JP2002299187A - 熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板およびその製造方法

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JP2002299187A
JP2002299187A JP2001102361A JP2001102361A JP2002299187A JP 2002299187 A JP2002299187 A JP 2002299187A JP 2001102361 A JP2001102361 A JP 2001102361A JP 2001102361 A JP2001102361 A JP 2001102361A JP 2002299187 A JP2002299187 A JP 2002299187A
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aluminum alloy
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Kenichi Kamiya
憲一 神谷
Mitsushi Hayashida
充司 林田
Masanobu Fukui
正信 福井
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂を被覆してなる熱可塑性樹脂被
覆アルミニウム合金板により一層優れた加工密着性を付
与するために行なわれるアルミニウム合金板の電解エッ
チング法の条件を最適化する。 【解決手段】 電解エッチング法によってエッチングピ
ット2が形成されたアルミニウム合金板1の表面に熱可
塑性樹脂3が被覆されてなる熱可塑性樹脂被覆アルミニ
ウム合金板4であって、前記電解エッチング法は、濃度
が0.08〜2.30mol/lである一価の無機酸の
水溶液中で、液温を5〜50℃とし、電流密度を100
〜8000A/m2、かつ単位面積当たりの電気量を1
000〜40000C/m2として行なわれるように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絞り加工やしごき
加工が施された際にも樹脂皮膜の密着性に優れている熱
可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軽量でしかも加工性に優れている
アルミニウム合金板(以下、「Al合金板」という。)
は、絞り加工やしごき加工等の過酷な成形加工が連続し
て施されて形成される各種の容器に適用されている(以
下、絞り加工としごき加工とが連続して施される工程
を、「絞り−しごき加工」という)。その中で、特に外
面に樹脂を被覆して絶縁性や意匠性等を付与したAl合
金板が、電子部品容器をはじめとする各種の容器に多く
適用されている。
【0003】すなわち、このようなAl合金板を有する
各種の容器は、Al合金板に対して絞り−しごき加工等
の過酷な成形加工が施されて有底円筒状に成形された
り、あるいはその後さらにかしめ加工等が施されたりし
て最終用途に応じた形状に成形加工される。なお、この
ような成形加工が施された後に樹脂を塗装またはラミネ
ートして樹脂が被覆されてなる「ポストコートAl合金
板」と、予め樹脂が被覆されてなる「プレコートAl合
金板」とがあるが、主に生産効率や、環境問題等の点か
ら「プレコートAl合金板」(以下、「樹脂被覆Al合
金板」という。)が多く用いられている。
【0004】前記の電子部品容器等に用いられる樹脂被
覆Al合金板の素材としては、一般に、JISH400
0に規定されているJISA1050、JISA110
0、JISA1200等の純アルミニウム、またはJI
SA3003、JISA3004等のMn等の元素を含
むアルミニウム合金系が用いられている。そして、この
ような樹脂被覆Al合金板に用いられる樹脂において
は、その樹脂被覆Al合金板に絞り−しごき加工等の過
酷な成形加工が施されても、樹脂皮膜の割れや剥離が発
生しないことが要求される。
【0005】すなわち、前記樹脂被覆Al合金板が絞り
−しごき加工等の過酷な成形加工を受けると樹脂皮膜の
内部応力が増大するが、この内部応力が樹脂皮膜とAl
合金板との間の密着力を超えると樹脂皮膜の剥離が発生
し、この内部応力が前記密着力未満であるが樹脂皮膜の
マトリックスの凝集力を超えると樹脂皮膜のマトリック
スの凝集破壊による樹脂皮膜の割れが発生するようにな
る。このため、前記樹脂被覆Al合金板が絞り−しごき
加工等の過酷な成形加工を受けても、その樹脂皮膜がA
l合金板の変形に追従することにより樹脂皮膜の内部応
力が適切に緩和され、前記のような樹脂皮膜の剥離や割
れが発生しないような樹脂皮膜の耐久性が求められる。
このような樹脂皮膜の耐久性は、比較的高い伸長度を有
する樹脂皮膜を用いれば前記内部応力を適切に緩和させ
ることができるため、向上させることが可能である。こ
のような比較的高い伸長度を備えた樹脂としては、スチ
レン系,アクリル系,セルロース系,ポリエチレン系,
ビニル系,ナイロン系,フッ化炭素系等の熱可塑性樹脂
が挙げられる。
【0006】従来、Al合金板にこのような熱可塑性樹
脂を被覆したAl合金板に絞り−しごき加工等の過酷な
成形加工を施す場合には、加工後の皮膜密着性を回復さ
せる、すなわち、加工により皮膜内部に蓄積した応力の
緩和させるために熱処理が施されていた。例えば、フィ
ルム状の熱可塑性樹脂を被覆してなる熱可塑性樹脂被覆
Al合金板を用いた深絞り容器成形においては、絞り−
しごき加工等の過酷な成形加工で熱可塑性樹脂皮膜に内
部応力が蓄積し、この絞り−しごき加工等の過酷な成形
加工後に施される縮みフランジ加工や伸びフランジ加工
の工程で、熱可塑性樹脂皮膜とAl合金板との密着性が
充分に確保されていない場合、この熱可塑性樹脂皮膜の
剥離現象が生じるため、絞り−しごき加工後の熱可塑性
樹脂皮膜に蓄積された内部応力を適度に緩和させてこの
熱可塑性樹脂皮膜とAl合金板との密着性を回復させる
べく熱処理が施されている。
【0007】また、例えば、フィルム状の熱可塑性樹脂
を被覆したAl合金板を用いたコンデンサーケースの成
形では、絞り−しごき加工等の過酷な成形工程で熱可塑
性樹脂の皮膜に内部応力が蓄積されるが、この絞り−し
ごき加工等の成形工程の後に行なわれる巻き締め加工の
工程で熱可塑性樹脂皮膜とAl合金板との密着性が充分
に保持されていない場合、この熱可塑性樹脂皮膜の剥離
現象が生じるため、絞り−しごき加工後の熱可塑性樹脂
皮膜とAl合金板との密着性を回復させるための熱処理
が施されていた。
【0008】しかしながら、熱可塑性樹脂皮膜を被覆し
たAl合金板にこのような熱処理を施すと、熱処理工程
