JP2002314279A - 冷却装置 - Google Patents

冷却装置

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JP2002314279A
JP2002314279A JP2001121135A JP2001121135A JP2002314279A JP 2002314279 A JP2002314279 A JP 2002314279A JP 2001121135 A JP2001121135 A JP 2001121135A JP 2001121135 A JP2001121135 A JP 2001121135A JP 2002314279 A JP2002314279 A JP 2002314279A
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JP
Japan
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liquid refrigerant
pump
cooling device
flow path
gas
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Pending
Application number
JP2001121135A
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English (en)
Inventor
Yusuke Adachi
祐介 足立
Toru Ninomiya
徹 二宮
Yuko Okano
祐幸 岡野
Katsumi Imada
勝巳 今田
Atsushi Komatsu
敦 小松
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間使用したとしても冷却効果に優れた冷
却装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポンプ11と、このポンプ11に接続さ
れた吸熱器12と、この吸熱器12及びポンプ11に接
続された放熱器13と、ポンプ11、吸熱器12、放熱
器13の内部を通過すると共にこれらの間を接続し閉回
路循環サイクルを形成する流路14と、この流路14内
を循環する液体冷媒とを備え、この液体冷媒は温度が上
昇するに従って加圧されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばノート型のパ
ーソナルコンピュータ(以下ノートパソコンと称す)な
どの持ち運び可能な電子機器に用いる冷却装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷却装置は、特開2001−24
372に示すものが知られている。
【0003】図11は従来の冷却装置を組込んだノート
パソコンに従来の冷却装置を組込んだ時の配置図であ
る。図11において、1はノートパソコンの本体、2は
CPUなどの発熱体、3は伝熱パッド、4は吸熱器、5
はポンプ、6は放熱器、7はノートパソコンの表示ユニ
ット体、8は流路である。またこの流路8の内には水系
やフロン系の液体冷媒が充填されている。
【0004】次にこの冷却装置の動作について説明す
る。
【0005】ノートパソコンの使用時には、ポンプ5に
電源を供給し、作動させて液体冷媒を圧送し、流路8で
接続されたポンプ5−吸熱器4−放熱器6−ポンプ5と
いう閉回路循環サイクル内を液体冷媒が循環するように
なる。従ってポンプ5で押し出された液体冷媒は、吸熱
器4で発熱体2の熱を吸収し、放熱器6へ移動して放熱
して再び冷却されてポンプ5に戻ってくる。これを繰り
返すことによりノートパソコン内で発生した熱を外部へ
放出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この冷却装置を長時間
使用すると、液体冷媒が加熱されて気体が発生し、発生
