JP2002304752A

JP2002304752A - 光ディスク装置

Info

Publication number: JP2002304752A
Application number: JP2001106550A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Manabe; 和男真鍋
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2001-04-05
Filing date: 2001-04-05
Publication date: 2002-10-18

Abstract

(57)【要約】【課題】光ピックアップの対物レンズが光軸中心から
偏倚し、再生・記録品位に悪影響を与えないように、対
物レンズ位置を最適化する光ディスク装置を提供するも
のである。【解決手段】対物レンズ４の位置を、光源３の出力光
に対して任意に偏倚可能な構成とし、記録型光ディスク
１の試し書き領域を用いて、対物レンズ４の位置を偏倚
させながら記録し、記録領域を再生することにより得ら
れるパラメータ、または記録中の反射光から得られるパ
ラメータから、最適対物レンズ位置を検出し、対物レン
ズ４位置の補正を行って最適対物レンズ位置に配置させ
る。これにより、再生・記録品位に悪影響を与えること
を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置に
おける光ピックアップの対物レンズ位置補正に関するも
のであり、特に、記録型ディスクの試し書き領域で試し
書きを行うことにより、最適対物レンズ位置を検出し、
対物レンズ位置を補正する光ディスク装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】記録型光ディスクに設けられている試し
書き領域に、光ピックアップからレーザ光を照射してテ
スト信号を記録させ、このテスト信号を再生してその記
録状態から最適な記録条件を検出する光ディスク装置は
知られている。

【０００３】例えば特開２０００−２８５４８５号公報
には、この種の光ディスク装置における光ディスクの試
し書き領域において、トラッキング誤差信号にオフセッ
ト電圧を段階的に加えて記録し、記録状態が最適となる
とき（記録部分を再生したときに得られるＲＦ信号の対
称性を表すβ(アシンメトリ)値を測定し、最適なβ値と
なるとき）のトラッキング誤差信号オフセット電圧を最
適なオフセット電圧として設定する構成が開示されてい
る。

【０００４】この構成によれば、記録時にトラッキング
制御信号を前記最適なオフセット電圧に設定してオフセ
ットさせることで、光ディスクのトラックに対する光ス
ポットの位置補正を行うことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に開示されている構成では、対物レンズの光軸に対す
る補正は行うことはできないという課題があった。

【０００６】つまり、通常、対物レンズが光源の光軸中
心から偏倚した場合に、光ピックアップから出力される
ビームのスポット形状に歪みが発生すると共に出力光量
も低下するため、再生・記録品位に悪影響を与えること
が知られている。しかし、前記公報に記載されている手
法によれば、トラッキング誤差信号にオフセット電圧を
加えることにより、トラックに対する光スポットの位置
補正を行うことができるが、光軸に対する対物レンズ位
置の補正は不可能であるため、例えば、光ピックアップ
の組立精度や光ディスク装置の設置姿勢の変化などの理
由により、対物レンズ位置が光軸中心より偏倚した場合
には、ビームスポット形状の歪みや出力光量の低下によ
り再生・記録品位に悪影響を与えるという不具合を生じ
てしまう。

【０００７】本発明は前記課題を解決するもので、光ピ
ックアップの対物レンズが光軸中心から偏倚し、再生・
記録品位に悪影響を与えないように、対物レンズ位置を
最適化する光ディスク装置を提供することを目的とする
ものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の光ディスク装置は、対物レンズ位置を、光
源の出力光に対して任意に偏倚可能な構成とし、記録型
ディスクの試し書き領域を用いて、対物レンズ位置を偏
倚させながら記録し、記録領域を再生することにより得
られるパラメータ、または記録中の反射光から得られる
パラメータから、最適対物レンズ位置を検出し、対物レ
ンズ位置の補正を行う。

【０００９】この構成によれば、対物レンズ位置が光軸
中心より偏倚していた場合に、対物レンズの光軸に対す
る補正を行うことができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載された発
明は、対物レンズを有する光ピックアップにより記録型
光ディスクに設けられている試し書き領域で試し書きを
行い、この試し書きの結果に基づいて最適な記録条件を
検出する光ディスク装置であって、前記光ピックアップ
の対物レンズ位置を、前記光ピックアップの光源からの
出力光に対してトラックを横切る方向に駆動するトラッ
キングアクチュエータと、このトラッキングアクチュエ
ータに印加する駆動電圧にオフセット電圧を加算するオ
フセット電圧回路とを備え、前記試し書き領域に、記録
パワー一定の状態で、前記オフセット電圧回路の出力電
圧を段階的に変化させながら、前記対物レンズ位置を偏
倚させて記録した後、前記対物レンズ位置を偏倚させて
記録した領域を再生し、記録状態が最適となる前記オフ
セット電圧回路の出力電圧を最適オフセット電圧とし
て、前記トラッキングアクチュエータ駆動電圧に加算す
ることを特徴としたものである。

【００１１】この構成により、記録型光ディスクの試し
書き領域において、記録パワー一定の状態で、トラッキ
ングアクチュエータ駆動電圧にオフセット電圧回路でオ
フセット電圧を段階的に変化させながら加算することに
より、対物レンズ位置を光源の出力光に対してトラック
を横切る方向に段階的に偏倚させて記録することが可能
となる。その後、記録した試し書き領域を再生し、記録
状態が最適となるようなオフセット電圧を最適オフセッ
ト電圧として、光ディスク装置動作時に、トラッキング
アクチュエータ駆動電圧に加算することで、最適な記録
状態となる対物レンズの位置を再現することができる。

【００１２】次に、本発明の請求項２に記載された発明
は、請求項１記載の光ディスク装置において、試し書き
領域で、オフセット電圧回路の出力電圧を段階的に変化
させて、対物レンズ位置を偏倚させて記録した後、前記
記録部分の記録状態を、再生ＲＦ信号の対称性、レベ
ル、ジッタまたはエラーレートのパラメータで判定し、
前記パラメータの１つまたは複数が、最適値または所定
値を満足するような記録状態に対応するオフセット電圧
回路の出力電圧値を最適オフセット電圧とすることを特
徴としたものであり、この構成により、試し書き領域に
記録した後、記録した領域を再生した時に得られるＲＦ
信号の対称性、レベル、ジッタとデコード時にカウント
されるエラーレートが、取得したデータ中で最適となる
か、またはある所定値を満たすような値となるようなと
きのオフセット電圧を、最適オフセット電圧として良好
に得ることができる。

