JP2002293689A - 原料シリコンの融解方法 - Google Patents

原料シリコンの融解方法

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JP2002293689A JP2001105590A JP2001105590A JP2002293689A JP 2002293689 A JP2002293689 A JP 2002293689A JP 2001105590 A JP2001105590 A JP 2001105590A JP 2001105590 A JP2001105590 A JP 2001105590A JP 2002293689 A JP2002293689 A JP 2002293689A
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Yasuhiko Eguchi
靖彦 江口
Eiichiro Kotoura
栄一郎 琴浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CZ法によって単結晶引上げを行う際に、塊
状又は粒状の原料シリコンをるつぼ内で融解をするにあ
たって、原料シリコン融解時における液ハネを防止する
ことができる原料シリコンの融解方法を提供する。 【解決手段】 るつぼ16の円筒部16aにおいて、塊
状又は粒状の原料シリコン12を充填して一般原料層を
形成してから、当該一般原料層の上に板状の原料シリコ
ン21からなる板状原料層を形成し、更に当該板状原料
層の上に一般原料層を形成していくという工程を含むよ
うな原料シリコンの充填方法をとる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CZ法(チョクラ
ルスキー法)によって単結晶引上げを行うにあたり、原
料シリコンをるつぼ内で融解する方法に関し、詳しく
は、原料シリコン融解時における液ハネを防止すること
ができ、ひいては、液ハネに起因する単結晶の多結晶化
を抑制し、単結晶歩留まりを向上させることが可能な融
解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CZ法は、塊状又は粒状の原料シリコン
をるつぼ内で加熱融解して原料融液とし、当該原料融液
に浸した種結晶を当該種結晶又はるつぼを回転させなが
ら上方に引上げて単結晶インゴットを作製する方法であ
る。CZ法は、大口径で、均質かつ高品質の単結晶を連
続的に作製することができるため、工業的な単結晶イン
ゴット作製法として最も多く利用されている。
【0003】しかしながら、CZ法は、単結晶の引上げ
時において、原料融液の液ハネに起因する単結晶の多結
晶化(しばしば「ポリ不良」と称される)が発生するお
それがあるという問題があった。
【0004】この多結晶化は、原料シリコンの融解時に
おいて液ハネの飛沫が引上げ装置内に付着し、当該飛沫
が、引上げ中の単結晶の表面または成長界面に落下し、
付着することによって当該付着部分から下方の引上げ部
分が多結晶化してしまう不良であり、単結晶の歩留まり
を低下させる点において好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、原
料シリコン融解時における液ハネを防止すること、ひい
ては、液ハネに起因する単結晶の多結晶化を抑制し、単
結晶歩留まりを向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、原料シリ
コンをるつぼ内に充填をする方法に工夫を加えることに
よって液ハネを防止することができ、ひいては、液ハネ
による単結晶の多結晶化が抑制され、単結晶歩留まりの
向上が可能となることを見出して、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明は、既述の課題を解決す
るために、塊状又は粒状の原料シリコンをるつぼ内に充
填をする際に、板状原料からなる板状原料層を介在させ
たものであり、これによって、原料シリコン融解時にお
ける液ハネを防止したものである。
【0008】本発明は、より具体的には以下のようなも
のを提供する。
