JP2002293839A - 硬化性組成物およびその硬化物 - Google Patents
硬化性組成物およびその硬化物Info
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Abstract
た硬化物が得られる硬化性組成物、およびその硬化物を
提供する。 【解決手段】 全固形分中に、下記化合物(A−1)
〜(D)を含有し、全固形分濃度が0.5〜75%であ
ることを特徴とする有機溶剤系硬化性組成物。 (A−1) 40〜80重量%の針状アンチモン含有酸
化錫 (B) 5〜40重量%の水酸基含有多官能(メ
タ)アクリレートとジイソシアネートの反応物 (C) 5〜30重量%の多官能(メタ)アクリレ
ート (D) 0.5〜10重量%の光重合開始剤
Description
等として好適な硬化性組成物、およびその硬化物に関す
る。
化型ポリシロキサン組成物が知られており、特開昭61
−247743号公報、特開平6−25599号公報、
特開平7−331115号公報および特開平10−23
2301号公報等に開示されている。しかしながら、こ
のような熱硬化型ポリシロキサン組成物を利用して得ら
れる反射防止膜は、帯電防止性や耐擦傷性に乏しく、結
果として、耐久性に乏しかった。また、かかる反射防止
膜を製造するにあたり、高温で、長時間にわたって加熱
処理をする必要があり、生産性が低く、あるいは適用可
能な基材の種類が限定された。
示されているように、基材上に、微粒子を高屈折率バイ
ンダー樹脂中に極在化させた高屈折率膜と、フッ素系共
重合体からなる低屈折率膜とを順次に積層した反射防止
膜用材料が提案されている。より具体的には、高屈折率
膜を形成するのに、金属酸化物粒子等の微粒子層を工程
紙上に予め形成しておき、それを基材上の高屈折率バイ
ンダー樹脂に対して圧接することにより、高屈折率バイ
ンダー樹脂中に微粒子層を埋設して、極在化させてい
る。また、低屈折率膜については、フッ化ビニリデンお
よびヘキサフルオロプロピレンからなるフッ素含有共重
合体と、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物と、
重合開始剤とからなる樹脂組成物を硬化して、薄膜とし
ている。一方、特開平8−231222号公報および特
開平9−12314号公報には、針状金属酸化物の微粉
末が開示されているが、かかる微粉末を用いた反射防止
膜用材料は開示されていない。
平8−94806号公報に示されるように高屈折率膜に
含まれる金属酸化物粒子の形状は球状であり、一般にそ
の形状および導電性について何等考慮されておらず、高
屈折率膜の帯電防止性、耐擦傷性および透明性が不十分
であるという課題が見られた。
金属酸化物粒子として、針状のアンチモン含有酸化錫を
含んだ硬化性組成物を構成することにより、硬化させた
場合に、帯電防止性、耐擦傷性および透明性等に優れた
硬化物が得られることを見出した。したがって、本発明
は、例えば、反射防止膜用材料等として好適であり、ま
た、硬化させた場合に、帯電防止性、耐擦傷性および透
明性等に優れた硬化物が得られる硬化性組成物、および
そのような硬化性組成物からなる硬化物を提供すること
を目的とする。
分中に、下記化合物(A−1)〜(D)を含有し、全固
形分濃度が0.5〜75%であることを特徴とする有機
溶剤系硬化性組成物が提供され、上述した課題を解決す
ることができる。 (A−1) 40〜80重量%の針状アンチモン含有酸化錫 (B) 5〜40重量%の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとジイソ シアネートの反応物 (C) 5〜30重量%の多官能(メタ)アクリレート (D) 0.5〜10重量%の光重合開始剤 ここで「全固形分」とは、硬化性組成物を120℃のホ
ットプレートで1時間乾燥したときの残渣物である。こ
のように構成することにより、硬化させた場合に、帯電
防止性、耐擦傷性および透明性等に優れた硬化物が得ら
れる硬化性組成物を容易に得ることができる。
分中に、下記化合物(A−2)〜(D)を含有し、全固
形分中の針状アンチモン含有酸化錫の含有量が40〜8
0重量%であり、全固形分濃度が0.5〜75%である
ことを特徴とする有機溶剤系硬化性組成物が提供され、
上述した課題を解決することができる。 (A−2) 40〜89.5重量%の表面処理された針状アンチモン含有酸化錫 (B) 5〜40重量%の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとジイソ シアネートの反応物 (C) 5〜30重量%の多官能(メタ)アクリレート (D) 0.5〜10重量%の光重合開始剤 針状アンチモン含有酸化錫に表面処理を施すことによ
り、硬化物の耐擦傷性を向上することができる。また、
このように表面処理された針状アンチモン含有酸化錫中
の針状アンチモン含有酸化錫の含有量を規定することに
より、硬化させた場合に帯電防止性、耐擦傷性および透
明性等に優れた硬化物が得られる硬化性組成物を確実に
得ることができる。
り、表面処理が、針状アンチモン含有酸化錫を、重合性
不飽和基を有する有機化合物と結合させることであるこ
とが好ましい。このような重合性不飽和基を有する有機
化合物と結合した針状アンチモン含有酸化錫を用いるこ
とにより、硬化性組成物中の針状アンチモン含有酸化錫
の分散性を向上させることができるだけでなく、硬化さ
せた場合に、針状アンチモン含有酸化錫の表面上に結合
させた有機化合物由来の重合性不飽和基を利用して、硬
化性組成物中の他の成分との間の結合力をより強固なも
のにすることができる。
あたり、化合物(D)が、少なくとも1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトンを含むことが好ましい。こ
のような光重合開始剤を含んだ硬化性組成物とすること
により、硬化性組成物をより確実に硬化させることがで
きる。
た硬化性組成物を硬化してなる硬化物である。このよう
な硬化性組成物を硬化させることにより、帯電防止性、
耐擦傷性および透明性等に優れた硬化物を容易に得るこ
とができる。
帯電防止効果に優れている。すなわち、本発明の硬化物
は表面抵抗が低い。表面抵抗が低い程、帯電防止性に優
れる。表面抵抗が1012オーダーより低いと、帯電防
止性が特に高まり、ほこり等の付着を顕著に防止する。
帯電防止の観点から、表面抵抗が1010オーダーより
低いのがより好ましい。また、本発明の組成物から硬化
させた硬化物は、耐擦傷性および密着性に優れている。
さらに、本発明の組成物から硬化させた硬化物は、従来
の球状アンチモン含有酸化錫を含有する組成物から硬化
させた硬化物等に比べて、アンチモン含有酸化錫を少量
添加するだけで所望の帯電防止効果が得られる。この理
由は、アンチモン含有酸化錫の形状が針状であるため、
少量の添加でも、硬化物中に導電路を有効に形成するこ
とができるためである。したがって、硬化物におけるア
ンチモン含有酸化錫の含有量が減り帯電防止効果を損な
うことなく透明性が高めることができる。
についてさらに詳しく説明する。 1.化合物(A−1)、針状アンチモン含有酸化錫 針状アンチモン含有酸化錫(以下、針状ATOと称する
