JP2002277606A - 反射防止膜及び光学素子 - Google Patents

反射防止膜及び光学素子

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JP2002277606A
JP2002277606A JP2001080185A JP2001080185A JP2002277606A JP 2002277606 A JP2002277606 A JP 2002277606A JP 2001080185 A JP2001080185 A JP 2001080185A JP 2001080185 A JP2001080185 A JP 2001080185A JP 2002277606 A JP2002277606 A JP 2002277606A
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antireflection film
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antireflection
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JP2001080185A
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Yorio Wada
順雄 和田
Takeshi Kawamata
健 川俣
Tadashi Watanabe
正 渡邊
Takeshi Deguchi
武司 出口
Nobuyoshi Toyohara
延好 豊原
Kunihiko Uzawa
邦彦 鵜澤
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外域から可視域さらには赤外域までの広い
波長帯域で、高い反射防止効果を有した反射防止膜を提
供する。 【解決手段】 屈折率が1.65〜1.85の範囲にあ
る基板に設けられる反射防止膜であって、基板側から数
えて第1,3,5層にHfO,ZrO,Ta
,Yのいずれか又はこれらの混合物が、第
2,4層にSiOまたはMgFが、第6層にMgF
がそれぞれ成膜されており、基準波長をλとしたとき
の各層の光学的膜厚が、第1層は(0.36〜0.4
7)×λ/4、第2層は(0.08〜0.18)×λ/
4、第3層は(1.11〜1.22)×λ/4、第4層
は(0.17〜0.23)×λ/4、第5層は(0.4
5〜0.46)×λ/4、第6層は(0.80〜1.2
0)×λ/4となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外、可視、赤外
領域の広い波長域で使用することが可能な反射防止膜及
びこの反射防止膜を備えた光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズやプリズムなどの光学素子の表面
には反射防止膜が施される。その主な目的は、光学素子
により横成される光学系全体の透過率を向上すること、
特に可視域の反射を抑えることで見えやすさを向上させ
ることである。これまでの光学機器の多くは、可視域や
それよりも狭い光の波長域で使用されるため、反射防止
膜も可視域やそれよりも狭い光の波長域の反射を抑える
ことができれば十分となっていた。
【0003】しかし近年は、より広い波長域で使用する
光学機器が必要となり、これに用いる光学素子にもそれ
に対応した波長域での反射防止膜を施すことが必要とな
っている。このような広い波長域での従来の反射防止膜
としては、特許第2711697号に記載されている。
この反射防止膜は、蒸着材料としてTiO、Si
,MgFの3種類の材料を用いた8層構成とする
ことにより、可視域から赤外域にわたる広帯域で0.8
%以下の低反射率を可能とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような可視や赤
外帯域に加え、最近では紫外域においても高い反射防止
性能が必要となってきている。例えば顕微鏡分野におい
ては、より高い解像度を求めるために紫外域まで観察範
囲が広がっており、さらに、蛍光検出等のために赤外域
の光も必要とするものがある。このように、光学機器を
広い波長域で使用するために、光学素子に対しても紫外
域から赤外域にわたる広帯域で高い透過率を有すること
が求められるようになっている。
【0005】しかしながら、上述した従来の反射防止膜
では、400nm以下の波長域で強い光吸収のあるTi
を使用しているため、紫外域では使用することがで
きない問題がある。
【0006】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、紫外域から可視域、さらには
赤外域にわたる広帯域で高い反射防止性能を有する反射
防止膜およびこの反射防止膜を設けた光学素子を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の反射防止膜は、屈折率が1.65
〜1.85の範囲にある基板に設けられる反射防止膜で
あって、基板側から数えて第1,3,5層にHfO
ZrO,Ta,Yのいずれか又はこれら
の混合物が、第2,4層にSiOまたはMgFが、
第6層にMgFがそれぞれ成膜されており、基準波長
をλとしたときの各層の光学的膜厚が、第1層は(0.
36〜0.47)×λ/4、第2層は(0.08〜0.
18)×λ/4、第3層は(1.11〜1.22)×λ
/4、第4層は(0.17〜0.23)×λ/4、第5
層は(0.45〜0.46)×λ/4、第6層は(0.