した気体が液体冷媒と共にポンプ5に流入し、液体冷媒
の流量が低下し、冷却能力が劣化するという問題点を有
していた。
【0007】そこで本発明はこの問題点を解決するもの
で、長時間使用したとしても冷却効果に優れた冷却装置
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、以下の構成を有するものである。
【0009】本発明の請求項1に記載の発明は、特に、
閉回路循環サイクルを形成する流路内を循環させる液体
冷媒は温度上昇とともに加圧されるものであり、液体冷
媒に対する気体の溶解度が上昇するので、液体冷媒から
気体が発生するのを抑制し、冷却効率が劣化するのを防
止する。
【0010】本発明の請求項2に記載の発明は、特に、
液体冷媒の温度変化に対する体積変化率の流路の温度変
化による容積変化率よりも大きくしたものであり、温度
上昇と共に液体冷媒に対する気体の溶解度が上昇するの
で、気体の発生を抑制することができ、冷却効率の劣化
を防止できる。
【0011】本発明の請求項3に記載の発明は、特に、
流路の一部の剛性を他の部分よりも低くしたものであ
り、本発明の冷却装置は、液体冷媒に加わる圧力が高い
程気体の発生を抑制できるのであるが、高くなりすぎる
とポンプ等が破損する恐れが有るため上記構成とするこ
とにより、閉回路循環サイクル内の圧力を適切な範囲に
制御することができる。
【0012】本発明の請求項4に記載の発明は、特に、
流路の内部に液体冷媒と接触かつ液体冷媒が浸入しない
非収縮性物質と、前記液体冷媒に非接触でかつ前記非収
縮性物質に接触した収縮性物質を設けたものであり、本
発明の冷却装置は液体冷媒に加わる圧力が高い程、液体
冷媒からの気体の発生を抑制できるのであるが、液体冷
媒の圧力が高くなりすぎるとポンプ等が破損する恐れが
有るため上記構成とすることにより、冷却効果を維持し
つつ閉回路循環サイクル内の圧力を適切な範囲に制御す
ることができる。
【0013】本発明の請求項5に記載の発明は、特に、
流路に収縮性固体を設けたものであり、本発明の冷却装
置は液体冷媒に加わる圧力が高い程、液体冷媒からの気
体の発生を抑制できるのであるが、液体冷媒の圧力が高
くなりすぎるとポンプ等が破損する恐れが有るため上記
構成とすることにより、冷却効果を維持しつつ閉回路循
環サイクル内の圧力を適切な範囲に制御することができ
る。
【0014】本発明の請求項6に記載の発明は、特に、
ポンプとして圧電素子を貼り合わせたダイアフラムと、
液体冷媒の入、出口となる少なくとも1つの弁で囲まれ
たポンプ室を有するものを用いたものであり、圧電ポン
プは薄型のポンプを構成できるためノートパソコンなど
の電子機器に用いるのに適しているが、長時間使用する
とポンプ室へ気体が侵入し、ポンプ室の容積変化が気体
の伸縮で吸収され、液体冷媒の流量が著しく劣化する問
題があったが本発明の冷却装置は、液体冷媒からの気体
の発生を抑制することができるので、上記圧電ポンプを
用いたとしても液体冷媒の流量が劣化するのを防止で
き、長時間冷却効率に優れたものとなり、従って小型薄
型の電子機器に用いるのに適した冷却装置となる。
【0015】本発明の請求項7に記載の発明は、特に、
閉回路循環サイクルを形成する流路内を循環する液体冷
媒は外気と非接触であると共に中に溶解している気体の
量が液体冷媒の最高使用温度における気体の溶解度より
も少ないものであり、長時間使用し液体冷媒の温度が上
昇したとしても、気体の発生を抑制し冷却効率が劣化す
るのを防止できる。
【0016】本発明の請求項8に記載の発明は、特に、
ポンプは圧電素子を貼り合わせたダイアフラムと、液体
冷媒の入、出口となる少なくとも1つの弁で囲まれたポ
ンプ室を有するものであり、圧電ポンプは薄型のポンプ
を構成できるためノートパソコンなどの電子機器に用い
るのに適しているが、長時間使用するとポンプ室へ気体
が侵入し、ポンプ室の容積変化が気体の伸縮で吸収さ
れ、液体冷媒の流量が著しく劣化する問題があったが本
