JP2002303127A - 排気ガス浄化システム - Google Patents

排気ガス浄化システム

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JP2002303127A
JP2002303127A JP2001105203A JP2001105203A JP2002303127A JP 2002303127 A JP2002303127 A JP 2002303127A JP 2001105203 A JP2001105203 A JP 2001105203A JP 2001105203 A JP2001105203 A JP 2001105203A JP 2002303127 A JP2002303127 A JP 2002303127A
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concentration
catalyst
hydrogen
exhaust gas
nox
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JP2001105203A
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Hitoshi Onodera
仁 小野寺
Yasunari Hanaki
保成 花木
Shinji Yamamoto
伸司 山本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOxトラップ触媒にトラップされたNOx
を放出浄化する際に、供給Hが有効に利用される度合
いを向上した排気ガス浄化システムを提供すること。 【解決手段】 希薄燃焼機関の排気流路に配置されたN
Ox浄化触媒の上流に水素富化手段と、酸素濃度低減手
段を配置した排気ガス浄化システムである。NOx浄化
時に水素富化手段が働き、水素濃度[H2]と全還元剤
濃度[TR]が、式及び式:[H2/TR]d>
[H2/TR]u…、[H2/TR]d≧0.3…
(式中の[H2/TR]uは水素富化実行前の水素濃度
[H2]uと全還元剤濃度[TR]uの比、[H2/T
R]dはNOx浄化触媒の入口での水素濃度[H2]dと
全還元剤濃度[TR]dの比を示す)で表される関係を
満足するように運転され、且つ酸素濃度低減手段が浄化
運転の直前にNOx浄化触媒の入口排気ガス中の酸素濃
度を一時的に低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関や燃焼器
等から排出される排気ガスを浄化するシステムに係り、
更に詳細には、水素を有効利用して排気ガス、特に希薄
燃焼排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を高効率で浄化
する排気ガス浄化システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】希薄燃焼を行うことのできる内燃機関に
おいて、希薄燃焼下、即ち排気空燃比がリーンのとき、
内燃機関より発生するNOxを浄化する手段として、排
気ガス通路内に空燃比がリーンのときにNOxをトラッ
プし、リッチのときにトラップしたNOxを放出する機
能を有したNOxトラップ触媒を配置することが一般的
に知られている。ところが、空燃比がリッチのときに行
われるトラップされたNOxの放出浄化は、NOxトラ
ップ触媒の温度特性から、低温、例えば250℃以下の
温度では不完全となる。
【0003】これに対して、本発明者らは、トラップさ
れたNOxを低温で放出浄化する際に、トラップされた
NOxを放出浄化する際の還元剤としてHを用いる
と、放出浄化性能が飛躍的に向上することを見出し、こ
のことを利用した排気ガス浄化システムを、既に特願2
000−298832号(平成12年9月29日出願)
において提案している。
【0004】かかる発明において、その排気ガス浄化シ
ステムを希薄燃焼を行うことができる、例えばリーンバ
ーンエンジンやディーゼルエンジンのような内燃機関に
適用した場合、トラップされたNOxに対して還元剤と
なるHは、内燃機関の排気空燃比をリッチにしたとき
に発生する炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)から
生成され、又は内燃機関より発生したHを透過する機
能とその後段側でH以外の還元剤を選択酸化する機能
を有した触媒を、NOxトラップ触媒の前段に配置する
ことで供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが上記特許出願に係る排気ガス浄化システムにつき
更なる検討を加えた結果、下記のような改良の余地が存
在することが判明した。即ち、NOxトラップ触媒にト
ラップされたNOxを放出浄化するために、低温で内燃
機関の排気空燃比をリッチにしたとき、空燃比をリッチ
に調整する手段により排気ガス中の酸素(O)濃度が
低下するが、O濃度が所望のO濃度まで低下しない
ことがあり、残留するOがNOxトラップ触媒まで到
達し、同時に還元剤として到達するHと反応してしま
う。その結果、トラップされたNOxと反応するH
量が不足し、放出された未浄化のNOxが大気中に流出
することがあることを知見した。
【0006】また、NOxトラップ触媒にトラップされ
たNOxを放出浄化するために、低温で内燃機関の排気
空燃比をリッチにしたとき、空燃比をリッチに調整する
手段により排気ガス中のO濃度が低下するが、O
度を所望O濃度まで低下させるためには、排気空燃比
のリッチ度合いをより大きくする必要がある。その結
果、トラップされたNOxを放出浄化するために必要以
上の燃料を噴射してリッチ化しなければならず、燃料消
費の増大を招き、希薄燃焼を行う内燃機関の最大の利点
の1つである燃費向上を妨げ、却って燃費を悪化させる
