JP2002311874A - 車体用ラベル - Google Patents

車体用ラベル

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JP2002311874A
JP2002311874A JP2002022294A JP2002022294A JP2002311874A JP 2002311874 A JP2002311874 A JP 2002311874A JP 2002022294 A JP2002022294 A JP 2002022294A JP 2002022294 A JP2002022294 A JP 2002022294A JP 2002311874 A JP2002311874 A JP 2002311874A
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label
layer
vehicle body
transparent ceramic
ceramic layer
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JP2002022294A
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Goro Ito
五朗 伊藤
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Champion Kikaku Kk
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Champion Kikaku Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋外の紫外光に曝されても劣化せず、また表
面硬度が高いため、道路上の粉塵、小石の衝突などに対
する耐久性にも優れ、さらに、ラベルの表面に静電気が
発生しないため塵埃が付着し難い、新規な車体用ラベル
を提供すること。また、ラベルを廃棄・焼却処分する際
に、有毒な成分を生成したり流出したりすることがな
い、環境に優しい車体用ラベルを提供すること。さら
に、短期間に更新される広告の需要にすばやく対応で
き、比較的少数の注文であっても安価に提供できる車体
用ラベルを提供すること。 【解決手段】 社名・広告等の情報が表示され、車体2
の外表面に貼着して用いられるラベルであって、粘着剤
層10と、前記粘着剤層10に設けられたポリオレフィ
ン層20と、前記ポリオレフィン層20に設けられたオ
ンデマンド印刷による印刷層30と、前記印刷層30に
設けられた透明セラミック層40とを備えた車体用ラベ
ル1から構成される。透明セラミック層40は紫外線吸
収剤を含有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラベルに関する。
さらに詳しくは、社名、広告などを表示するために車体
の表面に貼着して用いる車体用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラックやタンクローリーなどの
各種車両について、その車体の側面に社名、広告、ある
いは商品・サービスの名称など種々の情報を表示するこ
とが広く行われている。最近では、地方公共団体が広告
収入を得る目的で、公共バスの車体側面に広告を表示し
はじめ話題となっている。このような、車体表面に広告
等の情報を表示するための従来の技術として、広告等を
印刷したラベルを車体表面に貼着し、さらにラベル表面
の美化および保護のため塩化ビニール系のフィルムをラ
ミネート(圧着貼り)することが一般的に行われてい
た。
【0003】上記従来の技術では、表面が樹脂フィルム
であるため、一般的に290〜350nmの紫外域に吸
収があり、したがって、屋外で長時間にわたり太陽光に
曝されることによって、表面が劣化したり日焼けを起こ
すという問題点があった。また、印刷層についても、太
陽光や空気中の酸素、水分の影響によって、変色・褪色
するという問題があった。
【0004】また、樹脂フィルムは、表面硬度が不十分
であり、そのため、車両の走行により発生する粉塵や、
小石等の衝撃によって表面が傷付きあるいは摩耗し、印
刷した広告等の鮮明さが失われる場合があった。
【0005】さらに、樹脂フィルムの表面には静電気が
発生し易いため、空気中の塵埃が付着し、表面が汚れ易