場合がある。)は、硬化性組成物を硬化して得られる硬
化物の帯電防止性を高めるために用いられる。
あれば特に限定されず、繊維状、柱状、棒状およびその
他の類似形状のものも含まれる。アスペクト比が5以上
の値のものが好ましく、10以上の値のものがより好ま
しい。例えば、針状ATOとして、短軸平均粒子径が
0.005〜0.05μm、長軸平均粒子径が0.1〜
3μmおよび平均アスペクト比が5以上の値のものが挙
げられる。針状ATOの形状は、所望の効果、硬化性組
成物中における分散性等により適宜選択できる。
はないが、例えば、錫成分、アンチモン成分、ケイ素成
分およびアルカリ金属のハロゲン化物を含む被焼成処理
物を焼成した後、得られた焼成物の可溶性塩類を除去す
る方法や、針状酸化錫微粉末の粒子表面に含水酸化アン
チモンを沈着させた後、これを分別回収し、焼成する方
法等を挙げることができる。
〜80重量%の範囲内の値であることを必要とする。こ
の理由は、添加量が40重量%未満の場合には、硬化さ
せた場合に、優れた帯電防止性、耐擦傷性等が得られな
い場合があるためであり、添加量が80重量%を超える
場合には、硬化性組成物の塗布、乾燥時に製膜性が不十
分な場合や、硬化物の透明性が低下する場合があるため
である。また、上記の理由により、添加量を45〜80
重量%の範囲内の値とすることが好ましく、50〜80
重量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
タ)アクリレートとジイソシアネートの反応物 水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとジイソシアネ
ートの反応物(以下、単に化合物(B)と称する場合が
ある。)は、硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の
耐擦傷性および硬度を高めるために用いられる。
ート 水酸基含有多官能(メタ)アクリレートは、特に制限さ
れるものではないが、例えば、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸E
O変性ジ(メタ)アクリレート等を好適に用いることが
できる。水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販
品としては、例えば、日本化薬(株)製 商品名 KA
YARAD DPHA、PET−30、東亞合成(株)
製 商品名 アロニックス M−215、M−233、
M−305、M−400等として入手することができ
る。なお、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートは、
一種単独または二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
クリレートと反応することが可能なイソシアネート基を
有しているものであれば特に制限されるものではない。
このような例としては、2,4−トリレンジイソシアネ
−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシ
リレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシ
アネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−
フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシ
アネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソ
シアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−
ト、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイ
ソシアネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチ
ル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニル
ジイソシアネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシア
ネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタ
ンジイソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメ
チル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネ−ト、2,5(又は6)−ビス(イソシアネート
メチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げる
ことができる。これらの中では、2,4−トリレンジイ
ソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシ
ルイソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネート
メチル)シクロヘキサンがより好ましい。なお、ジイソ
シアネートは、一種単独または二種以上を組み合わせて
用いることができる。
シアネートとを反応させて得られる化合物であれば特に
制限されるものではない。化合物(B)としては、少な
くとも分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有す
るとともに、当該(メタ)アクリロイル基当たりの分子
量が400以下で、かつ2以上のウレタン結合(−O−
C(=O)−NH−)を有するものが好ましい。ジイソシ
アネート1モルに対して水酸基含有多官能(メタ)アク
リレート2モルを反応させて得られる下記一般式(1)
で表されるウレタン(メタ)アクリレートであることが
より好ましい。
多官能(メタ)アクリレート由来の(メタ)アクリロイ
ル基を含む一価の有機基であり、置換基R2は、ジイソ
シアネート由来の二価の有機基である。]
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと
イソホロンジイソシアネートとの反応物、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレートと2,4−トリ
レンジイソシアネートとの反応物、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレートと1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネートとの反応物、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネート
との反応物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レートと2,4−トリレンジイソシアネートとの反応物
