JP2002292996A - インクジェット被記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット被記録媒体及びその製造方法

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JP2002292996A
JP2002292996A JP2001094010A JP2001094010A JP2002292996A JP 2002292996 A JP2002292996 A JP 2002292996A JP 2001094010 A JP2001094010 A JP 2001094010A JP 2001094010 A JP2001094010 A JP 2001094010A JP 2002292996 A JP2002292996 A JP 2002292996A
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ink jet
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Kunio Kasamatsu
久仁雄 笠松
Shigehiko Miyamoto
成彦 宮本
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は高耐光性、高光沢、高インク吸
収性、優れた白紙部耐光性を有するインクジェット被記
録媒体およびその製造方法を提供するものである。 【解決手段】本発明は、支持体上にアルカリ土類金属の
塩とアクリル系樹脂接着剤を含有する下塗り層を設け、
その上に気相法シリカを含有するインク受容層塗工液を
塗工してなるインクジェット被記録媒体において、該イ
ンク受容層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラム
に圧接して鏡面仕上げされてなるものであり、かつ該下
塗り層の接着剤がアクリル系樹脂であることを特徴とす
るインクジェット被記録媒体である。該アルカリ土類金
属の塩がカルシウム又はマグネシウムの炭酸塩で、形状
がウニ状であると好ましい。また、下塗り塗工後に熱カ
レンダー処理を施すことは白紙光沢が向上するので、好
ましい製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット被記
録媒体およびその製造方法に関するものであり、更に詳
しくは支持体上に下塗り層を設け、その上に気相法シリ
カを含有するインク受容層塗工液を塗工してなる高光
沢、高インク吸収性、高耐光性および優れた印字部光沢
感を有するインクジェット被記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の被記録
媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行なうものであ
るが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融
通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字
を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々
の用途において急速に普及している。又、多色インクジ
ェット方式により形成される画像は、製版方式による多
色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色の
ない記録を得ることが可能である。更に、作成部数が少
なくて済む用途においては、写真技術による印画よりも
安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く
応用され、多様化が進んでいる。
【0003】多様化はインクジェット被記録媒体の外観
に対しても展開され、従来からある普通紙やマット紙と
いった光沢のない或いは光沢の低い外観に加え、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、印画紙等に類似の光
沢を有した外観が求められている。これはインクジェッ
ト記録が印刷や写真に匹敵する画像品質を再現できるこ
とにより、外観も類似させたいという要望のためであ
る。
【0004】そこで、表面光沢性を高めたインクジェッ
ト被記録媒体としては、支持体上に樹脂からなるインク
受容層を設けたものが提案されている。こうした用途に
使用される樹脂の例としては、例えば特開昭57−38
185号公報、同62−184879号公報等に開示さ
れているようなポリビニルピロリドン、ビニルピロリド
ン−酢酸ビニル共重合体、特開昭60−168651号
公報、同60−171143号公報、同61−1342
90号公報に開示されているようなポリビニルアルコー
ルを主体とする樹脂組成物、特開昭60−234879
号公報に開示されているようなビニルアルコールとオレ
フィンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重合体、
特開昭61−74879号公報に開示されているような
ポリエチレンオキサイドとイソシアネートとの架橋物、
特開昭61−181679号公報に開示されているよう
なカルボキシメチルセルロースとポリエチレンオキサイ
ドとの混合物、特開昭61−132377号公報に開示
されているようなポリビニルアルコールにメタクリル酸
アミドをグラフト化したポリマー、特開昭62−220
383号公報に開示されているようなカルボキシル基を
有するアクリル系ポリマー、特開平4−214382号
公報等に開示されているようなポリビニルアセタール系