【００１３】次に、本発明の請求項３に記載された発明
は、請求項１記載の光ディスク装置において、試し書き
領域で、オフセット電圧回路の出力電圧を段階的に変化
させて、対物レンズ位置を偏倚させて記録する場合に、
予め前記オフセット電圧回路によりトラッキングアクチ
ュエータ駆動電圧に前記オフセット電圧を加算してお
き、前記対物レンズ位置を光源の光軸中心に対してディ
スク内周または外周側にシフトさせた状態としておくこ
とにより、前記光軸中心を含む任意の範囲で前記対物レ
ンズ位置を偏倚させることを特徴としたものであり、こ
の構成によれば、必ず光軸中心を含む範囲で、対物レン
ズを段階的に偏倚することが可能となるため、信頼性が
向上する。

【００１４】次に、本発明の請求項４に記載された発明
は、請求項１記載の光ディスク装置において、試し書き
領域で、オフセット電圧回路の出力電圧を段階的に変化
させて、対物レンズ位置を偏倚させて記録する場合に、
記録中の光ディスクからの反射光量を検出する反射光量
検出回路を備えておき、前記反射光量検出回路で検出し
た反射光量のレベルが、最適値または所定値を満足する
ような前記オフセット電圧回路の出力電圧値を最適オフ
セット電圧とすることを特徴としたものであり、この構
成により、試し書き領域に記録する場合に、反射光量検
出回路によりディスクからの反射光量を検出し、検出し
た反射光量のレベルが最適、または所定値を満たす時の
オフセット電圧を、最適オフセット電圧として良好に得
ることができる。

【００１５】次に、本発明の請求項５に記載された発明
は、請求項１記載の光ディスク装置において、試し書き
領域で、オフセット電圧回路の出力電圧を段階的に変化
させて、対物レンズ位置を偏倚させて記録し、最適オフ
セット電圧を検出する光ディスク装置であって、前記最
適オフセット電圧を保持しておく記憶回路を備え、前記
最適オフセット電圧を検出した場合には、前記記憶回路
に保持しておき、以後、光ディスク装置を起動する場合
には、前記記憶回路に保持してある前記最適オフセット
電圧を呼び出し、前記トラッキングアクチュエータ駆動
電圧に加算することを特徴としたものであり、この構成
によれば、最適オフセット電圧が記憶回路に記憶されて
いるので、記録時には最適オフセット電圧を呼び出すだ
けで済み、試し書き動作を毎回行わなくても済む。

【００１６】次に、本発明の請求項６に記載された発明
は、請求項５記載の光ディスク装置において、記憶回路
に保持している最適オフセット電圧は、一定期間が経過
したとき、または、前記光ピックアップの動作環境温
度、光ディスク装置の姿勢が変化したときに、更新され
ることを特徴としたものであり、この構成によれば、最
適オフセット電圧が変わる可能性がある時だけに的確に
最適オフセット電圧を更新することができる。

【００１７】次に、本発明の請求項７に記載された発明
は、請求項５記載の光ディスク装置において、記憶回路
には、予め光ディスク装置の所定の姿勢に応じた最適オ
フセット電圧を保持しておき、前記光ディスク装置の姿
勢を判別する場合に、前記最適オフセット電圧を再度取
得し、前記記憶回路に保持された前記最適オフセット電
圧と再度取得した前記最適オフセット電圧とを比較し
て、再度取得した前記最適オフセット電圧と一致または
最も近い前記記憶回路に保持されている前記最適オフセ
ット電圧に対応する姿勢を前記光ディスク装置の現在の
姿勢と判定することを特徴としたものであり、これによ
れば、光ディスク装置の現在の姿勢を良好に判定するこ
とができる。

【００１８】次に、本発明の請求項８に記載された発明
は、対物レンズを有する光ピックアップにより記録型光
ディスクに設けられている試し書き領域で試し書きを行
い、この試し書きの結果に基づいて最適な記録条件を検
出する光ディスク装置であって、前記光ピックアップを
ディスク半径方向に送るフィード機構を駆動するフィー
ドモータと、このフィードモータに印加する駆動電圧を
遮断する遮断回路と、前記トラッキングアクチュエータ
駆動電圧を検出する電圧検出回路と、前記トラッキング
アクチュエータ駆動電圧にオフセット電圧を加算するオ
フセット電圧回路とを備え、前記遮断回路により前記フ
ィードモータに印加する駆動電圧を遮断することによ
り、トラッキングサーボは前記対物レンズの偏倚により
追従するような状態とし、前記試し書き領域に記録パワ
ー一定の状態で記録し、記録中は前記トラッキングアク
チュエータ駆動電圧を前記電圧検出回路で検出してお
き、記録後、前記対物レンズ位置を偏倚させて記録した
領域を再生し、記録状態が最適となるときのトラッキン
グアクチュエータ駆動電圧を最適トラッキングアクチュ
エータ駆動電圧として、トラッキングアクチュエータ駆
動電圧が前記最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧
と一致するように、前記オフセット電圧回路の出力電圧
を設定することを特徴としたものである。

【００１９】この構成により、遮断回路により前記フィ
ードモータに印加する駆動電圧を遮断した場合には、ト
ラッキングサーボは前記対物レンズの偏倚のみにより追
従するため、試し書き領域に記録パワー一定の状態で、
対物レンズ位置だけを光源の出力光に対してトラックを
横切る方向に偏倚させて記録することが可能となる。そ
の後、記録した試し書き領域を再生し、記録状態が最適
となるようなオフセット電圧を最適オフセット電圧とし
て、光ディスク装置動作時に、トラッキングアクチュエ
ータ駆動電圧に加算することで、最適な記録状態となる
対物レンズの位置を得ることができる。

【００２０】次に、本発明の請求項９に記載された発明
は、請求項８記載の光ディスク装置において、試し書き
領域で、遮断回路によりフィードモータに印加する駆動
電圧を遮断することにより、対物レンズを偏倚させて記
録した後、記録部分の記録状態を、再生ＲＦ信号の対称
性、レベル、ジッタまたはエラーレートで判定し、前記
パラメータの１つまたは複数が、最適値または所定値を
満足するような前記記録状態に対応する電圧検出回路の
検出電圧値を最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧
とすることを特徴としたものであり、この構成により、
試し書き領域に記録した後、記録した領域を再生した時
に得られるＲＦ信号の対称性、レベル、ジッタとデコー
ド時にカウントされるエラーレートが、取得したデータ
中で最適となるか、またはある所定値を満たすような値
となるようなときのオフセット電圧を、最適オフセット
電圧として良好に得ることができる。

【００２１】次に、本発明の請求項１０に記載された発
明は、請求項８記載の光ディスク装置において、試し書
き領域で、遮断回路によりフィードモータに印加する駆
動電圧を遮断することにより、対物レンズを偏倚させて
記録する場合に、予めオフセット電圧回路によりトラッ
キングアクチュエータ駆動電圧に前記オフセット電圧を
加算しておき、前記対物レンズ位置を光源の光軸中心に
対してディスク内周側にシフトさせた状態としておくこ
とにより、前記光軸中心を含む任意の範囲で前記対物レ
ンズ位置を偏倚させることを特徴としたものであり、こ
の構成によれば、必ず光軸中心を含む範囲で、対物レン
ズを段階的に偏倚することが可能となるため、信頼性が
向上する。

