JP2002283808A - 空気入りタイヤおよびその製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤおよびその製造方法

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JP2002283808A
JP2002283808A JP2001092590A JP2001092590A JP2002283808A JP 2002283808 A JP2002283808 A JP 2002283808A JP 2001092590 A JP2001092590 A JP 2001092590A JP 2001092590 A JP2001092590 A JP 2001092590A JP 2002283808 A JP2002283808 A JP 2002283808A
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tire
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rubber
temperature
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Masayuki Okuda
昌幸 奥田
Masahiko Soma
正彦 相馬
Takehiko Sakaushi
毅彦 坂牛
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合部分のない円筒状の熱可塑性樹脂フィル
ムで空気透過防止層を形成しているにもかかわらずリム
との嵌合性を向上させた空気入りタイヤおよびその製造
方法の提供。 【解決手段】 接合部分のない円筒状の熱可塑性樹脂フ
ィルム3で空気透過防止層を形成した空気入りタイヤに
おいて、熱可塑性樹脂フィルム3の幅方向端末3aを、
ビードトウ4からタイヤ内面に沿ってサイド部5方向に
1mm〜30mmの間Mに配置する。また未加硫ゴムか
らなるグリーンタイヤの内面に、円筒状の熱可塑性樹脂
フィルム3を配置し、熱可塑性樹脂フィルム3の幅方向
端末3aをビードトウ4からグリーンタイヤ内面に沿っ
てサイド部5方向に1mm〜30mmの間Mに位置せし
め、このグリーンタイヤの内部に水分率10%以下、酸
素含有率10%以下、温度170〜250℃の乾燥気体
又は不活性気体を導入して加硫を行うこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リムとの嵌合性を
向上させた空気入りタイヤおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤの内面には、空気漏れを
防止してタイヤ空気圧を一定に保持するために空気透過
防止層(インナーライナー層)が設けられている。
【0003】従来、この空気透過防止層としては、低空
気透過性のハロゲン化ブチルゴムが用いられていたが、
このハロゲン化ブチルゴムは他ゴムとの親和性に乏しく
接着性が低いという特性を有するため、空気透過防止層
を形成するときにはタイゴムと呼ばれるゴムシートを介
するから、空気透過防止層は必然的に厚くなり、タイヤ
重量が増加してしまうという問題があった。
【0004】そこで、近年、タイヤを軽量化するため
に、空気透過防止層を低空気透過性の樹脂フィルム、特
に接合部分のない円筒状の熱可塑性樹脂フィルムで形成
することが提案されている(例えば、特開平10−29
248号公報)。しかし、このように円筒状の熱可塑性
樹脂フィルムで空気透過防止層を形成するときには、空
気漏れを十分に防止するためにタイヤ内面からビードベ
ース部を経てビードヒールに至るまで円筒状の熱可塑性
樹脂フィルムの幅方向端部で覆うため、その熱可塑性樹
脂フィルムはゴムに比し摩擦係数が低いから、リム組み
したときにリムに対しビードベース部が滑り易く、リム
との嵌合性がわるいという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、接合
部分のない円筒状の熱可塑性樹脂フィルムで空気透過防
止層を形成しているにもかかわらずリムとの嵌合性を向
上させた空気入りタイヤおよびその製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、接合部分のな
い円筒状の熱可塑性樹脂フィルムで空気透過防止層を形
成した空気入りタイヤにおいて、前記熱可塑性樹脂フィ
ルムの幅方向端末を、ビードトウからタイヤ内面に沿っ
てサイド部方向に1mm〜30mmの間に配置したこと
を特徴とする。
【0007】ビードトウからタイヤ内面に沿ってサイド
部方向に1mm〜30mmの間は、タイヤをリム組みし
てタイヤ内に空気を充填したときにビードトウ付近が押
しつぶされてリムに接するようになる箇所である。本発
明では、この箇所に上記のように接合部分のない円筒状
の熱可塑性樹脂フィルムの幅方向端末を配置しているた
めタイヤ内面の全てが均一に熱可塑性樹脂フィルムで覆
われるので、実質的に空気漏れが生じることはない。ま
た、本発明では、この箇所に上記のように熱可塑性樹脂
フィルムの幅方向端末を配置していて、従来におけるよ
うにタイヤ内面からビードベース部を経てビードヒール
に至るまで熱可塑性樹脂フィルムの幅方向端部で覆って
いないから、リム組みしたときにリムに対しビードベー
ス部が滑り易くはならないのでリムとの嵌合性を向上さ
せることが可能となる。
【0008】また、本発明では、未加硫ゴムからなるグ
リーンタイヤの内面に、空気透過防止層として、円筒状
の熱可塑性樹脂フィルムを配置し、前記熱可塑性樹脂フ
ィルムの幅方向端末をビードトウからグリーンタイヤ内
面に沿ってサイド部方向に1mm〜30mmの間に位置
せしめ、ついで、金型内において、このグリーンタイヤ
の内部に水分率10%以下、酸素含有率10%以下、温
度170〜250℃の乾燥気体もしくは不活性気体を導
入して加硫を行うことからなる空気入りタイヤの製造方
法を要旨とする。
【0009】このように円筒状の熱可塑性樹脂フィルム
の幅方向端末をビードトウからグリーンタイヤ内面に沿
ってサイド部方向に1mm〜30mmの間に位置せしめ
たため、この1mm〜30mmの間は、加硫に際して金
型の一部が接する箇所であるので(金型がこの箇所付近
でビード部を把持してグリーンタイヤを金型内に固定す
る)、金型内においてグリーンタイヤ内面の全てが均一
に熱可塑性樹脂フィルムで覆われるから、熱媒体である
乾燥気体もしくは不活性気体がタイヤ内部に侵入して熱
可塑性樹脂フィルムとタイヤ内面ゴムとの接着不良やカ
ーカス層などのタイヤ部材の劣化を引き起こすことはな
い。また、熱媒体として、水分率10%以下、酸素含有
率10%以下、温度170〜250℃の乾燥気体もしく
は不活性気体を用いるために、円筒状の熱可塑性樹脂フ
ィルムがナイロンなどのような加水分解や酸化劣化を起
こし易い樹脂からなる場合であっても、熱媒体による熱