【0009】(1) CZ法によって単結晶引上げを行
う際に、塊状又は粒状の原料シリコンをるつぼ内に充填
をするにあたって、るつぼの円筒部において、塊状又は
粒状の原料シリコンを充填して一般原料層を形成してか
ら、当該一般原料層の上に板状の原料シリコンからなる
板状原料層を形成し、更に当該板状原料層の上に一般原
料層を形成していくという工程を含むことを特徴とする
原料シリコンの充填方法。
【0010】本発明においては板状の原料シリコンから
なる板状原料層を、るつぼの円筒部に配置する。板状原
料層を設けることによって原料融液の液ハネを封じ込め
ることができ、単結晶の多結晶化の抑制、ひいては単結
晶歩留まりの向上が可能となる。
【0011】本明細書で言う「板状の原料シリコン」の
「板状」とは、その上に一般的なナゲット状シリコンが
載ることが可能なように二次元方向の広がりを有してい
る一般的な形状を意味し、いわゆる平板状のみならず、
例えば曲面を備える曲面状のもの等も含まれる。このよ
うな形状のものも液ハネを封じ込めることが可能であ
り、本発明の効果を得ることができるからである。
【0012】上記「板状の原料シリコン」は1枚乃至複
数枚で板状原料層を形成することによって液ハネを封じ
込めるものである。板状原料層は、少なくとも一層あれ
ば足りるが、複数層あることが好ましい。いずれの場合
でも、当該板状原料層と塊状又は粒状の原料シリコンか
らなる一般原料層とが、交互に積層された状態でるつぼ
内に充填されることになる。
【0013】なお、「板状原料層」は必ずしも全体が平
坦となるように形成する必要はなく、例えば中央部が落
ち込むようなすり鉢状に形成してもよい。「板状原料
層」をすり鉢状に形成すると、最上層となる一般原料層
を山積し易いという利点がある。
【0014】「原料シリコン」とは、一般的にその融液
が単結晶製造用の原料となるものを広く包含する意味で
ある。即ち、原料シリコンは、多結晶であると単結晶で
あるとを問わない。但し、単結晶のうち既にドーパント
が含まれているものについては、引き上げるべき単結晶
(製品)との関係でドーパントの種類や量を適宜選択す
べき点に留意する必要がある。
【0015】「塊状」とは、通常、原料シリコンに用い
られるナゲット状のもの(こぶし大程度)、或いはこれ
より大きいブロック状のものを意味する。「粒状」と
は、前記「塊状」のものより細かい小片状のもの(平均
粒径15mm程度)を意味する。
【0016】(2) 前記板状の原料シリコンが、筒状
の多結晶シリコンから切り出された円盤体または短冊体
のものである上記(1)に記載の充填方法。
【0017】「原料シリコン」は、既述の如く、多結晶
であっても単結晶であってもよい。例えば、円筒状の多
結晶体を用いる場合であれば、中心軸と垂直方向にスラ
イスすることにより円盤体のものを得ることができ、軸
と水平方向にスライスすることにより短冊体を得ること
ができる。円盤体のサイズは直径が約70〜150mm
φのもの、短冊体のサイズは長辺が約100〜150m
mで、短辺が約50〜150mmのものが好ましい。
【0018】(3) 前記板状の原料シリコンの厚さが
2から20mmの範囲内である上記(1)又は(2)に
記載の充填方法。
【0019】本発明においては、板状原料層の上面に、
更に、一般原料層を積層・充填する方法をとる。従っ
て、「板状の原料シリコン」の破損を防止するべく、そ
の厚さを2から20mmの範囲内とすることが好まし
い。即ち、通常のウェハの厚み(約0.5〜0.8mm
程度)では薄過ぎるため、破損のおそれがある。
【0020】(4) 前記板状原料層の上下に、粒状の
原料シリコンを充填する上記(1)〜(3)のいずれか
に記載の充填方法。
【0021】板状の原料シリコンを使用すると、板状の
原料シリコンの近傍、即ち、板状の原料シリコンと塊状
の原料シリコンとの境界面で空隙を生じ、るつぼ内にお
ける原料シリコンの充填率が低下する難点がある。かか
る難点は、板状の原料シリコンの近傍に粒状の原料シリ
コンを充填することにより回避可能である。粒状の原料
シリコンが前記空隙を埋めるからである。
【0022】(5) CZ法によって単結晶引上げを行
う際に、塊状又は粒状の原料シリコンをるつぼ内で融解
をするにあたって、上記(1)〜(4)のいずれかに記