80〜1.20)×λ/4となっていることを特徴とす
る。
【0008】請求項2の発明の反射防止膜は、屈折率が
1.42〜1.65の範囲にある基板に設けられる反射
防止膜であって、基板側から数えて第2,4,6層にH
fO ,ZrO,Ta,Yのいずれか又
はこれらの混合物が、第1,3,5層にSiOまたは
MgFが、第7層にMgFがそれぞれ成膜されてお
り、基準波長をλとしたときの各層の光学的膜厚が、第
1層は(0.05〜2.44)×λ/4、第2層は
(0.32〜0.45)×λ/4、第3層は(0.29
〜0.43)×λ/4、第4層は(0.77〜1.7
2)×λ/4、第5層は(0.07〜0.38)×λ/
4、第6層は(0.48〜0.70)×λ/4、第7層
は(1.00〜1.36)×λ/4となっていることを
特徴とする。
【0009】請求項3の発明の反射防止膜は、屈折率が
1.44〜1.76の範囲にある基板に設けられる反射
防止膜であって、基板側から数えて第2,4,6,8,
10,12層にHfO,ZrO,Ta,Y
のいずれか又はこれらの混合物が、第1,3,5,
7,9,11,13層にSiOまたはMgFがそれ
ぞれ成膜されており、基準波長をλとしたときの各層の
光学的膜厚が、第1層は(0.02〜0.53)×λ/
4、第2層は(0.06〜0.44)×λ/4、第3層
は(0.33〜0.84)×λ/4、第4層は(0.1
0〜0.50)×λ/4、第5層は(0.58〜1.2
0)×λ/4、策6層は(0.04〜0.21)×λ/
4、第7層は(0.55〜1.14)×λ/4、第8層
は(0.30〜0.54)×λ/4、第9層は(0.1
5〜0.44)×λ/4、第10層は(0.29〜1.
25)×λ/4、第11層は(0.14〜0.29)×
λ/4、第12層は(0.45〜0.62)×λ/4、
第13層は(0.80〜1.20)×λ/4となってい
ることを特徴とする。
【0010】以上の請求項1〜3の発明の成膜材料とし
て用いられるHfO,ZrO,Ta,Y
,SiO,MgFはいずれも紫外域から赤外域の
広い範囲で光吸収が少ないため、これらを成膜した反射
防止膜は、紫外域から赤外域にわたる広い波長域で高い
反射防止効果を有する。また使用状況に応じて、実際に
使用する特定の波長域で選択的に反射率を下げること
も、広い波長域全体で反射率を低くすることも可能とな
る。
【0011】なお、請求項1の発明の反射防止膜は、6
層構造であり、従来よりも層数が少なく製造が容易とな
っている。
【0012】請求項1の発明において、その基板は屈折
率が1.65〜1.85の範囲であれば良く、請求項2
の発明では、屈折率が1.42〜1.65の範囲、請求
項3の発明では、屈折率が1.44〜1.76の範囲で
あれば良い。基板の材質としてはガラスの他に、結晶材
料、プラスチック等でも良い。また、基板の形状も平板
形状、レンズ形状、プリズム形状等のあらゆる形状に適
用することができる。反射防止膜の成膜方法としては、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法等、特に限定されるものではない。
【0013】請求項4の発明の光学素子は、請求項1〜
3のいずれかに記載の反射防止膜を基板に設けたことを
特徴とする。
【0014】この発明の光学素子によれば、紫外域から
赤外域にわたる広い波長域で高い反射防止効果があり、
その結果、広い波長範囲で高い透過率を有することがで
きる。基板の材質はガラスの他に、結晶材料、プラスチ
ック等でも良い。また、平板状、レンズ状、プリズム状
等のあらゆる形状の基板であっても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態によ
り、具体的に説明する。なお、実施の形態1〜4は請求
項1の発明に対応し、実施の形態5〜11は請求項2の
発明に対応し、実施の形態12〜14は請求項3の発明
に対応するものである。
【0016】(実施の形態1)この実施の形態では、3
50nm〜500nmの波長範囲および750nmから
800nmの波長範囲で反射率を抑えた反射防止膜を示
す。光学機器によっては実際に使用する波長が離散的な
場合も多く、この実施の形態はこのように使用する波長
域のみで反射率を下げるものである。
【0017】屈折率1.65のガラス製レンズを基板と
して用い、基準波長λを535nmとして、表1のよう
に1,3,5層目にはHfOを、2,4,6層目には
MgFを使用した構成の反射防止膜を成膜した。
【0018】図1はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、目的とする紫外域である350nmから可視域であ
る500nm範囲および赤外域である750nmから8
00nmの範囲で、およそ1%以下の反射率であり、極
めて良好な反射防止性能を有している。また、1,3,
5層目のHfOに代えて、Yを使用してもほぼ
