JP2002316875A - 窒化珪素焼結体 - Google Patents

窒化珪素焼結体

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JP2002316875A
JP2002316875A JP2001118678A JP2001118678A JP2002316875A JP 2002316875 A JP2002316875 A JP 2002316875A JP 2001118678 A JP2001118678 A JP 2001118678A JP 2001118678 A JP2001118678 A JP 2001118678A JP 2002316875 A JP2002316875 A JP 2002316875A
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Katsura Matsubara
桂 松原
Yasushi Hara
康 原
Masaya Ito
正也 伊藤
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁耐力及び放熱性に優れ、半導体用絶縁基
板等に使用されるセラミックスとして好適な窒化珪素焼
結体を提供する。 【解決手段】 本発明の窒化珪素焼結体は、軽希土類元
素から選ばれた少なくとも1種の元素を酸化物換算量で
3〜14質量%、アルカリ土類金属元素を酸化物換算量
で4〜10質量%含有し、更に、窒化珪素焼結体の全成
分量からコバルト元素又は/及びニッケル元素の酸化物
換算量並びにアルカリ金属元素の酸化物換算量を除いた
残部100質量部に対し、アルカリ金属元素を酸化物換
算量で0.5質量部以下、コバルト元素又は/及びニッ
ケル元素を酸化物換算量で0.05〜2.0質量部含有
し、且つ、厚さ0.3mmにおける絶縁耐圧が10kV
以上、室温における熱伝導率が54W/m・K以上であ
り、焼結体中の上記窒化珪素の体積分率が90〜95v
ol%であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化珪素焼結体に
関し、更に詳しくは、絶縁耐力及び放熱性に優れ、半導
体用絶縁基板等に使用されるセラミックスとして好適な
窒化珪素焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素焼結体は、機械的特性、耐熱
性、耐摩耗性及び耐食性等の諸性質に優れていることか
ら、従来より、ベアリングボールやタペット等の摺動部
材、切削工具等の耐摩耗部材、ターボチャージャーロー
ターやエンジンバルブ、セラミックグロープラグなどの
エンジン部材への実用化が検討されている。また、ハイ
ブリッド電気自動車のモーターを制御するインバーター
の半導体用絶縁基板として、従来は窒化アルミニウム焼
結体の適用が検討されていたが、窒化アルミニウム焼結
体では機械的強度が不十分であることから、近年では、
窒化珪素焼結体の優れた機械的特性に着目して、半導体
用絶縁基板としての適用が検討されている。
【0003】そして、焼結体を半導体用絶縁基板として
用いる場合、半導体素子で発生する熱を効率よく外部へ
逃がすことが重要であるが、従来より用いられている窒
化アルミニウム焼結体と比べ、窒化珪素焼結体は熱伝導
特性の点に劣ることが指摘されており、半導体用絶縁基
板としての適用を妨げる要因となっていた。そこで、従
来より、窒化珪素焼結体の熱伝導率を向上させる数多く
の試みがなされており、その殆どは、窒化珪素粒子を粒
成長させることにより高熱伝導化を実現している。
【0004】しかし、窒化珪素粒子の粒成長を促進する
と、アスペクト比の高い針状組織となり、微構造レベル
で立体障害が発生するために、緻密な焼結体を得ること
が困難となってくるという問題がある。これに対して従
来より、窒素ガス圧が10MPa程度のガス圧焼結(G
PS)や10〜300MPa程度の熱間静水圧加圧焼結
(HIP)や、あるいは機械的に一軸方向の圧力を加え
ながら焼結するホットプレス焼結(HP)といった加圧
