JP2002294738A - 掘削バケット - Google Patents

掘削バケット

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JP2002294738A
JP2002294738A JP2001099008A JP2001099008A JP2002294738A JP 2002294738 A JP2002294738 A JP 2002294738A JP 2001099008 A JP2001099008 A JP 2001099008A JP 2001099008 A JP2001099008 A JP 2001099008A JP 2002294738 A JP2002294738 A JP 2002294738A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 底板、側板の摩耗、損傷等に対する強度を高
めることにより、修理に関わるコストを低減する。 【解決手段】 掘削バケット31は、底板上側部分12
−U、交換用底板34、左側板上側部分13−U、右側
板上側部分14−U、交換用左側板32、交換用右側板
33、カッティングエッジ15、左サイドエッジ16、
右サイドエッジ17等によって構成し、交換用底板3
4、交換用左側板32、交換用右側板33は、摩耗、損
傷等に耐えられるように十分な厚さをもって形成する。
これにより、交換用底板34、交換用左側板32、交換
用右側板33は、摩耗等に対する強度が高くなるから、
修理作業の回数を減らすことができ、修理に関するコス
トを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に好適に用いられる掘削バケットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、土砂等の掘削作業に用いられる
油圧ショベルは、下部走行体と、該下部走行体上に旋回
可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側
に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成さ
れている。そして、作業装置は、ブーム、アーム、掘削
バケット等によって構成され、ブーム、アームを俯仰動
しつつ、該アームの先端側で掘削バケットを回動させる
ことにより土砂の掘削作業等を行なう。
【0003】この種の従来技術による油圧ショベルの掘
削バケットは、上,下方向の上側にアーム先端に取付け
られる取付部を備え、中間部位が後側に向けて突出する
ように湾曲したた底板と、該底板の左側に設けられた左
側板と、該左側板に対面するように前記底板の右側に設
けられた右側板と、前記底板の下側に設けられたカッテ
ィングエッジと、前記左側板の前側に設けられた左サイ
ドエッジと、該左サイドエッジに対面するように前記右
側板の前側に設けられた右サイドエッジとによって大略
構成されている。
【0004】そして、掘削バケットを用いて、例えば地
面の掘削作業を行う場合には、ブーム、アームを俯仰動
させて掘削バケットの下側(カッティングエッジ)を地
面に突き刺し、この状態から掘削バケットをアームの先
端で回動させる。これにより、掘削バケットは、地面を
掘削し、掘削した土砂を収容することができる。
【0005】この掘削作業時に掘削バケットは、底板、
側板が土砂に摩擦接触するから、これらの部分に摩耗を
生じてしまう。そして、底板、側板は、摩耗が進行する
と強度的に弱くなるから、その摩耗部位を修理するよう
にしている。
【0006】この場合には、底板、側板の摩耗した部位
に応じて該底板、側板を部分的に切離し、底板、側板と
同等の板厚、材質の鋼板を、該底板、側板に形成された
穴の形状に合うように加工する。次に、加工した鋼板
は、底板、側板の穴に位置決めし、この状態で鋼板の周
囲に溶接を施して底板、側板に固着する。そして、溶接
作業が終了したら、グラインダ等を用いて溶接部位を滑
らかに仕上げることにより、掘削バケットを摩耗する前
の元の形状に戻す。
【0007】また、底板、側板の摩耗部分のうち、比較
的程度の軽い摩耗部分、底板と側板とのコーナ部の摩耗
部分等は、溶接によって肉盛りを施し、グラインダ等を
用いて所定の形状に仕上げるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による掘削バケットは、底板、側板が摩耗したと
きに、これらの摩耗した部位を修理し、摩耗する前の元
の形状に戻すようにしている。このため、摩耗した部位
を修理しても、また同じ場所が摩耗を生じて修理が必要
になるから、何回も修理作業を行なわなくてはならず、
修理に関わるコストが嵩むという問題がある。
【0009】また、掘削バケットを修理するときには、
その摩耗部位を取除くように底板、側板に穴を形成した
後に、この穴に合わせて鋼板を加工するようにしてい
る。従って、鋼板は、任意に形成されれる穴に合わせて
加工しなくてはならないから、例えば天井クレーンを用
いて鋼板を吊上げ、何回か底板、側板の穴にあてがって
形状を確かめなければならず、多大な労力や時間を要し
てしまうという問題がある。
【0010】また、底板は湾曲しており、該底板と側板
とのコーナ部は立体的になるから、グラインダによって
形状を出しにくい。このため、グラインダによってコー
ナ部を加工するには熟練が必要になるから、この点にお
いても、多大な労力、時間を要するという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、底板、側板の摩耗、損
傷等に対する強度を高めることにより、修理に関わるコ
ストを低減することができるようにした掘削バケットを
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による掘削バケットは、上,下
方向の上側に位置して取付部を備えた上底板と、該上底
板の下側に設けられた下底板と、前記上底板の左側に設
けられた左上側板と、該左上側板の下側に位置して前記
下底板の左側に設けられた左下側板と、前記上底板の右
側に設けられた右上側板と、該右上側板の下側に位置し