【００２２】次に、本発明の請求項１１に記載された発
明は、請求項８記載の光ディスク装置において、試し書
き領域で、遮断回路によりフィードモータに印加する駆
動電圧を遮断することにより、対物レンズを偏倚させて
記録する場合に、記録中の光ディスクからの反射光量を
検出する反射光量検出回路を備えておき、前記反射光量
検出回路で検出した反射光量のレベルが、最適値または
所定値を満足するようなトラッキングアクチュエータ駆
動電圧を最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧とす
ることを特徴としたものであり、この構成により、試し
書き領域に記録する場合に、反射光量検出回路によりデ
ィスクからの反射光量を検出し、検出した反射光量のレ
ベルが最適、または所定値を満たす時のオフセット電圧
を、最適オフセット電圧として良好に得ることができ
る。

【００２３】次に、本発明の請求項１２に記載された発
明は、試し書き領域で、遮断回路によりフィードモータ
に印加する駆動電圧を遮断することにより、対物レンズ
を偏倚させて記録し、最適トラッキングアクチュエータ
駆動電圧を検出するような光ディスク装置であって、前
記最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧を保持して
おく記憶回路を備え、前記最適トラッキングアクチュエ
ータ駆動電圧を検出した場合には、前記記憶回路に保持
しておき、以後、前記光ディスク装置を起動する場合に
は、前記記憶回路に保持してある前記最適トラッキング
アクチュエータ駆動電圧を呼び出し、トラッキングアク
チュエータ駆動電圧が前記最適トラッキングアクチュエ
ータ駆動電圧と一致するように、前記オフセット電圧回
路の出力電圧を設定することを特徴としたものであり、
この構成によれば、最適オフセット電圧が記憶回路に記
憶されているので、記録時には最適オフセット電圧を呼
び出すだけで済み、試し書き動作を毎回行わなくても済
む。

【００２４】次に、本発明の請求項１３に記載された発
明は、請求項１２記載の光ディスク装置において、記憶
回路に保持している最適トラッキングアクチュエータ駆
動電圧は、一定期間が経過したとき、または、光ピック
アップの動作環境温度、光ディスク装置の姿勢が変化し
たときに、更新されることを特徴としたものであり、こ
の構成によれば、最適オフセット電圧が変わる可能性が
ある時だけに的確に最適オフセット電圧を更新すること
ができる。

【００２５】次に、請求項１４に記載された発明は、請
求項１２記載の光ディスク装置において、記憶回路に
は、予め光ディスク装置の所定の姿勢に応じた最適トラ
ッキングアクチュエータ駆動電圧を保持しておき、前記
光ディスク装置の姿勢を判別する場合に前記最適トラッ
キングアクチュエータ駆動電圧を再度取得し、記憶回路
に保持された前記最適トラッキングアクチュエータ駆動
電圧と再度取得した前記最適トラッキングアクチュエー
タ駆動電圧とを比較して、再度取得した最適トラッキン
グアクチュエータ駆動電圧と一致または最も近い前記記
憶回路に保持されている前記最適トラッキングアクチュ
エータ駆動電圧に対応する姿勢を前記光ディスク装置の
現在の姿勢と判定することを特徴としたものであり、こ
れによれば、光ディスク装置の現在の姿勢を良好に判定
することができる。

【００２６】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき
説明する。（実施の形態１）図１において、１は光ディスク、２は
光ディスク１に対してレーザの照射と反射光の受光とを
行う光ピックアップである。光ピックアップ２は、例え
ば半導体レーザと光学系とから構成された光源３と、光
源３の出力光を光ディスク１に焦点を結ぶ対物レンズ４
と、対物レンズ４を光ディスク１のトラックを横切る方
向に駆動するトラッキングアクチュエータ５などから構
成されており、トラッキングアクチュエータ５は、例え
ばパワードライバＩＣのようなトラッキングアクチュエ
ータ駆動回路６により駆動される。７はトラックを横切
る方向に光ピックアップ２を送るフィード機構を駆動す
るフィードモータであり、フィードモータ駆動回路８に
より駆動される。９はフォトディテクタで、光ディスク
１からの反射光を受光し、電圧信号に変換する。１０は
ＲＦ検出回路で、フォトディテクタ９から入力された信
号からＲＦ信号を生成する。

【００２７】１１は検波回路で、ＲＦ検出回路１０で生
成されたＲＦ信号の、最大値、最小値、平均値を検出す
る。１２はデコーダで、ＲＦ検出回路１０で生成された
ＲＦ信号のデコードのほか、ジッタ計測、エラーカウン
トを行う。１３はサーボ信号処理回路で、フォトディテ
クタ９から入力された信号からトラッキング誤差信号
と、記録型光ディスクのアドレス情報、例えばＣＤ−
Ｒ、ＣＤ−ＲＷの場合には、光ディスク１に予め埋め込
まれているＡＴＩＰ（Absolute Time In Pregroove）の
情報を抽出することができる。１４はＣＰＵで、光ディ
スク装置全体の制御のほか、検波回路１１から出力され
るＲＦ信号の最大値、最小値、平均値から、アシンメト
リ、変調度を算出する。１５は記憶装置で、例えば、フ
ラッシュＲＯＭのような不揮発性メモリである。１６は
温度検出回路で、光ピックアップ２に組み込まれた、例
えば感温抵抗のような温度検出素子１７の抵抗値の変化
を、電圧信号に変換してＡ／Ｄコンバータで検出し、そ
の結果をＣＰＵ１４に入力して温度を検知する。図２に
おいて、光源３からの出力光はガウス分布を示し、通
常、対物レンズ４の有効径に対して、十分なビーム径を
持って設計されている。

【００２８】図３において、１８はサーボアンプで、入
力されたトラッキング誤差信号と基準電圧との比較出力
を増幅し、トラッキングループフィルタ１９によりフィ
ルタ処理を行う。２０はオフセット電圧回路で、例えば
Ｄ／Ａコンバータのような電圧源であり、任意の電圧を
設定することができる。２１はフィードループフィルタ
で、トラッキングアクチュエータ駆動信号のフィルタ処
理を行い、フィードモータ駆動電圧を生成している。図
４において、２２は遮断回路で、フィードモータ駆動電
圧を基準電圧に固定しておくことで、フィードモータ駆
動回路８に入力するフィードモータ駆動電圧を遮断す
る。２３は、例えばＡ／Ｄコンバータのような電圧検出
回路で、トラッキングアクチュエータ駆動電圧を検出す
る。

