JP2002301789A - 装飾フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

装飾フィルムおよびその製造方法

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JP2002301789A
JP2002301789A JP2001108229A JP2001108229A JP2002301789A JP 2002301789 A JP2002301789 A JP 2002301789A JP 2001108229 A JP2001108229 A JP 2001108229A JP 2001108229 A JP2001108229 A JP 2001108229A JP 2002301789 A JP2002301789 A JP 2002301789A
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decorative film
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Tomohiro Ito
智啓 伊藤
Koichi Handa
浩一 半田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属的外観を有する樹脂製装飾フィルムにお
いて、成形前はもとより、深絞り成形後にも良好な金属
感および隠蔽性を備えた装飾フィルムと、このような装
飾フィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなるフィルム基材に、
蒸着金属膜を粉砕した金属薄片を含む膜厚0.2〜3.
0μmの樹脂層が2層以上形成し、この樹脂層中におけ
る金属薄片の含有量を30〜80重量%とし、さらに金
属薄片を樹脂層の面に対して略平行となるようにに配置
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属性外観を有
し、例えば各種物品の包装や、装飾などに用いられる装
飾フィルムと、その製造方法に関するするものである。
【0002】
【従来の技術】金属めっきや金属蒸着の代替技術とし
て、例えば特許第2957560号公報に開示されてい
るように、蒸着金属膜を粉砕して得られる蒸着金属膜片
を光輝材とした塗料やインキが開発されている。
【0003】このとき、優れた金属感を得るには、蒸溶
着金属膜片を平滑面が形成されるよう樹脂フィルム上に
配向させ、さらに隣接し合う個々の蒸着金属膜片の間に
隙間が生じないように重ね合わせる必要がある。このた
め、これらの塗料やインキを用いる場合は、できる限り
薄く塗布し、できるだけ薄い塗膜層とするのが一般的で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の金属感装飾フィルムにおいては、そのまま包
装に用いたり、成形を施すことなく、そのまま物品の表
面に貼り付けたりするような用途の場合は、特に問題を
生じることはないが、例えば、真空圧空成形などによっ
て形状を付与したのち物品に貼り付ける場合や、インサ
ート成形などのようにフィルムと物品の成形を同時に行
うような場合、つまり後成形によってフィルムに伸びが
生じる場合には、蒸着金属膜片を含む塗膜層が極めて薄
いことから、金属感の低下やむら、遮蔽性の不足が生
じ、とくに深絞り成形を行った場合に見栄えが悪化する
ことがあり、このような問題の解消が従来の金属感装飾
フィルムにおける課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、金属性外観を備えた従来の装
飾フィルムにおける上記課題に鑑みてなされたものであ
って、成形前は言うに及ばず、深絞り成形後にも良好な
金属感、隠蔽性を備えた装飾フィルムと、このような装
飾フィルムの製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる装飾フィ
ルムは、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材に、少なく
とも樹脂と蒸着金属膜を粉砕した金属薄片からなる膜厚
0.2〜3.0μmの樹脂層が2層以上形成されている
と共に、前記金属薄片が樹脂層の面に対して略平行に配
置され、かつ樹脂層中における金属薄片の含有量が30
〜80重量%の範囲である構成としたことを特徴として
おり、装飾フィルムにおけるこのような構成を前述した