焼結法が知られている。これらの焼結法によれば比較的
緻密な焼結体を得ることができるが、一般的に製造コス
トが高くなるため、低コストが要求される工業用材料の
製造プロセスとしては適していない。また、窒素雰囲気
圧力1MPa未満の広義の常圧焼結方法では、高密度の
焼結体を得ることは困難である。
【0005】更に、窒化珪素焼結体を半導体用絶縁基板
として用いる場合、焼結体の特性として絶縁耐圧が高い
ことが求められるが、上記のように熱伝導率を向上させ
るべく窒化珪素の粒成長を促進すると、絶縁耐力及び耐
電圧が低下する問題がある。そこで従来より、熱伝導率
を向上させると共に、経済的な方法で緻密化をすること
ができ、且つ優れた絶縁耐力を備える窒化珪素焼結体の
開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、絶縁耐力及び放熱性に優れ、
半導体用絶縁基板等に使用されるセラミックスとして好
適な窒化珪素焼結体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、窒化珪素
焼結体において、窒化珪素の粒成長を促進した際に絶縁
耐力が低下する原因について詳細に検討した結果、窒化
珪素の粒成長により粒界三重点に残留気孔が生じ、この
気孔に電界が集中するためであることを発見した。そし
て、本発明者等は、窒化珪素焼結体中、軽希土類元素及
びアルカリ土類金属元素を所定量含有させることによ
り、残留気孔を除去あるいは低減し、熱伝導率及び絶縁
耐圧を向上させると共に、より繊密な焼結体とすること
ができることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】上記目的を達成するため、本発明が提供す
る窒化珪素焼結体は、軽希土類元素から選ばれた少なく
とも1種の元素を酸化物換算量で3〜14質量%及びア
ルカリ土類金属元素を酸化物換算量で3〜10質量%含
有し、且つ厚さ0.3mmにおける絶縁耐圧が10kV
以上であることを特徴とする。
【0009】本発明の窒化珪素焼結体における上記「軽
希土類元素」とは、ランタノイド系元素のうち、原子番
号57のLaから原子番号60のNdまでの元素の総称
である。また、本発明の窒化珪素焼結体における上記
「アルカリ土類金属元素」としては、例えば、Be、M
g、Ca、Sr、Ba等が挙げられる。そして、本発明
の窒化珪素焼結体では、上記「軽希土類元素」及び「ア
ルカリ土類金属元素」の両元素を少なくとも1種づつを
含んでいれば、2種以上の異なる軽希土類元素及びアル
カリ土類金属元素を含んでいてもよい。また、さらに軽
希土類元素以外の他の希土類元素を含有していてもよ
い。
【0010】本発明の窒化珪素焼結体において、上記
「軽希土類元素」の含有量は、少なくとも1種以上の元
素成分を酸化物換算量で3〜14質量%、好ましくは5
〜10質量%である。また、上記「アルカリ土類金属元
素」の含有量は、酸化物換算量で3〜10質量%、好ま
しくは5〜8質量%である。上記軽希土類元素の酸化物
換算量が3質量%未満、又は上記アルカリ土類金属元素
の酸化物換算量が3質量%未満であると、焼結体中の粒
界相の量が少なくなり残留気孔が増えて絶縁破壊電圧が
低下するので好ましくない。一方、上記軽希土類元素の
酸化物換算量が14質量%を超えるか、又は上記アルカ
リ土類金属元素の酸化物換算量が10質量%を超える
と、粒界相の量としては多くなる反面、針状組織が発達
しすぎるために、上記のように立体障害が発生する結
果、粒界三重点に残留気孔が発生し、やはり同様に絶縁
破壊電圧が低下してしまうので好ましくない。
【0011】本発明の窒化珪素焼結体に含まれる上記軽
希土類元素及びアルカリ土類金属元素は、窒化珪素焼結
体を製造する工程において、通常は、それぞれ酸化物や
炭酸塩等の化合物として窒化珪素原料粉末と混合され
る。そして、焼成過程で窒化珪素原料粉末粒子の表面上
に存在する酸化膜と反応して液相を生成し、窒化珪素焼
結体を得るための焼結助剤としての働きを持つ。また、