発明の冷却装置は、液体冷媒からの気体の発生を抑制す
ることができるので、上記圧電ポンプを用いたとしても
液体冷媒の流量が劣化するのを防止でき、長時間冷却効
率に優れたものとなり、従って小型薄型の電子機器に用
いるのに適した冷却装置となる。
【0017】本発明の請求項9に記載の発明は、特に、
閉回路循環サイクルを形成する流路内を循環する液体冷
媒に溶解する気体の量がこの液体冷媒の最高使用温度に
おける気体の溶解度より小さくなるように前記液体冷媒
を加圧したものであり、長時間使用し、液体冷媒の温度
が上昇したとしても、気体の発生を抑制し、冷却効率が
劣化するのを抑制できる。
【0018】本発明の請求項10に記載の発明は、特
に、ポンプは圧電素子を貼り合わせたダイアフラムと、
液体冷媒の入、出口となる少なくとも1つの弁で囲まれ
たポンプ室を有するものであり、圧電ポンプは薄型のポ
ンプを構成できるためノートパソコンなどの電子機器に
用いるのに適しているが、長時間使用するとポンプ室へ
気体が侵入し、ポンプ室の容積変化が気体の伸縮で吸収
され、液体冷媒の流量が著しく劣化する問題があったが
本発明の冷却装置は、液体冷媒からの気体の発生を抑制
することができるので、上記圧電ポンプを用いたとして
も液体冷媒の流量が劣化するのを防止でき、長時間冷却
効率に優れたものとなり、従って小型薄型の電子機器に
用いるのに適した冷却装置となる。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、実施の形
態1を用いて、本発明の特に請求項1,2,3,6に記
載の発明について説明する。
【0020】図1は本発明の実施の形態1〜実施の形態
6における冷却装置を組込んだノートパソコンの模式図
であり、11はポンプ、12はポンプ11に接続した吸
熱器、13はポンプ11及び吸熱器12に接続した放熱
器、14はポンプ11と吸熱器12間、吸熱器12と放
熱器13間及び放熱器13とポンプ11間を接続した流
路である。この流路14によりポンプ11−吸熱器12
−放熱器13−ポンプ11の閉回路循環サイクルを形成
し、この中に液体冷媒を充填して冷却装置を構成してい
る。この冷却装置は液体冷媒が外気と非接触の状態であ
る構成をとる。
【0021】また、15はポンプ11及び吸熱器12を
収納したノートパソコンの本体で、16はCPUなどの
発熱体で伝熱パッド16aを介して吸熱器12と密着さ
せてある。また17は表示部で内部に放熱器13を収納
している。
【0022】図2は本実施の形態1〜実施の形態6に用
いるポンプの断面図であり、21は両面に電極を有する
圧電振動子、22は一方の面に圧電振動子21を貼り付
けた金属ダイアフラム、23aは第1弁押え板、23b
は第2弁押え板、24aは第1弁、24bは第2弁、2
5はポンプ室、26は筐体、27aは液体冷媒の入口、
27bは液体冷媒の出口、28は圧電振動子21にその
一端を接続したリード端子、29は電源である。図にお
いて矢印は液体冷媒の流れる方向を示している。
【0023】ポンプ室25はリング状の筐体26と、こ
の筐体26の上方において圧電振動子21が表面に露出
するように外周部を支持した金属ダイアフラム22と、
下方において支持した第1及び第2弁24a,24b及
び第1及び第2弁押え板23a,23bで囲まれた空間
である。
【0024】また液体冷媒の入、出口27a,27bは
第1及び第2弁24a,24bの下方に設けてある。
【0025】図3は本実施の形態1に用いる吸熱器12
の分解斜視図であり、31は蓋、32は筐体、33a,
33bは入、出口である。図に示すように有底状の筐体
32を封止層(図示せず)を介して樹脂製の蓋31で筐
体32の開口部を封止する。また筐体32の相対向する
側面には液体冷媒の入、出口33a,33bを形成して
いる。液体冷媒は入口33aから筐体32の内部を経由
して出口33bに圧送される。この筐体32内を液体冷
媒が通過する時に発熱体16の熱を吸収する。また入口
33aはポンプ11の出口27bに、出口33bは放熱