いという欠点もあった。因みに、塗料の技術分野では、
樹脂を主成分とするビヒクルに対し金属酸化物などの抗
菌成分を含有した有機塗料が知られている。しかし、こ
の塗料によって形成される塗膜は、図3に示すように、
抗菌成分92がビヒクル91によって隠蔽され、塗膜9
中に埋没した状態となるので、抗菌成分92が活性化で
きず、そのため防汚効果は発揮されないかもしくは発揮
されても不十分なものであった。
【0006】また、上記従来のラベルは、表面にポリ塩
化ビニールからなるフィルムをラミネートしているた
め、焼却することによりダイオキシンが発生する恐れが
あった。また、印刷に用いるインキには、しばしば有毒
な鉛が含まれており、環境を悪化させる要因となってい
た。
【0007】さらに、一つの広告が使用される期間はせ
いぜい数ヶ月程度と短く、また、その広告を表示する車
両の数も数十〜数百台程度である場合が多いので、広告
を新しくする毎に製版し印刷すると、手間がかかり、費
用も高くなるという欠点があった。したがって、日々更
新される広告の需要に速やかに対応でき、少数の要望で
も安価に提供できる技術の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
従来の状況に鑑み、長期間にわたり屋外の紫外光に曝さ
れても劣化せず、また、表面硬度が高いため、道路上に
生じる粉塵、小石の衝突などに対する耐久性にも優れ
た、新規な車体用ラベルを提供するものである。さら
に、ラベルの表面に静電気が発生しないため塵埃が付着
し難く、また優れた防汚効果を発揮して広告等の美観を
維持することができる、新規な車体用ラベルを提供する
ものである。
【0009】また、本発明は、ラベルを廃棄・焼却処分
する際に、有毒な成分を生成したり流出したりすること
がない、環境に優しい車体用ラベルを提供するものであ
る。
【0010】さらに、本発明は、短期間に更新される広
告の需要にすばやく対応でき、比較的少数の注文であっ
ても安価に製造できる車体用ラベルを提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1として、社名・広告等の情報が
表示され、車体の外表面に貼着して用いられるラベルで
あって、粘着剤層と、前記粘着剤層に設けられたポリオ
レフィン層と、前記ポリオレフィン層に設けられた印刷
層と、前記印刷層に設けられた透明セラミック層とを備
えた車体用ラベルとしたことを特徴とする。
【0012】上記構成によれば、ポリオレフィンからな
る基材に各種情報が印刷され、表面が透明セラミック層
で保護された車体用ラベルが提供される。ここで、印刷
される情報には、人間の視覚により認識される文字・絵
柄が包含され、具体的には、社名、広告の他、商品・サ
ービスの名称、装飾のための模様などが含まれる。そし
て、透明セラミック層は、紫外線に対して劣化せず、ま
た表面硬度が高いため傷付き難く、さらには表面に静電
気を発生せず塵埃が付着しないため、印刷層の美観が長
期間にわたり維持される。また、ラベルを全体として焼
却する際に、有害な成分が排出されない。
【0013】また、請求項2は、請求項1記載の車体用
ラベルにおいて、透明セラミック層は、ゾルーゲル法に
より形成したものであることを特徴とする。
【0014】上記構成によれば、ゾルーゲル法によっ
て、ラベルの表面に緻密なセラミック膜が形成される。
また、ゾルーゲル法におけるセラミックの硬化条件は、
常温もしくはその近傍の温度で行われるので、印刷層お
よびポリオレフィン層が分解もしくは溶融するような事
態が起こらない。
【0015】また、請求項3は、請求項2記載の車体用
ラベルにおいて、透明セラミック層は、印刷層もしくは
ポリオレフィン層まで浸透した状態で硬化していること
を特徴とする。
【0016】上記構成によれば、透明セラミック層が、
その層の下層に形成された印刷層もしくはポリオレフィ
ン層と一体に硬化することにより、表面にクラック等の
欠陥を生じず、ラベルの耐久性が向上する。
【0017】また、請求項4は、請求項2又は3記載の
車体用ラベルにおいて、透明セラミック層は、紫外線吸
収剤を含有することを特徴とする。
【0018】上記構成によれば、紫外線吸収剤が、印刷
層の劣化が最も起こり易い290〜380nmの紫外光
を吸収し熱エネルギーに変換するため、印刷層の変色・
褪色が防止される。なお、透明セラミック層自体は脆化
