経編地を採用し、その表側にあらわれる非弾性糸か
らなる地編組織を、緊迫力の強弱の要求に応じてパター
ン状に編み分けた経編地を少なくとも一部に採用してい
るので、丸編品に比べて、仕上がり寸法の安定性が良好
で、同じ仕上がり寸法のものを容易に大量に生産でき、
丸編品の如くいわゆる「伝染」等の発生がなく耐久性が
良好で、生産性にも優れた、産前妊婦用ガードルまたは
ショーツを提供できる。しかも丸編品に比べて、編み密
度をより高密度にすることもできるので、比較的緊迫力
の強い部分の緊迫力のより一層大きいものも容易に製造
できる。
【0009】(2)前記(1)項に記載の産前妊婦用ガ
ードルまたはショーツにおいては、経編地(G)の比較
的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱い比較的緊迫
力の弱い部分とのパターン状の編み分けが、比較的緊迫
力の強い部分とそれより緊迫力の弱い比較的緊迫力の弱
い部分へ、その緊迫力のグレードが合計3段階以上に編
み分けられている経編地(G)であることが好ましい。
【0010】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より緊迫力の強い部分と緊迫力の弱い部分との境界にお
ける急激な緊迫力の変化を緩和することができる。前記
境界部に急激な緊迫力の変化があると、緊迫力の弱い部
分が緊迫力の強い部分に引っ張られて前記境界部近傍の
緊迫力の弱い部分の編み目が広がりすぎて、小さな孔が
開いたように見栄えが低下することがあるのを防止でき
好ましい。また前記境界部が曲線状にカーブしている場
合に、緊迫力の弱い部分が緊迫力の強い部分に引っ張ら
れて描かれるカーブがスムーズにならず、カーブの形状
が低下する欠点などの発生を防止でき、スムーズなカー
ブ模様となり好ましい。また、緊迫力の弱い部分と緊迫
力の強い部分との緊迫力に大きな差がありすぎると、緊
迫力の強い部分は身体の肉を押圧し、緊迫力の弱い部分
は身体の肉を押圧する力が弱いので、その結果、着用者
のシルエットに段差が生じやすくなることがあるが、緊
迫力のグレードを合計3段階以上とすることにより、か
かる問題の発生のおそれのないの産前妊婦用ガードルま
たはショーツが提供でき好ましい。
【0011】(3)また、前記(1)項または(2)項
のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
においては、経編地(G)からなる腹部を覆うフロント
布の比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱い比
較的緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分けが、比
較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分の間
に、緊迫力がその中間である中緊迫力部分が少なくとも
比較的緊迫力の強い部分の上縁ラインに沿ってほぼ1〜
3cmの幅で存在する緊迫力のグレードが合計3段階に
編み分けられている経編地(G)からなることが好まし
い。
【0012】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、上記(2)で説明したように、中緊迫力部分が、
緊迫力の強い部分と緊迫力の弱い部分との境界における
急激な緊迫力の変化を緩和する役目を果たす。従って、
前記境界部近傍の緊迫力の弱い部分の編み目が広がりす
ぎることがなく、商品価値のある見栄えの良好な衣類が
提供でき好ましい。また前記境界部が曲線状にカーブし
ている場合にも、スムーズなカーブ模様となり好まし
い。また、緊迫力の弱い部分と緊迫力の強い部分との緊
迫力に大きな差がありすぎると、緊迫力の変化のある部
分において、着用者のシルエットに段差が生じるおそれ
があるが、中緊迫力部分の存在によりかかる問題点が発
生するおそれがなく、美しいシルエットを保つことがで
き好ましい。
【0013】また、緊迫力の変化のグレードが3段階の
場合には、生産コストの上昇を少な目に抑えて、上記の
機能の発揮できる衣類が得られ、好ましい。中緊迫力部
分の幅を1〜3cmの幅とすることにより、上述した緊
迫力の強い部分と緊迫力の弱い部分との境界における急
激な緊迫力の変化を緩和する役目を十分に発揮しうる幅
であり、また、着用者身体を押圧しない様にする部分で
ある比較的緊迫力の弱い部分の面積を不必要に狭くする
ことがなく上記機能を発揮でき好ましい。
【0014】(4)また、前記(1)〜(3)項のいず
れかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツにおい
ては、経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布の比
較的緊迫力の強い部分が、その下縁は股布の前側上縁に
直接縫合されており、脇側斜め上方に向かってウェスト
ライン近傍まで存在し、その上端がウェスト布に縫合さ
れている略U字帯状の形状の緊迫力の強い部分であるこ
とが好ましい。
【0015】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、腹部のフロント布の比較的緊迫力の強い部分の下
縁は股布に直接縫合されているので、妊婦の膨出した腹
部が下方に垂れ下がるのを強力に支えるとともに、当該
比較的緊迫力の強い部分が、腹部のほぼ中心部を略U字
帯状の形状で取り囲み、その上端がウェスト布に縫合さ
れているので、腹部の両脇側から妊婦の膨出した腹部を
支え、また下腹部を両脇から上方に引き上げる機能を強
く発揮することができ、妊婦の膨出した腹部が下方に垂
れ下がるのをサポートする力がより強力に発揮されるこ
とになり好ましい。
【0016】(5)また、前記(1)〜(4)項のいず
れかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツにおい
ては、経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布の比
較的緊迫力の強い部分の幅が、前中心において10〜2
0cm、脇側部分において3.5〜8cmであり、全体
の幅の平均値が5〜15cmの範囲内であることが好ま
しい。
【0017】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、不必要に妊婦の腹部を圧迫せずに、妊婦の膨出し
た腹部をしたからサポートする機能が十分発揮され好ま
しい。
【0018】尚、本発明において、比較的緊迫力の強い
部分の幅など、一般的にカーブした帯状領域の幅は、カ
ーブしている縁の曲線の接線に対して直角方向の幅を言
う。全体の幅の平均値は、カーブに沿った方向に1cm
間隔で幅を測定した値の算術平均値であるが、もし、例
えば、測定対象パターンの両端が先細りになっていて、
1cm間隔で幅を測定した場合に幅が0.5cm以下と
言う値になるときは、この値は、平均値の計算の際に、
データとして入れずに平均値を算出する。
【0019】(6)また、前記(1)〜(5)項のいず
れかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツにおい
ては、ガードルまたはショーツの背面側ないし背面側と
脇側において、ウェスト布の下に沿って略横方向に伸び
ている略帯状の領域(R)が、緊迫力の高められている
領域であり、緊迫力の高められている領域(R)の後中
心における幅は約7〜15cmの幅を有し、領域(R)
の左右の端部それぞれにおける幅が約1〜15cmであ
ることが好ましい。
【0020】妊婦は、胎児の成長とともに、身体が腰の
部分から背面側にのけ反る様に曲がって来ることと、膨
出した腹部を支えるための力が腰部にかかるので腰に大
きな負担がかかる。そこで衣類の腰部背面側の緊迫力を
強くする上記本発明の好ましい態様とすることにより、
妊婦の姿勢を正常な姿勢に保つ機能を補助し、腰痛の発
生などの予防機能も補助でき好ましい。
【0021】緊迫力の高められている領域(R)の後中
心における幅を約7〜15cmとすることにより、背面
側後中心近傍において、着用者の第3腰椎から第5腰椎
の間、あるいは第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨ま
での範囲の腰部にかかる緊迫力を高めることができ妊婦
の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能
を補助する機能を発揮することができる。また緊迫力の
高められている領域(R)の左右の端部それぞれにおけ
る幅を約1〜15cmの範囲とすることにより、緊迫力
の強い部分の面積を必要以上に大きくすることなく、上
記機能が十分に発揮され好ましい。
【0022】(7)また、前記(6)項に記載の産前妊
婦用ガードルまたはショーツにおいては、前記緊迫力の
高められているほぼ帯状の領域(R)が、弾性糸が挿入
されるか又は編み込まれていて、当該弾性糸の挿入また
は編み込み密度が大きくされているか、あるいは、当該
弾性糸の太さが太くされることにより、緊迫力の高めら
れている領域であることが好ましい。
【0023】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、上記(6)で記載したように妊婦の姿勢を正常な
姿勢に保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する
機能をコストの上昇を比較的抑えて比較的容易な手段で
実現でき好ましい。
【0024】(8)また、前記(6)または(7)項の
いずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツに
おいては、ガードルまたはショーツの背面側ないし背面
側と脇側部分が経編地(G)からなっていて、前記緊迫
力の高められているほぼ帯状の領域(R)が、前記経編
地(G)の編み分けによる比較的緊迫力の強い部分から
なる領域であることが好ましい。
【0025】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より上記(6)で記載したように妊婦の姿勢を正常な姿
勢に保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する機
能を付与する緊迫力の高められているほぼ帯状の領域
(R)の形状を、所望の領域形状に形成することができ
好ましい。
【0026】(9)また、前記(8)項に記載の産前妊
婦用ガードルまたはショーツにおいては、前記経編地
(G)の編み分けによる比較的緊迫力の強い部分からな
るほぼ帯状の領域(R)のパターンが、その下縁が上方
に向かって凸の略円弧状にカーブしている帯状の連続パ
ターンであることが好ましい。
【0027】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、緊迫力の高められているほぼ帯状の領域(R)が
必要な部分をカバーし、妊婦の姿勢を正常な姿勢に保つ
機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する機能を付与
するすると同時に、下縁が上方に向かって凸の略円弧状
にカーブしているので、下縁がヒップの膨らみの上方部
分などの身体の立体形状に沿い、ヒップの膨らみを圧迫
せず、美しいヒップの丸みを保持でき好ましい。
【0028】(10)また、前記(1)〜(9)項のい
ずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツにお
いては、ガードルまたはショーツの背面側ないし背面側
と脇側部分が経編地(G)からなっていて、前記経編地
(G)の編み分けによる比較的緊迫力の強い部分が、左
右のヒップ部の膨らみの下から脇側を通りウェスト近傍
に至る帯状であり且つカーブした連続パターンの部分で
あることが好ましい。
【0029】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、この帯状であり且つカーブした連続パターンの部
分が当て布が縫合されて形成されている場合に比べて、
当て布の縁が段差となって現れ、アウターウェアーにも
その段差が反映して、外観を低下させると言う欠点の発
生なしに、左右のヒップ部の膨らみの形を美しい丸みを
帯びた形状に整える機能が発揮され好ましい。
【0030】(11)また、前記(10)項に記載の産
前妊婦用ガードルまたはショーツにおいては、腹部を覆
うフロント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い
部分と背面側ないし背面側と脇側部分の前記編み分けに
よる比較的緊迫力の強い部分とが脇側において連結して
いることが好ましい。
【0031】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、前側と背面側の比較的緊迫力の強い部分同士が脇
側で連結しているので、それぞれの緊迫力が十分に発揮
されやすくなり好ましい。「比較的緊迫力の強い部分が
脇側において連結している」とは、縫合ラインを介して
連結している場合も含む意味である。
【0032】(12)また、前記(1)〜(11)項の
いずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツに
おいては、ガードルまたはショーツの背面側ないし背面
側と脇側において、ウェスト布の下に沿って略横方向に
伸びている略帯状の緊迫力の強い補強布(H)がガード
ルまたはショーツの本体の裏側に更に設けられており、
前記補強布(H)の後中心における幅は約7〜15cm
であり、補強布(H)の左右の端部それぞれにおける幅
が約1〜15cmであることが好ましい。
【0033】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、上記(6)で記載したように妊婦の姿勢を正常な
姿勢に保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する
機能を極めて高めることができ好ましい。補強布(H)
の後中心における幅を約7〜15cmとすることによ
り、背面側後中心近傍において、着用者の第3腰椎から
第5腰椎の間、あるいは第3腰椎から第5腰椎を通り更
に仙骨までの範囲の腰部にかかる緊迫力を高めることが
でき妊婦の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生などの
予防機能を補助する機能を高めることができる。また補
強布(H)の左右の端部それぞれにおける幅を約1〜1
5cmの範囲とすることにより、緊迫力の強い部分の面
積を必要以上に大きくすることなく、上記機能が十分に
発揮され好ましい。尚、前記補強布(H)の左右の端部
それぞれにおける幅は、上述したように約1〜15cm
であることが好ましいが、例えば、前記補強布(H)の
左右の端部が、先細りになって、左右の端部それぞれに
おける幅が実質上0cmになるような態様の補強布
(H)も使用可能である。
【0034】(13)また、前記(12)項に記載の産
前妊婦用ガードルまたはショーツにおいては、略帯状の
緊迫力の強い補強布(H)の緊迫力が、当該補強布
(H)が当接されるガードルまたはショーツの本体の部
分の緊迫力より大きい緊迫力を有し、少なくとも横方向
に伸縮性を有する生地からなる補強布(H)であること
が好ましい。
【0035】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、上記(14)で記載したように妊婦の姿勢を正常
な姿勢に保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助す
る機能を更に一層高めることができ好ましい。
【0036】更には、前記、ウェスト布の下に沿って略
横方向に伸びている略帯状の緊迫力の高められている領
域(R)を前記(7)項または(8)項のいずれか1つ
ないしこの両者の態様を併せて採用するとともに、更に
補強布(H)と組み合わせて腰部の補強を行うことが極
めて好ましい。
【0037】(14)また、前記(12)または(1
3)項のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはシ
ョーツにおいては、略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
が、端始末不要の縁部を有する生地(H´)からなり、
生地(H´)の端始末不要の縁部を下縁とし、当該下縁
部分は、ガードルまたはショーツに縫合されていないフ
リーな状態で、生地(H´)の両脇縁と上縁部分で又は
生地(H´)の両脇縁と上縁部分と後中心線上部分でガ
ードルまたはショーツ本体に縫合されていることが好ま
しい。
【0038】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、生地(H´)の下縁部が端始末不要の縁部からな
るので、下縁部を折り返して縫合する必要がなく、段差
が生じにくく好ましい。また生地(H´)からなる補強
布(H)の下縁部が、ガードルまたはショーツに縫合さ
れていないフリーな状態になっているので、ガードルま
たはショーツ本体布と補強布(H)が相互に拘束され
ず、運動追従性が良好で、補強布(H)の下縁部もガー
ドルまたはショーツに縫合されている場合に比べて、引
きつれや皺などの発生が少なく、着用時の違和感が少な
くでき好ましい。
【0039】(15)また、前記(12)〜(14)項
のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
においては、略帯状の緊迫力の強い補強布(H)が、そ
の横方向の長さが所定の長さより短い補強布(H)を横
方向に引き延ばした状態で、ガードルまたはショーツ本
体に取り付けられていることが好ましい。
【0040】かかる本発明の好ましい態様とすることに
より、腰部への緊迫力を一層高めることができ、上記
(14)で記載したような妊婦の姿勢を正常な姿勢に保
つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する機能を更
に一層高めることができ好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の産前妊婦用ガードルまた
はショーツ(以下、これらをまとめて「衣類」と略称す
ることがある)の少なくとも一部に用いられる経編地
(G)は、緊迫力の強弱の要求に応じてパターン状に編
み分けられていて、その表側にあらわれる非弾性糸から
なる地編組織も、また、その裏側にあらわれる非弾性糸
からなる地編組織も、ジャカード編からなる経編で編ま
れており、更に弾性糸が挿入されるか及び/又は弾性糸
が編み込まれてなる経編地からなるものであり、特に限
定するものではないが、一般的には、編方向、即ち、糸
が供給される方向が、完成した衣類のほぼ横方向になる
様に設計される。しかし、適用される衣類の種類や適用
される部位によっては斜めになることもある。
【0042】本発明で用いる経編生地は、実際にはジャ
カード制御装置を有する経編機(例えば米国特許第5,
390,512号:対応日本特開平6−166934号
など参照)などを用いて、これらの経編機に地編用の非
弾性糸と挿入糸用及び/又は編み込み用の弾性糸とを供
給して同時に編まれるのであるが、理解を容易にするた
めに、地編の部分をまず説明する。
【0043】本発明において、地編は、緊迫力の強弱の
要求に応じて地編の表側にあらわれる非弾性糸からなる
編組織を切り替えて、組織の変化により、所定部分に所
定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分
をパターン状に形成する。そしてこれらのパターンのう
ち、少なくとも一部はカーブした連続パターンを有して
いる場合がある。例えば、ガードル用の腹部を覆うフロ
ント布を形成する場合に、比較的緊迫力の弱い部分がガ
ードルの腹部のほぼ中央のやや下方から上方部分であ
り、その下縁はカーブした連続パターンになっており、
その他の部分は比較的緊迫力の強い部分をパターン状に
形成するごくシンプルなケースを例にとって説明する。
【0044】図1に上述した様なガードルにおける腹部
を覆うフロント布用の裁断前の生地1の平面図を示し
た。ここで仮に2が比較的緊迫力の強い部分、3が腹部
のほぼ中央のやや下方から上方部分でに充当される部分
で比較的緊迫力の弱い部分と言う様な強緊迫力と弱緊迫
力のパターンを有する生地を製造するとする。この経編
生地を形成するための糸の供給方向は矢印Sの方向であ
る。すなわち、ジャカード編の経編機によって編まれて
経編機から排出される生地の排出方向が矢印Sの方向で
ある。
【0045】ここで仮に比較的緊迫力の強い部分2の表
側にあらわれる地編組織をサテン調ネット組織で編み、
比較的緊迫力の弱い部分3をメッシュ調ネット組織で編
むと仮定すると、この地編生地は例えば次の様な方法で
製造される。すなわちジャカード制御装置を有する経編
機(例えば米国特許第5,390,512号:対応日本
特開平6−166934号など参照、あるいは具体的に
は糸ガイドバーに曲げ変換器が取り付けられているカー
ルマイヤーテキスタイルマシーンファブリックGmbH社製
(日本マイヤー株式会社発売)の高速ジャカードラッシ
ェル機“RSJ4/1”)などを用いて、図1のWn
目のウェールを編む場合は、m0 番目のコースからm1
番目のコースまでは、緊迫力の比較的強いサテン調ネッ
ト組織で編み、m1 番目のコースとm2 番目のコースの
間は緊迫力の比較的弱いメッシュ調ネット組織で編み、
2 番目のコースからm3 番目のコースは再びサテン調
ネット組織で編むことになる。同様に図1のWn+x 番目
のウェールを編む場合は、m0 番目のコースからq1
目のコースまでは、サテン調ネット組織で編み、q1
目のコースとq2 番目のコースの間はメッシュ調ネット
組織で編み、q2番目のコースからm3 番目のコースは
サテン調ネット組織で編むことになる。かかる編み方
は、前述の様なジャカード制御装置を有する経編機のコ
ンピーターに各ウェールと各コースについて上述の様な
指令を入力することにより実現できる。
【0046】また、例えば、比較的緊迫力の強い部分の
緊迫力のグレードを2つ以上のグレードとしたい場合、
表側にあらわれる非弾性糸からなる地編組織を変化させ
ることによってこれを実現するには、次の様な手法で実
現できる。
【0047】図2に図1に示した図と類似しているガー
ドルにおける腹部を覆うフロント布用の裁断前の生地1
の平面図を示した。ここで2が比較的緊迫力の強い部
分、3が比較的緊迫力の弱い部分、4は比較的緊迫力の
強い部分の範疇に分類されるが前記2と3の中間程度の
緊迫力を有する比較的緊迫力の強い部分(このような緊
迫力を有する部分を「中緊迫力部分」と称することがあ
る)であり、図1の場合と異なるのは、緊迫力の強弱の
編み分けが、最も緊迫力の強い部分2と、2に比べ、緊
迫力が少し弱められた中緊迫力部分4と、それより緊迫
力の弱い比較的緊迫力の弱い部分3とからなる、緊迫力
のグレードが合計3段階に編み分けられている点であ
る。
【0048】この様な弱緊迫力部分と2つのグレードの
強緊迫力部分(即ち最も緊迫力の強い部分2と中緊迫力
部分4)とのパターンを有する経編生地を形成するため
の糸の供給方向は矢印Sの方向である。すなわち、ジャ
カード経編機によって編まれて経編機から排出される生
地の排出方向が矢印Sの方向である。
【0049】ここで仮に比較的緊迫力の強い部分2と4
の表側にあらわれる地編組織をサテン調ネット組織、比
較的緊迫力の弱い部分3をメッシュ調ネット組織と仮定
すると、この地編生地は例えば次の様な方法で製造され
る。尚、使用する編機は前述した編機と同様のジャカー
ド制御装置を有する経編機(例えば米国特許第5,39
0,512号:対応日本特開平6−166934号など
参照、あるいは具体的にはガイドバーに曲げ変換器が取
り付けられているカールマイヤーテキスタイルマシーン