【００２９】一般的な光ディスク装置は、光ディスク１
のトラックに光ピックアップ２を追従させるために、ト
ラッキングアクチュエータ５とフィード機構とを備えて
いる。トラッキングアクチュエータ５は、フィードと比
べて追従性が高いが、移動できる範囲は狭い。一方、フ
ィード機構は、光ピックアップ２をディスク内周から外
周まで移動できるが、トラッキングアクチュエータ５と
比べて追従性が低い。光ディスク１を内周から外周にか
けて再生、記録する場合には、対物レンズ４が中立位
置、つまりトラッキングアクチュエータ５が駆動されて
いない状態から、トラッキングアクチュエータ５を駆動
して対物レンズ４を外周側に一定量シフトした後、フィ
ード機構により光ピックアップ２を外周方向に送り、対
物レンズ４を再び中立位置に引き戻すという一連の動作
を繰り返すことにより、トラックに追従する。

【００３０】図２に示すように、光源３からの出力光
は、ガウス分布を示すため、対物レンズ４は光軸中心を
中立位置とし、光軸中心付近で駆動することが望まし
い。もしも、対物レンズ４の中立位置が光軸中心から極
端に偏倚していた場合、対物レンズ４から照射されるビ
ームスポット形状に歪みが発生し、光量も低下するた
め、再生・記録性能に悪影響を及ぼす。通常、対物レン
ズ４の中立位置は、光軸中心と一致するように設計され
ているが、光ピックアップ２の組立精度により、対物レ
ンズ４の位置が偏倚する可能性がある。また、光ピック
アップ２は、光ディスク装置を水平置きで使用すること
を前提に設計されていることが多いため、例えば、光ピ
ックアップ外周側が下方向となるように垂直置きで使用
された場合には、当然対物レンズ４に重力が作用し、対
物レンズ４の中立位置が光軸中心に対して外周側に偏倚
することが考えられる。

【００３１】トラッキング誤差信号は、光ピックアップ
２のフォトディテクタ９で受光する反射光の不平衡信号
として生成される。光ピックアップ２が、光ディスク１
のトラックに完全に追従している場合には、トラッキン
グ誤差信号レベルは基準電圧と一致する。しかし、光ピ
ックアップ２がトラックに対してシフトした場合に、ト
ラッキング誤差信号レベルが基準電圧に対して変動する
ため、その差分をサーボアンプ１８で増幅し、その出力
をトラッキングループフィルタ１９でフィルタ処理する
ことにより、トラッキングアクチュエータ駆動電圧が生
成される。フィードモータ駆動電圧は、トラッキングア
クチュエータ駆動電圧の低周波成分を、フィードループ
フィルタ２１で抜き出すことにより生成される。トラッ
キングアクチュエータ駆動電圧とフィードモータ駆動電
圧とは、それぞれトラッキングアクチュエータ駆動回路
６とフィードモータ駆動回路８とに入力され、トラッキ
ングアクチュエータ５およびフィードモータ７を駆動す
ることにより、光ピックアップ２を再びトラックに追従
させることになる。

【００３２】記録型の光ディスク１として、例えばＣＤ
−ＲおよびＣＤ−ＲＷが知られているが、ＣＤ−Ｒおよ
びＣＤ−ＲＷには、データ領域よりも内周に、最適な記
録パワーを検出するためのＰＣＡ（Power Calibration
Area）と呼ばれる試し書き領域が用意されている。一般
的には、ＰＣＡにおいて、記録パワーを変化させて記録
した後、記録部分を再生して得られたＲＦ信号のアシン
メトリ、変調度から、最適記録パワーを検出する。

【００３３】ここで、本発明の比較例としての従来の手
法について、図１、図２、図５を用いて、以下に説明す
る。従来の手法では、トラッキング誤差信号にオフセッ
ト電圧を加えるオフセット電圧回路２０を備え、トラッ
キング誤差信号レベルを変化できるような構成としてい
るため、光ディスク１のトラックに対して、光ピックア
ップ２の追従位置をシフトすることができる。このトラ
ックに対する光ピックアップ２のシフト量を最適化する
ために、記録型の光ディスク１に用意された試し書き領
域において、記録パワー一定の状態で、オフセット電圧
回路２０から出力するオフセット電圧を段階的に変化さ
せながら記録する。そしてこの後、記録領域を再生し、
得られたＲＦ信号からβ（アシンメトリ：対称性）値を
計算して、最良のβ値となるときのオフセット電圧を検
出し、検出したオフセット電圧を、トラッキング誤差信
号に加える。しかしながら、トラッキング誤差信号にオ
フセット電圧を加えた場合には、この信号から得られた
トラッキングアクチュエータ駆動電圧がフィードモータ
駆動電圧としても利用されて、対物レンズ４のみを駆動
することができないため、対物レンズ４の中立位置が光
軸中心からシフトしている場合には、照射されるビーム
のスポット形状が歪み、出力光量が低下することとな
り、再生および記録品位が悪化する。

【００３４】次に、本発明の請求項１、２に記載された
内容に対応する発明の実施の形態について、図１〜図３
を用いて以下に説明する。本発明の光ディスク装置のサ
ーボアンプ１８は、オフセット電圧が加えられていない
トラッキング誤差信号と基準電圧との比較出力を増幅す
る。また、光ディスク装置は、トラッキングアクチュエ
ータ駆動電圧にオフセット電圧を加えるオフセット電圧
回路２０を備え、オフセット電圧を変化させることによ
り、トラッキングアクチュエータ５を駆動し、対物レン
ズ４の位置を偏倚させることが可能に構成されている。

【００３５】以下に、対物レンズ４の最適な位置を検出
する手法について説明する。例えば、ＣＤ−ＲやＣＤ−
ＲＷの場合に、試し書き領域であるＰＣＡにおいて、記
録パワー一定の状態で、オフセット電圧回路２０から出
力するオフセット電圧を段階的に変化させ、トラッキン
グアクチュエータ５を段階的に駆動することにより、対
物レンズ４を偏倚させて記録する。記録中には、サーボ
信号処理回路１３により、光ディスク１に予め埋め込ま
れているＡＴＩＰ情報を抽出し、設定したオフセット電
圧と抽出したＡＴＩＰ情報とから、検出したアドレス情
報との関係を取得しておく。記録後、記録領域を再生
し、フォトディテクタ９に入力された反射光から、ＲＦ
検出回路１０でＲＦ信号を検出し、検出したＲＦ信号の
最大値、最小値、平均値を検波回路１１で検出し、検出
した最大値、最小値、平均値から、ＲＦ信号の対称性を
示すβ（アシンメトリ）値と、振幅を示す変調度とをＣ
ＰＵ１４で算出する。また、デコーダ１２により、ＲＦ
信号のジッタ、エラーレートを算出する。算出したβ、
変調度が最大値をとるとき、または、ジッタ、エラーレ
ートが最小値を取るときに、対物レンズ４の位置が最適
であるため、そのときのアドレスを取得する。そして、
このアドレスに対応するオフセット電圧を、予め取得し
ておいたオフセット電圧とアドレスとの関係から導出し
て、最適オフセット電圧とし、光ディスク装置が再生、
記録動作する場合には、オフセット電圧回路２０に前記
最適オフセット電圧を設定する。