ポリマー、特開平4−282282号公報、同4−28
5650号公報に開示されているような架橋性アクリル
系ポリマー等種々のインク吸収性ポリマーが開示されて
いる。また、特開平4−282282号公報、同4−2
85650号公報等には架橋性ポリマーから構成される
ポリマーマトリックスと吸収性ポリマーとを併用したイ
ンクジェット被記録媒体が開示されている。しかし、こ
れら樹脂からなるインク受容層は、シリカ等の顔料微粒
子からなるインク受容層と比較して、表面光沢性は得ら
れるものの、吸収速度が遅く、また吸収容量が少ないと
いう欠点を有する。
【0005】インク吸収速度が速く、表面光沢性を高め
たインクジェット被記録媒体としては、近年、アルミナ
水和物(カチオン性アルミナ水和物)を用いたインクジ
ェット用被記録媒体が提案されており、例えば特開昭6
0−232990号公報、同60−245588号公
報、特公平3−24906号公報、特開平6−1990
35号公報、同7−82694号公報に、微細な擬ベー
マイト形アルミナ水和物を水溶性接着剤とともに支持体
表面に塗工したインクジェット被記録媒体が開示されて
いる。しかしながら、擬ベーマイト形アルミナ水和物を
用いたインクジェット被記録媒体は、表面光沢性は非常
に高くなるものの、細孔容積が少ないために、例えば特
開平5−24335号公報に記載されているように、単
位塗布量当たりのインク吸収容量が少なく、十分なイン
ク吸収容量を得るためには厚膜塗布が必要である。
【0006】また、気相法シリカを用いて、塗層が湿潤
状態にある間にキャスト仕上げをして得られるキャスト
コート紙が特開平2−113986号公報、特開平9−
286162号公報等に開示されているが、いずれもバ
インダー部数が70重量部以上と多く、インク吸収容量
が少ないという欠点がある。
【0007】一方、用途の多様化に伴い、大判のポスタ
ーやPOPアート、製図用途等に使用されることが多く
なってきている。これら用途では、インクジェットの高
鮮鋭性を生かせ、色彩性も優れていることから良好な画
像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとな
る。これらへの適用には、記録後の印字画像部の鮮鋭性
や色彩性といった画像再現性や色再現性に加えて、印字
画像部および白紙部の耐光性・耐オゾンガス性・酸化性
ガス等の暴露で変色や退色が進み難い被記録媒体が要求
される。
【0008】印字画像部の耐光性を改良する目的では多
くの提案されている。例えば特開昭59−198188
号公報に開示されたように、ポリエチレンイミンの第4
級化合物を内添または塗布し、耐水性、耐光性を改良す
る提案があった。また、特開昭60−049990号公
報にインクジェット用紙表面にポリアルキレンポリアミ
ンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物を塗布する提
案もみられる。更に、ヒンダードアミン系化合物を含有
する記録媒体(特開昭61−146591号公報)やポ
リオキシアルキレン化アミンモノカルボン酸エステルの
4級アンモニウム塩を含有する記録媒体(特開昭61−
284478号公報)等の提案が開示されている。しか
し、白紙部の耐光性については未だ十分な改良検討がな
されてないのが実状であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高光
沢、高インク吸収性、高耐光性および優れた印字部光沢
感を有するインクジェット被記録媒体およびその製造方
法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上にア
ルカリ土類金属の塩と接着剤を含有する下塗り層を設
け、その上に気相法シリカを含有するインク受容層塗工
液を塗工してなるインクジェット被記録媒体において、
該インク受容層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ド
ラムに圧接して鏡面仕上げされてなるものであり、かつ
該下塗り層の接着剤がアクリル系樹脂であることを特徴
とするインクジェット被記録媒体である。
【0011】該アクリル系樹脂がエマルジョン型接着剤
であると好ましい。
【0012】該アルカリ土類金属がカルシウム又はマグ
ネシウムであり、かつ該アルカリ土類金属の塩が炭酸塩
であるとより好ましい。
【0013】該アルカリ土類金属の塩の形状が、ウニ状
であると好ましい。
【0014】気相法シリカを含有するインク受容層塗工
液のpHが5.0以下であるとより好ましい。
【0015】支持体上に、アルカリ土類金属の塩とアク
リル系樹脂を含有する下塗り層を設けた後、熱カレンダ
ー処理を施してから、その上に気相法シリカを含有する
インク受容層塗工液を塗工し、該インク受容層が湿潤状
態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接して鏡面仕上
げすることを特徴とするインクジェット被記録媒体の製
造方法である。
【0016】支持体上に、アルカリ土類金属の塩の粒子
形状がウニ状である炭酸カルシウムとアクリル系樹脂接
着剤を含有する下塗り層を設けた後、熱カレンダー処理
を施してから、その上に気相法シリカを含有するインク
受容層を塗工し、該インク受容層が湿潤状態にある間に
加熱された鏡面ドラムに圧接して鏡面仕上げすることを
特徴とするインクジェット被記録媒体の製造方法であ
る。
【0017】インクジェット被記録媒体の製造方法にお
いて、該インク受容層塗工液のpHが5.0以下である
ことは好ましい態様である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明のインクジェット被
記録媒体及びその製造方法について、詳細に説明する。