て前記下底板の右側に設けられた右下側板と、前記下底
板の下側に設けられたカッティングエッジと、前記左上
側板と左下側板の前側に設けられた左サイドエッジと、
該左サイドエッジに対面するように前記右上側板と右下
側板の前側に設けられた右サイドエッジとによって構成
している。
【0013】このように構成したことにより、例えば地
面の掘削作業を行なう場合には、掘削バケットを下端側
から地面に突き刺し、この状態から掘削バケットを回動
することにより、地面を掘削している。このため、掘削
作業を繰返すと、底板、左側板、右側板の下側部分に摩
耗が生じる。
【0014】しかし、底板、左側板、右側板の下側部分
となる下底板、左下側板、右下側板は、上底板、左上側
板、右上側板と別部材として設けているから、例えば摩
耗、損傷の虞のない上底板、左上側板、右上側板は、薄
肉で安価な鋼板を用いて形成でき、下底板、左下側板、
右下側板は、厚肉または高強度の鋼板を用いて形成する
ことができる。これにより、下底板、左下側板、右下側
板は、摩耗、損傷に対して強度を高めることができ、修
理作業の回数を減らしたり、修理作業を不用にすること
ができる。
【0015】請求項2の発明によると、上底板と下底板
との境界位置は、掘削作業を行ったときに摩耗する摩耗
部位に設定したことにある。
【0016】このように構成したことにより、下底板、
左下側板、右下側板は摩耗部位となるから、この下底
板、左下側板、右下側板を例えば厚肉または高強度の鋼
板を用いて形成することにより、必要な部分だけを摩耗
に対して強くすることができる。請求項3の発明による
と、下底板の後面側には摩耗する部位を補強するために
上,下方向に延びて補強用のリブを設け、上底板と下底
板との境界位置は、前記リブの上端であるリブ止端位置
に設定したことにある。これにより、掘削作業を行なっ
たときに摩耗、損傷し易い下底板の後面側をリブによっ
て補強することができる。
【0017】請求項4の発明によると、下底板は後側に
向けて突出するように湾曲して設け、上底板と下底板と
の境界位置は、前記下底板の湾曲した頂部よりも上側寄
りの頂部上側部位に設定したことにある。
【0018】このように構成したことにより、掘削作業
を行なったときに摩耗し易い頂部上側部位から下側、即
ち下底板、左下側板、右下側板を例えば厚肉または高強
度の鋼板を用いて形成することができ、必要な部分だけ
を摩耗に対して強くすることができる。
【0019】請求項5の発明によると、下底板は上底板
よりも厚肉に形成したことにある。これにより、掘削作
業等によって摩耗を生じ易い下底板の強度を高めること
ができる。
【0020】請求項6の発明によると、左下側板、右下
側板は左上側板、右上側板よりも厚肉に形成したことに
ある。これにより、掘削作業等によって摩耗を生じ易い
左下側板、右下側板の強度を高めることができる。
【0021】請求項7の発明によると、下底板は複数の
長孔をもった格子状板材を用いて形成したことにある。
これにより、下底板を各長孔を介して水や砂を振るい落
すことができるものに交換することができる。
【0022】請求項8の発明によると、下底板、左下側
板、右下側板は、既存の掘削バケットから切離された底
板下側部分、左側板下側部分、右側板下側部分に交換し
て取付ける構成としたことにある。
【0023】このように構成したことにより、既存の掘
削バケットの底板、各側板の下側部分が摩耗したときに
は、この底板下側部分、左側板下側部分、右側板下側部
分に交換して下底板、左下側板、右下側板を取付ける。
これにより、既存の掘削バケットを利用して、摩耗し易
い部分の強度が高められた掘削バケットを形成すること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
掘削バケットを油圧ショベルに適用した場合を例に挙
げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0025】まず、図1ないし図11は本発明の第1の
実施の形態を示している。1はクローラ式の下部走行
体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部
旋回体で、該上部旋回体2の前部側には土砂の掘削作業
等を行なう作業装置3が俯仰動可能に設けられている。
【0026】また、作業装置3は、上部旋回体2に俯仰
動可能に設けられたブーム4と、該ブーム4の先端側に
俯仰動可能に設けられたアーム5と、該アーム5の先端
側に回動可能に設けられた後述の掘削バケット11と、
基端側が上部旋回体2に取付けられ先端側がブーム4に
取付けられたブームシリンダ6と、基端側がブーム4に
取付けられ先端側がアーム5に取付けられたアームシリ
ンダ7と、基端側がアーム5に取付けられ先端側がリン
ク機構8を介して掘削バケット11に取付けられたバケ
ットシリンダ9とによって大略構成されている。
【0027】次に、作業装置3に装備される標準的な掘
削バケット、即ち、修理が施される前の掘削バケット1
1の構成について説明する。なお、本実施の形態では、
掘削バケット11等はアーム5に取付けられる側を上側
とし、掘削爪20が取付けられる側を下側とし、また、
開口側を前側とし、底部側を後側として説明するものと
する。さらに、左,右とは掘削バケット11を開口側
(前側)からみたときの左,右として説明する。
【0028】11はアーム5の先端側に回動可能に連結
して設けられたバックホウ式の掘削バケットで、該掘削
バケット11は、油圧ショベルに標準的に装備されるも
ので、図2に示す如く、後述する底板12、左側板1
3、右側板14、カッティングエッジ15、左サイドエ
ッジ16、右サイドエッジ17、ブラケット19、掘削
爪20、リブ板21、耐摩耗板22等によって構成され
ている。
【0029】12は掘削バケット11の底板で、該底板
12は、上,下方向に延びる1枚の略長方形状の鋼板を
前,後方向に湾曲して形成されている。また、底板12
は、図3に示すように、上,下方向の中間位置で円弧状
に湾曲した湾曲面部12Aと、該湾曲面部12Aの下部
から前側に向けて斜めに延びた傾斜面部12Bと、前記
湾曲面部12Aの上部から前側に向けてほぼ真直ぐに延