【００３６】この構成により、対物レンズ４の位置を光
源３の出力光に対してトラックを横切る方向に段階的に
偏倚させて記録することが可能となり、また、最適な記
録状態となる対物レンズ４の位置を得ることができる。

【００３７】（実施の形態２）次に、本発明の請求項３
に記載された内容に対応する発明の実施の形態につい
て、図１、図３を用いて説明する。

【００３８】試し書き領域において、記録パワー一定の
状態で、オフセット電圧回路２０から出力するオフセッ
ト電圧を段階的に変化させ、トラッキングアクチュエー
タ５を段階的に駆動することにより、対物レンズ４を偏
倚させて記録する点では上記実施の形態と同様である。
しかし、対物レンズ４を偏倚させて記録するに際し、予
めオフセット電圧回路２０に初期オフセット電圧を設定
しておき、対物レンズ位置を、内周側または外周側に偏
倚させておく。この状態を初期状態とし、対物レンズ位
置を内周に偏倚させておいた場合には、記録中、対物レ
ンズ４を外周側に偏倚するようにオフセット電圧を変化
させ、逆に、外周に偏倚させておいた場合には、記録
中、内周に偏倚するようにオフセット電圧を変化する。
このように、対物レンズ４の初期位置を予め偏倚させて
おくことにより、必ず光軸中心を含む範囲で、対物レン
ズ４を段階的に偏倚することが可能となる。

【００３９】この構成によれば、対物レンズ４が光軸中
心を含まない範囲内だけで偏倚することが防止されるの
で、最適な記録状態となる対物レンズ４の位置を確実に
得ることができ、信頼性が向上する。

【００４０】（実施の形態３）次に、本発明の請求項４
に記載された内容に対応する発明の実施の形態につい
て、図１〜図３を用いて説明する。

【００４１】この光ディスク装置では、試し書き領域
で、記録パワー一定の状態で記録し、最適オフセット電
圧を検出する場合に、記録後に記録領域を再生して得ら
れるパラメータより最適か否かを判断するのではなく、
記録中の光ディスク１からの反射光から判断する。例え
ば、ＣＤ−ＲやＣＤ−ＲＷの場合に、記録中は、光ピッ
クアップ２から出力するライトパルスが反射光としてフ
ォトディテクタ９で受光されるが、その波形をＲＦ検出
回路１０で検出し、検波回路１１により、反射光の最大
値、平均値の他、ＣＤ−Ｒの場合にはＢレベルと呼ばれ
るピット部分からのライトパルス反射光レベルを検出す
る。

【００４２】この構成において、反射光の最大値、平均
値が最も大きい値をとるときに、光ピックアップ２から
の出力光強度が最大であるため、対物レンズ４の位置が
最適であると判断できる。また、反射光のＢレベルを最
大値で正規化した値が最も小さい値をとるときに、ピッ
トからの反射率が最も低く、ピット形成状態が最適であ
るため、対物レンズ位置が最適であると判断できる。従
って、反射光の最大値、平均値が最も大きい、または、
Ｂレベルを最大値で正規化した値が最も小さい値をとる
ときに、オフセット電圧回路２０に設定したオフセット
電圧を最適オフセット電圧とする。これによっても、最
適オフセット電圧を良好に得ることができる。（実施の形態４）次に、本発明の請求項５，６に記載さ
れた内容に対応する発明の実施の形態について、図１、
図３を用いて説明する。

【００４３】この実施の形態では、試し書き領域で、記
録パワー一定の状態で記録し、最適オフセット電圧を検
出するような光ディスク装置において、最適オフセット
電圧を保持しておくような記憶回路１５を備えておき、
光ディスク装置が再生、記録動作するような場合に、記
憶回路１５に保持している最適オフセット電圧を呼び出
し、オフセット電圧回路２０に最適オフセット電圧を設
定する。この記憶回路１５に保持する最適オフセット電
圧は、経時変化に対する光ピックアップ２の劣化を考慮
し、一定期間経過した場合に更新する。また、光ピック
アップ２には、温度検出素子１７が組み込まれており、
例えばこの温度検出素子１７が感温抵抗の場合には、抵
抗変化から温度検出回路１６で温度を検出し、動作環境
温度の変動を検知した場合に更新することもできる。ま
た、光ディスク装置の設置姿勢を水平姿勢から垂直姿勢
に変化させるような場合、例えば、外部からＣＰＵ１４
のポートに入力する姿勢信号の極性をスイッチ等で反転
させることにより姿勢の変化を検知し、再度更新するこ
ともできる。

【００４４】この構成によれば、通常は記憶回路１５に
保持している最適オフセット電圧が素早く設定される一
方で、一定期間経過した場合や、動作環境温度の変動を
検知した場合、光ディスク装置の設置姿勢が変化した場
合などには、変化した状態に対応する最適オフセット電
圧を得ることができる。（実施の形態５）次に、本発明の請求項７に記載された
内容に対応する発明の実施の形態について、図１、図３
を用いて説明する。

【００４５】この実施の形態では、試し書き領域で、記
録パワー一定の状態で記録し、最適オフセット電圧を検
出し、その値を記憶回路１５に保持するような光ディス
ク装置において、予め、光ディスク装置を水平置きした
場合と、光ピックアップ外周側が例えば下向きになるよ
うに垂直置きした場合とのそれぞれの最適オフセット電
圧を記憶回路１５に保持しておく。

【００４６】光ディスク装置を垂直置きした場合には、
当然、対物レンズ４に重力が作用するため、対物レンズ
４の中立位置が偏倚する。この重力による偏倚分を補正
するための、水平置きの場合と垂直置きの場合とで、最
適オフセット電圧が異なる。この姿勢の違いによるオフ
セット電圧差を利用して、光ディスク装置の姿勢判別を
行う。

【００４７】姿勢を検出したい場合には、試し書き領域
において、一連の処理により最適オフセット電圧を検出
し、予め保持しておいた水平置きと垂直置きの場合の値
と比較する。そして、例えば、検出した最適オフセット
電圧の値が、予め記憶回路１５に保持しておいた水平置
きの値と一致するか、または、垂直置きの値と比較して
水平置きの値に近い場合に、現在の光ディスク装置の姿
勢を、水平置きと判別することができる。

【００４８】この判別結果を利用して、光ディスク装置
の姿勢が水平置きの場合と垂直置きの場合とで区別しな
がら各種動作を行わせることができる。例えば、光ディ
スク１を出し入れするトレーなどを駆動する際に、垂直
置きの場合には水平置きの場合よりもトレーの駆動トル
クを大きくすることが望ましいため、各種判別した姿勢
に応じて駆動トルクを調節するなど、それぞれの姿勢に
適した各種制御動作を行うことができる。

