JP2002294220A - 研磨剤及び研磨剤スラリー - Google Patents
研磨剤及び研磨剤スラリーInfo
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Abstract
チ発生の極めて少ない高品質な研磨剤スラリーを提供す
ること。 【解決手段】水酸基濃度3〜10個/nm2で、実質的
にストラクチャー構造を形成していない二酸化珪素微粉
末のシランカップリング剤による表面処理物からなり、
シランカップリング剤による表面処理量が、処理前後の
炭素量増分として0.05〜1.0質量%であり、しか
もシランカップリング剤種が、フェニル基含有シラン剤
単独、又はアミノ基含有シラン剤:シランモノマー剤と
の質量比で7:3〜9.5:0.5の混合物であること
を特徴とする研磨剤。この研磨剤を水に分散させてなる
ことを特徴とする研磨剤スラリー。
Description
ポリッシング、多層配線構造を形成するIC後工程にお
けるCMP(Chemical Mechanical Polishing)に好適
に供せられる研磨剤及び研磨剤スラリーに関する。
い、多層配線を進めるプロセスにおいては、リソグラフ
ィ技術の焦点深度を確保するため、表面の平坦化処理が
不可欠となっている。その超精密研磨技術として、CM
P技術が急速に普及しつつあり、特にIBM社の絶縁膜
平坦化技術や、金属のダマシン法が発表されて以来、急
速に採用されてきている。
ーであり、その研磨用砥粒としてはナノメーターレベル
の超微粒子が用いられている。超微粒子材料は「半導体
CMP技術、土肥俊郎編著、工業調査会発行2001年
1月10日発行」に記載されているように、酸化アルミ
ニウム、二酸化珪素、酸化セリウム等が好適に用いられ
ており、特に二酸化珪素は多層配線層の絶縁膜の研磨処
理を主体に使用されている。さらには、二酸化珪素はC
u配線工程においても多用されつつある。
は、四塩化珪素から製造されるヒュームドシリカ、ケイ
酸ナトリウムから液相中で形成されるコロイダルシリ
カ、更には有機シリケートを加水分解して得られるコロ
イダルシリカ等があるが、それぞれ一長一短がある。
れやすいのでCMPスラリーとして好適である。たとえ
ば、特開平11−302633号公報には、従来の研磨
剤が純度管理が不十分であることを指摘し、研磨剤微粉
末としてはヒュームドシリカが好適であるとし、更にス
ラリー中での微粉末安定化に向けた種々の添加剤の不純
物を制御することで、CMP用に適したスラリーの発明
を開示している。しかしながら、ヒュームドシリカは単
分散化しておらず、個々の粒子が網目状構造に連なった
凝集構造を形成しており、スラリー中でもこの構造を維
持しながら研磨に供されるため、特開2000−208
451号公報に記載のように、往々にして配線層表面に
スクラッチと呼ばれる微小な傷が生じやすい。この凝集
を防止するため種々の分散剤、界面活性剤等が使用され
工夫されているが、まだまだ満足されたものではない。
シリカは、スラリー中での単分散微粒子形成が可能であ
るが、特開2000−208451号公報に記載のよう
に、コロイダルシリカ中のNa等の不純物が多く、酸洗
浄等によってそれを除去処理をしても原料のケイ酸ナト
リウムに起因するナトリウム不純物を十分なレベルにま
で低減することは困難であり、CMP用として必要な高
純度化までには至っていない。
リカは、単分散微粒子化と高純度化が可能であるが、原
料価格に由来して高価格となり、それが解決されるまで
は広く普及しないものと考えられる。
の高純度を有し、経時安定性に優れ、スクラッチ発生の
極めて少ない高品質の磨剤剤及び研磨剤スラリーを提供
することである。本発明の目的は、金属Si及び/又は
亜酸化珪素の気相成分を酸化して得られる二酸化珪素微
粉末を特定量・種のシランカップリング剤で処理したも
のを研磨剤とすることによって達成することができる。
個/nm2で、実質的にストラクチャー構造を形成して
いない二酸化珪素微粉末のシランカップリング剤による
表面処理物からなり、シランカップリング剤による表面
処理量が、処理前後の炭素量増分として0.05〜1.