びた垂直面部12Cとから構成されている。
【0030】13は底板12の左側に設けられた左側板
で、該左側板13は、弓形状をなす鋼板からなり、下側
から中間部上側寄り位置までが底板12の傾斜面部12
B、湾曲面部12Aよりも僅かに大きな寸法で該傾斜面
部12B、湾曲面部12Aに沿って形成され、上側が垂
直面部12Cを越えて突出している。そして、左側板1
3は、底板12の左側の端部に溶接手段によって固着さ
れている。
【0031】また、14は左側板13に対面するように
底板12の右側に設けられた右側板で、該右側板14
は、左側板13と同様に、弓形状をなす鋼板から形成さ
れている。そして、右側板14は、底板12の右側の端
部に溶接手段によって固着されている。
【0032】15は底板12の下端側に設けられたカッ
ティングエッジで、該カッティングエッジ15は、底板
12よりも厚肉な鋼板を用いて左,右方向に長尺な略長
方形状に形成されている。そして、カッティングエッジ
15は、底板12の傾斜面部12Bの下端部等に対し溶
接手段によって固着されている。
【0033】16は左側板13の前側に設けられた左サ
イドエッジで、該左サイドエッジ16は、左側板13よ
りも厚肉な鋼板を用いて上,下方向に長尺な平行四辺形
状に形成されている。そして、左サイドエッジ16は、
左側板13の前端、底板12の垂直面部12C先端側、
カッティングエッジ15の左端部にそれぞれ溶接手段を
用いて固着されている。
【0034】17は左サイドエッジ16に対面するよう
に右側板14の前側に設けられた右サイドエッジで、該
右サイドエッジ17は、右側板14よりも厚肉な鋼板を
用いて上,下方向に長尺な平行四辺形状に形成されてい
る。そして、右サイドエッジ17は、右側板14の前
端、底板12の垂直面部12C先端側、カッティングエ
ッジ15の右端部にそれぞれ溶接手段を用いて固着され
ている。
【0035】18は底板12の上部側に設けられた山形
補強板で、該山形補強板18は、底板12の上側部分の
強度を高めるもので、鋼板を断面く字状に折曲げること
により形成されている。そして、山形補強板18は、底
板12の湾曲面部12Aと垂直面部12Cとに溶接手段
によって固着されている。
【0036】19,19は底板12の上部側に設けられ
た取付部としての一対のブラケットで、該各ブラケット
19は、底板12の湾曲面部12A上部、垂直面部12
C、山形補強板18に対し溶接手段により固着されてい
る。そして、ブラケット19には、アーム5の先端部と
バケットシリンダ9に接続されたリンク機構8が連結さ
れる。
【0037】20,20,…はカッティングエッジ15
の下端に左,右方向に間隔をおいて設けられた複数個の
掘削爪で、該各掘削爪20は、カッティングエッジ15
に一体的に溶接されたアダプタ20Aと、該アダプタ2
0Aに交換可能に取付けられた爪部20Bとによって構
成されている。
【0038】21,21,…は底板12の後面側に設け
られた補強用リブとしての複数枚のリブ板で、該各リブ
板21は、底板12の強度を高めるもので、図4に示す
如く、左,右方向に間隔をおいて配設された長板からな
る。また、リブ板21は、図3に示すように、掘削作業
時等に底板12に外力が作用し易い部位に対応する部
位、即ち、底板12の湾曲面部12Aの頂部位置線Aよ
りも上側部位からカッティングエッジ15に達する傾斜
面部12B下端まで延び、溶接手段を用いて底板12に
固着されている。
【0039】22は各リブ板21を覆うように設けられ
た耐摩耗板で、該耐摩耗板22は、掘削作業によって底
板12、各リブ板21が摩耗、損傷するのを防止するも
のである。また、耐摩耗板22は、リブ板21とほぼ同
様に、底板12の湾曲面部12Aの頂部位置線Aよりも
上側から傾斜面部12B下端部まで延び、その左,右両
端部が溶接手段を用いて左,右の側板13,14の周縁
に固着されている。
【0040】ここで、作業装置3に標準的に装備される
掘削バケット11は、上述の如き構成を有している。そ
して、この掘削バケット11を用いて例えば地面の掘削
作業を行なう場合には、ブーム4、アーム5を俯仰動す
ることにより、掘削バケット11を下端側から地面に突
き刺し、この状態から掘削バケット11を回動すること
により、地面を掘削し、土砂をすくい出すことができ
る。
【0041】また、このような掘削作業を繰返すと、掘
削バケット11の耐摩耗板22(底板12)、左,右の
側板13,14に摩耗が生じて強度が低下するから、こ
の摩耗部位を修理する必要がある。
【0042】次に、上述した掘削作業等によって摩耗し
た掘削バケット11の底板12(耐摩耗板22)、側板
13,14を修理して本実施の形態による掘削バケット
31を形成する修理方法について、図3ないし図11を
用いて説明する。
【0043】ここで、掘削バケット11は、掘削作業時
に下端側から地面に突き刺すように使用されるから、地
面に入り込む下端部分から上,下方向の中間部分までの
間、即ち、底板12の摩耗部位に対応する耐摩耗板22
(リブ板21の下端から上側の止端位置まで)と、側板
13,14の上,下方向中間部分から下側寄り部位とが
摩耗を生じ易い。このため、耐摩耗板22に覆われた底
板12の上,下方向中間部分から下側寄り部位と、側板
13,14の上,下方向中間部分から下側寄り部位とが
修理対象となる。
【0044】まず、掘削バケット11の修理を行うため
に、作業装置3のアーム5先端から掘削バケット11を
取外し、該掘削バケット11を開口側が下側となるよう
に配設する。
【0045】そして、切断工程では、図5、図6に示す
如く、切断トーチ(図示せず)を使用し、底板12のリ
ブ板21の止端位置(切断線C1)と、該底板12の切
断線C1に対応する部位から左サイドエッジ16に向け
て垂直に延びた左側板13の上,下方向中間位置(切断
線C2)と、前記底板12の切断線C1に対応する部位か
ら右サイドエッジ17に向けて垂直に延びた右側板14
の上,下方向中間位置(切断線C3)と、前記左側板1
3の切断線C2前端からカッティングエッジ15にかけ
た左側板13と左サイドエッジ16との左側板−サイド
エッジ溶接位置(切断線C4)と、前記右側板14の切
断線C3前端からカッティングエッジ15にかけた右側