し難いため、長期間にわたって紫外線吸収剤が透明セラ
ミック層中に存在し(透明セラミック層から失われ
ず)、効果の持続性が高い。
【0019】また、請求項5は、請求項4記載の車体用
ラベルにおいて、紫外線吸収剤の含有割合が、透明セラ
ミック層全体に対して1〜3wt%であることを特徴と
する。
【0020】上記構成によれば、透明セラミック層の表
面硬度を維持する観点から、紫外線吸収剤の含有量が最
適化される。
【0021】また、請求項6は、請求項2〜5のいずれ
か記載の車体用ラベルにおいて、透明セラミック層は、
金属塩からなる抗菌成分を含有することを特徴とする。
【0022】上記構成によれば、金属塩からなる抗菌成
分が、セラミック層に確実に担持されつつ表面に露出し
た状態となるので、金属塩がイオン化し易くなり、強い
抗菌作用が発揮される。
【0023】また、請求項7は、請求項1〜6のいずれ
か記載の車体用ラベルにおいて、透明セラミック層の厚
さが5.0〜40.0μmであることを特徴とする。
【0024】上記構成によれば、ラベルの表面を保護す
る観点から、透明セラミック層の厚さが最適化される。
【0025】さらに、請求項8は、請求項1〜7のいず
れか記載の車体用ラベルにおいて、印刷層が、製版しな
いオンデマンド印刷により形成したものであることを特
徴とする。
【0026】上記構成によれば、車体用ラベルの印刷層
が、インクジェット印刷などの、版を必要としない所謂
オンデマンド印刷により形成されるため、比較的少量の
需要に対して速やかに対応することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、図1に示すように、本発明の車体用ラベル1は、
粘着剤層10と、その粘着剤層10に設けられたポリオ
レフィン層20と、そのポリオレフィン層20に設けら
れた印刷層30と、さらにその印刷層30に設けられた
透明セラミック層40とから概略構成されている。そし
て、車体用ラベル1は、トラックなどの車体2の表面に
対し、粘着剤層10を介して貼着することにより使用さ
れる。
【0028】ポリオレフィン層20は、ポリオレフィン
系のフィルム(シート)から構成される。ポリオレフィ
ンの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルペンテン等の単独重合体あるいは共重合体を
挙げることができ、またエチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、もしくは
エチレン−プロピレン−ジエン類のターポリマーなども
適用可能である。また、ポリオレフィン層20は、図1
に示すように、印刷層30および透明セラミック層40
と同一の幅に形成するときは必ずしも透明である必要は
ないが、印刷層30および透明セラミック層40よりも
幅広に形成する場合は透明なものを用いることが好まし
い。さらに、ポリオレフィン層20の厚さは、特に限定
されるものではないが、厚すぎると、屈曲性がなくなっ
てタンクローリーなどの曲面に追従し難くなり、逆に薄
すぎると印刷層30を形成する際などに扱いづらくなる
ので、これらを考慮して適宜設定される。
【0029】ポリオレフィン層20の一方の面には粘着
剤層10が設けられる。粘着剤層10は、車体用ラベル
1の使用対象である車体2の材料の種類(鉄、アルミな
ど)などを考慮して、従来知られた粘着剤から適宜選択
して形成される。粘着剤の具体例としては、アクリル酸
エステル共重合体などのアクリル系粘着剤などが挙げら
れる。また、粘着剤層10の粘着力は、本発明の車体用
ラベル1を車体2に貼着した状態で走行した場合にラベ
ルが剥離しない程度を必要とし、具体的には、JIS−
Z−0237による値が4500mN/25mm以上で
ある。なお、本発明の車体用ラベル1は、車体2に対し
て使用する前の状態では、粘着剤層10に剥離紙を備え
ることができる。剥離紙は、一般的なものが使用でき、
例えば、上質紙の両面にポリエチレンをラミネートし、
シリコーンなどで剥離処理を施したものなどを挙げるこ
とができる。
【0030】次に、ポリオレフィン層20に対して印刷
層30を形成する。印刷層30を形成するにあたって
は、ポリオレフィン層20に予め受理層を形成すること
ができる。受理層とは、印刷層30のインキの吸収性を
向上させるために形成されるものである。受理層を構成
する物質の具体例としては、変性ウレタン樹脂、ベンゾ