【0019】本発明の下塗り層に用いられるアクリル系
樹脂接着剤とはアクリル酸、アクリル酸エステル、アク
リルニトリルもしくはメチルメタクリレートそのほかの
誘導体の重合によって作られる合成樹脂およびそのエマ
ルジョンである。耐光性に優れるアクリル系樹脂接着剤
の使用により接着剤の変色が抑制され、アクリル系樹脂
接着剤を用いたインクジェット被記録媒体の白紙部耐光
性が向上するため好ましく、また透明性が高いことから
印字部光沢感が優れるため好ましい。特にエマルジョン
型アクリル系接着剤は接着強度も優れるため、より好ま
しく用いられる。
【0020】該接着剤はアルカリ土類金属の塩に対して
重量比で0.05倍以上0.7倍以下の接着剤を含有す
るのが好ましい。より好ましくは0.05倍以上0.4
倍以下の範囲である。接着剤がアルカリ土類金属の塩に
対して重量比で0.05未満であると、接着力が不足
し、支持体、或いはインク受容層との間で剥離を生ず
る。また、接着剤がアルカリ土類金属の塩に対して重量
比で0.7倍を超えると吸収性の低下を招き好ましくな
い。
【0021】本発明の下塗り層中には、アルカリ土類金
属の塩を含有する。本発明で言うアルカリ土類金属と
は、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロン
チウム、バリウム、ラジウムの総称である。アルカリ土
類金属の塩としては例えば、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、
塩酸塩、硫酸塩、有機酸塩等があげられるが、下塗り層
の塗工液は水系の場合が多いため、溶解度の低い弱酸塩
が好ましい。特に好ましくは炭酸カルシウムまたは炭酸
マグネシウムである。また、該アルカリ土類金属の塩の
粒子形状にはウニ状、角状、柱状、不定形、球状があ
り、ウニ状の粒子形状をもつものがより好ましい。ウニ
状の粒子形状をもつアルカリ土類金属の塩を用いると下
塗り層に適度な空隙構造が形成されるため、インク速乾
性に優れる。
【0022】更に、その他の添加剤として、カチオン系
染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度
安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離
型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、白色無機
顔料、白色有機顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、
湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の目的を
害しない範囲で適宜添加することもできる。
【0023】下塗り層を設ける際に、塗工する方法は、
特に限定されず、公知の塗工方法を用いることができ
る。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコータ
ー、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレード
コーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッ
ドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、
ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの
各種装置により支持体上に塗工することができる。
【0024】また、塗布された下塗り層をカレンダー処
理により、平滑化しても良い。その際のカレンダー処理
装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダ
ー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。特に熱を加え
ながら平滑化処理する熱カレンダー処理は好ましく用い
られる。
【0025】下塗り層の塗工量は特に限定されないが、
少な過ぎると下塗り層の効果が現れず、多過ぎる場合は
製造上の困難が多いばかりか効果も飽和してしまい経済
性に劣る。従って好ましい範囲は5g/m2以上30g
/m2以下である。
【0026】また本発明のインクジェット被記録媒体
は、上記下塗り層上に気相法シリカを含有するインク受
容層を設けてなるインクジェット被記録媒体である。
【0027】シリカ微粒子は、乾量基準でSiO293
%以上、Al23約5%以下、Na2O約5%以下から
構成される微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、
シリカゲルや微粉末シリカなどの非晶質シリカがある。
非晶質シリカ微粒子の製造方法としては、液相法、粉砕
固相法、晶析固相法および気相法がある。液相法とは、
いわゆる液中に存在する珪酸化合物等を、化学変化また
は物理変化によって固体状態に析出させる微粒子製造方
法である。粉砕固相法とはシリカ固体を機械的に粉砕す
る方法であり、晶析固相法とは溶融や固体の相転移など
を利用した微粒子製造方法である。気相法とは、揮発性
金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生
成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法であ
る。
【0028】本発明で使用するシリカ微粒子は、上記の
内、気相法により合成された非晶質シリカ微粒子であ
る。中でも平均一次粒子径が3nm〜50nmの超微粒
子状シリカが好ましい。特に好ましい一次粒子径は5n