従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】本発明に係わる装飾フィルムの好適形態と
しては、成形されているものであることを特徴とし、さ
らに好適な実施形態としては、前記金属薄片が成形状態
においても樹脂層の面に略平行に配置されている構成と
したことを特徴としている。
【0008】そして、本発明に係わる装飾フィルムの製
造方法は、樹脂層を構成する樹脂と蒸着金属膜を粉砕し
た金属薄片の少なくとも2成分を前記樹脂との溶解度パ
ラメータSP値の差の絶対値が1〜3の範囲の溶剤に溶
解した混合溶液を熱可塑性樹脂からなるフィルム基材に
塗布した後乾燥し、前記溶剤を蒸発させて少なくとも前
記樹脂と金属薄片からなる樹脂層を形成する操作を繰り
返して2層以上の樹脂層を積層する構成としており、装
飾フィルムの製造方法におけるこのような構成を前述し
た従来の課題を解決するための手段としたことを特徴と
している。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係わる装飾フィ
ルムの代表的な構造を示し、当該装飾フィルム1は、熱
可塑性樹脂からなるフィルム基材2に、少なくとも樹脂
と蒸着金属膜を粉砕した金属薄片の2成分からなる樹脂
層3を少なくとも2層以上、3a,3b・・・3cのよ
うに積層したものである。
【0010】このとき、樹脂層3を少なくとも2層以上
積層するのは、成形時、とくに初期面積に対する成形後
の面積が180%を超えるような苛酷な成形を行なった
場合でも、成形後のフィルムの金属感および隠蔽性を保
持するようになすためである。すなわち、前述のよう
に、良好な金属感を得るためには金属薄片を含む層を極
薄くし、金属薄片が平滑面を形成するように配向させ、
さらに隣接するひとつひとつの金属薄片が重なり合うよ
う配置する必要がある。単層の場合には、成形によって
この層が引き伸ばされることによって、金属薄片の間に
隙間が生じてしまい、金属感および隠蔽性が大きく低下
してしまうことになる。これを避けるために、層の厚み
を大きくし、単位面積当たりに含まれる金属薄片濃度を
上げようとすると、金属薄片の配向が乱れやすくなり、
隠蔽性は確保できるものの、金属感が著しく低下してし
まうことになる。樹脂層3の厚みについては後述する
が、本発明では極薄い樹脂層3を積層(少なくとも2層
以上)することによって、成形後の隠蔽性の保持と良好
な金属感との両立を図っている。
【0011】フィルム基材2としては、熱可塑性樹脂を
主たる成分としたものであれば特に限定されないが、ポ
リメチルメタクリエートに代表されるアクリル系樹脂や
ポリカーボネートなどの透明樹脂が望ましい。また、完
全な無色透明である必要はなく、所望する意匠性および
金属感に合わせ、顔料、染料等で着色したり、シリカ粒
子などの艶消し剤を配合したりおしてもよい。また、同
様に所望の意匠性および金属性に合わせて、図2に示す
ように着色層、絵柄層、凹凸などの形状を付与した層、
などといった任意の意匠層4をフィルム基材2と樹脂層
3の間に設けることも可能である。
【0012】樹脂層3を構成する樹脂としては、熱可塑
性樹脂であれば特に限定されず、一般的なラッカー塗料
や日架橋型のインキに用いられるようなものから適宜選
択して使用することができる。代表的なものとしては、
ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール樹脂、塩
化ビニル樹脂などを挙げることができる。
【0013】金属薄片については、蒸着金属膜を粉砕し
たものであれば特に限定されるものではなく、一般には
樹脂フィルム上に金属を蒸着させたのち樹脂フィルムを
剥離して粉砕するか、樹脂フィルムごと粉砕したのち樹
脂分のみを溶解する等の方法で得ることができる。蒸着
する金属の材質についても特に限定されないが、得られ
る金属感の良好さや、コスト、取り扱いやすさ等の点か
らアルミニウムが好ましく、さらに金属の酸化を抑える
ために樹脂皮膜をコーティングしたものであることが望
ましい。また、金属薄片の厚みについても特に限定され
ないが、0.4μm以下のものが好ましく、0.1μm
以下のものを使用することが特に好ましい。すなわち、
0.4μmを超えると、得られる金属感が低下する。
【0014】樹脂層3の各層3a,3b・・・3cの膜
厚は、それぞれ0.2〜3.0μmの範囲内である必要
がある。すなわち、0.2μm未満では単位面積当たり
に含有される金属薄片の絶対量が不足して十分な金属感
が得られず、また均一な層の形成が困難となる。逆に、
3.0μmを超えると、金属薄片の配向が乱れて金属感