ファブリックGmbH社製の高速ジャカードラッシェル機
“RSJ 4/1”)などを用いることができる。そし
て、緊迫力の最も強い部分2と比較的緊迫力の弱い部分
3の部分の形成方法は、図1で説明した場合と同様なの
で、重複を避ける為、説明を省略する。従って図2では
主として最も緊迫力の強い部分2と、2と3の中間程度
の緊迫力を有する中緊迫力部分4とを所望のパターン状
に形成する手法の一例について、3の部分の説明は省略
して2と4の部分のみ注目して説明する。
【0050】図2のWn 番目のウェールを編む場合は、
0番目のコースからm1番目のコースまでは、2針以上
の振りが入った割合の比較的大きいサテン調ネット組織
で編み(m2番目のコースからm3番目のコースの間も同
様)、m1番目のコースとm1 0番目のコースの間(m11
番目のコースとm2番目のコースの間も同様)は2針以
上の振りが入った割合が比較的少ないサテン調ネット組
織で編む。同様に図2のWn+x 番目のウェールを編む場
合は、m0番目のコースからq1番目のコースまでは、2
針以上の振りが入った割合の比較的大きいサテン調ネッ
ト組織で編み(q 2番目のコースからm3番目のコースの
間も同様)、q1番目のコースとq10番目のコースの間
(q11番目のコースとq2番目のコースの間も同様)は
2針以上の振りが入った割合の比較的少ないサテン調ネ
ット組織で編む。かかる編み方は、前述の様なジャカー
ド制御装置を有する経編機のコンピーターに各ウェール
と各コースについて上述の様な指令を入力することによ
り実現できる。
【0051】例えば上述した様な比較的緊迫力の強い部
分をカーブした連続パターンに経編によって編むこと
は、従来の古い経編機を用いた場合には、実質上困難で
あったが、上記説明から明らかな様に、上記の様な手法
を用いれば、幅方向、長さ方向に制限なく地編組織の組
織変化を容易に実現でき、また、緊迫力の変化も幅方
向、長さ方向に制限なく比較的自由に実現できる。従来
の古い経編機を用いたのでは、カーブした連続パターン
などを実現することは困難であり、長さ方向に平行な直
線状の連続帯状パターンしか実質上実現できなかったも
のである。
【0052】本発明で用いるサテン調ネット組織の表側
の代表的な組織図を図3〜図5に示した。この組織図
は、編業界において慣用されている規定に従って描いた
組織図である。従って、実際の編組織の糸の状態を忠実
に写実したものではないが、当業者に於いては、通常使
用されている組織図である。
【0053】いずれの図においても矢印Sの方向が図1
や図2の矢印Sの方向を示している。すなわちサテン調
ネット組織(経編生地)を形成するための糸の供給方向
は矢印Sの方向である。図3〜図5に示したサテン調ネ
ット組織は、一例であって、本発明においてはこれ以外
のサテン調ネット組織を用いることもできる。
【0054】図3に示したサテン調ネット組織は、ジャ
カード運動の矢印X1 、X2 、X3で示したコースが図
3の左方向にそれぞれの矢印で示した様に2針の振りが
入ったサテン調ネット組織である。図3に於いてその左
端に点線で示した部分は、参考のため、もし2針の振り
をいれなかったと仮定した場合の組織を示している。
尚、図3中一点鎖線AとBの間が1繰り返し単位であ
り、理解し易くするために1繰り返し単位として最低6
コースを記載したものである。
【0055】2針の振りが入った部分は、糸がより緊張
した状態になる。従って、1繰り返し単位中、2針の振
りが入った割合が多い程、より緊迫力が強くなるのであ
る。図3に示したサテン調ネット組織に於いては、1繰
り返し単位中、2針以上の振りが入ったコースがX1
2 、X3 の3箇所存在し、後述する図4や図5に示す
サテン調ネット組織に比べて、最も緊迫力が強いサテン
調ネット組織である。
【0056】次に図4に示したサテン調ネット組織は、
ジャカード運動の矢印X1 、X2 で示したコースが図4
の左方向にそれぞれの矢印で示した様に2針の振りが入
ったサテン調ネット組織である。尚、図4中一点鎖線A
とBの間が1繰り返し単位である。図4に示したサテン
調ネット組織に於いては、1繰り返し単位中、2針以上
の振りが入ったコースがX1 、X2 の2箇所存在し、前
述した図3に示すサテン調ネット組織に比べて、緊迫力
が弱くなっているが、後述する図5に示すサテン調ネッ
ト組織に比べて、より緊迫力が強いサテン調ネット組織
である。
【0057】次に図5に示したサテン調ネット組織は、
ジャカード運動の矢印X1 で示したコースが図5の左方
向に矢印で示した様に2針の振りが入ったサテン調ネッ
ト組織である。尚、図5中一点鎖線AとBの間が1繰り
返し単位である。図5に示したサテン調ネット組織に於
いては、1繰り返し単位中、2針以上の振りが入ったコ
ースがX1 の1箇所のみ存在し、前述した図3や図4に
示すサテン調ネット組織に比べて、緊迫力が弱くなって
いるが、後述する図6に示すメッシュ調ネット組織に比
べて、より緊迫力が強いサテン調ネット組織である。
【0058】次に本発明で用いるメッシュ調ネット組織
の表側の代表的な組織図の一例を図6に示した。
【0059】図6においても矢印Sの方向が図1や図2
の矢印Sの方向を示している。すなわちメッシュ調ネッ
ト組織(経編生地)を形成するための糸の供給方向は矢
印Sの方向である。図6に示したメッシュ調ネット組織
は、一例であって、本発明においてはこれ以外のメッシ
ュ調ネット組織を用いることもできる。
【0060】メッシュ調ネット組織は、図6からも明ら
かな様にサテン調ネット組織に比べて、空間部分が大き
く、単位面積あたりの糸の密度が小さく、従って、上述
した図3〜図5のサテン調ネット組織に比べて、緊迫力
が弱くなる。尚、図6中一点鎖線AとBならびにBとC
の間がそれぞれ1繰り返し単位である。すなわちAとB
の間の組織とBとCの間の組織とは同じ組織の繰り返し
である。
【0061】以上、説明した様な態様によって、表側に
あらわれる非弾性糸からなる地編組織をコントロールす
ることにより、所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部
分と比較的緊迫力の弱い部分をパターン状に設けること
ができる。一般に、比較的緊迫力の強い部分はサテン調
ネット組織が用いられ、比較的緊迫力の弱い部分は、メ
ッシュ調ネット組織が用いられるが、これに限定される
ものではない。
【0062】また、図2に例示した様な比較的緊迫力の
強い部分を緊迫力の異なる2つのグレードの部分に分け
てパターン状に形成する場合には、例えば図3〜図5に
示したサテン調ネット組織のいずれか2つを組み合わせ
ればよい。また、3つ以上のグレードの強緊迫力部分を
パターン状に形成する場合は、例えば図3、図4または
図5に示した様な編み方を組み合わせて実現することも
できる。尚、図3〜図5に示した態様は、代表例であっ
て、これらのみに限定されるものではない。
【0063】また、上記図3〜5などで説明した様な2
針振りなどの振りが入った編組織は、ジャカード制御装
置を有する経編機に設けられている、ピエゾ素子などが
用いられた曲げ変換器が取り付けられている糸ガイドバ
ーを電気的に制御することにより、2針振りなどの編組
織を達成することができる。これらの編み機の詳細は例
えば前述した様に米国特許第5,390,512号(対
応日本特開平6−166934号)などに説明されてい
るし、具体的にはカールマイヤーテキスタイルマシーン
ファブリックGmbH社製の高速ジャカードラッシェル機
“RSJ 4/1”などを用いることができるが、これ
に限定されるものではない。
【0064】以上は、地編として、ジャカード編(経
編)によるネット組織を採用する場合の編み組織につい
て説明したが、次に地編として、ジャカード編(経編)
によるトリコット組織を採用する場合の編み組織につい
て説明する。
【0065】トリコットの場合も、図1や図2で説明し
たガードルの腹部を覆うフロント布用の裁断前の生地1
の平面図を例にとって、説明する。このジャカード編み
によるトリコット経編生地を形成するための糸の供給方
向も矢印Sの方向である。すなわち、ジャカード経編機
によって編まれて経編機から排出される生地の排出方向
が矢印Sの方向である。
【0066】ここで仮に比較的緊迫力の強い部分2の表
側にあらわれる地編組織をサテン調トリコット組織で編
み、比較的緊迫力の弱い部分3をメッシュ調トリコット
組織で編むと仮定すると、この地編生地は例えば次の様
な方法で製造される。すなわちジャカード制御装置を有
する経編機(例えば米国特許第5,390,512号:
特開平6−166934号など参照、あるいは具体的に
は糸ガイドバーに曲げ変換器が取り付けられているカー
ルマイヤーテキスタイルマシーンファブリックGmbH社製
(日本マイヤー株式会社発売)の高速ジャカードラッシ
ェル機“RSJ4/1”)などを用いて、図1のWn
目のウェールを編む場合は、m0 番目のコースからm1
番目のコースまでは、緊迫力の比較的強いサテン調トリ
コット組織で編み、m1 番目のコースとm2 番目のコー
スの間は緊迫力の比較的弱いメッシュ調トリコット組織
で編み、m2 番目のコースからm3 番目のコースは再び
サテン調トリコット組織で編むことになる。同様に図1
のWn+x 番目のウェールを編む場合は、m0 番目のコー
スからq1 番目のコースまでは、サテン調トリコット組
織で編み、q1 番目のコースとq2 番目のコースの間は
メッシュ調トリコット組織で編み、q2 番目のコースか
らm3 番目のコースはサテン調トリコット組織で編むこ
とになる。かかる編み方は、前述の様なジャカード制御
装置を有する経編機のコンピーターに各ウェールと各コ
ースについて上述の様な指令を入力することにより実現
できる。
【0067】また、例えば、比較的緊迫力の強い部分の
緊迫力のグレードを2つ以上のグレードとしたい場合、
表側にあらわれる非弾性糸からなる地編トリコット組織
によってこれを実現するには、次の様な手法で実現でき
る。
【0068】前述した図2を参照して説明する。図2に
おいて、2が比較的緊迫力の強い部分、3が比較的緊迫
力の弱い部分、4は比較的緊迫力の強い部分の範疇に分
類されるが前記2と3の中間程度の緊迫力を有する比較
的緊迫力の強い部分(このような緊迫力を有する部分を
「中緊迫力部分」と称することがある)であり、図1の
場合と異なるのは、比較的緊迫力の強い部分が、最も緊
迫力の強い部分2と、2に比べ、緊迫力が少し弱められ
た中緊迫力部分4とからなる点である。
【0069】この様な弱緊迫力部分と2つのグレードの
強緊迫力部分(即ち最も緊迫力の強い部分2と中緊迫力
部分4)とのパターンを有する経編生地を形成するため
の糸の供給方向は矢印Sの方向である。すなわち、経編
機によって編まれて経編機から排出される生地の排出方
向が矢印Sの方向である。
【0070】ここで仮に比較的緊迫力の強い部分2と4
の表側にあらわれる地編組織をサテン調トリコット組
織、比較的緊迫力の弱い部分3をメッシュ調トリコット
組織と仮定すると、この地編生地は例えば次の様な方法
で製造される。尚、使用する編機は前述した編機と同様
のジャカード制御装置を有する経編機(例えば米国特許
第5,390,512号:対応日本特開平6−1669
34号など参照、あるいは具体的にはガイドバーに曲げ
変換器が取り付けられているカールマイヤーテキスタイ
ルマシーンファブリックGmbH社製の高速ジャカードラッ
シェル機“RSJ4/1”)などを用いることができ
る。そして、緊迫力の最も強い部分2と比較的緊迫力の
弱い部分3の部分の形成方法は、図1でトリコット組織
について説明した場合と同様なので、重複を避ける為、
説明を省略する。従って図2では主として最も緊迫力の
強い部分2と、2と3の中間程度の緊迫力を有する中緊
迫力部分4とを所望のパターン状に形成する手法の一例
について、3の部分の説明は省略して2と4の部分のみ
注目して説明する。
【0071】図2のWn 番目のウェールを編む場合は、
0番目のコースからm1番目のコースまでは、3針以上
または2針の振りが入った割合の比較的大きいサテン調
トリコット組織で編み(m2番目のコースからm3番目の
コースの間も同様)、m1番目のコースとm10番目のコ
ースの間(m11番目のコースとm2番目のコースの間も
同様)は3針以上または2針の振りが入った割合が比較
的少ないサテン調トリコット組織で編む。同様に図2の
n+x 番目のウェールを編む場合は、m0番目のコース
からq1番目のコースまでは、3針以上または2針の振
りが入った割合の比較的大きいサテン調トリコット組織
で編み(q2番目のコースからm3番目のコースの間も同
様)、q1番目のコースとq10番目のコースの間(q11
番目のコースとq2番目のコースの間も同様)は3針以
上または2針の振りが入った割合の比較的少ないサテン
調トリコット組織で編む。尚、Wn 番目のウェールを編
む場合のm10番目のコースからm11番目のコースの間、
ならびにWn+x 番目のウェールを編む場合を編む場合の
10番目のコースからq11番目のコースの間は、メッシ
ュ調トリコット組織で編まれる。かかる編み方は、前述
の様なジャカード制御装置を有する経編機のコンピータ
ーに各ウェールと各コースについて上述の様な指令を入
力することにより実現できる。
【0072】本発明で用いるサテン調トリコット組織の
表側の代表的な組織図を図7〜図9に示した。この組織
図は、編業界において慣用されている規定に従って描い
た組織図である。従って、実際の編組織の糸の状態を忠
実に写実したものではないが、当業者に於いては、通常
使用されている組織図である。
【0073】いずれの図においても矢印Sの方向が図1
や図2の矢印Sの方向を示している。すなわちサテン調
トリコット組織(経編生地)を形成するための糸の供給
方向は矢印Sの方向である。図7〜図9に示したサテン
調トリコット組織は、一例であって、本発明においては
これ以外のサテン調トリコット組織を用いることもでき
る。
【0074】図7に示したサテン調トリコット組織は、
ジャカード運動の矢印X1 、X2 、X3 で示したコース
が図7の左方向にそれぞれの矢印で示した様に3針の振
りが入ったサテン調トリコット組織である。図7に於い
てその左端に点線で示した部分は、参考のため、ジャカ
ード制御をしない場合の組織を示している。尚、図7中
一点鎖線AとBの間が1繰り返し単位である。
【0075】3針の振りが入った部分は、糸がより緊張
した状態になる。従って、1繰り返し単位中、3針の振
りが入った割合が多い程、より緊迫力が強くなるのであ
る。図7に示したサテン調トリコット組織に於いては、
1繰り返し単位中、3針以上の振りが入ったコースがX
1 、X2 、X3 の3箇所存在し、後述する図8や図9に
示すサテン調トリコット組織に比べて、最も緊迫力が強
いサテン調トリコット組織である。
【0076】次に図8に示したサテン調トリコット組織
は、ジャカード運動の矢印X1 で示したコースが図8の
左方向に3針の振りが入ったサテン調トリコット組織で
ある。尚、図8中一点鎖線AとBの間が1繰り返し単位
である。図8に示したサテン調トリコット組織に於いて
は、1繰り返し単位中、3針以上の振りが入ったコース
がX1 の1箇所しか存在しないので、前述した図7に示
すサテン調トリコット組織に比べて、緊迫力が弱くなっ
ているが、後述する図9に示すサテン調トリコット組織
に比べて、より緊迫力が強いサテン調トリコット組織で
ある。
【0077】次に図9に示したサテン調トリコット組織
は、ジャカード運動の矢印X7 で示したコースが図9の
左方向に1針の振りが入ったサテン調トリコット組織で
ある。尚、図9中一点鎖線AとBの間が1繰り返し単位
である。図9に示したサテン調トリコット組織に於いて
は、1繰り返し単位中、1針の振りしか入っていないコ
ースがX7 の1箇所存在し、前述した図7や図8に示す
サテン調トリコット組織に比べて、緊迫力が弱くなって
いるが、後述する図10に示すメッシュ調トリコット組
織に比べて、より緊迫力が強いサテン調トリコット組織
である。
【0078】次に本発明で用いるメッシュ調トリコット
組織の表側の代表的な組織図の一例を図10に示した。
【0079】図10においても矢印Sの方向が図2の矢
印Sの方向を示している。すなわちメッシュ調トリコッ
ト組織(経編生地)を形成するための糸の供給方向は矢
印Sの方向である。図10に示したメッシュ調トリコッ
ト組織は、一例であって、本発明においてはこれ以外の
メッシュ調トリコット組織を用いることもできる。
【0080】メッシュ調トリコット組織は、図10から
も明らかな様にサテン調トリコット組織に比べて、空間
部分が大きく、単位面積あたりの糸の密度が小さく、従
って、上述した図7〜図9のサテン調トリコット組織に
比べて、緊迫力が弱くなる。尚、図10中一点鎖線Aと
BならびにBとCの間がそれぞれ1繰り返し単位であ
る。すなわちAとBの間の組織とBとCの間の組織とは
同じ組織の繰り返しである。
【0081】以上、説明した様な態様によって、表側に
あらわれる非弾性糸からなる地編トリコット組織をコン
トロールすることにより、所定部分に所定の比較的緊迫
力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分をパターン状に
設けることができる。一般に、比較的緊迫力の強い部分
はサテン調トリコット組織が用いられ、比較的緊迫力の
弱い部分は、メッシュ調トリコット組織が用いられるが
これに限定されるものではない。
【0082】また、図2に例示した様な比較的緊迫力の
強い部分を緊迫力の異なる2つのグレードの部分に分け
てパターン状に形成する場合には、例えば図7〜図9に
示したサテン調トリコット組織のいずれか2つを組み合
わせればよい。また、3つ以上のグレードの強緊迫力部
分をパターン状に形成する場合は、例えば図7、図8ま
たは図9に示した様な編み方を組み合わせて実現するこ
ともできる。尚、図7〜図9に示したサテン調トリコッ
ト組織の態様は、代表例であって、これらのみに限定さ
れるものではない。
【0083】また、上記で説明した様なサテン調ならび
にメッシュ調トリコット組織は、ジャカード制御装置を
有する経編機に設けられている、ピエゾ素子などが用い
られた曲げ変換器が取り付けられている糸ガイドバーを
電気的に制御することにより、2針などの振りを達成す
ることができる。これらの編み機の詳細は例えば前述し
た様に米国特許第5,390,512号(対応日本特開
平6−166934号)などに説明されているし、具体
的にはカールマイヤーテキスタイルマシーンファブリッ
クGmbH社製の高速ジャカードラッシェル機“RSJ 4
/1”などを用いることができるが、これに限定される
ものではない。
【0084】尚、本発明における上述した様な各トリコ
ット組織は、ラッシェル編機の1種であるジャカードラ
ッシェル編機によって編まれたトリコットである。
【0085】以上の様な地編を構成する非弾性糸として
は、ナイロン糸、ポリエステル糸などの合成繊維糸、レ
ーヨン糸、アセテート糸、キュプラ糸などの再生繊維
糸、木綿糸、絹糸、麻糸、ウール糸などの天然繊維など
を用いることができるが、ナイロン糸が特に好ましく、
太さとしてはナイロン糸で22〜88dtex(20〜
80デニール)に相当する太さの糸が好ましく用いられ
る。
【0086】以上、ジャカード編みからなる表側に現れ
る地編組織について、ネット組織の場合とトリコット組
織の場合などについて理解を容易にするために区別して
説明したが、地編組織自体には、特に厳密な区別がある
訳ではなく、共通する地編組織もある。ネット組織やト
リコット組織などの区別は、通常、弾性糸を挿入するの
かそれとも弾性糸をルーピングと称される方式で編み込
むのかによって区別されているのが一般的な分類と言え
る。
【0087】以上、地編について説明したが、本発明で
用いる生地は、かかる地編が非弾性糸で編まれ、更に生
地のウェール方向に挿入糸として弾性糸が挿入されてい
るか、及び/又は弾性糸が編み込まれている(ルーピン
グされている)。挿入される弾性糸及び/又は編み込ま
れる弾性糸は、均等に挿入及び/又は編み込まれていて
もよいが、緊迫力の強弱の要求に応じて、挿入及び/又
は編み込む弾性糸の本数及び/または太さを変化させて
もよい。
【0088】図11〜図13にジャカード編からなる地
編ネット組織に弾性糸からなる挿入糸が挿入されている
状態を説明する為の組織図を示した。弾性糸が挿入され
ていると言えば、通常当業者であれば、十分理解できる
が、念の為その代表的な例を取り上げて説明する。図1
1〜図13に示した弾性糸からなる挿入糸が挿入されて
いる態様は、一例であって、本発明においては、本発明
の目的を阻害しない限り、弾性糸からなる挿入糸が挿入
されているこれ以外の態様を用いることもできる。
【0089】図11〜図13においては、いずれも図3
で示したサテン調ネット組織を例にとって、この組織に
挿入糸が挿入されている状態を示した。尚、図3で示し
たサテン調ネット組織は、表側の組織のみを示したが、
図11〜図13においては、いずれもサテン調ネット組
織の裏側の組織も重ねて示してある。そして、図11〜
図13においては、いずれも図11(b)、図12
(b)、図13(b)が、前記サテン調ネット組織に弾
性糸からなる挿入糸が挿入されている状態を示した組織
図であり、図11(a)、図12(a)、図13(a)
が、それらを構成するそれぞれの糸1本づつを取り上げ
て別々に組織図に記載したものである。
【0090】いずれの図においても矢印Sの方向が糸の
供給方向である。
【0091】図11に示した態様は、地編としてのサテ
ン調ネット組織に1本づつの挿入糸が挿入されている状
態を示した組織図である。
【0092】図11(a)、(b)において、5が地編
としてのサテン調ネット組織の表側に現れる非弾性糸で
あり、6が地編としてのサテン調ネット組織の裏側に現
れる非弾性糸であり、7が弾性糸からなる挿入糸であ
る。図11に示した態様では、各ウェールB1 、B2
3 、B4 、B5 の間にそれぞれ1本づつの挿入糸7が
挿入されている状態を示している。地編として図3に示
したサテン調ネット組織を例にとって説明したが、他の
サテン調ネット組織やメッシュ調ネットその他の組織の
場合にも、「1本づつの挿入糸が挿入される」とは、地
編の組織が異なっても、概念的には同じであり、各ウェ
ールの間にそれぞれ1本づつの挿入糸が挿入されている
状態を言う。
【0093】図12に示した態様は、地編としてのサテ
ン調ネット組織に2本づつの挿入糸が挿入されている状
態を示した組織図である。
【0094】図12(a)、(b)において、5が地編
としてのサテン調ネット組織の表側に現れる非弾性糸で
あり、6が地編としてのサテン調ネット組織の裏側に現
れる非弾性糸であり、8が弾性糸からなる挿入糸であ
る。図12に示した態様では、各ウェールB1 、B2
3 、B4 、B5 の間にそれぞれ2本づつの挿入糸8が
挿入されている状態を示している。地編として図3に示
したサテン調ネット組織を例にとって説明したが、他の
サテン調ネット組織やメッシュ調ネットその他の組織の
場合にも、「挿入糸が2本そろえて挿入されている」と
は、地編の組織が異なっても、概念的には同じであり、
各ウェールの間にそれぞれ2本づつの挿入糸が挿入され
ている状態を言う。
【0095】次に図13に示した態様は、地編としての
サテン調ネット組織に2本づつの挿入糸と1本づづの挿
入糸が交互に挿入されている状態を示した組織図であ
る。
【0096】図13(a)、(b)において、5が地編
としてのサテン調ネット組織の表側に現れる非弾性糸で
あり、6が地編としてのサテン調ネット組織の裏側に現
れる非弾性糸であり、7と9が弾性糸からなる挿入糸で
ある。図13に示した態様では、ウェールB1 とB2
間には1本の挿入糸7が挿入されており、ウェールB 2
とB3 の間には2本揃えた挿入糸9が挿入されており、
次いで、ウェールB3とB4 の間には1本の挿入糸7が
挿入されており、更に、ウェールB4 とB5 の間には2
本揃えた挿入糸9が挿入されている。地編として図3に
示したサテン調ネット組織を例にとって説明したが、他
のサテン調ネット組織やメッシュ調ネットその他の組織