等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられ
る。
よび水酸基含有多官能(メタ)アクリレートを一括で仕
込んで反応させる方法、ジイソシアネート中に水酸基含
有多官能(メタ)アクリレートを滴下して反応させる方
法、ジイソシアネートおよび水酸基含有多官能(メタ)
アクリレートを等モル仕込んで反応させた後に再び水酸
基含有多官能(メタ)アクリレートを反応させる方法な
どを挙げることができる。
〜40重量%の範囲内の値であることを必要とする。こ
の理由は、添加量が5重量%未満の場合には、硬化性組
成物を硬化させた時に、得られる硬化物の耐擦傷性が不
十分になる場合があるためであり、添加量が40重量%
を超える場合には、硬化物の硬度が不十分になる場合が
あるためである。また、上記の理由により、化合物
(B)の添加量を10〜30重量%の範囲内とすること
が好ましく、10〜25重量%の範囲内とすることがよ
り好ましい。
レート 多官能(メタ)アクリレートは、硬化性組成物を硬化し
て得られる硬化物の耐擦傷性および硬度を高めるために
用いられる。
つの(メタ)アクリロイル基を含有する化合物である。
その例としては、上述のペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート等の水酸基含有多官能(メタ)ア
クリレートならびにジペンタエリスリト−ルヘキサ(メ
タ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メ
タ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラ(メ
タ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリオキシ
エチル(メタ)アクリレ−ト、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレ−トトリ(メタ)アクリレ−ト等
の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
トの添加量が5〜30重量%の範囲内の値であることを
必要とする。この理由は、添加量が5重量%未満となる
と、硬化性組成物を硬化させた時に、得られる硬化物の
耐擦傷性が不十分になる場合があるためであり、一方、
添加量が30重量%を超えると、硬化性組成物の塗布、
乾燥時に製膜性が不十分になる場合があるためである。
また、上記の理由により、多官能(メタ)アクリレート
の添加量を5〜30重量%の範囲内の値とするのがより
好ましく、8〜28重量%の範囲内の値とするのがより
好ましい。
は、両者とも硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の
耐擦傷性および硬度を高めるために用いられるが、両者
を併用することが必要である。化合物(B)および化合
物(C)の添加理由としては、それぞれ、硬化膜に適度
な弾性を付与し、耐擦傷性および硬度を高めるため、弾
性率を付与し硬度を高めるためであり、双方の特性を最
大限発揮させるためには、請求項記載の化合物(B)、
化合物(C)の添加量が好ましい。
る。 (1)光重合開始剤 光重合開始剤の例としては、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズ
アルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニ
ルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、
4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベン
ゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4
−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジ
エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4
−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパ
ン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシ
ベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィ
ンオキシド等の一種単独または二種以上の組み合わせが
挙げられる。
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル
−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリ
ノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−
ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルホスフィンオキシドが好ましい。ただし、本発明の硬
化性組成物をより確実に硬化させることができることか
ら、光重合開始剤としては、少なくとも1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトンを含んでいることが特に
好ましい。また、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトンの含有量は1〜5重量%が好ましい。
0.5〜10重量%の範囲内の値であることを必要とす
る。この理由は、添加量が0.5重量%未満となると、
硬化組成組成物の硬化が不十分となる場合があるためで
ある。一方、添加量10重量%を超えると、光重合開始
剤自身が可塑剤として働き、硬化物の硬度が低下する場
合があるためである。また、上記の理由により、光重合
開始剤の添加量を0.5〜8重量%の範囲内の値とする
のが好ましく、0.5〜5重量%の範囲内の値とするの
がより好ましい。
状ATO 表面処理された針状ATOは、上記の針状ATOをカッ
プリング剤等の表面処理剤を用いて表面処理したもので
ある。表面処理を施すと、分散性がより向上する。ここ
で、表面処理とは、針状アンチモン酸化錫と表面処理剤
とを混合することにより表面を改質する操作を意味する
ものであり、その方法としては、物理吸着、化学結合を
形成する反応のいずれを用いてもよいが、表面処理の効
果の観点から、化学結合を形成する反応がより好まし
い。なお、表面処理された針状ATO中の針状ATOの
含有量は、全固形分中において、40〜80重量%であ
る。
リング剤の例として以下の処理剤が挙げられる。 (i)重合性不飽和基を有する有機化合物 針状ATOと結合させる重合性不飽和基を有する有機化
合物としては、分子内にウレタン結合[−O−C(=
O)NH−]やチオウレタン結合[−S−C(=O)N
H−]、および不飽和二重結合とを有するアルコキシシ
ラン化合物が好ましい。具体例としては、例えば、下記