【００４９】（実施の形態６）次に、本発明の請求項
８、９に記載された内容に対応する発明の実施の形態に
ついて、図１、図２、図４を用いて説明する。

【００５０】本発明の光ディスク装置は、トラッキング
アクチュエータ駆動電圧にオフセット電圧を加えるオフ
セット電圧回路２０と、フィードモータ駆動電圧を遮断
し、基準電圧に固定する遮断回路２２と、トラッキング
アクチュエータ駆動電圧を検出する電圧検出回路２３と
を備えている。

【００５１】以下に、最適な対物レンズ４の位置を検出
する手法について説明する。例えば、光ディスク１がＣ
Ｄ−ＲやＣＤ−ＲＷの場合に、試し書き領域であるＰＣ
Ａにおいて、記録パワー一定の状態で記録する場合に、
遮断回路２２によりフィードモータ駆動電圧を基準電圧
に切り換えて、フィードモータ７への駆動信号を遮断す
る。このとき、フィードモータ駆動が停止するため、ト
ラッキングサーボは、トラッキングアクチュエータ駆
動、つまり対物レンズ４の偏倚のみにより追従する。記
録中、サーボ信号処理回路１３により、光ディスク１に
予め埋め込まれているＡＴＩＰ情報を抽出し、電圧検出
回路２３で検出したトラッキングアクチュエータ駆動電
圧と、抽出したＡＴＩＰ情報から検出したアドレス情報
との関係を取得しておく。

【００５２】記録後、記録領域を再生し、フォトディテ
クタ９に入力された反射光から、ＲＦ検出回路１０でＲ
Ｆ信号を検出し、検出したＲＦ信号の最大値、最小値、
平均値を検波回路１１で検出し、検出した最大値、最小
値、平均値から、ＲＦ信号の対称性を示すβ（アシンメ
トリ）値、振幅を示す変調度をＣＰＵ１４で算出する。
また、デコーダ１２により、ＲＦ信号のジッタ、エラー
レートを算出する。

【００５３】算出したβ、変調度が最大値をとるとき、
または、ジッタ、エラーレートが最小値を取るときに、
対物レンズ４の位置が最適であるため、そのときのアド
レスを取得する。そして、このアドレスに対応するトラ
ッキングアクチュエータ駆動電圧を、予め取得しておい
たトラッキングアクチュエータ駆動電圧とアドレスとの
関係から導出して、最適トラッキングアクチュエータ駆
動電圧とし、光ディスク装置により再生、記録動作する
場合に、トラッキングアクチュエータ駆動電圧が最適ト
ラッキングアクチュエータ駆動電圧と一致するように、
オフセット電圧回路２０を設定する。

【００５４】この構成によっても、対物レンズ４の位置
を光源３の出力光に対してトラックを横切る方向に段階
的に偏倚させて記録することが可能となり、また、最適
な記録状態となる対物レンズ４の位置を得ることができ
る。

【００５５】（実施の形態７）次に、本発明の請求項１
０に記載された内容に対応する発明の実施の形態につい
て、図１、図４を用いて説明する。

【００５６】この光ディスク装置では、試し書き領域に
おいて、記録パワー一定の状態で、遮断回路２２により
フィードモータ駆動電圧を基準電圧に固定することによ
りフィードモータ７の駆動を停止し、トラッキングの追
従は、トラッキングアクチュエータ駆動のみで行われる
ようにして対物レンズ４を偏倚させて記録する。この場
合に、予めオフセット電圧回路２０に初期オフセット電
圧を設定しておき、対物レンズ４の位置を、内周側に偏
倚させておく。この状態を初期状態としておけば、対物
レンズ４がトラックに追従するために、対物レンズ４の
位置が外周方向に偏倚し、必ず光軸中心を含む範囲で、
対物レンズ４を偏倚することが可能となる。

【００５７】この構成によれば、対物レンズ４が光軸中
心を含まない範囲内だけで偏倚することが防止されるの
で、最適な記録状態となる対物レンズ４の位置を確実に
得ることができ、信頼性が向上する。

【００５８】（実施の形態８）次に、本発明の請求項１
１に記載された内容に対応する発明の実施の形態につい
て、図１、図２、図４を用いて説明する。

【００５９】この光ディスク装置では、試し書き領域
で、記録パワー一定の状態で、遮断回路２２によりフィ
ードモータ駆動電圧を基準電圧に固定することによりフ
ィードモータ７の駆動を停止し、トラッキングの追従
は、トラッキングアクチュエータ駆動のみで行われるよ
うにして対物レンズ４を偏倚させて記録する。そして、
最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧を検出する場
合に、記録後に記録領域を再生して得られるパラメータ
より最適か否かを判断するのではなく、記録中の光ディ
スク１からの反射光から判断する。

【００６０】例えば、光ディスク１がＣＤ−ＲやＣＤ−
ＲＷの場合に、記録中は、光ピックアップ２から出力す
るライトパルスが反射光としてフォトディテクタ９で受
光されるが、その波形をＲＦ検出回路１０で検出し、検
波回路１１により、反射光の最大値、平均値の他、ＣＤ
−Ｒの場合にはＢレベルと呼ばれるピット部分からのラ
イトパルス反射光レベルを検出する。

【００６１】反射光の最大値、平均値が最も大きい値を
とるときに、光ピックアップ２からの出力光強度が最大
であるため、対物レンズ位置が最適であると判断でき
る。また、反射光のＢレベルを最大値で正規化した値が
最も小さい値をとるときに、ピットからの反射率が最も
低く、ピット形成状態が最適であるため、対物レンズ４
の位置が最適であると判断できる。従って、反射光の最
大値、平均値が最も大きい、または、Ｂレベルを最大値
で正規化した値が最も小さい値をとるときに、電圧検出
回路２３で検出したトラッキングアクチュエータ駆動電
圧を最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧とする。
これによっても、最適オフセット電圧を良好に得ること
ができる。（実施の形態９）次に、本発明の請求項１２，１３に記
載された内容に対応する発明の実施の形態について、図
１、図４を用いて説明する。

【００６２】この実施の形態では、試し書き領域で、記
録パワー一定の状態で記録し、最適トラッキングアクチ
ュエータ駆動電圧を検出するような光ディスク装置にお
いて、最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧を保持
しておくような記憶回路１５を備えておく。そして、光
ディスク装置が再生、記録動作するような場合に、記憶
回路１５に保持している最適トラッキングアクチュエー
タ駆動電圧を呼び出し、トラッキングアクチュエータ駆
動電圧が最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧に一
致するように、オフセット電圧回路２０のオフセット電
圧を設定する。

