JP2002313981A - チップ部品の作製方法及びこれを用いた素子の配列方法、画像表示装置の製造方法 - Google Patents

チップ部品の作製方法及びこれを用いた素子の配列方法、画像表示装置の製造方法

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JP2002313981A
JP2002313981A JP2001120297A JP2001120297A JP2002313981A JP 2002313981 A JP2002313981 A JP 2002313981A JP 2001120297 A JP2001120297 A JP 2001120297A JP 2001120297 A JP2001120297 A JP 2001120297A JP 2002313981 A JP2002313981 A JP 2002313981A
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light emitting
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Yoshiyuki Yanagisawa
喜行 柳澤
Toshiaki Iwabuchi
寿章 岩渕
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Sony Corp
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    • H01L24/80Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected
    • H01L24/83Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected using a layer connector

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細なチップ部品化を可能とし、また、チッ
プ部品へのビアホール形成を簡単なものとする。 【解決手段】 機能素子を絶縁性物質に埋め込み、絶縁
性物質をダイシングして各機能素子毎に分割してチップ
部品とする。このとき、レーザビームを照射してダイシ
ングを行う。また、レーザビームを照射して機能素子の
電極に対応して絶縁性物質にビアホールを形成する。こ
れらダイシングとビアホール形成を同時に行ってもよ
い。ダイシングやビアホール形成をレーザビームを用い
て行うことにより、微細加工が可能となり、微小チップ
部品にも対応可能となる。また、プロセスも簡便であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ部品の作製
方法に関するものであり、さらには、これを応用し微細
加工された素子をより広い領域に転写する素子の配列方
法および画像表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発光素子をマトリクス状に配列して画像
表示装置に組み上げる場合には、従来、液晶表示装置
(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディス
プレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)のよう
に基板上に直接素子を形成するか、あるいは発光ダイオ
ードディスプレイ(LEDディスプレイ)のように単体
のLEDパッケージを配列することが行われている。例
えば、LCD、PDPの如き画像表示装置においては、
素子分離ができないために、製造プロセスの当初から各
素子はその画像表示装置の画素ピッチだけ間隔を空けて
形成することが通常行われている。
【0003】一方、LEDディスプレイの場合には、L
EDチップをダイシング後に取り出し、個別にワイヤー
ボンドもしくはフリップチップによるバンプ接続により
外部電極に接続し、パッケージ化されることが行われて
いる。この場合、パッケージ化の前もしくは後に画像表
示装置としての画素ピッチに配列されるが、この画素ピ
ッチは素子形成時の素子のピッチとは無関係とされる。
【0004】発光素子であるLED(発光ダイオード)
は高価である為、1枚のウエハから数多くのLEDチッ
プを製造することによりLEDを用いた画像表示装置を
低コストにできる。すなわち、LEDチップの大きさを
従来約300μm角のものを数十μm角のLEDチップ
にして、それを接続して画像表示装置を製造すれば画像
表示装置の価格を下げることができる。
【0005】そこで各素子を集積度高く形成し、各素子
を広い領域に転写などによって離間させながら移動さ
せ、画像表示装置などの比較的大きな表示装置を構成す
る技術が有り、例えば米国特許第5438241号に記載され
る薄膜転写法や、特開平11-142878号に記載さ
れる表示用トランジスタアレイパネルの形成方法などの
技術が知られている。米国特許第5438241号では基板上
に密に形成した素子が粗に配置し直される転写方法が開
示されており、接着剤付きの伸縮性基板に素子を転写し
た後、各素子の間隔と位置をモニターしながら伸縮性基
板がX方向とY方向に伸張される。そして伸張された基
板上の各素子が所要のディスプレイパネル上に転写され
る。また、特開平11-142878号に記載される技
術では、第1の基板上の液晶表示部を構成する薄膜トラ
ンジスタが第2の基板上に全体転写され、次にその第2
の基板から選択的に画素ピッチに対応する第3の基板に
転写する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような転写技術
により画像表示装置を製造する場合、効率的な転写、精
度の良い転写を実現するために、素子をチップ部品化す
ることが好ましい。ここで、素子をチップ部品化するに
は、素子を絶縁性物質(例えば樹脂)に埋め込み、これ
を素子毎に切り出せばよい。また、チップ部品化したと
きには、素子の電極に対応して電気的接続を取るための
ビアホールの形成も必要である。
【0007】素子が埋め込まれた樹脂をダイシングして
チップ部品として切り出すには、通常は機械的な手段が
考えられる。例えば、ダイシングブレードを回転しなが
ら樹脂に押し当て、剪断力によりこれを切断する方法で
ある。しかしながら、機械的な手段では、いわゆるバリ
が発生し易く、微細加工には向かない。また、機械的加
工では、歪みが発生し、不要な応力が加わる虞れもあ