m〜30nmのものである。またこれらが連結した二次
粒子径としては、10nm〜400nmにするのが好ま
しい。この気相法により合成された非晶質シリカ微粒子
として市販されている製品としては、アエロジル(テグ
サ社)が該当する。
【0029】本発明で使用する気相法シリカは、上記の
一次粒子径のシリカ微粒子を水に添加し、高速ホモジナ
イザー等で分散して平均二次粒子径が400nm以下、
好ましくは200nm以下にまで分散したものである。
【0030】本発明に用いられる気相法シリカの接着剤
として、水溶性あるいは非水溶性の高分子化合物を添加
しても良い。本発明に用いられる高分子化合物は、イン
ク受容層の構成成分として、インクと親和性を有する化
合物である。例えば、水溶性高分子化合物としてはメチ
ルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メ
チルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエ
チルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその
変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラ
ン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂
またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその
変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ア
クリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス
やエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピ
ロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及
び無水マレイン酸またはその共重合体等を挙げられる。
好ましくは、ポリビニルアルコールである。
【0031】また、非水溶性高分子化合物としては、エ
タノール、2−プロパノール等のアルコール類やこれら
のアルコール類と水との混合溶媒に溶解する非水溶性接
着剤が、酸化アルミニウムの分散を安定化するので特に
好ましい。この様な非水溶性接着剤としては、ビニルピ
ロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール等のアセタール樹脂を挙げる
ことができ、特にアセタール化度が5モル%以上20モ
ル%以下の範囲のアセタール樹脂は、水を多少含有させ
ることができ、気相法シリカの分散を容易にすることが
できる為、特に好ましい。
【0032】これらの高分子化合物は、単独乃至複数を
併用してもよく、気相法シリカに対し、2重量%以上7
0重量%以下を添加する。好ましくは、5重量%以上3
0重量%以下を添加する。上記の添加量の範囲に満たな
いと塗膜強度が弱くなり、範囲を超えて添加するとイン
ク吸収性が低下する。
【0033】本発明における塗工液を塗布する方法は、
Eバー塗布、カーテン塗布、ストラドホッパー塗布、エ
クストルージョン塗布、ロール塗布、エアナイフ塗布、
グラビア塗布、ロッドバー塗布等の各種塗布方法を採用
することができる。
【0034】本発明の気相法シリカを含有するインク受
容層の塗工量は、固形分換算で5g/m2以上が必要で
あり、本発明のさらなる効果を認めるには、好ましくは
10g/m2以上30g/m2以下である。特に好ましく
は10g/m2以上25g/m2以下である。空隙量など
にもよるが、厚さで10μm以上30μm以下が特に好
ましい。
【0035】更に、本発明の気相法シリカと必要なら接
着剤とを含有するインク受容層を形成する塗工液は、必
要に応じて、界面活性剤、無機顔料、着色染料、着色顔
料、インク染料定着剤(カチオン性樹脂)、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング
剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調整剤、硬
膜剤等の公知の各種添加剤を添加することができる。
【0036】本発明において用いられる支持体は、下塗
り層及びインク受容層が塗工できる支持体であれば特に
限定されない。しかし、支持体の透気性或いは通気性
が、インク受容層をキャスト処理する際に発生する蒸気
を裏面に移動させ、インク受容層を乾燥するために必要
であり、鏡面ドラムからのインク受容層の離型性を決め
る重要な要因である。したがって、一般には天然パルプ
を主成分とする紙支持体が好ましい。ただし、透気性或
いは通気性を有しているものであれば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、ポリウレタ
ン等の合成樹脂を繊維化した後に支持体に形成したもの
でも良い。
【0037】好ましく用いられる紙支持体を構成するパ
ルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等
を1種もしくは2種以上混合して用いられる。天然パル
プとしては、通常製紙用に使用されるパルプ、即ち、針
葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サ
ルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケ
ミカルパルプ等が、いずれも使用可能である。また、白
色度が高いメカニカルパルプであってもよい。更に、
藁、エスパルト、バガス、ケナフ等の草類繊維、麻、