の熱処理時間や、熱処理設備等のコストアップ要因が生
じるとともに、熱処理工程の熱処理条件の不可避的なバ
ラツキにより、熱可塑性樹脂皮膜とAl合金板との密着
性が充分に回復しない、あるいは熱処理の熱的影響によ
って熱可塑性樹脂皮膜が本来備えている性能が変質する
ことによって熱可塑性樹脂皮膜を被覆したAl合金板の
性能の低下が生じるといった問題点が発生する。さら
に、前記樹脂被覆Al合金板には、絞り−しごき加工等
の過酷な成形加工が施された後にも比較的長期間にわた
ってAl合金板と樹脂との密着性(以下、「加工密着
性」という。)を実用的に充分に持続することが要求さ
れるが、このような熱可塑性樹脂を被覆したAl合金板
においては、前記したような問題点を解決するととも
に、このような要求に応えることが困難であった。
【0009】そこで、前記したような問題点を解決し、
かつ前記の要求に応えるべく、加工密着性を樹脂被覆A
l合金板に付与するための手法が種々検討されている。
すなわち、Al合金板の素材の表面に存在する微細な孔
(以下、「ピット」という。)に樹脂が入り込むことに
より樹脂皮膜の密着性が物理的に向上される、いわゆる
「アンカー効果(投錨効果)」を生起させる方法があ
る。
【0010】このようなアンカー効果を生起させるため
のピットは、通常、機械的粗面化法、化学エッチング
法、電解エッチング法等を用いてAl合金板の素材の表
面を粗面化して形成される。そして、このようなピット
が形成されたAl合金板の素材の表面に樹脂皮膜を形成
すれば、樹脂がピットの内部に入り込むことにより、樹
脂皮膜がAl合金板の素材に対してアンカー効果(投錨
効果)を生起させるため、Al合金板に対する樹脂皮膜
の密着性が向上するようになる。なお、樹脂皮膜として
フィルム状の熱可塑性樹脂を用いる場合には、このよう
なピットを有するAl合金板の素材の表面にこのフィル
ム状の熱可塑性樹脂を貼り付けた後、その熱可塑性樹脂
をリメルト(溶融)させることによりこの熱可塑性樹脂
をピット内に入り込ませて前記のアンカー効果を生起さ
せることができる。
【0011】また、このようなピットが形成されたAl
合金板の表面に樹脂皮膜が設けられた樹脂被覆Al合金
板が絞り−しごき加工等の過酷な成形加工を受けた場合
について考察すると、樹脂皮膜の内部応力が増大するこ
とにより樹脂皮膜とAl合金板との密着性を阻害される
が、Al合金板の素材がこのようなピットを有する場合
には、樹脂被覆Al合金板が絞り−しごき加工等の過酷
な成形加工を受けた後にもAl合金板の素材の表面にピ
ットが存在し、このピットの内部に樹脂皮膜が入り込ん
でいるため、アンカー効果が保持され、良好な加工密着
性が確保される。特に、絞り−しごき加工等の過酷な成
形加工による変形で生じる樹脂皮膜の内部応力を適切に
緩和することが可能である前記のような熱可塑性樹脂を
用いれば加工密着性の効果が高められる。
【0012】このような熱可塑性樹脂を被覆したAl合
金板において、熱可塑性樹脂の耐久性を向上させるため
にAl合金板の表面に形成されるピットには、前記機械
的粗面化によってAl合金板の表面に凹凸を形成して設
けられるものと、前記化学エッチングや電解エッチング
によってAl合金板の素材の表面に微細な孔を形成して
設けられるものとがあるが、化学エッチングや電解エッ
チングによって形成されたピット(以下、特に「エッチ
ングピット」という。)の方が、機械的粗面化によって
形成されたピットよりも、形状(直径、深さ)がより微
細で、しかも密度が高い。したがって、より微細な形状
と高い密度とを有するエッチングピットの方が樹脂皮膜
に対して、より大きなアンカー効果を生起することがで
き、樹脂皮膜とAl合金板との密着性、さらに樹脂皮膜
の加工密着性が向上することが知られている。
【0013】Al合金板に対して化学エッチングまたは
電解エッチングを施す場合、まずアルミニウム表面の酸
化皮膜が溶解した後、下記の化学式(式1)に示すよう
な金属アルミニウムの溶解反応が生起されてエッチング
ピットが形成されるが、電解エッチングの方が、材料に
通電して電気化学的に前記したような酸化皮膜や金属ア
ルミニウムを溶解させるため、このような溶解反応を促
進する効果が大きく、化学エッチングに比べて、比較的
短い処理時間でより多くのエッチングピットが形成され
るようになる。その結果、電解エッチング法を用いるこ
とによって処理時間の短縮化を図ることが可能である。
【0014】
【化1】
【0015】しかしながら、これまでの通常に行なわれ
ている電解エッチング法によってエッチングピットを形
成する方法では、従来公知の化学エッチング法に比べて
処理に要するコストが高く、しかも熱可塑性樹脂を被覆
した場合により高い密着性の効果が得られる最適条件が
確立されていなかった。例えば、電解エッチング法に用
いられる電解質溶液中の電解質の濃度や、電解質溶液の
温度、またはアルミニウム合金板に通電する電流密度や
単位面積当たりの電気量等が、これまで充分に最適化さ
れていなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものであって、本発明の
目的は、熱可塑性樹脂を被覆してなる熱可塑性樹脂被覆
アルミニウム合金板により一層優れた加工密着性を付与
するために行なわれるアルミニウム合金板の電解エッチ
ング法の条件を最適化することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等が前記目的を
達成するために鋭意検討した結果、アルミニウム合金板
(Al合金板)の表面に、電解エッチング法により特定
の条件でエッチングピットを形成し、このようなエッチ
ングピットが設けられたAl合金板の表面に熱可塑性樹
脂を被覆することによって、絞り−しごき加工等の過酷
な成形加工が施されても皮膜の割れや剥離が発生するこ
となく、しかも加工後の密着性も良好であり、かつこの
良好な密着性が長期間にわたって保持される熱可塑性樹
脂被覆アルミニウム合金板およびこの熱可塑性樹脂被覆
アルミニウム合金板を製造する方法を具現化できること
ことを見いだし、本発明を創作するに至った。
【0018】すなわち、本発明に係る熱可塑性樹脂被覆
アルミニウム合金板は、電解エッチング法によってエッ
チングピットが形成されたアルミニウム合金板の表面に
熱可塑性樹脂が被覆されてなる熱可塑性樹脂被覆アルミ
ニウム合金板であって、前記電解エッチング法は、濃度
が0.08〜2.30mol/lである一価の無機酸の
水溶液中で、液温を5〜50℃とし、電流密度を100
〜8000A/m2(1〜80A/dm2)、かつ単位面
積当たりの電気量を1000〜40000C/m2(1
0〜400C/dm2)として行なわれることを特徴と