る。
【0008】チップ部品に素子の電極に対応したビアホ
ールを形成する場合も同様である。また、ビアホールの
形成方法としては、エッチングなどの手法も考えられる
が、工程が非常に煩雑であり、生産性の点で不利であ
る。特に、異なる材料が多層化されている場合には、エ
ッチャントを変更して複数回のエッチングが必要となる
など、プロセス数が増加し製造コストの増加を招く。
【0009】本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、機能素子に対応して微細なチップ部
品化が可能なチップ部品の作製方法を提供することを目
的とし、さらには、それを応用した素子の配列方法、画
像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、ビアホールを簡単に形成することが可能
なチップ部品の作製方法を提供することを目的とし、さ
らには、それを応用した素子の配列方法、画像表示装置
の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発
明は、プロセス数を減らし製造コストを低減することが
可能なチップ部品の作製方法、素子の配列方法、画像表
示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のチップ部品の作製方法は、機能素子を絶
縁性物質に埋め込み、当該絶縁性物質を切断して各機能
素子毎に分割するチップ部品の作製方法において、レー
ザビームを照射して上記絶縁性物質の切断を行うことを
特徴とするものである。また、機能素子を絶縁性物質に
埋め込み、機能素子の電極に対応して絶縁性物質にビア
ホールを形成するチップ部品の作製方法において、レー
ザビームを照射して上記絶縁性物質にビアホールを形成
することを特徴とする。
【0011】ダイシングにレーザビームを用いること
で、微細機能素子に対応した微細加工が可能であり、微
小チップ部品の切り出しが実現される。このとき、歪み
が発生したり、不要な応力が加わることはない。ビアホ
ール形成も同様であり、レーザビームを用いることで微
細加工が可能である。また、エッチングに比べてプロセ
スが簡便である。特に、ダイシングとビアホール形成を
レーザビームを用いて同時に行えば、プロセス数が大幅
に減り、製造コストの低減が図られる。
【0012】一方、本発明の素子の配列方法は、第一基
板上に配列された複数の素子を第二基板上に再配列する
素子の配列方法において、前記第一基板上に保持された
前記素子を樹脂で固めた後、前記樹脂をダイシングによ
り素子毎に分離して樹脂形成チップとする工程と、前記
第一基板上で前記素子が配列された状態よりは離間した
状態となるように前記樹脂形成チップを第二基板上に転
写する転写工程とを有し、上記ダイシングは、レーザビ
ームを照射することにより行うこと特徴とするものであ
る。
【0013】また、第一基板上に配列された複数の素子
を第二基板上に再配列する素子の配列方法において、前
記第一基板上に保持された前記素子を樹脂で固めた後、
前記樹脂を用いたダイシングにより素子毎に分離して樹
脂形成チップとする工程と、前記第一基板上で前記素子
が配列された状態よりは離間した状態となるように前記
樹脂形成チップを第二基板上に転写する転写工程とを有
し、レーザビームの照射により上記素子の電極に対応し
て上記樹脂にビアホールを形成することを特徴とするも
のである。上記方法においては、上記チップ部品の作製
方法の利点をそのままに、素子の転写が効率的且つ確実
に行われるので、素子間の距離を大きくする拡大転写を
円滑に実施することができる。
【0014】さらに、本発明の画像表示装置の製造方法
は、発光素子をマトリクス状に配置した画像表示装置の
製造方法において、前記第一基板上に保持された前記発
光素子を樹脂で固めた後、前記樹脂をダイシングにより
発光素子毎に分離して樹脂形成チップとする工程と、前
記第一基板上で前記発光素子が配列された状態よりは離
間した状態となるように前記樹脂形成チップを第二基板
上に転写する転写工程とを有し、上記ダイシングは、レ
ーザビームを照射することにより行うこと特徴とするも
のである。
【0015】また、発光素子をマトリクス状に配置した
画像表示装置の製造方法において、前記第一基板上に保
持された前記発光素子を樹脂で固めた後、前記樹脂を用
いたダイシングにより発光素子毎に分離して樹脂形成チ
ップとする工程と、前記第一基板上で前記発光素子が配
列された状態よりは離間した状態となるように前記樹脂
形成チップを第二基板上に転写する転写工程とを有し、
レーザビームの照射により上記発光素子の電極に対応し
て上記樹脂にビアホールを形成することを特徴とするも
のである。
【0016】上記画像表示装置の製造方法によれば、上
記チップ部品の作製方法によりチップ部品化された発光
素子が、上記配列方法によってマトリクス状に配置さ
れ、画像表示部分が構成される。したがって、密な状態
すなわち集積度を高くして微細加工を施して作成された
発光素子を、効率よく離間して再配置することができ、
生産性が大幅に改善される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したチップ部
品の作製方法、素子の配列方法、及び画像表示装置の製
造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
最初に、二段階拡大転写法を例にして、チップ部品の作
製方法、素子の配列方法及び画像表示装置の製造方法を
説明する。
【0018】本例では、先ず、高集積度をもって第一基
板上に作成された素子を第一基板上で素子が配列された
状態よりは離間した状態となるように一時保持用部材に
転写し、次いで一時保持用部材に保持された前記素子を
さらに離間して第二基板上に転写する二段階の拡大転写
を行う。なお、本例では転写を2段階としているが、素
子を離間して配置する拡大度に応じて転写を三段階やそ
れ以上の多段階とすることもできる。
【0019】図1は二段階拡大転写法の基本的な工程を
示す図である。まず、図1の(a)に示す第一基板10上
に、例えば発光素子のような素子12を密に形成する。
素子を密に形成することで、各基板当たりに生成される
素子の数を多くすることができ、製品コストを下げるこ
とができる。第一基板10は例えば半導体ウエハ、ガラ
ス基板、石英ガラス基板、サファイア基板、プラスチッ
ク基板などの種々素子形成可能な基板であるが、各素子
12は第一基板10上に直接形成したものであっても良