器13の入口にそれぞれ流路14を介して接続してい
る。吸熱器12は発熱体16の上面に伝熱パッド16a
を介して取付けられる。
【0026】図4は本実施の形態1に用いる放熱器13
の断面図であり、41は流路、42a,42bは入、出
口、43は筐体である。
【0027】流路41は伝熱性の良いステンレス等の薄
板を貼り合わせて形成された一本の長い弾性体の管とし
たものである。放熱器13は表示部17の内部壁面に伝
熱性に優れた粘着層を介して取付けられる。
【0028】図5は本実施の形態1における冷却装置と
従来の技術で説明した冷却装置のポンプの流量と時間経
過との関係を示したものである。
【0029】図6は空気の水に対する溶解度曲線を示
す。実線は空気の圧力が1×105Paのもの、点線は
空気の圧力が2×105Paのものを示す。実際の空気
の圧力は水の蒸気圧との分圧になるので、温度が上昇す
ると蒸気圧が上がり空気の分圧が下がるので、さらに溶
解度が下がる。
【0030】本実施の形態1においては図6と同様の傾
向を示す水または水にエチレングリコール等の溶剤を混
合して凝固点を下げたもの、またはフッ素系不活性液体
等を用いた。つまり本実施の形態1における液体冷媒
は、温度が上昇すると溶解度が下がり、液体冷媒に溶解
していた気体が液体冷媒中に発生する。また、溶解度は
液体冷媒に接する気体の圧力に比例し、接する気体の圧
力が高いほど溶解度が上がる。本実施の形態1において
は、液体冷媒から気体が発生し、冷却効率の低下を抑制
することを目的としたものである。そのため、本実施の
形態1においては、溶解量の絶対値に差はあるが、図6
と同様の傾向を示す液体冷媒を用いた。
【0031】従って予め温度変化における挙動が分かっ
ている液体冷媒を用いることにより、温度変化における
ポンプ11の特性劣化を抑制することのできる冷却装置
を設計することができる。
【0032】図7は、本実施の形態1における流路14
の一部拡大断面図であり、52は流路弱剛性部であり、
流路14の他の部分よりも剛性を小さくした。流路14
はステンレスなどで形成し、この流路弱剛性部52はス
テンレスよりも剛性の小さい材料あるいは同じ材料でも
他の部分より薄く形成したものであり、冷却装置内の少
なくとも一ヵ所に設けてある。また、この流路14は温
度上昇における液体冷媒の体積変化率よりも小さい容積
変化率を有するような材料で形成すればよい。
【0033】以上のように構成された冷却装置の動作を
図面を参照しながらポンプ11を中心として説明する。
【0034】電源29からリード端子28を介して圧電
振動子21に交流電圧が印加されると圧電振動子21が
上方向に撓む。この時まず第1弁24aの開放端が上方
へ移動し、第1弁押え板23aと第1弁24aの間に隙
間が生じ、入口27aから流入した液体冷媒がこの隙間
からポンプ室25へ流入する。この時第2弁24bは上
方に存在する第2弁押え板23bにより閉じたままであ
る。次いで圧電振動子21が下方に撓むと、第2弁24
bの開放端が下方へ移動し、第2弁押え板23bと第2
弁24bとの間に隙間が生じ、この隙間からポンプ室2
5の液体冷媒が流出し、出口27bから吸熱器12側へ
圧送される(図2中液体冷媒の移動方向を矢印で示
す。)。
【0035】圧電振動子21を上下方向に連続的に撓ま
せることにより、上記動作が繰り返し行われ、液体冷媒
がポンプ11−吸熱器12−放熱器13−ポンプ11と
いう閉回路循環サイクルにより形成された冷却装置内を
循環することになる。
【0036】この液体冷媒はポンプ11で最も低温とな
るように放熱器13からポンプ11へ液体冷媒が流入
し、吸熱器12へ流出させている。これはポンプ11が
温度によりその特性が変化するのを防止するためであ
る。
【0037】次にポンプ11で押し出された液体冷媒
は、吸熱器12において発熱体16の熱を吸収し、放熱
器13へ移動し、放熱器13で放熱し、再び冷却されて
ポンプ11に戻ってくる。これを繰り返すことによりノ
ートパソコン内で発生した熱を外部へ放出する。