焼結後は窒化珪素粒子間の粒界ガラス相あるいは粒界結
晶相の構成成分として存在する。
【0012】本発明の窒化珪素焼結体は、厚さ0.3m
mにおける絶縁耐圧が10kV以上と高い値を有してい
る。ここで、特定の厚さにおける絶縁耐圧の値を規定し
たのは、絶縁耐圧と厚さとの間の相関性を一義的に定め
ることが困難である点を考慮したためである。例えば、
窒化珪素絶縁基板のような比較的薄い板状の焼結体の絶
縁耐圧特性は、2〜3mmを超える比較的肉厚の焼結体
を用いて測定された絶縁耐圧の値をそのまま適用しても
狙い通りの性能が得られないことが多い。従って、真に
絶縁耐力に優れた絶縁基板を得るためには、焼結体を特
定の厚さにした場合の絶縁耐圧の値を用いることが必要
であるとの観点に基づいている。本発明の窒化珪素焼結
体の絶縁耐圧を表すときの厚さは上記の0.3mmを基
準とするが、0.3±0.02mmの範囲であればよ
い。しかし、これに限定されるものではなく、例えば
0.32mmより厚い基板であれば、0.3±0.02
mmの厚さに研削加工した場合に10kV以上の絶縁破
壊電圧を示すものであればよく、一方、0.28mmよ
り薄い基板については、これと同様な製造方法により厚
さ0.3±0.02mmの基板を製造して絶縁耐圧を評
価する。尚、試料の表面状態については、特に限定され
ず、焼き肌面であっても研削加工面であってもよい。研
削加工面の目安としては、#170以上の砥石にて精研
削量(仕上げ研削量)10μmを1μm刻みで仕上げた
面とする。
【0013】また、本発明の窒化珪素焼結体は、上記軽
希土類元素及びアルカリ土類金属元素に加えて、コバル
ト元素又は/及びニッケル元素を含有するものとするこ
とができる。コバルト元素又はニッケル元素を含有する
ことにより、窒化珪素粒子の長軸方向への粒成長を抑制
することが可能となる。そのため、立体障害が原因とな
って発生する粒界三重点における気孔の残留をさらに抑
制することが可能となる。この場合、コバルト元素又は
/及びニッケル元素は化合物の形態で焼結体中に含ませ
ることができ、かかる化合物としては、酸化物、窒化
物、酸窒化物等が挙げられる。コバルト元素又は/及び
ニッケル元素の含有量は、上記窒化珪素焼結体の全成分
量からコバルト元素又は/及びニッケル元素の酸化物換
算量を除いた残部100質量部に対し、酸化物換算量で
0.05〜2.0質量部、好ましくは0.05〜0.5
質量部、更に好ましくは0.05〜0.1質量部であ
る。尚、コバルト元素又はニッケル元素を含有すること
により、焼結体の呈色が均一となる副次的効果も得るこ
とが可能である。
【0014】また、本発明の窒化珪素焼結体は、アルカ
リ金属元素から選ばれた少なくとも1種以上の元素成分
を含有するものとすることができる。上記「アルカリ金
属元素」としては、例えば、Li、Na、K等が挙げら
れ、このうちの少なくとも1種を含んでいれば、2種以
上の異なるアルカリ金属元素を含んでいてもよい。かか
るアルカリ金属元素を含有することにより、粒界に生成
した液相の粘性を低下させ、その結果、焼結体の緻密化
を促進することができるので好ましい。上記「アルカリ
金属元素」の含有量については特に限定はないが、通常
は、上記窒化珪素焼結体の全成分量からアルカリ金属元
素の酸化物換算量を除いた残部100質量部に対し、酸
化物換算量で0.5質量部以下(但し、0質量部は含ま
ない。)、好ましくは0.01〜0.5質量部、更に好
ましくは0.01〜0.3質量部、特に好ましくは0.
01〜0.1質量部とすることができる。上記「アルカ
リ金属元素」の酸化物換算量をかかる範囲とすることに
より、焼結体の緻密化を促進すると共に、粒界相でのイ
オン伝導性の発現を抑え、絶縁性の低下を防止して優れ
た絶縁性を維持することができるので好ましい。尚、コ
バルト元素又は/及びニッケル元素を含有する場合の上
記「アルカリ金属元素」の含有量は、上記窒化珪素焼結
体の全成分量からコバルト元素又は/及びニッケル元素
の酸化物換算量並びにアルカリ金属元素の酸化物換算量
を除いた残部100質量部に対し、酸化物換算量で0.