く、他の基板上で形成されたものを配列したものであっ
ても良い。
【0020】次に図1の(b)に示すように、第一基板1
0から各素子12が図中破線で示す一時保持用部材11
に転写され、この一時保持用部材11の上に各素子12
が保持される。ここで隣接する素子12は離間され、図
示のようにマトリクス状に配される。すなわち素子12
はx方向にもそれぞれ素子の間を広げるように転写され
るが、x方向に垂直なy方向にもそれぞれ素子の間を広
げるように転写される。このとき離間される距離は、特
に限定されず、一例として後続の工程での樹脂部形成や
電極パッドの形成を考慮した距離とすることができる。
一時保持用部材11上に第一基板10から転写した際に
第一基板10上の全部の素子が離間されて転写されるよ
うにすることができる。この場合には、一時保持用部材
11のサイズはマトリクス状に配された素子12の数
(x方向、y方向にそれぞれ)に離間した距離を乗じた
サイズ以上であれば良い。また、一時保持用部材11上
に第一基板10上の一部の素子が離間されて転写される
ようにすることも可能である。
【0021】このような第一転写工程の後、図1の(c)
に示すように、一時保持用部材11上に存在する素子1
2は離間されていることから、各素子12毎に素子周り
の樹脂の被覆と電極パッドの形成が行われる。素子周り
の樹脂の被覆は電極パッドを形成し易くし、次の第二転
写工程での取り扱いを容易にするなどのために形成され
る。電極パッドの形成は、後述するように、最終的な配
線が続く第二転写工程の後に行われるため、その際に配
線不良が生じないように比較的大き目のサイズに形成さ
れるものである。なお、図1の(c)には電極パッドは図
示していない。各素子12の周りを樹脂13が覆うこと
で樹脂形成チップ14が形成される。素子12は平面
上、樹脂形成チップ14の略中央に位置するが、一方の
辺や角側に偏った位置に存在するものであっても良い。
【0022】次に、図1の(d)に示すように、第二転写
工程が行われる。この第二転写工程では一時保持用部材
11上でマトリクス状に配される素子12が樹脂形成チ
ップ14ごと更に離間するように第二基板15上に転写
される。
【0023】第二転写工程においても、隣接する素子1
2は樹脂形成チップ14ごと離間され、図示のようにマ
トリクス状に配される。すなわち素子12はx方向にも
それぞれ素子の間を広げるように転写されるが、x方向
に垂直なy方向にもそれぞれ素子の間を広げるように転
写される。第二転写工程のよって配置された素子の位置
が画像表示装置などの最終製品の画素に対応する位置で
あるとすると、当初の素子12間のピッチの略整数倍が
第二転写工程のよって配置された素子12のピッチとな
る。ここで第一基板10から一時保持用部材11での離
間したピッチの拡大率をnとし、一時保持用部材11か
ら第二基板15での離間したピッチの拡大率をmとする
と、略整数倍の値EはE=nxmであらわされる。拡大
率n、mはそれぞれ整数であっても良く、整数でなくと
もEが整数となる組み合わせ(例えばn=2.4でm=5)
であれば良い。
【0024】第二基板15上に樹脂形成チップ14ごと
離間された各素子12には、配線が施される。この時、
先に形成した電極パッド等を利用して接続不良を極力抑
えながらの配線がなされる。この配線は例えば素子12
が発光ダイオードなどの発光素子の場合には、p電極、
n電極への配線を含み、液晶制御素子の場合は、選択信
号線、電圧線や、配向電極膜などの配線等を含む。
【0025】図1に示した二段階拡大転写法において
は、第一転写後の離間したスペースを利用して電極パッ
ドや樹脂固めなどを行うことができ、そして第二転写後
に配線が施されるが、先に形成した電極パッド等を利用
して接続不良を極力抑えながらの配線がなされる。従っ
て、画像表示装置の歩留まりを向上させることができ
る。また、本例の二段階拡大転写法においては、素子間
の距離を離間する工程が2工程であり、このような素子
間の距離を離間する複数工程の拡大転写を行うことで、
実際は転写回数が減ることになる。すなわち、例えば、
ここで第一基板10、10aから一時保持用部材11、
11aでの離間したピッチの拡大率を2(n=2)と
し、一時保持用部材11、11aから第二基板15での
離間したピッチの拡大率を2(m=2)とすると、仮に
一度の転写で拡大した範囲に転写しようとしたときで
は、最終拡大率が2×2の4倍で、その二乗の16回の
転写すなわち第一基板のアライメントを16回行う必要
が生ずるが、本例の二段階拡大転写法では、アライメン
トの回数は第一転写工程での拡大率2の二乗の4回と第
二転写工程での拡大率2の二乗の4回を単純に加えただ
けの計8回で済むことになる。即ち、同じ転写倍率を意
図する場合においては、(n+m)=n+2nm+
であることから、必ず2nm回だけ転写回数を減ら
すことができることになる。従って、製造工程も回数分
だけ時間や経費の節約となり、特に拡大率の大きい場合
に有益となる。
【0026】なお、図1に示した二段階拡大転写法にお
いては、素子12を例えば発光素子としているが、これ
に限定されず、他の素子例えば液晶制御素子、光電変換
素子、圧電素子、薄膜トランジスタ素子、薄膜ダイオー
ド素子、抵抗素子、スイッチング素子、微小磁気素子、
微小光学素子から選ばれた素子若しくはその部分、これ
らの組み合わせなどであっても良い。
【0027】上記転写工程においては、発光ダイオード
は樹脂形成チップとして取り扱われ、一時保持用部材上
から第二基板にそれぞれ転写されるが、この樹脂形成チ
ップについて図2及び図3を参照して説明する。
【0028】樹脂形成チップ20は、離間して配置され
ている素子21の周りを樹脂22で固めたものであり、
このような樹脂形成チップ20は、一時保持用部材から
第二基板に素子21を転写する場合に使用できるもので
ある。本発明は、この樹脂形成チップ20のダイシン
グ、あるいはビアホールの形成に適用されるものである
が、それについては後に詳述する。
【0029】樹脂形成チップ20は略平板上でその主た
る面が略正方形状とされる。この樹脂形成チップ20の
形状は樹脂22を固めて形成された形状であり、具体的
には未硬化の樹脂を各素子21を含むように全面に塗布
し、これを硬化した後で縁の部分をダイシング等で切断
することで得られる形状である。なお、この樹脂形成チ
ップ20の一時保持用部材側の面には、先に述べたよう
な凹部を形成し、後述の転写工程において飛散方向を制
御するようにしてもよい。
【0030】略平板状の樹脂22の表面側と裏面側には