同様な反射防止性能を得ることができた。
【0019】また、反射防止膜が施されていないレンズ
の透過率は88%であるが、この実施の形態の反射防止
膜を両面に施したレンズの透過率は、紫外域である35
0nmから可視域である500nmの範囲および赤外域
である750nmから800nmの範囲で98%以上と
極めて良好であった。
【0020】
【表1】
【0021】(実施の形態2)実施の形態1では離散し
た2つの波長域で反射率を下げる反射防止膜を示した
が、この実施の形態の反射防止膜は連続した波長域で反
射率を下げるものである。
【0022】屈折率1.85のガラス製レンズを基板と
して用い、基準波長λを491nmとして、表2のよう
に1,3,5層目にはHfOを、2,4,6層目には
MgFを使用した構成の反射防止膜を成膜した。
【0023】図2はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、紫外域である370nmから赤外域である760n
mまでの広い波長範囲で、およそ1%以下の反射率であ
り、極めて良好な反射防止性能を有している。
【0024】また、反射防止膜が施されていないレンズ
の透過率は約82%であるが、この実施の形態の反射防
止膜を両面に施したレンズの透過率は、370nmから
760nmの範囲で98%以上と極めて良好であった。
【0025】
【表2】
【0026】(実施の形態3)屈折率1.74のプラス
チック製レンズを基板として用い、基準波長λを508
nmとして、表3のように1,3,5層目にはTa
を、2,4層目にはSiOを、6層目にはMgF
を使用した構成の反射防止膜を成膜した。
【0027】図3はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、紫外域である350nmから赤外域である740n
mまでの広い波長範囲でおよそ1%以下の反射率であ
り、極めて良好な反射防止性能を有している。
【0028】なお、1,3,5層目のTaに代え
て、ZrOまたはZrOとTa との混合物等
を使用して成膜してもほぼ同様な反射防止性能を得るこ
とができた。
【0029】
【表3】
【0030】(実施の形態4)屈折率1.75のガラス
製プリズムを基板として用い、基準波長λを546nm
として、表4のように実施の形態2とほば同じ構成の反
射防止膜を成膜した。
【0031】図4はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、可視域である400nmから赤外域である870n
mの広い波長範囲でおよそ1%以下の反射率であり、極
めて良好な反射防止性能を有している。
【0032】この実施の形態では、実施の形態2に対し
基準波長を長波長側にシフトしたことにより、高い反射
防止性能を有する波長範囲を赤外域に移行させることが
可能となった。
【0033】
【表4】
【0034】(実施の形態5)この実施の形態では、3
50nmから500nmの範囲および750nmから8
00nmの範囲で反射率を下げた反射防止膜を示す。光
学機器によっては実際に使用する波長が離散的な場合も
多く、この実施の形態はこのように使用する波長域のみ
で反射率を下げた形態である。
【0035】屈折率1.43のガラス製レンズを基板と
して用い、基準波長λを480nmとして、表5のよう
に2,4,6層目にはHfOを、1,3,5,7層目
にはMgFを使用した構成の反射防止膜を成膜した。
【0036】図5はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、目的とする紫外域である350nmから可視域であ
る500nmの範囲および赤外域である750nmから
800nmの範囲で、およそ1%以下の反射率であり、
極めて良好な反射防止性能を有している。なお、2,
4,6層目のHfOに代えて、Yを使用しても
ほぼ同様な反射防止性能を得ることができた。
【0037】また、反射防止膜の施されていないレンズ
の透過率は88%であるが、この実施の形態の反射防止
膜を両面に施したレンズの透過率は、紫外域である35
0nmから可視域である500nmの範囲および赤外域
である750nmから800nmの範囲で98%以上と
極めて良好であった。
【0038】
【表5】
【0039】(実施の形態6)実施の形態5では離散し
た2つの波長域で反射率を下げるような反射防止膜を示
したが、この実施の形態では連続した波長域で反射率を
下げるものである。
【0040】屈折率1.62のガラス製レンズを基板と
して用い、基準波長λを480nmとして、表6のよう
に2,4,6層目にはHfOを、1,3,5,7層目
にはMgFを使用した構成の反射防止膜を成膜した。
【0041】図6はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、紫外域である370nmから赤外域である830n