の場合にも、「2本づつの挿入糸と1本づづの挿入糸が
交互に挿入されている」とは、地編の組織が異なって
も、概念的には同じであり、各ウェールの間に交互にそ
れぞれ2本づつと1本づつの挿入糸が挿入されている状
態を言う。
【0097】以上説明したのは、挿入糸の本数が1本あ
るいは2本づつの場合を例にとって説明したが、3本づ
つ以上揃えて挿入したり、3本づつ以上揃えて挿入した
部分とそれより挿入本数が少なくなる部分とを交互に設
けるなど、必要に応じて他の態様にしてもよい。一般的
には、弾性糸の挿入により比較的緊迫力を強くしたい場
合には、挿入糸は2本そろえて挿入され、それほど緊迫
力を強くしない場合には、挿入糸は1本づつ挿入される
方式が採用される。
【0098】以上に説明した様な、地編組織と挿入糸と
の組み合わせ、例えば図11〜図13に示した様な挿入
糸の挿入態様と、図1〜図6で説明した様な地編組織に
よる緊迫力の強弱の態様とを組み合わせること、更には
挿入する弾性糸の太さを挿入する部分に応じて変えるこ
となどの組み合わせにより、種々の強さのグレードの緊
迫力を有する部分を1つの経編生地の上に実現すること
も可能である。
【0099】前述した様な、弾性糸が挿入されたサテン
調ネット組織やメッシュ調ネット組織の代表的な組織の
例としては、これらを総称するものとしてパワーネット
が挙げられる。図3〜図6、図11〜図13を用いて説
明した組織はパワーネットの一例である。
【0100】次に図14にジャカード編からなる地編組
織に弾性糸が編み込まれている(ルーピングされてい
る)トリコット組織の状態を説明する為の組織図を示し
た。図14に示した弾性糸が編み込まれている態様は、
代表的な一例であって、本発明においては、本発明の目
的を阻害しない限り、弾性糸が編み込まれているこれ以
外の態様を用いることもできる。
【0101】図14においては、図7で示したサテン調
トリコット組織を例にとって、この地編組織に弾性糸が
編み込まれている状態を示した。尚、図7においては、
サテン調トリコット組織は、表側の組織のみを示した
が、図14においては、サテン調トリコット組織の裏側
の組織も重ねて示してある。そして、図14において
は、図14(b)が、前記サテン調トリコット組織に弾
性糸が編み込まれている状態を示した組織図であり、図
14(a)が、それらを構成するそれぞれの糸1本づつ
を取り上げて別々に組織図に記載したものである。尚、
矢印Sの方向が糸の供給方向である。
【0102】図14に示した態様は、地編としてのサテ
ン調トリコット組織の各ウェールごとに1本づつの弾性
糸が編み込まれている状態を示した組織図である。
【0103】図14(a)、(b)において、10が地
編としてのサテン調トリコット組織の表側に現れる非弾
性糸であり、11が地編としてのサテン調トリコット組
織の裏側に現れる非弾性糸であり、12が編み込まれた
弾性糸である。図14に示した態様では、各ウェールB
1 、B2 、B3 、B4 、B5 についてそれぞれ1本づつ
の弾性糸12があるウェールと隣りのウェールとを交互
に往復する様に編み込まれている。地編として図7に示
したサテン調トリコット組織を例にとって説明したが、
他のサテン調トリコット組織やメッシュ調トリコットそ
の他の組織の場合にも、「1本づつの弾性糸が編み込ま
れている」とは、地編の組織が異なっても、概念的には
同じであり、あるウェールに1本の弾性糸が編み込まれ
ている状態を言う。
【0104】そして図示していないが、図12や図13
で説明したと同様に地編としてのサテン調トリコット組
織に2本づつの弾性糸が編み込まれていてもよいし、各
ウェールごとに交互に2本づつの弾性糸と1本づづの弾
性糸が編み込まれていてもよいし、弾性糸3本づつ以上
揃えて編み込んだり、3本づつ以上揃えて編み込んだ部
分とそれより弾性糸の本数が少なくなる部分とを交互に
設けるなど、必要に応じて他の態様にしてもよい。一般
的には、弾性糸の編み込みにより比較的緊迫力を強くし
たい場合には、弾性糸は2本そろえて編み込まれ、それ
ほど緊迫力を強くしない場合には、弾性糸は1本づつ編
み込まれる方式が採用される。
【0105】以上に説明した様な、地編組織と編み込ま
れる弾性糸との組み合わせ、例えば上述した様な弾性糸
の編み込み態様と、図7〜図10で説明した様な地編ト
リコット組織による緊迫力の強弱の態様とを組み合わせ
ること、更には弾性糸の太さを編み込まれる部分に応じ
て変えることなどの組み合わせにより、種々の強さのグ
レードの緊迫力を有する部分を1つの経編トリコット生
地の上に実現することも可能である。
【0106】前述した様な、弾性糸が編み込まれている
(ルーピングされている)サテン調トリコット組織やメ
ッシュ調トリコット組織の代表的な組織の例としては、
これらを総称するものとしてツーウェイトリコットが挙
げられる。図7〜図10と図14を用いて説明した組織
はツーウェイトリコットの一例である。
【0107】挿入糸に用いる弾性糸または編み込まれる
弾性糸としては、特に限定されるものではないが、ポリ
ウレタン繊維糸が好ましい。
【0108】弾性糸の太さは、用いる衣類の種類、地編
組織の種類、同じ衣類でもどの部位に用いるかによっ
て、それぞれ適宜の太さのものを用いればよい。特に、
緊迫力の変化を弾性糸の太さを変えて実現する場合に
は、比較的細い糸から比較的太い糸まで用いることにな
る。通常は、弾性糸としては、44〜616dtex
(40〜560デニール)の範囲から、それぞれの製品
の種類や弾性糸の使用目的に応じて好適な範囲のものを
用いればよい。
【0109】以下、本発明の理解を容易にするため、図
面を参照しながら、本発明の具体的実施の形態について
説明するが、本発明は、これら具体的実施形態に記載さ
れたもののみに限定されるものではない。
【0110】図15に本発明の衣類であるロングタイプ
の産前妊婦用ガードルの前側から見た斜視図、図16に
その後側から見た斜視図を示した。また、図17には、
前記図15、図16に示したガードルの主として背面か
ら前脇ならびに脚部に用いられる生地の裁断前の平面
図、図18には、前記図15、図16に示したガードル
の前側の腹部を覆うフロント布に用いられる生地の裁断
前の平面図を示した。いずれの生地も、ジャカード編か
らなる地編が非弾性糸で編まれ、更に弾性糸が挿入され
いる経編地からなっていて、緊迫力の強弱の要求に応じ
て前記地編の表側にあらわれる非弾性糸からなる編組織
を切り替えて、組織の変化により、所定部分に所定の比
較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分とがパ
ターン状に編み分けられている経編地(G)を用いてい
る。図15〜図18に於て矢印Sの方向の意味は、図1
〜図6及び図11〜図13に於ける矢印Sの方向と同じ
方向を意味する。
【0111】21が腹部を覆うフロント布であり、フロ
ント布21の内、21cが緊迫力の強い部分であり、緊
迫力の強い部分21cは、下腹部から脇側斜め上方に向
かって、ウェストラインのウェスト布20の下縁位置ま
で存在し、フロント布21の緊迫力の強い部分21cの
外脇縁形状は、前記外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側
になるように下方に向かって狭くなり、その下縁25は
股布24の前側上縁に直接縫合されている。緊迫力の強
い部分21cの上縁ライン30の形状は下方に向かって
凸の略円弧状のカーブを描いており、緊迫力の強い部分
21cの前記上縁ライン30は、ガードルの前中心にお
いて臍部より下方でかつ股布24の前側上縁から上方に
ほぼ10〜20cmの範囲を略円弧状になって通り、脇
側に至っている。緊迫力の強い部分21cは、略U字帯
状の形状を有しその両端部は脇側斜め上方に向かってウ
ェストライン近傍まで存在し、その上端がウェスト布2
0に縫合されている。
【0112】21bが中緊迫力部分で、この態様におい
ては、中緊迫力部分21bは緊迫力の強い部分21cの
上縁ライン30に沿ってほぼ1〜3cmの幅で存在して
いる。21aは緊迫力の弱い部分であり、U字状の中緊
迫力部分21bで囲まれている内側部に位置し、上腹部
部分に充当される部分で、妊婦の腹部が大きくなった場
合においても上腹部部分を圧迫しないように緊迫力の弱
い部分21aが充当されている。中緊迫力部分21bの
左右の上端も緊迫力の弱い部分21aの上縁もウェスト
布20に縫合されている。
【0113】この態様においては、フロント布21の緊
迫力の強い部分21c、中緊迫力部分21b、緊迫力の
弱い部分21aのいずれの部分も生地28(図18参
照)の地編は44dtex(40デニール)のナイロン
糸が用いられ、挿入糸は154dtex(140デニー
ル)のポリウレタン糸が1本づつ挿入されている。フロ
ント布21の緊迫力の弱い部分21aの表側にあらわれ
る地編組織(以下、特に断らない限り、表側にあらわれ
る地編組織を単に地編組織と略称する。)はメッシュ調
ネット組織であり、中緊迫力部分21bの地編組織は図
5で説明した様な2針の振りが入った割合の小さいサテ
ン調ネット組織であり、緊迫力の強い部分21cの地編
組織は図3で説明した様な2針の振りが入った割合の大
きいサテン調ネット組織としたが、何らこれに限定され
るものではない。従って緊迫力の強さは21c〉21
b〉21aの順になる。
【0114】22がガードルの主として背面から前脇な
らびに脚部に充当される部分であり22aは緊迫力の強
い部分、22bは緊迫力の弱い部分、22cは中緊迫力
部分、22dは緊迫力の強い部分、22eは緊迫力の弱
い部分、22fは中緊迫力部分であり、この態様では、
地編みに44dtex(40デニール)のナイロン糸を
用い、挿入糸として点線ライン42より上側の部分40
の領域に308dtex(280デニール)のポリウレ
タン糸が1本づつ挿入され、点線ライン42より下側の
部分41の領域に154dtex(140デニール)の
ポリウレタン糸が1本づつ挿入された衣類横方向に伸縮
性を有するワンウェイプレーンパワーネットが用いられ
ている。
【0115】編み分けによる緊迫力の強い部分22aは
図3で説明した様な2針の振りが入った割合の最も大き
いサテン調ネット組織であり、緊迫力の弱い部分22b
は図6で説明した様なメッシュ調ネット組織であり、中
緊迫力部分22cは図4で説明した様な2針の振りが入
った割合の比較的大きいサテン調ネット組織であり、緊
迫力の強い部分22dは図3で説明した様な2針の振り
が入った割合の最も大きいサテン調ネット組織であり、
緊迫力の弱い部分22eは図6で説明した様なメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分22fは図4で説明
した様な2針の振りが入った割合の比較的大きいサテン
調ネット組織としたが何らこれに限定されるものではな
い。
【0116】22aの部分は緊迫力の強い地編み組織が
用いられるとともに308dtex(280デニール)
の太めのポリウレタン糸が挿入されているので、緊迫力
が最も強められており、ガードルの背面側と脇側におい
て、ウェスト布20の下に沿って略横方向に伸びている
略帯状の緊迫力の高められている領域(R)に相当する
部分である。かかる緊迫力の高められている領域(R)
の後中心における幅は約7〜15cmの幅を有し、領域
(R)の左右の端部それぞれにおける幅が約1〜15c
mであることが好ましい。22aの部分は緊迫力の強い
部分により、背面側後中心近傍において、着用者の第3
腰椎から第5腰椎の間、あるいは第3腰椎から第5腰椎
を通り更に仙骨までの範囲の腰部にかかる緊迫力を高め
ることができ妊婦の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発
生などの予防機能を補助する機能を発揮することができ
る。
【0117】22bがヒップの膨らみの部分に充当され
る第1のヒップ充当部、22c、22dが22bの第1
のヒップ充当部の周囲に設けられ、左右のヒップ部の膨
らみの下から脇側を通りウェスト近傍に至る帯状であり
且つカーブした連続パターンの第2のヒップ充当部であ
り、緊迫力の比較的強い部分なのでヒップの形を美しく
整えヒップアップ機能を付与することができる。
【0118】22eと22fの部分は脚部をカバーする
脚部充当部に相当する部分である。22eの部分を緊迫
力の弱い部分とし、太ももを強く圧迫しないようにする
とともに22fの部分をやや強めの中緊迫力部分とする
ことにより、裾のずり上がりを防止している。
【0119】尚、クロッチ用の布24は、特に限定はな
く、例えば図17で示した様に生地29の余った部分か
ら適当にカットして用いればよい。尚、図15、図16
で示したウエスト布20の素材は、本発明とは特に関係
がなく、少なくともガードル横方向に伸縮性を有する生
地を例えば2つ折りにして用いればよい。この例では地
編みが44dtex(40デニール)のナイロン糸を用
い、挿入糸として308dtex(280デニール)の
ポリウレタン糸が1本づつ挿入された衣類横方向に伸縮
性を有するワンウェイプレーンパワーネットを用いてい
るが、特に限定されるものではなく、また、必要に応じ
てストレッチテープなどをこの内側に取り付けてもよ
い。
【0120】図17において、生地29中に示された点
線ラインA−B−C−D−E−F−G−Aはガードルの
背面から前脇ならびに脚部に充当される部分に用いられ
る着用者の左側半分の身頃を得るための裁断ラインを示
したものである。また、生地29中に示された点線ライ
ンH−I−J−Hはガードルの股布24を得るための裁
断ラインを示したものである。図18においては生地2
8中に示された点線ラインK−L−M−N−Kは腹部を
覆うフロント布を得るための裁断ラインを示したもので
ある。図示していないが、ガードルの背面から前脇なら
びに脚部に充当される着用者の右側半分の身頃を得るた
めの裁断ラインは、図17中に示した裁断ラインと左右
線対称となる。A−BラインはK−Lラインと縫合され
る。この縫合ラインが図15の縫合ライン23である。
Q−CラインはE−Dラインと縫合されて左脚部を形成
し、G−Fラインは図示していない前述した右側半分の
身頃の同様な部分と縫合されて後中心の縫合ライン(図
16における縫合ライン26)を形成することになる。
股布24のO−Pラインは図18のL−Mラインに縫合
され、O−IラインはB−Qラインと縫合され、H−I
ラインはF−Eラインと縫合される。図示していない前
述した右側半分の身頃の縫製も左右対象であるので同様
である。これに図17、図18では図示していないウエ
スト布20の布をN−KとA−Gライン及び図示してい
ないが右側半分の身頃のA−Gラインに相当するライン
に縫製により取り付けて図15〜図16に示したガード
ルを作成することができる。
【0121】このロングタイプのガードルの前側のウェ
ストラインの上縁は、例えば図18のN−Kラインで示
されるように、上方に膨らんだ略円弧状となっており、
妊婦の腹部が大きくなって膨出してきた場合にも腹部を
十分カバーできるようになっているとともに、脇側のラ
インも例えば図18のK−LラインやM−Nラインで示
されるように、外側に膨らんだ緩やかな略円弧状となっ
ており、例えば図17、図18に示したような、こうい
ったパターン裁断を行ったパーツを縫合することによ
り、腹部の膨らみにより追従しやすい産前妊婦用ガード
ルとすることができ好ましい。このように、着用者の形
状にフィットし、追従できる形に、各パーツを裁断する
ことを、ここでは立体裁断と言う。
【0122】本発明の産前妊婦用ガードルまたはショー
ツは、前述したジャカード編からなる経編地を採用して
いるので、ジャカード編からなる経編地を2つ以上の必
要なパーツに立体裁断して、これら2つ以上の経編地か
らなるパーツを縫合することにより産前妊婦用ガードル
またはショーツを形成できる。従って、本発明において
は、腹部の膨らみにより追従しやすくヒップなどの人体
の立体形状に追従し、フィットするので、着崩れや、着
用時の違和感の少ないガードルまたはショーツを提供で
きる。
【0123】尚、あるパーツについて、経編地(G)の
如く、比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部
分とが編み組織の切り替えによりパターン状に編み分け
られている生地からなるパーツを用いる場合には、例え
ば、図17や図18で示したように、当該パーツは前記
編み分けパターンが1枚の連続した生地の中に編み分け
られている生地からなるパーツを用いる。
【0124】図15〜図18で説明した産前妊婦用ガー
ドルにおいては、特に図示していないが、ガードルの背
面側から脇側にかけて、ウェスト布の下に沿って略横方
向に伸びている略帯状の緊迫力の強い補強布(H)がガ
ードルまたはショーツの本体の裏側または表側(好まし
くは裏側)に更に設けられていてもよい。かかる略帯状
の緊迫力の強い補強布(H)は、例えば、図15〜図1
6で説明した産前妊婦用ガードルにおいては、ほぼ40
で示した領域(形状などは40で示した領域の形状と同
一である必要はない)に取り付けられる。かかる略帯状
の緊迫力の強い補強布(H)のいくつかの実施形態例の
平面図を、図19〜図24に示した。図19〜図24に
おいては、50が略帯状の緊迫力の強い補強布(H)、
51が上縁、52が脇縁、53が下縁を示している。
【0125】前記補強布(H)50の後中心における幅
(A−B間の幅)は約7〜15cmであり、補強布
(H)50の左右の端部それぞれにおける幅(C−D間
の幅)が約1〜15cmであることが好ましく、補強布
(H)の後中心における幅を約7〜15cmとすること
により、背面側後中心近傍において、着用者の第3腰椎
から第5腰椎の間、あるいは第3腰椎から第5腰椎を通
り更に仙骨までの範囲の腰部にかかる緊迫力を高めるこ
とができ妊婦の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生な
どの予防機能を補助する機能を高めることができる。ま
た補強布(H)の左右の端部それぞれにおける幅を約1
〜15cmの範囲とすることにより、緊迫力の強い部分
の面積を必要以上に大きくすることなく、上記機能が十
分に発揮され好ましい。尚、図示していないが、図19
〜図24に示した、略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
50は、後中心ライン(A−Bライン)で、2つに分か
れている分離した2つのパーツからなる補強布であって
もよい。
【0126】そして略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
50の緊迫力が、ガードルまたはショーツの当該補強布
(H)が当接される本体の部分の緊迫力より大きい緊迫
力を有し、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地から
なる補強布(H)であることが妊婦の姿勢を正常な姿勢
に保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する機能
を更に一層高めることができ好ましい。
【0127】また、略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
50は、その周囲の縁すべての部分でガードルまたはシ
ョーツ本体に縫合されていてもよいが、補強布(H)の
下縁部分は、ガードルまたはショーツ本体に縫合されて
いないフリーな状態で、補強布(H)の両脇縁と上縁部
分でガードルまたはショーツ本体に縫合されているか、
前記補強布が後中心ライン(A−Bライン)で、2つに
分かれている分離した2つのパーツからなる補強布の場
合には、補強布(H)の脇縁と上縁部分と後中心線上で
ガードルまたはショーツ本体に縫合されていることが好
ましい。特に略帯状の緊迫力の強い補強布(H)50が
端始末不要の縁部を有する生地(H´)からなり、生地
(H´)の端始末不要の縁部を下縁53とし、当該下縁
部分53は、ガードルまたはショーツに縫合されていな
いフリーな状態で、生地(H´)の両脇縁52、52と
上縁部分51で又は脇縁52、52と上縁部分51と後
中心線上でガードルまたはショーツ本体に縫合されてい
ることが好ましく、かかる好ましい態様とすることによ
り、生地(H´)の下縁部53が端始末不要の縁部から
なるので、下縁部53を折り返して縫合する必要がな
く、下縁部53による段差が生じることがなく好まし
い。また生地(H´)からなる補強布(H)50の下縁
部53が、ガードルまたはショーツ本体に縫合されてい
ないフリーな状態になっているので、ガードルまたはシ
ョーツ本体布と補強布(H)50が相互に拘束されず、
運動追従性が良好で、補強布(H)50の下縁部53も
ガードルまたはショーツ本体に縫合されている場合に比
べて、引きつれや皺などの発生が少なく、着用時の違和
感が少なくでき好ましい。
【0128】尚、図19〜図24に示した補強布(H)
50の上縁51のライン形状は、通常、ガードルまたは
ショーツ本体のウェストのライン形状に適合するように
合わせたライン形状とするのが好ましく、図19〜図2
4に示した上縁51のライン形状のままである必要はな
い。
【0129】更に、略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
50が、その横方向の長さが所定の長さより短い補強布
(H)を横方向に引き延ばした状態で、ガードルまたは
ショーツ本体に取り付けられている態様とすることも好
ましい。かかる好ましい態様とすることにより、腰部へ
の緊迫力を一層高めることができ、上述したような妊婦
の姿勢を正常な姿勢に保つ機能、腰痛の発生などの予防
機能を補助する機能を更に一層高めることができより好
ましい。
【0130】尚、略帯状の緊迫力の強い補強布(H)5
0が、その横方向の長さが所定の長さより短い補強布
(H)を横方向に引き延ばした状態で、ガードルまたは
ショーツ本体に取り付けられている態様とする場合に
は、所定の長さより5〜20%程度、より好ましくは8
〜13%程度短い補強布(H)を用いることが好まし
い。どの程度短くするかは補強布(H)が比較的緊迫力
の強い素材からなるか、比較的緊迫力の弱い素材からな
るかによっても異なり、補強布(H)が、当該補強布
(H)が当接されるガードルないしショーツの本体部分
の緊迫力に比べてかなり緊迫力の強い素材の場合には、
所定の長さより短くする割合を少なくしても所望の緊迫
力を発現させることができる。当該補強布(H)が当接
されるガードルないしショーツの本体部分の緊迫力と補
強布(H)の緊迫力の差が小さい場合には、所定の長さ
より短くする割合を大きくする等、適宜、選定、調整す
ればよい。
【0131】尚、図15〜図16に示したガードルに、
図19〜図24に示したような補強布(H)50であっ
て、所定の長さより短い補強布を取り付ける場合に、補
強布(H)50の左右の脇縁52、52は、ガードルの
縫合ライン23のところで縫合されることになるし、前
記補強布が後中心ライン(A−Bライン)で2つに分か
れている分離した2つのパーツからなっていて、所定の
長さより短い補強布を取り付ける場合に、2つのパーツ
からなる補強布(H)50のそれぞれの脇縁52、52
は、ガードルの縫合ライン23のところで縫合され、2
つのパーツのそれぞれの後中心ライン(A−Bライン)
は、ガードルの後中心の縫合ラインのところで縫合され
ることになる。
【0132】尚、図15〜図16に示したガードルにお
いては、図15からも明らかなように、腹部を覆うフロ
ント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分2
1cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比較
的緊迫力の強い部分22dや22aとが縫合ライン23
を介して脇側において連結している。このように前側と
背面側から脇側部分の比較的緊迫力の強い部分同士が脇
側で連結しているので、それぞれの緊迫力が十分に発揮
されやすくなり好ましい。
【0133】かくして図15〜図16に示したガードル