楮、雁皮、三椏等の靱皮繊維、綿等より製造した非木材
パルプでもよい。これらの中では通常工業的に最も多用
される針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ針
葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等
の晒ケミカルパルプが特に好ましい。
【0038】パルプは抄紙適性ならびに、強度、平滑
性、地合の均一性等といった紙の諸特性等を向上させる
ため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩
解される。叩解の程度は、カナディアン スタンダード
フリーネスで250ml〜550ml程度の通常の範
囲で目的に応じて選択することが出来る。
【0039】叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙
機、ツインワイヤー抄紙機、または、丸網抄紙機等の抄
紙機により抄紙されるが、この際、本発明では、通常抄
紙に際して用いられるパルプスラリーの分散助剤、乾燥
紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、サイズ剤、定着剤
等の諸添加物は全て必要に応じて添加することが可能で
ある。更に、必要であれはpH調節剤、染料、有色顔
料、及び蛍光増白剤等も添加することが可能である。
【0040】また、本発明に好ましく用いられる紙支持
体は、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤
を含有する液を、タブサイズ、サイズプレス、ゲートロ
ールコーターあるいはフィルムトランスファーコーター
等で塗工することも可能である。
【0041】上記水溶性高分子添加剤としては、例えば
澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リ
ン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビ
ニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルローズ、
ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルロ
ーズ、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、
ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子、
ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸
共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナト
リウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分
子接着剤等が用いられ、さらにこの他、サイズ剤として
石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重
合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテ
ンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他
の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質であ
る塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿
性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等
が、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウ
ム、酸化チタン等が、pH調節剤として塩酸、苛性ソー
ダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせ
て使用することも可能である。
【0042】また、本発明に好ましく用いられる紙支持
体は、抄造中または抄造後、平坦化をコントロールする
目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカ
レンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。また、
その坪量は通常40〜300g/m2であるが、特に制
限されるものではない。
【0043】キャスト処理には、直接法、凝固法、再湿
潤法(リウエット法)があり、インク受理層を塗工し乾
燥した後に、光沢発現層を構成する塗被組成物を塗設
し、該塗設面が湿潤状態にある間に、該塗設面を加熱し
た鏡面ドラムに接触、圧着、乾燥させ剥離し、該塗設面
に該鏡面ドラム表面のレプリカを形成される方法であ
る。直接法は、該光沢発現層を塗設後、未乾燥の状態
(湿潤状態)で加熱された鏡面ドラムに圧接し乾燥する
方法であり、凝固法は該光沢発現層の塗被組成物を酸溶
液、アルカリ溶液等により該組成物を凝固させ加熱され
た鏡面ドラムに圧接する方法である。なお、凝固法に
は、赤外線を該組成物に照射して表面を凝固させる熱凝
固法も含まれる。再湿潤法は、該インク透過層を塗設乾
燥後、水を主体とする液にて該インク透過層を再湿潤さ
せ、加熱された鏡面に圧接し乾燥する方法である。
【0044】これらのキャスト処理方法は、いずれも本
発明のインクジェット被記録媒体に用いることが可能で
あるが、特に、光沢度の高いインクジェット被記録媒体
を得るには、直接法が好ましい。また、該鏡面ドラムの