トリアゾール誘導体などが挙げられる。
【0031】印刷層30としては、社名、広告、商品・
サービスの名称、装飾のための模様などの各種情報が印
刷される。そして、印刷層30は、製版しないオンデマ
ンド印刷により形成することが好ましい。オンデマンド
印刷は、コンピュータ上のデジタル情報をプリンターに
送って印刷を行う方式であり、例としてインクジェット
印刷、レーザー印刷などが挙げられる。その中でも、費
用などの観点からインクジェット印刷が最も好ましく用
いられる。オンデマンド印刷は、版を必要としないため
1枚から印刷することができる。したがって、しばしば
更新される広告などに対応が容易であり、また少量の需
要でも安価に提供することが可能となる。なお、インク
ジェット印刷などに用いるインキは、鉛などを含まない
無公害のものを用いることが好ましい。これにより、車
体用ラベル1を全体として廃棄・焼却処分する際に、有
害物質を排出することが無くなり、環境に優しい車体用
ラベル1を得ることができる。
【0032】次に、透明セラミック層40は、シリカ、
アルミナなどの各種セラミック物質から構成され、透明
に形成されている。ここで透明とは、外部から印刷層3
0の情報を視認するのに支障がない程度であり、通常無
色透明を意味する。透明セラミック層40は、紫外線を
吸収せずに透過させるため、表面が劣化したり日焼けす
ることがない。また、高い表面硬度を有するため、車両
の走行中における粉塵や小石等の衝撃に耐え、印刷層3
0の美観を維持することができる。また、透明セラミッ
ク層40の表面には静電気が発生せず、塵埃を寄せ付け
ないため表面が汚れるのを防止することができる。
【0033】さらに、透明セラミック層40を焼却処分
する際には、従来の塩ビフィルムからのダイオキシンの
ような、有害物質を排出することなく、大地に還元可能
な物質に変換される。したがって、本発明の車体用ラベ
ル1は全体として、環境に悪影響を与えることがない、
エコロジカルなラベルとなる。
【0034】上記透明セラミック層40は、ゾルーゲル
法により形成することが好ましい。ゾルーゲル法は、溶
液からゾルおよびゲルの状態を経て硬化させることによ
りセラミックを形成する方法であり、基本的には次のよ
うな手順により行われる。すなわち、金属アルコキシド
のアルコール溶液に、水、触媒(酸またはアルカリ)を
加えたものをコーティング液とし、このコーティング液
を印刷層30の上に塗布し、常温もしくはその近傍、理
想的には20℃以上で金属アルコキシドの加水分解、お
よび重縮合を行い、硬化させてセラミックを形成する。
このようなゾル−ゲル法を採用することにより、より一
層緻密なセラミック層を形成することができる。また、
硬化させる際の温度条件が、常温もしくはその近傍であ
り、比較的低い温度でセラミックを形成可能であるた
め、印刷層30およびポリオレフィン層20を損なうこ
とがない。
【0035】上記コーティング液には、上述の各原料に
加えて、アルミナゾル等のゲル化防止剤、二酸化珪素、
酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の
充填材、あるいは後述するような金属塩などの物質を適
宜添加することができる。
【0036】上記コーティング液を、印刷層30の上に
塗布する際には、スプレーにより塗布することが好まし
い。スプレー塗布により、透明セラミック層40を均一
かつ効率的に形成することができる。なお、スプレー塗
布する際の塗布量は、コーティング液の濃度や硬化条件
により異なるが、1回の塗布につき30〜100g/m
2程度が適当であり、塗布作業は複数回繰り返すことが
できる。
【0037】透明セラミック層40の厚さは、薄すぎる
と、ラベル表面を保護する作用が不十分になるため不適
であり、また厚すぎるとラベル全体の屈曲性が悪化する
ので、これらのバランスを考慮して適宜設定される。具
体的には、5.0〜40.0μmが好ましく、就中、1
5〜35μmである。
【0038】また、透明セラミック層40は、印刷層3
0もしくはポリオレフィン層20(受理層を含む)に浸
透した状態で、一体に硬化させることが好ましい。各層
が境界を介して独立して形成される場合には、内部応力
等の影響で透明セラミック層の表面にクラックや剥落を
生ずることがあり、ラベルの劣化を早める恐れがある。
そこで、透明セラミック層40が下層へしみ込んだ状態
で一体に硬化させることにより、各層間の密着性が高ま
