JP2002277393A - 測定方法及び装置、並びに、イメージ化方法及び装置 - Google Patents

測定方法及び装置、並びに、イメージ化方法及び装置

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JP2002277393A
JP2002277393A JP2001074551A JP2001074551A JP2002277393A JP 2002277393 A JP2002277393 A JP 2002277393A JP 2001074551 A JP2001074551 A JP 2001074551A JP 2001074551 A JP2001074551 A JP 2001074551A JP 2002277393 A JP2002277393 A JP 2002277393A
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Mamoru Usami
護 宇佐見
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Tochigi Nikon Corp
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計算量を低減しかつ安定して精度良く複素屈
折率を測定する。 【解決手段】 発生部7で発生したテラヘルツパルス光
を被測定物20に透過させる。その透過光を検出器11
で検出し、所定周波数の振幅透過率及び位相差を得る。
これらと被測定物20の複素屈折率との関係を示す式に
基づいて、逐次近似により被測定物20の複素屈折率を
求める。この式は、テラヘルツパルス光の前記被測定物
の内部での多重反射を反映したものである。前記逐次近
似において、複素屈折率の近似解を与えて複素屈折率の
新たな近似解を得るに際し、光が被測定物20の周囲の
媒質から被測定物20へ入射するときの透過率、光が被
測定物20から媒質へ出射するときの透過率、及び、多
重反射に基づく項を、与えた近似解にて定まる既知数と
して取り扱うことにより、新たな近似解を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定物の複素屈
折率又は複素誘電率を測定する測定方法及び装置、並び
に、これを用いた被測定物のイメージ化方法及び装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質はその性質に依存した固有の屈折率
を持つ。また、屈折率は、周波数(したがって、波数)
により異なる値をとり、その屈折率の周波数依存性も物
質に固有のものである。そこで、物質の性質を調べるた
めに、光学的に物質の屈折率を測定することが広く行わ
れている。
【0003】フーリエ変換赤外分光法(FTIR法)な
どの従来の分光法によって物質の透過光又は反射光を測
定した場合に得られる情報は、エネルギー透過率又はエ
ネルギー反射率のみであった。その測定結果から物質の
屈折率(一般に複素数)を求めるためには、エネルギー
透過率又はエネルギー反射率の周波数依存性を測定し、
その結果に対して、ある周波数領域で理論式のパラメー
タを非線形最小二乗法などにより最適化していた。
【0004】このような手法には複雑な計算が伴うた
め、解析に時間がかかるなどの問題点があった。また、
ある特定の周波数に対する複素屈折率のみが必要な場合
であっても、屈折率の周波数依存性を求めるなどの煩雑
な手順が必要であった。
【0005】一方、テラヘルツ分光法を利用して被測定
物の複素屈折率を測定する測定方法が、ドュヴィラレッ
トら(Lionel Duvillaret, Frederic Garet, and Jean-
Louis Coutaz)の論文("A Reliable Method for Extra
ction of Material Parameters in Terahertz Time-Dom
ain Spectroscopy", IEEE Journal of Selected Topics
in Quantum Electronics, Vol.2, No.3, pp.739-746
(1996))に開示されている。
【0006】テラヘルツ分光法では、振幅情報と位相情
報の2つの情報を同時に得ることができる。前記論文に
は、測定から得られる振幅透過率及び位相差と複素屈折
率との関係を示す式が開示されている。測定から得られ
る値が2つ(振幅透過率と位相差)であるのに対し、未
知数が2つ(複素屈折率の実部と虚部)であるから、各
周波数において前記式に基づく2元連立方程式を解くこ
とにより、各周波数における複素屈折率を求めることが
可能である。したがって、屈折率の波長依存性を求める
などの煩雑な手順が不要となる。
【0007】しかしながら、この場合、前記2元連立方
程式は非常に複雑な形になってしまうため、そのまま解
くことは極めて困難である。そこで、前記論文に開示さ
れた測定方法では、被測定物の内部での多重反射を無視
する場合において、最適値を与えると0になる常に負で
ない評価関数(error function)を導入し、この評価関
数を最小化することにより複素屈折率を求める手法を採
用している。さらに、前記論文には、被測定物の内部で
の多重反射を考慮する場合において、前記多重反射に基
づかない項に関して評価関数を導入した上で、多重反射
に基づく項を摂動として取り扱い、逐次近似により複素
屈折率を求める手法を開示している。この逐次近似にお
いては、複素屈折率の近似解を与えて複素屈折率の新た
な近似解を得るに際し、多重反射に基づく項のみを、与
えた近似解にて定まる既知数として取り扱い、この既知
数に基づいて前記評価関数を最小化することにより、新
たな近似解を得ている。つまり、逐次近似の際に新たな
近似解を得る度に、毎回、評価関数最小化を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記論文に開示された