板14と右サイドエッジ17との右側板−サイドエッジ
溶接位置(切断線C5)と、底板12(耐摩耗板22)
の下端とカッティングエッジ15との底板−カッティン
グエッジ溶接位置(切断線C6)とをそれぞれ切断す
る。なお、上述した切断線C1〜C6を切断する場合に
は、説明した順序に限定されるものではなく、切断順序
は適宜に選択することができる。
【0046】ここで、底板12の切断線C1の上,下方
向位置は、リブ板21の止端位置であると共に、図3に
示す底板12の頂部位置線Aよりも上側寄りの頂部上側
部位に設定されている。また、底板12の切断線C1、
左側板13の切断線C2、右側板14の切断線C3の上,
下方向の位置は、後述する交換用底板34、交換用左側
板32、交換用右側板33の上,下方向の寸法に対応し
ている。
【0047】さらに、左側板−サイドエッジ溶接位置と
なる切断線C4、右側板−サイドエッジ溶接位置となる
切断線C5は、切断トーチによる切断が困難な溶接ビー
ドが形成されている位置を避けると共に、交換用左側板
32、交換用右側板33を取付けるときの基準面を出す
仕上げ加工を行なうための切削代分だけ、それぞれの側
板13,14側にずれた位置に形成されている。また、
底板−カッティングエッジ溶接位置となる切断線C6
は、溶接ビードが形成されている位置を避けるために底
板12側にずれた位置に形成されている。
【0048】そして、底板12に切断線C1を形成する
ことにより、該底板12は、切断線C1からカッティン
グエッジ15までの底板下側部分12−Lと、切断線C
1から上側の上底板としての底板上側部分12−Uとに
分割される。また、底板下側部分12−Lは、各リブ板
21、耐摩耗板22および後述の左側板下側部分13−
L、右側板下側部分14−Lと一緒に取外される。一
方、底板上側部分12−Uは、カッティングエッジ1
5、各サイドエッジ16,17、後述の左側板上側部分
13−U、右側板上側部分14−U等と一緒に修理され
た掘削バケット31を構成する。
【0049】また、左側板13に切断線C2を形成する
ことにより、該左側板13は、切断線C2からカッティ
ングエッジ15までの左側板下側部分13−Lと、切断
線C2から上側の左上側板としての左側板上側部分13
−Uとに分割される。一方、右側板14に切断線C3を
形成することにより、該右側板14は、切断線C3から
カッティングエッジ15までの右側板下側部分14−L
と、切断線C3から上側の右上側板としての右側板上側
部分14−Uとに分割される。また、左,右の側板下側
部分13−L,14−Lは、底板下側部分12−L、各
リブ板21、耐摩耗板22と一緒に取外される。一方、
各側板上側部分13−U,14−Uは、底板上側部分1
2−U、カッティングエッジ15、各サイドエッジ1
6,17等と一緒に強度が高められた掘削バケット31
を構成する。
【0050】そして、切断工程が終了したら、図6に示
すように、切離された底板下側部分12−L、各側板下
側部分13−L,14−L、各リブ板21、耐摩耗板2
2を不必要な部分として取外す。
【0051】次に、不必要な部分を取外したら、溶接工
程に移る前の作業として、残された部分の切断面の整形
(仕上げ)加工を行なう。まず、底板12の切断線C
1、左側板13の切断線C2、右側板14の切断線C3、
底板−カッティングエッジ溶接位置となる切断線C6に
対する仕上げ加工は、大きな凹み部分には肉盛り溶接を
施しつつ、グラインダで余分な部分を削り取る。これに
より、切断線C1,C2,C3,C6は、図7に示すよう
に、直線状に仕上げられると共に、溶接を行なうための
開先を形成する。
【0052】また、左側板−サイドエッジ溶接位置とな
る切断線C4に対する仕上げ加工は、サイドエッジ16
の端面16Aを後述する交換用左側板32の前側辺部3
2Aを取付けるときの基準面として使用するために、こ
の端面16Aに付着した左側板13の一部と溶接ビード
をグラインダ等を用いて削り取り、凹凸のない平坦面と
して仕上げる。同様にして右側板−サイドエッジ溶接位
置となる切断線C5を仕上げて右サイドエッジ17の端
面17Aを平坦面にする。
【0053】次に、切断工程が終了したら交換用側板溶
接工程に移る。この交換用側板溶接工程では、図8に示
すように、取外された左側板下側部分13−Lとほぼ同
形をなす左下側板としての交換用左側板32と、右側板
下側部分14−Lとほぼ同形をなす右下側板としての交
換用右側板33とを予め用意する。交換用左側板32
は、左サイドエッジ16の端面16Aに当接する前側辺
部32Aと、該前側辺部32Aの上端部から後側にほぼ
直角に延びた上側辺部32Bと、各辺部32A,32B
間で底板12の湾曲面部12Aに対応する円弧部を有す
る縁部32Cとによって略直角三角形状に形成されてい
る。
【0054】一方、交換用右側板33は、交換用左側板
32と同様に、前側辺部33A、上側辺部33B、縁部
33Cから略直角三角形状をなしている。また、各交換
用側板32,33の板厚寸法は、側板13,14よりも
厚肉に形成され、摩耗、損傷に対して十分な強度を有し
ている。
【0055】そして、交換用側板溶接工程では、交換用
左側板32の前側辺部32Aを基準面となる左サイドエ
ッジ16の端面16Aに当接し、また上側辺部32Bを
左側板上側部分13−Uに連続するように位置決めす
る。この状態で交換用左側板32は、左サイドエッジ1
6、左側板上側部分13−U等に溶接される。また、交
換用右側板33の前側辺部33Aを基準面となる右サイ
ドエッジ17の端面17Aに当接し、また上側辺部33
Bを右側板上側部分14−Uに連続するように位置決め
する。この状態で交換用右側板33は、右サイドエッジ
17、右側板上側部分14−U等に溶接される。
【0056】次に、交換用側板溶接工程が終了したら交
換用底板溶接工程に移る。この交換用底板溶接工程で
は、図9に示すように、取外された底板下側部分12−
Lとほぼ同形をなす下底板としての交換用底板34を交
換用側板32,33とは別個に予め用意する。この交換
用底板34は、略長方形状をなし、上側が底板12の湾
曲面部12Aとほぼ同様の円弧面部34Aとなり、下側
が傾斜面部12Bとほぼ同様の傾斜面部34Bとなって
いる。また、交換用底板34の板厚寸法は、交換用側板