が低下する。膜厚範囲としては、0.5〜1.5μmが
より好ましい。積層する樹脂層3a,3b・・・3c各
層それぞれの厚みは、前記範囲内であればそれぞれ相違
してもよい。
【0015】各樹脂層3a,3b・・・3cに含まれる
金属薄片の重量濃度は30〜80%とする必要がある。
すなわち、30wt%未満では十分な金属感が得られ
ず、80wt%を超えると樹脂の絶対量が不足し、成形
に対する金属薄片の追随性が低下し、成形後の金属感が
低下する。この金属薄片の重量濃度は40〜60%の範
囲がより望ましい。
【0016】樹脂層3に含まれる金属薄片5は、図3
(a)に示すように、樹脂層3の面に対して略平行、す
なわち薄片5の平面部が樹脂層3の面方向に略平行とな
るように配置されていることが必要である。すなわち、
図3(b)に示すように、平面部と樹脂層3の面方向と
のなす角度が20°を超える金属薄片5が増加してくる
と金属感が徐々に低下するため、上記角度としては20
°以下とすることが好ましい。なお、樹脂層3には少な
くとも樹脂と金属薄片の2成分が含まれるが、例えば顔
料や染料等の着色剤、ワックス、メジウム、ニス等の添
加剤、等のその他の成分も含まれていてもよい。
【0017】本発明に係わる装飾フィルム1は、成形後
でも良好な金属感を有しているので、例えば真空圧空成
形などによって成形して用いることが望ましく、良好な
金属感を有する成形品が得られる。もちろん未成形のま
まの状態で使用することが可能なことは言うまでもない
が、成形状態で使用することが本発明の特徴を活かした
使用ということができる。また、本発明に係わる装飾フ
ィルム1においては、成形後においても樹脂層3に含ま
れる金属薄片5は、その平面部が樹脂層3の面方向に略
平行に配置されることになる。
【0018】このような装飾フィルム1は、樹脂層3を
構成する樹脂との溶解度パラメータ(SP値)の差の絶
対値が1〜3の範囲の溶剤に、前記樹脂と金属薄片5の
少なくとも2成分を溶解した混合溶液を熱可塑性樹脂か
らなるフィルム基材に塗布した後乾燥し、溶剤を蒸発さ
せて少なくとも前記樹脂と金属薄片5からなる樹脂相3
を形成し、これを順次繰り返すことによって少なくとも
2層以上の樹脂層3a,3b・・・3cを形成すること
によって製造することができる。
【0019】上記溶剤としては、上記溶解度パラメータ
の関係を満たす限り特に限定されるものではなく、単独
成分の溶剤でも良いし、複数の種類の溶剤を混合した混
合溶剤をもちいても良い。ここで、前記樹脂との溶解度
パラメータの差の絶対値を1〜3の範囲とするのは、差
の絶対値が1未満の時には樹脂を溶解する能力が高すぎ
て先に形成した樹脂層3があとから塗布された混合溶液
によって侵され、含有する金属薄片5の配向が乱れ、所
望の金属感が得られなくなることによる。また、差の絶
対値が3を超えると、樹脂の溶解能が低すぎて樹脂の溶
解が不十分となり均一な混合溶液が得られず、薄い樹脂
層3を均一に形成することができなくなることによる。
【0020】本発明において溶解度パラメータ(SP
値)は、一般的な化合物については既知の値(高分子学
会編:高分子データ・ハンドブック基礎編、第591頁
参照)を引用するが、それ以外については次式(上記高
分子データ・ハンドブック基礎編参照)により算出され
る値を用いる。 δ=dΣG/M ここで、δ:溶解度パラメータ(SP値)[(cal/
cm1/2]d:密度[(g/cm)] G:モル索引定数(蒸気圧測定により設定されるHoy
値)[(cal/cm1/2/mol] M:分子量[(g/mol)]
【0021】なお、共重合体については、上記式により
共重合体を構成する各構成単位の単独重合体としての溶
解度パラメータを算出し、それらの値に各構成単位のモ
ル分率を乗じた値を合計して算出する。また、混合溶剤
については、混合溶剤を構成する各溶剤成分の溶解度パ
ラメータに体積分率を乗じた値を合計して算出する。
【0022】上記混合溶液を熱可塑性樹脂からなるフィ
ルム基材2に塗布する方法としては、特に限定されず、
例えばグラビア、スクリーン等による印刷手法や、スプ
レー等による塗装手法、バーコート、アプリケーター、
エクストルージョン等の方法から適宜選択して用いるこ
とができる。ただし、重ねて塗布していく過程において
は、ウエット・オン・ドライとなるように、十分な乾燥
温度と乾燥時間を設定することが望ましい。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0024】実施例1 メチルエチルケトンとメタノールとを体積分率1:1に
混合した混合溶剤(δ=11.9)100重量部に、ア