ことになりかねない。
【0007】更に、NOxトラップ触媒の前段に配置さ
れた各触媒成分にOを貯蔵する機能がある場合、NO
xトラップ触媒にトラップされたNOxを放出浄化する
ために、低温で内燃機関の排気空燃比をリッチにしたと
き、貯蔵されたO分が放出され、NOxトラップ触媒
に供給されてしまうため、結果として上述の場合と同様
に放出されたNOxの浄化不足が発生し、未浄化のNO
xが大気中に放出されることがあった。
【0008】本発明は、上述のような知見に鑑みてなさ
れたものであり、NOxをトラップする機能を有した触
媒にトラップされたNOxを放出浄化する際に、供給さ
れるHがNOxの放出浄化に対してより有効に利用さ
れる度合いを向上させた排気ガス浄化システムを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、所定の酸素濃度低
減手段を用いることなどにより、上記目的が達成される
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の排気ガス浄化システムは、
希薄燃焼を行う機関の排気ガス流路に配置されたNOx
浄化触媒の上流に水素富化手段と、排気ガス中の酸素濃
度を低減する酸素濃度低減手段を配置して成る排気ガス
浄化システムであって、上記NOx浄化触媒が窒素酸化
物(NOx)を浄化する際、上記水素富化手段が水素富
化を実行し、排気ガス中の水素濃度[H2]と全還元剤
濃度[TR]が、次の式及び式 [H2/TR]d>[H2/TR]u… [H2/TR]d≧0.3… (式中の[H2/TR]uは上記水素富化手段の水素富
化実行前又は上流での水素濃度[H2]uと全還元剤濃
度[TR]uの比、[H2/TR]dは上記NOx浄化触
媒の入口での水素濃度[H2]dと全還元剤濃度[T
R]dの比を示す)で表される関係を満足するように運
転され、且つ上記酸素濃度低減手段が、少なくとも上記
浄化運転の直前に、上記NOx浄化触媒の入口排気ガス
中の酸素濃度を少なくとも一時的に低減することを特徴
とする。
【0011】また、本発明の排気ガス浄化システムの好
適形態は、上記NOx浄化時におけるNOx浄化触媒の
入口での水素濃度と全還元剤濃度の比[H2/TR]に
おいて、水素濃度[H2]dと全還元剤濃度[TR]d中
の一酸化炭素濃度[CO]dとの比率が、[H2/C
O]d>1であることを特徴とする。
【0012】また、本発明の排気ガス浄化システムの好
適形態は、上記酸素濃度低減手段が、次式(A) [O2]r/[O2]o<0.3…(A) (式中の[O2]rは希薄燃焼時の酸素濃度、[O2]o
は上記浄化運転時の酸素濃度を示す)で表される関係を
満足するように、上記NOx浄化触媒の入口排気ガス中
の酸素濃度を調整することを特徴とする。
【0013】更に、本発明の排気ガス浄化システムの他
の好適形態は、上記酸素濃度低減手段が、上記希薄燃焼
を行う機関の出口から排気ガス流路内に流入する酸素濃
度を減少する手段であり、この手段が、燃料噴射制御装
置、吸入空気量制御装置又は排気ガス再循環制御装置、
及びこれらの任意の組合せから成ることを特徴とする。
【0014】更にまた、本発明の排気ガス浄化システム
の更に他の好適形態は、上記酸素濃度低減手段の作動中
に、上記NOx浄化触媒に流入する酸素濃度を検出する
酸素濃度検出手段と、この酸素濃度検出手段からの検出
信号から酸素が消費されたことを判定する判断手段を付
加して成ることを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明においては、特定の酸素濃度低減手段を
設置することにしたので、排気ガスの空燃比をリッチ化
する前に、NOxトラップ機能を有する触媒に流入する
酸素を予め減少させておくことにより、その後、空燃比
をリッチ化したときに還元剤として流入するHがNO
xの放出浄化に有効に利用され、NOx転化性能が大き
く向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排気ガス浄化シス
テムについて詳細に説明する。なお、本明細書におい
て、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとす
る。上述の如く、本発明の排気ガス浄化システムでは、
内燃機関の排気ガス流路に配置されたNOx浄化触媒の
上流に特定の水素富化手段を配置し、且つ特定の酸素濃
度低減手段を配置し、この酸素濃度低減手段により、水
素富化を実行してNOx浄化を行う際の排気ガス組成を
NOx浄化にいっそう適切なものとする。
【0017】ここで、水素富化手段としては、燃焼ガス
及び/又は排気ガス中の水素濃度(存在比率)を増大し
得る手段であればよいが、(a)燃焼ガス及び/又は排
気ガス中で水素を生成する手段、(b)燃焼ガス及び/
又は排気ガス中で水素以外の還元成分を減少させる手
段、(c)燃焼ガス及び/又は排気ガス中で水素消費を
抑制する手段、及び(d)燃焼ガス及び/又は排気ガス
中に水素を導入する手段、の4つの形式に分類すること
ができ、(a)〜(c)の手段は対象とする内燃機関の
燃焼ガスや排気ガスのガス流路などに設置される(内部
系)のに対し、(d)の手段は該ガス流路外に設置され
る(外部系)。なお、本発明の浄化システムでは、これ
らの水素富化手段を単独で又は任意に組み合わせて用い
ることができる。
【0018】また、上述の水素富化手段において、
(a)の水素生成手段は、燃焼ガスや排気ガス中で水素
を生成し、該ガス中に存在する水素量自体を増加させて
積極的に水素濃度を増大し、(b)の還元成分減少手段
は、該ガス中のHCやCO等の還元成分を選択的に(又
は水素よりも優位に)減少させ、該ガス中での水素存在
比率を増加させて消極的に水素濃度を増大し、(c)の
水素消費抑制手段は、該ガス中での水素の消費比率を他
のガス成分の消費比率よりも低減し、該ガス中での水素
存在比率を増加させて消極的に水素濃度を増大し、
