JP2002289042A - 自己接着性絶縁電線とこれを利用した多芯平行絶縁電線、およびそれらの製造装置 - Google Patents
自己接着性絶縁電線とこれを利用した多芯平行絶縁電線、およびそれらの製造装置Info
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【課題】 接着相手の部材への接着性に優れた自己接着
性絶縁電線およびその製造装置を提供し、また生産性が
格段に高められるリボン電線やフラットケーブルのごと
き多芯平行絶縁電線とその製造装置を提供する。 【解決手段】 自己接着性絶縁電線１を製造する押出し
口金１０の出口側内周に粗面部１３が設けてあり、これ
に溶融樹脂１５を接触させることにより絶縁線心４の外
周に設けた接着層５の表面肌５ａを粗くする。それだけ
接着層５の表面積が増し、そうした自己接着性絶縁電線
１の複数本を横並び平行に束ねて接着して一本化するリ
ボン電線やフラットケーブルなど多芯平行絶縁電線の製
造など、後加工で加熱したときに接着層５の粗い表面肌
５ａに効率的に熱が伝わって軟化により有効な接着性が
得られ、生産性がアップする。すなわち、表面肌５ａを
粗くすることで、従来のように接着層５の材料選定や組
成の管理に費やす技術的な労苦が軽減される。
性絶縁電線およびその製造装置を提供し、また生産性が
格段に高められるリボン電線やフラットケーブルのごと
き多芯平行絶縁電線とその製造装置を提供する。 【解決手段】 自己接着性絶縁電線１を製造する押出し
口金１０の出口側内周に粗面部１３が設けてあり、これ
に溶融樹脂１５を接触させることにより絶縁線心４の外
周に設けた接着層５の表面肌５ａを粗くする。それだけ
接着層５の表面積が増し、そうした自己接着性絶縁電線
１の複数本を横並び平行に束ねて接着して一本化するリ
ボン電線やフラットケーブルなど多芯平行絶縁電線の製
造など、後加工で加熱したときに接着層５の粗い表面肌
５ａに効率的に熱が伝わって軟化により有効な接着性が
得られ、生産性がアップする。すなわち、表面肌５ａを
粗くすることで、従来のように接着層５の材料選定や組
成の管理に費やす技術的な労苦が軽減される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着性に優れた自
己接着性絶縁電線、またその自己接着性絶縁電線の複数
本を横並び平行に接着して一本化したリボン電線やフラ
ットケーブル等の多芯平行絶縁電線、およびそれらの製
造装置に関する。
己接着性絶縁電線、またその自己接着性絶縁電線の複数
本を横並び平行に接着して一本化したリボン電線やフラ
ットケーブル等の多芯平行絶縁電線、およびそれらの製
造装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】自己接着性絶縁電線は、銅撚り線などの
導体上に塩化ビニル樹脂系などの絶縁体を押出し被覆し
て絶縁線心を形成し、この絶縁線心の外周に設けた接着
層を加熱して軟化させることにより、接着相手の部材へ
の接着が容易になるようにしている。この種の自己接着
性絶縁電線の従来例として、特許第２８９０２７９号公
報に記載のものがある。
導体上に塩化ビニル樹脂系などの絶縁体を押出し被覆し
て絶縁線心を形成し、この絶縁線心の外周に設けた接着
層を加熱して軟化させることにより、接着相手の部材へ
の接着が容易になるようにしている。この種の自己接着
性絶縁電線の従来例として、特許第２８９０２７９号公
報に記載のものがある。
【０００３】また、リボン電線あるいはフラットケーブ
ルなどの多芯平行絶縁電線は、そうした自己接着性絶縁
電線の複数本を横並び平行に束ねて互いに接着層で接着
して一本化したものであり、この種の従来例として特開
平５−１４４３２３号公報に記載のものがある。
ルなどの多芯平行絶縁電線は、そうした自己接着性絶縁
電線の複数本を横並び平行に束ねて互いに接着層で接着
して一本化したものであり、この種の従来例として特開
平５−１４４３２３号公報に記載のものがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