それぞれ電極パッド23,24が形成される。これら電
極パッド23,24の形成は全面に電極パッド23,2
4の材料となる金属層や多結晶シリコン層などの導電層
を形成し、フォトリソグラフィー技術により所要の電極
形状にパターンニングすることで形成される。これら電
極パッド23,24は発光素子である素子21のp電極
とn電極にそれぞれ接続するように形成されており、必
要な場合には樹脂22にビアホールなどが形成される。
【0031】ここで電極パッド23,24は樹脂形成チ
ップ20の表面側と裏面側にそれぞれ形成されている
が、一方の面に両方の電極パッドを形成することも可能
であり、例えば薄膜トランジスタの場合ではソース、ゲ
ート、ドレインの3つの電極があるため、電極パッドを
3つ或いはそれ以上形成しても良い。電極パッド23,
24の位置が平板上ずれているのは、最終的な配線形成
時に上側からコンタクトをとっても重ならないようにす
るためである。電極パッド23,24の形状も正方形に
限定されず他の形状としても良い。
【0032】このような樹脂形成チップ20を構成する
ことで、素子21の周りが樹脂22で被覆され平坦化に
よって精度良く電極パッド23,24を形成できるとと
もに素子21に比べて広い領域に電極パッド23,24
を延在でき、次の第二転写工程での転写を吸着治具で進
める場合には取り扱いが容易になる。後述するように、
最終的な配線が続く第二転写工程の後に行われるため、
比較的大き目のサイズの電極パッド23,24を利用し
た配線を行うことで、配線不良が未然に防止される。
【0033】次に、図4に本例の二段階拡大転写法で使
用される素子の一例としての発光素子の構造を示す。図
4の(a)が素子断面図であり、図4の(b)が平面図
である。この発光素子はGaN系の発光ダイオードであ
り、たとえばサファイア基板上に結晶成長される素子で
ある。このようなGaN系の発光ダイオードでは、基板
を透過するレーザ照射によってレーザアブレーションが
生じ、GaNの窒素が気化する現象にともなってサファ
イア基板とGaN系の成長層の間の界面で膜剥がれが生
じ、素子分離を容易なものにできる特徴を有している。
【0034】まず、その構造については、GaN系半導
体層からなる下地成長層31上に選択成長された六角錐
形状のGaN層32が形成されている。なお、下地成長
層31上には図示しない絶縁膜が存在し、六角錐形状の
GaN層32はその絶縁膜を開口した部分にMOCVD
法などによって形成される。このGaN層32は、成長
時に使用されるサファイア基板の主面をC面とした場合
にS面(1−101面)で覆われたピラミッド型の成長
層であり、シリコンをドープさせた領域である。このG
aN層32の傾斜したS面の部分はダブルへテロ構造の
クラッドとして機能する。GaN層32の傾斜したS面
を覆うように活性層であるInGaN層33が形成され
ており、その外側にマグネシウムドープのGaN層34
が形成される。このマグネシウムドープのGaN層34
もクラッドとして機能する。
【0035】このような発光ダイオードには、p電極3
5とn電極36が形成されている。p電極35はマグネ
シウムドープのGaN層34上に形成されるNi/Pt
/AuまたはNi(Pd)/Pt/Auなどの金属材料
を蒸着して形成される。n電極36は前述の図示しない
絶縁膜を開口した部分でTi/Al/Pt/Auなどの
金属材料を蒸着して形成される。なお、下地成長層31
の裏面側からn電極取り出しを行う場合は、n電極36
の形成は下地成長層31の表面側には不要となる。
【0036】このような構造のGaN系の発光ダイオー
ドは、青色発光も可能な素子であって、特にレーザアブ
レーションよって比較的簡単にサファイア基板から剥離
することができ、レーザビームを選択的に照射すること
で選択的な剥離が実現される。なお、GaN系の発光ダ
イオードとしては、平板上や帯状に活性層が形成される
構造であっても良く、上端部にC面が形成された角錐構
造のものであっても良い。また、他の窒化物系発光素子
や化合物半導体素子などであっても良い。
【0037】次に、図5から図12までを参照しなが
ら、図1に示す発光素子の配列方法の具体的手法につい
て説明する。発光素子は図4に示したGaN系の発光ダ
イオードを用いている。
【0038】先ず、図5に示すように、第一基板41の
主面上には複数の発光ダイオード42がマトリクス状に
形成されている。発光ダイオード42の大きさは約20
μm程度とすることができる。第一基板41の構成材料
としてはサファイア基板などのように光ダイオード42
に照射するレーザの波長の透過率の高い材料が用いられ
る。発光ダイオード42にはp電極などまでは形成され
ているが最終的な配線は未だなされておらず、素子間分
離の溝42gが形成されていて、個々の発光ダイオード
42は分離できる状態にある。この溝42gの形成は例
えば反応性イオンエッチングで行う。このような第一基
板41を一時保持用部材43に対峙させて図5に示すよ
うに選択的な転写を行う。
【0039】一時保持用部材43の第一基板41に対峙
する面には剥離層44と接着剤層45が2層になって形
成されている。ここで一時保持用部材43の例として
は、ガラス基板、石英ガラス基板、プラスチック基板な
どを用いることができ、一時保持用部材43上の剥離層
44の例としては、フッ素コート、シリコーン樹脂、水
溶性接着剤(例えばポリビニルアルコール:PVA)、
ポリイミドなどを用いることができる。また一時保持用
部材43の接着剤層45としては紫外線(UV)硬化型
接着剤、熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤のいずれかか
らなる層を用いることができる。一例としては、一時保
持用部材43として石英ガラス基板を用い、剥離層44
としてポリイミド膜4μmを形成後、接着剤層45とし
てのUV硬化型接着剤を約20μm厚で塗布する。
【0040】一時保持用部材43の接着剤層45は、硬
化した領域45sと未硬化領域45yが混在するように
調整され、未硬化領域45yに選択転写にかかる発光ダ
イオード42が位置するように位置合わせされる。硬化
した領域45sと未硬化領域45yが混在するような調
整は、例えばUV硬化型接着剤を露光機にて選択的に2
00μmピッチでUV露光し、発光ダイオード42を転
写するところは未硬化でそれ以外は硬化させてある状態
にすればよい。このようなアライメントの後、転写対象
位置の発光ダイオード42に対しレーザを第一基板41
の裏面から照射し、当該発光ダイオード42を第一基板
41からレーザアブレーションを利用して剥離する。G