ルミニウムの蒸着膜を粉砕した厚み0.08〜0.1μ
m、平均粒径10μmの金属薄片50重量部と、熱可塑
性ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業製:DN−
5980、δ=10.0)50重量部を加え、攪拌、溶
解して混合溶液を得た。
【0025】次に、この混合溶液を250μmの厚みの
ポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学工業製:
テクノロイHG)上に、乾燥後の層厚みが約1.0μm
となるように、簡易型のグラビア印刷機を用いて塗布
し、温風にて乾燥させたのち、再度同じ厚みとなるよう
同様に塗布を行い、金属薄片を含有する樹脂層を2層供
えたフィルムを得た。これに厚み300μmの灰色のA
BSシートをウレタン系1液接着剤を用いてラミネート
し、装飾フィルムを得た。
【0026】実施例2 メチルエチルケトンとn−へキサンとを体積分率1:2
に混合した混合溶剤(δ=8.0)100重量部に、ア
ルミニウムの蒸着膜を粉砕した厚み0.08〜0.1μ
m、平均粒径10μmの金属薄片50重量部と、熱可塑
性ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業製:DN−
5980、δ=10.0)50重量部を加え、攪拌、溶
解して混合溶液を得た。
【0027】次に、この混合溶液を厚み250μmのポ
リメチルメタクリレートフィルム(住友化学工業製:テ
クノロイHG)上に、乾燥後の層厚みが約0.5μmと
なるように、簡易型のグラビア印刷機を用いて塗布し、
温風にて乾燥させたのち、再度同じ厚みとなるよう同様
に塗布を行い、これを2回繰り返し、金属薄片を含有す
る樹脂層を3層供えたフィルムを得た。これに厚み30
0μmの灰色のABSシートをウレタン系1液接着剤を
用いてラミネートし、装飾フィルムを得た。
【0028】比較例1 メチルエチルケトンとメタノールを体積分率1:1に混
合した混合溶剤(δ=11.9)100重量部に、アル
ミニウムの蒸着膜を粉砕した厚み0.08〜0.1μ
m、平均粒径10μmの金属薄片50重量部と、熱可塑
性ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業製:DN−
5980、δ=10.0)50重量部を加え、攪拌、溶
解して混合溶液を得た。
【0029】そして、この混合溶液を250μmの厚み
のポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学工業
製:テクノロイHG)上に、乾燥後の層厚みが約1.0
μmとなるように、簡易型のグラビア印刷機を用いて塗
布し、温風にて乾燥させ、金属薄片を含有する樹脂層を
1層有するフィルムを得た。これに厚み300μmの灰
色のABSシートをウレタン系1液接着剤を用いてラミ
ネートし、装飾フィルムを得た。
【0030】比較例2 メチルエチルケトンとメタノールを体積分率1:1に混
合した混合溶剤(δ=11.9)100重量部に、アル
ミニウムの蒸着膜を粉砕した厚み0.08〜0.1μ
m、平均粒径10μmの金属薄片50重量部と、熱可塑
性ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業製:DN−
5980、δ=10.0)50重量部を加え、攪拌、溶
解して混合溶液を得た。
【0031】次に、この混合溶液を250μmの厚みの
ポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学工業製:
テクノロイHG)上に、乾燥後の層厚みが約5.0μm
となるように、簡易型のグラビア印刷機を用いて塗布
し、温風にて乾燥させ、金属薄片を含有する樹脂層を1
層有するフィルムを得た。これに厚み300μmの灰色
のABSシートをウレタン系1液接着剤を用いてラミネ
ートし、装飾フィルムを得た。
【0032】比較例3 メチルエチルケトンとメタノールを体積分率1:1に混
合した混合溶剤(δ=11.9)100重量部に、一般
的な塗装用アルミニウム粉末(厚み:0.6〜1.0μ
m、平均粒径13μm)50重量部と、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂(日本ポリウレタン工業製:DN−598
0、δ=10.0)50重量部を加え、攪拌、溶解して
混合溶液を得た。
【0033】次いで、この混合溶液を250μmの厚み
のポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学工業