自己接着性絶縁電線および多芯平行絶縁電線の場合、そ
れらの外周に設けた接着層の表面が平滑であることか
ら、加熱軟化させて接着相手の部材に接着させる作業時
や生産時に十分な接着性を得られない場合があり、作業
性や製造性に問題点がある。また、そうした接着層の接
着性を高めるために材料選定や組成面で工夫されるが、
それらの技術は困難が伴い、また材料変更ごとに現有設
備の改良や見直しなどが必要となるため、勢い開発コス
トが高騰するという問題がある。
自己接着性絶縁電線および多芯平行絶縁電線の場合、そ
れらの外周に設けた接着層の表面が平滑であることか
ら、加熱軟化させて接着相手の部材に接着させる作業時
や生産時に十分な接着性を得られない場合があり、作業
性や製造性に問題点がある。また、そうした接着層の接
着性を高めるために材料選定や組成面で工夫されるが、
それらの技術は困難が伴い、また材料変更ごとに現有設
備の改良や見直しなどが必要となるため、勢い開発コス
トが高騰するという問題がある。
【０００５】したがって、本発明の目的は、接着相手の
部材への接着性に優れた自己接着性絶縁電線およびその
製造装置を提供し、また生産性が格段に高められるリボ
ン電線やフラットケーブルのごとき多芯平行絶縁電線と
その製造装置を提供することにある。
部材への接着性に優れた自己接着性絶縁電線およびその
製造装置を提供し、また生産性が格段に高められるリボ
ン電線やフラットケーブルのごとき多芯平行絶縁電線と
その製造装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる請求項１に記載の自己接着性絶縁電
線は、導体２上に絶縁体３を押出し被覆してなる絶縁線
心４の外周に、表面を粗面化した接着層５が設けられて
いることを特徴とする。
に、本発明にかかる請求項１に記載の自己接着性絶縁電
線は、導体２上に絶縁体３を押出し被覆してなる絶縁線
心４の外周に、表面を粗面化した接着層５が設けられて
いることを特徴とする。
【０００７】以上の構成により、接着層５の表面が粗面
化されている分だけ表面積が増し、後加工で加熱したと
きに効率的に熱が伝わって軟化により有効な接着性が得
られる。結果、たとえば布線ルートに沿って機器パネル
面など接着相手となる部材に接着するような配線作業
時、従来の平滑な接着層をもつ自己接着性絶縁電線と較
べて接着が容易で作業の能率が一段と高められる。
化されている分だけ表面積が増し、後加工で加熱したと
きに効率的に熱が伝わって軟化により有効な接着性が得
られる。結果、たとえば布線ルートに沿って機器パネル
面など接着相手となる部材に接着するような配線作業
時、従来の平滑な接着層をもつ自己接着性絶縁電線と較
べて接着が容易で作業の能率が一段と高められる。
【０００８】また、請求項２に記載の自己接着性絶縁電
線の製造装置は、導体２上に絶縁体３を押出し被覆して
なる絶縁線心４を通す筒状の押出し口金１０が備わり、
この押出し口金１０の少なくとも出口端部１２の内周面
に粗面部１３が設けられ、押出し口金１０内に充填した
接着性の溶融樹脂を押し出すことにより、前記粗面部１
３によって前記絶縁線心４の外周に粗面化した接着層５
を形成できるように構成したことを特徴とする。
線の製造装置は、導体２上に絶縁体３を押出し被覆して
なる絶縁線心４を通す筒状の押出し口金１０が備わり、
この押出し口金１０の少なくとも出口端部１２の内周面
に粗面部１３が設けられ、押出し口金１０内に充填した
接着性の溶融樹脂を押し出すことにより、前記粗面部１
３によって前記絶縁線心４の外周に粗面化した接着層５
を形成できるように構成したことを特徴とする。
【０００９】以上の構成により、押出し口金１０の筒状
の出口側の内周面に粗面部１３を設けたことで、この粗
面部１３に溶融樹脂が接触して押し出された接着層５の
表面が粗くなり、表面積が大きくなる分だけ加熱中の熱
伝達が良好で、軟化による接着性が増して接着相手の部
材との接着が容易になる。そのため、従来のように、接
着性向上を狙って接着層５の材料選定や組成に費やす労