(d)の水素導入手段は、該ガス流路の外部から水素又
は水素含有ガスを供給して、該ガス中の水素存在量自体
を増加させて積極的に水素濃度を増大する。
【0019】更に、上述した(a)〜(d)の水素富化
手段の具体例を挙げると、(a)の水素生成手段には、
ロジウム等の貴金属を含有する水素生成触媒(触媒系)
と、燃料噴射タイミングや点火時期などに関する燃焼制
御手段(燃焼系)があり、(b)の還元成分減少手段と
しては、CO・HC選択酸化触媒(触媒系)、(c)の
水素消費抑制手段としては、固体酸性酸化物を含有する
触媒(触媒系)を挙げることができる。また、(d)の
水素導入手段としては、炭化水素燃料と空気と触媒を利
用した水素含有ガス供給装置や水素ボンベ(外部系)が
ある。
【0020】上述の如く、これらの水素富化手段の組合
せは任意に行うことができるが、通常は1種類の水素富
化手段を用いれば十分である。なお、好適な組合せとし
ては、燃焼制御手段(燃焼系)と、水素生成触媒、HC
・CO選択酸化触媒や固体酸性酸化物含有触媒(触媒
系)との組合せ、触媒系と水素含有ガス供給装置(外部
系)との組合せなどを挙げることができる。また、触媒
系の水素富化手段である水素生成触媒、CO・HC選択
酸化触媒及び固体酸性酸化物含有触媒については、実使
用において併用することが多く、更には、これらのうち
の2者又は3者の機能を併有する触媒を使用してもよ
い。なお、本明細書において、触媒系の水素富化手段で
ある、水素生成触媒、CO・HC選択酸化触媒又は固体
酸性酸化物含有触媒(水素消費抑制触媒)及びこれらの
任意の組合せについては、便宜上「水素富化触媒」と称
することがある。
【0021】上述の如く、本発明の排気ガス浄化システ
ムでは、NOx浄化触媒がNOx浄化を行う際、上述の
水素富化手段が水素富化を実行し、排気ガス中の水素濃
度[H2]と全還元成分濃度[TR]が、次の式及び
式 [H2/TR]d>[H2/TR]u… [H2/TR]d≧0.3… (式中の[H2/TR]uは上記水素富化手段の水素富
化実行前又は上流での水素濃度[H2]uと全還元成分
濃度[TR]uの比、[H2/TR]dは上記NOx浄化
触媒の入口での水素濃度[H2]dと全還元成分濃度
[TR]dの比を示す)で表され、還元成分組成等に特
異性を有する関係を満足するように制御され、これによ
り、水素ガスの還元成分としての有効利用又は意図的使
用を図り、NOxを効率良く浄化する。また、この排気
ガス浄化システムでは、[H2/TR]d≧0.5であ
ることが、NOx浄化の点から更に好ましい。なお、上
述した水素富化手段は、水素富化を常時実行することが
できるが、水素富化の実行時をNOx浄化触媒によるN
Ox浄化時と一致させることは、NOx浄化効率を高め
るという観点から望ましいことである。
【0022】また、本発明の浄化システムでは、上記の
及び式に示したガス組成によって規定されるような
制御に加え、NOx浄化時におけるNOx浄化触媒の入
口での水素濃度と全還元成分濃度の比[H2/TR]d
において、水素濃度[H2]dと全還元成分濃度[T
R]d中の一酸化炭素濃度[CO]dとの比率が、[H2
/CO]d>1となるように制御することが好ましく、
これにより、HとNOxとの反応を阻害する他の還元
成分、特にCOの影響を緩和でき、還元力の強いH
NOxとの反応性を著しく高め、NOxの浄化効率を更
に向上させることができる。
【0023】次に、上述した水素富化手段につき更に詳
細に説明する。かかる水素富化手段の具体例を再掲する
と、(a)水素生成手段として、燃焼制御手段(燃焼
系)及び水素生成触媒(触媒系)、(b)水素以外の還
元成分減少手段として、CO・HC選択酸化触媒(触媒
系)、(c)水素消費抑制手段として、固体酸性酸化物
含有触媒(触媒系)、(d)水素導入手段として、水素
含有ガス供給装置及び水素ボンベ(外部系)がある。
【0024】ここで、(a)の燃焼制御手段としては、
燃料噴射量、燃料噴射タイミング、点火時期又は吸排気
弁の開閉タイミング及びこれらの任意の組合せを制御す
る手段を挙げることができる。この燃焼制御手段には、
燃焼ガス及び/又は排気ガス中で、主としてHCの部分
酸化物を生成しCO変成を起こす手段を有するものがあ
る。
【0025】次に、(a)の水素生成触媒としては、燃
焼ガス及び/又は排気ガス中のHCとCOから水素を生
成する機能を有する触媒であれば十分であるが、Pt、
Pd又はRh及びこれらの任意の混合物に係る貴金属を
含有する貴金属触媒を例示することができる。なお、か
かる水素生成触媒において、単独の貴金属を用いるもの
としては、Rhを含有する触媒が最も好ましい。
【0026】次に、(b)のCO・HC選択酸化触媒と
しては、H2生成機能をも有し、ジルコニウム酸化物を
含有する触媒を挙げることができ、この場合、ジルコニ
ウム酸化物としては、アルカリ土類金属を含有し、その
組成が、次の一般式 [X]aZrbOc… (式中のXは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム及びバリウムから成る群より選ばれた少なくとも1
種のアルカリ土類金属、a及びbは各元素の原子比率、
cはX及びZrの原子価を満足するのに必要な酸素原子
数を示し、a=0.01〜0.5、b=0.5〜0.9
9、a+b=1を満たす)で表されるものを用いること
が好ましい。上記式において、aが0.01未満では
ジルコニウム酸化物に対する添加元素(アルカリ土類金
属)の改質効果が十分に得られず、逆に、aが0.5を
超えると耐熱性が悪化し触媒活性が低下することがあ
る。また、a+bが1.0を超えるとジルコニウム酸化
物の構造安定性が低下することがあり、好ましくない。
【0027】上述の如く、このジルコニウム酸化物に係
るCO・HC選択酸化触媒は、水素生成触媒、好ましく
はRhと併用することが可能であり、かかる併用によ
り、Rhの電子状態が好適な状態に維持され、Hが効