式(2)に示す化合物を挙げることができる。
っていてもよいが、水素原子又はC 1〜C8のアルキル
基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル
基等を挙げることができる。ここで、pは、1〜3の整
数である。
れる基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリ
エトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジ
メトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げ
ることができる。このような基のうち、トリメトキシシ
リル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。R
6は、C1からC12の脂肪族又は芳香族構造を有する
2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含
んでいてもよい。また、R7は、2価の有機基であり、
通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76か
ら500の2価の有機基の中から選ばれる。R8は、
(q+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐
状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中か
ら選ばれる。Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架
橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有
機基を示す。また、qは、好ましくは、1〜20の整数
であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ま
しくは、1〜5の整数である。
る有機化合物の合成は、例えば、特開平9−10011
1号公報に記載された方法を用いることができる。より
具体的には、水酸基含有(メタ)アクリレート、アルコ
キシシラン、およびジイソシアネートを反応させること
により得られる。
ートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリ
レートモノステアレート、イソシアヌル酸EO変性ジ
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)
アクリレート、等を好適に用いることができる。水酸基
含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例
えば、日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD D
PHA、PET−30、東亞合成(株)製 商品名 ア
ロニックス M−215、M−233、M−305、M
−400等として入手することができる。
ソシアネートと反応する官能基を有するものであれば特
に制限されるものではなく、例えば、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチ
ルシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシ
ラン等のチオール基含有アルコキシシランを好適に用い
ることができる。
記多官能(メタ)アクリレートおよびアルコキシシラン
と反応することが可能なイソシアネート基を有している
ものであれば特に制限されるものではない。このような
例としては、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6
−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイ
ソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、
1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フェニレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネ−
ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、1,6
−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア
−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレー
ト、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネ
−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、リジ
ンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジイソシア
ネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、
2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げることができ
る。これらの中では、2,4−トリレンジイソシアネ−
ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシア
ネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シ
クロヘキサンがより好ましい。なお、上記アルコキシシ
ランおよびジイソシアネートは、それぞれ一種単独また
は二種以上を組み合わせて用いることができる。
は、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン等の分子内に不飽和二重結合を有す
る化合物群、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等
の分子内にエポキシ基を有する化合物群、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン等の分子内にアミノ基を有する化合物群、
γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン等の分子内にメルカ
プト基を有する化合物群、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン等のアルキルシラン類、テトラブトキシシチタン、テ
トラブトキシジルコニウム、テトライソプロポキシアル
ミニウム等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙
げられる。また、これらのカップリング剤の中では、有
機樹脂と共重合もしくは架橋反応する官能基を有するも
のが好ましい。
の添加割合を、針状ATO100重量部に対して、0.