32,33と同様に、底板12よりも厚肉に形成され、
リブ板21、耐摩耗板22を用いなくても、摩耗、損傷
に対して十分な強度を有している。
【0057】そして、交換用底板溶接工程では、図10
に示す如く、交換用底板34の左,右両端部を交換用左
側板32,交換用右側板33上に乗せる。このときに
は、交換用底板34と交換用側板32,33とを隅肉溶
接によって固着することができるように、交換用底板3
4の左,右両端側を交換用側板32,33よりの所定寸
法だけ張出させるように配置する。また、交換用底板3
4の上端部は、図11に示すように、その内面が底板上
側部分12−Uの内面と段差なく一致するように位置決
めする。
【0058】このように、交換用底板34を位置決めし
たら、該交換用底板34を底板上側部分12−U、カッ
ティングエッジ15、各交換用側板32,33の縁部3
2C,33Cに溶接することにより、掘削バケット31
を形成することができる。
【0059】さらに、交換用側板溶接工程で交換用側板
32,33を溶接し、交換用底板溶接工程で交換用底板
34を溶接したら、溶接部分(溶接ビード)をグライン
ダ等を用いて滑らかに整形し、塗装を施すことにより、
修理が施されて摩耗、損傷に対して十分な強度を有して
いる掘削バケット31を仕上げることができる。
【0060】次に、上述した修理方法によって修理され
た掘削バケット31の構成について説明する。
【0061】掘削バケット31は、修理前の掘削バケッ
ト11で使用していた、カッティングエッジ15、左サ
イドエッジ16、右サイドエッジ17、ブラケット1
9、掘削爪20をそのまま使用している。また、底板1
2、側板13,14は、摩耗、損傷がほとんどない上底
板をなす底板上側部分12−U、左上側板をなす左側板
上側部分13−U、右上側板をなす右側板上側部分14
−Uだけを残して使用している。
【0062】そして、側板下側部分13−L,14−L
に代えてサイドエッジ16,17、側板上側部分13−
U,14−Uに取付けられた左下側板をなす交換用左側
板32、右下側板をなす交換用右側板33は、側板1
3,14よりも厚肉の板材を用いて形成している。ま
た、底板下側部分12−Lに代えてカッティングエッジ
15、底板上側部分12−Uに取付けられた下底板をな
す交換用底板34は、交換用側板32,33とほぼ同様
に、底板12よりも厚肉の板材を用いて形成している。
これにより、修理された掘削バケット31は、修理前の
掘削バケット11に比較して、摩耗、損傷に対する強度
が大幅に向上されている。
【0063】以上のように、本実施の形態によれば、掘
削バケット31は、底板上側部分12−U、交換用底板
34、左側板上側部分13−U、右側板上側部分14−
U、交換用左側板32、交換用右側板33、カッティン
グエッジ15、左サイドエッジ16、右サイドエッジ1
7等によって構成し、前記交換用底板34、交換用左側
板32、交換用右側板33は、摩耗、損傷等に耐えられ
るように十分な厚さをもって形成している。従って、交
換用底板34、交換用左側板32、交換用右側板33
は、摩耗等に対する強度を高めることができるから、修
理作業の回数を減らしたり、修理作業を不用にすること
ができ、修理に関するコストを低減することができる。
【0064】また、実施の形態では、交換用底板34、
交換用左側板32、交換用右側板33以外は、既存の掘
削バケット11で使用していたものを利用しているか
ら、この点においてもコストを低減することができる。
【0065】一方、掘削バケット11を修理する場合に
は、摩耗等が生じ易い底板12の底板下側部分12−
L、左,右の側板13,14の側板下側部分13−L,
14−Lを切断し、予め用意されている交換用側板3
2,33を側板下側部分13−L,14−Lに代えて溶
接し、予め用意されている交換用底板34を底板下側部
分12−Lに代えて溶接することにより、修理された掘
削バケット31を形成している。従って、従来技術で必
要としていた位置合わせしながらの交換用の鋼板の加工
作業、底板、側板間のコーナ部等の加工作業等を省略す
ることができるから、修理作業を簡単にして作業時間を
短縮することができ、修理コストを低減することができ
る。
【0066】さらに、交換用底板34は、掘削作業を行
なったときに摩耗する摩耗部位、例えば底板12の湾曲
した頂部位置線Aよりも上側寄り位置に設定しているか
ら、この位置から下側で強度が必要な部分、即ち、交換
用底板34、交換用左側板32、交換用右側板33だけ
を摩耗に対して強くすることができ、重量、コスト等が
増大するのを抑えることができる。
【0067】次に、図12は本発明の第2の実施の形態
を示し、本実施の形態の特徴は、交換用側板と交換用底
板とを予め組立て、この交換用側板−底板組立体を切断
工程で残った側板上側部分、底板上側部分、カッティン
グエッジ、サイドエッジに溶接したことにある。なお、
本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。
【0068】まず、本実施の形態では、修理前の掘削バ
ケット11の構成に変わるところがないので、構成の説
明は省略し、掘削バケット11を修理して掘削バケット
41を形成する修理方法について説明する。
【0069】まず、切断工程では、第1の実施の形態で
述べた切断工程と同様の作業を行なう。
【0070】次に、交換用底板−側板組立工程では、第
1の実施の形態による交換用左側板32と同様の左下側
板をなす交換用左側板42と、第1の実施の形態による
交換用右側板33と同様の右下側板をなす交換用右側板
43と、第1の実施の形態による交換用底板34と同様
の下底板をなす交換用底板44とを用意する。そして、
交換用底板44の左,右方向両側に交換用左側板42、
交換用右側板43を溶接し、交換用底板−側板組立体4
5を形成する。
【0071】次に、交換用底板−側板組立体溶接工程で
は、交換用底板−側板組立体45の交換用側板42,4
3を側板13,14の側板上側部分13−U,14−U
とサイドエッジ16,17に溶接し、交換用底板44を
底板12の底板上側部分12−Uとカッティングエッジ
15に溶接する。
【0072】そして、溶接部分(溶接ビード)をグライ