測定方法は、フーリエ変換赤外分光法等により複素屈折
率を測定する場合に比べて、屈折率の波長依存性を求め
るなどの煩雑な手順が不要となるので、優れている。ま
た、前記論文に開示された測定方法は、多重反射を無視
する場合に、評価関数利用することにより複素屈折率を
求めるので、複雑な形の式をそのまま解く場合に比べれ
ば、計算量が低減され、測定時間の短縮化を図ることが
できる。さらに、多重反射を考慮する場合には、その影
響を逐次近似で取り扱うことにより、安定にかつ精度良
く複素屈折率を求めることができる。
【0009】しかしながら、前記論文に開示された測定
方法では、逐次近似の際に新たな近似解を得る度に評価
関数を最小化する計算を行わなければならず、複素屈折
率の測定のための計算量は非常に多くなる。
【0010】以上、複素屈折率を測定する場合について
述べたが、周知のように複素屈折率と複素誘電率とは一
定の関係を有していることから、被測定物の複素誘電率
を測定する場合についても同様である。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、屈折率の波長依存性を求めるなどの煩雑な手
順が不要となり、しかも、計算量を低減しかつ安定して
精度良く複素屈折率又は複素誘電率を測定することがで
きる測定方法及び装置、並びに、これを用いた被測定物
のイメージ化方法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による測定方法は、被測定物の
複素屈折率又は複素誘電率を測定する測定方法であっ
て、(1)テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から
発生して所定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光
を検出する検出部とを用いて、前記光路上に前記被測定
物を配置した状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被
測定物に照射することにより前記被測定物を透過して前
記検出部により検出されるパルス光の、電場強度の時系
列波形である計測時系列波形を取得する段階と、(2)
前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
た状態であるいは前記光路上に前記被測定物も前記試料
も配置しない状態で、前記発生部から発生されて前記検
出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形
である基準時系列波形と、前記計測時系列波形との関係
に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素誘電率
を演算する演算段階と、を備えたものである。前記演算
段階は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ変換して
得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形をフーリエ
変換して得た前記所定周波数の振幅との比である前記所
定周波数の振幅率を求める段階と、(b)前記計測時系
列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数の位相と
前記基準時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周
波数の位相との位相差を求める段階と、(c)前記所定
周波数の前記振幅率及び前記所定周波数の前記位相差と
前記被測定物の前記所定周波数の複素屈折率又は複素誘
電率との関係を示す式に基づいて、逐次近似により当該
複素屈折率又は複素誘電率を求める段階と、を有する。
そして、この第1の態様では、前記式は、前記テラヘル
ツパルス光の前記被測定物の内部での多重反射を無視し
たものであり、前記逐次近似において、複素屈折率又は
複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率
の新たな近似解を得るに際し、光が前記被測定物の周囲
の媒質から前記被測定物へ入射するときの透過率及び光
が前記被測定物から前記媒質へ射出するときの透過率
を、与えた近似解にて定まる既知数として取り扱うこと
により、新たな近似解を得る。
【0013】この第1の態様によれば、テラヘルツ分光
法を利用して、基準時系列波形と計測時系列波形との関
係に基づいて、被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
演算するので、フーリエ変換赤外分光法等により複素屈
折率を測定する場合と異なり、屈折率の波長依存性を求
めるなどの煩雑な手順が不要となる。
【0014】そして、前記第1の態様によれば、前記逐
次近似において、複素屈折率又は複素誘電率の近似解を
与えて複素屈折率又は複素誘電率の新たな近似解を得る
に際し、光が前記被測定物の周囲の媒質から前記被測定
物へ入射するときの透過率及び光が前記被測定物から前
記媒質へ射出するときの透過率を、与えた近似解にて定
まる既知数として取り扱うことにより、新たな近似解を
得ている。したがって、前記論文に開示されている測定
方法と異なり、単純な反復計算だけを用いて計算量を低
減しかつ安定して精度良く複素屈折率又は複素誘電率を
測定することができる。
【0015】なお、前記第1の態様による測定方法は、
複素屈折率又は複素誘電率を最終的な測定結果とする場
合のみならず、他の物性値を所望の最終的な測定結果と
する場合において、当該物性値を得るための途中段階と
して複素屈折率又は複素誘電率を得る場合にも、適用す
ることができることは、言うまでもない。この点は、後
述する第2乃至第4の態様及び第6乃至第9の態様につ