する。(請求項1)
【0019】このように構成すれば、前記アルミニウム
合金板(Al合金板)に対して特定の条件で電解エッチ
ング法を施すことにより、このAl合金板の表面に微細
なエッチングピットを緻密に、しかも各々のエッチング
ピットを互いに独立させて形成させることができる。こ
のため、このようにして形成されたエッチングピットに
よって前記熱可塑性樹脂に対してより大きなアンカー効
果が生起され、このAl合金板の上に被覆された熱可塑
性樹脂皮膜の密着性がより高められる。さらに、このA
l合金板の上に被覆された熱可塑性樹脂皮膜は、絞り−
しごき加工等の過酷な成形加工が施されてもこのAl合
金に対する密着性が保持される。しかも、このような加
工密着性は比較的長期間にわたって保持される。そし
て、このように密着性に優れた熱可塑性樹脂皮膜は、熱
処理を施すことなく形成されるので、熱可塑性樹脂被覆
アルミニウム合金板のタクトタイムが短縮される。すな
わち、請求項1に係る発明によれば密着性、加工密着性
および経済性に優れた熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合
金板を具現化することができる。
【0020】また、本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アル
ミニウム合金板は、請求項1において、前記熱可塑性樹
脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂およ
びポリアミド系樹脂からなる群の中から選択された少な
くとも1種で構成されることを特徴とする。(請求項
2)このように構成すれば、前記熱可塑性樹脂は高分子
鎖が比較的自由な動きを有するため、熱可塑性樹脂被覆
アルミニウム合金板に絞り−しごき加工等の過酷な成形
加工が施されてもAl合金板の変形に熱可塑性樹脂の皮
膜が追従し内部応力を緩和することができるようにな
る。その結果、熱可塑性樹脂皮膜の割れや剥離等の不具
合が可及的に抑えられた熱可塑性樹脂被覆アルミニウム
合金板を具現化することができる。
【0021】また、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂
の中から適宜に選択されるため、最終製品の形態に応じ
た耐食性付与された、あるいは最終製品の形態に応じた
原料コストで構成される熱可塑性樹脂被覆アルミニウム
合金板を具現化することが可能になる。
【0022】さらに、前記熱可塑性樹脂皮膜の膜厚が1
〜40μmであるように構成すれば、熱可塑性樹脂の皮
膜がアルミニウム合金板の表面を全面的に被覆するよう
になり、熱可塑性樹脂の皮膜が元来不可避的に有するピ
ンホールを低く抑えることができるとともにエッチング
ピットの内部に充分に充填されるため、アンカー効果が
充分に発揮されて高い加工密着性を備えた熱可塑性樹脂
被覆アルミニウム合金板を具現化することができる。
【0023】さらに、本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ア
ルミニウム合金板は、請求項1または請求項2におい
て、前記エッチングピットが形成されたアルミニウム合
金板と前記熱可塑性樹脂との間に中間層を設け、この中
間層がCr、Zr、Tiからなる群の中から選択された
少なくとも1種の元素を含む化成処理皮膜から構成され
ることを特徴とする。(請求項3)このように構成すれ
ば、前記アルミニウム合金板の表面に安定な水和酸化物
の皮膜を形成することができるため、高い耐食性を備え
た熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板を具現化するこ
とができるようになる。
【0024】また、前記化成処理皮膜の皮膜量が、この
化成処理皮膜に含まれるCr、ZrまたはTiで換算し
た換算皮膜量で5〜40mg/m2であると、アルミニ
ウム合金板の表面が、Cr、ZrまたはTiを含有する
安定な水和酸化物の皮膜で欠陥を抑えて全面的に被覆さ
れるため、とりわけ高い耐食性を備えた熱可塑性樹脂被
覆アルミニウム合金板を具現化することができるように
なる。
【0025】そしてまた、本発明に係る熱可塑性樹脂被
覆アルミニウム合金板の製造方法は、電解エッチング法
によってエッチングピットを形成したアルミニウム合金
板の表面に熱可塑性樹脂を被覆して行なう熱可塑性樹脂
被覆アルミニウム合金板の製造方法であって、濃度が
0.08〜2.30mol/lである一価の無機酸の水
溶液中で、液温を5〜50℃とし、電流密度を100〜
8000A/m2、かつ単位面積当たりに通電する電気
量を1000〜40000C/m2とする条件にて、所
定のアルミニウム合金板に電解エッチングを施してエッ
チングピットを形成する工程と、前記エッチングピット
が形成されたアルミニウム合金板に、熱可塑性樹脂を設
ける工程とを含むことを特徴とする。(請求項4)
【0026】このように構成すれば、密着性、加工密着
性および経済性に優れた熱可塑性樹脂被覆アルミニウム
合金板を具現化することができる。前記アルミニウム合
金板の少なくとも片面に電解エッチング法によって形成
されたエッチングピットが、前記熱可塑性樹脂に対して
アンカー効果を生起させることができるようになるた
め、前記熱可塑性樹脂の密着性を良好に保持することが
可能となり、ひいては絞り−しごき加工等の過酷な成形
加工を行なう際の加工密着性が良好に保持される熱可塑
性樹脂被覆アルミニウム合金板を提供することができる
製造方法を具現化することができる。
【0027】さらに、本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ア
ルミニウム合金板の製造方法は、請求項4において、前
記エッチングピットを形成する工程と、前記熱可塑性樹
脂を設ける工程との間に、さらに化成処理を形成する工
程を含むことを特徴とする。(請求項5)
【0028】このように構成すれば、前記アルミニウム
合金板の表面に安定な水和酸化物の皮膜を形成すること
ができるため、高い耐食性を備えた熱可塑性樹脂被覆ア
ルミニウム合金板を提供することが可能な熱可塑性樹脂
被覆アルミニウム合金板の製造方法を具現化することが
できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照しながら詳細に説明する。な
お、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものでは
なく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜に
変更することが可能である。本発明に係る熱可塑性樹脂