5質量部以下(但し、0質量部は含まない。)、好まし
くは0.01〜0.5質量部、更に好ましくは0.01
〜0.3質量部、特に好ましくは0.01〜0.1質量
部とすることができる。
【0015】また、本発明の窒化珪素焼結体では、焼結
体中の窒化珪素の体積分率を90〜95vol%、好ま
しくは91〜94vol%とすることができる。上記窒
化珪素の体積分率を90vol%以上とすることによ
り、希土類元素−珪素−酸素−窒素を基本構成成分と
し、通常1W/m・K以下の低い熱伝導率を示す粒界相
成分、即ちガラス成分の生成を抑えることができる。そ
の結果、焼結体の熱伝導率の低下を防止でき、高い放熱
性が要求される半導体用絶縁基板としてへ好適に使用で
きるので好ましい。一方、上記窒化珪素の体積分率を9
5vol%以下とすることにより、窒化珪素成分に対し
て粒界相が不足することがないことから、残留気孔が多
数発生して熱伝導率が低下することを防止すると共に、
交流耐電圧の低下も防止して、厚さ0.3mmにおいて
10kV以上の絶縁耐圧特性が得られるので好ましい。
なお、本発明においては、上記の窒化珪素の体積分率は
以下のようにして求められる。窒化珪素焼結体の任意の
断面を鏡面研磨した後、その研磨面を走査型電子顕微鏡
により倍率3000倍にて高解像度で写真撮影する。得
られた写真の画像を二値化し、窒化珪素粒子の占める領
域を特定し、全視野面積に対する窒化珪素粒子の領域面
積の比(面積割合)を算出し、これを窒化珪素の体積分
率とする。
【0016】本発明の窒化珪素焼結体は、上記構成を備
えることにより、従来の窒化珪素焼結体と比較して、優
れた絶縁耐圧と高い熱伝導率とを兼ね備えたものとする
ことができる。また、室温における熱伝導率を54W/
m・K以上、好ましくは60W/m・K以上、更に好ま
しくは65W/m・K以上とすることができる。室温に
おける熱伝導率をかかる範囲とすることにより、発生す
る熱を逃す必要のある半導体絶縁基板等として用いた場
合、効率的に放熱を促進することができるので好まし
い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、実験例に
より具体的に説明する。 (1)焼結体の調製 原料粉末として、Si34粉末(平均粒径1.0μm、
α率99%、不純物酸素量1.2質量%)と、希土類元
素化合物(CeO2、La23、Nd23及びPr611
〔平均粒径1〜3μm〕)と、SrCO3(平均粒径1
μm)と、アルカリ金属酸化物(Li2CO3、Na2
3及びK2CO3〔平均粒径 0.5〜2μm〕)と、
Co34(平均粒径1μm)と、NiO(平均粒径1μ
m)を用いた。これらを表1に示す組成の割合となるよ
うに配合して原料粉末混合物を調製した。尚、表1中、
Si34、希土類元素化合物及びSrOの量の値は質量
%である。また、Co化合物、Ni化合物及びアルカリ
金属酸化物の量の値は、Si 34、希土類元素化合物及
びSrOの合計量100質量部に対する質量部である。
そして、該原料粉末混合物をエタノールを分散媒として
樹脂製ポット中、樹脂製球石にて16時間混合粉砕した
後、泥漿を湯煎乾燥して混合粉末を得た。次いで、該混
合粉末を金型プレスでφ40mm×t5mmのペレット
形状にした後、CIP装置により150MPaの圧力で
成形して成形体を得た。その後、該成形体に離型剤とし
てボロンナイトライドを塗布した後、窒化珪素質の焼成
ケース中に入れ、以下の表1に示した条件により8時間
焼成を行って、実施例1〜7及び比較例1〜3の各焼結
体を得た。
【0018】
【表1】
【0019】(2)性能評価 上記方法により得られた実施例1〜7及び比較例1〜3
の各焼結体について、以下の方法により性能評価を行っ
た。理論密度比(%)は、アルキメデス法により焼結体
の密度を測定し、混合則で計算した理論密度に対する比
で表すことにより求めた。また、耐電圧値(kV)は、
上記方法により得られた実施例1〜7及び比較例1〜3
の各焼結体の厚さを0.3mmに研磨加工した後、Jl
S C2110「固体電気絶縁材料の絶縁耐力の試験方
法」に基づく常態油中耐電圧測定を行うことにより求め
た。ここで、絶縁破壊電圧測定の際に使用した電極形状
は図1に示すとおりである。尚、JlS規格での試料厚
さは2mmあるいは3mmであるが、半導体用絶縁基板
への適用においては、実際の基板が厚さ約0.3mmで
使用されることが多いために、本試験での試料厚さは
0.3mmとした。更に、室温(25℃)における熱伝
導率(W/m・K)は、上記方法により得られた実施例
1〜7及び比較例1〜3の各焼結体を用いて、これを別
途φ10mm×t2mmに研磨加工した試料を製造し、
JlS R1611「ファインセラミックスのレーザー
フラッシュ法による熱拡散率・比熟容量・熱伝導率試験
方法」に従って測定した。これらの評価結果を以下の表
2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】(3)実験例の効果 表2より、本発明の範囲内である実施例1〜7の各焼結
体では、いずれも熱伝導率が54〜75W/m・Kと高
い値を示すと同時に、理論密度比が98.0〜99.0