【0038】以上のように構成された冷却装置の特性に
ついて説明する。
【0039】図5は本実施の形態1の冷却装置のポンプ
と従来の技術で説明した冷却装置のポンプの流量と時間
経過との関係を示したものである。
【0040】従ってこの図からも分かるように本実施の
形態1の冷却装置は、長時間連続して使用しても、ポン
プ11の流量が劣化せず優れた冷却効果を示す。
【0041】つまり本実施の形態1における液体冷媒
は、温度が上昇するに従って膨張するが、その体積変化
率は、流路14の温度変化による容積変化率よりも大き
いため、結果的に液体冷媒が加圧された状態となり、気
体の溶解度が上昇し、液体冷媒からの気体の発生を抑制
できるので、ポンプ11のポンプ室25に気体が滞留す
ることなく液体冷媒は使用開始時と変わらず循環するた
め安定して冷却することができるのである。
【0042】以上のように本実施の形態1における冷却
装置においては、液体冷媒は温度が上昇するにつれて加
圧されるので、気体の溶解度が温度上昇と共に増加し、
液体冷媒から気体の発生を抑制できるので、安定した冷
却効果を有するものとなる。
【0043】また液体冷媒として水のように熱膨張する
ものを用いると共に、流路14を液体冷媒の温度変化に
対する体積変化よりも温度変化による容積変化が小さい
材料で形成することにより、液体冷媒は温度が上昇する
につれて加圧されることとなり、気体の発生を抑制をす
ることができる。
【0044】さらに本実施の形態1における冷却装置で
は、液体冷媒の体積変化は、流路14の温度変化による
容積変化よりも大きいため、結果的に液体冷媒が加圧さ
れた状態となるが、液体冷媒として水を用いた場合、そ
の体積変化率は室温(例えば25℃)と最高使用温度
(例えば60℃)では1.5%程度にもなる。そのため
流路14の材料としてステンレスを選定した場合、流路
14の容積変化が非常に小さく剛性が大きいので、液体
冷媒の圧力が高くなりすぎると、ポンプ11等が破損す
る可能性がある。
【0045】従って図7に示すように流路14の一部に
他の部分よりも剛性が小さい材料で形成した流路弱剛性
部52を設けることにより、液体冷媒からの気体の発生
を抑制しつつ、液体冷媒を適正な圧力に制御できる。例
えば液体冷媒が水で冷媒に溶解している空気の量が24
ppm、最高使用温度が60℃の場合、20℃で流路1
4内の液体冷媒の圧力が1×105Paであれば、最高
使用温度、1×105Paでの空気の液体冷媒に対する
溶解度は15ppmであるが、水の蒸気圧が2×104
Paなので、空気の分圧は8×104Paとなり実際の
気体の溶解度は12.1ppmとなる。
【0046】したがって、気体が発生しないためには液
体冷媒の圧力を外気に対して0.8×105Pa以上の
冷媒圧力が必要であり、一般的なポンプの耐圧が外気に
対して2×105Paとすると、液体冷媒の最高温度で
0.8×105〜2.0×10 5Paの圧力になるように
流路弱剛性部52を設計することで、液体冷媒の体積膨
張に対し流路弱剛性部52が変形し、冷却装置を破損す
ることなく、安定した冷却効果を有する冷却装置を提供
することができる。
【0047】さらに、本発明の冷却装置はノートパソコ
ンのような薄型の電子機器に組込まれることを想定して
いるので、ポンプ11として図2に示すような圧電振動
子21を貼り合わせた金属ダイアフラム22と、第1及
び第2弁24a,24bで囲まれたポンプ室25を有
し、圧電振動子21を駆動することによりポンプ室25
の容積変化を利用した薄型のポンプを用いたとしても長
時間安定した冷却効果を有する。
【0048】(実施の形態2)以下実施の形態2を用い
て本発明の特に請求項1,2,4,6に記載の発明につ
いて説明する。
【0049】本実施の形態2においても実施の形態1と
同じ図1から図4に示す冷却装置、ポンプ11、吸熱器
12、放熱器13、液体冷媒を用いるのでその説明を省
略する。
【0050】図8は本実施の形態2における流路14の
一部拡大断面図であり、53は圧力変化とともに収縮す