0質量%であり、しかもシランカップリング剤種が、フ
ェニル基含有シラン剤単独、又はアミノ基含有シラン
剤:シランモノマー剤との質量比で7:3〜9.5:
0.5の混合物であることを特徴とする研磨剤である。
また、本発明はこの研磨剤を水に分散させてなることを
特徴とする研磨剤スラリーである。
る。
1要件は、水酸基濃度3〜10個/nm2である。
を有し、その水酸基の有する極性のために比較的弱い水
素結合が形成され凝集状態となる。この凝集はわずかな
外力によって解離できるが、再凝集しやすいので、研磨
剤スラリーとして好適に利用するには、粒子表面の水酸
基をシランカップリング剤等で処理することが必要であ
る。この処理によって、単分散性を付与することの他
に、スラリー中での粒子の沈降性を抑制する効果を発現
する。シランカップリング剤による処理効果は微粉末表
面の水酸基濃度に依存し、3〜10個/nm2の範囲に
ある場合に好適な効果が発現される。水酸基濃度が3個
/nm2未満であると、シランカップリング剤による処
理効果が不十分となって高分散化が困難となり、また沈
降しやすくなる。一方、水酸基濃度が10個/nm2よ
りも大きいと、粒子間同士の凝集が起こりやすく、また
シランカップリング剤による処理も十分に行えなくな
り、これまた高分散化が困難となる。このような分散の
よくない研磨剤スラリーを用いるとスクラッチが往々に
して発生する。水酸基濃度は、金属Si蒸気及び/又は
亜酸化珪素蒸気の発生温度及び酸化時に併存させる水分
濃度で調整が可能であり、これについては後記する。
基濃度は、カールフィッシャー法によって測定される。
具体的には水分気化装置に当該微粉末をセットし、電気
ヒーターで加熱しながら、脱水処理されたアルゴンガス
をキャリアガスとして供給し、当該微粉末表面に付着し
た水酸基が縮合して揮発することにより生成する水蒸気
を測定器に導き、その水分量を測定することによって行
われる。加熱温度900℃までに発生する水分のうち、
吸着水による水分量を除いて発生した水分量を水酸基の
脱水縮合によるものとみなし、それを基に単位表面積あ
たりの水酸基濃度を求めることができる。吸着水分は、
200℃までの加熱範囲で発生する水分として測定され
る。
2要件は、実質的にストラクチャー構造を形成していな
いことである。ヒュームドシリカは、高純度ではある
が、個々の粒子が網目状構造に連なったストラクチャー
構造を形成しているので、それを用いた研磨剤スラリー
では往々にして配線層表面にスクラッチが生じやすくな
るが、本発明の二酸化珪素微粉末によればこの問題を解
消させることができる。
ー構造を形成していない」とは、以下に従ってTEM観
察された粒子の球形度が0.9以上であると定義され
る。具体的には任意に選ばれた20個以上の粒子につい
て画像解析装置によって取り込み、表示された値が0.