可塑性樹脂フィルムの劣化が生じることはない。そし
て、この製造方法によれば、リムとの嵌合性を向上させ
た空気入りタイヤを容易に得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】 図1は本発明の空気入りタイ
ヤの一例の子午線方向半断面図である。図1において、
左右一対のビードコア1、1間にカーカス層2が装架さ
れ、このカーカス層2の内側のタイヤ内面には、空気透
過防止層として円筒状の熱可塑性樹脂フィルム3が設け
られている。熱可塑性樹脂フィルム3の幅方向端末3a
は、ビードトウ4からタイヤ内面に沿ってサイド部5の
方向に1mm〜30mmの間Mに配置されている。1m
m未満ではゴムの変形によりリムとの間に差し込まれ
て、リムとの嵌合性が悪くなり、一方、30mm超では
低いビードフィラーより上部に出てエア漏れの原因とな
ってしまう。なお、図1中、6はビードベース部を、7
はビードヒールをそれぞれ示す。
【0011】本発明において空気透過防止層を構成する
円筒状の熱可塑性樹脂フィルム3は、空気透過係数が2
5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下,好ましく
は5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下で、ヤン
グ率が1〜500MPa 、好ましくは10〜300MP
aのものである。空気透過係数が25×10-12 cc・cm
/cm2 ・sec ・cmHgを越えると、タイヤ空気圧を保持す
るため空気透過防止層の厚さを厚くしなければならず、
タイヤの軽量化の目的に反することになる。また、フィ
ルムのヤング率が1MPa未満ではタイヤ成型時にシワ
などが発生して成形加工性が低下し、500MPaを越
えると耐久性に問題が生じるため好ましくない。
【0012】熱可塑性樹脂フィルム3の熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン
6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46
(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12
(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン6
12(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/
66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/6
6/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロ
ン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/P
P共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、及びそ
れらのN−アルコキシアルキル化物、例えば6−ナイロ
ンのメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメト
キシメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化
物、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエチレンイソフタレート(PE10)、P
ET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポ
リブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステ
ル、ポリオキシアルキレンジイミド酸/ポリブチレート
テレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル)、
ポリニトリル系樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル
(PAN)、ポリメチクリロニトリル、アクリロニトリ
ル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/
スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブ
タジエン共重合体)、ポリメタクリレート系樹脂(例え
ば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタク
リル酸エチル)、ポリビニル系樹脂(例えば、酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコー
ル/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデ
ン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニ
ル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチル
アクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニト
リル共重合体)、セルロース系樹脂(例えば、酢酸セル
ロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系樹脂(例え
ば、ポリフッ素化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化
ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PC
TFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合
体)、イミド系樹脂(例えば、芳香族ポリイミド(P
I)などを挙げることができ、2種以上であってもよ
い。
【0013】熱可塑性樹脂フィルム3を製造するには、
通常の円筒状フィルム押出成形機を用いてこれらの樹脂
を常法により円筒状に押出成形することによればよい。
【0014】また、熱可塑性樹脂フィルム3としては、
上記の熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドしたフィ
ルムでも良い。
【0015】熱可塑性樹脂にブレンドすることができる
エラストマー成分としては、熱可塑性樹脂成分とブレン
ドした状態で組成物をなし、結果として上記空気透過係
数及びヤング率を有するものであれば、その種類及び量
は特に限定されない。そのようなエラストマーとして
は、例えば、以下のようなものを挙げることができる。
【0016】ジエン系ゴム及びその水添物(例えば、N
R、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高ジス