いても、同様である。
【0016】本発明の第2の態様による測定方法は、被
測定物の複素屈折率又は複素誘電率を測定する測定方法
であって、(1)テラヘルツパルス光の発生部と該発生
部から発生して所定の光路を経て到達するテラヘルツパ
ルス光を検出する検出部とを用いて、前記光路上に前記
被測定物を配置した状態で、前記テラヘルツパルス光を
前記被測定物に照射することにより前記被測定物を透過
して前記検出部により検出されるパルス光の、電場強度
の時系列波形である計測時系列波形を取得する段階と、
(2)前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を
配置した状態であるいは前記光路上に前記被測定物も前
記試料も配置しない状態で、前記発生部から発生されて
前記検出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系
列波形である基準時系列波形と、前記計測時系列波形と
の関係に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素
誘電率を演算する演算段階と、を備えたものである。前
記演算段階は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ変
換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形をフ
ーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比である
前記所定周波数の振幅率を求める段階と、(b)前記計
測時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数の
位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換して得た前記
所定周波数の位相との位相差を求める段階と、(c)前
記所定周波数の前記振幅率及び前記所定周波数の前記位
相差と前記被測定物の前記所定周波数の複素屈折率又は
複素誘電率との関係を示す式に基づいて、逐次近似によ
り当該複素屈折率又は複素誘電率を求める段階と、を有
する。そして、この第2の態様では、前記式は、前記テ
ラヘルツパルス光の前記被測定物の内部での多重反射を
反映したものであり、前記逐次近似において、複素屈折
率又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複素
誘電率の新たな近似解を得るに際し、光が前記被測定物
の周囲の媒質から前記被測定物へ入射するときの透過
率、光が前記被測定物から前記媒質へ射出するときの透
過率、及び、前記多重反射に基づく項を、与えた近似解
にて定まる既知数として取り扱うことにより、新たな近
似解を得る。
【0017】前記所定周波数の前記振幅率及び前記所定
周波数の前記位相差と前記被測定物の前記所定周波数の
複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す式として、前
記第1の態様ではテラヘルツパルス光の前記被測定物の
内部での多重反射を無視したものであったのに対し、前
記第2の態様ではこの多重反射を反映したものが用いら
れている。したがって、前記第2の態様によれば、前記
第1の態様に比べてより精度良く複素屈折率及び複素誘
電率を測定することができる。そして、前記第2の態様
では、前記逐次近似において、複素屈折率又は複素誘電
率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率の新たな
近似解を得るに際し、光が前記被測定物の周囲の媒質か
ら前記被測定物へ入射するときの透過率及び光が前記被
測定物から前記媒質へ射出するときの透過率のみなら
ず、前記多重反射に基づく項を、与えた近似解にて定ま
る既知数として取り扱うことにより、新たな近似解を得
ている。したがって、前記第2の態様によれば、前記論
文に開示されている測定方法と異なり評価関数を用いる
ことなく、計算量を低減しかつ安定して精度良く複素屈
折率又は複素誘電率を測定することができる。
【0018】本発明の第3の態様による測定方法は、被
測定物の複素屈折率又は複素誘電率を測定する測定方法
であって、(1)テラヘルツパルス光の発生部と該発生
部から発生して所定の光路を経て到達するテラヘルツパ
ルス光を検出する検出部とを用いて、前記光路上に前記
被測定物を配置した状態で、前記テラヘルツパルス光を
前記被測定物に照射することにより前記被測定物を反射
して前記検出部により検出されるパルス光の、電場強度
の時系列波形である計測時系列波形を取得する段階と、
(2)前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を
配置した状態で、前記発生部から発生され前記試料を反
射して前記検出部にて検出されるパルス光の、電場強度
の時系列波形である基準時系列波形と、前記計測時系列
波形との関係に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又
は複素誘電率を演算する演算段階と、を備えたものであ
る。前記演算段階は、(a)前記計測時系列波形をフー
リエ変換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波
形をフーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比
である前記所定周波数の振幅率を求める段階と、(b)
前記計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周
波数の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換して得
た前記所定周波数の位相との位相差を求める段階と、