率良く生成されるようになるので、水素富化をいっそう
促進することができる。この場合、Rhの使用量は、触
媒1L当たり、0.01〜10g/Lとすることが望ま
しく、0.01g/L未満ではRhによるH成分比率
の増大効果が十分に得られず、逆に10g/Lを超える
と増大効果が飽和する。なお、かかる併用の際、上記
式で表されるジルコニウム酸化物において、a+bが
1.0を超えると、添加したアルカリ土類金属が触媒表
面に析出してロジウムの触媒活性を低下させることがあ
る。
【0028】また、かかるCO・HC選択酸化H2生成
触媒には、未燃焼HC及びCOを選択的に酸化・除去し
成分比率を増大すべく、Pdとセリウム酸化物を含
有させることができ、この場合、全パラジウム量の20
〜80%がこのセリウム酸化物に担持されるようにする
ことが望ましい。セリウム酸化物上に担持されるパラジ
ウム量が20%未満ではH生成比率の増大効果が十分
に得られず、逆に80%を超えるとPdの分散性が悪化
し触媒活性が低下する。また、Pdの使用量は、触媒1
L当たり、0.01〜50g/Lとすることが望まし
く、0.01g/L未満では、Pdが未燃焼HC及びC
Oを選択的に酸化・除去してH成分比率を高める改良
効果が十分に得られず、逆に50g/Lを超えると改良
効果が飽和する。
【0029】次に、(c)の固体酸性酸化物含有触媒
(水素消費抑制触媒)としては、好ましくはCO・HC
選択酸化機能をも有し、固体酸性ジルコニウム酸化物を
含有する触媒を挙げることができ、この場合、かかる固
体酸性ジルコニウム酸化物としては、チタン、アルミニ
ウム、タングステン、モリブデン及び亜鉛から成る群よ
り選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、その組成が
次の一般式 [Y]dZreOf… (式中のYはチタン、アルミニウム、タングステン、モ
リブデン及び亜鉛から成る群より選ばれた少なくとも1
種の元素、d及びeは各元素の原子比率、fはY及びZ
rの原子価を満足するのに必要な酸素原子数を示し、d
=0.01〜0.5、e=0.5〜0.99、d+e=
1を満たす)で表されるものが好ましい。上記式にお
いて、dが0.01未満ではジルコニウム酸化物に対す
るチタン等の添加元素の改質効果が十分に得られず、逆
にdが0.5を超えると耐熱性が悪化し触媒活性が低下
することがある。また、a+bが1.0を超えるとジル
コニウム酸化物の構造安定性が低下することがある。
【0030】また、この水素消費抑制触媒は、水素生成
触媒、特にPtと併用することができ、かかる併用によ
り、H成分比率が高くなった組成ガス中のHを効率
良くNOx浄化触媒に供給することができる。この場
合、PtのH消費を抑制すべく、Ptを上記式で表
されるジルコニウム酸化物上に担持することが好まし
く、全白金量の10〜30%がこのジルコニウム酸化物
に担持されるようにすることが望ましい。かかるジルコ
ニウム酸化物上に担持される白金量が10%未満では、
生成したHに対する消費抑制効果が十分に得られず、
逆に30%を超えると抑制効果が飽和する。また、Pt
の使用量は、触媒1L当たり、0.01〜25g/Lと
することが望ましく、0.01g/L未満ではPtが未
燃焼HC及びCOを選択的に酸化・除去しH成分比率
を高める改良効果が十分に得られず、逆に25g/Lを
超えると改良効果が飽和する。なお、かかる併用の際、
上記式で表されるジルコニウム酸化物において、a+
bが1.0を超えると、チタン等の添加元素が触媒表面
に析出してPtの触媒活性を低下させることがあるた
め、好ましくない。
【0031】ここで、上述した水素生成触媒、及びCO
・HC選択酸化触媒などとの併用触媒の触媒構造などに
つき、詳細に説明しておく。本発明の排気ガス浄化シス
テムにおいて、水素富化手段の一例である水素生成触媒
及び他成分との併用触媒については、モノリス担体等を
用いた一体構造型の触媒とし、かかる担体の排気ガス流
路の上流側にHC及びCOを酸化し酸素を低減する触媒
成分を配置し、この下流側に水素を生成する触媒成分を
配置し、水素生成触媒成分に接触する酸素量が低減され
るような構成とすることが好ましい。
【0032】上記触媒においては、空間速度や温度等の
条件変動に素早く対応するため、上流側のHC・CO酸
化−O低減触媒成分としてPd及び/又はPt(所要
に応じて担体としてアルミナ)を用いることが好まし
く、この場合、Pd及び/又はPtの含有量を触媒体積
当たり0.1〜50g/Lとすることが望ましい。Pd
及び/又はPtの含有量が0.1g/L未満では十分な
触媒活性が得られないことがあり、逆に50g/Lを超
えると触媒活性が飽和する。
【0033】また、残HC及びCOからHを効率良く
生成するためには、下流の水素生成触媒成分として、R
hとジルコニウム酸化物を含有させることが好ましい。
空間速度や温度等の条件変動に素早く対応するため、R
hの含有量は触媒体積当たり0.1〜50g/L、ジル
コニウム酸化物の含有量は10〜300g/Lとするこ
とが好ましい。なお、ジルコニウム酸化物は担体として
用いている。Rhの含有量が0.1g/L未満では十分
な触媒活性が得られないことがあり、逆に50g/Lを
超えると触媒活性が飽和する。また、ジルコニウム酸化
物の含有量が5g/L未満ではロジウムの触媒性能の改
質効果が十分に得られず、逆に、100g/Lを超える
と触媒活性が飽和する。
【0034】また、かかるジルコニウム酸化物として、
上記式で表されるアルカリ土類金属を含有するジルコ
ニウム酸化物を用い、Rhの電子状態を好適な状態に維
持し、Hを効率良く生成させることができる。更に、
上記同様に、Pdとセリウム酸化物を含有させて、Pd
の電子状態を好適な状態に維持し、Hの更に効率的な
生成を促進することも可能である。この場合、Pd含有
量を0.01〜50g/L、セリウム酸化物(担体)の