aN系の発光ダイオード42はサファイアとの界面で金
属のGaと窒素に分解することから、比較的簡単に剥離
できる。照射するレーザとしてはエキシマレーザ、高調
波YAGレーザなどが用いられる。
【0041】このレーザアブレーションを利用した剥離
によって、選択照射にかかる発光ダイオード42はGa
N層と第一基板41の界面で分離し、反対側の接着剤層
45にp電極部分を突き刺すようにして転写される。他
のレーザが照射されない領域の発光ダイオード42につ
いては、対応する接着剤層45の部分が硬化した領域s
であり、レーザも照射されていないために、一時保持用
部材43側に転写されることはない。なお、図5では1
つの発光ダイオード42だけが選択的にレーザ照射され
ているが、nピッチ分だけ離間した領域においても同様
に発光ダイオード42はレーザ照射されているものとす
る。このような選択的な転写によっては発光ダイオード
42第一基板41上に配列されている時よりも離間して
一時保持用部材43上に配列される。
【0042】発光ダイオード42は一時保持用部材43
の接着剤層45に保持された状態で、発光ダイオード4
2の裏面がn電極側(カソード電極側)になっていて、
発光ダイオード42の裏面には樹脂(接着剤)がないよ
うに除去、洗浄されているため、図6に示すように電極
パッド46を形成すれば、電極パッド46は発光ダイオ
ード42の裏面と電気的に接続される。
【0043】接着剤層45の洗浄の例としては酸素プラ
ズマで接着剤用樹脂をエッチング、UVオゾン照射にて
洗浄する。かつ、レーザにてGaN系発光ダイオードを
サファイア基板からなる第一基板41から剥離したとき
には、その剥離面にGaが析出しているため、そのGa
をエッチングすることが必要であり、NaOH水溶液も
しくは希硝酸で行うことになる。その後、電極パッド4
6をパターニングする。このときのカソード側の電極パ
ッドは約60μm角とすることができる。電極パッド4
6としては透明電極(ITO、ZnO系など)もしくは
Ti/Al/Pt/Auなどの材料を用いる。透明電極
の場合は発光ダイオードの裏面を大きく覆っても発光を
さえぎることがないので、パターニング精度が粗く、大
きな電極形成ができ、パターニングプロセスが容易にな
る。
【0044】上記電極パッド46の形成の後、ダイシン
グプロセスにより発光ダイオード42毎に硬化した接着
剤層45を分断し、各発光ダイオード42に対応した樹
脂形成チップとする。ここで、ダイシングプロセスは、
レーザビームを用いたレーザダイシングにより行う。こ
れが本願の第1の発明である。ダイシングによる切り込
み幅は画像表示装置の画素内の接着剤層45で覆われた
発光ダイオード42の大きさに依存するが、20μm以
下の幅の狭い切り込みが必要なときには、上記レーザビ
ームを用いたレーザによる加工を行うことが必要であ
る。このとき、レーザビームとしては、エキシマレー
ザ、高調波YAGレーザ、炭酸ガスレーザなどを用いる
ことができる。
【0045】図6は一時保持用部材44から発光ダイオ
ード42を第二の一時保持用部材47に転写して、アノ
ード電極(p電極)側のビアホール50を形成した後、
アノード側電極パッド49を形成し、樹脂からなる接着
剤層45をダイシングした状態を示している。このダイ
シングの結果、素子分離溝51が形成され、発光ダイオ
ード42は素子ごとに区分けされたものになる。素子分
離溝51はマトリクス状の各発光ダイオード42を分離
するため、平面パターンとしては縦横に延長された複数
の平行線からなる。素子分離溝51の底部では第二の一
時保持用部材47の表面が臨む。第二の一時保持用部材
47は、一例としてプラスチック基板にUV粘着材が塗
布してある、いわゆるダイシングシートであり、UVが
照射されると粘着力が低下するものを利用できる。
【0046】このプロセスの例として、接着剤層45の
表面を酸素プラズマで発光ダイオード42の表面が露出
してくるまでエッチングする。ビアホール50の形成
は、やはりエキシマレーザ、高調波YAGレーザ、炭酸
ガスレーザなどを用いて行う。このとき、ビアホールは
約3〜7μmの径を開けることになる。アノード側電極
パッドはNi/Pt/Auなどで形成する。ダイシング
プロセスは上記の通り、レーザビームを用いたダイシン
グにより行う。その切り込み幅は画像表示装置の画素内
の樹脂からなる接着剤層45で覆われた発光ダイオード
42の大きさに依存する。一例として、エキシマレーザ
にて幅約40μmの溝加工を行い、チップの形状を形成
する。
【0047】次に、機械的手段を用いて発光ダイオード
42が第二の一時保持用部材47から剥離される。この
とき、第二の一時保持用部材47上には剥離層48が形
成されている。この剥離層48は例えばフッ素コート、
シリコーン樹脂、水溶性接着剤(例えばPVA)、ポリ
イミドなどを用いて作成することができる。このような
剥離層48を形成した一時保持部材47の裏面から例え
ばYAG第3高調波レーザを照射する。これにより、例
えば剥離層44としてポリイミドを形成した場合では、
ポリイミドと石英基板の界面でポリイミドのアブレーシ
ョンにより剥離が発生して、各発光ダイオード42は第
二の一時保持部材47から上記機械的手段により容易に
剥離可能となる。
【0048】図8は、第二の一時保持用部材47上に配
列している発光ダイオード42を吸着装置53でピック
アップするところを示した図である。このときの吸着孔
55は画像表示装置の画素ピッチにマトリクス状に開口
していて、発光ダイオード42を多数個、一括で吸着で
きるようになっている。このときの開口径は、例えば約
φ100μmで600μmピッチのマトリクス状に開口
されて、一括で約300個を吸着できる。このときの吸
着孔55の部材は例えば、Ni電鋳により作製したも
の、もしくはステンレス(SUS)などの金属板52を
エッチングで穴加工したものが使用され、金属板52の
吸着孔55の奥には、吸着チャンバ54が形成されてお
り、この吸着チャンバ54を負圧に制御することで発光
ダイオード42の吸着が可能になる。発光ダイオード4
2はこの段階で樹脂43で覆われており、その上面は略
平坦化されており、このために吸着装置53による選択
的な吸着を容易に進めることができる。
【0049】図9は発光ダイオード42を第二基板60
に転写するところを示した図である。第二基板60に装
着する際に第二基板60にあらかじめ接着剤層56が塗
布されており、その発光ダイオード42下面の接着剤層
56を硬化させ、発光ダイオード42を第二基板60に
固着して配列させることができる。この装着時には、吸