【００６３】この場合に、この記憶回路１５に保持する
最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧は、経時変化
に対する光ピックアップ２の劣化を考慮し、一定期間経
過した場合に更新する。また、光ピックアップ２には、
温度検出素子１７が組み込まれており、例えば感温抵抗
の場合には、抵抗変化から温度検出回路１６で温度検出
し、動作環境温度の変動を検知した場合に更新すること
もできる。また、光ディスク装置の設置姿勢を水平姿勢
から垂直姿勢に変化させるような場合、例えば、外部か
らＣＰＵ１４のポートに入力する姿勢信号の極性をスイ
ッチ等で反転させることにより姿勢の変化を検知し、再
度更新することもできる。

【００６４】この構成によれば、通常は記憶回路１５に
保持している最適オフセット電圧が素早く設定される一
方で、一定期間経過した場合や、動作環境温度の変動を
検知した場合、光ディスク装置の設置姿勢が変化した場
合などには、変化した状態に対応する最適オフセット電
圧を得ることができる。（実施の形態１０）次に、本発明の請求項１４に記載さ
れた内容に対応する発明の実施の形態について、図１、
図４を用いて説明する。

【００６５】この実施の形態では、試し書き領域で、記
録パワー一定の状態で記録し、最適トラッキングアクチ
ュエータ駆動電圧を検出し、その値を記憶回路１５に保
持するような光ディスク装置において、予め、光ディス
ク装置を水平置きした場合と、光ピックアップ外周側が
例えば下向きになるように垂直置きした場合の最適トラ
ッキングアクチュエータ駆動電圧を保持しておく。光デ
ィスク装置を垂直置きした場合には、当然、対物レンズ
４に重力が作用するため、対物レンズの中立位置が偏倚
する。この重力による偏倚分を補正するための、水平置
きの場合と垂直置きの場合で、最適トラッキングアクチ
ュエータ駆動電圧が異なる。この姿勢の違いによるトラ
ッキングアクチュエータ駆動電圧差を利用して、光ディ
スク装置の姿勢判別を行う。姿勢を検出したい場合に
は、試し書き領域において、一連の処理により最適トラ
ッキングアクチュエータ駆動電圧を検出し、予め保持し
ておいた水平置きと垂直置きの場合の値と比較する。そ
して、例えば、検出した最適トラッキングアクチュエー
タ駆動電圧の値が、予め記憶回路１５に保持しておいた
水平置きの値と一致するか、または、垂直置きの値と比
較して水平置きの値に近い場合に、現在の光ディスク装
置の姿勢を、水平置きと判別することができる。

【００６６】この実施の形態によっても、上記実施の形
態５の場合と同様に、光ディスク装置の姿勢が水平置き
の場合と垂直置きの場合とで区別しながらその姿勢に適
した各種動作を行わせることができる。

【００６７】

【発明の効果】以上のように、本発明の光ディスク装置
によれば、対物レンズ位置だけを、光源の出力光に対し
て任意に偏倚可能な構成とし、記録型ディスクの試し書
き領域の記録情報（記録領域を再生することにより得ら
れるパラメータ、または記録中の反射光から得られるパ
ラメータなど）を用いて最適対物レンズ位置を検出でき
る構成としたため、最適対物レンズ位置を正確に検出で
きて、対物レンズ位置の補正を的確に行うことができ
る。したがって、光ピックアップの組立精度が悪くて対
物レンズ位置が光軸中心に対して偏倚した場合、また
は、光ディスク装置の設置姿勢を変化させたことにより
対物レンズ位置が光軸中心に対して偏倚した場合でも対
物レンズ位置を最適対物レンズ位置に補正でき、従来の
ように、光ピックアップから出力されるビームのスポッ
ト形状が歪み、出力光量が低下することにより再生・記
録品位に悪影響を与えるようなことを防止できて、光デ
ィスク装置の信頼性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態にかかる光ディスク装置を
概略的に示す図。

【図２】同光ディスク装置の要部および光源からの出力
光の強度分布を示す図。

【図３】同光ディスク装置のトラッキング駆動回路を示
す図。

【図４】本発明における他の実施の形態にかかる光ディ
スク装置のトラッキング駆動回路を示す図。

【図５】従来の光ディスク装置のトラッキング駆動回路
を示す図。

【符号の説明】

１光ディスク２光ピックアップ３光源４対物レンズ５トラッキングアクチュエータ６トラッキングアクチュエータ駆動回路７フィードモータ８フィードモータ駆動回路９フォトディテクタ１０ＲＦ検出回路１１検波回路１２デコーダ１３サーボ信号処理回路１４ＣＰＵ１５記憶回路１６温度検出回路１７温度検出素子１８サーボアンプ１９トラッキングループフィルタ２０オフセット電圧回路２１フィードループフィルタ２２遮断回路２３電圧検出回路