mまでの広い波長範囲でおよそ1%以下の反射率であ
り、極めて良好な反射防止性能を有している。
【0042】また、反射防止膜の施されていないレンズ
の透過率は約82%であるが、この実施の形態の反射防
止膜を両面に施したレンズの透過率は、370nmから
760nmの範囲で98%以上と極めて良好であった。
【0043】
【表6】
【0044】(実施の形態7)実施の形態6では連続し
た波長域で反射率を下げた反射防止膜を示したが、この
実施の形態はこの波長域で最大反射率をさらに下げたも
のである。
【0045】屈折率1.62のガラス製レンズを基板と
して用い、基準波長λを500nmとして、表7のよう
に2,4,6層目にはHfOを、1,3,5,7層目
にはMgFを使用した構成の反射防止膜を成膜した。
【0046】図7はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、紫外域である370nmから赤外域である830n
mまでの広い波長転囲でおよそ1%以下の反射率であ
り、極めて良好な反射防止性能を有している。
【0047】また、反射防止膜が施されていないレンズ
の透過率は約82%であるが、この実施の形態の反射防
止膜を両面に施したレンズの透過率は、370nmから
760nmの範囲で98%以上と極めて良好であった。
【0048】
【表7】
【0049】(実施の形態8)屈折率1.52のプラス
チック製レンズを基板として用い、基準波長λを520
nmとして、表8のように2,4,6層目にはTa
を、1,3,5層目にはSiOを、7層目にはMg
を使用した構成の反射防止膜を成膜した。
【0050】図8はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、紫外域である350nmから赤外域である800n
mまでの広い波長範囲でおよそ1%以下の反射率であ
り、極めて良好な反射防止性能を有している。
【0051】なお、2,4,6層目のTaに代え
て、ZrO、またはZrOとTaとの混合物
等を使用してもほぼ同様な反射防止性能を得ることがで
きた。
【0052】
【表8】
【0053】(実施の形態9)屈折率1.62のガラス
製プリズムを基板として用い、基準波長λを550nm
として、表9のように実施の形態7とほば同じ構成の反
射防止膜を成膜した。
【0054】図9はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、可視域である400nmから赤外域である870n
mの広い波長範囲でおよそ1%以下の反射率であり、極
めて良好な反射防止性能を有している。
【0055】この実施の形態では、実施の形態7に対し
基準波長を長波長側にシフトしたことにより、高い反射
防止性能を有する波長範囲を赤外域に移行させることが
できている。
【0056】
【表9】
【0057】(実施の形態10)この実施の形態は、実
施の形態6と同様に、連続した波長域で反射率を下げた
ものである。
【0058】屈折率1.43のガラス製レンズを基板と
して用い、基準波長λを475nmとして、表10のよ
うに2,4,6層目にはHfOを、1,3,5,7層
目にはMgFを使用した構成の反射防止膜を成膜し
た。
【0059】図10はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、可視域である400nmから赤外域である830n
mまでの広い波長範囲でおよそ1%以下の反射率であ
り、極めて良好な反射防止性能を有している。
【0060】また、反射防止膜が施されていないレンズ
の透過率は88%であるが、この実施の形態の反射防止
膜を両面に施したレンズの透過率は、400nmから7
60nmの範囲で98%以上と極めて良好であった。
【0061】
【表10】
【0062】(実施の形態11)この実施の形態では、
実施の形態5と同様に、350nmから500nmの範
囲および750nmから800nmの範囲で反射率を下
げた反射防止膜を示す。
【0063】屈折率1.57のガラス製レンズを基板と
して用い、基準波長λを480nmとして、表11のよ
うに2,4,6層目にはHfOを、1,3,5,7層
目にはMgFを使用した構成の反射防止膜を成膜し
た。
【0064】図11はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、目的とする紫外域である350nmから可視域であ
る500nmの範囲および赤外域である750nmから
800nmの範囲でおよそ1%以下の反射率であり、極
めて良好な反射防止性能を有している。
【0065】また、反射防止膜が施されていないレンズ
の透過率は約82%であるが、この実施の形態の反射防
止膜を両面に施したレンズの透過率は、紫外域である3
50nmから可視域である500nmの範囲および赤外
域である750nmから800nmの範囲で98%以上