BR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化
SBR)、オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピ
レンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレ
ンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレ
ンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体)、ア
クリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム
(例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレン
パラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPM
S)、CR、ヒドリンゴム(CHR・CHC)、クロロ
スルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレ
ン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−
CM))、シリコンゴム(例えば、メチルビニルシリコ
ンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニル
シリコンゴム)、含イオウゴム(例えば、ポリスルフィ
ドゴム)、フッ素ゴム(例えば、ビニリデンフルオライ
ド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフル
オロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系
ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラス
トマー(例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン
系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系
エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げ
ることができ、2種以上であってもよい。
【0017】熱可塑性樹脂とエラストマーのブレンド物
からなる円筒状の熱可塑性樹脂フィルム3を製造するに
は、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの
場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、
連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を
分散させ、ついで常法により円筒状に押出成形すればよ
い。
【0018】エラストマー成分を加硫するには、混練下
で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的加硫させて
も良い。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分へ
の各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加し
ても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好まし
い。熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する
混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、
ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げら
れる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練お
よびエラストマー成分の動的加硫には2軸混練押出機を
使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を
使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、
温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。
また、混練時の剪断速度は1000〜7500 sec-1
あるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10
分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間
は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製
された混練物は、次に押出し成形によって円筒状にフィ
ルム化される。このようにして得られる熱可塑性樹脂フ
ィルム3は、熱可塑性樹脂(A)のマトリクス中にエラ
ストマー成分(B)が不連続相として分散した構造をと
る。
【0019】熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶
性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を添
加するのが好ましい。系に相溶化剤を混合することによ
り、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低
下し、その結果、分散層を形成しているゴムの粒子が微
細になることから両成分の特性はより有効に発現される
ことになる。そのような相溶化剤としては一般的に熱可
塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方の構造を
有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマー
成分と反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン
基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重
合の構造をとるものとすることができる。これらは混合
される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって
選定すれば良いが、通常使用されるものにはスチレン/
エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及び
そのマレイン酸変性物、EPDM:EPDM/スチレン
又EPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそ
のマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、
反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相
溶化剤の配合量には、特に限定はないが、好ましくはポ
リマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分の総和)
100重量部に対して、0.5 〜10重量部が良い。
【0020】熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンド
する場合の特定の熱可塑性樹脂(A)とエラストマー成
分(B)との組成比は、特に限定はなく、フィルムの厚
さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決めればよ
いが、好ましい範囲は重量比(A)/(B)で10/9
0〜90/10、更に好ましくは15/85〜90/1
0である。
【0021】なお、動的に加硫する場合の加硫剤、加硫
助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラスト
マー成分の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定
はない。
【0022】加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架
橋剤)を用いることができる。具体的には、イオン系加
硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオ
ウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジ
サルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が
例示され、例えば、0.5〜4phr (ゴム成分(ポリマ
ー)100重量部あたりの重量部)程度を用いればよ
い。
【0023】また、有機過酸化物系の加硫剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、
1〜15phr 程度を用いればよい。
【0024】さらに、フェノール樹脂系の加硫剤として
は、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、
クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール
樹脂とを含有する混合架橋系等が例示され、例えば、1
〜20phr 程度を用いればよい。
【0025】その他として、亜鉛華(5phr 程度)、酸
化マグネシウム(4phr 程度)、リサージ(10〜20
phr 程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイル
キノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、
ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr 程度)、
メチレンジアニリン(0.2〜10phr 程度)が例示さ
れる。
【0026】また、必要に応じて、加硫促進剤を添加し
てもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば0.5〜2phr 程度用いれば
よい。
【0027】具体的には、アルデヒド・アンモニア系加
硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グ
アジニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン
等が;チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチア
ジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチ
アゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等
が;スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘ
キシルベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、
N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェン
アマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスル
フェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾ
チアゾール等が;チウラム系加硫促進剤としては、テト
ラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラ
エチルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラム
モノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウ
ラムテトラサルファイド等が;ジチオ酸塩系加硫促進剤
としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−
ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジ
チオカーバメート、Zn−エチフェニルジチオカーバメ
ート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメ
チルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバ
メート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等
が;チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウ
レア、ジエチルチオウレア等が;それぞれ開示される。
【0028】また、加硫促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5phr 程度) 、ステアリン酸やオレイン酸およびこれ
らのZn塩(2〜4phr 程度) 等を用いればよい。
【0029】 本発明の空気入りタイヤを製造するに
は、まず、長手方向所定の長さに切り出した(輪切りに
した)円筒状の熱可塑性樹脂フィルムをタイヤ成形用ド
ラムに嵌め、この円筒状の熱可塑性樹脂フィルムの上に
カーカス層、サイド部、ベルト層、トレッド等のタイヤ
部材を積層することにより、未加硫ゴムからなるグリー
ンタイヤの内面に、空気透過防止層として、円筒状の熱