は、妊娠時に膨出してくる下腹部を、段差をつけること
なく下方から持ち上げるようにサポートすることが可能
となる。下腹部から支えるパワーが十分発揮され胎児の
重量による下方へ腹部の膨出を良好に防止し、更に両脇
から腹部をつり上げる様に腹部を支えるパワーが作用し
てしかも腹部の上方略半分には、不必要な緊迫力が作用
せず、腹部膨出部分をカバーする生地に段差がなく、段
差の発生による着用者の外観の低下を引き起こさず、従
って段差部分が妊婦の腹部の肉に食い込んで、かゆみや
痛みが生じたり、血行阻害を生じるおそれのない、着用
感が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部位が適正
な産前妊婦用ガードルが提供できる。更に腹部を覆うフ
ロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇縁形状が、そ
の外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側になるように下方
に向かって狭くなっているので、鼠蹊溝を圧迫せず、着
用感を良好に保持し得るとともに、フロント布による下
腹部下方部分の持ち上げ力が集中的に作用しやすくなり
好ましい。
【0134】更に上記産前妊婦用ガードルにおいては、
経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布や脇側から
背面側の比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱
い比較的緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分け
が、比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分
の間に、緊迫力がその中間である中緊迫力部分が少なく
とも比較的緊迫力の強い部分の上縁ラインに沿ってほぼ
1〜3cmの幅で存在している。このように緊迫力のグ
レードが合計3段階に編み分けられている経編地(G)
からなることにより、中緊迫力部分が、緊迫力の強い部
分と緊迫力の弱い部分との境界における急激な緊迫力の
変化を緩和する役目を果たす。従って、前記境界部近傍
の緊迫力の弱い部分の編み目が広がりすぎることがな
く、商品価値のある見栄えの良好な衣類が提供でき好ま
しい。また前記境界部が曲線状にカーブしている場合に
も、スムーズなカーブ模様となり好ましい。また、緊迫
力の弱い部分と緊迫力の強い部分との緊迫力に大きな差
がありすぎると、緊迫力の変化のある部分において、着
用者のシルエットに段差が生じるおそれがあるが、中緊
迫力部分の存在によりかかる問題点が発生するおそれが
なく、美しいシルエットを保つことができるガードルを
提供できる。
【0135】また経編地(G)からなる腹部を覆うフロ
ント布の比較的緊迫力の強い部分21cが、その下縁は
股布の前側上縁に直接縫合されており、脇側斜め上方に
向かってウェストライン近傍まで存在し、その上端がウ
ェスト布に縫合されている略U字帯状の形状の緊迫力の
強い部分であるので、腹部の両脇側から妊婦の膨出した
腹部を支え、また下腹部を両脇から上方に引き上げる機
能を強く発揮することができ、妊婦の膨出した腹部が下
方に垂れ下がるのをサポートする力がより強力に発揮さ
れることになり好ましい。しかも、腹部を覆うフロント
布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分21c
と、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比較的緊
迫力の強い部分22dや22aとが縫合ライン23を介
して脇側において連結しているので、それぞれの緊迫力
が拮抗し緊迫力が十分に発揮されやすくなり好ましい。
【0136】またこのガードルはウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の領域(R)に相当
する22aの部分は緊迫力の強い地編み組織が用いられ
るとともに太めのポリウレタン糸が挿入されているの
で、背面側後中心近傍において、着用者の第3腰椎から
第5腰椎の間、あるいは第3腰椎から第5腰椎を通り更
に仙骨までの範囲の腰部にかかる緊迫力を高めることが
でき妊婦の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生などの
予防機能を補助する機能を発揮することができる。
【0137】次に図25に本発明の衣類であるロングタ
イプの産前妊婦用ガードルの別の実施の形態例の前側か
ら見た斜視図、図26にその後側から見た斜視図を示し
た。
【0138】図25〜図26に示したガードルにおい
て、図15〜図18で説明したガードルと主として異な
るのは、ガードルの背面側から脇側において、ウェスト
布の下に沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力の
強い補強布(H)がガードル本体の裏側に更に設けられ
ている点と、補強布(H)が当接されているガードル本
体部分に挿入されている弾性糸が他の部分に挿入されて
いる弾性糸とその太さが同一のものが用いられている点
である。但し、補強布(H)が当接されているガードル
本体部分に挿入されている弾性糸の太さを図15〜図1
8で説明したガードルと同様に他の部分に挿入されてい
る弾性糸に比べて太くしてもよい。
【0139】図25、図26に示したガードルの前側の
腹部を覆うフロント布、また、背面から前脇ならびに脚
部をカバーする部分に用いられる生地は、いずれの生地
も、ジャカード編からなる地編が非弾性糸で編まれ、更
に弾性糸が挿入されている経編地からなっていて、緊迫
力の強弱の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる非
弾性糸からなる編組織を切り替えて、組織の変化によ
り、所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的
緊迫力の弱い部分とがパターン状に編み分けられている
経編地(G)を用いている。図25〜図26に於て矢印
Sの方向の意味は、図1〜図6及び図11〜図13に於
ける矢印Sの方向と同じ方向を意味する。
【0140】21が腹部を覆うフロント布であり、フロ
ント布21の内、21cが緊迫力の強い部分であり、緊
迫力の強い部分21cは、下腹部から脇側斜め上方に向
かって、ウェストラインのウェスト布20の下縁位置ま
で存在し、フロント布21の緊迫力の強い部分21cの
外脇縁形状は、前記外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側
になるように下方に向かって狭くなり、その下縁25は
股布24の前側上縁に直接縫合されている。緊迫力の強
い部分21cの上縁ライン30の形状は下方に向かって
凸の略円弧状のカーブを描いており、緊迫力の強い部分
21cの前記上縁ライン30は、ガードルの前中心にお
いて臍部より下方でかつ股布24の前側上縁から上方に
ほぼ10〜20cmの範囲を略円弧状になって通り、脇
側に至っている。緊迫力の強い部分21cは、略U字帯
状の形状を有しその両端部は脇側斜め上方に向かってウ
ェストライン近傍まで存在し、その上端がウェスト布2
0に縫合されている。
【0141】21bが中緊迫力部分で、この態様におい
ては、中緊迫力部分21bは緊迫力の強い部分21cの
上縁ライン30に沿ってほぼ1〜3cmの幅で存在して
いる。21aは緊迫力の弱い部分であり、U字状の中緊
迫力部分21bで囲まれている内側部に位置し、上腹部
部分に充当される部分で、妊婦の腹部が大きくなった場
合においても上腹部部分を圧迫しないように緊迫力の弱
い部分21aが充当されている。中緊迫力部分21bの
左右の上端も緊迫力の弱い部分21aの上縁もウェスト
布20に縫合されている。
【0142】この態様においては、フロント布21の緊
迫力の強い部分21c、中緊迫力部分21b、緊迫力の
弱い部分21aのいずれの部分も生地の地編は44dt
ex(40デニール)のナイロン糸が用いられ、挿入糸
は154dtex(140デニール)のポリウレタン糸
が1本づつ挿入されている。フロント布21の緊迫力の
弱い部分21aの表側にあらわれる地編組織はメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分21bの地編組織は
図5で説明した様な2針の振りが入った割合の小さいサ
テン調ネット組織であり、緊迫力の強い部分21cの地
編組織は図3で説明した様な2針の振りが入った割合の
大きいサテン調ネット組織としたが、何らこれに限定さ
れるものではない。従って緊迫力の強さは21c〉21
b〉21aの順になる。
【0143】22がガードルの主として背面から前脇な
らびに脚部に充当される部分であり22aは緊迫力の強
い部分、22bは緊迫力の弱い部分、22cは中緊迫力
部分、22dは緊迫力の強い部分、22eは緊迫力の弱
い部分、22fは中緊迫力部分であり、この態様では、
地編みに44dtex(40デニール)のナイロン糸を
用い、挿入糸として全体にわたって154dtex(1
40デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットが用いられている。
【0144】編み分けによる緊迫力の強い部分22aは
図3で説明した様な2針の振りが入った割合の最も大き
いサテン調ネット組織であり、緊迫力の弱い部分22b
は図6で説明した様なメッシュ調ネット組織であり、中
緊迫力部分22cは図4で説明した様な2針の振りが入
った割合の比較的大きいサテン調ネット組織であり、緊
迫力の強い部分22dは図3で説明した様な2針の振り
が入った割合の最も大きいサテン調ネット組織であり、
緊迫力の弱い部分22eは図6で説明した様なメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分22fは図4で説明
した様な2針の振りが入った割合の比較的大きいサテン
調ネット組織としたが何らこれに限定されるものではな
い。
【0145】22aの部分は図3で示したような緊迫力
の強い地編み組織が用いられていて緊迫力が大きく、ガ
ードルの背面側と脇側において、ウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力が高められ
た領域(R)に相当する部分である。かかる緊迫力の高
められている領域(R)の後中心における幅は約7〜1
5cmの幅を有し、領域(R)の左右の端部それぞれに
おける幅が約1〜15cmであることが好ましい。22
aの部分は緊迫力の強い部分により、背面側後中心近傍
において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、あるい
は第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範囲の腰
部にかかる緊迫力を高めることができ妊婦の姿勢を正常
な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能を補助する機
能を発揮することができる。
【0146】22bがヒップの膨らみの部分に充当され
る第1のヒップ充当部、22c、22dが22bの第1
のヒップ充当部の周囲に設けられ、左右のヒップ部の膨
らみの下から脇側を通りウェスト近傍に至る帯状であり
且つカーブした連続パターンの第2のヒップ充当部であ
り、緊迫力の比較的強い部分なのでヒップの形を美しく
整えヒップアップ機能を付与することができる。
【0147】22eと22fの部分は脚部をカバーする
脚部充当部に相当する部分である。22eの部分を緊迫
力の弱い部分とし、太ももを強く圧迫しないようにする
とともに22fの部分をやや強めの中緊迫力部分とする
ことにより、裾のずり上がりを防止している。
【0148】尚、クロッチ用の布24は、特に限定はな
く、前例と同様である。ウエスト布20の素材は、本発
明とは特に関係がなく、少なくともガードル横方向に伸
縮性を有する生地を例えば2つ折りにして用いればよ
い。この例では地編みが44dtex(40デニール)
のナイロン糸を用い、挿入糸として308dtex(2
80デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットを用いているが、特に限定されるものではなく、
また、必要に応じてストレッチテープなどをこの内側に
取り付けてもよい。
【0149】フロント布21や背面から脇側ならびに脚
部に充当される部分22の展開形状や相互のパーツの縫
合方法は、図17〜図18を用いて説明したのとほぼ同
様である。
【0150】そしてこのロングタイプのガードルの前側
のウェストラインの上縁は、前例と同様に上方に膨らん
だ略円弧状となっており、妊婦の腹部が大きくなって膨
出してきた場合にも腹部を十分カバーできるようになっ
ているとともに、脇側のラインも前例と同様に、外側に
膨らんだ緩やかな略円弧状となっている。この様なパタ
ーンになるように立体裁断を行ったパーツを縫合するこ
とにより、着用者の形状にフィットし、腹部の膨らみに
より追従しやすい産前妊婦用ガードルとすることができ
好ましい。
【0151】図25〜図26で説明した産前妊婦用ガー
ドルにおいては、ガードルの背面側から脇側にかけて、
ウェスト布の下に沿って略横方向に伸びている略帯状の
緊迫力の強い補強布(H)50がガードルの本体の裏側
に更に設けられている。この実施形態例においては、か
かる略帯状の緊迫力の強い補強布(H)50として、図
19に示した形状のもので、その後中心ライン(A−B
ライン)で2つに分かれているものを用いた。
【0152】前記補強布(H)50の後中心における幅
(A−B間の幅)は約7〜15cmであり、補強布
(H)50の左右の端部それぞれにおける幅(C−D間
の幅)が約1〜15cmであることが好ましく、補強布
(H)の後中心における幅を約7〜15cmとすること
により、背面側後中心近傍において、着用者の第3腰椎
から第5腰椎の間、あるいは第3腰椎から第5腰椎を通
り更に仙骨までの範囲の腰部にかかる緊迫力を高めるこ
とができ妊婦の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生な
どの予防機能を補助する機能を高めることができる。ま
た補強布(H)の左右の端部それぞれにおける幅を約1
〜15cmの範囲とすることにより、緊迫力の強い部分
の面積を必要以上に大きくすることなく、上記機能が十
分に発揮され好ましい。
【0153】そして略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
50の緊迫力が、ガードルまたはショーツの当該補強布
(H)が当接される本体の部分の緊迫力より大きい緊迫
力を有し、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地から
なる補強布(H)であることが妊婦の姿勢を正常な姿勢
に保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する機能
を更に一層高めることができ好ましい。
【0154】また、この実施形態例において、略帯状の
緊迫力の強い補強布(H)50は、その下縁部分53
は、ガードル本体に縫合されていないフリーな状態で、
補強布(H)の両脇縁52、52と上縁部分51及び後
中心ライン上でガードルまたはショーツ本体に縫合され
ている。特に略帯状の緊迫力の強い補強布(H)50が
端始末不要の縁部を有する生地(H´)からなり、生地
(H´)の端始末不要の縁部を下縁53とすることが好
ましく、かかる好ましい態様とすることにより、生地
(H´)の下縁部53が端始末不要の縁部からなるの
で、下縁部53を折り返して縫合する必要がなく、下縁
部53による段差が生じることがなく好ましい。また生
地(H´)からなる補強布(H)50の下縁部53が、
ガードルまたはショーツ本体に縫合されていないフリー
な状態になっているので、ガードルまたはショーツ本体
布と補強布(H)50が相互に拘束されず、運動追従性
が良好で、補強布(H)50の下縁部53もガードルま
たはショーツ本体に縫合されている場合に比べて、引き
つれや皺などの発生が少なく、着用時の違和感が少なく
でき好ましい。
【0155】尚、図25〜図26に示したガードルの補
強布(H)50は、その横方向の長さが所定の長さより
10%短い補強布(H)を横方向に引き延ばした状態
で、ガードル本体に取り付けられている態様とされてい
る。補強布(H)50の左右パーツのそれぞれの脇縁5
2、52は、ガードルの縫合ライン23のところでそれ
ぞれガードル本体に縫合され、補強布(H)50の左右
パーツのそれぞれの後中心ラインにおいてもガードル本
体の後中心ライン上に縫合され、これらの上縁51はウ
ェスト布20の下縁に沿ってガードル本体に縫合されて
いる。
【0156】尚、図25〜図26に示したガードルにお
いては、図25からも明らかなように、腹部を覆うフロ
ント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分2
1cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比較
的緊迫力の強い部分22dや22aとが縫合ライン23
を介して脇側において連結している。このように前側と
背面側から脇側部分の比較的緊迫力の強い部分同士が脇
側で連結しているので、それぞれの緊迫力が十分に発揮
されやすくなり好ましい。
【0157】かくして図25〜図26に示したガードル
は、妊娠時に膨出してくる下腹部を、段差をつけること
なく下方から持ち上げるようにサポートすることが可能
となる。下腹部から支えるパワーが十分発揮され胎児の
重量による下方へ腹部の膨出を良好に防止し、更に両脇
から腹部をつり上げる様に腹部を支えるパワーが作用し
てしかも腹部の上方略半分には、不必要な緊迫力が作用
せず、腹部膨出部分をカバーする生地に段差がなく、段
差の発生による着用者の外観の低下を引き起こさず、従
って段差部分が妊婦の腹部の肉に食い込んで、かゆみや
痛みが生じたり、血行阻害を生じるおそれのない、着用
感が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部位が適正
な産前妊婦用ガードルが提供できる。更に腹部を覆うフ
ロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇縁形状が、そ
の外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側になるように下方
に向かって狭くなっているので、鼠蹊溝を圧迫せず、着
用感を良好に保持し得るとともに、フロント布による下
腹部下方部分の持ち上げ力が集中的に作用しやすくなり
好ましい。
【0158】更に上記産前妊婦用ガードルにおいては、
経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布や脇側から
背面側の比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱
い比較的緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分け
が、比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分
の間に、緊迫力がその中間である中緊迫力部分が少なく
とも比較的緊迫力の強い部分の上縁ラインに沿ってほぼ
1〜3cmの幅で存在している。このように緊迫力のグ
レードが合計3段階に編み分けられている経編地(G)
からなることにより、中緊迫力部分が、緊迫力の強い部
分と緊迫力の弱い部分との境界における急激な緊迫力の
変化を緩和する役目を果たす。従って、前記境界部近傍
の緊迫力の弱い部分の編み目が広がりすぎることがな
く、商品価値のある見栄えの良好な衣類が提供でき好ま
しい。また前記境界部が曲線状にカーブしている場合に
も、スムーズなカーブ模様となり好ましい。また、緊迫
力の弱い部分と緊迫力の強い部分との緊迫力に大きな差
がありすぎると、緊迫力の変化のある部分において、着
用者のシルエットに段差が生じるおそれがあるが、中緊
迫力部分の存在によりかかる問題点が発生するおそれが
なく、美しいシルエットを保つことができるガードルを
提供できる。
【0159】また経編地(G)からなる腹部を覆うフロ
ント布の比較的緊迫力の強い部分21cが、その下縁は
股布の前側上縁に直接縫合されており、脇側斜め上方に
向かってウェストライン近傍まで存在し、その左右の上
端がウェスト布に縫合されている略U字帯状の形状の緊
迫力の強い部分であるので、腹部の両脇側から妊婦の膨
出した腹部を支え、また下腹部を両脇から上方に引き上
げる機能を強く発揮することができ、妊婦の膨出した腹
部が下方に垂れ下がるのをサポートする力がより強力に
発揮されることになり好ましい。しかも、腹部を覆うフ
ロント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分
21cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比
較的緊迫力の強い部分22dや22aとが縫合ライン2
3を介して脇側において連結しているので、それぞれの
緊迫力が拮抗し緊迫力が十分に発揮されやすくなり好ま
しい。
【0160】またこのガードルはウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力の強い補強
布(H)50がガードルの本体の裏側に前述した態様で
取り付けられているので、背面側後中心近傍において、
着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、あるいは第3腰椎
から第5腰椎を通り更に仙骨までの範囲の腰部にかかる
緊迫力を強力に高めることができ妊婦の姿勢を正常な姿
勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能を補助する機能を
発揮することができる。
【0161】次に図27に本発明の衣類であるロングタ
イプの産前妊婦用ガードルの更に別の実施の形態例の前
側から見た斜視図、図28にその後側から見た斜視図を
示した。
【0162】図27〜図28に示したガードルにおい
て、図25〜図26で説明したガードルと主として異な
るのは、ガードル本体の裏側に更に設けられているガー
ドルの背面側から脇側においてウェスト布の下に沿って
略横方向に伸びている略帯状の緊迫力の強い補強布
(H)50の形状が異なるのみで、他の態様は実質的に
図25〜図26で説明したガードルと同様の態様であ
る。従って図25〜図26で説明したガードルと同様の
部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
【0163】すなわち図27〜図28に示したガードル
の補強布(H)50の形状は、図20に示したような補
強布(H)50の左右の端部それぞれにおける幅が小さ
い態様の補強布で後中心ライン(A−Bライン)で2つ
に分かれている分離タイプを用いている。ガードル本体
への補強布(H)50の取り付け態様は図25〜図26
で説明したガードルと同様である。
【0164】このように、補強布(H)50の脇側の幅
を狭くすることにより、補強布(H)50による余り強
いサポート力を必要としない妊婦とか、脇側の緊迫力を
余り強くせず、少し着用感の楽なタイプの産前妊婦用ガ
ードルが提供できる。このような点を除いて、図27〜
図28に示したガードルも、図25〜図26で説明した
ガードルとほぼ同様の機能が発揮され、ほぼ同様の作用
効果を達成しうる産前妊婦用ガードルが提供できる。
【0165】次に図29に本発明の衣類であるロングタ
イプの産前妊婦用ガードルの更に別の実施の形態例の前
側から見た斜視図、図30にその後側から見た斜視図を
示した。
【0166】図29〜図30に示したガードルにおい