載の充填方法によって前記るつぼ内に原料シリコンの充
填を行った後、当該るつぼをその側方及び/又は下方か
ら加熱して原料シリコンを融解することを特徴とする原
料シリコンの融解方法。
【0023】ここで、以下のような方法も本発明の範囲
に含まれる。
【0024】(6) 原料シリコンがCZ法単結晶引上
げ装置に使用されるるつぼ内に積層された積層体であっ
て、前記るつぼの円筒部において、塊状又は粒状の原料
シリコンからなる一般原料層と、板状の原料シリコンか
らなる板状原料層と、が交互に積層された積層部分を有
する原料シリコンの積層体。
【0025】本発明は、別の側面から見れば、下記のよ
うなものと捉えることもできる。
【0026】(7) CZ法によって単結晶引上げを行
う際に、塊状又は粒状の原料シリコンをるつぼ内に充填
をするにあたって、前記るつぼの円筒部に板状の原料か
らなる板状原料層を形成しつつ塊状又は粒状の原料を充
填することにより、原料シリコン融解時の液ハネが防止
されるようにする方法。
【0027】(8) 原料シリコンが充填されたCZ法
単結晶引上げ装置に使用されるるつぼ内における液ハネ
防止用部材としての板状の原料シリコンの使用。
【0028】
【発明を実施するための形態】以下、本発明の実施形態
を図面に基づいて説明する。
【0029】図1は本発明の充填方法の第1の実施態様
を示す工程図である。
【0030】CZ法単結晶引上げ装置に使用されるるつ
ぼは、図2に示す如く、開口端面から連続する中空の円
筒部16aと、当該円筒部16a縁端のRが始まる部分
から下側の曲面状に構成された底面R部16bと、から
なる。
【0031】図2(a)に示す如くるつぼ16内に塊状
又は粒状の原料シリコン12を充填し加熱すると、図2
(b)に示す如くるつぼ16の底面R部16bから融解
が開始され、るつぼ16の底面R部16bに原料シリコ
ン12によるブリッジ13が形成される。更に融解が進
行すると、図2(c)に示す如く当該ブリッジ13の一
部が崩落することにより、塊状又は粒状の原料シリコン
12が原料融液17中に落下して液ハネ20が発生す
る。
【0032】なお、るつぼの底面R部から融解が開始さ
れるのは、一般に加熱用ヒータはるつぼの側方乃至下方
に配置されるところ当該部分が融解し易い一方、るつぼ
の上方は放熱があるために融解が進行し難いためであ
る。
【0033】以上のような現象を考慮し、本発明におい
ては、るつぼの底面R部より上方、即ち、るつぼの円筒
部に板状原料層を配置し、当該板状原料層によって液ハ
ネを封じ込めることとした。このような構成によれば、
たとえブリッジが崩落しても液ハネの飛沫がるつぼ外部
に飛散することはなく、単結晶引上げ時に落下すること
もなくなるため、単結晶の多結晶化が抑制され、ひいて
は単結晶歩留まりの向上が可能となる。一方、板状原料
層をるつぼの底面R部に配置した場合には、板状原料層
が一般原料層とともに融解してしまうため、液ハネを封
じ込める効果が得られなくなる。
【0034】第1の実施態様では、まず、図1(a)に
示す如くるつぼ16の円筒部16aの任意の位置まで、
塊状又は粒状の原料シリコン12を充填して一般原料層
を形成する(第1層)。塊状又は粒状の原料シリコン1
2としては、通常、原料シリコンに用いられるナゲット
状のものを使用する。
【0035】次いで、図1(b)に示す如く前記一般原
料層の上に、板状の原料シリコン21からなる板状原料
層を形成する(第2層)。この際、板状原料層は、板状
の原料シリコン21のるつぼ16外への滑落を防止する
ため、るつぼ16の開口端面より下方に配置する。
【0036】原料シリコンの融解は、生産効率を向上さ
せることを目的として、るつぼ16の開口端面を超えて
原料シリコン12を山積することが一般的である。この
ような場合に、板状の原料シリコン21を一般原料層の
最上部に配置しようとすると、るつぼ16外に滑落する
おそれがある。板状原料層をるつぼ16の開口端面より
下方に配置すれば、板状の原料シリコン21はるつぼ1
6の開口部縁端で係止され、るつぼ16外に滑落するこ
とはない。
【0037】板状の原料シリコン21としては、筒状の
多結晶体から切り出された円盤体のものを使用する。円