(c)前記所定周波数の前記振幅率及び前記所定周波数
の前記位相差と前記被測定物の前記所定周波数の複素屈
折率又は複素誘電率との関係を示す式に基づいて、逐次
近似により当該複素屈折率又は複素誘電率を求める段階
と、を有する。そして、この第3の態様では、前記式
は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内部での
多重反射を無視するとともに、前記被測定物の前記検出
部側の面で1回のみ反射した光及び前記被測定物の前記
検出部と反対側の面で1回のみ反射した光を反映したも
のであり、前記逐次近似において、複素屈折率又は複素
誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率の新
たな近似解を得るに際し、光が前記被測定物の周囲の媒
質から前記被測定物へ入射するときの透過率及び反射
率、並びに、光が前記被測定物から前記媒質へ射出する
ときの透過率及び反射率を、与えた近似解にて定まる既
知数として取り扱うことにより、新たな近似解を得る。
【0019】前記第1の態様では被測定物を透過した透
過光が用いられているのに対し、前記第3の態様では被
測定物で反射した反射光が用いられている。前記第3の
態様によれば、テラヘルツ分光法を利用して、基準時系
列波形と計測時系列波形との関係に基づいて、被測定物
の複素屈折率又は複素誘電率を演算するので、フーリエ
変換赤外分光法等により複素屈折率を測定する場合と異
なり、屈折率の波長依存性を求めるなどの煩雑な手順が
不要となる。
【0020】そして、前記第3の態様によれば、前記逐
次近似において、複素屈折率又は複素誘電率の近似解を
与えて複素屈折率又は複素誘電率の新たな近似解を得る
に際し、光が前記被測定物の周囲の媒質から前記被測定
物へ入射するときの透過率及び反射率、並びに、光が前
記被測定物から前記媒質へ射出するときの透過率及び反
射率を、与えた近似解にて定まる既知数として取り扱う
ことにより、新たな近似解を得ている。したがって、前
記論文に開示されている測定方法と異なり、単純な反復
計算だけを用いて計算量を低減しかつ安定して精度良く
複素屈折率又は複素誘電率を測定することができる。ま
た、前記第3の態様では、前記振幅率及び前記位相差と
複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す式として、多
重反射は無視されているものが使用されているが、被測
定物の前記検出部側の面で1回のみ反射した光及び被測
定物の前記検出部と反対側の面で1回のみ反射した光を
反映したものが用いられているので、この反対側の面で
1回のみ反射した光も無視したものを用いる場合に比べ
て、より精度良く複素屈折率又は複素誘電率を測定する
ことができる。
【0021】本発明の第4の態様による測定方法は、被
測定物の複素屈折率又は複素誘電率を測定する測定方法
であって、(1)テラヘルツパルス光の発生部と該発生
部から発生して所定の光路を経て到達するテラヘルツパ
ルス光を検出する検出部とを用いて、前記光路上に前記
被測定物を配置した状態で、前記テラヘルツパルス光を
前記被測定物に照射することにより前記被測定物を反射
して前記検出部により検出されるパルス光の、電場強度
の時系列波形である計測時系列波形を取得する段階と、
(2)前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を
配置した状態で、前記発生部から発生され前記試料を反
射して前記検出部にて検出されるパルス光の、電場強度
の時系列波形である基準時系列波形と、前記計測時系列
波形との関係に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又
は複素誘電率を演算する演算段階と、を備えたものであ
る。前記演算段階は、(a)前記計測時系列波形をフー
リエ変換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波
形をフーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比
である前記所定周波数の振幅率を求める段階と、(b)
前記計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周
波数の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換して得
た前記所定周波数の位相との位相差を求める段階と、
(c)前記所定周波数の前記振幅率及び前記所定周波数
の前記位相差と前記被測定物の前記所定周波数の複素屈
折率又は複素誘電率との関係を示す式に基づいて、逐次
近似により当該複素屈折率又は複素誘電率を求める段階
と、を有する。そして、この第4の態様では、前記式
は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内部での
多重反射を反映したものであり、前記逐次近似におい
て、複素屈折率又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈
折率又は複素誘電率の新たな近似解を得るに際し、光が
前記被測定物の周囲の媒質から前記被測定物へ入射する
ときの透過率及び反射率、光が前記被測定物から前記媒
質へ射出するときの透過率及び反射率、並びに、前記多
重反射に基づく項を、与えた近似解にて定まる既知数と
して取り扱うことにより、新たな近似解を得る。
【0022】前記所定周波数の前記振幅率及び前記所定
周波数の前記位相差と前記被測定物の前記所定周波数の
複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す式として、前
記第3の態様ではテラヘルツパルス光の前記被測定物の
内部での多重反射を無視したものであったのに対し、前
記第4の態様ではこの多重反射を反映したものが用いら