て、図15〜図16で説明したガードルと主として異な
るのは、経編地(G)を用いたガードルの前側の腹部を
覆うフロント布における比較的緊迫力の強い部分と中緊
迫力部分と比較的緊迫力の弱い部分のパターン状に編み
分けられているパターンが異なることと、ガードルの背
面側から脇側部分を形成する経編地(G)のウェスト布
の下に沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力の高
められている領域(R)のパターンが若干異なる点、当
該領域(R)の部分に挿入されている弾性糸が他の部分
に挿入されている弾性糸とその太さが同一のものが用い
られている点である。但し、領域(R)の部分に挿入さ
れている弾性糸の太さを図15〜図18で説明したガー
ドルと同様に他の部分に挿入されている弾性糸に比べて
太くしてもよい。
【0167】図29、図30に示したガードルの前側の
腹部を覆うフロント布、また、背面から前脇ならびに脚
部をカバーする部分に用いられる生地は、いずれの生地
も、ジャカード編からなる地編が非弾性糸で編まれ、更
に弾性糸が挿入されいる経編地からなっていて、緊迫力
の強弱の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる非弾
性糸からなる編組織を切り替えて、組織の変化により、
所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫
力の弱い部分とがパターン状に編み分けられている経編
地(G)を用いている。図29〜図30に於て矢印Sの
方向の意味は、図1〜図6及び図11〜図13に於ける
矢印Sの方向と同じ方向を意味する。
【0168】21が腹部を覆うフロント布であり、フロ
ント布21の内、21cが緊迫力の強い部分であり、緊
迫力の強い部分21cは、下腹部から脇側斜め上方に向
かっているが、ウェストラインのウェスト布20の下縁
位置までには到達していない態様である。尚、緊迫力の
強い部分21cは、下腹部から脇側斜め上方に向かっ
て、臍位置の横方向水平ライン近傍を越える高さ以上の
位置まで存在していることは、妊婦の膨出した腹部を両
脇側から引っ張り上げるパワーを発揮するのに重要であ
る。
【0169】フロント布21の緊迫力の強い部分21c
の外脇縁形状は、前記外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内
側になるように下方に向かって狭くなり、その下縁25
は股布24の前側上縁に直接縫合されている。緊迫力の
強い部分21cの上縁ライン30の形状は下方に向かっ
て凸の略円弧状のカーブを描いており、緊迫力の強い部
分21cの前記上縁ライン30は、ガードルの前中心に
おいて臍部より下方でかつ股布24の前側上縁から上方
にほぼ10〜20cmの範囲を略円弧状になって通り、
脇側に至っている。
【0170】21bが中緊迫力部分で、この態様におい
ては、中緊迫力部分21bは緊迫力の強い部分21cの
上縁ライン30に沿ってほぼ1〜3cmの幅で存在して
いる。この中緊迫力部分21bも上縁端部先端がウエス
ト布20と点接触程度で接している点が、図15に示し
たガードルの態様と異なっている。
【0171】21aは緊迫力の弱い部分であり、U字状
の中緊迫力部分21bで囲まれている内側部に位置し、
上腹部部分に充当される部分で、妊婦の腹部が大きくな
った場合においても上腹部部分を圧迫しないように緊迫
力の弱い部分21aが充当されている。フロント布21
の上縁はウェスト布20に縫合されている。
【0172】この態様においては、フロント布21の緊
迫力の強い部分21c、中緊迫力部分21b、緊迫力の
弱い部分21aのいずれの部分も生地の地編は44dt
ex(40デニール)のナイロン糸が用いられ、挿入糸
は154dtex(140デニール)のポリウレタン糸
が1本づつ挿入されている。フロント布21の緊迫力の
弱い部分21aの表側にあらわれる地編組織はメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分21bの地編組織は
図5で説明した様な2針の振りが入った割合の小さいサ
テン調ネット組織であり、緊迫力の強い部分21cの地
編組織は図3で説明した様な2針の振りが入った割合の
大きいサテン調ネット組織としたが、何らこれに限定さ
れるものではない。従って緊迫力の強さは21c〉21
b〉21aの順になる。
【0173】22がガードルの主として背面から前脇な
らびに脚部に充当される部分であり22aは緊迫力の強
い部分、22bは緊迫力の弱い部分、22cは中緊迫力
部分、22dは緊迫力の強い部分、22eは緊迫力の弱
い部分、22fは中緊迫力部分であり、この態様では、
地編みに44dtex(40デニール)のナイロン糸を
用い、挿入糸として全体にわたって154dtex(1
40デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットが用いられている。
【0174】編み分けによる緊迫力の強い部分22aは
図3で説明した様な2針の振りが入った割合の最も大き
いサテン調ネット組織であり、緊迫力の弱い部分22b
は図6で説明した様なメッシュ調ネット組織であり、中
緊迫力部分22cは図4で説明した様な2針の振りが入
った割合の比較的大きいサテン調ネット組織であり、緊
迫力の強い部分22dは図3で説明した様な2針の振り
が入った割合の最も大きいサテン調ネット組織であり、
緊迫力の弱い部分22eは図6で説明した様なメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分22fは図4で説明
した様な2針の振りが入った割合の比較的大きいサテン
調ネット組織としたが何らこれに限定されるものではな
い。
【0175】22aの部分は図3で示したような緊迫力
の強い地編み組織が用いられていて緊迫力が大きく、ガ
ードルの背面側と脇側において、ウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力が高められ
た領域(R)に相当する部分である。60は領域(R)
の下側の境界ラインである下縁を示している。かかる緊
迫力の高められている領域(R)の後中心における幅は
約7〜15cmの幅を有し、領域(R)の左右の端部そ
れぞれにおける幅が約1〜15cmであることが好まし
い。緊迫力の強い部分22aにより、背面側後中心近傍
において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、あるい
は第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範囲の腰
部にかかる緊迫力を高めることができ妊婦の姿勢を正常
な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能を補助する機
能を発揮することができる。
【0176】22bがヒップの膨らみの部分に充当され
る第1のヒップ充当部、22c、22dが22bの第1
のヒップ充当部の周囲に設けられ、左右のヒップ部の膨
らみの下から脇側を通りウェスト近傍に至る帯状であり
且つカーブした連続パターンの第2のヒップ充当部であ
り、緊迫力の比較的強い部分なのでヒップの形を美しく
整えヒップアップ機能を付与することができる。
【0177】22eと22fの部分は脚部をカバーする
脚部充当部に相当する部分である。22eの部分を緊迫
力の弱い部分とし、太ももを強く圧迫しないようにする
とともに22fの部分をやや強めの中緊迫力部分とする
ことにより、裾のずり上がりを防止している。
【0178】尚、クロッチ用の布24は、特に限定はな
く、前例と同様である。ウエスト布20の素材は、本発
明とは特に関係がなく、少なくともガードル横方向に伸
縮性を有する生地を例えば2つ折りにして用いればよ
い。この例では地編みが44dtex(40デニール)
のナイロン糸を用い、挿入糸として308dtex(2
80デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットを用いているが、特に限定されるものではなく、
また、必要に応じてストレッチテープなどをこの内側に
取り付けてもよい。
【0179】フロント布21や背面から脇側ならびに脚
部に充当される部分22の展開形状や相互のパーツの縫
合方法は、図17〜図18を用いて説明したのとほぼ同
様である。
【0180】そしてこのロングタイプのガードルの前側
のウェストラインの上縁は、前例と同様に上方に膨らん
だ略円弧状となっており、妊婦の腹部が大きくなって膨
出してきた場合にも腹部を十分カバーできるようになっ
ているとともに、脇側のラインも前例と同様に、外側に
膨らんだ緩やかな略円弧状となっている。この様なパタ
ーンになるように立体裁断を行ったパーツを縫合するこ
とにより、着用者の形状にフィットし、腹部の膨らみに
より追従しやすい産前妊婦用ガードルとすることができ
好ましい。
【0181】尚、図29〜図30に示したガードルにお
いては、図29からも明らかなように、腹部を覆うフロ
ント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分2
1cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比較
的緊迫力の強い部分22dとが縫合ライン23を介して
脇側において連結している。このように前側と背面側か
ら脇側部分の比較的緊迫力の強い部分同士が脇側で連結
しているので、それぞれの緊迫力が十分に発揮されやす
くなり好ましい。
【0182】かくして図29〜図30に示したガードル
は、妊娠時に膨出してくる下腹部を、段差をつけること
なく下方から持ち上げるようにサポートすることが可能
となる。下腹部から支えるパワーが十分発揮され胎児の
重量による下方へ腹部の膨出を良好に防止し、更に両脇
から腹部をつり上げる様に腹部を支えるパワーが作用し
てしかも腹部の上方略半分には、不必要な緊迫力が作用
せず、腹部膨出部分をカバーする生地に段差がなく、段
差の発生による着用者の外観の低下を引き起こさず、従
って段差部分が妊婦の腹部の肉に食い込んで、かゆみや
痛みが生じたり、血行阻害を生じるおそれのない、着用
感が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部位が適正
な産前妊婦用ガードルが提供できる。更に腹部を覆うフ
ロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇縁形状が、そ
の外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側になるように下方
に向かって狭くなっているので、鼠蹊溝を圧迫せず、着
用感を良好に保持し得るとともに、フロント布による下
腹部下方部分の持ち上げ力が集中的に作用しやすくなり
好ましい。
【0183】更に上記産前妊婦用ガードルにおいては、
経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布や脇側から
背面側の比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱
い比較的緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分け
が、比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分
の間に、緊迫力がその中間である中緊迫力部分が少なく
とも比較的緊迫力の強い部分の上縁ラインに沿ってほぼ
1〜3cmの幅で存在している。このように緊迫力のグ
レードが合計3段階に編み分けられている経編地(G)
からなることにより、中緊迫力部分が、緊迫力の強い部
分と緊迫力の弱い部分との境界における急激な緊迫力の
変化を緩和する役目を果たす。従って、前記境界部近傍
の緊迫力の弱い部分の編み目が広がりすぎることがな
く、商品価値のある見栄えの良好な衣類が提供でき好ま
しい。また前記境界部が曲線状にカーブしている場合に
も、スムーズなカーブ模様となり好ましい。また、緊迫
力の弱い部分と緊迫力の強い部分との緊迫力に大きな差
がありすぎると、緊迫力の変化のある部分において、着
用者のシルエットに段差が生じるおそれがあるが、中緊
迫力部分の存在によりかかる問題点が発生するおそれが
なく、美しいシルエットを保つことができるガードルを
提供できる。
【0184】また経編地(G)からなる腹部を覆うフロ
ント布の比較的緊迫力の強い部分21cが、ウェストラ
イン近傍にまで到達していないので、腹部の両脇側から
妊婦の膨出した腹部を支え、引っ張り上げるパワーは図
15〜図16に示したガードルに比べて若干低下する
が、妊婦の膨出した腹部を両脇側から圧迫する力を緩和
でき、より着用感が良好になる。しかも、腹部を覆うフ
ロント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分
21cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比
較的緊迫力の強い部分22dとが縫合ライン23を介し
て脇側において連結しているので、それぞれの緊迫力が
拮抗し緊迫力は良好に発揮される。
【0185】またこのガードルはウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力の高められ
た領域(R)22aの部分が存在するので、背面側後中
心近傍において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、
あるいは第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範
囲の腰部にかかる緊迫力を強力に高めることができ妊婦
の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能
を補助する機能を発揮することができる。
【0186】次に図31に本発明の衣類であるロングタ
イプの産前妊婦用ガードルの更に別の実施の形態例の前
側から見た斜視図、図32にその後側から見た斜視図を
示した。
【0187】図31〜図32に示したガードルにおい
て、図15〜図16で説明したガードルと主として異な
るのは、経編地(G)を用いたガードルの前側の腹部を
覆うフロント布における比較的緊迫力の強い部分と中緊
迫力部分と比較的緊迫力の弱い部分のパターン状に編み
分けられているパターンが異なることと、ガードルの背
面側ないし背面側と脇側部分を形成する経編地(G)の
ウェスト布の下に沿って略横方向に伸びている略帯状の
緊迫力の高められている領域(R)のパターンが若干異
なる点、当該領域(R)の部分に挿入されている弾性糸
が他の部分に挿入されている弾性糸とその太さが同一の
ものが用いられている点(但し、領域(R)の部分に挿
入されている弾性糸の太さを図15〜図18で説明した
ガードルと同様に他の部分に挿入されている弾性糸に比
べて太くしてもよい。)、ガードルの背面側から脇側部
分の編み分けによる比較的緊迫力の強い部分で、左右の
ヒップ部の膨らみの下から脇側を通りウェスト近傍に至
る帯状であり且つカーブした連続パターンの比較的緊迫
力の強い部分が存在しない点である。
【0188】図31、図32に示したガードルの前側の
腹部を覆うフロント布、また、背面から前脇ならびに脚
部をカバーする部分に用いられる生地は、いずれの生地
も、ジャカード編からなる地編が非弾性糸で編まれ、更
に弾性糸が挿入されいる経編地からなっていて、緊迫力
の強弱の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる非弾
性糸からなる編組織を切り替えて、組織の変化により、
所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫
力の弱い部分とがパターン状に編み分けられている経編
地(G)を用いている。図31〜図32に於て矢印Sの
方向の意味は、図1〜図6及び図11〜図13に於ける
矢印Sの方向と同じ方向を意味する。
【0189】21が腹部を覆うフロント布であり、フロ
ント布21の内、21cが緊迫力の強い部分であり、緊
迫力の強い部分21cは、下腹部から脇側斜め上方に向
かって、ウェストラインのウェスト布20の下縁位置ま
で存在し、フロント布21の緊迫力の強い部分21cの
外脇縁形状は、前記外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側
になるように下方に向かって狭くなり、その下縁25は
股布24の前側上縁に直接縫合されている。緊迫力の強
い部分21cの上縁ライン30の形状は下方に向かって
凸の略円弧状のカーブを描いており、緊迫力の強い部分
21cの前記上縁ライン30は、ガードルの前中心にお
いて臍部より下方でかつ股布24の前側上縁から上方に
ほぼ10〜20cmの範囲を略円弧状になって通り、脇
側に至っている。緊迫力の強い部分21cは、略U字帯
状の形状を有しその両端部は脇側斜め上方に向かってウ
ェストライン近傍まで存在し、その上端がウェスト布2
0に縫合されている。
【0190】21b−2と21b−1が中緊迫力部分
で、この態様においては、中緊迫力部分21b−2の部
分の緊迫力は21cの部分の緊迫力よりも小さく21b
−1の部分の緊迫力よりも大きい。また、21b−1の
部分の緊迫力は21b−2の部分の緊迫力より小さく、
緊迫力の弱い部分21aの緊迫力よりも大きい。これら
の中緊迫力部分21b−1と21b−2は、緊迫力の強
い部分21cの上縁ライン30に沿ってそれぞれ2cm
の幅で存在している。尚、中緊迫力部分21b−1と2
1b−2の幅は、この例のように、必ずしも21b−1
と21b−2とが同じ幅である必要はなく、幅が異なる
場合には、21b−2のような下方側(外方側)の幅が
太くなる組み合わせが好ましい。いずれにせよ、21b
−1や21b−2の幅は、それぞれ1〜3cmの範囲が
好ましい。
【0191】21aは緊迫力の弱い部分であり、U字状
の中緊迫力部分21b−1で囲まれている内側部に位置
し、上腹部部分に充当される部分で、妊婦の腹部が大き
くなった場合においても上腹部部分を圧迫しないように
緊迫力の弱い部分21aが充当されている。中緊迫力部
分21b−2と21b−1の左右の上端も緊迫力の弱い
部分21aの上縁もウェスト布20に縫合されている。
【0192】この態様においては、フロント布21の緊
迫力の強い部分21c、中緊迫力部分21b−1と21
b−2、緊迫力の弱い部分21aのいずれの部分も生地
の地編は44dtex(40デニール)のナイロン糸が
用いられ、挿入糸は154dtex(140デニール)
のポリウレタン糸が1本づつ挿入されている。フロント
布21の緊迫力の弱い部分21aの表側にあらわれる地
編組織はメッシュ調ネット組織であり、中緊迫力部分2
1b−1の地編組織は図5で説明した様な2針の振りが
入った割合の小さいサテン調ネット組織であり、21b
−2の地編組織は図4で説明した様な2針の振りが入っ
た割合が中程度のサテン調ネット組織であり、緊迫力の
強い部分21cの地編組織は図3で説明した様な2針の
振りが入った割合の大きいサテン調ネット組織とした
が、何らこれに限定されるものではない。従って緊迫力
の強さは21c〉21b−2〉21b−1〉21aの順
になり、フロント布は比較的緊迫力の強い部分から比較
的緊迫力の弱い部分へ、その緊迫力のグレードが合計4
段階に編み分けられている点が本実施態様の特色であ
る。
【0193】22がガードルの主として背面から前脇な
らびに脚部に充当される部分であり22aは緊迫力の強
い部分、22gは緊迫力の弱い部分、22fは中緊迫力
部分であり、この態様では、地編みに44dtex(4
0デニール)のナイロン糸を用い、挿入糸として全体に
わたって154dtex(140デニール)のポリウレ
タン糸が1本づつ挿入された衣類横方向に伸縮性を有す
るワンウェイプレーンパワーネットが用いられている。
【0194】編み分けによる緊迫力の強い部分22aは
図3で説明した様な2針の振りが入った割合の最も大き
いサテン調ネット組織であり、緊迫力の弱い部分22g
は図6で説明した様なメッシュ調ネット組織であり、中
緊迫力部分22fは図4で説明した様な2針の振りが入
った割合の中程度のサテン調ネット組織としたが何らこ
れに限定されるものではない。
【0195】22aの部分は図3で示したような緊迫力
の強い地編み組織が用いられていて緊迫力が大きく、ガ
ードルの背面側と脇側において、ウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力が高められ
た領域(R)に相当する部分である。かかる緊迫力の高
められている領域(R)の後中心における幅は約7〜1
5cmの幅を有し、領域(R)の左右の端部それぞれに
おける幅が約1〜15cmであることが好ましい。22
aの部分は緊迫力の強い部分により、背面側後中心近傍
において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、あるい
は第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範囲の腰
部にかかる緊迫力を高めることができ妊婦の姿勢を正常
な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能を補助する機
能を発揮することができる。そしてこの態様において
は、緊迫力の高められている領域(R)22aは、その
下側の境界ラインである下縁60が上に凸にカーブして
おり、かかるカーブした下縁を有している帯状の連続パ
ターンとなっている。
【0196】22gがヒップの膨らみの部分と脚部をカ
バーする脚部充当部に相当する部分である。22fの裾
先部分はやや強めの中緊迫力部分とすることにより、裾
のずり上がりを防止している。
【0197】尚、クロッチ用の布24は、特に限定はな
く、前例と同様である。ウエスト布20の素材は、本発
明とは特に関係がなく、少なくともガードル横方向に伸
縮性を有する生地を例えば2つ折りにして用いればよ
い。この例では地編みが44dtex(40デニール)
のナイロン糸を用い、挿入糸として308dtex(2
80デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットを用いているが、特に限定されるものではなく、
また、必要に応じてストレッチテープなどをこの内側に
取り付けてもよい。
【0198】フロント布21や背面から脇側ならびに脚
部に充当される部分22の展開形状や相互のパーツの縫
合方法は、図17〜図18を用いて説明したのとほぼ同
様である。
【0199】そしてこのロングタイプのガードルの前側
のウェストラインの上縁は、前例と同様に上方に膨らん
だ略円弧状となっており、妊婦の腹部が大きくなって膨
出してきた場合にも腹部を十分カバーできるようになっ
ているとともに、脇側のラインも前例と同様に、外側に
膨らんだ緩やかな略円弧状となっている。この様なパタ
ーンになるように立体裁断を行ったパーツを縫合するこ
とにより、着用者の形状にフィットし、腹部の膨らみに
より追従しやすい産前妊婦用ガードルとすることができ
好ましい。
【0200】尚、図31〜図32に示したガードルにお
いては、図31からも明らかなように、腹部を覆うフロ
ント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分2
1cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比較
的緊迫力の強い部分22aとが縫合ライン23を介して
脇側において連結している。このように前側と背面側か
ら脇側部分の比較的緊迫力の強い部分同士が脇側で連結
しているので、それぞれの緊迫力が十分に発揮されやす
くなり好ましい。
【0201】かくして図31〜図32に示したガードル
は、妊娠時に膨出してくる下腹部を、段差をつけること
なく下方から持ち上げるようにサポートすることが可能