り、全体が柔軟になってクラック等が確実に防止され
る。特に、本発明の車体用ラベルをタンクローリーなど
の曲面に貼着する場合には、クラックの防止は重要であ
る。
【0039】上記のように、透明セラミック層40が下
層へ浸透した状態で硬化させるには、種々の方法を適宜
用いることができる。例えば、コーティング剤の溶媒と
してIPA(イソプロピルアルコール)等の溶解力のあ
る物質を採用し、コーティング剤を塗布して印刷層・ポ
リオレフィン層を膨潤させることによりコーティング剤
を下層へ浸透させ、好ましくは常温で数日間乾燥させる
ことによって実施することができる。
【0040】さらに、透明セラミック層40は、金属塩
からなる抗菌成分を含有することができる。適用可能な
金属塩としては、例えば、硝酸銀、硝酸銅、硝酸亜鉛、
硫酸銀、硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属塩が挙げられる。上
記抗菌成分は、空気中の水分によりイオン化して抗菌・
防汚効果を発揮し、外部から視認される印刷層30の美
観を長期間にわたり維持することができる。その際、図
1に示すように、抗菌成分401は、透明セラミック層
40に担持され、表面に露出した状態となるので、抗菌
成分401がイオン化しやすく、高い抗菌効果が発揮さ
れる。
【0041】また、透明セラミック層40は、紫外線吸
収剤を含有することができる。紫外線吸収剤を含有する
ことにより、290nm〜380nmの紫外線が吸収さ
れ、印刷層の劣化が防止されるので、広告などの情報を
長期間にわたって鮮明な状態に維持することができる。
【0042】紫外線吸収剤としては、セラミックとの相
溶性が良くマイグレーションを生じ難い物質であれば、
種々の物質の中から適宜選択して用いることができる。
紫外線吸収剤の吸収波長は、吸収端が420nm付近で
あると、透明セラミックが黄色く色付く場合があり、印
刷層の色合いが損なわれる恐れがあるので、吸収波長は
400nm以下であることが好ましい。具体例として
は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シュウ
酸アニリド系、シアノアクリレート系、トリアジン系の
紫外線吸収剤が挙げられる。また、ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤としては、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-
3'-tert-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾ
トリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-n-オクチルオキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることがで
き、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4-ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベ
ンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフ
ェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2'-カルボキシベン
ゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾ
フェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクタデシルオキシベン
ゾフェノン等を挙げることができる。
【0043】上記紫外線吸収剤を含有させるに際して
は、その含有割合が多すぎると透明セラミック層の表面
硬度が低下する可能性があるので、これを考慮して適宜
設定される。具体的には、透明セラミック層全体に対し
て1〜5wt%が適当であり、好ましくは1〜3wt%
である。
【0044】以上説明したような本発明の車体用ラベル
1は、例えば、図2に示すような状態で使用される。図
2は、タンクローリー3の車体2に対して、本発明の車
体用ラベル1を貼着した例である。図2では、便宜的に
車体用ラベル1の端の境界線を描いているが、実際に