着装置53の吸着チャンバ54が圧力の高い状態とな
り、吸着装置53と発光ダイオード42との吸着による
結合状態は解放される。接着剤層56はUV硬化型接着
剤、熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤などによって構成
することができる。発光ダイオード42が配置される位
置は、一時保持用部材43、47上での配列よりも離間
したものとなる。そのとき接着剤層56の樹脂を硬化さ
せるエネルギーは第二基板60の裏面から供給される。
UV硬化型接着剤の場合はUV照射装置にて、熱硬化性
接着剤の場合はレーザにて発光ダイオード42の下面の
み硬化させ、熱可塑性接着剤場合は、同様にレーザ照射
にて接着剤を溶融させ接着を行う。
【0050】また、第二基板60上にシャドウマスクと
しても機能する電極層57を配設し、特に電極層57の
画面側の表面すなわち当該画像表示装置を見る人がいる
側の面に黒クロム層58を形成する。このようにするこ
とで画像のコントラストを向上させることができると共
に、黒クロム層58でのエネルギー吸収率を高くして、
選択的に照射されるビーム73によって接着剤層56が
早く硬化するようにすることができる。この転写時のU
V照射としては、UV硬化型接着剤の場合は約1000mJ/c
m2を照射する。
【0051】図10はRGBの3色の発光ダイオード4
2、61、62を第二基板60に配列させ絶縁層59を
塗布した状態を示す図である。図8および図9で用いた
吸着装置53をそのまま使用して、第二基板60にマウ
ントする位置をその色の位置にずらすだけでマウントす
ると、画素としてのピッチは一定のまま3色からなる画
素を形成できる。絶縁層59としては透明エポキシ接着
剤、UV硬化型接着剤、ポリイミドなどを用いることが
できる。3色の発光ダイオード42、61、62は必ず
しも同じ形状でなくとも良い。図10では赤色の発光ダ
イオード61が六角錐のGaN層を有しない構造とさ
れ、他の発光ダイオード42、62とその形状が異なっ
ているが、この段階では各発光ダイオード42、61、
62は既に樹脂形成チップとして樹脂43で覆われてお
り、素子構造の違いにもかかわらず同一の取り扱いが実
現される。
【0052】次に、図11に示すように、発光ダイオー
ド42の電極パッド46,49や第二基板60上の電極
層57に対応して、これらを電気的に接続するために開
口部(ビアホール)65、66、67、68、69、7
0を形成する。この開口部の形成もレーザビームを用い
て行う。これが本願の第2の発明である。
【0053】このときに形成する開口部すなわちビアホ
ールは、発光ダイオード42、61、62の電極パッド
46、49の面積を大きくしているので、ビアホール形
状は大きく、ビアホールの位置精度も各発光ダイオード
に直接形成するビアホールに比べて粗い精度で形成でき
る。このときのビアホールは約60μm角の電極パッド
46、49に対し、約φ20μmのものを形成できる。
また、ビアホールHの深さは配線基板と接続するもの、
アノード電極と接続するもの、カソード電極と接続する
ものの3種類の深さがあるので、形成に当たっては例え
ばレーザのパルス数でこれを制御し、最適な深さを開口
する。
【0054】図12は配線形成工程を示す図である。絶
縁層59に開口部65、66、67、68、69、70
を形成した後、発光ダイオード42、61、62のアノ
ード、カソードの電極パッドと第二基板60の配線用の
電極層57を接続する配線63、64、71を形成した
図である。
【0055】その後、保護層を配線上に形成し、画像表
示装置のパネルは完成する。このときの保護層は図10
の絶縁層59と同様、透明エポキシ接着剤などの材料が
使用できる。この保護層は加熱硬化し配線を完全に覆
う。この後、パネル端部の配線からドライバーICを接
続して駆動パネルを製作することになる。
【0056】上述のような発光素子の配列方法において
は、一時保持用部材43に発光ダイオード42を保持さ
せた時点で既に、素子間の距離が大きくされ、その広が
った間隔を利用して比較的サイズの電極パッド46、4
9などを設けることが可能となる。それら比較的サイズ
の大きな電極パッド46、49を利用した配線が行われ
るために、素子サイズに比較して最終的な装置のサイズ
が著しく大きな場合であっても容易に配線を形成でき
る。また、本例の発光素子の配列方法では、発光ダイオ
ード42の周囲が硬化した接着剤層45で被覆され平坦
化によって精度良く電極パッド46,49を形成できる
とともに素子に比べて広い領域に電極パッド46,49
を延在でき、次の第二転写工程での転写を吸着治具で進
める場合には取り扱いが容易になる。
【0057】次に、レーザダイシングとレーザビームに
よるビアホール形成を適用した素子の配列方法、画像表
示装置の製造方法の変形例について説明する。第1の変
形例は、発光ダイオードの向きが先の例とは逆である場
合に適用したものである。すなわち、本例では、発光ダ
イオードの先端が第二基板側を向いている。図13〜図
20は、この第1の変形例におけるプロセスを示すもの
である。
【0058】図13に示すように、発光ダイオード81
は、埋め込み樹脂82中に埋め込まれた状態で剥離用樹
脂層83が形成された供給基板84上に配列形成されて
いる。各発光ダイオード81の底面及び先端には、電極
パッド85,86が形成されており、外部回路との接続
を図るようになっている。また、先にも述べたように、
各発光ダイオード81は、その先端を図中下方に向けて
(供給基板84に向けて)配置されている。
【0059】この状態で、先ず、レーザビームを照射し
てダイシングを行い、各発光ダイオード81に分断し、
チップ部品化する。分断された各部が以下の工程におい
て樹脂形成チップ87として取り扱われる。レーザビー
ムの照射によるダイシングには、先の例と同様、エキシ
マレーザ、高調波YAGレーザ、炭酸ガスレーザなどを
用いることができる。
【0060】上記ダイシングにより分割された樹脂形成
チップ87は、図14に示すように、吸着治具88など
を用いて選択的に供給基板84から剥離され、図15に
示すように、配線パターン89が形成された実装基板9
0上に転写される。なお、図14に示す工程において、
樹脂形成チップ87を供給基板84から剥離するには、
供給基板84の裏面側から選択的にYAG第3高調波レ
ーザビームを照射すればよく、これによりレーザアブレ
ーションが起こり樹脂形成チップ87は供給基板84か
ら容易に剥離される。
【0061】また、図15に示す工程においては、YA