る空気などの収縮性物質、54は液体冷媒と反応せずか
つ液体冷媒が浸入することのないオイルなどの非収縮性
物質である。収縮性物質53、非収縮性物質54ともに
気体、液体、固体のどのような状態の物質でも構わな
い。しかしながら、収縮性物質53は常に非収縮性物質
54で全体を被覆されているか、非収縮性物質54と流
路14で被覆されている状態とし、液体冷媒から隔離す
る。
【0051】本実施の形態2においては、実施の形態1
と異なる部分についてのみ説明する。
【0052】実施の形態1において説明したように液体
冷媒の体積変化は、流路14の温度変化による容積変化
よりも大きい。そのため例えば液体冷媒として水を用
い、流路14を全て同じ厚みのステンレスで形成した場
合、温度上昇と共に液体冷媒の圧力が非常に高くなり、
ポンプ11等が破損する可能性がある。
【0053】そこで実施の形態1においては流路14の
一部に流路弱剛性部52を形成したのであるが、本実施
の形態2においては液体冷媒からの気体の発生を抑制し
つつ、液体冷媒を適正な圧力に制御する方法を説明す
る。
【0054】つまり、図8に示すように温度上昇と共に
液体冷媒の圧力が高くなりすぎた場合は、収縮性物質5
3が収縮し、液体冷媒の圧力を緩和し液体冷媒を適正な
圧力に制御する。従って冷却装置を破損することなく、
長時間安定した冷却効果を有する冷却装置を提供するこ
とができる。
【0055】以上のように本実施の形態2における冷却
装置は、流路14の一部に液体冷媒と接触するものの液
体冷媒が浸入しない非収縮性物質54と、液体冷媒に非
接触かつ非収縮性物質54に接触させた収縮性物質53
を設けることにより、液体冷媒の温度上昇における圧力
変化を緩和し、液体冷媒を適正な圧力に制御することが
できる。
【0056】(実施の形態3)以下実施の形態3を用い
て本発明の特に請求項1,2,5,6に記載の発明につ
いて説明する。
【0057】本実施の形態3においても実施の形態1と
同じ図1から図4に示す冷却装置、ポンプ11、吸熱器
12、放熱器13、液体冷媒を用いるのでその説明を省
略する。
【0058】図9は本実施の形態3における流路14の
一部拡大断面図であり、55はシリコンゴム等の液体冷
媒と反応しない収縮性固体である。
【0059】本実施の形態3においても、実施の形態1
と異なる部分についてのみ説明する。
【0060】実施の形態1において説明したように液体
冷媒の体積変化は、流路14の温度変化による容積変化
よりも大きい。そのため例えば液体冷媒として水を用
い、流路14を全て同じ厚みのステンレスで形成した場
合、温度上昇と共に液体冷媒の圧力が非常に高くなり、
ポンプ11等が破損する可能性がある。
【0061】そこで実施の形態1においては流路14の
一部に流路弱剛性部52を形成したのであるが、本実施
の形態3においては別の方法で、液体冷媒からの気体の
発生を抑制しつつ、液体冷媒を適正な圧力に制御する。
つまり、図9に示すように温度上昇と共に液体冷媒の圧
力が高くなりすぎた場合、収縮性固体55が収縮するこ
とにより、液体冷媒を適正な圧力に制御できる。
【0062】以上本実施の形態3の冷却装置において
は、流路14の一部に収縮性固体55を設けることによ
り、液体冷媒を適正な圧力に制御し、冷却装置の破損を
防止し、長時間安定した冷却効果を有するものとなる。
【0063】(実施の形態4)以下実施の形態4を用い
て本発明の特に請求項7,8に記載の発明について説明
する。
【0064】本実施の形態4においても実施の形態1と
同じ図1から図4に示す冷却装置、ポンプ11、吸熱器
12、放熱器13、流路14を用いるのでその説明を省
略する。
【0065】本実施の形態4においては、常温における
液体冷媒に溶解している気体の量を予め液体冷媒の最高
温度における溶解度よりも小さくした上で流路に充填す
るとともに、液体冷媒を気体と非接触にすることで、温
度が上昇しても液体冷媒から気体が発生せず、安定した
冷却効果を得ることができる。例えば液体冷媒として水