は、車体用ラベル1を透明に形成した場合には、ほとん
ど視認されない。また、ポリオレフィン層と印刷層とを
同幅に形成し、すなわち図2における文字の部分、模様
の部分のみがラベルであるようにすることもできる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これにより限定されるものではない。 (実施例1)まず、特殊ポリオレフィンフィルム(厚さ
約175μm)の一方の面に、アクリル系粘着剤を塗布
したものを準備した。これに剥離紙を付けた状態で、ポ
リオレフィンフィルムにおける粘着剤を塗布した面とは
反対の面に、インクジェット印刷を行った。なお、剥離
紙は、両面ポリエチレンをラミネートした上質紙にシリ
コーンを塗布して剥離処理したものを用いた。また、印
刷面には受理層が形成されている。
【0046】次に、インクジェット印刷により形成した
印刷層の上にセラミックのコーティング剤をスプレー塗
布した。コーティング剤の成分は以下の通りである。 (1) オルガノアルコキシシラン 10〜30wt% (2) イソプロピルアルコール 10〜30wt% (3) アルミナゾル 15〜35wt% (4) 硝酸銀 0.5〜5.0wt% (5) 酢酸 0.05〜0.5wt% (6) 二酸化珪素 20〜40wt% (7) 二酸化チタン 1〜15wt% (計100wt%) ここで、アルミナゾルは、コーティング剤の急速なゲル
化を防ぎ、セラミック層の密着性、耐熱性、静電防止性
を向上させる物質であり、ゾル中の水分を加水分解に必
要なだけ供給する役割を担っている。また、アルミナゾ
ルを加えることにより微細で多孔質状のセラミック層が
形成され、抗菌性、脱臭性を得ることができる。
【0047】上記各物質からコーティング液を調製する
にあたっては、まず、アルミナゾル、イソプロピルアル
コール、酢酸、硝酸銀の希釈液を加えて3〜5分間ゆっ
くりと攪拌し、続いて、オルガノアルコキシシランを加
えて3〜10分間攪拌を行った。この攪拌により溶液は
発熱するので、発熱開始10分後、溶液の温度が60〜
80℃になったところで水で冷却しながら、ゆっくりと
攪拌を行った。次に、2時間経過後、溶液の温度が常温
に戻ったところで二酸化珪素および二酸化チタンを加
え、電動攪拌機により高速で60分以上攪拌することに
より目的のコーティング液を得た。
【0048】また、スプレー塗布するにあたっては、2
0℃の雰囲気下において、1回につき30〜100g/
2のコーティング液を塗布し、その作業を2〜3回繰
り返した後、20℃で24時間乾燥させ、最終的に25
μm程の透明セラミック層を形成して、目的の車体用ラ
ベルを得た。
【0049】得られた車体用ラベルを、タンクローリー
の側面に貼着して、冬期3ヶ月間走行したところ、表面
に劣化や傷は観察されず、印刷層もラベルを貼着した当
初とほとんど変化無く鮮明に視認された。
【0050】次に、得られた車体用ラベルを接着剤で包
埋固定後、ミクロトームにより切削し、断面を光学顕微
鏡(オリンパス光学工業製、BHSM)、走査型電子顕
微鏡(SEM)(日立製作所製、S−4500)により
観察した。なお、透明セラミック層を形成する前の状態
(ポリオレフィン層+印刷層)の断面についても同様に
観測した。その結果、透明セラミック層を形成する前
は、受理層内に若干の空隙が見られたのに対し、最終的
な車体用ラベルでは、透明セラミック層が受理層まで浸
透して一体に硬化しており、受理層に空隙は見られなか
った。これにより、層間の密着性が向上していることが
示唆された。
【0051】(実施例2)コーティング剤に紫外線吸収
剤を含有させた以外は、上記実施例1と同様にして車体
用ラベルを得た。なお、紫外線吸収剤の含有量は、硬化
後の透明セラミック層全体に対して3wt%になるよう
に設定した。次に、得られた車体用ラベルについて、U
V暴露試験を行った。試験装置は、アイスーパーUVテ
スター(岩崎電気製、SUVシリーズ)を用いた。この
装置は、光照射と結露発生とを繰り返すサイクル試験機
であり、天然暴露に近い促進試験(促進倍率はウェザー
メータの10倍以上)が可能である。試験条件は以下の
通りである。 照射波長; 295〜450nm UV強度; 100mW/cm2 サイクル; UV照射4hr(ブラックパネル、63℃、湿度50%) 結露4hr
【0052】試験の結果、160時間経過時では、塗膜
の劣化、印刷層の褪色・変色は認められず、耐候性に優