となる。下腹部から支えるパワーが十分発揮され胎児の
重量による下方へ腹部の膨出を良好に防止し、更に両脇
から腹部をつり上げる様に腹部を支えるパワーが作用し
てしかも腹部の上方略半分には、不必要な緊迫力が作用
せず、腹部膨出部分をカバーする生地に段差がなく、段
差の発生による着用者の外観の低下を引き起こさず、従
って段差部分が妊婦の腹部の肉に食い込んで、かゆみや
痛みが生じたり、血行阻害を生じるおそれのない、着用
感が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部位が適正
な産前妊婦用ガードルが提供できる。更に腹部を覆うフ
ロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇縁形状が、そ
の外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側になるように下方
に向かって狭くなっているので、鼠蹊溝を圧迫せず、着
用感を良好に保持し得るとともに、フロント布による下
腹部下方部分の持ち上げ力が集中的に作用しやすくなり
好ましい。
【0202】更に上記産前妊婦用ガードルにおいては、
経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布は、その比
較的緊迫力の強い部分から比較的緊迫力の弱い部分への
パターン状の編み分けが、比較的緊迫力の強い部分と比
較的緊迫力の弱い部分の間に、緊迫力がその中間であ
り、且つ緊迫力のグレードが異なる2つの中緊迫力部分
が存在している。このように、緊迫力のグレードが合計
4段階に編み分けられている経編地(G)からなること
により、2つのグレードの中緊迫力部分が、緊迫力の強
い部分と緊迫力の弱い部分との境界における急激な緊迫
力の変化を十分に緩和する役目を果たす。従って、前記
境界部近傍の緊迫力の弱い部分の編み目が広がりすぎる
ことがなく、商品価値のある見栄えの良好な衣類が提供
でき好ましい。また前記境界部が曲線状にカーブしてい
る場合にも、より一層スムーズなカーブ模様となり好ま
しい。また、緊迫力の弱い部分と緊迫力の強い部分との
緊迫力に大きな差がありすぎると、緊迫力の変化のある
部分において、着用者のシルエットに段差が生じるおそ
れがあるが、2段階のグレードの中緊迫力部分の存在に
よりかかる問題点が発生するおそれが全くなく、美しい
シルエットを保つことができるガードルを提供できる。
【0203】また経編地(G)からなる腹部を覆うフロ
ント布の比較的緊迫力の強い部分21cが、その下縁は
股布の前側上縁に直接縫合されており、脇側斜め上方に
向かってウェストライン近傍まで存在し、その左右の上
端がウェスト布に縫合されている略U字帯状の形状の緊
迫力の強い部分であるので、腹部の両脇側から妊婦の膨
出した腹部を支え、また下腹部を両脇から上方に引き上
げる機能を強く発揮することができ、妊婦の膨出した腹
部が下方に垂れ下がるのをサポートする力がより強力に
発揮されることになり好ましい。しかも、腹部を覆うフ
ロント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分
21cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比
較的緊迫力の強い部分22aとが縫合ライン23を介し
て脇側において連結しているので、それぞれの緊迫力が
拮抗し緊迫力が十分に発揮されやすくなり好ましい。
【0204】またこのガードルは図15〜図16に示し
たガードルと異なり、妊娠時においては特にヒップ形状
の補整までする必要がなく着用感がゆったりしたガード
ルの方がよいと考える妊婦にとって有用である。すなわ
ち、左右のヒップ部の膨らみの下から脇側を通りウェス
ト近傍に至る帯状であり且つカーブした連続パターンの
比較的緊迫力の強い部分が存在しないので、ヒップ形状
の補整する機能はないが、その分、着用感がゆったりし
た着心地の楽なガードルとすることができる。
【0205】またこのガードルはウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力の高められ
た領域(R)22aが存在するので、背面側後中心近傍
において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、あるい
は第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範囲の腰
部にかかる緊迫力を強力に高めることができ妊婦の姿勢
を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能を補助
する機能を発揮することができる。更に、緊迫力の高め
られているほぼ帯状の領域(R)の下縁が上方に向かっ
て凸の略円弧状にカーブしているので、下縁がヒップの
膨らみの上方部分などの身体の立体形状に沿い、ヒップ
の膨らみを圧迫せず、美しいヒップの丸みを保持でき好
ましい。
【0206】次に図33に本発明の衣類であるロングタ
イプの産前妊婦用ガードルの更に別の実施の形態例の前
側から見た斜視図、図34にその後側から見た斜視図を
示した。
【0207】図33〜図34に示したガードルにおい
て、図31〜図32で説明したガードルと主として異な
るのは、ガードル本体の背面側から脇側においてウェス
ト布の下に沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力
の高められている領域(R)22aの形状が異なるのみ
で、他の態様は実質的に図31〜図32で説明したガー
ドルと同様の態様である。従って図31〜図32で説明
したガードルと同様の部分には同一の符号を付して、重
複説明を省略した。
【0208】すなわち図31〜図32に示したガードル
のウェスト布の下に沿って略横方向に伸びている略帯状
の緊迫力の高められている領域(R)22aの形状は、
その領域の下縁ライン60がカーブしていないほぼ直線
状のラインとなっている。緊迫力の高められているほぼ
帯状の領域(R)の下縁ライン60がカーブしていない
ほぼ直線状のラインであるので、下縁ライン60がヒッ
プの膨らみの上方部分の丸みに沿うような形になってい
ないが、この点に基づく機能の差異を除いて、図33〜
図34に示したガードルも、図31〜図32で説明した
ガードルとほぼ同様の機能が発揮され、ほぼ同様の作用
効果を達成しうる産前妊婦用ガードルが提供できる。
【0209】次に図35に本発明の衣類であるロングタ
イプの産前妊婦用ガードルの更に別の実施の形態例の前
側から見た斜視図、図36にその後側から見た斜視図を
示した。
【0210】図35〜図36に示したガードルにおい
て、図29〜図30で説明したガードルと主として異な
るのは、経編地(G)を用いたガードルの前側の腹部を
覆うフロント布における比較的緊迫力の強い部分と中緊
迫力部分と比較的緊迫力の弱い部分のパターン状に編み
分けられているパターンが異なることと、ガードルの背
面側ないし背面側と脇側部分を形成する経編地(G)の
ウェスト布の下に沿って略横方向に伸びている略帯状の
緊迫力の高められている領域(R)のパターンが若干異
なる点である。
【0211】図35、図36に示したガードルの前側の
腹部を覆うフロント布、また、背面から前脇ならびに脚
部をカバーする部分に用いられる生地は、いずれの生地
も、ジャカード編からなる地編が非弾性糸で編まれ、更
に弾性糸が挿入されいる経編地からなっていて、緊迫力
の強弱の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる非弾
性糸からなる編組織を切り替えて、組織の変化により、
所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫
力の弱い部分とがパターン状に編み分けられている経編
地(G)を用いている。図35〜図36に於て矢印Sの
方向の意味は、図1〜図6及び図11〜図13に於ける
矢印Sの方向と同じ方向を意味する。
【0212】21が腹部を覆うフロント布であり、フロ
ント布21の内、21cが緊迫力の強い部分であり、緊
迫力の強い部分21cは、下腹部から脇側斜め上方に向
かって、ウェストラインのウェスト布20の下縁位置ま
で到達している。
【0213】フロント布21の緊迫力の強い部分21c
の外脇縁形状は、前記外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内
側になるように下方に向かって狭くなり、その下縁25
は股布24の前側上縁に直接縫合されている。緊迫力の
強い部分21cの上縁ライン30の形状は下方に向かっ
て凸の略円弧状のカーブを描いており、緊迫力の強い部
分21cの前記上縁ライン30は、ガードルの前中心に
おいて臍部より下方でかつ股布24の前側上縁から上方
にほぼ10〜20cmの範囲を略円弧状になって通り、
脇側に至っている。緊迫力の強い部分21cは、略U字
帯状の形状を有しその両端部は脇側斜め上方に向かって
ウェストライン近傍まで存在し、その上端がウェスト布
20に縫合されている。
【0214】21bが中緊迫力部分で、この態様におい
ては、中緊迫力部分21bは緊迫力の強い部分21cの
上縁ライン30に沿ってほぼ1〜3cmの幅で存在して
いる。但し、この中緊迫力部分21bの上縁端部先端は
先細りとなりウエスト布20の下縁と点接触程度で接し
ている様な態様となっている。
【0215】21aは緊迫力の弱い部分であり、U字状
の中緊迫力部分21bで囲まれている内側部に位置し、
上腹部部分に充当される部分で、妊婦の腹部が大きくな
った場合においても上腹部部分を圧迫しないように緊迫
力の弱い部分21aが充当されている。
【0216】この態様においては、フロント布21の緊
迫力の強い部分21c、中緊迫力部分21b、緊迫力の
弱い部分21aのいずれの部分も生地の地編は44dt
ex(40デニール)のナイロン糸が用いられ、挿入糸
は154dtex(140デニール)のポリウレタン糸
が1本づつ挿入されている。フロント布21の緊迫力の
弱い部分21aの表側にあらわれる地編組織はメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分21bの地編組織は
図5で説明した様な2針の振りが入った割合の小さいサ
テン調ネット組織であり、緊迫力の強い部分21cの地
編組織は図3で説明した様な2針の振りが入った割合の
大きいサテン調ネット組織としたが、何らこれに限定さ
れるものではない。従って緊迫力の強さは21c〉21
b〉21aの順になる。
【0217】22がガードルの主として背面から前脇な
らびに脚部に充当される部分であり22aは緊迫力の強
い部分、22bは緊迫力の弱い部分、22cは中緊迫力
部分、22dは緊迫力の強い部分、22eは緊迫力の弱
い部分、22fは中緊迫力部分であり、この態様では、
地編みに44dtex(40デニール)のナイロン糸を
用い、挿入糸として全体にわたって154dtex(1
40デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットが用いられている。
【0218】編み分けによる緊迫力の強い部分22aは
図3で説明した様な2針の振りが入った割合の最も大き
いサテン調ネット組織であり、緊迫力の弱い部分22b
は図6で説明した様なメッシュ調ネット組織であり、中
緊迫力部分22cは図4で説明した様な2針の振りが入
った割合の比較的大きいサテン調ネット組織であり、緊
迫力の強い部分22dは図3で説明した様な2針の振り
が入った割合の最も大きいサテン調ネット組織であり、
緊迫力の弱い部分22eは図6で説明した様なメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分22fは図4で説明
した様な2針の振りが入った割合の比較的大きいサテン
調ネット組織としたが何らこれに限定されるものではな
い。
【0219】22aの部分は図3で示したような緊迫力
の強い地編み組織が用いられていて緊迫力が大きく、ガ
ードルの背面側と脇側において、ウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力が高められ
た領域(R)に相当する部分である。60は領域(R)
の下側の境界ラインである下縁を示している。領域
(R)の下縁60の形が略V字状になっている点は、図
29〜30に示したガードルと異なっている。かかる緊
迫力の高められている領域(R)の後中心における幅は
約7〜15cmの幅を有し、領域(R)の左右の端部そ
れぞれにおける幅が約1〜15cmであることが好まし
い。緊迫力の強い部分22aにより、背面側後中心近傍
において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、あるい
は第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範囲の腰
部にかかる緊迫力を高めることができ妊婦の姿勢を正常
な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能を補助する機
能を発揮することができる。
【0220】22bがヒップの膨らみの部分に充当され
る第1のヒップ充当部、22c、22dが22bの第1
のヒップ充当部の周囲に設けられ、左右のヒップ部の膨
らみの下から脇側を通りウェスト近傍に至る帯状であり
且つカーブした連続パターンの第2のヒップ充当部であ
り、緊迫力の比較的強い部分なのでヒップの形を美しく
整えヒップアップ機能を付与することができる。
【0221】22eと22fの部分は脚部をカバーする
脚部充当部に相当する部分である。22eの部分を緊迫
力の弱い部分とし、太ももを強く圧迫しないようにする
とともに22fの部分をやや強めの中緊迫力部分とする
ことにより、裾のずり上がりを防止している。
【0222】尚、クロッチ用の布24は、特に限定はな
く、前例と同様である。ウエスト布20の素材は、本発
明とは特に関係がなく、少なくともガードル横方向に伸
縮性を有する生地を例えば2つ折りにして用いればよ
い。この例では地編みが44dtex(40デニール)
のナイロン糸を用い、挿入糸として308dtex(2
80デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットを用いているが、特に限定されるものではなく、
また、必要に応じてストレッチテープなどをこの内側に
取り付けてもよい。
【0223】フロント布21や背面から脇側ならびに脚
部に充当される部分22の展開形状や相互のパーツの縫
合方法は、図17〜図18を用いて説明したのとほぼ同
様である。
【0224】そしてこのロングタイプのガードルの前側
のウェストラインの上縁は、前例と同様に上方に膨らん
だ略円弧状となっており、妊婦の腹部が大きくなって膨
出してきた場合にも腹部を十分カバーできるようになっ
ているとともに、脇側のラインも前例と同様に、外側に
膨らんだ緩やかな略円弧状となっている。この様なパタ
ーンになるように立体裁断を行ったパーツを縫合するこ
とにより、着用者の形状にフィットし、腹部の膨らみに
より追従しやすい産前妊婦用ガードルとすることができ
好ましい。
【0225】尚、図35〜図36に示したガードルにお
いては、図35からも明らかなように、腹部を覆うフロ
ント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分2
1cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比較
的緊迫力の強い部分22dとが縫合ライン23を介して
脇側において連結している。このように前側と背面側か
ら脇側部分の比較的緊迫力の強い部分同士が脇側で連結
しているので、それぞれの緊迫力が十分に発揮されやす
くなり好ましい。
【0226】かくして図35〜図36に示したガードル
は、妊娠時に膨出してくる下腹部を、段差をつけること
なく下方から持ち上げるようにサポートすることが可能
となる。下腹部から支えるパワーが十分発揮され胎児の
重量による下方へ腹部の膨出を良好に防止し、更に両脇
から腹部をつり上げる様に腹部を支えるパワーが作用し
てしかも腹部の上方略半分には、不必要な緊迫力が作用
せず、腹部膨出部分をカバーする生地に段差がなく、段
差の発生による着用者の外観の低下を引き起こさず、従
って段差部分が妊婦の腹部の肉に食い込んで、かゆみや
痛みが生じたり、血行阻害を生じるおそれのない、着用
感が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部位が適正
な産前妊婦用ガードルが提供できる。更に腹部を覆うフ
ロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇縁形状が、そ
の外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側になるように下方
に向かって狭くなっているので、鼠蹊溝を圧迫せず、着
用感を良好に保持し得るとともに、フロント布による下
腹部下方部分の持ち上げ力が集中的に作用しやすくなり
好ましい。
【0227】更に上記産前妊婦用ガードルにおいては、
経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布や脇側から
背面側の比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱
い比較的緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分け
が、比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分
の間に、緊迫力がその中間である中緊迫力部分が少なく
とも比較的緊迫力の強い部分の上縁ラインに沿ってほぼ
1〜3cmの幅で存在する緊迫力のグレードが合計3段
階に編み分けられている経編地(G)からなることによ
り、中緊迫力部分が、緊迫力の強い部分と緊迫力の弱い
部分との境界における急激な緊迫力の変化を緩和する役
目を果たす。従って、前記境界部近傍の緊迫力の弱い部
分の編み目が広がりすぎることがなく、商品価値のある
見栄えの良好な衣類が提供でき好ましい。また前記境界
部が曲線状にカーブしている場合にも、スムーズなカー
ブ模様となり好ましい。また、緊迫力の弱い部分と緊迫
力の強い部分との緊迫力に大きな差がありすぎると、緊
迫力の変化のある部分において、着用者のシルエットに
段差が生じるおそれがあるが、中緊迫力部分の存在によ
りかかる問題点が発生するおそれがなく、美しいシルエ
ットを保つことができるガードルを提供できる。
【0228】また経編地(G)からなる腹部を覆うフロ
ント布の中緊迫力部分21bが、ウェストライン近傍で
先細りとなり、その分比較的緊迫力の弱い部分21aの
面積が腹部上方で大きくなっているので、腹部の上方部
分の圧迫が若干少なくなり、着用感を良好にしている。
しかも、腹部を覆うフロント布の前記編み分けによる比
較的緊迫力の強い部分21cと、背面側から脇側部分の
前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分22dとが
縫合ライン23を介して脇側において連結しているの
で、それぞれの緊迫力が拮抗し緊迫力は良好に発揮され
る。
【0229】またこのガードルはウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力の高められ
た領域(R)22aの部分が存在するので、背面側後中
心近傍において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、
あるいは第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範
囲の腰部にかかる緊迫力を強力に高めることができ妊婦
の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能
を補助する機能を発揮することができる。
【0230】次に図37に本発明の衣類であるロングタ
イプの産前妊婦用ガードルの別の実施の形態例の前側か
ら見た斜視図、図38にその後側から見た斜視図を示し
た。
【0231】図37〜図38に示したガードルにおい
て、図29〜図30で説明したガードルと主として異な
るのは、経編地(G)を用いたガードルの前側の腹部を
覆うフロント布における比較的緊迫力の強い部分と中緊
迫力部分と比較的緊迫力の弱い部分のパターン状に編み
分けられているパターンが異なることと、ガードルの背
面側ないし背面側と脇側部分を形成する経編地(G)の
ウェスト布の下に沿って略横方向に伸びている略帯状の
緊迫力の高められている領域(R)のパターンが若干異
なる点である。
【0232】図37、図38に示したガードルの前側の
腹部を覆うフロント布、また、背面から前脇ならびに脚
部をカバーする部分に用いられる生地は、いずれの生地
も、ジャカード編からなる地編が非弾性糸で編まれ、更
に弾性糸が挿入されいる経編地からなっていて、緊迫力
の強弱の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる非弾
性糸からなる編組織を切り替えて、組織の変化により、
所定部分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫
力の弱い部分とがパターン状に編み分けられている経編
地(G)を用いている。図37〜図38に於て矢印Sの
方向の意味は、図1〜図6及び図11〜図13に於ける
矢印Sの方向と同じ方向を意味する。
【0233】21が腹部を覆うフロント布であり、フロ
ント布21の内、21cが緊迫力の強い部分であり、緊
迫力の強い部分21cは、下腹部から脇側斜め上方に向
かっているが、ウェストラインのウェスト布20の下縁
位置までには到達していない態様である。尚、緊迫力の
強い部分21cは、下腹部から脇側斜め上方に向かっ
て、臍位置の横方向水平ライン近傍を越える高さ以上の
位置まで存在していることは、妊婦の膨出した腹部を両
脇側から引っ張り上げるパワーを発揮するのに重要であ
る。
【0234】フロント布21の緊迫力の強い部分21c
の外脇縁形状は、前記外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内
側になるように下方に向かって狭くなり、その下縁25
は股布24の前側上縁に直接縫合されている。緊迫力の
強い部分21cの上縁ライン30の形状は下方に向かっ
て凸の略円弧状のカーブを描いており、緊迫力の強い部
分21cの前記上縁ライン30は、ガードルの前中心に
おいて臍部より下方でかつ股布24の前側上縁から上方
にほぼ10〜20cmの範囲を略円弧状になって通り、
脇側に至っている。
【0235】21bが中緊迫力部分で、この態様におい
ては、中緊迫力部分21bは緊迫力の強い部分21cの
上縁ライン30に沿ってほぼ1〜3cmの幅で存在して
いる。中緊迫力部分21bは、略U字帯状の形状を有し
その両端部は脇側斜め上方に向かってウェストライン近
傍まで存在し、その左右の上端がウェスト布20に縫合
されている。
【0236】21aは緊迫力の弱い部分であり、U字状
の中緊迫力部分21bで囲まれている内側部に位置し、
上腹部部分に充当される部分で、妊婦の腹部が大きくな
った場合においても上腹部部分を圧迫しないように緊迫
力の弱い部分21aが充当されている。
【0237】この態様においては、フロント布21の緊
迫力の強い部分21c、中緊迫力部分21b、緊迫力の
弱い部分21aのいずれの部分も生地の地編は44dt
ex(40デニール)のナイロン糸が用いられ、挿入糸
は154dtex(140デニール)のポリウレタン糸
が1本づつ挿入されている。フロント布21の緊迫力の
弱い部分21aの表側にあらわれる地編組織はメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分21bの地編組織は
図5で説明した様な2針の振りが入った割合の小さいサ