苦が軽減される。
の出口側の内周面に粗面部１３を設けたことで、この粗
面部１３に溶融樹脂が接触して押し出された接着層５の
表面が粗くなり、表面積が大きくなる分だけ加熱中の熱
伝達が良好で、軟化による接着性が増して接着相手の部
材との接着が容易になる。そのため、従来のように、接
着性向上を狙って接着層５の材料選定や組成に費やす労
苦が軽減される。
【００１０】また、請求項３に記載の多芯平行絶縁電線
は、請求項１に記載の自己接着性絶縁電線の複数本を横
並び平行に束ねて互いに外周の接着層５で接着すること
により一本化してなっていることを特徴とする。
は、請求項１に記載の自己接着性絶縁電線の複数本を横
並び平行に束ねて互いに外周の接着層５で接着すること
により一本化してなっていることを特徴とする。
【００１１】以上の構成により、接着層５を前述のよう
に粗面化して表面積を増した分だけ加熱軟化した際の接
着性が増し、そうした複数本の自己接着性絶縁電線を平
行に接着して一体化した多芯平行絶縁電線を製造する場
合の生産性を高めることができる。
に粗面化して表面積を増した分だけ加熱軟化した際の接
着性が増し、そうした複数本の自己接着性絶縁電線を平
行に接着して一体化した多芯平行絶縁電線を製造する場
合の生産性を高めることができる。
【００１２】また、請求項４に記載の多芯平行絶縁電線
の製造装置は、成型ブロック２３が備わり、このブロッ
ク全長に設けた融着ガイド溝２４が溝入口２５から溝出
口２６へ幅を漸次小さくした先細形状であり、この融着
ガイド溝２４に前記複数本の自己接着性絶縁電線を通過
させて加熱しかつ絞ることによりそれらの外周の接着層
５で互いに融着できるように構成したことを特徴とす
る。
の製造装置は、成型ブロック２３が備わり、このブロッ
ク全長に設けた融着ガイド溝２４が溝入口２５から溝出
口２６へ幅を漸次小さくした先細形状であり、この融着
ガイド溝２４に前記複数本の自己接着性絶縁電線を通過
させて加熱しかつ絞ることによりそれらの外周の接着層
５で互いに融着できるように構成したことを特徴とす
る。
【００１３】以上の構成により、成型ブロック２３の融
着ガイド溝２４で束ねた複数本の自己接着性絶縁電線を
加熱しつつ絞ると、熱による軟化と絞り力でもって複数
本の自己接着性絶縁電線を互いにそれらの接着層５で簡
易かつ確実に接着することで、多芯平行絶縁電線の生産
性が従来と較べて格段にアップする。
着ガイド溝２４で束ねた複数本の自己接着性絶縁電線を
加熱しつつ絞ると、熱による軟化と絞り力でもって複数
本の自己接着性絶縁電線を互いにそれらの接着層５で簡
易かつ確実に接着することで、多芯平行絶縁電線の生産
性が従来と較べて格段にアップする。
【００１４】また、請求項５に記載の多芯平行絶縁電線
の製造装置は、前記融着ガイド溝２４の溝全面に離型剤
層２８を設けてなっていることを特徴とする。
の製造装置は、前記融着ガイド溝２４の溝全面に離型剤
層２８を設けてなっていることを特徴とする。
【００１５】以上の構成により、成型ブロック２３の融
着ガイド溝２４に離型剤層２８を設けたことで、成形後
の多芯平行絶縁電線を成型ブロック２３から剥離して離
型し易くなる。
着ガイド溝２４に離型剤層２８を設けたことで、成形後
の多芯平行絶縁電線を成型ブロック２３から剥離して離
型し易くなる。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる自己接着性
絶縁電線と多芯平行絶縁電線、それらの各製造装置の実
施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
絶縁電線と多芯平行絶縁電線、それらの各製造装置の実
施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【００１７】図１（ａ）〜（ｄ）は、本実施の形態にか
かる自己接着性絶縁電線１の製造装置の要部である押出
し口金１０を示す側面断面図と、この図中の矢視Ａ−
Ａ，Ｂ−Ｂ，Ｃ−Ｃからのそれぞれ縦断面図を示してい
る。たとえば金属製の押出し口金１０は、口金本体１１