1〜125重量部の範囲内の値とすることが好ましく、
1〜100重量部の範囲内の値とすることがより好まし
く、5〜50重量部の範囲内の値とすることがより好ま
しい。その理由は、表面処理剤の添加割合が0.1重量
部未満の場合には、硬化物の耐擦傷性が不十分になる場
合があるためであり、一方、添加割合が125重量部を
越える場合、硬化物の硬度が不十分になる場合があるた
めである。
の添加量が全固形分中40〜89.5重量%の範囲内の
値で、かつ全固形分中の針状ATOの含有量が40〜8
0重量%の範囲内の値であることが好ましい。上述の好
ましい範囲にするように表面処理された針状ATOの添
加量を調節することが好ましい。
1)または(A−2)〜(D)以外に、有機溶剤を配合
することが好ましい。有機溶剤としては特に制限される
ものではないが、例えば、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセト
ン等のケトン類、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコ
ール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル等のエーテル基含有
アルコール類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等
のヒドロキシエステル類、アセト酢酸エチル、アセト酢
酸メチル、アセト酢酸ブチル等のβ―ケトエステル類、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類からなる群か
ら選択される少なくとも一種の有機溶剤を使用すること
が好ましい。これらの中で、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセ
トン等のケトン類がより好ましい。
が0.5〜75%となるよう添加される。即ち、有機溶
剤の添加量としては、全固形分を100重量部としたと
きに、33.3〜19900重量部の範囲内の値が好ま
しい。この理由は、有機溶剤の添加量が33.3重量部
未満となると、硬化性組成物の粘度が増加して塗布性が
低下する場合があるためであり、一方、19900重量
部を越えると得られる硬化物の膜厚が薄すぎて十分な耐
擦傷性が発現しない場合があるためである。
わない範囲において、光増感剤、重合禁止剤、重合開始
助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填
剤、顔料、染料等の添加剤をさらに含有させてもよい。
は(A−2))〜(D)、及び有機溶剤と、必要に応じ
て添加剤をそれぞれ添加して、室温または加熱条件下で
混合することにより調製することができる。具体的に
は、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混
合機を用いて、調製することができる。ただし、加熱条
件下で混合する場合には、重合開始剤の分解開始温度以
下で行うことが好ましい。また、1μm以下の薄膜を形
成する場合、必要に応じて塗布前に本硬化性組成物を有
機溶剤で希釈し、塗布してもよい。
ではないが、例えば放射線を用いた場合、露光量を0.