可塑性樹脂フィルムを配置する。
【0030】つぎに、この熱可塑性樹脂フィルムの幅方
向端末をビードトウからグリーンタイヤ内面に沿ってサ
イド部方向に1mm〜30mmの間に位置せしめ、つい
で、金型内において、このグリーンタイヤの内部に水分
率10%以下、好ましくは水分率1%〜5%、酸素含有
率10%以下、好ましくは酸素含有率1%〜5%、温度
170〜250℃の乾燥気体もしくは不活性気体を導入
して加硫を行うことによる。
【0031】上記乾燥気体は、例えば、空気である。ま
た、上記不活性気体は、例えば、窒素である。水分率1
0%以下としたのは、熱可塑性樹脂フィルムがナイロン
等のような加水分解を起こし易い樹脂だからである。酸
素含有率10%以下としたのは、加硫中の熱による酸化
劣化を防止するためである。
【0032】上記温度170〜250℃としたのは、1
70℃未満では、熱容量の小さい乾燥気体もしくは不活
性ガスを熱媒体に用いた場合、昇温が遅く加硫生産性が
悪く、一方、250℃超では、乾燥気体もしくは不活性
ガスが樹脂フィルム内に浸透し、樹脂フィルム中に浸透
したガスが加硫終了時に内圧力を大気圧に下げると膨張
しブリスターの故障になるからである。
【0033】また、未加硫ゴムからなるグリーンタイヤ
の内面に、架橋性接着剤層を介して円筒状の熱可塑性樹
脂フィルムを配置してもよい。この架橋性接着剤層とし
ては、例えば、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂
系接着剤などを用いればよい。このように架橋性接着剤
層を介する場合には、加硫初期を高温にして架橋性接着
剤層の架橋を進めると共に加硫後期に温度を低下させる
ことにより熱可塑性樹脂フィルムをタイヤ内面ゴムに強
固に接着させるとよい。
【0034】
【実施例】熱可塑性樹脂としてナイロン6(N6)(東
レ製 CM4061)を用いて常法により厚さ0.1m
mの円筒状フィルムを作製し、この円筒状フィルムを空
気透過防止層としてタイヤ内面に配置し、そのフィルム
の幅方向端末を、ビードトウからタイヤ内面に沿ってサ
イド部方向に10mmの位置に配置することによりタイ
ヤサイズ205/65R15の図1に示す構造の空気入
りラジアルタイヤを製造した(本発明タイヤ)。
【0035】また、比較のために、フィルムの幅方向端
末をタイヤ内面からビードベース部を経てビードヒール
に至らしめたことを除いて、上記本発明タイヤと同様の
空気入りラジアルタイヤを製造した(従来タイヤ)。
【0036】これらのタイヤにつき、下記によりリムと
の嵌合性を評価した。この結果を表1に示す。
【0037】リムとの嵌合性:タイヤをリムに組み付け
た際に、リムフランジからリムチェックラインまでの距
離を、タイヤ周方向に均等間隔に8箇所測定した。各タ
イヤについて測定結果の標準偏差を計算し、その逆数に
ついて従来タイヤを100とする指数で示す。指数値の
大きい方がリムとの嵌合性に優れている。
【0038】
【表1】
【0039】表1より本発明タイヤのほうが、従来タイ
ヤよりリムとの嵌合性が良好であることがわかる。
【0040】従来タイヤのようにタイヤの軽量化のため
にビードヒールに至るまで熱可塑性フィルムを用いたタ
イヤのリム嵌合性はフィルムの摩擦抵抗が小さいため、
リム嵌合性が悪く、走行中にタイヤとリムがずれるとい
う問題が発生し易くなる。それに対し、本発明タイヤは
ビードベースからヒール部が熱可塑性フィルムで覆われ
ておらずゴムが露出しているため、従来タイヤの欠点が
解消され、リム嵌合性を悪くすることなくタイヤの軽量
化が可能になる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、接
合部分のない円筒状の熱可塑性樹脂フィルムで空気透過
防止層を形成した空気入りタイヤにおいて、前記熱可塑
性樹脂フィルムの幅方向端末を、ビードトウからタイヤ
内面に沿ってサイド部方向に1mm〜30mmの間に配
置したために、リムとの嵌合性を向上させることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方向半
断面図である。
【符号の説明】
1 ビードコア 2 カーカス層 3 円筒状の熱可塑性樹脂フィルム 4 ビードトウ 5 サイド部 6 ビードベース部 7 ビードヒール M 1mm〜30mmの間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 101:12 B29K 101:12 105:24 105:24 B29L 30:00 B29L 30:00 (72)発明者 坂牛 毅彦 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 Fターム(参考) 4F202 AA45 AH20 CA21 CB01 CY02 CY11 4F203 AA45 AH20 DA11 DB01 DC01 DC03 DK01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合部分のない円筒状の熱可塑性樹脂フ
    ィルムで空気透過防止層を形成した空気入りタイヤにお
    いて、前記熱可塑性樹脂フィルムの幅方向端末を、ビー
    ドトウからタイヤ内面に沿ってサイド部方向に1mm〜
    30mmの間に配置した空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 未加硫ゴムからなるグリーンタイヤの内
    面に、空気透過防止層として、円筒状の熱可塑性樹脂フ
    ィルムを配置し、前記熱可塑性樹脂フィルムの幅方向端
    末をビードトウからグリーンタイヤ内面に沿ってサイド
    部方向に1mm〜30mmの間に位置せしめ、ついで、
    金型内において、このグリーンタイヤの内部に水分率1
    0%以下、酸素含有率10%以下、温度170〜250
    ℃の乾燥気体もしくは不活性気体を導入して加硫を行う
    ことからなる空気入りタイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記乾燥気体が空気である請求項2記載
    の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記不活性気体が窒素である請求項2記
    載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 【請求項5】 未加硫ゴムからなるグリーンタイヤの内
    面に、架橋性接着剤層を介して円筒状の熱可塑性樹脂フ
    ィルムを配置し、加硫初期を高温にして前記架橋性接着
    剤層の架橋を進めると共に加硫後期に温度を低下させて
    前記熱可塑性樹脂フィルムをタイヤ内面ゴムに強固に接
    着させる請求項2、3、又は4記載の空気入りタイヤの
    製造方法。
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