含有量を10〜300g/Lとすることが好ましく、P
dの含有量が0.1g/L未満では十分な触媒活性が得
られないことがあり、逆に50g/Lを超えると触媒活
性が飽和する。また、セリウム酸化物の含有量が10g
/L未満ではPdの触媒性能の改質効果が十分に得られ
ないことがあり、逆に300g/Lを超えると触媒活性
が飽和する。
【0035】なお、本発明の排気ガス浄化システムにお
いて、上記各種の水素富化手段を組み合わせることがで
きることは上述の通りであるが、特に、上記燃焼制御手
段と上記触媒系の水素富化手段(水素生成触媒、HC・
CO選択酸化触媒及び水素消費抑制触媒など)との組合
せは有効である。即ち、対象とする内燃機関の燃料噴射
量、燃料噴射タイミング、点火時期又は吸排気弁の開閉
タイミング及びこれらの任意の組合せを上記燃焼制御手
段によって制御して、上記触媒系の水素富化手段に流入
する燃焼ガスや排気ガスをそのZ値が断続的に1.0以
下になるような炭化水素等の還元成分過剰雰囲気(リッ
チ域)に調整すれば、Hの生成効率などが更に向上す
るため、上述した[H2/TR]d>[H2/TR]u…
、[H2/TR]d≧0.3…、及び[H2/C
O]d>1に規定するガス組成制御を容易に実行し易く
なる。なお、上述のZ値は、酸化剤と還元剤との量論比
を表すもので、次式で定義される。 Z=([O2]×2+[NO])/([H2]×2+
[CO]+[HC]×α) ここで、[O2]、[NO]、[H2]、[CO]及び
[HC]は、それぞれ酸素、一酸化窒素、水素、一酸化
炭素及び炭化水素の濃度を示し、αはHC成分の種類に
よって定まる係数である。
【0036】次に、(d)の水素含有ガス供給装置とし
ては、炭化水素系燃料と空気を用いて生成した水素含有
ガスを排気流路の外部から供給する装置を挙げることが
できる。なお、「空気」と記載したが、酸素であっても
よいのは勿論である。具体的には、この水素含有ガス供
給装置は、ガソリンや軽油などの炭化水素系燃料から水
素含有ガスを生成する反応を促進する触媒(水素含有ガ
ス生成触媒)と、この燃料及び空気の供給手段を備え
る。
【0037】ここで、水素含有ガス生成触媒としては、
Rh、Ru、Cu−Ni複合酸化物及びPd担持ZrO
などを挙げることができ、また、燃料及び空気の供給手
段は兼用仕様でも独立仕様であってもよく、例えば、圧
送ポンプや吸引ポンプなどの各種ポンプを用いることが
できる。なお、内燃機関からの排気ガスには空気(酸
素)が含まれるので、この排気ガスを利用して、水素含
有ガス生成触媒の存在下に炭化水素系燃料から水素含有
ガスを生成することも可能である。この手法によれば、
内燃機関の燃料と排気ガスを使用できるので特別な装置
が不要であり、しかも排気ガス及びその排出熱をも有効
利用できるので、低コスト化を図ることができ、エネル
ギーの利用効率にも優れる。
【0038】また、この水素含有ガス供給装置において
は、水素含有ガス生成触媒の上流に酸素濃度検出手段、
下流にこの水素含有ガス生成触媒の温度を検出する温度
検出手段を設置し、検出された触媒温度に応じて、炭化
水素系燃料及び空気の供給量を制御することが好まし
く、この場合、触媒温度が所定温度よりも低いときに
は、燃焼供給手段からの燃料供給量を低減し、空気供給
手段からの空気供給量を増大して、酸素濃度を増大する
制御を行う。かかる制御によって、反応温度の制御を容
易に行うことができる。なお、「所定温度」は使用する
触媒種などによって定まるが、代表的には、260〜3
80℃の範囲内の温度である。
【0039】更に、上述した水素含有ガス供給装置に
は、生成した水素含有ガスを一時的に貯蔵する手段を付
加することができ、これにより、水素含有ガスを所望の
タイミングで供給することが容易になり、例えば、この
水素含有ガス供給装置の下流に配置されたNOx浄化触
媒でNOx浄化を行う時点に合致させて、水素含有ガス
を容易に供給することが可能になる。かかる水素含有ガ
ス貯蔵手段としては、各種ボンベ、水素吸蔵合金やカー
ボンナノチューブなどを挙げることができ、水素吸蔵合
金やカーボンナノチューブでは、温度や圧力を制御する
ことにより、水素含有ガスの吸蔵・放出を行うことがで
きる。
【0040】次に、NOx浄化触媒について詳細に説明
する。このNOx浄化触媒は、上述した各種水素富化手
段の下流に配置され、水素等の還元成分によりNOxを
還元処理できれば十分であり、特に限定されるものでは
ないが、大別して、アルミナ、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属及びこれの任意の混合物とPt、Pd又はR
h及びこれらの任意の混合物とを含有するNOx吸着型
触媒と、銅(Cu)、コバルト(Co)、ニッケル(N
i)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、ランタン(L
a)、セリウム(Ce)、亜鉛(Zn)、チタン(T
i)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)又は銀
(Ag)及びこれの任意の混合物とPt、イリジウム
(Ir)又はRh及びこれらの任意の混合物とを含有す
るNOx選択還元型触媒に分類される。
【0041】Hを還元成分として高効率で利用できる
触媒としては、前者のNOx吸着型触媒が望ましく、本
発明の排気ガス浄化システムでは、NOx吸着型触媒
(NOxトラップ触媒)を好ましく用いることができ
る。この場合、アルカリ金属としてセシウム(Cs)、
アルカリ土類金属としてマグネシウム(Mg)、Ca、
ストロンチウム(Sr)及び/又はBaを用い、これら
を酸化物換算で触媒1L当たり10〜70g/Lの割合
で含有させることが好ましい。これらの含有量の合計が
10g/L未満では十分な性能が得られず、逆に70g
/Lを超えて含有させるとNOx浄化性能が低下するこ
とがある。また、PtやRh等の貴金属担持量は、0.