を用い最高温度が60℃の場合、図6に水に対する空気
の溶解度が示すように、また60℃における水の蒸気圧
も考慮に入れて、液体冷媒に溶解している気体の量を1
2.1ppm以下にすることで、液体冷媒が最高温度で
も気体が発生せず、安定した冷却効果を有する冷却装置
を提供することができる。
【0066】(実施の形態5)以下実施の形態5を用い
て本発明の特に請求項9,10に記載の発明について説
明する。本実施の形態5においても実施の形態1と同じ
図1から図4に示す冷却装置、ポンプ11、吸熱器1
2、放熱器13、流路14を用いるのでその説明を省略
する。
【0067】本実施の形態5では、液体冷媒の最高温度
でも液体冷媒に溶解している気体の量が溶解度よりも小
さくなるように加圧し、液体冷媒が気体と非接触にする
ことで温度が上昇しても液体冷媒から気体が発生するの
を抑制する。例えば液体冷媒として水を用い、最高温度
が60℃の場合、図6の水に対する空気の溶解度が示す
ように液体冷媒の圧力を1.6×105Pa以上にする
ことで、液体冷媒が最高温度でも気体が発生せず安定し
た冷却効果を有する冷却装置を提供することができる。
【0068】(実施の形態6)以下実施の形態6を用い
て本発明の特に請求項1,7,9に記載の発明について
説明する。図10は本実施の形態6における冷却装置の
斜視図であり、62は吸熱器、63はポンプ、64は放
熱器である。プレート状の放熱器64の表面にポンプ6
3、吸熱器62を設置している。冷却装置の動作時に
は、ポンプ63に電源を供給し作動させて液体冷媒を圧
送し、ポンプ63−吸熱器62−放熱器64−ポンプ6
3という閉回路循環サイクル内を液体冷媒が循環するよ
うになる。ポンプ63と吸熱器62、吸熱器62と放熱
器64、放熱器64とポンプ63の間はそれぞれ流路に
より接続されている。
【0069】従ってポンプ63で押し出された液体冷媒
は、吸熱器62でCPUなどの発熱体(図示せず)の熱
を吸収し、放熱器64へ移動して放熱して再び冷却され
てポンプ63に戻ってくる。これを繰り返すことにより
発熱体(図示せず)で発生した熱を外部へ放出する。
【0070】また、温度が上昇するに連れて液体冷媒は
膨張するが、その体積変化率は流路の温度変化による容
積変化率よりも大きいため、結果的に液体冷媒が加圧さ
れた状態となり、気体の溶解度が上昇し、液体冷媒から
気体が発生するのを抑制できるので、液体冷媒は使用開
始時と変わらず循環するため安定して冷却することがで
きるのである。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明の冷却装置は、閉回
路循環サイクルを形成する流路内を循環させる液体冷媒
は温度が上昇するに連れて加圧されるものであり、液体
冷媒に対する気体の溶解度が上昇するので、液体冷媒か
ら気体が発生するのを抑制し、冷却効率が劣化するのを
防止する。その結果として長時間使用したとしても冷却
効率に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1〜5における冷却装置を
内蔵したノートパソコンの模式図
【図2】本発明の実施の形態1〜5におけるポンプの断
面図
【図3】本発明の実施の形態1〜5における吸熱器の分
解斜視図
【図4】本発明の実施の形態1〜5における放熱器の断
面図
【図5】本発明の実施の形態1〜5における液体冷媒の
流量の時間変化を示す曲線図
【図6】水に対する空気の溶解度を示す曲線図
【図7】本発明の実施の形態1における流路の拡大断面
【図8】本発明の実施の形態2における流路の拡大断面
【図9】本発明の実施の形態3における流路の拡大断面
【図10】本発明の実施の形態6における冷却装置の斜
視図
【図11】従来の冷却装置を組込んだノートパソコンの
斜視図
【符号の説明】