01〜10J/cm2の範囲内の値とするのが好まし
い。この理由は、露光量が0.01J/cm2未満とな
ると、硬化不良が生じる場合があるためであり、一方、
露光量が10J/cm2を超えると、硬化時間が過度に
長くなる場合があるためである。また、上記の理由によ
り、露光量を0.1〜5J/cm2の範囲内の値とする
のがより好ましく、0.3〜3J/cm2の範囲内の値
とするのがより好ましい。
等に優れ、反射防止膜、防汚膜、撥水膜、電子部品、光
学部品、包装容器、または帯電防止膜の一部品として使
用できる。
本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるもので
はない。
調製 針状アンチモン含有酸化錫微粉末(石原テクノ(株)製
FS−12P)300重量部をメチルエチルケトン
(以下、MEKと略記する。)700重量部に添加し、
ガラスビーズにて10時間分散を行い、ガラスビーズを
除去してMEK針状アンチモン含有酸化錫ゾル(以下、
針状ATOゾルと称する場合がある。)950重量部を
得た。ここで、得られた針状ATOゾル2gをアルミ皿
上で秤量し、120℃のホットプレート上で1時間乾燥
して全固形分濃度を求めたところ、30重量%であっ
た。
SN−102P)300重量部をMEK700重量部
に添加し、ガラスビーズにて10時間分散を行い、ガラ
スビーズを除去してMEK球状アンチモン含有酸化錫ゾ
ル(以下、球状ATOゾルと称する場合がある。)95
0重量部を得た。ここで、得られた球状ATOゾル2g
をアルミ皿上に秤量し、120℃のホットプレート上で
1時間乾燥して全固形分濃度を求めたところ、30重量
%であった。
性)針状アンチモン含有酸化錫(化合物(A−2))ゾ
ルの調製 (2−1)重合性不飽和基を有する有機化合物の合成 攪拌機付きの容器内のメルカプトプロピルトリメトキシ
シラン7.8gおよびジブチルスズジラウレート0.2
gの混合溶液に、イソホロンジイソシアネート20.6
gを、乾燥空気中、50℃で1時間かけて滴下した後、
さらに60℃で3時間攪拌した。続いて、この反応溶液
中にペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化
学工業(株)製 商品名 NKエステル A−TMM−
3L) 71.4gを30℃で1時間かけて滴下した
後、さらに60℃で3時間攪拌して反応液を得た。この
反応液中の生成物、すなわち、重合性不飽和基を有する
有機化合物における残存イソシアネート量をFT−IR
で測定したところ、0.1重量%以下であり、各反応が
ほぼ定量的に行われたことを確認した。また、分子内
に、チオウレタン結合と、ウレタン結合と、アルコキシ
シリル基と、重合性不飽和基とを有することを確認し
た。
錫ゾルの合成 攪拌機付きの容器内に、針状アンチモン含有酸化錫分散
液(石原テクノ(株)製、FSS−10M、分散溶媒:
MEK、全固形分濃度30重量%)95g、(2−1)
で得られた重合性不飽和基を有する有機化合物4.0
g、蒸留水0.1gおよびp−ヒドロキシフェニルモノ
メチルエーテル0.01gを混合し、65℃で、加熱攪
拌した。5時間後、この混合物にオルト蟻酸メチルエス
テル0.7gを添加してさらに1時間加熱し、反応性針
状アンチモン含有酸化錫ゾル(以下、反応性針状ATO
ゾルと称する場合がある。)を得た。ここで、得られた
反応性針状ATOゾル2gをアルミ皿上に秤量し、12
0℃のホットプレート上で1時間乾燥して全固形分濃度
を求めたところ、33重量%であった。また、この反応
性針状ATOゾル2gを磁性るつぼに秤量し、80℃の
ホットプレート上で30分予備乾燥した後、750℃の
マッフル炉中で1時間焼成を行ない、得られた無機残渣
量、および全固形分濃度から全固形分中の無機含量を求
めたところ、79重量%であった。なお、この測定法に
よる無機含量が、全固形分中のATOの含有量に相当す
る。
ートの反応物(化合物(B))および多官能(メタ)ア
クリレート(化合物(C))の混合物の合成(その1) 乾燥空気中、ヘキサメチレンジイソシアネート6.0g
およびジブチルスズジラウレート0.02gの混合溶液
に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(水酸
基含有多官能(メタ)アクリレート)(日本化薬(株)
製 商品名KAYARAD DPHA ジペンタエリス
リトールペンタアクリレート/ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート(以下、C−1と称する。)=4/
6)94.0gを20℃で1時間かけて滴下した後、室
温下で1時間攪拌し、さらに60℃で3時間加熱攪拌す
ることにより、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ートとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物(以
下、B−1と称する。)およびC−1の混合物(以下、