れている。したがって、前記第4の態様によれば、前記
第3の態様に比べてより精度良く複素屈折率及び複素誘
電率を測定することができる。そして、前記第4の態様
では、前記逐次近似において、複素屈折率又は複素誘電
率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率の新たな
近似解を得るに際し、光が前記被測定物の周囲の媒質か
ら前記被測定物へ入射するときの透過率及び反射率、並
びに、光が前記被測定物から前記媒質へ射出するときの
透過率及び反射率のみならず、前記多重反射に基づく項
を、与えた近似解にて定まる既知数として取り扱うこと
により、新たな近似解を得ている。したがって、前記第
4の態様によれば、前記論文に開示されている測定方法
と異なり評価関数を用いることなく、計算量を低減しか
つ安定して精度良く複素屈折率又は複素誘電率を測定す
ることができる。
【0023】本発明の第5の態様によるイメージ化方法
は、被測定物の複素屈折率又は複素誘電率あるいはこれ
らのいずれかに基づく物性値の、分布に従って、前記被
測定物をイメージ化するイメージ化方法において、前記
被検物の個々の部位の複素屈折率又は複素誘電率の測定
に、前記第1乃至第4のいずれかの態様による測定方法
を適用するものである。前記物性値は、複素屈折率又は
複素誘電率と関連のあるものであればよく、例えば、半
導体のキャリア密度や移動度などを挙げることができ
る。
【0024】この第5の態様によれば、前記第1乃至第
4のいずれかの態様による測定方法が適用されるので、
被測定物の個々の部位の複素屈折率又は複素誘電率を計
算量を低減しかつ安定して精度良く得ることができる。
したがって、イメージ化のための計算量が全体として大
幅に低減され、その利点は著しい。
【0025】本発明の第6の態様による測定装置は、被
測定物の複素屈折率又は複素誘電率を測定する測定装置
であって、(1)テラヘルツパルス光の発生部と該発生
部から発生して所定の光路を経て到達するテラヘルツパ
ルス光を検出する検出部とを含み、前記光路上に前記被
測定物を配置した状態で、前記テラヘルツパルス光を前
記被測定物に照射することにより前記被測定物を透過し
て前記検出部により検出されるパルス光の、電場強度の
時系列波形である計測時系列波形を取得する計測時系列
波形取得部と、(2)前記光路上に前記被測定物に代え
て所定の試料を配置した状態であるいは前記光路上に前
記被測定物も前記試料も配置しない状態で、前記発生部
から発生されて前記検出部にて検出されるパルス光の、
電場強度の時系列波形である基準時系列波形と、前記計
測時系列波形との関係に基づいて、前記被測定物の複素
屈折率又は複素誘電率を演算する演算部と、を備えたも
のである。前記演算部は、(a)前記計測時系列波形を
フーリエ変換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系
列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅と
の比である前記所定周波数の振幅率を求める振幅率演算
部と、(b)前記計測時系列波形をフーリエ変換して得
た前記所定周波数の位相と前記基準時系列波形をフーリ
エ変換して得た前記所定周波数の位相との位相差を求め
る位相差演算部と、(c)前記所定周波数の前記振幅率
及び前記所定周波数の前記位相差と前記被測定物の前記
所定周波数の複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す
式に基づいて、逐次近似により当該複素屈折率又は複素
誘電率を求める逐次近似部と、を有する。そして、この
第6の態様では、前記式は、前記テラヘルツパルス光の
前記被測定物の内部での多重反射を無視したものであ
り、前記逐次近似部は、前記逐次近似において、複素屈
折率又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複
素誘電率の新たな近似解を得るに際し、光が前記被測定
物の周囲の媒質から前記被測定物へ入射するときの透過
率及び光が前記被測定物から前記媒質へ射出するときの
透過率を、与えた近似解にて定まる既知数として取り扱
うことにより、新たな近似解を得るものである。
【0026】本発明の第7の態様による測定装置は、被
測定物の複素屈折率又は複素誘電率を測定する測定装置
であって、(1)テラヘルツパルス光の発生部と該発生
部から発生して所定の光路を経て到達するテラヘルツパ
ルス光を検出する検出部とを含み、前記光路上に前記被
測定物を配置した状態で、前記テラヘルツパルス光を前
記被測定物に照射することにより前記被測定物を透過し
て前記検出部により検出されるパルス光の、電場強度の
時系列波形である計測時系列波形を取得する計測時系列
波形取得部と、(2)前記光路上に前記被測定物に代え
て所定の試料を配置した状態であるいは前記光路上に前
記被測定物も前記試料も配置しない状態で、前記発生部
から発生されて前記検出部にて検出されるパルス光の、
電場強度の時系列波形である基準時系列波形と、前記計
測時系列波形との関係に基づいて、前記被測定物の複素
屈折率又は複素誘電率を演算する演算部と、を備えたも
のである。前記演算部は、(a)前記計測時系列波形を
フーリエ変換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系
列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅と
の比である前記所定周波数の振幅率を求める振幅率演算
部と、(b)前記計測時系列波形をフーリエ変換して得
た前記所定周波数の位相と前記基準時系列波形をフーリ
エ変換して得た前記所定周波数の位相との位相差を求め
る位相差演算部と、(c)前記所定周波数の前記振幅率
及び前記所定周波数の前記位相差と前記被測定物の前記