れることが明らかとなった。
【0053】
【発明の効果】以上、本発明の車体用ラベルは、車体に
貼着して用いられ、長期間にわたり屋外の紫外線に曝さ
れても劣化せず、また、表面硬度が高いため、粉塵、小
石の衝突などに対する耐久性にも優れている。さらに、
ラベルの表面に静電気が発生しないため塵埃が付着し難
い効果がある。また、透明セラミック層に紫外線吸収剤
を含有させることにより、耐候性が向上し、広告等の情
報が長期間にわたり鮮明な状態で維持される。
【0054】また、透明セラミック層に抗菌成分を含有
させることにより、その抗菌成分が表面に露出した状態
となり、優れた防汚効果を発揮することができる。
【0055】また、本発明は、基材にポリオレフィンを
採用し、かつ表面にはセラミック層を採用したため、ラ
ベル全体を焼却しても有毒な成分が生成せず、環境に優
しいラベルを得ることができる。
【0056】さらに、印刷層を形成するにあたり、イン
クジェット等の、版を使用しないオンデマンド印刷を採
用したため、比較的少数の需要に対応しやすく、ラベル
を安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車体用ラベルの断面を示す図であ
る。
【図2】 本発明の車体用ラベルの使用例を示す図であ
る。
【図3】 従来の抗菌成分を含有する塗料により形成し
た塗膜を示す図である。
【符号の説明】
1 車体用ラベル 2 車体 3 タンクローリー 10 粘着剤層 20 ポリオレフィン層 30 印刷層 40 透明セラミック層 401 抗菌成分 8 被塗物 9 塗膜 91 ビヒクル 92 抗菌成分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 社名・広告等の情報が表示され、車体の
    外表面に貼着して用いられるラベルであって、粘着剤層
    と、前記粘着剤層に設けられたポリオレフィン層と、前
    記ポリオレフィン層に設けられた印刷層と、前記印刷層
    に設けられた透明セラミック層とを備えてなる車体用ラ
    ベル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車体用ラベルにおいて、
    透明セラミック層は、ゾルーゲル法により形成したもの
    であることを特徴とする車体用ラベル。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車体用ラベルにおいて、
    透明セラミック層は、印刷層もしくはポリオレフィン層
    まで浸透した状態で硬化していることを特徴とする車体
    用ラベル。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の車体用ラベルにお
    いて、透明セラミック層は、紫外線吸収剤を含有するこ
    とを特徴とする車体用ラベル。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の車体用ラベルにおいて、
    紫外線吸収剤の含有割合が、透明セラミック層全体に対
    して1〜3wt%であることを特徴とする車体用ラベ
    ル。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか記載の車体用ラ
    ベルにおいて、透明セラミック層は、金属塩からなる抗
    菌成分を含有することを特徴とする車体用ラベル。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の車体用ラ
    ベルにおいて、透明セラミック層の厚さが5.0〜4
    0.0μmであることを特徴とする車体用ラベル。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか記載の車体用ラ
    ベルにおいて、印刷層が、製版しないオンデマンド印刷
    により形成したものであることを特徴とする車体用ラベ
    ル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106985486A (zh) * 2016-01-21 2017-07-28 张亮华 一种银胶丝印不干胶车身贴及其制作方法

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