%と高い値を示して緻密化を実現しており、更に0.3
mmの試料厚さにおいて耐電圧値が10kV以上の高い
耐電圧性を示している。かかる結果より、実施例1〜7
の各焼結体は、優れた熱伝導性及び絶縁耐圧を奏すると
共に、残留気孔を除去あるいは低減した緻密な焼結体で
あることが判る。特に、アルカリ金属元素を含む実施例
3、5〜7の各焼結体では、耐電圧値が11〜13kV
であり、実施例1、2及び4の焼結体より若干高い値を
示している。かかる結果より、アルカリ金属元素を含有
することにより、高い緻密性を示すとと共に、絶縁耐圧
に優れた焼結体とすることができることが判る。また、
窒化珪素の体積分率が90vol%以上である実施例
1、3、5〜7の各焼結体では、熱伝導率が57〜75
W/m・Kと高い値を示している。特に窒化珪素の体積
分率が大きい実施例3、5〜7では、65〜75W/m
・Kと更に優れた値を示している。この結果から、窒化
珪素の体積分率が90vol%以上とすると、熱伝導率
を向上させることができることが判る。
【0022】これに対し、比較例1の焼結体は、焼結体
中の軽希土類元素の含有量が2質量%と低いことから、
理論密度比が90.1%と小さく、耐電圧値も3kVと
低い値を示している。この結果より、比較例1の焼結体
では、焼結体の緻密化が進んでおらず、絶縁耐圧にも劣
る焼結体であることが判る。また、比較例2の焼結体
は、理論密度比が95.0%と比較例1に比べて若干改
善されているものの、焼結体中の軽希土類元素が15質
量%と多いことから、耐電圧値も7kVと低く、依然と
して絶縁耐圧にも劣る焼結体であることが判る。この原
因については、軽希土類元素が多量に添加されているた
めに窒化珪素の粒成長が過度に進行し、粒界三重点に残
留気孔が残存したためと考えられる。更に、比較例3の
焼結体は、軽希土類元素含有量は本発明の範囲内である
が、SrO含有量が2質量%と少ないことから、理論密
度比が92.3%と小さく、耐電圧値も5kVと低い値
を示している。この結果より、比較例3の焼結体では、
焼結体の緻密化が進んでおらず、絶縁耐圧にも劣る焼結
体であることが判る。
【0023】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の窒化珪素焼結体によれば、窒化
珪素焼結体中、軽希土類元素及びアルカリ土類金属元素
を所定量含有させることにより、優れた熱伝導性及び絶
縁耐圧を奏すると共に、残留気孔を除去あるいは低減し
た緻密な焼結体をより経済的な方法で得ることができ
る。そして、本発明の窒化珪素焼結体は、熱伝導性及び
絶縁耐力に優れていることから、例えば半導体用絶縁基
板等の半導体装置用やOA機器等の各種部品に使用され
るセラミックスとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例において絶縁破壊電圧測定の際に使用し
た電極形状である。
【符号の説明】
1;試料、2:上部電極、3;下部電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正也 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 4G001 BA01 BA05 BA08 BA10 BA32 BB01 BB05 BB08 BB10 BB32 BC23 BD03 BD23 BD38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽希土類元素から選ばれた少なくとも1
    種の元素を酸化物換算量で3〜14質量%及びアルカリ
    土類金属元素を酸化物換算量で3〜10質量%含有し、
    且つ厚さ0.3mmにおける絶縁耐圧が10kV以上で
    あることを特徴とする窒化珪素焼結体。
  2. 【請求項2】 上記窒化珪素焼結体の全成分量からアル
    カリ金属元素の酸化物換算量を除いた残部100質量部
    に対し、アルカリ金属元素を酸化物換算量で0.5質量
    部以下含有する請求項1記載の窒化珪素焼結体。
  3. 【請求項3】 上記窒化珪素焼結体の全成分量からコバ
    ルト元素又は/及びニッケル元素の酸化物換算量を除い
    た残部100質量部に対し、コバルト元素又は/及びニ
    ッケル元素を酸化物換算量で0.05〜2.0質量部含
    有する請求項1記載の窒化珪素焼結体。
  4. 【請求項4】 上記窒化珪素焼結体の全成分量からコバ
    ルト元素又は/及びニッケル元素の酸化物換算量並びに
    アルカリ金属元素の酸化物換算量を除いた残部100質
    量部に対し、アルカリ金属元素を酸化物換算量で0.5
    質量部以下含有する請求項1記載の窒化珪素焼結体。
  5. 【請求項5】 焼結体中に占める窒化珪素の体積分率が
    90〜95vol%であり、且つ室温における熱伝導率
    が54W/m・K以上である請求項1乃至4のいずれか
    に記載の窒化珪素焼結体。
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