所定周波数の複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す
式に基づいて、逐次近似により当該複素屈折率又は複素
誘電率を求める逐次近似部と、を有する。そして、この
第7の態様では、前記式は、前記テラヘルツパルス光の
前記被測定物の内部での多重反射を反映したものであ
り、前記逐次近似部は、前記逐次近似において、複素屈
折率又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複
素誘電率の新たな近似解を得るに際し、光が前記被測定
物の周囲の媒質から前記被測定物へ入射するときの透過
率、光が前記被測定物から前記媒質へ射出するときの透
過率、及び、前記多重反射に基づく項を、与えた近似解
にて定まる既知数として取り扱うことにより、新たな近
似解を得るものである。
【0027】本発明の第8の態様による測定装置は、被
測定物の複素屈折率又は複素誘電率を測定する測定装置
であって、(1)テラヘルツパルス光の発生部と該発生
部から発生して所定の光路を経て到達するテラヘルツパ
ルス光を検出する検出部とを含み、前記光路上に前記被
測定物を配置した状態で、前記テラヘルツパルス光を前
記被測定物に照射することにより前記被測定物を反射し
て前記検出部により検出されるパルス光の、電場強度の
時系列波形である計測時系列波形を取得する計測時系列
波形取得部と、(2)前記光路上に前記被測定物に代え
て所定の試料を配置した状態で、前記発生部から発生さ
れ前記試料を反射して前記検出部にて検出されるパルス
光の、電場強度の時系列波形である基準時系列波形と、
前記計測時系列波形との関係に基づいて、前記被測定物
の複素屈折率又は複素誘電率を演算する演算部と、を備
えたものである。前記演算部は、(a)前記計測時系列
波形をフーリエ変換して得た所定周波数の振幅と前記基
準時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数の
振幅との比である前記所定周波数の振幅率を求める振幅
率演算部と、(b)前記計測時系列波形をフーリエ変換
して得た前記所定周波数の位相と前記基準時系列波形を
フーリエ変換して得た前記所定周波数の位相との位相差
を求める位相差演算部と、(c)前記所定周波数の前記
振幅率及び前記所定周波数の前記位相差と前記被測定物
の前記所定周波数の複素屈折率又は複素誘電率との関係
を示す式に基づいて、逐次近似により当該複素屈折率又
は複素誘電率を求める逐次近似部と、を有する。そし
て、この第8の態様では、前記式は、前記テラヘルツパ
ルス光の前記被測定物の内部での多重反射を無視すると
ともに、前記被測定物の前記検出部側の面で1回のみ反
射した光及び前記被測定物の前記検出部と反対側の面で
1回のみ反射した光を反映したものであり、前記逐次近
似部は、前記逐次近似において、複素屈折率又は複素誘
電率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率の新た
な近似解を得るに際し、光が前記被測定物の周囲の媒質
から前記被測定物へ入射するときの透過率及び反射率、
並びに、光が前記被測定物から前記媒質へ射出するとき
の透過率及び反射率を、与えた近似解にて定まる既知数
として取り扱うことにより、新たな近似解を得るもので
ある。
【0028】本発明の第9の態様による測定装置は、被
測定物の複素屈折率又は複素誘電率を測定する測定装置
であって、(1)テラヘルツパルス光の発生部と該発生
部から発生して所定の光路を経て到達するテラヘルツパ
ルス光を検出する検出部とを含み、前記光路上に前記被
測定物を配置した状態で、前記テラヘルツパルス光を前
記被測定物に照射することにより前記被測定物を反射し
て前記検出部により検出されるパルス光の、電場強度の
時系列波形である計測時系列波形を取得する計測時系列
波形取得部と、(2)前記光路上に前記被測定物に代え
て所定の試料を配置した状態で、前記発生部から発生さ
れ前記試料を反射して前記検出部にて検出されるパルス
光の、電場強度の時系列波形である基準時系列波形と、
前記計測時系列波形との関係に基づいて、前記被測定物
の複素屈折率又は複素誘電率を演算する演算部と、を備
えたものである。前記演算部は、(a)前記計測時系列
波形をフーリエ変換して得た所定周波数の振幅と前記基
準時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数の
振幅との比である前記所定周波数の振幅率を求める振幅
率演算部と、(b)前記計測時系列波形をフーリエ変換
して得た前記所定周波数の位相と前記基準時系列波形を
フーリエ変換して得た前記所定周波数の位相との位相差
を求める位相差演算部と、(c)前記所定周波数の前記
振幅率及び前記所定周波数の前記位相差と前記被測定物
の前記所定周波数の複素屈折率又は複素誘電率との関係
を示す式に基づいて、逐次近似により当該複素屈折率又
は複素誘電率を求める逐次近似部と、を有する。そし
て、この第9の態様では、前記式は、前記テラヘルツパ
ルス光の前記被測定物の内部での多重反射を反映したも
のであり、前記逐次近似部は、前記逐次近似において、
複素屈折率又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率
又は複素誘電率の新たな近似解を得るに際し、光が前記
被測定物の周囲の媒質から前記被測定物へ入射するとき
の透過率及び反射率、光が前記被測定物から前記媒質へ
射出するときの透過率及び反射率、並びに、前記多重反
射に基づく項を、与えた近似解にて定まる既知数として
取り扱うことにより、新たな近似解を得るものである。
【0029】前記第6乃至第9の態様によれば、前記第
1乃至第4の態様による測定方法をそれぞれ実現するこ
とができる。
【0030】本発明の第10の態様によるイメージ化装
置は、被測定物の複素屈折率又は複素誘電率あるいはこ