被覆アルミニウム合金板は、図1に示すように、アルミ
ニウム合金板(Al合金板)1の表面に、適切な形態の
エッチングピット2を形成し、このエッチングピット2
を形成したAl合金板1の表面に熱可塑性樹脂3を被覆
することによって得られる。
【0030】このような本発明に係る熱可塑性樹脂被覆
アルミニウム合金板4は、この熱可塑性樹脂3がAl合
金板1の表面に設けられたエッチングピット2の内部に
入り込む、いわゆる「アンカー効果」が生起されること
によってこの熱可塑性樹脂とAl合金板との密着性、ひ
いては加工密着性が高められるものである。また、透明
度が比較的高い熱可塑性樹脂3を被覆すれば、Al合金
板1が本来有する表面外観性を備えたものとすることが
できる。以下、本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニ
ウム合金板に含まれる各構成要素について詳細に説明す
る。
【0031】《エッチングピット》本発明に係る熱可塑
性樹脂被覆アルミニウム合金板に備わるエッチングピッ
トは、アルミニウム合金板の表面に略U字状に形成さ
れ、アルミニウム合金板の素材とその表面に被覆される
熱可塑性樹脂との密着性、ひいては加工密着性を良好に
保持するように設けられるものである。
【0032】このようなエッチングピットの形成方法
は、本発明におけるエッチングピットの必要条件を満足
してアルミニウム合金板の素材とその表面に被覆される
熱可塑性樹脂との密着性、ひいては加工密着性を良好に
保持することができるような電解エッチング法であれば
特に限定されるものではない。
【0033】電解質を添加してなる溶液中で電気化学反
応によってAl合金板の表面のエッチングを行なう電解
エッチング法や無機酸によってAl合板の表面のエッチ
ングを行なう化学エッチング法は、いずれも前記の化学
式(式1)に示すようなアルミニウムの溶解反応により
エッチングピットを形成するものであり、機械的にAl
合金板の表面を粗面化する機械的粗面化法に比べて、よ
り微細なエッチングピットを、より高い密度で、しか
も、各々のエッチングピットを互いに独立させて形成す
ることができる。
【0034】一方、エッチングピットの形状は熱可塑性
樹脂とAl合金板との密着性に寄与することが知られて
いる。すなわち、エッチングピットの大きさ(直径、深
さ)は熱可塑性樹脂がその内部に入り込める範囲内で小
さければ小さいほど、また、エッチングピットの密度は
Al合金板の強度を阻害しない範囲内で多ければ多いほ
ど熱可塑性樹脂とAl合金板との密着性が増す。
【0035】さらに、各々のエッチングピットが互いに
独立してなる場合に、アンカー効果が最も高くなって熱
可塑性樹脂とAl合金板とが最も高い密着性を示すよう
になる。すなわち、前記アンカー効果によって生起され
る熱可塑性樹脂とAl合金板との密着性は、各エッチン
グピットにおけるアンカー効果の大きさの総和に依存す
る。ここで、「各々のエッチングピットが互いに独立し
てなる」とは、互いに隣接するエッチングピット同士を
区分する仕切の高さが、、互いに隣接する各エッチング
ピットの最深部から最上部までの距離と同程度であるこ
とを意味する。
【0036】そして、前記電解エッチング法は、化学エ
ッチング法に比べて、アルミニウム合金の素材に通電し
て前記溶解反応を電気化学的に促進するため、溶解反応
の速度定数がより大きくなり、その結果、より短い処理
時間でより多くのエッチングピットが形成され、所望の
密度を有するエッチングピットを形成するための処理時
間の短縮化を図ることが可能となる。
【0037】本発明者等は、以上説明したような電解エ
ッチング法が有する特徴に基づいて、Al合金板に被覆
した熱可塑性樹脂の密着性および加工密着性をより一層
高めるために、熱可塑性樹脂のアンカー効果を可及的に
発揮させるべく種々検討し、Al合金板の表面に所望の
エッチングピットを形成するために最適な電解エッチン
グ法を見いだした。
【0038】すなわち、本発明者等は、電解エッチング
法によってAl合金板にエッチングピットを形成する際
に、主にAl合金板の表面に分布する各種金属間化合物
が起点となってエッチングピットが形成され、このエッ
チングピットの形成のされ易さは電解エッチングの際に
前記金属間化合物が表面に露出した部分の面積とかかわ
り、電解エッチングの条件によっては表面に露出した部
分の面積が比較的小さな金属間化合物ではエッチングピ
ットが発生しない場合があることを明らかとした。ま
た、この電解エッチング法でAl合金に含まれる各種成
分の溶解が過剰となると、隣接するエッチングピット同
士が合体し、独立したエッチングピット同士の独立性が
低下することが判明した。
【0039】《電解エッチング条件》本発明者等はこの
ような知見に基づいて、Al合金板の電解エッチング法
において、Al合金板の表面に露出している金属間化合
物の面積が比較的小さくても、エッチングの起点となっ
て所要のエッチングピットが形成されるべく、電解エッ
チングの条件の最適化について検討を行なった。すなわ
ち、Al合金板の電解エッチングの条件は、Al合金板
の表面に露出している金属間化合物の面積が比較的小さ
くてもエッチングピットの起点となる条件で、かつAl
合金板からの過剰な溶解を抑制する条件が望ましい。以
下、本発明者等が見いだした、本発明を構成する必要条
件について詳細に説明する。
【0040】(電解質溶液:一価の無機酸)本発明にあ
っては、Al合金板の電解エッチングの際に、電解質溶
液として一価の無機酸の水溶液を用いる。その理由とし
て、Al合金板の電解エッチングの電解質溶液として二
価以上の無機酸を用いた場合、二価以上の無機酸の水溶
液ではエッチングピットが形成される代わりにAl合金
板の表面に陽極酸化皮膜(アルマイト被膜)が形成され
るようになることが挙げられる。したがって、本発明に
あっては、一価の無機酸の水溶液中でAl合金板の電解
エッチングを行なう。
【0041】(電解質溶液中の一価の無機酸の濃度:
0.08〜2.30mol/l)本発明にあっては、電
解質溶液中の一価の無機酸の濃度を0.08〜2.30
mol/lとする。すなわち、電解質溶液中の一価の無
機酸の濃度が0.08mol/l未満であると、Al合
金板の表面に露出した金属間化合物でエッチングピット
を形成するための起点となり得る金属間化合物の面積が
著しく大きくなるため、エッチングピットが充分に形成
されなくなる。
【0042】また、このとき、電解エッチングの通電時
間を延長して電解エッチングを行なうと、電解エッチン
グを開始した初期段階で生じたエッチングピットがその
まま成長し、電解エッチングの過程で新たに発生するエ
ッチングピットが少なくなり、前記のアンカー効果が発