盤体は、円筒状の多結晶体を中心軸と垂直方向にスライ
スすることによって得る。
【0038】更に、図1(c)に示す如く当該板状原料
層の上に、一般原料層を形成する(第3層)。塊状又は
粒状の原料シリコン12は、第1層と同様のナゲット状
のものを用いる。この際、生産効率を向上させるため、
るつぼ16の開口端面を超えて塊状又は粒状の原料シリ
コン12を山積する。
【0039】図3は本発明の充填方法の第2の実施態様
を示す工程図である。
【0040】まず、第1の実施態様と同様に、図3
(a)に示す如くるつぼ16の円筒部16aの任意の位
置まで、塊状又は粒状の原料シリコン12を充填して一
般原料層を形成し(第1層)、当該一般原料層の上に、
板状の原料シリコン21からなる板状原料層を形成する
(第2層)。
【0041】同様にして、図3(b)に示す如く当該板
状原料層の上に、一般原料層を形成し(第3層)、当該
一般原料層の上に、板状原料層を形成する(第4層)。
この際、第4層を形成する板状の原料シリコン21は、
第1の実施態様と同様に、るつぼ16の開口端面より下
方に配置する。
【0042】更に、図3(c)に示す如く当該板状原料
層の上に、一般原料層を形成する(第5層)。この際、
第1の実施態様と同様に、るつぼ16の開口端面を超え
て塊状又は粒状の原料シリコン12を山積する。
【0043】図4は本発明の充填方法の第3の実施態様
を示す工程図である。
【0044】まず、第1の実施態様と同様に、図4
(a)に示す如くるつぼ16の円筒部16aの任意の位
置まで、塊状又は粒状の原料シリコン12を充填して一
般原料層を形成する(第1層)。
【0045】次いで、図4(b)に示す如く当該一般原
料層の上に、板状の原料シリコン21からなる板状原料
層を形成する(第2層)。この際、第2層は、板状の原
料シリコン21を2層に重層して構成する。即ち、板状
の原料シリコン21が互いに重なり合うようにして、当
該層より下方に存する塊状又は粒状の原料シリコン12
がより被覆されるように配置する。液ハネを封じ込める
効果を向上させるためには、板状原料層は、可能な限
り、当該層より下方に存する塊状又は粒状の原料シリコ
ン12を被覆するように配置することが好ましいからで
ある。
【0046】最後に、第1の実施態様と同様に、図4
(c)に示す如く当該板状原料層の上に、一般原料層を
形成する(第3層)。
【0047】次に、本発明の充填方法の第4の実施態様
について説明する。
【0048】まず、第1の実施態様と同様に、るつぼの
円筒部の任意の位置まで、塊状又は粒状の原料シリコン
を充填して一般原料層を形成し(第1層)、当該一般原
料層の上に、粒状の原料シリコンを充填する。
【0049】この際、粒状の原料シリコンは板状の原料
シリコンとの接触面ができる限り平坦となるように充填
する。このようにすることで、板状原料層と一般原料層
との間の空隙が埋められ、るつぼ内の原料シリコンの充
填率が向上する。
【0050】次いで、粒状の原料シリコンの上面に、板
状原料層を積層し(第2層)、当該板状原料層の上に、
再び、粒状の原料シリコンを充填する。この際も、粒状
の原料シリコンは板状の原料シリコンとの接触面ができ
る限り平坦となるように充填する。
【0051】最後に、当該粒状の原料シリコンの上面
に、一般原料層を積層する(第3層)。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。本実施例は、図5に示すCZ法単結晶引上げ装置
を用いて行った。まず、図5に示すCZ法単結晶引上げ
装置について概説する。
【0053】図5に示すCZ法単結晶引上げ装置は、通
常のCZ法単結晶引上げ装置と同様に、密閉容器たるチ
ャンバ11内に、シリコン融液17の製造・貯蔵のため
のるつぼ16と、このるつぼ16を加熱するためのヒー
タ18と、を備えている。そして、この他にも適宜、通
常のCZ法単結晶引上げ装置と同様に、ヒータ18に電
力を供給する電極、るつぼ16を支持するるつぼ受け、
るつぼ16を回転させるペディスタル14、断熱材1
9、メルトレシーブ、内筒などが備え付けられる。ま
た、この装置には、シリコン融液17及びヒータ18か
ら引上げ単結晶24への熱の輻射を遮蔽するための熱遮
蔽体23と、この熱遮蔽体23の内側に配置されたクー