製:テクノロイHG)上に、乾燥後の層厚みが約1.5
μmとなるように、簡易型のグラビア印刷機を用いて塗
布し、温風にて乾燥させた後、再度、同じ層厚みとなる
ように塗布を行ない、金属粉末を含有する樹脂層を2層
有するフィルムを得た。これに厚み300μmの灰色の
ABSシートをウレタン系1液接着剤を用いてラミネー
トし、装飾フィルムを得た。
【0034】比較例4 メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを体積分
率2:1に混合した混合溶剤(δ=10.0)100重
量部に、アルミニウムの蒸着膜を粉砕した厚み0.08
〜0.1μm、平均粒径10μmの金属薄片50重量部
と、熱可塑性ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業
製:DN−5980、δ=10.0)50重量部を加
え、攪拌、溶解して混合溶液を得た。
【0035】この混合溶液を250μmの厚みのポリメ
チルメタクリレートフィルム(住友化学工業製:テクノ
ロイHG)上に、乾燥後の層厚みが約1.0μmとなる
ように、簡易型のグラビア印刷機を用いて塗布し、温風
にて乾燥させた後、再度、同じ層厚みとなるように塗装
を行ない、金属薄片を含有する樹脂層を2層有するフィ
ルムを得た。これに厚み300μmの灰色のABSシー
トをウレタン系1液接着剤を用いてラミネートし、装飾
フィルムを得た。
【0036】評価 上記のようにして得られた装飾フィルムについて以下の
評価を実施した。
【0037】まず、各装飾フィルムの初期(成形前)の金
属間について評価した。金属感の評価は、変角測色計を
用いて入射角60°の入射光に対する正反射光領域とシ
ェード領域のY値を測定し、この比に基づいて金属感指
標値を算出した。そして、この金属感指標値が1.0以
上なら金属感があると判断し、1.0未満ならば金属感
がないと判断した。
【0038】次に、真空成形機を用いて各装飾フィルム
を成形し、成形後の金属感指標値を前記同様に算出し
た。成形型には、成形後のフィルムの面積が成形前に対
して2倍となる部分ができるものを用い、この面積が2
倍となった部分を切り出し、変角測色計にて測定した。
さらに成形前後の指標値の比をとって金属感保持率とし
た。すなわち、成形後の金属感指標値が成形前と全く変
化しない場合には金属感保持率が100%となる。この
値が80%以上であれば実質上(目視上)外観的な問題
(金属感の低下、むら)は生じないものと判断される。
【0039】以上の評価結果を装飾フィルムの構成と共
に表1にまとめて示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示した結果から明らかなように、実
施例1および2に係わる装飾フィルムにおいては、成形
前、成形後ともに金属感指標値が1.0を越えており、
また金属感保持率も80%を超えていて、成形前後で優
れた金属感を有することが確認された。なお、これら装
飾フィルムの断面を顕微鏡観察によって調査したとこ
ろ、成形前後において金属薄片は樹脂層の表面にほぼ平
行に配置され、樹脂層面に対する角度が15°を超える
金属薄片は認められなかった。
【0042】これに対して、比較例1に係わる装飾フィ
ルムにおいては、金属薄片を含む樹脂層が1層しかない
関係上、成形前の金属感は良好であるものの、成形後の
金属感が大きく低下し、金属感保持率も低いことから成
形用途には向かないことが判明した。
【0043】また、金属薄片を含む樹脂層が1層しかな
く、しかもその膜厚が厚い比較例2、および樹脂層が2
層形成されているものの、蒸着金属膜を粉砕したもので
はなく、通常の塗装用金属粉を使用した比較例3に係わ
る装飾フィルムにおいては、金属感保持率こそ高いもの
の、これは成形前の段階から金属感に乏しいことによる
ものであって、所望の金属感を得ることはできなかっ
た。さらに、樹脂層を構成する樹脂との溶解度パラメー
タの差がない溶剤を用いた比較例4にかかわる装飾フィ
ルムにおいては、樹脂層中の金属薄片の配向が乱れるこ
とから、成形前後の金属感およびその保持率において、
本発明の実施例1および2に係わる装飾フィルムに較べ
て、格段に劣ることが確認された。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる装
飾フィルムは、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材に、
蒸着金属膜を粉砕した金属薄片を含む膜厚0.2〜3.