れらのいずれかに基づく物性値の、分布に従って、前記
被測定物をイメージ化するイメージ化装置において、前
記第5乃至第9のいずれかの態様による測定装置を含む
ものである。この第10の態様によれば、前記第5の態
様によるイメージ化方法を実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明による測定方法及び
装置、並びに、イメージ化方法及び装置について、図面
を参照して説明する。
【0032】[第1の実施の形態]
【0033】図1は、本発明の第1の実施の形態による
イメージ化装置を模式的に示す概略構成図である。図2
は、本実施の形態における被測定物20の測定部位付近
の様子を模式的に示す図である。図3は、本実施の形態
によるイメージ化装置の制御・演算処理部23の動作を
示す概略フローチャートである。
【0034】本実施の形態によるイメージ化装置では、
図1に示すように、レーザ光源等からなるフェムト秒パ
ルス光源1から放射されたフェムト秒パルス光L1が、
ビームスプリッタ2で2つのパルス光L2,L3に分割
される。
【0035】一方のパルス光L2は、テラヘルツ光発生
器7を励起して発生器7にテラヘルツパルス光を発生さ
せるためのポンプパルス(パルス励起光)となる。この
ポンプパルスL2は、チョッパ3によりチョッピングさ
れた後に、平面反射鏡4,5,6を経て、テラヘルツ光
発生器7へ導かれる。他方のパルス光L3は、テラヘル
ツパルス光を検出するタイミングを定めるプローブパル
ス(サンプリングパルス光)となる。このプローブパル
スL3は、平面反射鏡8、2枚もしくは3枚の平面反射
鏡が組み合わされてなる可動鏡9、及び平面反射鏡10
を経て、テラヘルツ光検出器11へ導かれる。
【0036】プローブパルスL3の光路上に配置された
可動鏡9は、制御・演算処理部23による制御下で、移
動機構12により矢印X方向に移動可能となっている。
可動鏡9の移動量に応じて、プローブパルスL3の光路
長が変わり、プローブパルスL3が検出器11へ到達す
る時間が遅延する。すなわち、本実施の形態では、可動
鏡9及び移動機構12が、プローブパルスL3の時間遅
延装置を構成している。
【0037】発生器7に導かれたポンプパルスL2によ
り、発生器7が励起されてテラヘルツパルス光L4を放
射する。テラヘルツパルス光L4としては、概ね0.1
×1012から100×1012ヘルツまでの周波数領
域の光が望ましい。このテラヘルツパルス光L4は、放
物面鏡等の曲面鏡13,14を経て集光位置に集光され
る。本実施の形態では、この集光位置には、被測定物2
0の測定部位が配置される。ここでは、被測定物20
は、厚みdが既知の平行平板をなす板状部材とされ、均
一な物質で構成されているものとする。もっとも、被測
定物20はこれに限定されるものではなく、例えば、テ
ラヘルツパルス光を局所的に照射する場合には、厚みd
は既知であれば測定部位毎に異なっていてもよい。被測
定物20は、テラヘルツパルス光L4の被測定物20に
対する光軸が被測定物20の面の法線とほぼ一致するよ
うに、配置されている。測定精度を高めるためには入射
角度分布が狭い方が良いので、被測定物20に入射する
テラヘルツパルス光L4の最も外側の光線と光軸とのな
す角が小さい方が良い。一方、イメージとして空間分解
能を高めるためには、前記角度が大きい方が良いため、
必要に応じて前記角度を決定する必要がある。イメージ
が不必要な場合には、図面には示していないが、テラヘ
ルツパルス光L4が被測定物20に対して平行光として
入射するような照射光学系を採用した方が、測定精度を
向上させる上でより好ましい。以下の説明では、テラヘ
ルツパルス光が被測定物20に垂直に入射するものとし
て説明するが、斜入射の場合も同様である。
【0038】また、本実施の形態では、被測定物20
は、ステージ等の移動機構26によって、被測定物20
の面内の方向に2次元的に移動可能となっている。これ
により、被測定物20の測定部位を2次元的に走査し得
るようになっている。
【0039】被測定物20を透過したテラヘルツパルス
光L5は、放物面鏡等の曲面鏡15,16を経て、検出
器11により検出されて電気信号に変換される。
【0040】フェムト秒パルス光源1から放射されるフ
ェムト秒パルス光L1の繰り返し周期は、数KHzから
MHzオーダーである。したがって、発生器7から放射
されるテラヘルツパルス光L4も、数KHzからMHz
オーダーの繰り返しで放射される。現在の検出器11で
は、このテラヘルツパルス光の波形を瞬時に、その形状
のまま計測することは不可能である。
【0041】したがって、本実施の形態では、同じ波形
のテラヘルツパルス光L4が数KHzからMHzオーダ
ーの繰り返しで到来することを利用して、ポンプパルス
L2とプローブパルスL3との間に時間遅延を設けてテ
ラヘルツパルス光L5の波形を計測する、いわゆるポン
プ−プローブ法を採用している。すなわち、テラヘルツ
光発生器7を作動させるポンプパルスL2に対して、テ
ラヘルツ光検出器11を作動させるタイミングをτ秒だ
け遅らせることにより、τ秒だけ遅れた時点でのテラヘ
ルツパルス光L5の電場強度を検出器11で測定でき
る。言い換えれば、プローブパルスL3は、テラヘルツ
光検出器11に対してゲートをかけていることになる。
また、可動鏡9を徐々に移動させることは、遅延時間τ
を徐々に変えることにほかならない。前記時間遅延装置
によってゲートをかけるタイミングをずらしながら、繰
り返し到来するテラヘルツパルス光L5の各遅延時間τ
ごとの時点の電場強度を検出器11から電気信号として
順次得ることによって、テラヘルツパルス光L5の電場
強度の時系列波形E(t)を計測することができる。
【0042】なお、テラヘルツ光検出器11は、プロー
ブパルスL3を受けた時のみ光励起キャリアを生ずるよ
うになっており、同時にテラヘルツパルス光の電場がか
かっていれば、その電場に比例した光伝導電流が流れ