ラーと、が備え付けられている。
【0054】このようなCZ法単結晶引上げ装置は、通
常のCZ法単結晶引上げ装置と同様に、引上げ単結晶2
4とるつぼ16が逆方向に回転しながら単結晶の引上げ
が行われる。ここで、るつぼ16は、るつぼ16の下部
に設けられている図示しないリフタによってるつぼ16
が上下に移動する。るつぼ16の上下移動は、特に断わ
らない場合には、シリコン単結晶インゴットの引き上げ
に伴うシリコン融液液面の下降に応じてるつぼ16が上
昇する、というような形態で行われる。
【0055】本実施例においては、図5に示すCZ法単
結晶引上げ装置を用いて実際に原料シリコンの融解を行
い、この際、熱遮蔽体23に付着する液ハネの飛沫をカ
ウントすることにより液ハネの防止効果を評価した。
【0056】(実施例1)実施例1として、板状原料層
を1層形成した例を示す。
【0057】まず、るつぼの円筒部の開口端面から15
mm低い位置まで、ナゲット状(こぶし大)の原料シリ
コンを充填して一般原料層を形成し(第1層)、その上
面ができる限り平坦となるように、粒状(粒径約2〜1
5mm程度)の原料シリコンを充填した。
【0058】次いで、図6(a)に示す如く前記粒状の
原料シリコンの上面に、多結晶シリコンの円筒体から切
り出した、直径130mmφ、厚さ10mmの円盤体2
2を8枚載置して、板状原料層を積層した(第2層)。
そして、その上面ができる限り平坦となるように、粒状
の原料シリコンを充填した。
【0059】更に、粒状の原料シリコンの上面に、第1
層と同様のナゲット状の原料シリコンを積層して一般原
料層を形成した(第3層)。この際、生産効率を向上さ
せるため、るつぼの開口端面を超えてナゲット状の原料
シリコンを山積した。
【0060】(実施例2)実施例2として、板状原料層
を2層形成した例を示す。
【0061】実施例2では、実施例1と同様の構成にお
いて、るつぼの円筒部の開口端面から30mm低い位
置、開口端面から15mm低い位置の2箇所に板状原料
層を形成した。
【0062】(実施例3)実施例3として、板状原料層
を3層形成した例を示す。
【0063】実施例3では、実施例1と同様の構成にお
いて、るつぼの円筒部の開口端面から175mm低い位
置、開口端面から100mm低い位置、開口端面から1
5mm低い位置の3箇所に板状原料層を形成した。
【0064】(実施例4)実施例4として、1層の板状
原料層を、円盤体を重層して構成した例を示す。
【0065】実施例4では、実施例1と同様の構成にお
いて、板状原料層を形成する際に、図6(b)に示す如
く多結晶シリコンの円筒体から切り出した、直径130
mmφ、厚さ5mmの円盤体22を8枚載置した後、当
該円盤体22同士の隙間を塞ぐように、更に前記円盤体
22を8枚重層して板状原料層を形成した。
【0066】(比較例1)従来通り、るつぼ内に全てナ
ゲット状(こぶし大)の原料シリコンを充填した例を比
較例1とした。比較例1においても、生産効率を向上さ
せるため、るつぼの開口端面を超えて塊状又は粒状の原
料シリコンを山積した。
【0067】上記実施例1〜4、比較例1の積層体を、
各々のるつぼ16をヒータ18で加熱することにより融
解に供した。その結果、比較例1については熱遮蔽体2
3に直径1〜2mm程度の液ハネの飛沫が15箇所観察
されたが、実施例1〜4のいずれも熱遮蔽体23に付着
する液ハネの飛沫は全く認められず、液ハネが完全に防
止された。
【0068】また、比較例1では、単結晶引上げ時の多
結晶化により4%歩留まりが低下したが、実施例1〜4
では多結晶化が抑制され、実施例1で1%、実施例2で
2.5%、実施例3で3%、実施例4で3.5%の歩留
まりの向上が認められた。即ち、多結晶化が、それぞれ
25%、63%、75%、82%抑制された。
【0069】更に、原料シリコンの融解時間が、比較例
1と比較して、実施例1では90%、実施例2では83
%、実施例3では80%、実施例4では78%に短縮さ
れた。即ち、本発明は液ハネの防止の他、輻射熱の放散
を抑制することによって原料シリコンの融解時間を短縮
する効果をも奏する。当該効果は、板状原料層の数が増
加するほど向上する。
【0070】
【発明の効果】以上のような本発明に係る原料シリコン