表面粗度、表面温度、直径、圧接時の圧力(線圧)、塗
工速度等は市販のキャストコート紙の製造条件と同様に
適宜選択することが可能である。
【0045】本発明は、支持体上にアルカリ土類金属の
塩とアクリル系樹脂接着剤を含有する下塗り層を設け、
さらにその上に気相法シリカを含有するインク受容層を
設け、該インク受容層が湿潤状態にあるうちに、キャス
ト処理を行うことによって、高光沢、高吸収性で耐光性
に優れたインクジェット被記録媒体を得ることが出来
る。なぜこの組み合わせにより、高光沢、高吸収および
耐光性に優れたインクジェット被記録媒体が得られるか
は定かではない。高光沢を得る為にはインク受容層の塗
工時にはインク受容層が下塗り層にしみ込まず、キャス
ト処理中に高平滑な表面を形成し乾燥される必要があ
る。そして高吸収性を得るためにはインク受容層のみな
らず下塗り層も吸収に寄与する必要があるが、下塗り層
の吸収性が大きすぎるとインク受容層を塗工する際、イ
ンク受容層塗工液が下塗り層にしみ込み、キャスト処理
を行っても高光沢を得ることができないという矛盾を生
ずる。
【0046】本発明の如く、下塗り層中の顔料がアルカ
リ土類金属の塩であり、かつインク受容層塗工液が酸性
であると、インク受容層を塗工する際に、インク受容層
中の酸とアルカリ土類金属の塩がショックを起こし、気
相法シリカが下塗り層にしみ込まず境界面を形成し、従
来では得られないような高光沢が発現すると考えられ
る。また、乾燥途中あるいは乾燥後、インク受容層中の
水分や酸等によって、その境界面や下塗り層中のアルカ
リ土類金属の塩が徐々に溶解或いは変形され、吸収経路
を形成する事によって下塗り層の吸収性がインク受容層
の空隙と連動し、吸収性を高めているのではないかと考
えられる。
【0047】従って、インク受容層塗工液が酸性である
ことが好ましい。インク受容層塗工液のpHは5.0以
下が好ましく、特にpH4.0以下であると好ましい。
インク受容層塗工液のpHが5.0を超えると上記アル
カリ土類金属の塩との相互作用が弱くなりインク吸収性
がやや低下傾向にある。またアルカリ性領域になるとそ
の効果は発現しない。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、本発明は実施例に限定されるものではない。以下に
おける部、%はすべて重量によるものである。
【0049】<支持体の作製>広葉樹晒クラフトパルプ
(LBKP、白色度90%)と針葉樹晒サルファイトパ
ルプ(NBSP、白色度90%)の1:1混合物をカナ
ディアン スタンダード フリーネスで350mlにな
るまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイ
ズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重
量%、乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パ
ルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重
量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このス
ラリーを長網抄紙機で坪量100g/m2になるように
抄造し、支持体を作製した。
【0050】<下塗り層塗工液1>アルカリ土類金属の
塩として粒子形状がウニ状である軽質炭酸カルシウム
(カルライトKT:白石カルシウム社製)100重量
部、接着剤としてアクリル系エマルジョン(ボンコート
SEP−119:大日本インキ化学工業社製)固形分2
0重量部を混合し、固形分濃度25%の下塗り層塗工液
1を調製した。
【0051】<下塗り層塗工液2>アルカリ土類金属の
塩として粒子形状がウニ状である軽質炭酸カルシウム
(カルライトKT:白石カルシウム社製)100重量
部、接着剤としてアクリル系樹脂(ディックファインK
−96:大日本インキ化学工業社製)固形分重量20部
を混合し、固形分濃度25%の下塗り層塗工液2を調製
した。
【0052】<下塗り層塗工液3>アルカリ土類金属の
塩として粒子形状がウニ状である軽質炭酸カルシウム
(カルライトKT:白石カルシウム社製)100重量
部、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテッ
クス(ラックスターDS226:大日本インキ化学工業
社製)固形分20重量部を混合し、固形分濃度25%の
下塗り層塗工液3を調製した。
【0053】<下塗り層塗工液4>アルカリ土類金属の
塩として粒子形状がウニ状である軽質炭酸カルシウム
(カルライトKT:白石カルシウム社製)100重量
部、接着剤としてポリビニルアルコール(PVA−13
5H:クラレ社製)固形分20重量部を混合し、固形分
濃度25%の下塗り層塗工液4を調製した。
【0054】<下塗り層塗工液5>アルカリ土類金属の
塩として粒子形状がウニ状である軽質炭酸カルシウム
(カルライトKT:白石カルシウム社製)100重量
部、接着剤として澱粉(MS−4600:日本食品化学
工業社製)固形分20重量部を混合し、固形分濃度25
%の下塗り層塗工液5を調製した。
【0055】<下塗り層塗工液6>アルカリ土類金属の
塩として重質炭酸カルシウム(カービタル90:ECC
インターナショナル社製)100重量部、接着剤として
アクリル系エマルジョン(ボンコートSEP−119:
大日本インキ化学工業社製)固形分20重量部を混合
し、固形分濃度25%の下塗り層塗工液6を調製した。
【0056】<下塗り層塗工液7>アルカリ土類金属の
塩として炭酸マグネシウム(球状炭酸マグネシウム:神
島化学工業社製)100重量部、接着剤としてアクリル