Gグリーンレーザビームを実装基板90の裏面側から照
射することで、接着剤層91を選択的に硬化し、樹脂形
成チップ87を実装基板90に固定する。実装基板90
には、上記配線パターン89が形成される他、裏面側に
も配線パターン92が形成され、これら配線パターン8
9,92間がスルーホール93によって電気的に接続さ
れている。したがって、上記樹脂形成チップ87の電極
パッド85,86を上記配線パターン89と電気的に接
続すれば、スルーホール93を介して実装基板90の裏
面側の配線パターン92へと引き出され、この実装基板
90の裏面側において外部回路との接続が可能になる。
実装基板90の裏面には、上記配線パターン92を覆っ
て保護層94が形成されており、この配線パターン92
の損傷や腐食を防止するようになっている。
【0062】次いで、図16に示すように異種機能を有
する樹脂形成チップ95を同様にして実装基板90上に
実装し、図17に示すように絶縁層96をオーバーコー
トする。このとき、異種機能を有する樹脂形成チップ9
5も同様に所定のピッチに拡大して実装基板90上にボ
ンディングされる。絶縁層96は、全素子分の樹脂形成
チップに対して配線するために、実装基板90の全面に
被覆される。
【0063】この絶縁層96の形成の後、図18に示す
ように、各樹脂形成チップ87,95の電極パッド及び
実装基板90上の配線パターン92に対応して電気的接
続のためのビアホール97を形成する。ビアホール97
の形成は、やはりレーザビームの照射により行う。使用
するレーザビームは、先のダイシングと同様、エキシマ
レーザ、高調波YAGレーザ、炭酸ガスレーザなどが用
いられる。最後に図19に示すp側配線98の形成、及
び図20に示すn側配線99の形成を行い、画像表示装
置を完成する。
【0064】上記変形例においても、ダイシングやビア
ホールの形成にレーザビームを用いているので、各発光
ダイオードに対応した微細加工が可能であり、微小チッ
プ部品の切り出しが実現される。このとき、歪みが発生
したり、不要な応力が加わることはない。ビアホール形
成も同様であり、レーザビームを用いることで微細加工
が可能である。また、エッチングに比べてプロセスが簡
便である。
【0065】上記レーザダイシングとビアホール形成
は、同時に行うこともできる。これらを同時に行うこと
により、プロセス数を減らすことができ、製造コストを
低下することができる。これが第2の変形例である。こ
の第2の変形例は、基本的には図13〜図20に示す第
1の変形例と同じであり、樹脂形成チップのビアホール
形成をレーザダイシングと同時に行う点のみが異なる。
【0066】以下、この第2の変形例について説明す
る。本例では、先ず、図21に示すように、樹脂形成チ
ップ87へ分割するためのレーザダイシングと同時に、
樹脂形成チップ87のp側電極パッド86に対応したビ
アホール100の形成を行う。これらレーザダイシング
とビアホール形成は、いずれも埋め込み樹脂82に対し
て行うので、レーザビームを照射して同時に行うことが
できる。
【0067】その後、図22に示すように転写対象とな
る樹脂形成チップ87を選択的に供給基板84から剥離
し、これを図23に示すように実装基板90上に転写固
定し、さらに図24に示すように異種機能を有する樹脂
形成チップ95を同様に実装基板90に転写実装し、図
25に示すように絶縁層96を形成する。
【0068】次いで、この絶縁層96に各樹脂形成チッ
プ87,95の電極パッド及び実装基板90上の配線パ
ターン92に対応して電気的接続のためのビアホール9
7を形成するが、このビアホール97の形成は一括フォ
トビア形成により行うことができる。すなわち、先の図
21に示す工程において、樹脂形成チップ87にはビア
ホール100が既に形成されており、ここでのビアホー
ル形成は、絶縁層96に対して行えばよい。したがっ
て、一括フォトビア形成が可能である。樹脂形成チップ
87に予めビアホール100が形成されていない場合に
は、このビアホール形成を絶縁層96と埋め込み樹脂8
2の異なる材質に対して行わなければならず、一括フォ
トビア形成は難しい。
【0069】最後に図22に示すp側配線98の形成、
及び図23に示すn側配線99の形成を行い、画像表示
装置を完成する。この第2の変形例では、レーザダイシ
ングとビアホール形成を同時に行っているので、プロセ
ス数を減らすことができ、製造コストを低下することが
できる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本願
発明のチップ部品の作製方法によれば、機能素子に対応
して微細なチップ部品化が可能であり、また、ビアホー
ルを簡単に形成することが可能である。さらに、これら
を同時に行うことにより、プロセス数を減らし製造コス
トを低減することが可能である。
【0071】また、本発明の素子の配列方法によれば、
上記チップ部品の作製方法の利点をそのままに、素子の
転写を効率的、確実に行うことができ、素子間の距離を
大きくする拡大転写を円滑に実施することが可能であ
る。同様に、本発明の画像表示装置の製造方法によれ
ば、密な状態すなわち集積度を高くして微細加工を施し
て作成された発光素子を、効率よく離間して再配置する
ことができ、したがって精度の高い画像表示装置を生産
性良く製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】素子の配列方法を示す模式図である。
【図2】樹脂形成チップの概略斜視図である。
【図3】樹脂形成チップの概略平面図である。
【図4】発光素子の一例を示す図であって、(a)は断
面図、(b)は平面図である。
【図5】第一転写工程を示す概略断面図である。
【図6】電極パッド形成工程を示す概略断面図である。
【図7】第二の一時保持用部材への転写後の電極パッド
形成工程及びダイシング工程を示す概略断面図である。
【図8】吸着工程を示す概略断面図である。
【図9】第二転写工程を示す概略断面図である。
【図10】絶縁層の形成工程を示す概略断面図である。
【図11】ビアホール形成工程を示す概略断面図であ
る。
【図12】配線形成工程を示す概略断面図である。
【図13】第1の変形例を示すものであり、レーザダイ
シング工程を示す概略断面図である。
【図14】樹脂形成チップの選択ピックアップ工程を示
す概略断面図である。
【図15】実装基板へのボンディング工程を示す概略断
面図である。
【図16】異種機能を有する樹脂形成チップのボンディ
ング工程を示す概略断面図である。
【図17】絶縁層のオーバーコート工程を示す概略断面