の融解方法においては、原料シリコン融解時における液
ハネを防止することが可能となる。従って、液ハネに起
因する単結晶の多結晶化が抑制され、単結晶歩留まりが
向上する。
【0071】また、本発明に係る原料シリコンの融解方
法は、輻射熱の放散が抑制されるため、原料シリコンの
融解時間を短縮する効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る融解方法の一の実施形態を示す
工程図である。
【図2】 従来の融解方法の一の実施形態を示す工程図
である。
【図3】 本発明に係る融解方法の別の実施形態を示す
工程図である。
【図4】 本発明に係る融解方法の更に別の実施形態を
示す工程図である。
【図5】 本発明の実施例にて使用したCZ法単結晶引
上げ装置を示す正面断面図である。
【図6】 本発明の実施例における板状原料層の構成を
説明するための斜視図である。
【符号の説明】
11 チャンバ 12 原料シリコン(塊状又は粒状) 13 ブリッジ 14 ペディスタル 16 るつぼ 16a 円筒部 16b 底面R部 17 シリコン融液 18 ヒータ 19 断熱材 20 液ハネ 21 原料シリコン(板状) 22 円盤体 23 熱遮蔽体 24 引上げ単結晶

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CZ法によって単結晶引上げを行う際
    に、塊状又は粒状の原料シリコンをるつぼ内に充填をす
    るにあたって、 るつぼの円筒部において、塊状又は粒状の原料シリコン
    を充填して一般原料層を形成してから、当該一般原料層
    の上に板状の原料シリコンからなる板状原料層を形成
    し、更に当該板状原料層の上に一般原料層を形成してい
    くという工程を含むことを特徴とする原料シリコンの充
    填方法。
  2. 【請求項2】 前記板状の原料シリコンが、筒状の多結
    晶シリコンから切り出された円盤体または短冊体のもの
    である請求項1に記載の充填方法。
  3. 【請求項3】 前記板状の原料シリコンの厚さが2から
    20mmの範囲内である請求項1又は2に記載の充填方
    法。
  4. 【請求項4】 前記板状原料層の上下に、粒状の原料シ
    リコンを充填する請求項1から3のいずれか一項に記載
    の充填方法。
  5. 【請求項5】 CZ法によって単結晶引上げを行う際
    に、塊状又は粒状の原料シリコンをるつぼ内で融解をす
    るにあたって、 請求項1から4のいずれか一項に記載の充填方法によっ
    て前記るつぼ内に原料シリコンの充填を行った後、当該
    るつぼをその側方及び/又は下方から加熱して原料シリ
    コンを融解することを特徴とする原料シリコンの融解方
    法。
  6. 【請求項6】 原料シリコンがCZ法単結晶引上げ装置
    に使用されるるつぼ内に積層された積層体であって、 前記るつぼの円筒部において、塊状又は粒状の原料シリ
    コンからなる一般原料層と、板状の原料シリコンからな
    る板状原料層と、が交互に積層された積層部分を有する
    原料シリコンの積層体。
  7. 【請求項7】 CZ法によって単結晶引上げを行う際
    に、塊状又は粒状の原料シリコンをるつぼ内に充填をす
    るにあたって、 前記るつぼの円筒部に板状の原料からなる板状原料層を
    形成しつつ塊状又は粒状の原料を充填することにより、
    原料シリコン融解時の液ハネが防止されるようにする方
    法。
  8. 【請求項8】 原料シリコンが充填されたCZ法単結晶
    引上げ装置に使用されるるつぼ内における液ハネ防止用
    部材としての板状の原料シリコンの使用。
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JP2012140285A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Siltronic Japan Corp シリコン単結晶インゴットの製造方法

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