系エマルジョン(ボンコートSEP−119:大日本イ
ンキ化学工業社製)固形分20重量部を混合し、固形分
濃度25%の下塗り層塗工液7を調製した。
【0057】<下塗り層塗工液8>アルカリ土類金属の
塩として粒子形状が角状である軽質炭酸カルシウム(タ
マパール222H:奥多摩工業社製)100重量部、接
着剤としてアクリル系エマルジョン(ボンコートSEP
−119:大日本インキ化学工業社製)固形分20重量
部を混合し、固形分濃度25%の下塗り層塗工液8を調
製した。
【0058】<下塗り層塗工液9>アルカリ土類金属の
塩として粒子形状が柱状である軽質炭酸カルシウム(タ
マパール123:奥多摩工業社製)100重量部、接着
剤としてアクリル系エマルジョン(ボンコートSEP−
119:大日本インキ化学工業社製)固形分20重量部
を混合し、固形分濃度25%の下塗り層塗工液9を調製
した。
【0059】<下塗り層塗工液10>カオリン(UW−
90:エンゲルハード社製)100重量部、接着剤とし
てアクリル系エマルジョン(SEP−119、大日本イ
ンキ化学工業社製)固形分20重量部を混合し、固形分
濃度25%の下塗り層塗工液10を調製した。
【0060】<インク受容層塗工液A>気相法シリカ
(AEROSIL300:日本アエロジル社製)100
gと分散剤(シャロールDC902P:第一工業製薬社
製)3gを、500gのイオン交換水中に攪拌機にて分
散し、10重量%のポリビニルアルコール(PVA10
5:クラレ社製)水溶液を15部混合し、水を加えて固
形分濃度11%の塗工液Aとした。塗工液AのpHは
3.8であった。
【0061】<インク受容層塗工液B>気相法シリカ
(AEROSIL300:日本アエロジル社製)100
gと分散剤(シャロールDC902P:第一工業製薬社
製)3gを、500gのイオン交換水中に攪拌機にて分
散し、10重量%のポリビニルアルコール(PVA10
5:クラレ社製)水溶液を15部混合し、水酸化ナトリ
ウムを加えてpHを5.5に調製し、水を加えて固形分
濃度11%の塗工液Bとした。
【0062】<インク受容層塗工液C>アルミナ水和物
(カタロイドAS−3、触媒化成工業製)100部、ポ
リビニルアルコール(PVA105:クラレ社製)15
部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン100
1:住友化学社製)20部を混合し、pHを5.3に調
製し、水を加えて固形分濃度15%の塗工液Cとした。
【0063】実施例1〜7および比較例1〜5 支持体上に、表1記載の下塗り層塗工液をバーコーター
により乾燥塗工量10g/m2になるように塗工後乾燥
し、熱カレンダー処理(温度100℃、ニップ圧150
kg/cm)を施した。その上に、表1記載のインク受
容層塗工液をバーコーターにより乾燥塗工量15g/m
2になるように塗工し、湿潤状態にある間に100℃に
加熱した鏡面ドラムに圧接乾燥して、実施例1〜7およ
び比較例1〜5を得た。
【0064】実施例8 支持体上に、表1記載の下塗り層塗工液をバーコーター
により乾燥塗工量10g/m2になるように塗工後乾燥
し、その上に、表1記載のインク受容層塗工液をバーコ
ーターにより乾燥塗工量15g/m2になるように塗工
し、湿潤状態にある間に100℃に加熱した鏡面ドラム
に圧接乾燥して、実施例8を得た。
【0065】比較例6 支持体上に、表1記載の下塗り層塗工液をバーコーター
により乾燥塗工量10g/m2になるように塗工後乾燥
し、熱カレンダー処理(温度100℃、ニップ圧150
kg/cm)を施した。その上、表1記載のインク受容
層塗工液をバーコーターにより乾燥塗工量15g/m2
になるように塗工後乾燥し、比較例6を得た。
【0066】以上、実施例及び比較例で作成したインク
ジェット被記録媒体について、下記の評価方法により評
価し、その結果をまとめて表1に示す。
【0067】<白紙光沢の評価>実施例8を標準(○)
とし、それより高いもの◎、それ以下だが実用上問題な
いものを△、光沢感の極めて悪いものを×とした。
【0068】<インク吸収性評価>インク吸収性の評価
は、インクジェット記録装置であるエプソン(株)製P
M9000を使い、シアンインク、マゼンタインク、イ
エローインクで重色の矩形パターンを印字した。重ねる
インク量が各色全て100%の時を300%とし、全て
90%の時を270%とし、以下同様に240%、21
0%、180%、150%の矩形パターンを作成して印
字した。この印字パターンと未印字部分の境界部分を下
記の基準に従って、目視にて評価した。 ◎:300%印字でアフレが認められない。 ○:270%印字でアフレが認められない。 △:210%印字でアフレが認められない。 ×:180%印字でアフレが認められる。 良好なインク吸収性を示すのは、◎乃至△の評価であ
る。
【0069】<インク速乾性評価>インク吸収性の評価
は、インクジェット記録装置であるエプソン(株)製P
M9000を使い、シアンインク、マゼンタインク、イ
エローインクで重色の矩形パターンを印字した。重ねる
インク量が各色全て100%の時を300%とし、全て
90%の時を270%とし、以下同様に240%、21
0%、180%、150%の矩形パターンを作成して印
字した。この印字パターンを印字直後、PPC用紙を貼
りつけ、印字部が転写されている%を目視にて評価し
た。 ◎:300%の印字部において転写されない。 ○:270%未満の印字部では転写されない。 △:210%未満の印字部では転写されない。 ×:180%未満の印字部では転写されない。 良好なインク吸収性を示すのは、◎乃至△の評価であ
る。
【0070】<画像色彩性評価>キヤノンBJC−42
0Jを用いて、マゼンタおよびシアンのベタ印字を行っ