テン調ネット組織であり、緊迫力の強い部分21cの地
編組織は図3で説明した様な2針の振りが入った割合の
大きいサテン調ネット組織としたが、何らこれに限定さ
れるものではない。従って緊迫力の強さは21c〉21
b〉21aの順になる。
【0238】22がガードルの主として背面から前脇な
らびに脚部に充当される部分であり22aは緊迫力の強
い部分、22bは緊迫力の弱い部分、22cは中緊迫力
部分、22dは緊迫力の強い部分、22eは緊迫力の弱
い部分、22fは中緊迫力部分であり、この態様では、
地編みに44dtex(40デニール)のナイロン糸を
用い、挿入糸として全体にわたって154dtex(1
40デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットが用いられている。
【0239】編み分けによる緊迫力の強い部分22aは
図3で説明した様な2針の振りが入った割合の最も大き
いサテン調ネット組織であり、緊迫力の弱い部分22b
は図6で説明した様なメッシュ調ネット組織であり、中
緊迫力部分22cは図4で説明した様な2針の振りが入
った割合の比較的大きいサテン調ネット組織であり、緊
迫力の強い部分22dは図3で説明した様な2針の振り
が入った割合の最も大きいサテン調ネット組織であり、
緊迫力の弱い部分22eは図6で説明した様なメッシュ
調ネット組織であり、中緊迫力部分22fは図4で説明
した様な2針の振りが入った割合の比較的大きいサテン
調ネット組織としたが何らこれに限定されるものではな
い。
【0240】22aの部分は図3で示したような緊迫力
の強い地編み組織が用いられていて緊迫力が大きく、ガ
ードルの背面側と脇側において、ウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力が高められ
た領域(R)に相当する部分である。60は領域(R)
の下側の境界ラインである下縁を示している。領域
(R)の下縁60の形が略V字状になっている点は、図
29〜30に示したガードルと異なっている。かかる緊
迫力の高められている領域(R)の後中心における幅は
約7〜15cmの幅を有し、領域(R)の左右の端部そ
れぞれにおける幅が約1〜15cmであることが好まし
い。緊迫力の強い部分22aにより、背面側後中心近傍
において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、あるい
は第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範囲の腰
部にかかる緊迫力を高めることができ妊婦の姿勢を正常
な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能を補助する機
能を発揮することができる。
【0241】22bがヒップの膨らみの部分に充当され
る第1のヒップ充当部、22c、22dが22bの第1
のヒップ充当部の周囲に設けられ、左右のヒップ部の膨
らみの下から脇側を通りウェスト近傍に至る帯状であり
且つカーブした連続パターンの第2のヒップ充当部であ
り、緊迫力の比較的強い部分なのでヒップの形を美しく
整えヒップアップ機能を付与することができる。
【0242】22eと22fの部分は脚部をカバーする
脚部充当部に相当する部分である。22eの部分を緊迫
力の弱い部分とし、太ももを強く圧迫しないようにする
とともに22fの部分をやや強めの中緊迫力部分とする
ことにより、裾のずり上がりを防止している。
【0243】尚、クロッチ用の布24は、特に限定はな
く、前例と同様である。ウエスト布20の素材は、本発
明とは特に関係がなく、少なくともガードル横方向に伸
縮性を有する生地を例えば2つ折りにして用いればよ
い。この例では地編みが44dtex(40デニール)
のナイロン糸を用い、挿入糸として308dtex(2
80デニール)のポリウレタン糸が1本づつ挿入された
衣類横方向に伸縮性を有するワンウェイプレーンパワー
ネットを用いているが、特に限定されるものではなく、
また、必要に応じてストレッチテープなどをこの内側に
取り付けてもよい。
【0244】フロント布21や背面から脇側ならびに脚
部に充当される部分22の展開形状や相互のパーツの縫
合方法は、図17〜図18を用いて説明したのとほぼ同
様である。
【0245】そしてこのロングタイプのガードルの前側
のウェストラインの上縁は、前例と同様に上方に膨らん
だ略円弧状となっており、妊婦の腹部が大きくなって膨
出してきた場合にも腹部を十分カバーできるようになっ
ているとともに、脇側のラインも前例と同様に、外側に
膨らんだ緩やかな略円弧状となっている。この様なパタ
ーンになるように立体裁断を行ったパーツを縫合するこ
とにより、着用者の形状にフィットし、腹部の膨らみに
より追従しやすい産前妊婦用ガードルとすることができ
好ましい。
【0246】尚、図37〜図38に示したガードルにお
いては、図37からも明らかなように、腹部を覆うフロ
ント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分2
1cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比較
的緊迫力の強い部分22dとが縫合ライン23を介して
脇側において連結している。このように前側と背面側か
ら脇側部分の比較的緊迫力の強い部分同士が脇側で連結
しているので、それぞれの緊迫力が発揮されやすくなり
好ましい。
【0247】かくして図37〜図38に示したガードル
は、妊娠時に膨出してくる下腹部を、段差をつけること
なく下方から持ち上げるようにサポートすることが可能
となる。下腹部から支えるパワーが十分発揮され胎児の
重量による下方へ腹部の膨出を良好に防止し、更に両脇
から腹部をつり上げる様に腹部を支えるパワーが作用し
てしかも腹部の上方略半分には、不必要な緊迫力が作用
せず、腹部膨出部分をカバーする生地に段差がなく、段
差の発生による着用者の外観の低下を引き起こさず、従
って段差部分が妊婦の腹部の肉に食い込んで、かゆみや
痛みが生じたり、血行阻害を生じるおそれのない、着用
感が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部位が適正
な産前妊婦用ガードルが提供できる。更に腹部を覆うフ
ロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇縁形状が、そ
の外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側になるように下方
に向かって狭くなっているので、鼠蹊溝を圧迫せず、着
用感を良好に保持し得るとともに、フロント布による下
腹部下方部分の持ち上げ力が集中的に作用しやすくなり
好ましい。
【0248】更に上記産前妊婦用ガードルにおいては、
経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布や脇側から
背面側の比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱
い比較的緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分け
が、比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分
の間に、緊迫力がその中間である中緊迫力部分が少なく
とも比較的緊迫力の強い部分の上縁ラインに沿ってほぼ
1〜3cmの幅で存在する緊迫力のグレードが合計3段
階に編み分けられている経編地(G)からなることによ
り、中緊迫力部分が、緊迫力の強い部分と緊迫力の弱い
部分との境界における急激な緊迫力の変化を緩和する役
目を果たす。従って、前記境界部近傍の緊迫力の弱い部
分の編み目が広がりすぎることがなく、商品価値のある
見栄えの良好な衣類が提供でき好ましい。また前記境界
部が曲線状にカーブしている場合にも、スムーズなカー
ブ模様となり好ましい。また、緊迫力の弱い部分と緊迫
力の強い部分との緊迫力に大きな差がありすぎると、緊
迫力の変化のある部分において、着用者のシルエットに
段差が生じるおそれがあるが、中緊迫力部分の存在によ
りかかる問題点が発生するおそれがなく、美しいシルエ
ットを保つことができるガードルを提供できる。
【0249】また経編地(G)からなる腹部を覆うフロ
ント布の比較的緊迫力の強い部分21cが、ウェストラ
インより下方で先細りとなり、ウェスト布20の下縁に
まで到達していない。その分中緊迫力部分21bと比較
的緊迫力の弱い部分21aの合計面積が腹部上方で大き
くなっているので、腹部の上方部分の圧迫が若干少なく
なり、着用感を良好にしている。しかも、腹部を覆うフ
ロント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分
21cと、背面側から脇側部分の前記編み分けによる比
較的緊迫力の強い部分22dとが縫合ライン23を介し
て脇側において連結しているので、それぞれの緊迫力が
拮抗し緊迫力は良好に発揮される。
【0250】またこのガードルはウェスト布20の下に
沿って略横方向に伸びている略帯状の緊迫力の高められ
た領域(R)22aの部分が存在するので、背面側後中
心近傍において、着用者の第3腰椎から第5腰椎の間、
あるいは第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨までの範
囲の腰部にかかる緊迫力を強力に高めることができ妊婦
の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能
を補助する機能を発揮することができる。
【0251】尚、以上の実施の形態例で説明した各妊産
婦用ガードルは、裾部分、すなわち各実施の形態例の2
2fで示された部分の下側の縁、図17においてはC−
Dラインの部分は、折り返して縫製するなどの端始末を
必要としない裾になっている。この様な端始末を必要と
しない編み方は周知であるので説明を省略するが、通
常、糸抜きの手法を応用して作られている(例えば日本
実公昭47−9946号など)。このように端始末を必
要としない裾とすることにより、裾端を折り返して縫合
する必要がないので、折り返し部分による段差が生じる
ことがなく好ましい。
【0252】また、以上の実施の形態例に示した産前妊
婦用ガードルは、ロングタイプの産前妊婦用ガードルの
いくつかの態様を示したものであるが、本発明の目的が
達成し得る範囲で、種々の別の態様にモディファイする
ことは何ら差し支えない。
【0253】また本発明は、産前妊婦用のロングタイプ
のガードルのほか、産前妊婦用のショートタイプのガー
ドルやショーツにも適用可能である。ショートタイプの
ガードルやショーツの場合には、脚部を短くしたもの
か、脚部の部分が実質上存在しないタイプである。
【0254】また、以上、説明した態様は、美観を向上
させるための模様を付与することについては言及してい
ないが、実質的に本発明の目的が発現できる限り、適
宜、編組織を変更して、例えば女性用衣類によく用いら
れる小柄の花柄模様その他の適宜の小柄模様を入れるこ
とは任意である。こうすることにより、一層美観の向上
した衣類に仕上げることが出来、好ましい。
【0255】尚、本発明では、比較的緊迫力の強い部分
と比較的緊迫力の弱い部分のパターンは、例えば地編の
表側にあらわれる非弾性糸からなる編組織を切り替える
など、前述した手法により、所定部分に任意の所望のパ
ターンを形成することができる。従って、従来余り見ら
れなかった、例えば図2の4や、図17の22c、22
d、図18の21bなどとして示した様なウェール方向
に平行ではない、カーブした帯状の連続したパターンに
ついても実現できる。よって緊迫力の強弱の要求に応じ
て所定部分に比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の
弱い部分を所定のパターン状に設けることができる。
【0256】上述した様な比較的緊迫力の強い部分をカ
ーブした帯状の連続パターンに経編によって編むこと
は、従来の古い経編機を用いた場合には、実質上困難で
あったが、例えば図1や図2等を用いて説明した様な方
法を用いれば、幅方向、長さ方向に制限なく地編組織の
組織変化を容易に実現でき、また、緊迫力の変化も幅方
向、長さ方向に制限なく比較的自由に実現できる。従来
の古い経編機を用いたのでは、カーブした連続パターン
などを実現することは困難であり、長さ方向に平行な直
線状の連続帯状パターンしか実質上実現できなかったも
のである。
【0257】尚、比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫
力の弱い部分などの緊迫力の値は、衣類の部位、着用者
の好み等によって、適宜設定すればよいので、特に限定
はない。従って、緊迫力の具体的値は特に限定するもの
ではないが、比較的緊迫力の強い部分の緊迫力として
は、素材経方向(ウェール方向)で0.98N〜2.4
5N(100〜250gf)の緊迫力の範囲から適宜選
定することが好ましい。また、比較的緊迫力の弱い部分
の緊迫力としては素材経方向(ウェール方向)で0.2
9N〜1.47N(30〜150gf)の範囲から適宜
選定することが好ましい。
【0258】そして編み組織変化によって、緊迫力差が
設けられた強緊迫力部分と弱緊迫力部分の緊迫力の差
は、特に限定するものではないが、1.5倍以上あるこ
とが、所要の緊迫力差が得られ好ましい。その際、緊迫
力差のあるパターン部分が、一つのパーツを構成する生
地の中に、2箇所以上存在している場合、最も緊迫力の
強いパターン部分と最も緊迫力の弱いパターン部分の緊
迫力の差が、1.5倍以上あることが好ましい。
【0259】本発明の衣料において、下腹部に、3段階
あるいは4段階に、緊迫力差のあるパターン部分を設け
る場合には、隣接するパターン同士の緊迫力差は、1.
5倍未満の僅差に止めることが、パターンの境界ライン
部分に段差が発生したりすることがなく、境界ラインが
なめらかになり好ましい。
【0260】1つのパーツを構成する1枚の生地内にお
ける、上記緊迫力差の上限は、特に限定するものではな
いが、3倍程度以下にすることが、生地が波打つ等の弊
害が生じるおそれがなく好ましい。特に、上記緊迫力差
は、1.5〜2倍程度の範囲が、所要の緊迫力が得ら
れ、且つ生地としての安定性もよくなり好ましい。
【0261】緊迫力を測定するには、次の引張り試験を
行って測定する。
【0262】素材経方向(ウェール方向)が試験片の長
さ方向になるように幅2.5cm×長さ16.0cmの
試験片を作成し、その長さ方向を上下方向に向けてその
両端をクリップでつかむ。上部つかみ長さを2.5c
m、下部つかみ長さを3.5cmとし、従ってつかみ間
隔は10.0cmとして定速伸長形引張試験機(島津製
作所製“オートグラフ”AG−500D)に取り付け、
30±2cm/分の速度で試験片を伸度80%まで伸ば
す。この際、伸度30%時点で試験片に掛かっている応
力を記録しこれを伸長力(単位N)とし、次に伸度80
%まで伸ばした試験片に掛かる応力を取り去ると、試験
片が元の長さに戻ろうとして収縮するが、伸度30%ま
で回復した時の試験片に掛かる応力を緊迫力(単位N)
とする。これらの値は、上記引張試験機により自動的に
記録される様に設定しておく。尚、伸長力、緊迫力と
も、これらのデータは試験片2つの平均値を求めてそれ
ぞれ伸長力、緊迫力とした。
【0263】ここで、伸度(%)とは、伸ばした状態で
伸び方向の生地の長さをd、伸ばす前の試料の元の長さ
(すなわちつかみ間隔)をeとすると、[(d−e)/
e]×100の値である。
【0264】尚、伸長力や緊迫力の測定の際に試験片の
大きさとしては、前述のような大きさのものを用いるこ
とが好ましいが、かかる大きさの試料が測定対象の衣類
から切り出せない場合にはそれより小さくても差し支え
ない。ただ、試料の大きさが小さくなるほど、測定誤差
が大きくなるので、切り出せる範囲でできるだけ大きな
試料を採取して測定することが好ましい。
【0265】上記の方法で、具体的に図15〜図17に
示すガードルの一部を測定したデータを次の表1に示し
た。
【0266】
【発明の効果】(1)本発明の産前妊婦用ガードルまた
はショーツは、上述のような腹部を覆うフロント布を採
用していて、緊迫力の比較的強い部分の下縁が股布の前
側上縁に直接縫合されており、特に恥骨から上の腹部最
下部からも膨出した腹部を支えるパワーが作用し、従っ
て妊娠時に膨出してくる下腹部を、段差をつけることな
く下方から持ち上げるようにサポートすることが可能と
なる。下腹部から支えるパワーが十分発揮され胎児の重
量による下方へ腹部の膨出を良好に防止し、更に両脇か
ら腹部をつり上げる様に腹部を支えるパワーが作用して
しかも腹部の上方略半分には、不必要な緊迫力が作用せ
ず、腹部膨出部分をカバーする生地に段差がなく、段差
の発生による着用者の外観の低下を引き起こさず、従っ
て段差部分が妊婦の腹部の肉に食い込んで、かゆみや痛
みが生じたり、血行阻害を生じるおそれがない、着用感
が良好で、腹部を支えるパワーが作用する部位が適正な
産前妊婦用ガードルまたはショーツが提供できる。更に
腹部を覆うフロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇
縁形状が、その外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側にな
るように下方に向かって狭くなっているので、鼠蹊溝を
圧迫せず、着用感を良好に保持し得るとともに、フロン
ト布による下腹部下方部分の持ち上げ力が集中的に作用
しやすくなり好ましい。
【0267】更に本発明においては、ジャカード編から
なる経編地を採用し、その表側にあらわれる非弾性糸か
らなる地編組織を、緊迫力の強弱の要求に応じてパター
ン状に編み分けた経編地を少なくとも一部に採用してい
るので、丸編品に比べて、仕上がり寸法の安定性が良好
で、同じ仕上がり寸法のものを容易に大量に生産でき、
丸編品の如くいわゆる「伝染」等の発生がなく耐久性が
良好で、生産性にも優れた、産前妊婦用ガードルまたは
ショーツを提供できる。しかも丸編品に比べて、編み密
度をより高密度にすることもできるので、比較的緊迫力
の強い部分の緊迫力のより一層大きいものも容易に製造
できる。
【0268】(2)また、前記(1)項に記載の産前妊
婦用ガードルまたはショーツにおいて、経編地(G)の
比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱い比較的
緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分けが、比較的
緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱い比較的緊迫力
の弱い部分へ、その緊迫力のグレードが合計3段階以上
に編み分けられている経編地(G)である本発明の好ま
しい態様とすることにより、緊迫力の強い部分と緊迫力
の弱い部分との境界における急激な緊迫力の変化を緩和
することができる。前記境界部に急激な緊迫力の変化が
あると、緊迫力の弱い部分が緊迫力の強い部分に引っ張
られて前記境界部近傍の緊迫力の弱い部分の編み目が広
がりすぎて、小さな孔が開いたように見栄えが低下する
ことがあるのを防止でき好ましい。また前記境界部が曲
線状にカーブしている場合に、緊迫力の弱い部分が緊迫
力の強い部分に引っ張られて描かれるカーブがスムーズ
にならず、カーブの形状が低下する欠点などの発生を防
止でき、スムーズなカーブ模様となり好ましい。また、
緊迫力の弱い部分と緊迫力の強い部分との緊迫力に大き
な差がありすぎると、緊迫力の強い部分は身体の肉を押
圧し、緊迫力の弱い部分は身体の肉を押圧する力が弱い
ので、その結果、着用者のシルエットに段差が生じやす
くなることがあるが、緊迫力のグレードを合計3段階以
上とすることにより、かかる問題の発生のおそれのない
の産前妊婦用ガードルまたはショーツが提供でき好まし
い。
【0269】(3)また、前記(1)項または(2)項
のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
において、経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布
の比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱い比較
的緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分けが、比較
的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分の間に、
緊迫力がその中間である中緊迫力部分が少なくとも比較
的緊迫力の強い部分の上縁ラインに沿ってほぼ1〜3c
mの幅で存在する緊迫力のグレードが合計3段階に編み
分けられている経編地(G)からなる本発明の好ましい
態様とすることにより、上記(2)で説明したように、
中緊迫力部分が、緊迫力の強い部分と緊迫力の弱い部分
との境界における急激な緊迫力の変化を緩和する役目を
果たす。従って、前記境界部近傍の緊迫力の弱い部分の
編み目が広がりすぎることがなく、商品価値のある見栄
えの良好な衣類が提供でき好ましい。また前記境界部が
曲線状にカーブしている場合にも、スムーズなカーブ模
様となり好ましい。また、緊迫力の弱い部分と緊迫力の
強い部分との緊迫力に大きな差がありすぎると、緊迫力
の変化のある部分において、着用者のシルエットに段差
が生じるおそれがあるが、中緊迫力部分の存在によりか
かる問題点が発生するおそれがなく、美しいシルエット
を保つことができ好ましい。
【0270】また、緊迫力の変化のグレードが3段階の
場合には、生産コストの上昇を少な目に抑えて、上記の
機能の発揮できる衣類が得られ、好ましい。中緊迫力部
分の幅を1〜3cmの幅とすることにより、上述した緊
迫力の強い部分と緊迫力の弱い部分との境界における急
激な緊迫力の変化を緩和する役目を十分に発揮しうる幅
であり、また、着用者身体を押圧しない様にする部分で
ある比較的緊迫力の弱い部分の面積を不必要に狭くする
ことがなく上記機能を発揮でき好ましい。
【0271】(4)また、前記(1)〜(3)項のいず
れかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツにおい
て、経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布の比較
的緊迫力の強い部分が、その下縁は股布の前側上縁に直
接縫合されており、脇側斜め上方に向かってウェストラ
イン近傍まで存在し、その上端がウェスト布に縫合され
ている略U字帯状の形状の緊迫力の強い部分である本発
明の好ましい態様とすることにより、腹部のフロント布
の比較的緊迫力の強い部分の下縁は股布に直接縫合され
ているので、妊婦の膨出した腹部が下方に垂れ下がるの
を強力に支えるとともに、当該比較的緊迫力の強い部分
が、腹部のほぼ中心部を略U字帯状の形状で取り囲み、
その左右の上端がウェスト布に縫合されているので、腹
部の両脇側から妊婦の膨出した腹部を支え、また下腹部
を両脇から上方に引き上げる機能を強く発揮することが
でき、妊婦の膨出した腹部が下方に垂れ下がるのをサポ
ートする力がより強力に発揮されることになり好まし
い。
【0272】(5)また、前記(1)〜(4)項のいず
れかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツにおい
て、経編地(G)からなる腹部を覆うフロント布の比較
的緊迫力の強い部分の幅が、前中心において10〜20
cm、脇側部分において3.5〜8cmであり、全体の
幅の平均値が5〜15cmの範囲内である本発明の好ま
しい態様とすることにより、不必要に妊婦の腹部を圧迫
せずに、妊婦の膨出した腹部をしたからサポートする機
能が十分発揮され好ましい。
【0273】(6)また、前記(1)〜(5)項のいず
れかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツにおい
て、ガードルまたはショーツの背面側ないし背面側と脇
側において、ウェスト布の下に沿って略横方向に伸びて
いる略帯状の領域(R)が、緊迫力の高められている領
域であり、緊迫力の高められている領域(R)の後中心
における幅は約7〜15cmの幅を有し、領域(R)の
左右の端部それぞれにおける幅が約1〜15cmである
本発明の好ましい態様とすることにより、妊婦の姿勢を
正常な姿勢に保つ機能を補助し、腰痛の発生などの予防
機能も補助でき好ましい。
【0274】緊迫力の高められている領域(R)の後中
心における幅を約7〜15cmとすることにより、背面
側後中心近傍において、着用者の第3腰椎から第5腰椎
の間、あるいは第3腰椎から第5腰椎を通り更に仙骨ま
での範囲の腰部にかかる緊迫力を高めることができ妊婦
の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生などの予防機能
を補助する機能を発揮することができる。また緊迫力の
高められている領域(R)の左右の端部それぞれにおけ
る幅を約1〜15cmの範囲とすることにより、緊迫力
の強い部分の面積を必要以上に大きくすることなく、上
記機能が十分に発揮され好ましい。
【0275】(7)また、前記(6)項に記載の産前妊
婦用ガードルまたはショーツにおいて、前記緊迫力の高
められているほぼ帯状の領域(R)が、弾性糸が挿入さ
れるか又は編み込まれていて、当該弾性糸の挿入または
編み込み密度が大きくされているか、あるいは、当該弾
性糸の太さが太くされることにより、緊迫力の高められ
ている領域である本発明の好ましい態様とすることによ
り、上記(6)で記載したように妊婦の姿勢を正常な姿
勢に保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する機
能をコストの上昇を比較的抑えて比較的容易な手段で実
現でき好ましい。
【0276】(8)また、前記(6)または(7)項の
いずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツに
おいて、ガードルまたはショーツの背面側ないし背面側
と脇側部分が経編地(G)からなっていて、前記緊迫力
の高められているほぼ帯状の領域(R)が、前記経編地
(G)の編み分けによる比較的緊迫力の強い部分からな
る領域である本発明の好ましい態様とすることにより、
上記(6)で記載したように妊婦の姿勢を正常な姿勢に
保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する機能を
付与する緊迫力の高められているほぼ帯状の領域(R)
の形状を、所望の領域形状に形成することができ好まし
い。
【0277】(9)また、前記(8)項に記載の産前妊
婦用ガードルまたはショーツにおいて、前記経編地
(G)の編み分けによる比較的緊迫力の強い部分からな
るほぼ帯状の領域(R)のパターンが、その下縁が上方
に向かって凸の略円弧状にカーブしている帯状の連続パ
ターンである本発明の好ましい態様とすることにより、
緊迫力の高められているほぼ帯状の領域(R)が必要な
部分をカバーし、妊婦の姿勢を正常な姿勢に保つ機能、
腰痛の発生などの予防機能を補助する機能を付与するす
ると同時に、下縁が上方に向かって凸の略円弧状にカー
ブしているので、下縁がヒップの膨らみの上方部分など
の身体の立体形状に沿い、ヒップの膨らみを圧迫せず、
美しいヒップの丸みを保持でき好ましい。
【0278】(10)また、前記(1)〜(9)項のい
ずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツにお
いて、ガードルまたはショーツの背面側ないし背面側と
脇側部分が経編地(G)からなっていて、前記経編地
(G)の編み分けによる比較的緊迫力の強い部分が、左
右のヒップ部の膨らみの下から脇側を通りウェスト近傍
に至る帯状であり且つカーブした連続パターンの部分で
ある本発明の好ましい態様とすることにより、この帯状
であり且つカーブした連続パターンの部分が当て布が縫
合されて形成されている場合に比べて、当て布の縁が段
差となって現れ、アウターウェアーにもその段差が反映
して、外観を低下させると言う欠点の発生なしに、左右
のヒップ部の膨らみの形を美しい丸みを帯びた形状に整
える機能が発揮され好ましい。
【0279】(11)また、前記(10)項に記載の産
前妊婦用ガードルまたはショーツにおいて、腹部を覆う
フロント布の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部
分と背面側ないし背面側と脇側部分の前記編み分けによ
る比較的緊迫力の強い部分とが脇側において連結してい
る本発明の好ましい態様とすることにより、前側と背面
側の比較的緊迫力の強い部分同士が脇側で連結している
ので、それぞれの緊迫力が十分に発揮されやすくなり好
ましい。
【0280】(12)また、前記(1)〜(11)項の
いずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツに
おいて、ガードルまたはショーツの背面側ないし背面側
と脇側において、ウェスト布の下に沿って略横方向に伸
びている略帯状の緊迫力の強い補強布(H)がガードル
またはショーツの本体の裏側に更に設けられており、前
記補強布(H)の後中心における幅は約7〜15cmで
あり、補強布(H)の左右の端部それぞれにおける幅が
約1〜15cmである本発明の好ましい態様とすること
により、上記(6)で記載したように妊婦の姿勢を正常
な姿勢に保つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助す
る機能を極めて高めることができ好ましい。補強布
(H)の後中心における幅を約7〜15cmとすること
により、背面側後中心近傍において、着用者の第3腰椎
から第5腰椎の間、あるいは第3腰椎から第5腰椎を通
り更に仙骨までの範囲の腰部にかかる緊迫力を高めるこ
とができ妊婦の姿勢を正常な姿勢に保ち、腰痛の発生な
どの予防機能を補助する機能を高めることができる。ま
た補強布(H)の左右の端部それぞれにおける幅を約1
〜15cmの範囲とすることにより、緊迫力の強い部分
の面積を必要以上に大きくすることなく、上記機能が十
分に発揮され好ましい。
【0281】(13)また、前記(12)項に記載の産
前妊婦用ガードルまたはショーツにおいて、略帯状の緊
迫力の強い補強布(H)の緊迫力が、当該補強布(H)
が当接されるガードルまたはショーツの本体の部分の緊
迫力より大きい緊迫力を有し、少なくとも横方向に伸縮
性を有する生地からなる補強布(H)である本発明の好
ましい態様とすることにより、上記(14)で記載した
ように妊婦の姿勢を正常な姿勢に保つ機能、腰痛の発生
などの予防機能を補助する機能を更に一層高めることが
でき好ましい。
【0282】更には、前記、ウェスト布の下に沿って略
横方向に伸びている略帯状の緊迫力の高められている領
域(R)を前記(7)項または(8)項のいずれか1つ
ないしこの両者の態様を併せて採用するとともに、更に
補強布(H)と組み合わせて腰部の補強を行うことが極
めて好ましい。
【0283】(14)また、前記(12)または(1
3)項のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはシ
ョーツにおいて、略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
が、端始末不要の縁部を有する生地(H´)からなり、
生地(H´)の端始末不要の縁部を下縁とし、当該下縁
部分は、ガードルまたはショーツに縫合されていないフ
リーな状態で、生地(H´)の両脇縁と上縁部分で又は
生地(H´)の両脇縁と上縁部分と後中心線上部分でガ
ードルまたはショーツ本体に縫合されている本発明の好
ましい態様とすることにより、生地(H´)の下縁部が
端始末不要の縁部からなるので、下縁部を折り返して縫
合する必要がなく、段差が生じにくく好ましい。また生
地(H´)からなる補強布(H)の下縁部が、ガードル
またはショーツに縫合されていないフリーな状態になっ
ているので、ガードルまたはショーツ本体布と補強布
(H)が相互に拘束されず、運動追従性が良好で、補強
布(H)の下縁部もガードルまたはショーツに縫合され
ている場合に比べて、引きつれや皺などの発生が少な
く、着用時の違和感が少なくでき好ましい。
【0284】(15)また、前記(12)〜(14)項
のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
において、略帯状の緊迫力の強い補強布(H)が、その
横方向の長さが所定の長さより短い補強布(H)を横方
向に引き延ばした状態で、ガードルまたはショーツ本体
に取り付けられている本発明の好ましい態様とすること
により、腰部への緊迫力を一層高めることができ、上記
(14)で記載したような妊婦の姿勢を正常な姿勢に保
つ機能、腰痛の発生などの予防機能を補助する機能を更
に一層高めることができ好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のガードルにおける腹部を
覆うフロント布用の裁断前の生地の一例の平面図。
【図2】本発明の一実施形態のガードルにおける腹部を
覆うフロント布用の裁断前の生地の別の一例の平面図。
【図3】本発明で用いるサテン調ネット組織の一態様の
組織図。
【図4】本発明で用いる別の態様のサテン調ネット組織
の組織図。
【図5】本発明で用いる更に別の態様のサテン調ネット
組織の組織図。
【図6】本発明で用いるメッシュ調ネット組織の一態様
の組織図。
【図7】本発明で用いるサテン調トリコット組織の一態
様の組織図。
【図8】本発明で用いる別の態様のサテン調トリコット
組織の組織図。
【図9】本発明で用いる更に別の態様のサテン調トリコ
ット組織の組織図。
【図10】本発明で用いるメッシュ調トリコット組織の
組織図。
【図11】サテン調ネット組織の地編組織に弾性糸から
なる挿入糸が挿入されている状態を説明する為の組織
図。
【図12】サテン調ネット組織の地編組織に弾性糸から
なる挿入糸が挿入されている状態を説明する為の組織
図。
【図13】サテン調ネット組織の地編組織に弾性糸から
なる挿入糸が挿入されている状態を説明する為の組織
図。
【図14】地編サテン調トリコット組織の地編組織に弾
性糸が編み込まれている状態を説明する為の組織図。
【図15】本発明のロングタイプの産前妊婦用ガードル
の前側から見た斜視図。
【図16】図15に示したロングタイプの産前妊婦用ガ
ードルの後側から見た斜視図。
【図17】図15、図16に示したガードルの主として
背面から前脇ならびに脚部に用いられる生地の裁断前の
平面図。
【図18】図15、図16に示したガードルの腹部を覆
うフロント布に用いられる生地の裁断前の平面図。
【図19】本発明の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
に用いられる略帯状の緊迫力の強い補強布(H)の一実
施形態例の平面図。
【図20】本発明の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
に用いられる略帯状の緊迫力の強い補強布(H)の別の
一実施形態例の平面図。
【図21】本発明の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
に用いられる略帯状の緊迫力の強い補強布(H)の更に
別の一実施形態例の平面図。
【図22】本発明の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
に用いられる略帯状の緊迫力の強い補強布(H)の更に
別の一実施形態例の平面図。
【図23】本発明の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
に用いられる略帯状の緊迫力の強い補強布(H)の更に
別の一実施形態例の平面図。
【図24】本発明の産前妊婦用ガードルまたはショーツ
に用いられる略帯状の緊迫力の強い補強布(H)の更に
別の一実施形態例の平面図。
【図25】本発明のロングタイプの産前妊婦用ガードル
の別の実施の形態例の前側から見た斜視図。
【図26】図25に示したロングタイプの産前妊婦用ガ
ードルの後側から見た斜視図。
【図27】本発明のロングタイプの産前妊婦用ガードル
の更に別の実施の形態例の前側から見た斜視図。
【図28】図27に示したロングタイプの産前妊婦用ガ
ードルの後側から見た斜視図。
【図29】本発明のロングタイプの産前妊婦用ガードル
の更に別の実施の形態例の前側から見た斜視図。
【図30】図29に示したロングタイプの産前妊婦用ガ
ードルの後側から見た斜視図。
【図31】本発明のロングタイプの産前妊婦用ガードル
の更に別の実施の形態例の前側から見た斜視図。
【図32】図31に示したロングタイプの産前妊婦用ガ
ードルの後側から見た斜視図。
【図33】本発明のロングタイプの産前妊婦用ガードル
の更に別の実施の形態例の前側から見た斜視図。
【図34】図33に示したロングタイプの産前妊婦用ガ
ードルの後側から見た斜視図。
【図35】本発明のロングタイプの産前妊婦用ガードル
の更に別の実施の形態例の前側から見た斜視図。
【図36】図35に示したロングタイプの産前妊婦用ガ
ードルの後側から見た斜視図。
【図37】本発明のロングタイプの産前妊婦用ガードル
の更に別の実施の形態例の前側から見た斜視図。
【図38】図37に示したロングタイプの産前妊婦用ガ
ードルの後側から見た斜視図。
【符号の説明】
1 ガードルの腹部を覆うフロント布用の裁断前
の生地 2 比較的緊迫力の強い部分 3 腹部のほぼ中央のやや下方から上方部分でに
充当される部分で部分で比較的緊迫力の弱い部分 4 中緊迫力部分 5 サテン調ネット組織の表側に現れる非弾性糸 6 サテン調ネット組織の裏側に現れる非弾性糸 7 弾性糸からなる挿入糸 8 弾性糸からなる挿入糸 9 弾性糸からなる挿入糸 10 サテン調トリコット組織の表側に現れる非弾
性糸 11 サテン調トリコット組織の裏側に現れる非弾
性糸 12 編み込まれた弾性糸 20 ウェスト布 21 腹部を覆うフロント布 21a 緊迫力の弱い部分 21b 中緊迫力部分 21b−1、21b−2 中緊迫力部分 21c 緊迫力の強い部分 22 ガードルの主として背面から前脇ならびに脚
部に充当される部分 22a 緊迫力の強い部分 22b 緊迫力の弱い部分 22c 中緊迫力部分 22d 緊迫力の強い部分 22e 緊迫力の弱い部分 22f 中緊迫力部分 22g 緊迫力の弱い部分 23 縫合ライン 24 股布 25 緊迫力の強い部分21cの下縁 26 縫合ライン 28 ガードルの腹部を覆うフロント布に用いられ
る生地 29 ガードルの主として背面から前脇ならびに脚
部に用いられる生地 30 緊迫力の強い部分21cの上縁ライン 40 点線ライン42より上側の部分 41 点線ライン42より下側の部分 42 点線ライン 50 略帯状の緊迫力の強い補強布(H) 51 上縁 52 脇縁 53 下縁 60 領域(R)の下側の境界ラインである下縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B028 EA02 EB22 EB23 EB26 EB29 EB31 EC11 EC12 4L002 AA05 AA06 AA07 AB02 AC01 CA01 CA04 EA06 FA03

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジャカード編からなる地編が非弾性糸で
    編まれ、更に弾性糸が挿入されるか及び/又は弾性糸が
    編み込まれてなる経編地からなっていて、緊迫力の強弱
    の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる非弾性糸か
    らなる編組織を切り替えて、組織の変化により、所定部
    分に所定の比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱
    い部分とがパターン状に編み分けられている経編地
    (G)を少なくとも一部に用いてなるジャカード編の経
    編地からなる産前妊婦用ガードルまたはショーツであっ
    て、腹部を覆うフロント布は、前記経編地(G)からな
    り、その比較的緊迫力の強い部分は、下腹部から脇側斜
    め上方に向かって、臍位置の横方向水平ライン近傍から
    ウェストライン近傍までのいずれかの位置まで存在し、
    前記フロント布の比較的緊迫力の強い部分の外脇縁形状
    は、前記外脇縁の下方部分が鼠蹊溝より内側になるよう
    に下方に向かって狭くなり、その下縁は股布の前側上縁
    に直接縫合されており、比較的緊迫力の強い部分の上縁
    ラインの形状は下方に向かって凸の略円弧状のカーブを
    描いており、比較的緊迫力の強い部分の前記上縁ライン
    は、前中心において臍部より下方でかつ股布の前側上縁
    から上方にほぼ10〜20cmの範囲を通り略円弧状に
    脇側に至っていて、比較的緊迫力の強い部分の上縁ライ
    ンより上側部分が、それより緊迫力の弱い比較的緊迫力
    の弱い部分からなる産前妊婦用ガードルまたはショー
    ツ。
  2. 【請求項2】 経編地(G)の比較的緊迫力の強い部分
    とそれより緊迫力の弱い比較的緊迫力の弱い部分とのパ
    ターン状の編み分けが、比較的緊迫力の強い部分とそれ
    より緊迫力の弱い比較的緊迫力の弱い部分へ、その緊迫
    力のグレードが合計3段階以上に編み分けられている経
    編地(G)である請求項1に記載の産前妊婦用ガードル
    またはショーツ。
  3. 【請求項3】 経編地(G)からなる腹部を覆うフロン
    ト布の比較的緊迫力の強い部分とそれより緊迫力の弱い
    比較的緊迫力の弱い部分とのパターン状の編み分けが、
    比較的緊迫力の強い部分と比較的緊迫力の弱い部分の間
    に、緊迫力がその中間である中緊迫力部分が少なくとも
    比較的緊迫力の強い部分の上縁ラインに沿ってほぼ1〜
    3cmの幅で存在する緊迫力のグレードが合計3段階に
    編み分けられている経編地(G)からなる請求項1また
    は2のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショ
    ーツ。
  4. 【請求項4】 経編地(G)からなる腹部を覆うフロン
    ト布の比較的緊迫力の強い部分が、その下縁は股布の前
    側上縁に直接縫合されており、脇側斜め上方に向かって
    ウェストライン近傍まで存在し、その上端がウェスト布
    に縫合されている略U字帯状の形状の緊迫力の強い部分
    である請求項1〜3のいずれかに記載の産前妊婦用ガー
    ドルまたはショーツ。
  5. 【請求項5】 経編地(G)からなる腹部を覆うフロン
    ト布の比較的緊迫力の強い部分の幅が、前中心において
    10〜20cm、脇側部分において3.5〜8cmであ
    り、全体の幅の平均値が5〜15cmの範囲内である請
    求項1〜4のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまた
    はショーツ。
  6. 【請求項6】 ガードルまたはショーツの背面側ないし
    背面側と脇側において、ウェスト布の下に沿って略横方
    向に伸びている略帯状の領域(R)が、緊迫力の高めら
    れている領域であり、緊迫力の高められている領域
    (R)の後中心における幅は約7〜15cmの幅を有
    し、領域(R)の左右の端部それぞれにおける幅が約1
    〜15cmである請求項1〜5のいずれかに記載の産前
    妊婦用ガードルまたはショーツ。
  7. 【請求項7】 前記緊迫力の高められているほぼ帯状の
    領域(R)が、弾性糸が挿入されるか又は編み込まれて
    いて、当該弾性糸の挿入または編み込み密度が大きくさ
    れているか、あるいは、当該弾性糸の太さが太くされる
    ことにより、緊迫力の高められている領域である請求項
    6に記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツ。
  8. 【請求項8】 ガードルまたはショーツの背面側ないし
    背面側と脇側部分が経編地(G)からなっていて、前記
    緊迫力の高められているほぼ帯状の領域(R)が、前記
    経編地(G)の編み分けによる比較的緊迫力の強い部分
    からなる領域である請求項6または7のいずれかに記載
    の産前妊婦用ガードルまたはショーツ。
  9. 【請求項9】 前記経編地(G)の編み分けによる比較
    的緊迫力の強い部分からなるほぼ帯状の領域(R)のパ
    ターンが、その下縁が上方に向かって凸の略円弧状にカ
    ーブしている帯状の連続パターンである請求項8に記載
    の産前妊婦用ガードルまたはショーツ。
  10. 【請求項10】 ガードルまたはショーツの背面側ない
    し背面側と脇側部分が経編地(G)からなっていて、前
    記経編地(G)の編み分けによる比較的緊迫力の強い部
    分が、左右のヒップ部の膨らみの下から脇側を通りウェ
    スト近傍に至る帯状であり且つカーブした連続パターン
    の部分である請求項1〜9のいずれかに記載の産前妊婦
    用ガードルまたはショーツ。
  11. 【請求項11】 腹部を覆うフロント布の前記編み分け
    による比較的緊迫力の強い部分と背面側ないし背面側と
    脇側部分の前記編み分けによる比較的緊迫力の強い部分
    とが脇側において連結している請求項10に記載の産前
    妊婦用ガードルまたはショーツ。
  12. 【請求項12】 ガードルまたはショーツの背面側ない
    し背面側と脇側において、ウェスト布の下に沿って略横
    方向に伸びている略帯状の緊迫力の強い補強布(H)が
    ガードルまたはショーツの本体の裏側に更に設けられて
    おり、前記補強布(H)の後中心における幅は約7〜1
    5cmであり、補強布(H)の左右の端部それぞれにお
    ける幅が約1〜15cmである請求項1〜11のいずれ
    かに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツ。
  13. 【請求項13】 略帯状の緊迫力の強い補強布(H)の
    緊迫力が、当該補強布(H)が当接されるガードルまた
    はショーツの本体の部分の緊迫力より大きい緊迫力を有
    し、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地からなる補
    強布(H)である請求項12に記載の産前妊婦用ガード
    ルまたはショーツ。
  14. 【請求項14】 略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
    が、端始末不要の縁部を有する生地(H´)からなり、
    生地(H´)の端始末不要の縁部を下縁とし、当該下縁
    部分は、ガードルまたはショーツに縫合されていないフ
    リーな状態で、生地(H´)の両脇縁と上縁部分で又は
    生地(H´)の両脇縁と上縁部分と後中心線上部分でガ
    ードルまたはショーツ本体に縫合されている請求項12
    または13のいずれかに記載の産前妊婦用ガードルまた
    はショーツ。
  15. 【請求項15】 略帯状の緊迫力の強い補強布(H)
    が、その横方向の長さが所定の長さより短い補強布
    (H)を横方向に引き延ばした状態で、ガードルまたは
    ショーツ本体に取り付けられてなる請求項12〜14の
    いずれかに記載の産前妊婦用ガードルまたはショーツ。
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