ンダ等を用いて滑らかに整形し、塗装を施すことによ
り、第1の実施の形態による修理後の掘削バケット31
と同様の掘削バケット41を仕上げることができる。
【0073】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作
用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態で
は、交換用底板−側板組立体45を形成する交換用底板
−側板組立工程は、他の工程と並行に外段取りで行なう
ことができるから、交換用底板−側板組立体溶接工程で
の溶接作業を簡略化することができ、修理にかかるコス
トをより一層低減することができる。
【0074】次に、図13は本発明の第3の実施の形態
を示し、本実施の形態の特徴は、上底板、下底板、左上
側板、左下側板、右上側板、右下側板、カッティングエ
ッジ、左サイドエッジ、右サイドエッジ等を個々の部品
として用意し、それぞれを溶接手段によって固着する構
成としたことにある。
【0075】なお、掘削爪の爪部は、掘削バケット全体
を組立てた後に、カッティングエッジのアダプタに取付
けるものであるが、本実施の形態では、理解が容易なよ
うにカッティングエッジのアダプタに爪部を取付けた状
態で説明する。また、山形補強板、ブラケットは、予め
上底板に取付けた状態で図示しているが、掘削バケット
全体を組立てた後に上底板に取付けるようにしてもよ
い。
【0076】51は本実施の形態による掘削バケット
で、該掘削バケット51は、上,下方向の上側に設けら
れた上底板52と、該上底板52の下側に設けられた下
底板53と、前記上底板52の左側に設けられた左上側
板54と、該左上側板54の下側に位置して下底板53
の左側に設けられた左下側板55と、前記左上側板54
に対面するように前記上底板52の右側に設けられた右
上側板56と、前記左下側板55に対面するように該右
上側板56の下側に位置して下底板53の右側に設けら
れた右下側板57と、前記下底板53の下側に設けられ
たカッティングエッジ58と、前記左上側板54と左下
側板55の前側に設けられた左サイドエッジ59と、該
左サイドエッジ59に対面するように前記右上側板56
と右下側板57の前側に設けられた右サイドエッジ60
とによって構成されている。
【0077】また、上底板52には、山形補強板61と
ブラケット62,62が設けられ、カッティングエッジ
58にはアダプタ63A、爪部63Bからなる掘削爪6
3,63,…が設けられている。
【0078】さらに、下底板53は上底板52よりも厚
肉に形成され、左下側板55、右下側板57は左上側板
54、右上側板56よりも厚肉に形成されている。これ
により、下底板53、左下側板55、右下側板57は、
摩耗、損傷に対して十分な強度を有している。
【0079】そして、掘削バケット51は、用意された
これらの部品を溶接手段を用いて固着することにより、
第1の実施の形態による掘削バケット31とほぼ同様に
組立てられる。
【0080】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態
によれば、摩耗、損傷に対する強度を有した掘削バケッ
ト51を最初から設けることができ、信頼性を向上する
ことができる。
【0081】次に、図14および図15は本発明の第4
の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、下底板の
外面側に上,下方向に延びて補強用のリブを設け、上底
板と下底板との境界位置は、リブの上端であるリブ止端
位置に設定したことにある。
【0082】なお、掘削爪の爪部は、掘削バケット全体
を組立てた後に、カッティングエッジのアダプタに取付
けるものであるが、本実施の形態では、理解が容易なよ
うにカッティングエッジのアダプタに爪部を取付けた状
態で説明する。また、山形補強板、ブラケットは、予め
上底板に取付けた状態で図示しているが、掘削バケット
全体を組立てた後に上底板に取付けるようにしてもよ
い。
【0083】71は本実施の形態による掘削バケット
で、該掘削バケット71は、上,下方向の上側に設けら
れた上底板72と、該上底板72の下側に設けられた下
底板73と、前記上底板72の左側に設けられた左上側
板74と、該左上側板74の下側に位置して下底板73
の左側に設けられた左下側板75と、前記左上側板74
に対面するように前記上底板72の右側に設けられた右
上側板76と、前記左下側板75に対面するように該右
上側板76の下側に位置して下底板73の右側に設けら
れた右下側板77と、前記下底板73の下側に設けられ
たカッティングエッジ78と、前記左上側板74と左下
側板75の前側に設けられた左サイドエッジ79と、該
左サイドエッジ79に対面するように前記右上側板76
と右下側板77の前側に設けられた右サイドエッジ80
とによって構成されている。
【0084】また、上底板72には、山形補強板81と
ブラケット82,82が設けられ、カッティングエッジ
78にはアダプタ83A、爪部83Bからなる掘削爪8
3,83,…が設けられている。
【0085】さらに、84,84,…は下底板73の後
面側に設けられた補強用リブとしての複数枚のリブ板
で、該各リブ板84は、下底板73の強度を高めるもの
で、図14、図15に示す如く、下底板73に沿って
上,下方向に延びる長板からなり、左,右方向に間隔を
おいて配設されている。ここで、リブ板84は、下底板
73のほぼ全長に亘って設けられ、これにより、リブ板
84の上端となるリブ止端位置と下底板73の上端、即
ち上底板72と下底板73との境界位置は、ほぼ同じ位
置に設定されている。
【0086】85は各リブ板84を覆うように設けられ
た耐摩耗板で、該耐摩耗板85は、掘削作業によって下
底板73、各リブ板84が摩耗、損傷するのを防止する
ものである。
【0087】そして、掘削バケット71は、用意された
これらの部品を溶接手段を用いて固着することにより、
第1の実施の形態による掘削バケット31とほぼ同様に
組立てられる。
【0088】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態