た。その色彩性を以下の通り目視評価を行った。 ◎:色彩が良く、画像が冴えて見える。 ○:色彩が良く見える。 △:色彩がややくすんで見えるが、実用上問題ない。 ×:色彩もにぶく、くすみが激しい。 実用上問題のないものは、◎乃至△の評価である。
【0071】<接着性の評価>カッターナイフで記録面
側より縦横に5mm間隔の格子状切り込みを入れた後、
記録面に粘着テープを貼り、剥がし、格子100個あた
りのインク受容層のはがれ個数で判断した。 ◎:はがれ個数が5個未満 ○:はがれ個数が6〜9個 △:はがれ個数が10〜30個 ×:はがれ個数が31個以上 良好な接着性を示すのは◎または○であり、△でも実用
上問題がない。
【0072】<白紙部耐光性の評価>光照射を南向きの
窓の内側にサンプルを貼りつけ、一ヶ月間放置、または
それと同等の照射量となるようにしたアトラス社製キセ
ノンウェザーメーターCi35Wにより行った。照射前
後のサンプルを比較し、白紙部耐光性を評価した。 ○:ほとんど変色がなかった。 △:わずかに変色しているが、実用上問題のないレベ
ル。 ×:変色の程度が激しい。 実用上問題のないものは、○乃至△の評価である。
【0073】<印字部光沢感>印字部光沢感は、インク
ジェット記録装置であるキヤノンBJC−420Jを使
い、ブラックの矩形パターンを印字した。この印字パタ
ーンを目視により、評価した。 ○:光沢感がある。 △:光沢感がやや弱い。 ×:光沢感が全くない。 実用上問題のないものは、○乃至△の評価である。
【0074】
【表1】
【0075】表1より、支持体上にアルカリ土類金属の
塩およびアクリル系樹脂を含有する下塗り層を塗設し、
さらに、気相法シリカを含有するインク受容層をキャス
ト法で設けた実施例1〜8においては白紙光沢、画像色
彩性、インク吸収性、インク速乾性、白紙部耐光性のい
ずれもバランス良く優れたものが得られている。しか
し、下塗りにアルカリ金属の塩を含まない支持体(比較
例1)、顔料が気相法シリカではないインク吸収層(比
較例5)ではインク速乾性が劣る。接着剤がアクリル系
樹脂ではない下塗り層(比較例2、3,4)では白紙部
耐光性または印字部光沢感が劣る。インク受容層塗工
後、湿潤状態の間にキャスト処理をおこなわない(比較
例6)場合は白紙光沢が劣り好ましくない。また、下塗
り塗工後に熱カレンダー処理を施すことは白紙光沢が向
上するので、好ましい製造法である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
高光沢、高インク吸収性、高耐光性および優れた印字部
光沢感を有するインクジェット被記録媒体が提供でき
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にアルカリ土類金属の塩と接着
    剤を含有する下塗り層を設け、その上に気相法シリカを
    含有するインク受容層塗工液を塗工してなるインクジェ
    ット被記録媒体において、該インク受容層が湿潤状態に
    ある間に加熱された鏡面ドラムに圧接して鏡面仕上げさ
    れてなるものであり、かつ該下塗り層の接着剤がアクリ
    ル系樹脂であることを特徴とするインクジェット被記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 該アクリル系樹脂がエマルジョン型接着
    剤であることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    ト被記録媒体。
  3. 【請求項3】 該アルカリ土類金属がカルシウム又はマ
    グネシウムであることを特徴とする請求項1〜2のいず
    れか一項に記載のインクジェット被記録媒体。
  4. 【請求項4】 該アルカリ土類金属の塩が炭酸塩である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    インクジェット被記録媒体。
  5. 【請求項5】 該アルカリ土類金属の塩の形状が、ウニ
    状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項
    に記載のインクジェット被記録媒体。
  6. 【請求項6】 気相法シリカを含有するインク受容層塗
    工液のpHが5.0以下であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット被記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 支持体上に、アルカリ土類金属の塩とア
    クリル系樹脂を含有する下塗り層を設けた後、熱カレン
    ダー処理を施してから、その上に気相法シリカを含有す
    るインク受容層塗工液を塗工し、該インク受容層が湿潤
    状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接して鏡面仕
    上げすることを特徴とするインクジェット被記録媒体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 該アルカリ土類金属の塩が炭酸カルシウ
    ムであり、かつ粒子形状がウニ状であることを特徴とす
    る請求項7記載のインクジェット被記録媒体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 該インク受容層塗工液のpHが5.0以
    下であることを特徴とする請求項7〜8のいずれか一項
    に記載のインクジェット被記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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