の先端部１２が先細テーパのノズルのごとき筒体に加工
されている。口金本体１１の後端部は次に説明する絶縁
線心４を導入する側の入口として大径に開口しており、
ノズル形状の先端部１２は本発明でいう出口端部として
小径に開口している。
かる自己接着性絶縁電線１の製造装置の要部である押出
し口金１０を示す側面断面図と、この図中の矢視Ａ−
Ａ，Ｂ−Ｂ，Ｃ−Ｃからのそれぞれ縦断面図を示してい
る。たとえば金属製の押出し口金１０は、口金本体１１
の先端部１２が先細テーパのノズルのごとき筒体に加工
されている。口金本体１１の後端部は次に説明する絶縁
線心４を導入する側の入口として大径に開口しており、
ノズル形状の先端部１２は本発明でいう出口端部として
小径に開口している。
【００１８】そのノズル形状先端部１２の出口近傍で
は、矢視Ｂ−Ｂ線からの縦断面図である図１（ｃ）に示
すように、その内周面が表面肌を粗し加工した粗面部１
３として形成されている。粗面部１３の粗し形状は特に
限定されないが、不連続な筋目や刻み、そして不規則に
点在する凹部（窪み）と凸部（***部）などが考えられ
る。
は、矢視Ｂ−Ｂ線からの縦断面図である図１（ｃ）に示
すように、その内周面が表面肌を粗し加工した粗面部１
３として形成されている。粗面部１３の粗し形状は特に
限定されないが、不連続な筋目や刻み、そして不規則に
点在する凹部（窪み）と凸部（***部）などが考えられ
る。
【００１９】ここで、矢視Ａ−Ａ線からの縦断面図であ
る図１（ｂ）に示すように、自己接着性絶縁電線１の芯
線である絶縁線心４は、銅撚り線などの導体２上に塩化
ビニル樹脂系などの絶縁体３を押出して被覆してなって
いる。すなわち、前工程の製造ラインから供給されてき
た絶縁線心４は押出し口金１０に後端部入口から送り込
まれる。
る図１（ｂ）に示すように、自己接着性絶縁電線１の芯
線である絶縁線心４は、銅撚り線などの導体２上に塩化
ビニル樹脂系などの絶縁体３を押出して被覆してなって
いる。すなわち、前工程の製造ラインから供給されてき
た絶縁線心４は押出し口金１０に後端部入口から送り込
まれる。
【００２０】以上から、かかる絶縁線心４が押出し口金
１０に導入され、この口金本体１１の内部には同時に接
着性の特性を備えた溶融樹脂１５が充満状態で供給さ
れ、絶縁線心４の外周上に押出し成形される。溶融樹脂
１５は口金本体１１の先細テーパとなっているノズル形
状の先端部１２に向かって押送りされることにより絞ら
れ、先端部出口直前で粗面部１３に接触する。口金側の
粗面部１３との接触で表面肌を荒らされた溶融樹脂１５
は押出し口金１０の出口から押し出され、矢視Ｃ−Ｃ線
からの縦断面図である図１（ｄ）に示すように、粗い表
面肌５ａを有する接着層５として絶縁線心４の外周に形
成され、冷却硬化させて自己接着性絶縁電線１として製
造される。
１０に導入され、この口金本体１１の内部には同時に接
着性の特性を備えた溶融樹脂１５が充満状態で供給さ
れ、絶縁線心４の外周上に押出し成形される。溶融樹脂
１５は口金本体１１の先細テーパとなっているノズル形
状の先端部１２に向かって押送りされることにより絞ら
れ、先端部出口直前で粗面部１３に接触する。口金側の
粗面部１３との接触で表面肌を荒らされた溶融樹脂１５
は押出し口金１０の出口から押し出され、矢視Ｃ−Ｃ線
からの縦断面図である図１（ｄ）に示すように、粗い表
面肌５ａを有する接着層５として絶縁線心４の外周に形
成され、冷却硬化させて自己接着性絶縁電線１として製
造される。
【００２１】接着層５を形成する溶融樹脂１５として
は、ポリビニルブチラール樹脂，ポリアミド樹脂，フェ
ノキシ樹脂，ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹
脂、またエポキシ樹脂，メラミン樹脂，フェルール樹脂
などの熱硬化性樹脂を用いることができる。あるいは、
それら熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれか１つ
もしくは２つ以上の材料の混合物でも可能であり、特に