9以上である。画像解析装置としては、例えば日本アビ
オニクス社製「SPICCA−II」が用いられる。
化珪素微粉末を分散させ、所定の倍率(粒子の大きさに
応じて10万倍〜100万倍)で写真撮影を行い、スト
ラクチャーの形成観察と画像解析によって行われる。二
酸化珪素微粉末の分散方法としては、例えばアセトン溶
媒に極微量の試料を超音波分散させ、その希薄な溶液を
メンブランフィルターで吸引濾過して粉末を分散状態に
して乾燥する。その後フィルターに付着したままの粉末
をTEM観察する。
表面積は50〜200m2/g、炭素量0.01質量%
以下、Fe、Na、Clの各イオン成分の合計が30p
pm以下特に20ppm以下であることが好ましい。比
表面積は窒素ガス吸着法、炭素量は、炭素/硫黄同時分
析計「CS−444LS型」(LECO社製)、Fe、
Na、Clの各イオン成分は抽出法による原子吸光光度
法で測定される。なお、Feイオンは王水で、またNa
イオン、Clイオンはイオン交換水でそれぞれ抽出して
測定する。
金属Si蒸気及び/又は亜酸化珪素蒸気の気相成分を酸
化することによって製造できる。金属Si蒸気は、高純
度Si原料を用いて2000℃以上に加熱気化させるこ
とにより発生させることができる。加熱・気化手段とし
ては、高周波加熱、アーク加熱、もしくは炭化水素ガス
による火炎中に金属Si微粉末を投入する等、2000
℃以上の高温度を実現できる方式で、不純物混入が避け
られる方式が好ましい。一方、亜酸化珪素蒸気は、例え
ば高純度珪石を高純度炭素の存在下で1600℃以上に
加熱することにより、炭素による珪石の還元反応を起こ
させることによって発生させることができる。二酸化珪
素微粉末の水酸基濃度、比表面積等は、金属Si蒸気及
び/又は亜酸化珪素蒸気の発生温度、酸化時に併存させ
る水分濃度、酸素ガス供給量によって調整することがで
きる。
リング剤種は、アミノ基を有するカップリング剤種とシ
ランモノマーとを質量比7:3〜9.5:0.5で組み
合わせたもの、又はフェニル基を有するシランカップリ
ング剤である。
しては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が
あり、シランモノマーとしては、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエ
トキシシラン等がある。これらのシランカップリング剤
は、単独では二酸化珪素微粉末の分散性が不十分となっ
て、微粉末相互の凝集を解消できずに沈降しやすくなる
が、両者の特定量を併用するとそれが大幅に改善され
る。このメカニズムは明らかでないが、アミノ基を有す
るカップリング剤では被覆処理しきれない孤立水酸基を
分子量の小さいシランモノマーが被覆し、単分散化及び
非沈降性を発現しているものと考えられる。
ング剤としては、γ−フェニルアミノプロピルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン等があげら
れ、このれらは単独使用をしても高分散性・非沈降性を
実現できる。
分値で代表させ、処理後の炭素量増分として0.05〜
1.0質量%となる量である。処理量が0.05質量%
未満では効果が不十分であり、孤立水酸基による凝集を
完全に解消できず、凝集粒子による研磨面への傷が発生
する。一方、処理量が1.0質量%超であると、シラン
カップリング剤により粒子間の凝集が発生し、やはり単
分散化、非沈降性の効果が十分でなくなる。なお、本発
明の二酸化珪素微粉末の処理前の炭素量は、通常、0.
01質量%以下である。
の処理は微量であるため、二酸化珪素微粉末の生成工程
から捕集工程の任意の気流中に、シランカップリング剤
を気化させて併存流入させることが好ましく、これによ
って効率的かつ十分な処理が可能となる。
酸化珪素微粉末の処理前後の炭素量を試料0.1gを用
いて炭素/硫黄同時分析計「CS−444LS型」(L
ECO社製)により測定し、検量線法にて求めることが
できる。
シランカップリング剤で処理された二酸化珪素微粉末を
イオン交換水に例えば10重量%濃度に分散させること
によって製造することができる。分散にはビーズミル等
媒体攪拌ミルが使用される。研磨剤スラリーは弱酸性を
有するので、例えばCMP用層間絶縁膜や金属膜研磨用
に好適なものとするため、アンモニア水等によってpH
9〜11に調整しておくことは好ましい。
化珪素微粉末の高分散化・非沈降性は、二酸化珪素微粉
末10%濃度のスラリー1kgを調製し、1ヶ月間静置