M−1と称する。)を得た。ここで、反応液中の残存イ
ソシアネ−ト量を分析したところ、その残量は0.1重
量%以下であり、反応がほぼ定量的に行なわれたことを
確認した。また、M−1中のB−1含有量を、原料の仕
込み比より求めたところ44%であった。
ートの反応物(化合物(B))および多官能(メタ)ア
クリレート(化合物(C))の混合物の合成(その2) 乾燥空気中、ペンタエリスリトールトリアクリレート
(水酸基含有多官能(メタ)アクリレート)(新中村化
学工業(株)製 商品名 NKエステル A−TMM−
3L ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート(以下、C−2と称
する。)=6/4)40.9gおよびイソホロンジイソ
シアネート18.3gの混合溶液に、ジブチルスズジラ
ウレート0.1gを添加し、室温下で1時間攪拌した
後、さらに50℃で3時間攪拌した。さらに、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート40.9gを1時間かけ
て滴下した後、60℃で3時間加熱攪拌することによ
り、ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロ
ンジイソシアネートとの反応物(以下、B−2と称す
る。)およびC−2の混合物(以下、M−2と称す
る。)を得た。ここで、反応液中の残存イソシアネ−ト
量を分析したところ、その残量は0.1重量%以下であ
り、反応がほぼ定量的に行なわれたことを確認した。ま
た、M−2中のB−2含有量を、原料の仕込み比より求
めたところ67%であった。
の調製例を実施例1〜5および比較例1〜5に示す。 (実施例1)紫外線を遮蔽した容器中に、表1に示すと
おり、製造例1で調製した針状ATO(A−1)ゾル1
90g(針状ATO微粒子として57.0g)、製造例
3で調製した混合物(M−1)28.9g(B−1とし
て12.7g、C−1として16.2g)、製造例4で
調製した混合物(M−2)10.6g(B−2として
7.1g、C−2として3.5g)、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン(以下、D−1と称す
る。)3.5gおよびMEK37gをそれぞれ加え、5
0℃で2時間攪拌して均一な溶液の硬化性組成物を得
た。この硬化性組成物中の全固形分濃度、および全固形
分中の無機含量を、製造例1および2と同様に測定した
ところ、それぞれ37重量%、57重量%であった。
5重量%になるまでメチルイソブチルケトンで希釈した
後、ワイヤーバーコータ(#6)を用いて、片面易接着
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムA41
00(東洋紡績(株)製、膜厚188μm)の易接着処
理面、又は未処理面に硬化性組成物の希釈液を塗工し、
オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。
次いで、窒素下、高圧水銀ランプを用いて、0.3J/
cm2の光照射条件でこの塗膜を紫外線硬化させること
により、膜厚0.1μmの硬化物層を形成した。但し、
実施例3、および比較例2の硬化性組成物はメチルイソ
ブチルケトンで希釈することなく塗工した。
ルまたは反応性針状ATOゾル、および化合物(B)〜
(D)を表1に示す配合量に従って加えた他は、実施例
1と同様に硬化性組成物を調製した。ただし、実施例4
では、化合物(B)および化合物(C)については、混
合物(M−2)を加え、さらにトリメチロールプロパン
トリアクリレート(以下、C−3と称する。)を加え
た。実施例6では実施例1と同様に各化合物を混合した
後、ロータリーエバポレーターを用いて全固形分濃度が
52重量%になるまで濃縮し硬化性組成物を得た。ま
た、実施例1と同様に硬化性組成物中の全固形分濃度、
および全固形分中の無機含量を測定した。さらに、これ
らの硬化性組成物を実施例1と同様に硬化させて硬化物
を得た。
ルまたは針状ATOゾル、および化合物(B)〜(D)
を表1に示す配合量に従って加えた他は、実施例1と同
様に比較例1〜2、および比較例4〜6の各硬化性組成
物を調製した。また、比較例3は、実施例6と同様に濃
縮し硬化性組成物を得た。また、実施例1と同様に硬化
性組成物中の全固形分濃度、および全固形分中の無機含
量を測定した。さらに、これらの硬化性組成物を実施例
1と同様に硬化させて硬化物を得た。ここで、比較例1
〜4は、硬化性組成物中の化合物(A−1)を針状AT
Oから球状ATOに変えた例であり、比較例5は化合物
(A−1)および(B)、および比較例6は化合物
(D)が、それぞれ本発明の範囲外の値となっている例
である。
〜6で得られた硬化物における表面抵抗を下記に示す測
定法により測定した。また、得られた硬化物の密着性、
QUV後密着性および耐擦傷性を以下の基準で評価し
た。
を、ハイレジスタンスメーター(ヒューレット・パッカ
ード社製 HP4339)を用い、主電極径26mm