揮されない大きさの粗大なエッチングピットが少数分布
してなるAl合金板の表面に形成されるようになる。
【0043】一方、電解質溶液中の一価の無機酸の濃度
が2.30mol/l超であると、Al合金板の表面に
露出した金属間化合物の多少または表面積にかかわら
ず、エッチングピットが比較的多数発生するようになっ
て、隣接するエッチングピット同士が合体し、その結果
として、隣接したエッチングピット同士の独立性が低下
し、前記のアンカー効果が低下して熱可塑性樹脂とAl
合金板との密着性が低下する。
【0044】(電流密度:100〜8000A/m2
本発明にあっては、Al合金板の電解エッチングの電流
密度を100〜8000A/m2とする。すなわち、こ
の電流密度が100A/m2未満であると、Al合金板
の電解エッチングの初期段階で発生するエッチングピッ
トの数が少なくなって前記のアンカー効果を発揮できる
エッチングピットが充分に形成されなくなる。
【0045】また、このとき、Al合金板に対する通電
時間を延長して電解エッチングを行なうと、電解エッチ
ングの初期段階で発生したエッチングピットがそのまま
成長し前記のアンカー効果を発揮できない粗大なエッチ
ングピットが形成されるようになる。一方、電流密度が
8000A/m2を超えると、Al合金板の表面に露出
した金属間化合物の中で、極めて微小な金属間化合物で
もエッチングピットの起点となるため、その結果として
Al合金板の表面全体が溶解するようになる。したがっ
て、隣接したエッチングピット同士の独立性は低下して
樹脂被膜の密着性は低下する。
【0046】(単位面積当たりの電気量:1000〜4
0000C/m2)本発明にあっては、Al合金板の電
解エッチングの電気量を単位面積当たりの電気量を10
00〜40000C/m2とする。すなわち、この電気
量が1000C/m2未満であると、電解エッチングの
他の因子にかかわらずエッチングピットの密度および大
きさがいずれも前記のアンカー効果を発揮するのに不充
分となり、その結果としてAl合金板に被覆された熱可
塑性樹脂の皮膜の密着性が低下する。一方、電気量が4
0000C/m2を超えると、電解エッチングでAl合
金板の表面全体が溶解したり、あるいは粗大なエッチン
グピットが表面全体に成長するようになる。その結果、
エッチングピットの独立性が損なわれ、熱可塑性樹脂被
膜とAl合金板との密着性は低下する。
【0047】(電解質溶液の温度:5〜50℃)本発明
にあっては、電解質溶液の温度を5〜50℃として、A
l板の電解エッチングを行なう。すなわち、電解質溶液
の温度が5℃未満であると、電解質溶液の電気化学反応
性が低下するため、電解エッチングの初期段階のエッチ
ングピットの発生が少なくなる。また、このとき、通電
時間を延長して電解エッチングを行なうと前記のアンカ
ー効果が発揮されないような粗大なエッチングピットを
形成するようになる。一方、電解質溶液の温度が50℃
を超えると、電気化学反応性が過剰となるため、Al合
金板の表面全体が溶解するようになり所望のエッチング
ピットが形成されなくなって、熱可塑性樹脂被膜とAl
合金板との密着性が低下する。
【0048】なお、本発明で用いられる電解エッチング
法は特に限定されるものではなく、本発明の必要条件を
満足するものであれば従来公知の電解エッチング法を適
用することが可能である。また、電解エッチング法の条
件によっては、エッチングピットの内部にアルミニウム
酸化物等からなるスマットが堆積する場合がある。この
スマットは、熱可塑性樹脂によるアンカー効果を阻害す
るとともに、Al合金板の外観品質を低下させるため、
本発明にあっては、このスマットの堆積が低く抑えられ
る条件にて電解エッチングを行なうか、あるいはこのよ
うに堆積したスマットを、エッチングピットを形成した
後に除去する処理を施すことが好ましい。
【0049】《熱可塑性樹脂》本発明に係る熱可塑性樹
脂被覆アルミニウム合金板は、絞り−しごき加工等の過
酷な成形加工が施されても、熱可塑性樹脂の皮膜が適切
な加工密着性を保持していることが要求される容器に供
するものである。熱可塑性樹脂は、一般に、材料の表面
に皮膜を形成した後、高分子鎖の自由運動が適度に確保
されている。したがって、本発明で用いられる熱可塑性
樹脂の皮膜は、素材たるアルミニウム合金板に絞り−し
ごき加工等の過酷な成形加工が施されてもこの素材の加
工部の形状に追従して、皮膜の割れや剥離等の不具合を
生じ難く、加工密着性に優れている。
【0050】本発明にあっては、このような熱可塑性樹
脂の中で、所望の成形加工後の耐食性、または所望の原
料コストに応じて適宜に選択することが可能である。す
なわち、より高い耐食性を付与したい場合には、Al合
金板と比較的良好に密着するポリエステル系樹脂または
ポリアミド系樹脂を用いることが好ましい。また、原料
コストをより低く抑えたい場合には、ポリオレフィン系
樹脂を用いることが望ましい。
【0051】《アルミニウム合金板》本発明に係る熱可
塑性樹脂被覆アルミニウム合金板に用いられるアルミニ
ウム合金板は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹
脂被覆アルミニウム合金板の最終形態の用途に応じて、
従来公知のアルミニウム合金板の中から適宜に選択され
る。成形加工性に優れるアルミニウム合金板として、J
IS3000系合金や、JIS5000系合金を適用す
ることが可能である。
【0052】《製造方法》つぎに、本発明に係る熱可塑
性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法について説明
する。本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金
板の製造方法は、電解エッチング法によって、前記した
ような特性を備えたエッチングピットをアルミニウム合
金板の表面に効率的に形成するものである。図2は、本
発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造
方法の一例の工程フローを示す図である。図2に示すよ
うに、本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金
板の製造方法にあっては、まず、一例の素材であるアル
カリ脱脂を施したJISA3004H19合金板(Al
合金板)に対して電解エッチングを行なって、エッチン
グピットを形成する。このときの電解エッチングの条件
はつぎの通りである。すなわち、一価の無機酸の水溶液
の濃度を0.08〜2.30mol/lとし、液温を5
〜50℃とした電解質溶液中に前記Al合金板を浸漬し
て、電流密度を100〜8000A/m2とし、かつ単