限定されないが一例として、融点１０７℃で軟化温度８
１℃の特性を有するエチレン−エチルアクリレート樹脂
（ＥＥＡ）を用いることができる。
は、ポリビニルブチラール樹脂，ポリアミド樹脂，フェ
ノキシ樹脂，ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹
脂、またエポキシ樹脂，メラミン樹脂，フェルール樹脂
などの熱硬化性樹脂を用いることができる。あるいは、
それら熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれか１つ
もしくは２つ以上の材料の混合物でも可能であり、特に
限定されないが一例として、融点１０７℃で軟化温度８
１℃の特性を有するエチレン−エチルアクリレート樹脂
（ＥＥＡ）を用いることができる。
【００２２】そのようにして製造された自己接着性絶縁
電線１は、たとえば単線で機器パネル面など接着相手と
なる部材に接着させて配線する場合、最外層の接着層５
がそのままの状態でも、あるいは適度な熱を加えればそ
の接着層５が軟化して接着性がより一層増し、接着相手
の部材に簡易に効果的に接着して貼り付けることができ
る。すなわち、接着層５が粗い表面肌５ａとなっている
のでそれだけ表面積が大きくなり、加熱すると熱の伝わ
りが良好で軟化と相まって接着性が増し、接着相手部材
への接着が効果的となるのである。
電線１は、たとえば単線で機器パネル面など接着相手と
なる部材に接着させて配線する場合、最外層の接着層５
がそのままの状態でも、あるいは適度な熱を加えればそ
の接着層５が軟化して接着性がより一層増し、接着相手
の部材に簡易に効果的に接着して貼り付けることができ
る。すなわち、接着層５が粗い表面肌５ａとなっている
のでそれだけ表面積が大きくなり、加熱すると熱の伝わ
りが良好で軟化と相まって接着性が増し、接着相手部材
への接着が効果的となるのである。
【００２３】次に、自己接着性絶縁電線１の複数本を同
時押出し成形して送り出し、それらを横並び平行に束ね
て互いに接着して一本化することにより、リボン電線や
フラットケーブルと呼ばれる多芯平行絶縁電線を以下に
説明する装置で製造することができる。この場合、前工
程の装置および製造方法として、図１（ａ）で示された
押出し口金１０の複数基を横一列にレイアウトし，それ
らから自己接着性絶縁電線１の複数本を同時押出し成形
して送り出すようにできる。
時押出し成形して送り出し、それらを横並び平行に束ね
て互いに接着して一本化することにより、リボン電線や
フラットケーブルと呼ばれる多芯平行絶縁電線を以下に
説明する装置で製造することができる。この場合、前工
程の装置および製造方法として、図１（ａ）で示された
押出し口金１０の複数基を横一列にレイアウトし，それ
らから自己接着性絶縁電線１の複数本を同時押出し成形
して送り出すようにできる。
【００２４】図２および図３は、かかる多芯平行絶縁電
線３０を製造する要部の装置２０を示している。本装置
２０は、熱供給管２２などを備えたヒータ２１と、この
ヒータ２１によって加熱される成型ブロック２３を主要
部として構成されている。
線３０を製造する要部の装置２０を示している。本装置
２０は、熱供給管２２などを備えたヒータ２１と、この
ヒータ２１によって加熱される成型ブロック２３を主要
部として構成されている。
【００２５】成型ブロック２３は、単体で示す底面図の
図３で明らかなように、融着ガイド溝２４がブロック長
手の全長にわたって設けられている。融着ガイド溝２４
は、溝入口２５から溝出口２６へ幅を漸次小さくした先
細テーパ形状か、図示例のように漸次先細になる両側壁
面２７が湾曲した形状となっている。そうした融着ガイ
ド溝２４の溝全面にわたって離型剤層２８がコーティン
グして設けられている。
図３で明らかなように、融着ガイド溝２４がブロック長
手の全長にわたって設けられている。融着ガイド溝２４
は、溝入口２５から溝出口２６へ幅を漸次小さくした先
細テーパ形状か、図示例のように漸次先細になる両側壁
面２７が湾曲した形状となっている。そうした融着ガイ
ド溝２４の溝全面にわたって離型剤層２８がコーティン