11 ポンプ 12 吸熱器 13 放熱器 14 流路 15 本体 16 発熱体 16a 伝熱パッド 17 表示部 21 圧電振動子 22 金属ダイアフラム 23a 第1弁押え板 23b 第2弁押え板 24a 第1弁 24b 第2弁 25 ポンプ室 26 筐体 27a 入口 27b 出口 28 リード端子 29 電源 31 蓋 32 筐体 33a 入口 33b 出口 41 流路 42a 入口 42b 出口 43 筐体 52 流路弱剛性部 53 収縮性物質 54 非収縮性物質 55 収縮性固体 62 吸熱器 63 ポンプ 64 放熱器
フロントページの続き (72)発明者 岡野 祐幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 今田 勝巳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小松 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3L044 BA06 CA14 DB02 FA02 FA04 5E322 DA01 DA02 EA11 FA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプと、このポンプに接続された吸熱
    器と、この吸熱器及び前記ポンプに接続された放熱器
    と、前記ポンプ、吸熱器、放熱器の内部を通過すると共
    にこれらの間を接続し閉回路循環サイクルを形成する流
    路と、この流路内を循環し温度上昇と共に気体の溶解度
    が減少する液体冷媒とを備え、この液体冷媒は温度の上
    昇とともに加圧されるように構成した冷却装置。
  2. 【請求項2】 液体冷媒の温度上昇による体積膨張は、
    流路の温度上昇による容積膨張よりも大きくした請求項
    1に記載の冷却装置。
  3. 【請求項3】 流路の一部の剛性を他の部分よりも低く
    した請求項2に記載の冷却装置。
  4. 【請求項4】 流路内部に液体冷媒と接触しかつ前記液
    体冷媒の浸入不可能な物質と、前記液体冷媒に非接触で
    かつ前記物質に接触させた収縮性物質を設けた請求項2
    に記載の冷却装置。
  5. 【請求項5】 流路に収縮性固体を設けた請求項2に記
    載の冷却装置。
  6. 【請求項6】 ポンプは、圧電素子を貼り合わせたダイ
    アフラムと、液体冷媒の入、出口となる少なくとも1つ
    の弁で囲まれたポンプ室を有するものである請求項1に
    記載の冷却装置。
  7. 【請求項7】 ポンプと、このポンプに接続された吸熱
    器と、この吸熱器及び前記ポンプに接続された放熱器
    と、前記ポンプ、吸熱器、放熱器の内部を通過すると共
    にこれらの間を接続し閉回路循環サイクルを形成する流
    路と、この流路内を循環する液体冷媒とを備え、この液
    体冷媒に溶解している気体の量は前記液体冷媒の使用温
    度範囲内での前記気体の最低溶解度よりも少なくした冷
    却装置。
  8. 【請求項8】 ポンプは、圧電素子を貼り合わせたダイ
    アフラムと、液体冷媒の入、出口となる少なくとも1つ
    の弁で囲まれたポンプ室を有するものである請求項7に
    記載の冷却装置。
  9. 【請求項9】 ポンプと、このポンプに接続された吸熱
    器と、この吸熱器及び前記ポンプに接続された放熱器
    と、前記ポンプ、吸熱器、放熱器の内部を通過すると共
    にこれらの間を接続し閉回路循環サイクルを形成する流
    路と、この流路内を循環する液体冷媒とを備え、この液
    体冷媒に溶解する気体の量はこの液体冷媒の使用温度範
    囲内での前記気体の最低溶解度より多くなるように前記
    液体冷媒を加圧した冷却装置。
  10. 【請求項10】 ポンプは、圧電素子を貼り合わせたダ
    イアフラムと、液体冷媒の入、出口となる少なくとも1
    つの弁で囲まれたポンプ室を有するものである請求項9
    に記載の冷却装置。
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