01〜25g/Lとすることが好ましい。貴金属担持量
が、0.01g/L未満では十分なNOx浄化性能が得
られないことがあり、逆に25g/Lを超えても触媒活
性が飽和する。かかるNOx吸着型触媒において、アル
カリ金属やアルカリ土類金属の担持方法としては、酢酸
塩などの水溶性塩の溶液を用いた含浸法、又は炭酸塩や
硫酸塩などの難溶性塩/不溶性塩を水溶性スラリーに混
ぜ込む混ぜ込み法など、任意の方法を用いることができ
る。
【0042】なお、NOx浄化触媒のその他の例として
は、少なくともRhを含有し、活性温度が260〜38
0℃である触媒を用いることができ、この触媒を使用す
れば、比較的低温の排気ガス中のNOxも有効に浄化す
ることができるようになる。
【0043】次に、酸素濃度低減手段について説明す
る。この酸素濃度低減手段は、上述の水素富化を利用し
たNOx浄化の際にこのNOx浄化触媒の入口排気ガス
組成を適正化するものであり、少なくとも上記NOx浄
化運転の直前に該NOx浄化触媒の入口排気ガス中の酸
素濃度を少なくとも一時的に低減する機能を果たす。ま
た、かかる酸素濃度の低減は、代表的には、次式(A) [O2]r/[O2]o<0.3…(A) (式中の[O2]rは希薄燃焼時の酸素濃度、[O2]o
は上記浄化運転時の酸素濃度を示す)で表される関係を
満足するように行われる。
【0044】このような酸素濃度低減手段としては、希
薄燃焼を行う機関(例えば、リーンバーンエンジン)の
出口から排気ガス流路内に流入する酸素濃度を減少する
手段、NOx浄化触媒の前段で触媒により酸素を消費す
る手段、又はNOx浄化触媒の前段に配置した触媒が放
出した酸素を消費する手段、及びこれらの任意の組合せ
とすることができる。ここで、リーンバーンエンジンの
出口から排気ガス流路内に流入する酸素濃度を減少する
手段としては、燃料噴射制御装置、吸入空気量制御装置
又は排気ガス再循環制御装置、及びこれらの任意の組合
せを挙げることができる。なお、この場合、燃料噴射装
置や吸入空気量制御装置は、上述した水素富化手段とし
ても機能することになる。
【0045】また、NOx浄化触媒の前段で触媒により
酸素を消費する手段としては、Hを残しつつ、且つC
O酸化、HC酸化を向上させることが必要であり、C
O、HC選択酸化機能を持った触媒を前段に更に追加す
ることができる。更に、NOx浄化触媒の前段に配置し
た触媒が放出した酸素を消費する手段としては、酸素ス
トレージ能のない基材、例えばチタン、ジルコニウムを
使用した触媒を前段に追加することができる。
【0046】また、本発明の排気ガス浄化システムにお
いては、上述の酸素濃度低減手段の作動中に、NOx浄
化触媒に流入する酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段
と、この酸素濃度検出手段からの検出信号から酸素が消
費されたことを判定する判断手段を付加することが可能
であり、これらの手段の付加により、NOx浄化触媒の
入口排気ガス組成を精密に実行できるようになる。
【0047】なお、本発明の浄化システムにおいて、上
述した各種触媒は、触媒成分を一体構造型担体に被覆し
用いることが好ましい。かかる一体構造型担体として
は、耐熱性材料から成るモノリス担体が好ましく、例え
ば、コージェライトなどのセラミック製のものや、フェ
ライト系ステンレスなどの金属製のものが用いられる。
また、各種触媒において、触媒成分を担持するのに用い
る多孔質基材としては、アルミナ、シリカアルミナ又は
ゼオライト及びこれらの任意の混合物が好適であるが、
特に比表面積が50〜300m/g程度の活性アルミ
ナが好ましい。更に、アルミナの比表面積を高める目的
で、これに希土類元素やジルコニウムなどを添加しても
よい。多孔質担体の使用量は触媒1L当たり50〜30
0gとすることが好ましい。
【0048】
【実施例】以下、本発明を図面を参照して実施例により
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0049】図1は、本発明の排気ガス浄化システムの
一例を示す構成図である。同図において、この排気ガス
浄化システムは、内燃機関1の排気ガス流路の上流側に
配置された水素富化手段の一例であるH2生成・透過触
媒7及びHC・CO選択酸化触媒8と、その下流側に配
置されたNOx浄化触媒の一例であるNOxトラップ触
媒9を備えている。また、NOxトラップ触媒9の前段
には酸素センサー10と空燃比センサー11が設けられ
ており、スロットル弁4、燃料噴射装置5及び排気ガス
再循環装置6は、本例において、酸素濃度低減手段とし
て機能する。
【0050】図1において、排気ガス通路内に配置され
た酸素センサー10及び空燃比センサー11により検出
された信号は、制御回路12に送られ、制御回路内で解
析された後、排気ガス空燃比を調整する情報に変換さ
れ、制御回路2から出力される。出力された信号は、点
火栓2、スロットル弁4、燃料噴射弁5、排気ガス再循
環装置6にそれぞれ具備されている駆動回路に送られ、
それぞれを駆動する。そして、エアクリーナ3から流入
する空気の量がスロットル弁4により調整され、流入し
た空気と排気ガス再循環装置6により循環された排気ガ
スが内燃機関1の燃焼室に導入される。更に、燃焼室に
導入された空気と排気ガスに対して、燃料噴射弁から燃
料が噴射され混合気が形成される。そして、この混合気
に対して点火栓2により点火が行われ、所望の空燃比の