位面積当たりの電気量が1000〜40000C/m2
として電解エッチングを行なう。なお、このような電解
エッチングは、従来公知の通常の電解エッチング装置を
用いて行なうことができる。また、このようにして形成
されるエッチングピットの深さは0.01〜0.1μm
程度であると、Al合金板の上に被覆される熱可塑性樹
脂皮膜のアンカー効果が充分に発揮されるようになって
都合がよい。
【0053】その後、このAl板に所要の耐食性を付与
するために化成処理を施して化成処理皮膜を形成する。
この化成処理皮膜の膜厚は、前記エッチングピットが樹
脂のアンカー効果を充分に発揮できるようにエッチング
ピットの深さを残すように形成する。すなわち、このよ
うな化成処理皮膜の膜厚は、化成処理に含まれる金属の
換算付着量で約5〜40mg/m2程度である。
【0054】そして、このAl板を予備加熱して熱可塑
性樹脂フィルムを押圧して貼り合わせる。この予備加熱
の温度は、熱可塑性樹脂の種類に応じて決定されるが、
熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂の場合には180℃
程度である。引き続き、このようにして、熱可塑性樹脂
を貼り合わせたAl板を加熱して、この熱可塑性樹脂を
溶融させてエッチングピットの内部に充分に入り込ませ
る。このようにして被覆した熱可塑性樹脂がエッチング
ピットの内部に入り込んでアンカー効果を発揮すること
によって、密着性、ひいては加工密着性に優れ、絞り−
しごき加工等の過酷な成形加工が施されても、樹脂皮膜
の剥離やクラックが生じない熱可塑性樹脂被覆アルミニ
ウム合金板が具現化される。
【0055】また、前記したように、電解エッチング法
の条件によっては、エッチングピットの内部にアルミニ
ウム酸化物等からなるスマットが堆積する場合がある。
このスマットは、熱可塑性樹脂によるアンカー効果を阻
害するとともに、Al合金板の外観品質を低下させるた
め、本発明にあっては、このスマットの堆積が低く抑え
られる条件にて電解エッチングを行なうか、あるいはこ
のように堆積したスマットを、エッチングピットを形成
した後に除去する処理を施すことが好ましい。エッチン
グピットの内部へのスマットの堆積を低く抑える方法と
しては、例えば、Al合金板に電解エッチング処理を施
す前に、予め従来公知のアルカリ脱脂処理を施す方法が
挙げられる。また、Al合金板に電解エッチング法によ
ってエッチングピットを形成した後に、このAl合金板
を硝酸と苛性ソーダを含む処理液に所定時間、浸漬させ
る方法を用いることができる。
【0056】
【実施例】つぎに、本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アル
ミニウム合金板について、本発明の必要条件を満足する
実施例と、本発明の必要条件を満足しない比較例とを対
比させて詳細に説明する。なお、本発明はこの実施例の
みに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基
づく限りにおいて適宜に変更することが可能である。
【0057】(供試材の作製方法)図2に示すような工
程フローに従って各種供試材を作製した。以下にこれら
の各種供試材の内容を示す。また、表1にこれらの各種
供試材の電解質溶液および電解エッチング条件、並びに
これらの各種供試材の各評価結果を示す。 1)使用素材(Al合金板):JISA3004H1
9、板厚0.30mm前記Al合金板に予めアルカリ脱
脂処理を施した。このアルカリ脱脂条件はつぎの通りで
ある。アルカリ脱脂液(日本ペイント(株)社製、商品
名:SC360)の1%水溶液を調製して温度を60℃
に保持し、この水溶液中にAl合金板を5秒間浸漬した
後、水洗、乾燥を行なった。 2)電解エッチング:通常、用いられている定電流の交
流電源を使用した。また、試料とは無接点で通電した
(表1参照)。 3)熱可塑性樹脂フィルム:ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂を使用した。なお、実施例No.2はCr、実施
例No.8はZr、実施例No.10はZr、実施例N
o16はTiを含む化成処理皮膜(皮膜量:20mg/
m2)を設けたものである。
【0058】
【表1】
【0059】4)熱可塑性樹脂フィルムのラミネート方
法 前記の各種の条件にて電解エッチングを施したAl合金
板を150℃の温度で予備加熱した後、180℃に加熱
したラミネートロールにて熱圧着することにより仮接着
を施し、その後、熱可塑性樹脂のフィルムの密着性向上
および非晶質化を目的として、240℃で再加熱(リメ
ルト)を施すことにより、各種の供試材を作製した。
【0060】実施例No.1、実施例No.2、実施例
No.3はそれぞれ、電解質溶液として一価の無機酸で
あるHNO3を使用してその液温を40℃に保持し、さ
らに電流密度を1000A/m2(10A/dm2)とし
て、5秒間通電(電気量:5000C/m2)して、A
l合金板に電解エッチングを施したものである。なお、
これらの実施例は、電解エッチングにおけるHNO3
濃度を、本発明の必要条件である0.08〜2.30m
ol/lの範囲内で適宜に水準振りしたものである。
【0061】また、実施例No.4および実施例No.
5は、電解質溶液として一価の無機酸であるHNO3
使用してこの無機酸の濃度を0.32mol/lとし、
さらに、電流密度を1000A/m2(10A/dm2
として、5秒間通電(電気量:5000C/m2)し
た。また、このときの電解質溶液の液温は、実施例N
o.4および実施例No.5で、それぞれ5℃、50℃
に保持した。
【0062】実施例No.6、実施例No.7、および
実施例No.8は、電解質溶液として一価の無機酸であ
るHNO3を使用し、この無機酸の濃度を0.32mol/
lとしてその液温を40℃に保持し、さらに電流密度を
100〜10000A/m2の範囲内で適宜に水準振り
して前記のAl合金板の素材に電解エッチングを施した
ものである。なお、これらの実施例(No.6〜8)の
電解エッチングは、電気量を10000C/m2として
行なった。
【0063】実施例No.9、実施例No.10および
実施例No.11は、それぞれ電解質溶液として一価の
無機酸であるHNO3を使用し、この無機酸の濃度を0.
32mol/lとしてその液温を40℃に保持し、さら
に電流密度を1000A/m 2として、通電時間を変え
ることにより電気量を適宜に水準振りして前記のAl合
金板の素材に電解エッチングを施したものである。
【0064】実施例No.12〜実施例No.15は、
いずれも電解質溶液として一価の無機酸であるHClを
使用し、それぞれ前記の実施例No.2、実施例No.