0μmの樹脂層が2層以上形成されたものであって、前
記金属薄片が樹脂層中に30〜80重量%含有され、し
かも樹脂層の面に対して略平行に配置されていることか
ら、良好な金属感が得られるとともに、成形加工が施さ
れることによって部分的な伸びが生じたとしても、金属
薄片の樹脂層面との平行状態が維持され、成形前後にお
いて良好な金属感を得ることができるという極めて優れ
た効果をもたらすものである。
【0045】本発明に係わる装飾フィルムの製造方法に
おいては、樹脂層を構成する樹脂ととの溶解度パラメー
タSP値の差の絶対値が1〜3の範囲の溶剤に、樹脂と
蒸着金属膜を粉砕した金属薄片の少なくとも2成分を溶
解した混合溶液を作成し、この混合溶液を熱可塑性樹脂
からなるフィルム基材に塗布して乾燥し、溶剤の蒸発に
よって少なくとも樹脂と金属薄片からなる樹脂層を形成
する操作を繰り返して2層以上の樹脂層を積層するよう
にしているので、本発明に係わる装飾フィルムを容易に
得ることができるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる装飾フィルムの一実施形態を示
す断面説明図である。
【図2】本発明に係わる装飾フィルムの他の実施形態を
示す断面説明図である。
【図3】(a) 本発明に係わる装飾フィルムにおける
樹脂層中の金属薄片の配向状態を示す断面説明図であ
る。 (b) 樹脂層中における金属薄片の好ましくない配向
状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 装飾フィルム 2 フィルム基材 3(3a,3b,3c) 樹脂層 5 金属薄片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/20 B32B 27/20 A Fターム(参考) 4D075 AC25 AE03 AE15 AE16 BB24Y BB24Z CB07 CB13 DA04 DB31 DB43 DB48 DC36 DC38 EA05 EA17 EB13 EB15 EB22 EB38 EC01 EC23 EC30 EC51 EC54 4F100 AB01B AB01C AB01H AK01A AK01B AK01C BA02 BA03 BA07 BA23 CA13B CA13C DE01B DE01C DE02B DE02C DE02H EH462 EH66B EH66C EH66H JB16A JL01 JN24 YY00B YY00C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなるフィルム基材に、
    少なくとも樹脂と蒸着金属膜を粉砕した金属薄片からな
    る膜厚0.2〜3.0μmの樹脂層が2層以上形成され
    ていると共に、前記金属薄片が樹脂層の面に対して略平
    行に配置され、かつ樹脂層中における金属薄片の含有量
    が30〜80重量%の範囲であることを特徴とする装飾
    フィルム。
  2. 【請求項2】 成形されているものであることを特徴と
    する請求項1記載の装飾フィルム。
  3. 【請求項3】 前記金属薄片が成形状態において樹脂層
    の面に略平行に配置されていることを特徴とする請求項
    2記載の装飾フィルム。
  4. 【請求項4】 樹脂層を構成する樹脂と蒸着金属膜を粉
    砕した金属薄片の少なくとも2成分を前記樹脂との溶解
    度パラメータSP値の差の絶対値が1〜3の範囲の溶剤
    に溶解した混合溶液を熱可塑性樹脂からなるフィルム基
    材に塗布した後乾燥し、前記溶剤を蒸発させて少なくと
    も前記樹脂と金属薄片からなる樹脂層を形成する操作を
    繰り返して2層以上の樹脂層を積層することを特徴とす
    る装飾フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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