グして設けられている。
【００２６】以上の構成から、上記複数本の自己接着性
絶縁電線１を横並び平行に互いに接着して一本化して多
芯平行絶縁電線３０が製造される。前工程の製造ライン
上で送られてきた複数本の自己接着性絶縁電線１は揃え
られて成型ブロック２３の融着ガイド溝２４に溝入口２
５から導入される。成型ブロック２３はヒータ２１によ
って好適な設定温度であるたとえば１２０℃に加熱され
ている。融着ガイド溝２４は溝出口２６に向かって漸次
先細になっているので、束ねられた複数本の自己接着性
絶縁電線１には左右両側から絞り力が働き、横並びにな
っているそれらの電線束が押し縮められ、またヒータ２
１の熱でそれぞれの接着層５が軟化する。接着層５の表
面肌５ａは粗くなっている分だけ表面積が大きく、熱が
効率的に伝わって接着性を増し、互いに接着し合って一
本化され、溝出口２６から多芯平行絶縁電線３０として
押し出される。このブロック外押出しまでの段階で融着
ガイド溝２４を通過中、それぞれの接着層５の表面に離
型剤層２８の離型剤が付着する。
絶縁電線１を横並び平行に互いに接着して一本化して多
芯平行絶縁電線３０が製造される。前工程の製造ライン
上で送られてきた複数本の自己接着性絶縁電線１は揃え
られて成型ブロック２３の融着ガイド溝２４に溝入口２
５から導入される。成型ブロック２３はヒータ２１によ
って好適な設定温度であるたとえば１２０℃に加熱され
ている。融着ガイド溝２４は溝出口２６に向かって漸次
先細になっているので、束ねられた複数本の自己接着性
絶縁電線１には左右両側から絞り力が働き、横並びにな
っているそれらの電線束が押し縮められ、またヒータ２
１の熱でそれぞれの接着層５が軟化する。接着層５の表
面肌５ａは粗くなっている分だけ表面積が大きく、熱が
効率的に伝わって接着性を増し、互いに接着し合って一
本化され、溝出口２６から多芯平行絶縁電線３０として
押し出される。このブロック外押出しまでの段階で融着
ガイド溝２４を通過中、それぞれの接着層５の表面に離
型剤層２８の離型剤が付着する。
【００２７】すなわち、離型剤層２８によって離型剤が
成形後の多芯平行絶縁電線３０の肌に付着し、融着ガイ
ド溝２４からの離型が容易になって、型成形作業の能率
が高まる。
成形後の多芯平行絶縁電線３０の肌に付着し、融着ガイ
ド溝２４からの離型が容易になって、型成形作業の能率
が高まる。
【００２８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる請
求項１に記載の自己接着性絶縁電線は、接着層の表面が
粗面化されている分だけ表面積が増し、後加工で加熱し
たときに効率的に熱が伝わって軟化により有効な接着性
が得られる。結果、布線ルートに沿って機器パネル面な
ど接着相手の部材に接着する場合、貼り付けて配線する
作業が能率アップする。
求項１に記載の自己接着性絶縁電線は、接着層の表面が
粗面化されている分だけ表面積が増し、後加工で加熱し
たときに効率的に熱が伝わって軟化により有効な接着性
が得られる。結果、布線ルートに沿って機器パネル面な
ど接着相手の部材に接着する場合、貼り付けて配線する
作業が能率アップする。
【００２９】また、請求項２に記載の自己接着性絶縁電
線の製造装置は、押出し口金がその筒状の出口側の内周
面に粗面部を設けたことで、この粗面部に溶融樹脂が接
触して押し出された接着層の表面が粗くなり、表面積が
大きくなる分だけ加熱中の熱伝達が良好で軟化による接
着性が増して接着相手部材との接着が容易になる。その
ため、従来のように、接着性向上を狙って接着層の材料
選定や組成に費やす労苦が軽減される。
線の製造装置は、押出し口金がその筒状の出口側の内周
面に粗面部を設けたことで、この粗面部に溶融樹脂が接
触して押し出された接着層の表面が粗くなり、表面積が
大きくなる分だけ加熱中の熱伝達が良好で軟化による接
着性が増して接着相手部材との接着が容易になる。その
ため、従来のように、接着性向上を狙って接着層の材料
選定や組成に費やす労苦が軽減される。
【００３０】また、請求項３に記載の多芯平行絶縁電線