排気ガスが形成され、H2生成・透過触媒7及びH2以
外の還元剤を選択的に酸化する触媒8、及びNOxをト
ラップ触媒9を配置した排気通路内に排出される。
【0051】次に、本実施例において、酸素雰囲気を低
減する手段を実施するときの判定フローを図2に示す。
まずステップ1(以下、「S1」と略す)において、内
燃機関1が希薄燃焼しているときの排気空燃比から、O
濃度[O2]oが推定される。O濃度は、空燃比セ
ンサー11にOのみを流入した場合の出力電圧特性を
予め制御装置内に記憶させておくことにより、実際の排
気ガスにおけるO濃度を推定することができる。そし
て、S2において、還元ガス組成をH/全還元剤≧
0.3([H2/TR]d≧0.3)という排気ガス雰
囲気にする手段に移行し、S1と同様に排気空燃比か
ら、該手段実行時のO濃度[O2]rが推定される。
【0052】更に、S3に移行し、希薄燃焼時のO
度と、還元ガス組成をH/全還元剤>0.3とする手
段実行時のO濃度の比が[O2]r/[O2]o<0.
3であるか否かが判定される。[O2]r/[O2]o<
0.3であるときは、処理を終了し、[O2]r/[O
2]o>0.3であるときは、直ちにO濃度の低減手
段を実行する。そして、S4に移行し、直ちにO濃度
の低減手段実行中のO2センサーの出力電圧VOがあ
る所定値以下VOtとなったか否かが判定される。O
2センサーの出力電圧が所定値以上の場合は、O2低減
手段を続行する。O2センサーの出力電圧が所定値以下
の場合は、NOxトラップ触媒入口のOが消費された
ため、O2低減手段完了と判断し、処理を終了する。
【0053】(実施例1)本発明におけるO濃度の低
減手段を、一例として燃料噴射時期調整手段とした場合
のO濃度の変化を図3に示す。図3において、排気空
燃比がリーンのときにNOxトラップ触媒にトラップさ
れたNOxを放出浄化すべきと判断されたとき、O
予め減少させる手段として、第1の燃料噴射を行う。こ
の燃料噴射により排気空燃比はストイキ近傍となり、内
燃機関より排出されるOは、Hを生成・透過触媒及
びH以外の還元剤を選択酸化する触媒により予め消費
されることとなり、後段に配置したNOxを吸着する機
能を有した触媒に流入するO濃度が減少する。
【0054】そして、NOxトラップ機能触媒入口に配
置した酸素センサー及び空燃比センサーにおいて、O
が消費された状態であると判断された後、第2の燃料噴
射を行う。第2の燃料噴射により、排気空燃比はリッチ
となり、 内燃機関より排気通路に流入するO濃度は
更に減少する。そして、流入する排気ガスからHを生
成・透過触媒及びH以外の還元剤を選択酸化する触媒
を通過したHは、排気ガス中のOがストイキ時より
も更に少ない状態でNOxトラップ触媒に流入し、トラ
ップされたNOxを放出浄化するのにより有効に用いら
れる。
【0055】(実施例2)本発明におけるO濃度の低
減手段を、一例として吸入空気量調整手段とした場合の
濃度の変化を図4に示す。図4において、排気空燃
比がリーンのときにNOxトラップ触媒にトラップされ
たNOxを放出浄化すべきと判断されたとき、吸気スロ
ットル弁の開度を徐々に減少させる。その結果、内燃機
関に流入する新気量が減少し、結果として排気通路に流
入するO濃度が徐々に低下する。このスロットル弁開
度の減少により排気空燃比は徐々にリッチに移行する。
即ち、空燃比の急激なリッチ化により残留する余剰なO
がなくなり、Oは排気通路の前段に配置した、H2
透過触媒及びH2以外の還元剤を選択酸化する触媒によ
り消費される。そして、後段に配置したNOxトラップ
触媒には、O濃度が非常に少ない濃度でHが流入
し、トラップされたNOxを放出浄化するのにより有効
に用いられる。
【0056】(実施例3)本発明におけるO濃度の低
減手段を、一例として排気ガス再循環手段とした場合の
濃度の変化を図5に示す。図5において、排気空燃
比がリーンのときにNOxトラップ触媒にトラップされ
たNOxを放出浄化すべきと判断されたとき、排気ガス
再循環装置の開度を増大させる。排気ガス再循環装置の
開度を増大させると、排気ガスの一部が内燃機関の吸気
系に戻される排気ガス量が多くなる。よって内燃機関に
流入する新気量が減少し、排気通路に流入するO濃度
が低下することとなる。この開度の増大により排気空燃
比はリッチに移行する。内燃機関より排出されるO
排気通路の前段に配置した、H2透過触媒及びH2以外
の還元剤を選択酸化する触媒により消費される。これに
より、後段に配置したNOxトラップ触媒入口の空燃比
は、前段の触媒でOが消費されている間ストイキ近傍
となり、完全に消費されるとリッチに移行する。そし
て、後段に配置したNOxトラップ触媒には、O濃度
が非常に少ない濃度でHが流入し、トラップされたN
Oxを放出浄化するのにより有効に用いられる。
【0057】以上、本発明を好適実施例により詳細に説
明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能
である。例えば、図1に示した排気ガス浄化システムに
おいて、NOxトラップ触媒9の後段に、ゼオライトや
フェリエライトを活性成分とするHCトラップ触媒を配
置することが可能であり、このHCトラップ触媒の付加
により、いわゆるコールドHCの大気中への放出を更に
有効に低減することができ、排気ガスの浄化を著しく効
果的に実施できるようになる。
【0058】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、所定の酸素濃度低減手段を用いることなどとしたた