Φ、印加電圧100Vの条件で測定した。得られた結果
を表1に示す。
球状ATOの含有量と、硬化物の表面抵抗との関係を示
すために、以下の表面抵抗値を図1に示した。 40.0重量%の針状ATOを含む硬化物(実施例6) 49.9重量%の針状ATOを含む硬化物(実施例3) 57.0重量%の針状ATOを含む硬化物(実施例1) 74.9重量%の針状ATOを含む硬化物(実施例2) 40.0重量%の球状ATOを含む硬化物(比較例3) 49.9重量%の球状ATOを含む硬化物(比較例2) 57.0重量%の球状ATOを含む硬化物(比較例1) 74.9重量%の球状ATOを含む硬化物(比較例4)
IS K5400における碁盤目セロハンテ−プ剥離試
験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤目における残
膜率(%)で評価した。さらに、硬化物フィルムに対し
てQUV促進耐候試験機(Q−Panel社製)を用い
て150時間紫外線を照射した後、同様に密着性を評価
した。得られた結果を表1に示す。
00スチールウールにより、荷重40g/cm2の条件
で10回こすり、硬化物の耐擦傷性を以下の基準から目
視にて評価した。得られた結果を表1に示す。 評価5:傷の発生が全く観察されなかった。 評価4:1〜5本の傷の発生が観察された。 評価3:6〜50本の傷の発生が観察された。 評価2:51〜100本の傷の発生が観察された。 評価1:塗膜剥離が観察された。 なお、評価3以上の耐擦傷性であれば、実用上許容範囲
であり、評価4以上の耐擦傷性であれば実用上の耐久性
が優れていることから好ましく、評価5の耐擦傷性であ
れば、実用上の耐久性が著しく向上することからさらに
好ましいといえる。
る。 B−1:製造例3で合成した水酸基含有多官能(メタ)
アクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとの反
応物 B−2:製造例4で合成した水酸基含有多官能(メタ)
アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物 C−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート C−2:ペンタエリスリトールテトラアクリレート C−3:トリメチロールプロパントリアクリレート D−1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン D−2:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルホリノ−1−プロパノン MEK:メチルエチルケトン MIBK:メチルイソブチルケトン
によれば、針状ATOを含有することにより、反射防止
膜用材料等として好適であり、また、硬化後には帯電防
止性、耐擦傷性および透明性等に優れる硬化性組成物、
およびその硬化物を提供することが可能となった。
物の表面抵抗との関係を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 全固形分中に、下記化合物(A−1)〜
(D)を含有し、全固形分濃度が0.5〜75%である
ことを特徴とする有機溶剤系硬化性組成物。 (A−1) 40〜80重量%の針状アンチモン含有酸化錫 (B) 5〜40重量%の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとジイソ シアネートの反応物 (C) 5〜30重量%の多官能(メタ)アクリレート (D) 0.5〜10重量%の光重合開始剤 - 【請求項2】 全固形分中に、下記化合物(A−2)〜
(D)を含有し、全固形分中の針状アンチモン含有酸化
錫の含有量が40〜80重量%であり、全固形分濃度が
0.5〜75%であることを特徴とする有機溶剤系硬化
性組成物。 (A−2) 40〜89.5重量%の表面処理された針状アンチモン含有酸化錫 (B) 5〜40重量%の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとジイソ シアネートの反応物 (C) 5〜30重量%の多官能(メタ)アクリレート (D) 0.5〜10重量%の光重合開始剤 - 【請求項3】 前記表面処理が、前記針状アンチモン含
有酸化錫と、重合性不飽和基と有する有機化合物とを結
合させることを特徴とする請求項2に記載の硬化性組成
物。 - 【請求項4】 前記化合物(D)が、少なくとも1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含むことを特
徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組
成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬
化性組成物を硬化してなる硬化物。
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