図である。
【図18】ビアホール形成工程を示す概略断面図であ
る。
【図19】p側電極形成工程を示す概略断面図である。
【図20】n側電極形成工程を示す概略断面図である。
【図21】第2の変形例を示すものであり、レーザダイ
シング工程及び樹脂形成チップへのビアホール形成工程
を示す概略断面図である。
【図22】樹脂形成チップの選択ピックアップ工程を示
す概略断面図である。
【図23】実装基板へのボンディング工程を示す概略断
面図である。
【図24】異種機能を有する樹脂形成チップのボンディ
ング工程を示す概略断面図である。
【図25】絶縁層のオーバーコート工程を示す概略断面
図である。
【図26】一括フォトビア形成工程を示す概略断面図で
ある。
【図27】p側電極形成工程を示す概略断面図である。
【図28】n側電極形成工程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
42 発光ダイオード 45 接着剤層 46,49 電極パッド 65,66,67,68,69,70 開口部(ビアホ
ール) 87 樹脂形成チップ 97,100 ビアホール

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能素子を絶縁性物質に埋め込み、当該
    絶縁性物質を切断して各機能素子毎に分割するチップ部
    品の作製方法において、レーザビームを照射して上記絶
    縁性物質の切断を行うことを特徴とするチップ部品の作
    製方法。
  2. 【請求項2】 機能素子を絶縁性物質に埋め込み、機能
    素子の電極に対応して絶縁性物質にビアホールを形成す
    るチップ部品の作製方法において、レーザビームを照射
    して上記絶縁性物質にビアホールを形成することを特徴
    とするチップ部品の作製方法。
  3. 【請求項3】 上記レーザビームの照射により、各機能
    素子毎に分割する絶縁性物質の切断をともに行うことを
    特徴とする請求項2記載のチップ部品の作製方法。
  4. 【請求項4】 第一基板上に配列された複数の素子を第
    二基板上に再配列する素子の配列方法において、前記第
    一基板上に保持された前記素子を樹脂で固めた後、前記
    樹脂をダイシングにより素子毎に分離して樹脂形成チッ
    プとする工程と、前記第一基板上で前記素子が配列され
    た状態よりは離間した状態となるように前記樹脂形成チ
    ップを第二基板上に転写する転写工程とを有し、上記ダ
    イシングは、レーザビームを照射することにより行うこ
    と特徴とする素子の配列方法。
  5. 【請求項5】 上記レーザビームの照射によるダイシン
    グとともに、レーザビームの照射により素子の電極に対
    応して樹脂にビアホールを形成することを特徴とする請
    求項4記載の素子の配列方法。
  6. 【請求項6】 前記素子は窒化物半導体を用いた半導体
    素子であることを特徴とする請求項4記載の素子の配列
    方法。
  7. 【請求項7】 前記素子は発光素子、液晶制御素子、光
    電変換素子、圧電素子、薄膜トランジスタ素子、薄膜ダ
    イオード素子、抵抗素子、スイッチング素子、微小磁気
    素子、微小光学素子から選ばれた素子若しくはその部分
    であることを特徴とする請求項4記載の素子の配列方
    法。
  8. 【請求項8】 第一基板上に配列された複数の素子を第
    二基板上に再配列する素子の配列方法において、前記第
    一基板上に保持された前記素子を樹脂で固めた後、前記
    樹脂を用いたダイシングにより素子毎に分離して樹脂形
    成チップとする工程と、前記第一基板上で前記素子が配
    列された状態よりは離間した状態となるように前記樹脂
    形成チップを第二基板上に転写する転写工程とを有し、
    レーザビームの照射により上記素子の電極に対応して上
    記樹脂にビアホールを形成することを特徴とする素子の
    配列方法。
  9. 【請求項9】 前記素子は窒化物半導体を用いた半導体
    素子であることを特徴とする請求項8記載の素子の配列
    方法。
  10. 【請求項10】 前記素子は発光素子、液晶制御素子、
    光電変換素子、圧電素子、薄膜トランジスタ素子、薄膜
    ダイオード素子、抵抗素子、スイッチング素子、微小磁
    気素子、微小光学素子から選ばれた素子若しくはその部
    分であることを特徴とする請求項8記載の素子の配列方
    法。
  11. 【請求項11】 発光素子をマトリクス状に配置した画
    像表示装置の製造方法において、前記第一基板上に保持
    された前記発光素子を樹脂で固めた後、前記樹脂をダイ
    シングにより発光素子毎に分離して樹脂形成チップとす
    る工程と、前記第一基板上で前記発光素子が配列された
    状態よりは離間した状態となるように前記樹脂形成チッ
    プを第二基板上に転写する転写工程とを有し、上記ダイ
    シングは、レーザビームを照射することにより行うこと
    特徴とする画像表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記レーザビームの照射によるダイシ
    ングと同時に、レーザビームの照射により発光素子の電
    極に対応して樹脂にビアホールを形成することを特徴と
    する請求項11記載の画像表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 発光素子をマトリクス状に配置した画
    像表示装置の製造方法において、前記第一基板上に保持
    された前記発光素子を樹脂で固めた後、前記樹脂を用い
    たダイシングにより発光素子毎に分離して樹脂形成チッ
    プとする工程と、前記第一基板上で前記発光素子が配列
    された状態よりは離間した状態となるように前記樹脂形
    成チップを第二基板上に転写する転写工程とを有し、レ
    ーザビームの照射により上記発光素子の電極に対応して
    上記樹脂にビアホールを形成することを特徴とする画像
    表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111048463A (zh) * 2015-07-23 2020-04-21 首尔半导体株式会社 显示装置制造方法

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