によれば、掘削作業を行なったときに摩耗、損傷し易い
下底板73の後面側を、リブ板84、耐摩耗板85によ
って補強することができ、耐久性を向上することができ
る。
【0089】なお、第1の実施の形態では、底板12に
リブ板21、耐摩耗板22を設けた掘削バケット11を
修理する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに
限るものではなく、例えば図16に示す第1の変形例に
よる掘削バケット91のように、リブ板21、耐摩耗板
22が廃止された底板92、左側板93、右側板94を
修理する場合に適用してもよい。この変形例では、底板
92の切断線の位置を、摩耗する部位、底板92の頂部
位置線Aよりも上側寄り等の位置に設定すればよい。こ
の構成は、第2の実施の形態にも適用することができ
る。
【0090】また、第1の実施の形態では、掘削バケッ
ト11を修理するために、上側が円弧状に湾曲し、下側
が平坦となる略長方形状の交換用底板34を用意し、こ
の交換用底板34を溶接によって固着した場合を例に挙
げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図17
に示す第2の変形例による掘削バケット101のよう
に、底板下側部分12−Lに代えて、上,下方向に延び
る複数本の長孔102A,102A,…が形成された交
換用底板102を固着するようにしてもよい。
【0091】この場合には、掘削バケット101は、各
長孔102Aを介して水、砂等を振るい落しながら作業
を行う格子溝状バケット(いわゆるスケルトンバケッ
ト)として使用することができ、掘削バケットの利用範
囲を広めることができる。
【0092】さらに、各実施の形態では、クローラ式の
下部走行体1を備えた油圧ショベルに設けられた掘削バ
ケット11を修理する場合を例に挙げて説明したが、本
発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベル
に設けられた掘削バケット等に適用してもよい。
【0093】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、掘削バケットは、上,下方向の上側に位置して取
付部を備えた上底板と、該上底板の下側に設けられた下
底板と、前記上底板の左側に設けられた左上側板と、該
左上側板に対面するように前記上底板の右側に設けられ
た右上側板と、前記左上側板の下側に位置して下底板の
左側に設けられた左下側板と、該左下側板に対面するよ
うに前記右上側板の下側に位置して下底板の右側に設け
られた右下側板と、前記下底板の下側に設けられたカッ
ティングエッジと、前記左上側板と左下側板の前側に設
けられた左サイドエッジと、該左サイドエッジに対面す
るように前記右上側板と右下側板の前側に設けられた右
サイドエッジとによって構成している。
【0094】従って、掘削作業を行なったときに、摩耗
を生じ易い底板、左側板、右側板の下側部分となる下底
板、左下側板、右下側板は、上底板、左上側板、右上側
板と別部材として設けているから、例えば摩耗、損傷の
虞のない上底板、左上側板、右上側板は、薄肉で安価な
鋼板を用いて形成でき、下底板、左下側板、右下側板
は、厚肉または高強度の鋼板を用いて形成することがで
きる。
【0095】この結果、下底板、左下側板、右下側板
は、摩耗、損傷に対して強度を高めることができ、修理
作業の回数を減らしたり、修理作業を不用にすることが
でき、修理に関するコストを低減することができる。ま
た、摩耗、損傷に対する強度を有した掘削バケットを最
初から設けることができ、信頼性を向上することができ
る。
【0096】請求項2の発明によれば、上底板と下底板
との境界位置は、掘削作業を行ったときに摩耗する摩耗
部位に設定しているので、下底板、左下側板、右下側板
を例えば厚肉または高強度の鋼板を用いて形成すること
により、必要な部分だけを摩耗に対して強くすることが
でき、重量、コスト等が増大するのを抑えることができ
る。
【0097】請求項3の発明によれば、下底板の後面側
には摩耗する部位を補強するために上,下方向に延びて
補強用のリブを設け、上底板と下底板との境界位置は、
前記リブの上端であるリブ止端位置に設定しているの
で、掘削作業を行なったときに摩耗、損傷し易い下底板
の後面側をリブによって補強することができ、耐久性を
向上することができる。
【0098】請求項4の発明によれば、下底板は後側に
向けて突出するように湾曲して設け、上底板と下底板と
の境界位置は、前記下底板の湾曲した頂部よりも上側寄
りの頂部上側部位に設定しているので、掘削作業を行な
ったときに摩耗し易い頂部上側部位から下側、即ち下底
板、左下側板、右下側板を例えば厚肉または高強度の鋼
板を用いて形成することができる。これにより、必要な
部分だけを摩耗に対して強くすることができ、重量、コ
スト等が増大するのを抑えることができる。
【0099】請求項5の発明によると、下底板は上底板
よりも厚肉に形成しているので、掘削作業等によって摩
耗を生じ易い下底板の強度を高めることができ、耐久性
を向上することができる。
【0100】請求項6の発明によれば、左下側板、右下
側板は左上側板、右上側板よりも厚肉に形成しているの
で、掘削作業等によって摩耗を生じ易い左下側板、右下
側板の強度を高めることができ、耐久性を向上すること
ができる。
【0101】請求項7の発明によれば、下底板は複数の
長孔をもった格子状板材を用いて形成しているので、下
底板を各長孔を介して水や砂を振るい落すことができる
ものに交換することができ、掘削バケットの利用範囲を
広めることができる。
【0102】請求項8の発明によれば、下底板、左下側
板、右下側板は、既存の掘削バケットから切離された底
板下側部分、左側板下側部分、右側板下側部分に交換し
て取付ける構成としているので、既存の掘削バケットの
底板、各側板の下側部分が摩耗したときには、この底板
下側部分、左側板下側部分、右側板下側部分に交換して
下底板、左下側板、右下側板を取付ける。これにより、
既存の掘削バケットを利用して、摩耗し易い部分の強度
が高められた掘削バケットを形成することができ、コス