は、接着層５を前述のように粗面化して表面積を増した
分だけ加熱軟化した際の接着性が増し、そうした複数本
の自己接着性絶縁電線を平行に接着して一体化した多芯
平行絶縁電線を製造する場合、生産性が高まる。
は、接着層５を前述のように粗面化して表面積を増した
分だけ加熱軟化した際の接着性が増し、そうした複数本
の自己接着性絶縁電線を平行に接着して一体化した多芯
平行絶縁電線を製造する場合、生産性が高まる。
【００３１】また、請求項４に記載の多芯平行絶縁電線
の製造装置は、成型ブロックの融着ガイド溝で束ねた複
数本の自己接着性絶縁電線を加熱しつつ絞ると、熱によ
る軟化と絞り力でもって複数本の自己接着性絶縁電線を
互いにそれらの接着層で簡易かつ確実に接着すること
で、多芯平行絶縁電線の生産性が従来と較べて格段にア
ップする。
の製造装置は、成型ブロックの融着ガイド溝で束ねた複
数本の自己接着性絶縁電線を加熱しつつ絞ると、熱によ
る軟化と絞り力でもって複数本の自己接着性絶縁電線を
互いにそれらの接着層で簡易かつ確実に接着すること
で、多芯平行絶縁電線の生産性が従来と較べて格段にア
ップする。
【００３２】また、請求項５に記載の多芯平行絶縁電線
の製造装置は、成型ブロックの融着ガイド溝に離型剤層
を設けたことで、成型ブロックから成形後の多芯平行絶
縁電線を剥離して離型するのが容易になり、型成形作業
が能率化する。
の製造装置は、成型ブロックの融着ガイド溝に離型剤層
を設けたことで、成型ブロックから成形後の多芯平行絶
縁電線を剥離して離型するのが容易になり、型成形作業
が能率化する。
【図１】同図（ａ）は本発明にかかる自己接着性絶縁電
線を製造する装置要部の押出し口金を示す側面断面図、
同図（ｂ）は矢視Ａ−Ａ線からの絶縁線心の縦断面図、
同図（ｃ）は矢視Ｂ−Ｂ線からの口金側粗面部の縦断面
図、そして同図（ｄ）は矢視Ｃ−Ｃ線からの製造後の自
己接着性絶縁電線の縦断面図である。
線を製造する装置要部の押出し口金を示す側面断面図、
同図（ｂ）は矢視Ａ−Ａ線からの絶縁線心の縦断面図、
同図（ｃ）は矢視Ｂ−Ｂ線からの口金側粗面部の縦断面
図、そして同図（ｄ）は矢視Ｃ−Ｃ線からの製造後の自
己接着性絶縁電線の縦断面図である。
【図２】本発明にかかる多芯平行絶縁電線を製造する装
置要部のヒータと成型ブロックを示す斜視図である。
置要部のヒータと成型ブロックを示す斜視図である。
【図３】同多芯平行絶縁電線製造装置の成型ブロックを
単体で示すその底面斜視図である。
単体で示すその底面斜視図である。
１ 自己接着性絶縁電線 ２ 導体 ３ 絶縁体 ４ 絶縁線心 ５ 接着層 ５ａ 表面肌 １０ 押出し口金 １１ 口金本体 １２ 口金のノズル状先端部 １３ 粗面部 １５ 接着層を形成する溶融樹脂 ２１ ヒータ ２３ 成型ブロック ２４ 融着ガイド溝 ２５ 幅広の溝入口 ２６ 幅狭の溝出口 ２７ 溝側面 ２８ 離型剤層 ３０ 多芯平行絶縁電線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０１Ｂ 13/00 Ｈ０１Ｂ 13/00 ５２５Ｈ
Claims (5)
- 【請求項１】 導体上に絶縁体を押出し被覆してなる絶
縁線心の外周に、表面を粗面化した接着層が設けられて
いることを特徴とする自己接着性絶縁電線。 - 【請求項２】 導体上に絶縁体を押出し被覆してなる絶
縁線心を通す筒状の押出し口金が備わり、この押出し口
金の少なくとも出口端部の内周面に粗面部が設けられ、
押出し口金内に充填した接着性の溶融樹脂を押し出すこ
とにより、前記粗面部によって前記絶縁線心の外周に粗
面化した接着層を形成できるように構成したことを特徴
とする自己接着性絶縁電線の製造装置。 - 【請求項３】 請求項１に記載の自己接着性絶縁電線の
複数本を横並び平行に束ねて互いに外周の接着層で接着
することにより一本化してなっていることを特徴とする
多芯平行絶縁電線。 - 【請求項４】 請求項３に記載の多芯平行絶縁電線を成
形するための成型ブロックが備わり、このブロック全長
に設けた融着ガイド溝が溝入口から溝出口へ幅を漸次小