と極めて良好であった。
【0066】
【表11】
【0067】(実施の形態12)この実施の形態では、
370nmから570nmの範囲および750nmから
830nmの範囲で反射率を下げた反射防止膜を示す。
光学機器によっては実際に使用する波長が離散的な場合
も多く、この実施の形態はこのように使用する波長域の
みで反射率を下げた形態である。
【0068】屈折率1.44のガラス製レンズを基板と
して用い、基準波長λを520nmとして、表12のよ
うに1,3,5,7,9,11,13層目にはMgF
を、2,4,6,8,10,12層目にはHfOを使
用した構成の反射防止膜を成膜した。
【0069】図12はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、目的とする紫外域である370nmから可視域であ
る570nmの範囲および赤外域である750nmから
830nmの範囲で、およそ0.5%以下の反射率であ
り、極めて良好な反射防止性能を有している。
【0070】この実施の形態では、1,3,5,7,
9,11,13層目のMgFに代えてSiOを、
2,4,6,8,10,12層目のHfOに代えてT
を使用して成膜してもほぼ同様な反射防止性能
を得ることができた。
【0071】また、空気との接触面を16面有する複数
のレンズ群の各面に対して、この実施の形態の反射防止
膜を施したレンズ群トータルの透過率は、紫外域である
370nmから可視域である570nmの範囲および赤
外域である750nmから830nmの範囲で92%以
上と極めて良好であった。
【0072】
【表12】
【0073】(実施の形態13)屈折率1.52のガラ
ス製レンズを基板として用い、基準波長λを570nm
として、表13のように1,3,5,7,9,11,1
3層目にはMgFを、2,4,6,8,10,12層
目にはHfOを使用した構成の反射防止膜を成膜し
た。
【0074】図13はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、紫外域である360nmから可視域である550n
mの範囲および赤外域である730nmから810nm
の範囲で、およそ0.5%以下の反射率であり、極めて
良好な反射防止性能を有している。
【0075】また、空気との接触面を16面有する複数
のレンズ群の各面に対して、この実施の形態の反射防止
膜を施したレンズ群トータルの透過率は、紫外域である
360nmから可視域である550nmの範囲および赤
外域である730nmから810nmの範囲で92%以
上と極めて良好であった。
【0076】
【表13】
【0077】(実施の形態14)屈折率1.76のガラ
ス製レンズを基板として用い、基準波長λを580nm
として、表14のように1,3,5,7,9,11,1
3層目にはMgFを、2,4,6,8,10,12層
目にはHfOを使用した構成の反射防止膜を成膜し
た。
【0078】図14はこの反射防止膜の分光反射率であ
り、紫外域である360nmから可視域である560n
mの範囲および赤外域である740nmから830nm
の範囲でおよそ0.5%以下の反射率であり、極めて良
好な反射防止性能を有している。
【0079】また、空気との接触面を16面有する複数
のレンズ群の各面に対して、この実施の形態の反射防止
膜を施したレンズ群トータルの透過率は、紫外域である
360nmから可視域である560nmの範囲および赤
外域である740nmから830nmの範囲で92%以
上と極めて良好であった。
【0080】
【表14】
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3の発
明の反射防止膜によれば、紫外域から赤外域にわたる広
い波長域で高い反射防止性能を有することができる。ま
た使用状況に応じて、実際に使用する特定の波長域で選
択的に反射率を下げた反射防止膜や、広い波長域全体で
反射率を下げた反射防止膜とすることができる。
【0082】請求項4の発明の光学素子によれば、紫外
域から赤外域にわたる広い波長域で高い反射防止効果が
あり、その結果、広い波長範囲で高い透過率を有したも
のとすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図2】実施の形態2の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図3】実施の形態3の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図4】実施の形態4の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図5】実施の形態5の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図6】実施の形態6の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図7】実施の形態7の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図8】実施の形態8の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図9】実施の形態9の反射防止膜の分光反射率の特性