め、NOxをトラップする機能を有した触媒にトラップ
されたNOxを放出浄化する際に、供給されるHがN
Oxの放出浄化に対してより有効に利用される度合いを
向上させた排気ガス浄化システムを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス浄化システムの一例を示す構
成図である。
【図2】酸素濃度低減手段を実施すべきかどうかを判定
する一例のフローチャートのである。
【図3】酸素濃度低減手段を燃料噴射時期調整手段とし
た場合の酸素濃度の変化を示すグラフである。
【図4】酸素濃度低減手段を吸入空気量調整手段とした
場合の酸素濃度の変化を示すグラフである。
【図5】酸素濃度低減手段を排気ガス再循環手段とした
場合の酸素濃度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 点火栓 3 エアクリーナー 4 スロットル弁 5 燃料噴射弁 6 排気ガス再循環装置 7 H2生成・透過触媒 8 HC・CO選択酸化触媒 9 NOxトラップ触媒 10 酸素センサー 11 空燃比センサー 12 制御回路装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 伸司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA11 AA12 AA17 AB01 AB02 AB05 AB06 BA14 CA19 CA21 CA26 CB02 CB03 CB05 CB07 DA01 DA02 EA35 GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB07W GB10W GB10X HA37 4D048 AA06 AB02 BA30X BA31X BA33X DA02 EA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希薄燃焼を行う機関の排気ガス流路に配
    置されたNOx浄化触媒の上流に水素富化手段と、排気
    ガス中の酸素濃度を低減する酸素濃度低減手段を配置し
    て成る排気ガス浄化システムであって、 上記NOx浄化触媒が窒素酸化物(NOx)を浄化する
    際、上記水素富化手段が水素富化を実行し、排気ガス中
    の水素濃度[H2]と全還元剤濃度[TR]が、次の
    式及び式 [H2/TR]d>[H2/TR]u… [H2/TR]d≧0.3… (式中の[H2/TR]uは上記水素富化手段の水素富
    化実行前又は上流での水素濃度[H2]uと全還元剤濃
    度[TR]uの比、[H2/TR]dは上記NOx浄化触
    媒の入口での水素濃度[H2]dと全還元剤濃度[T
    R]dの比を示す)で表される関係を満足するように運
    転され、且つ上記酸素濃度低減手段が、少なくとも上記
    浄化運転の直前に、上記NOx浄化触媒の入口排気ガス
    中の酸素濃度を少なくとも一時的に低減することを特徴
    とする排気ガス浄化システム。
  2. 【請求項2】 上記NOx浄化時におけるNOx浄化触
    媒の入口での水素濃度と全還元剤濃度の比[H2/T
    R]において、 水素濃度[H2]dと全還元剤濃度[TR]d中の一酸化
    炭素濃度[CO]dとの比率が、[H2/CO]d>1で
    あることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 上記酸素濃度低減手段が、次式(A) [O2]r/[O2]o<0.3…(A) (式中の[O2]rは希薄燃焼時の酸素濃度、[O2]o
    は上記浄化運転時の酸素濃度を示す)で表される関係を
    満足するように、上記NOx浄化触媒の入口排気ガス中
    の酸素濃度を調整することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の排気ガス浄化システム。
  4. 【請求項4】 上記酸素濃度低減手段が、上記希薄燃焼
    を行う機関の出口から排気ガス流路内に流入する酸素濃
    度を減少する手段、上記NOx浄化触媒の前段で触媒に
    より酸素を消費する手段、又はこのNOx浄化触媒の前
    段に配置した触媒が放出した酸素を消費する手段、及び
    これらの任意の組合せから成ることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システ
    ム。
  5. 【請求項5】 上記希薄燃焼を行う機関の出口から排気
    ガス流路内に流入する酸素濃度を減少する手段が、燃料
    噴射制御装置、吸入空気量制御装置又は排気ガス再循環
    制御装置、及びこれらの任意の組合せから成ることを特
    徴とする請求項4に記載の排気ガス浄化システム。
  6. 【請求項6】 上記酸素濃度低減手段の作動中に、上記
    NOx浄化触媒に流入する酸素濃度を検出する酸素濃度
    検出手段と、この酸素濃度検出手段からの検出信号から
    酸素が消費されたことを判定する判断手段を付加して成
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に
    記載の排気ガス浄化システム。
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