さくした先細形状であり、この融着ガイド溝に前記複数
本の自己接着性絶縁電線を通過させて加熱しかつ絞るこ
とによりそれらの外周の接着層で互いに融着できるよう
に構成したことを特徴とする多芯平行絶縁電線の製造装
置。 - 【請求項５】 前記融着ガイド溝の溝全面に離型剤層を
設けてなっていることを特徴とする請求項４に記載の多
芯平行絶縁電線の製造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001086844A JP2002289042A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 自己接着性絶縁電線とこれを利用した多芯平行絶縁電線、およびそれらの製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001086844A JP2002289042A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 自己接着性絶縁電線とこれを利用した多芯平行絶縁電線、およびそれらの製造装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002289042A true JP2002289042A (ja) | 2002-10-04 |
Family
ID=18942161
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001086844A Pending JP2002289042A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 自己接着性絶縁電線とこれを利用した多芯平行絶縁電線、およびそれらの製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002289042A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100569862B1 (ko) | 2005-12-28 | 2006-04-11 | 노천래 | 플렛형 다중전선 제조장치 |
| JP2007510256A (ja) * | 2003-05-16 | 2007-04-19 | ネクサン ソシエテ アノニム | 結合層内で被覆された導電体と同導電体を製造する方法 |
| CN104361962A (zh) * | 2014-10-29 | 2015-02-18 | 林州市星河煤机有限公司 | 电气化铁路腕臂绝缘子热挤压钢帽的加工方法 |
| US20150262726A1 (en) * | 2014-03-12 | 2015-09-17 | Merry Electronics (Suzhou) Co., Ltd. | Graphene conducting wire and method of making the same |
| CN104934168A (zh) * | 2015-06-09 | 2015-09-23 | 铜陵华洋特种线材有限责任公司 | 高强度自粘性漆包线的制作方法 |
| JP2018107250A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 矢崎総業株式会社 | 回路体、回路体の製造方法、及び、回路体の製造装置 |
| CN113889301A (zh) * | 2021-11-09 | 2022-01-04 | 杭州瑞利超声科技有限公司 | 一种新型自粘电缆及其加工工艺 |
| CN115295246A (zh) * | 2022-08-13 | 2022-11-04 | 广州万宝多成机电科技有限公司 | 一种水性自粘聚酯亚胺漆包线的涂覆方法 |
-
2001
- 2001-03-26 JP JP2001086844A patent/JP2002289042A/ja active Pending
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