3、実施例No8、および実施例No.11と同一の電
解質濃度、同一の電解質の液温、同一の電流密度、およ
び同一の電気量で電解エッチングを施したものである。
【0065】実施例No.16、実施例No.17は、
いずれも電解質溶液として一価の無機酸であるHNO3
とHClとの混合溶液を使用し、それぞれ前記の実施例
2と同一の濃度、同一の電解質の液温、同一の電流密
度、同一の電気量で電解エッチングを施したものであ
る。
【0066】表1にこれらの実施例No.1〜実施例N
o.17の被膜剥離強度、被膜二次密着性、加工密着
性、耐食性の評価結果を示す。なお、実施例No.2、
実施例No.8、実施例No.10、実施例No.16
はアルミニウム合金板と熱可塑性樹脂皮膜との間に中間
層としてCr、Zr、Tiの中から選択された1種の金
属を含む化成処理皮膜を介在させたものである。
【0067】一方、比較例 No.1は、一価の無
機酸であるHNO3の濃度が本発明で規制する範囲の下
限値よりも低いものであり、比較例No.2は一価の無
機酸であるHNO3の濃度が本発明で規制する範囲の上
限値よりも高いものである。また、比較例No.3は、
電解質溶液の液温が本発明で規制する範囲の下限値より
低いものであり、比較例No.4は、電解質溶液の液温
が本発明で規制する範囲の上限値よりも高いものであ
る。
【0068】さらに、比較例No.5は、電解エッチン
グの電流密度が本発明で規制する範囲の下限値よりも低
いものであり、比較例No.6は、電解エッチングの電
流密度が本発明で規制する上限値よりも高いものであ
る。そして、比較例No.7は、電解エッチングの電気
量が本発明で規制する範囲の下限値よりも低いものであ
り、比較例No.8は電解エッチングの電気量がそれぞ
れ本発明で規制する範囲の上限値よりも高いものであ
る。そしてまた、比較例No.9は、電解質溶液とし
て、二価の無機酸であるH2SO4を使用したものであ
る。
【0069】(供試材の評価方法)このようにして作製
した各種の供試材(熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金
板)について、以下のようにして評価を行なった。 A)熱可塑性樹脂皮膜の剥離強度 供試材を20mm幅に切断し、圧延機にて圧延率50%
の条件で圧延加工した後Tピール試験機を用いて前記皮
膜の剥離強度を測定した。
【0070】B)熱可塑性樹脂皮膜の二次密着性 供試材を沸騰水に30分間、浸漬した後、JISH40
01に記載されている碁盤(1mm)目テープ剥離試験
により皮膜の残存率を測定することにより耐沸騰水性に
ついて評価した。また、レトルト試験機を使用して12
5℃の水蒸気を供試材に30分間、噴霧した後、JIS
H4001に記載されている碁盤(1mm)目テープ剥
離試験により皮膜の残存率を測定することにより耐レト
ルト性についても評価した。
【0071】C)加工密着性 供試材に対して、絞り率が48%の条件にて絞り加工な
らびにしごき加工を施して、外側が熱可塑性樹脂を被覆
した面で、直径10mm、高さ20mmの熱可塑性樹脂
被覆の有底円筒容器を作製した。そして、この有底円筒
容器の外側面に被覆されてなる熱可塑性樹脂の密着性に
ついて、この有底円筒容器のエッジ部からのテープ剥離
試験によって評価した。評価判定基準はつぎの通りであ
る。
【0072】「◎(極めて良好)」は剥離の発生が全く
ないもの、「○(良好)」は熱可塑性樹脂皮膜の剥離が
発生した部分のエッジ部からの距離が1mm以下である
も、「△(実用上、問題はないが一部で不良が発生)」
は熱可塑性樹脂皮膜の剥離が発生した部分のエッジ部か
らの距離が1mmを超え5mm以下であるもの)」、
「×(不良)」は熱可塑性樹脂皮膜の剥離が発生した部
分のエッジ部から距離が5mmを超えているものであ
る。なお、これらの評価は、二次加工密着性評価とし
て、前記有底円筒容器を沸騰水に30分煥浸漬したもの
についても、前記と同様の加工密着性について評価し
た。
【0073】D)耐食性 前記C)の加工条件にて作製した熱可塑性樹脂が被覆さ
れた有底円筒容器を、2%のクエン酸と2%の食塩とを
含む水溶液(2%クエン酸2%食塩水水溶液)に38℃
で、2週間浸漬し、腐食の発生状況を目視により評価し
た。この評価判定基準はつぎの通りである。
【0074】「◎(極めて良好)」は腐食の発生が目視
で全く見られないものであり、「○(良好)」は容器の
全外面積に対する腐食が発生した部分の面積の割合が1
%以下であるものであり、「△(実用上、問題はないが
一部で不良が発生)」は容器の全外面積に対する腐食が
発生した部分の面積の割合が1%を超え10%以下であ
るものであり、「×(不良)」は容器の全外面積に対す
る腐食が発生した部分の面積の割合が10%を超えるも
のである。これらの評価結果を表1に併せて示す。
【0075】表1に示す通り、本発明の必要条件を満足
するこれらの実施例No.1〜実施例No.17はいず
れも、被膜剥離強度、被膜二次密着性、加工密着性、耐
食性ともに高い値を示していることがわかる。特に、実
施例No.2、実施例No.8、実施例No.10、実
施例No.16はアルミニウム合金板と熱可塑性樹脂皮
膜との間に中間層としてCr、Zr、Tiの中から選択
された1種の金属を含む化成処理皮膜が介在しているた
め、より一層耐食性に優れたものとなっている。
【0076】一方、本発明の必要条件を満足しない比較
例No.1〜比較例No.9においては、熱可塑性樹脂
皮膜の密着性、加工密着性および耐食性のいずれか少な
くとも1つが「△(実用上、問題はないが一部で不良が
発生)」または「×(不良)」となっている。
【0077】すなわち、比較例No.1は、一価の無機
酸であるHNO3の濃度が本発明で規制する範囲の下限
値よりも低いため、エッチングピットの密度が熱可塑性
樹脂の皮膜の剥離強度が低下して、耐沸騰水性、耐レト
ルト性、加工密着性が低いものとなっている。比較例N
o.2は、一価の無機酸であるHNO3の濃度が本発明
で規制する範囲の上限値よりも高いため、エッチングピ
ット同士が合体してエッチングピットが粗大化し、加工
密着性が低いものとなっている。
【0078】また、比較例No.3は、電解質溶液の液
温が本発明で規制する範囲の下限値よりも低いため、電
気化学反応の反応性が低下して初期エッチングピットの
発生が少なくなり、エッチングピットの密度が小さくな
って熱可塑性樹脂皮膜の剥離強度が低下するとともに、
耐沸騰水性および加工密着性も低いものとなっている。
比較例No.4は、電解質溶液の液温が本発明で規制す
る範囲の上限値よりも高いものであるため、電気化学反
応の反応性が過剰となるため、表面全体が溶解する。し
たがって、熱可塑性樹脂の被膜の密着性が低下して、耐
沸騰水性、耐レトルト性および加工密着性が低いものと
なっている。
【0079】さらに、比較例No.5は、電解エッチン
グの電流密度が本発明で規制する範囲の下限値よりも低
いものであり、初期に発生するエッチングピットが少な
いため、エッチングピットの密度が小さくなり、熱可塑
性樹脂の皮膜の剥離強度が低下するとともに、耐沸騰水
性および加工密着性も低いものとなっている。逆に、比
較例No.6は、電解エッチングの電流密度が本発明で
規制する上限値よりも高いため、微小な金属間化合物の
ほぼ全てがエッチングピットの起点となって表面全体が
溶解するようになり、エッチングピット同士が合体して
熱可塑性樹脂の被膜の密着性は低下して耐沸騰水性およ
び加工密着性が低いものとなっている。
【0080】そして、比較例No.7は、電解エッチン
グの電気量が本発明で規制する範囲の下限値よりも低い
ため、エッチングピットの数、大きさともに不充分とな
り、熱可塑性樹脂の被膜の密着性は低くなって、熱可塑
性樹脂の皮膜の剥離強度が低下し、耐沸騰水性、耐レト
ルト性および加工密着性が低いものとなっている。逆
に、比較例No.8は電解エッチングの電流密度および
電気量が本発明で規制する範囲の上限値よりも高いた
め、表面全体が溶解、もしくは粗大なエッチングピット
が表面全体にまで成長するため、エッチングピットの独
立性が損なわれ、樹脂被膜の密着性は低下する。
【0081】そしてまた、比較例No.9は、電解質溶
液として、二価の無機酸であるH2SO4を使用したもの
である。このような二価の無機酸から構成される電解質
溶液を用いた電解エッチングでは、前記Al合金板の表
面の酸化皮膜およびAl等が溶解されてエッチングピッ
トが生成する反応パスよりも、Al合金板の表面に陽極
酸化皮膜(アルマイト皮膜)が成長する反応パスの方が
支配的であるため、エッチングピットの数は著しく少な
くなり、その結果として、このAl合金板の上に被覆さ
れた熱可塑性樹脂の密着性が著しく低下したものとなっ
ている。