図である。
【図10】実施の形態10の反射防止膜の分光反射率の
特性図である。
【図11】実施の形態11の反射防止膜の分光反射率の
特性図である。
【図12】実施の形態12の反射防止膜の分光反射率の
特性図である。
【図13】実施の形態13の反射防止膜の分光反射率の
特性図である。
【図14】実施の形態14の反射防止膜の分光反射率の
特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 正 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 出口 武司 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 豊原 延好 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 鵜澤 邦彦 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA09 BB02 BB11 CC03 CC06 4G059 AA11 AB11 AC04 EA01 EB03 GA02 GA04 GA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が1.65〜1.85の範囲にあ
    る基板に設けられる反射防止膜であって、基板側から数
    えて第1,3,5層にHfO,ZrO,Ta
    ,Yのいずれか又はこれらの混合物が、第
    2,4層にSiOまたはMgFが、第6層にMgF
    がそれぞれ成膜されており、基準波長をλとしたとき
    の各層の光学的膜厚が、第1層は(0.36〜0.4
    7)×λ/4、第2層は(0.08〜0.18)×λ/
    4、第3層は(1.11〜1.22)×λ/4、第4層
    は(0.17〜0.23)×λ/4、第5層は(0.4
    5〜0.46)×λ/4、第6層は(0.80〜1.2
    0)×λ/4となっていることを特徴とする反射防止
    膜。
  2. 【請求項2】 屈折率が1.42〜1.65の範囲にあ
    る基板に設けられる反射防止膜であって、基板側から数
    えて第2,4,6層にHfO,ZrO,Ta
    ,Yのいずれか又はこれらの混合物が、第
    1,3,5層にSiOまたはMgFが、第7層にM
    gFがそれぞれ成膜されており、基準波長をλとした
    ときの各層の光学的膜厚が、第1層は(0.05〜2.
    44)×λ/4、第2層は(0.32〜0.45)×λ
    /4、第3層は(0.29〜0.43)×λ/4、第4
    層は(0.77〜1.72)×λ/4、第5層は(0.
    07〜0.38)×λ/4、第6層は(0.48〜0.
    70)×λ/4、第7層は(1.00〜1.36)×λ
    /4となっていることを特徴とする反射防止膜。
  3. 【請求項3】 屈折率が1.44〜1.76の範囲にあ
    る基板に設けられる反射防止膜であって、基板側から数
    えて第2,4,6,8,10,12層にHfO,Zr
    ,Ta,Yのいずれか又はこれらの混
    合物が、第1,3,5,7,9,11,13層にSiO
    またはMgFがそれぞれ成膜されており、基準波長
    をλとしたときの各層の光学的膜厚が、第1層は(0.
    02〜0.53)×λ/4、第2層は(0.06〜0.
    44)×λ/4、第3層は(0.33〜0.84)×λ
    /4、第4層は(0.10〜0.50)×λ/4、第5
    層は(0.58〜1.20)×λ/4、策6層は(0.
    04〜0.21)×λ/4、第7層は(0.55〜1.
    14)×λ/4、第8層は(0.30〜0.54)×λ
    /4、第9層は(0.15〜0.44)×λ/4、第1
    0層は(0.29〜1.25)×λ/4、第11層は
    (0.14〜0.29)×λ/4、第12層は(0.4
    5〜0.62)×λ/4、第13層は(0.80〜1.
    20)×λ/4となっていることを特徴とする反射防止
    膜。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の反射防
    止膜が基板に設けられていることを特徴とする光学素
    子。
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