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】対物レンズを有する光ピックアップによ
り記録型光ディスクに設けられている試し書き領域で試
し書きを行い、この試し書きの結果に基づいて最適な記
録条件を検出する光ディスク装置であって、前記光ピックアップの対物レンズ位置を、前記光ピック
アップの光源からの出力光に対してトラックを横切る方
向に駆動するトラッキングアクチュエータと、このトラ
ッキングアクチュエータに印加する駆動電圧にオフセッ
ト電圧を加算するオフセット電圧回路とを備え、前記試し書き領域に、記録パワー一定の状態で、前記オ
フセット電圧回路の出力電圧を段階的に変化させなが
ら、前記対物レンズ位置を偏倚させて記録した後、前記
対物レンズ位置を偏倚させて記録した領域を再生し、記
録状態が最適となる前記オフセット電圧回路の出力電圧
を最適オフセット電圧として、前記トラッキングアクチ
ュエータ駆動電圧に加算することを特徴とした光ディス
ク装置。
【請求項２】試し書き領域において、オフセット電圧
回路の出力電圧を段階的に変化させて、対物レンズ位置
を偏倚させて記録した後、前記記録部分の記録状態を、
再生ＲＦ信号の対称性、レベル、ジッタまたはエラーレ
ートのパラメータで判定し、前記パラメータの１つまた
は複数が、最適値または所定値を満足するような記録状
態に対応するオフセット電圧回路の出力電圧値を最適オ
フセット電圧とすることを特徴とした請求項１記載の光
ディスク装置。
【請求項３】試し書き領域において、オフセット電圧
回路の出力電圧を段階的に変化させて、対物レンズ位置
を偏倚させて記録する場合に、予め前記オフセット電圧
回路によりトラッキングアクチュエータ駆動電圧に前記
オフセット電圧を加算しておき、前記対物レンズ位置を
光源の光軸中心に対してディスク内周または外周側にシ
フトさせた状態としておくことにより、前記光軸中心を
含む任意の範囲で前記対物レンズ位置を偏倚させること
を特徴とした請求項１記載の光ディスク装置。
【請求項４】試し書き領域において、オフセット電圧
回路の出力電圧を段階的に変化させて、対物レンズ位置
を偏倚させて記録する場合に、記録中の光ディスクから
の反射光量を検出する反射光量検出回路を備えておき、
前記反射光量検出回路で検出した反射光量のレベルが、
最適値または所定値を満足するような前記オフセット電
圧回路の出力電圧値を最適オフセット電圧とすることを
特徴とした請求項１記載の光ディスク装置。
【請求項５】試し書き領域で、オフセット電圧回路の
出力電圧を段階的に変化させて、対物レンズ位置を偏倚
させて記録し、最適オフセット電圧を検出する光ディス
ク装置において、前記最適オフセット電圧を保持してお
く記憶回路を備え、前記最適オフセット電圧を検出した
場合には、前記記憶回路に保持しておき、以後、光ディ
スク装置を起動する場合には、前記記憶回路に保持して
ある前記最適オフセット電圧を呼び出し、前記トラッキ
ングアクチュエータ駆動電圧に加算することを特徴とし
た請求項１記載の光ディスク装置。
【請求項６】記憶回路に保持している最適オフセット
電圧は、一定期間が経過したとき、または、前記光ピッ
クアップの動作環境温度、光ディスク装置の姿勢が変化
したときに、更新されることを特徴とした請求項５記載
の光ディスク装置。
【請求項７】記憶回路には、予め光ディスク装置の所
定の姿勢に応じた最適オフセット電圧を保持しておき、
前記光ディスク装置の姿勢を判別する場合に、前記最適
オフセット電圧を再度取得し、前記記憶回路に保持され
た前記最適オフセット電圧と再度取得した前記最適オフ
セット電圧とを比較して、再度取得した前記最適オフセ
ット電圧と一致または最も近い前記記憶回路に保持され
ている前記最適オフセット電圧に対応する姿勢を前記光
ディスク装置の現在の姿勢と判定することを特徴とした
請求項５記載の光ディスク装置。
【請求項８】対物レンズを有する光ピックアップによ
り記録型光ディスクに設けられている試し書き領域で試
し書きを行い、この試し書きの結果に基づいて最適な記
録条件を検出する光ディスク装置であって、前記光ピックアップをディスク半径方向に送るフィード
機構を駆動するフィードモータと、このフィードモータ
に印加する駆動電圧を遮断する遮断回路と、前記トラッ
キングアクチュエータ駆動電圧を検出する電圧検出回路
と、前記トラッキングアクチュエータ駆動電圧にオフセ
ット電圧を加算するオフセット電圧回路とを備え、前記遮断回路により前記フィードモータに印加する駆動
電圧を遮断することにより、トラッキングサーボは前記
対物レンズの偏倚により追従するような状態とし、前記
試し書き領域に記録パワー一定の状態で記録し、記録中
は前記トラッキングアクチュエータ駆動電圧を前記電圧
検出回路で検出しておき、記録後、前記対物レンズ位置
を偏倚させて記録した領域を再生し、記録状態が最適と
なるときのトラッキングアクチュエータ駆動電圧を最適
トラッキングアクチュエータ駆動電圧として、トラッキ
ングアクチュエータ駆動電圧が前記最適トラッキングア
クチュエータ駆動電圧と一致するように、前記オフセッ
ト電圧回路の出力電圧を設定することを特徴とした光デ
ィスク装置。
【請求項９】試し書き領域において、遮断回路により
フィードモータに印加する駆動電圧を遮断することによ
り、対物レンズを偏倚させて記録した後、記録部分の記
録状態を、再生ＲＦ信号の対称性、レベル、ジッタまた
はエラーレートで判定し、前記パラメータの１つまたは
複数が、最適値または所定値を満足するような前記記録
状態に対応する電圧検出回路の検出電圧値を最適トラッ
キングアクチュエータ駆動電圧とすることを特徴とした
請求項８記載の光ディスク装置。
【請求項１０】試し書き領域において、遮断回路によ
りフィードモータに印加する駆動電圧を遮断することに
より、対物レンズを偏倚させて記録する場合に、予めオ
フセット電圧回路によりトラッキングアクチュエータ駆
動電圧に前記オフセット電圧を加算しておき、前記対物
レンズ位置を光源の光軸中心に対してディスク内周側に
シフトさせた状態としておくことにより、前記光軸中心
を含む任意の範囲で前記対物レンズ位置を偏倚させるこ
とを特徴とした請求項８記載の光ディスク装置。
【請求項１１】試し書き領域において、遮断回路によ
りフィードモータに印加する駆動電圧を遮断することに
より、対物レンズを偏倚させて記録する場合に、記録中
の光ディスクからの反射光量を検出する反射光量検出回
路を備えておき、前記反射光量検出回路で検出した反射
光量のレベルが、最適値または所定値を満足するような
トラッキングアクチュエータ駆動電圧を最適トラッキン
グアクチュエータ駆動電圧とすることを特徴とした請求
項８記載の光ディスク装置。
【請求項１２】試し書き領域で、遮断回路によりフィ
ードモータに印加する駆動電圧を遮断することにより、
対物レンズを偏倚させて記録し、最適トラッキングアク
チュエータ駆動電圧を検出するような光ディスク装置に
おいて、前記最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧
を保持しておく記憶回路を備え、前記最適トラッキング
アクチュエータ駆動電圧を検出した場合には、前記記憶
回路に保持しておき、以後、前記光ディスク装置を起動
する場合には、前記記憶回路に保持してある前記最適ト
ラッキングアクチュエータ駆動電圧を呼び出し、トラッ
キングアクチュエータ駆動電圧が前記最適トラッキング
アクチュエータ駆動電圧と一致するように、前記オフセ
ット電圧回路の出力電圧を設定することを特徴とした請
求項８記載の光ディスク装置。
【請求項１３】記憶回路に保持している最適トラッキ
ングアクチュエータ駆動電圧は、一定期間が経過したと
き、または、光ピックアップの動作環境温度、光ディス
ク装置の姿勢が変化したときに、更新されることを特徴
とした請求項１２記載の光ディスク装置。
【請求項１４】記憶回路には、予め光ディスク装置の
所定の姿勢に応じた最適トラッキングアクチュエータ駆
動電圧を保持しておき、前記光ディスク装置の姿勢を判
別する場合に前記最適トラッキングアクチュエータ駆動
電圧を再度取得し、記憶回路に保持された前記最適トラ
ッキングアクチュエータ駆動電圧と再度取得した前記最
適トラッキングアクチュエータ駆動電圧とを比較して、
再度取得した最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧
と一致または最も近い前記記憶回路に保持されている前
記最適トラッキングアクチュエータ駆動電圧に対応する
姿勢を前記光ディスク装置の現在の姿勢と判定すること
を特徴とした請求項１２記載の光ディスク装置。