【0082】以上、本発明の必要条件を満足する実施例
No.1〜実施例No.16と、本発明の必要条件を満
足しない比較例No.1〜比較例No.9とを対比させ
た、熱可塑性樹脂の加工密着性と耐食性とに関する評価
結果からも明らかな通り、本発明に係る熱可塑性樹脂被
覆アルミニウム合金板は、熱可塑性樹脂皮膜の密着性、
加工密着性および耐食性に優れていることがわかる。
【0083】
【発明の効果】以上説明した通りに構成される本発明
は、以下の効果を奏する。本発明の請求項1に係る発明
によれば、アルミニウム合金板の表面に微細なエッチン
グピットを緻密に、しかも各々のエッチングピットを互
いに独立させて形成させることができるため、このよう
にして形成されたエッチングピットによって前記熱可塑
性樹脂に対してより大きなアンカー効果が生起され、こ
のAl合金板の上に被覆された熱可塑性樹脂皮膜の密着
性がより高められたものとなる。
【0084】さらに、このアルミニウム合金板の上に被
覆された熱可塑性樹脂皮膜は、絞り−しごき加工等の過
酷な成形加工が施されても、比較的長期間にわたってこ
のアルミニウム合金に対する密着性が保持されるように
なる。そして、このように密着性に優れた熱可塑性樹脂
皮膜は、熱処理を施すことなく形成されるので、熱可塑
性樹脂被覆アルミニウム合金板のタクトタイムが短縮さ
れる。したがって、密着性、加工密着性および経済性に
優れた熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板を提供する
ことができる。
【0085】請求項2に係る発明によれば、熱可塑性樹
脂被覆アルミニウム合金板に絞り−しごき加工等の過酷
な成形加工が施されても熱可塑性樹脂の皮膜で内部応力
が過度に蓄積されないため、熱可塑性樹脂皮膜の割れや
剥離等の不具合が可及的に抑えられた熱可塑性樹脂被覆
アルミニウム合金板を提供することができる。
【0086】また、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂
の中から適宜に選択されるため、最終製品の形態に応じ
た耐食性付与された、あるいは最終製品の形態に応じた
原料コストで構成される熱可塑性樹脂被覆アルミニウム
合金板を提供することが可能となる。
【0087】請求項3に係る発明によれば、前記アルミ
ニウム合金板の表面に安定な水和酸化皮膜を形成するこ
とができるため、高い耐食性を備えた熱可塑性樹脂被覆
アルミニウム合金板を提供することができる。
【0088】請求項4に係る発明によれば、アルミニウ
ム合金板の上に被覆された熱可塑性樹脂がアンカー効果
を発揮できるようにアルミニウム合金板の少なくとも片
面にエッチングピットが形成されるため、この熱可塑性
樹脂の密着性が良好に保持されるとともに、絞り−しご
き加工等の過酷な成形加工が施された後にも加工密着性
が良好に保持される熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金
板の製造方法を提供することができる。
【0089】請求項5に係る発明によれば、前記アルミ
ニウム合金板の表面に安定な水和酸化皮膜を形成するこ
とができるため、高い耐食性が得られる熱可塑性樹脂被
覆アルミニウム合金板の製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合
金板の構成を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明に係る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合
金板の製造方法の一例の工程フローを示す図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金板、2 エッチングピット、3
熱可塑性樹脂、4 熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 28/00 C23C 28/00 Z C25F 3/04 C25F 3/04 C (72)発明者 福井 正信 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 Fターム(参考) 4F100 AB10A AB31A AK01B AK03B AK41B AK46B BA02 BA10A BA10B EC032 EG002 EJ15A EJ151 EJ192 EJ422 GB16 JB16B JK06 JL01 4K026 AA09 AA22 BA03 BA06 BB06 BB08 BB09 CA16 CA20 CA23 EA12 EB11 4K044 AA06 AB02 BA15 BA17 BA21 BB01 BB03 BC02 BC05 CA04 CA16 CA53 CA62

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解エッチング法によってエッチングピ
    ットが形成されたアルミニウム合金板の表面に熱可塑性
    樹脂が被覆されてなる熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合
    金板であって、 前記電解エッチング法は、濃度が0.08〜2.30m
    ol/lである一価の無機酸の水溶液中で、液温を5〜
    50℃とし、電流密度を100〜8000A/m2、か
    つ単位面積当たりの電気量を1000〜40000C/
    2として行なわれることを特徴とする熱可塑性樹脂被
    覆アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂皮膜は、ポリオレフィ
    ン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂
    からなる群の中から選択された少なくとも1種の樹脂で
    構成されることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性
    樹脂被覆アルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】 前記電解エッチング法によってエッチン
    グピットが形成されたアルミニウム合金板と前記熱可塑
    性樹脂皮膜との中間層として、Cr、Zr、Tiから選
    択された少なくとも1種の金属化合物を含む化成処理皮
    膜を有することを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板。
  4. 【請求項4】 電解エッチング法によってエッチングピ
    ットを形成したアルミニウム合金板の表面に熱可塑性樹
    脂を被覆して行なう熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金
    板の製造方法であって、 濃度が0.08〜2.30mol/lである一価の無機
    酸の水溶液中で、液温を5〜50℃とし、電流密度を1
    00〜8000A/m2、かつ単位面積当たりに通電す
    る電気量を1000〜40000C/m2とする条件に
    て、所定のアルミニウム合金板に電解エッチングを施し
    てエッチングピットを形成する工程と、 前記エッチングピットが形成されたアルミニウム合金板
    に、熱可塑性樹脂を設ける工程とを含むことを特徴とす
    る熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチングピットを形成する工程
    と、前記熱可塑性樹脂を設ける工程との間に、さらに化
    成処理を形成する工程を含むことを特徴とする請求項4
    に記載の熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008055044A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Aiwa Raito:Kk 遊技機の窓枠
WO2009031632A1 (ja) * 2007-09-05 2009-03-12 Taisei Plas Co., Ltd. 金属樹脂複合体の製造方法
JP2016215491A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 株式会社Uacj アルミニウム材/熱可塑性樹脂の複合材
KR102388883B1 (ko) * 2021-01-03 2022-04-21 박소빈 금속-수지 복합체의 제조방법

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