させた後の沈降量を測定することによって行うことがで
きる。凝集粒子は粗大粒子として振る舞うために沈降し
やすく、沈降程度はストークスの式に従うことになる。
本発明で使用される二酸化珪素微粉末は、比表面積50
〜200m2/g(BET径55〜13nm)が好適と
なるが、例えばBET径100nmでは沈降速度が約8
×10-4m/日と算出される。
1にその概略を示すように、研磨対象物として4インチ
Siウエハーを使用し、バフ(BUEHLER社製マス
ターテックス)面への印加加重を5.6Pa、バフ面回
転数100rpm、研磨剤スラリー(10%濃度)投入
量25cm3/分として20分間研磨処理(BUEHL
ER社製全自動研磨機「ECOMET4/AUTOME
T3」)を実施し、処理後のSiウエハー研磨面の微細
構造を電子顕微鏡にて観察し、100μm四方の領域に
おける微小な傷の有無(スクラッチ発生本数)を測定す
ることによって行うことができる。なお、ウエハーの被
研磨面には、あらかじめ熱酸化による二酸化珪素絶縁膜
(1μm厚み)を形成させた。
説明する。
の各種温度に加熱して金属Si蒸気を発生させ、湿度7
0%以下の範囲内で空気の湿度と流入量を変え、種々の
比表面積と水酸基濃度を有する二酸化珪素微粉末を製造
し、バグフィルターで捕集する前工程において、表3に
示されるシランカップリング剤を加熱気化させて捕集管
内に流入させ、シランカップリング剤処理二酸化珪素微
粉末を捕集した。
00℃以上の各種温度に加熱して得られた亜酸化珪素蒸
気を用いそれを酸化させたこと以外は、実施例1と同様
にしてシランカップリング剤処理二酸化珪素微粉末を捕
集した。
外は、実施例1又は実施例2と同様にして二酸化珪素微
粉末を製造した。
ップリング剤を用いたこと以外は、実施例3と同様にし
てシランカップリング剤処理二酸化珪素微粉末を捕集し
た。
割合が異なる混合物を用い、その処理量を0.1質量%
又は0.8質量%としたこと以外は、実施例5、6又は
7と同様にしてシランカップリング剤処理二酸化珪素微
粉末を捕集した。
の湿度を調整して水酸基濃度2個/nm2未満又は14
個/nm2の二酸化珪素微粉末を製造し、各種シランカ
ップリング剤処理を行ってシランカップリング剤処理二
酸化珪素微粉末を捕集した。
エロジル社製)を用い、シランカップリング剤処理なし
の比較例11と、アエロジルとともにボールミル中にシ
ランカップリング剤を噴霧処理した比較例12を製造し
た。
素微粉末の比表面積、水酸基濃度、Fe、Na、Clの
各イオン成分、シランカップリング剤処理量を上記に従
い測定するとともに、それをイオン交換水に分散させた
10質量%濃度の研磨剤スラリーを調製し、沈降量と研
磨特性を測定した。実施例の結果を表1に、比較例の結
果を表2に示す。また、二酸化珪素微粉末のストラクチ
ャー構造の形成の有無を上記に従い測定したところ、比
較例11、12では観察されたが、それ以外では観察さ
れなかった。
用いたのと同等の高純度を示すと共に、個々の粒子間で
の凝集が極めて少ない経時安定性の高いものである。本
発明の研磨剤スラリーは、二酸化珪素微粉末が高分散化
され非沈降性であり、それを用いてSiウエハー面のポ
リッシング、多層配線層のCMP用研磨を行っても、ス
クラッチ発生の極めて少ない研磨が可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 水酸基濃度3〜10個/nm2で、実質
的にストラクチャー構造を形成していない二酸化珪素微
粉末のシランカップリング剤による表面処理物からな
り、シランカップリング剤による表面処理量が、処理前
後の炭素量増分として0.05〜1.0質量%であり、
しかもシランカップリング剤種が、フェニル基含有シラ
ン剤単独、又はアミノ基含有シラン剤:シランモノマー
剤との質量比で7:3〜9.5:0.5の混合物である
ことを特徴とする研磨剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の研磨剤を水に分散させて
なることを特徴とする研磨剤スラリー。
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JP2001094619A JP4428495B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 研磨剤及び研磨剤スラリー |
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