トを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態で修理が施される掘
削バケットを備えた油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】修理前の掘削バケットを拡大して示す外観斜視
図である。
【図3】図2の掘削バケットをアームから取外し開口側
を下側に向けた修理姿勢で示す正面図である。
【図4】修理姿勢の掘削バケットを示す外観斜視図であ
る。
【図5】切断工程で掘削バケットの底板と側板を切断し
た状態を示す外観斜視図である。
【図6】切断工程で切断した底板下側部分と側板下側部
分を取外した掘削バケットを示す外観斜視図である。
【図7】切断工程で切断した部分をグラインダで仕上げ
た掘削バケットを示す外観斜視図である。
【図8】交換用側板溶接工程で交換用側板をサイドエッ
ジと側板上側部分に溶接した掘削バケットを示す外観斜
視図である。
【図9】交換用底板溶接工程で交換用底板を掘削バケッ
トに向けて移動している状態を示す外観斜視図である。
【図10】交換用底板溶接工程で交換用底板をカッティ
ングエッジ、底板上側部分、交換用側板に溶接すること
により修理された本実施の形態による掘削バケットを示
す外観斜視図である。
【図11】交換用底板と底板上側部分との溶接状態を図
10中のXI−XI方向からみた要部拡大断面図である。
【図12】本発明の第2の実施による交換用底板−側板
組立体を掘削バケットに向けて移動している状態を示す
外観斜視図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態による掘削バケッ
トを分解した状態で示す分解斜視図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態による掘削バケッ
トを分解した状態で示す分解斜視図である。
【図15】図14に示す掘削バケットを組立てた状態で
図11と同様位置からみた要部拡大断面図である。
【図16】本発明の第1の変形例に適用される修理前の
掘削バケットを示す外観斜視図である。
【図17】本発明の第2の変形例による交換用底板を掘
削バケットに向けて移動している状態を示す外観斜視図
である。
【符号の説明】
11,31,41,51,71,91,101 掘削バ
ケット 12,92 底板 12−L 底板下側部分 12−U 底板上側部分(上底板) 13,93 左側板 13−L 左側板下側部分 13−U 左側板上側部分(左上側板) 14,94 右側板 14−L 右側板下側部分 14−U 右側板上側部分(右上側板) 15,58,78 カッティングエッジ 16,59,79 左サイドエッジ 17,60,80 右サイドエッジ 19,62,82 ブラケット(取付部) 21,84 リブ板(補強用リブ) 22,85 耐摩耗板 32,42 交換用左側板(左下側板) 33,43 交換用右側板(右下側板) 34,44,102 交換用底板(下底板) 45 交換用底板−側板組立体 52,72 上底板 53,73 下底板 54,74 左上側板 55,75 左下側板 56,76 右上側板 57,77 右下側板 102A 長孔 A 底板の頂部位置線(頂部) C1 底板のリブ板の止端位置となる切断線 C2 左側板の上,下方向中間位置となる切断線 C3 右側板の上,下方向中間位置となる切断線 C4 左側板−サイドエッジ溶接位置となる切断線 C5 右側板−サイドエッジ溶接位置となる切断線 C6 底板−カッティングエッジ溶接位置となる切断線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D012 GB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上,下方向の上側に位置して取付部を備
    えた上底板と、該上底板の下側に設けられた下底板と、
    前記上底板の左側に設けられた左上側板と、該左上側板
    の下側に位置して前記下底板の左側に設けられた左下側
    板と、前記上底板の右側に設けられた右上側板と、該右
    上側板の下側に位置して前記下底板の右側に設けられた
    右下側板と、前記下底板の下側に設けられたカッティン
    グエッジと、前記左上側板と左下側板の前側に設けられ
    た左サイドエッジと、該左サイドエッジに対面するよう
    に前記右上側板と右下側板の前側に設けられた右サイド
    エッジとによって構成してなる掘削バケット。
  2. 【請求項2】 前記上底板と下底板との境界位置は、掘
    削作業を行ったときに摩耗する摩耗部位に設定してなる
    請求項1に記載の掘削バケット。
  3. 【請求項3】 前記下底板の後面側には摩耗する部位を
    補強するために上,下方向に延びて補強用のリブを設
    け、前記上底板と下底板との境界位置は、前記リブの上
    端であるリブ止端位置に設定してなる請求項1に記載の
    掘削バケット。
  4. 【請求項4】 前記下底板は後側に向けて突出するよう
    に湾曲して設け、前記上底板と下底板との境界位置は、
    前記下底板の湾曲した頂部よりも上側寄りの頂部上側部
    位に設定してなる請求項1に記載の掘削バケット。
  5. 【請求項5】 前記下底板は上底板よりも厚肉に形成し
    てなる請求項1,2,3または4に記載の掘削バケッ
    ト。
  6. 【請求項6】 前記左下側板、右下側板は左上側板、右
    上側板よりも厚肉に形成してなる請求項1,2,3,4
    または5に記載の掘削バケット。
  7. 【請求項7】 前記下底板は複数の長孔をもった格子状
    板材を用いて形成してなる請求項1,2,3,4,5ま
    たは6に記載の掘削バケット。
  8. 【請求項8】 前記下底板、左下側板、右下側板は、既
    存の掘削バケットから切離された底板下側部分、左側板
    下側部分、右側板下側部分に交換して取付ける構成とし
    てなる請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の
    掘削バケット。
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