る。このとき測定される電流J(τ)は、テラヘルツパ
ルス光の電場E(t)と光励起キャリアの光伝導度g
(t−τ)のコンボリューションで表せ、J(τ)=∫
E(t)g(t−τ)dtのような形で書ける。光伝導
度g(t−τ)がデルタ関数的であるので、測定された
電流値J(τ)は到来するテラヘルツパルス光L5の電
場強度E(t)に比例すると考えてよい。検出器11か
らの電気信号は、増幅器21で増幅された後に、A/D
変換器22によりA/D変換される。
【0043】本実施の形態では、テラヘルツパルス光L
5の電場強度の時系列波形E(t)の計測時には、制御
・演算処理部23が、移動機構12に制御信号を与え
て、前記遅延時間τを徐々に変化させながら、A/D変
換器22からのデータを制御・演算処理部23内の図示
しないメモリに順次格納する。これによって、最終的
に、テラヘルツパルス光L5の電場強度の時系列波形E
(t)を示すデータ全体をメモリに格納する。そして、
制御・演算処理部23が、移動機構26に制御信号を与
えて、被測定物20の測定部位を2次元的に順次走査さ
せ、各測定部位についてそれぞれ、時系列波形E(t)
を示すデータ全体をメモリに格納する。
【0044】ここでは、発生器7と検出器11との間の
光路(本実施の形態では、図1に示すテラヘルツパルス
光L4の集光位置)に被測定物20が配置された状態
で、前述したようにして計測される、テラヘルツパルス
光の電場強度の時系列波形E(t)を、計測時系列波形
sam(t)と呼ぶ。
【0045】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、前述した要素1〜16,21,22,26と、
制御・演算処理部23が前述した移動機構12,26を
制御する機能と、制御・演算処理部23がA/D変換器
22からデータを取り込む機能とが、各測定部位につい
て計測時系列波形Esam(t)を取得する計測時系列波
形取得部を構成している。制御・演算処理部23は、後
述する図3に示す動作を行うが、例えば、コンピュータ
を用いて構成することができる。
【0046】ここで、本実施の形態で採用されている、
計測時系列波形Esam(t)に基づいて被測定物20の
複素屈折率N(ω)を求める手法について、説明する。
【0047】発生器7と検出器11との間の光路上に被
測定物20を配置しない状態で、計測時系列波形Esam
(t)の場合と同様に、テラヘルツパルス光の電場強度
の時系列波形E(t)を、予め計測しておく。この時系
列波形E(t)を基準時系列波形Eref(t)と呼ぶ。
【0048】基準時系列波形Eref(t)について、次
の数1で定義されるようなフーリエ変換を実行して、参
照用(基準用)の振幅|Eref(ω)|と位相θ
ref(ω)を得る。また、計測時系列波形Esam(t)に
ついて、次の数1で定義されるようなフーリエ変換を実
行して、振幅|Esam(ω)|と位相θsam(ω)を得
る。
【0049】
【数1】
【0050】さらに、次の数2に従って、被測定物20
の複素振幅透過率t(ω)を求める。すなわち、振幅|
sam(ω)|と振幅|Eref(ω)|と比である振幅透
過率T(ω)を得るとともに、位相θsam(ω)と位相
θref(ω)との位相差φ(ω)を得る。
【0051】
【数2】
【0052】一方、物質(被測定物20)の複素振幅透
過率t(ω)は、物質の複素屈折率N(ω)で表すこと
ができる。今、光が媒質から物質に入射するときの複素
透過率及び複素反射率をそれぞれt(ω),r
(ω)とし、物質から媒質へ射出するときの複素透過
率及び複素反射率をそれぞれt(ω),r(ω)と
すると、これらの値は、次の数3〜数6で示すように、
物質の複素屈折率N(ω)を用いて表される。ただし、
ここでは、被測定物20が空気中又は真空中にあるもの
として、被測定物20の両側の媒質の屈折率nは1と
した。もっとも、それ以外の場合でも同様であり、入射
側と射出側の媒質が同一である必要もない。
【0053】
【数3】
【0054】
【数4】
【0055】
【数5】
【0056】
【数6】
【0057】また、被測定物20の複素屈折率N(ω)
は、n(ω),n(ω)を実数として、次の数7で
表される。
【0058】
【数7】
【0059】被測定物20を透過するテラヘルツパルス
光には、図2(a)に示すように被測定物20の内部で
反射せずに透過する光(多重反射でない透過光)、図2
(b)に示すように被測定物20の内部で2回反射して
透過する光(1回多重反射した光)、図2(c)に示す
ように被測定物20の内部で4回反射して透過する光
(2回多重反射した光)、図2(d)に示すように被測
定物20の内部で2l回反射して透過する光(l回多重
反射した光)が含まれる。ここで、lは0以上の整数で
ある。
【0060】m回までの多重反射を考慮すると、複素振
幅透過率t(ω)は、ωを光の角周波数、dを被測定物
20の厚さ、cを光速として、次の数8で表される。た
だし、数8において、Aは次の数9で示すように置い
た。
【0061】
【数8】
【0062】
【数9】
【0063】数8に数2及び数7を代入すると、次の数
10が得られる。数10は、振幅透過率T(ω)及び位
相差φ(ω)と複素屈折率N(ω)=n(ω)+in
(ω)との関係を示す式であり、m=0とすると多重
反射を無視したものとなり、m≧1とすると多重反射を
反映したものとなる。本実施の形態では、E(t)の測
定は移動機構12の長さによって定まる最大遅延時間で
打ち切られる。このとき、被測定物20の厚さdとおお
まかな屈折率がわかっていれば、前記最大遅延時間内に
起こりうる多重反射の回数がわかる。直接、計測時系列
波形から判別可能な場合もある。複素屈折率の測定精度
をより高めるためには、mを前記多重反射の回数と一致
させることが好ましいが、本実施の形態では、多重反射
を無視しても考慮してもよく、m≧0の任意の整数に設
定しておけばよい。なお、m=0とすると、A=t
(ω)・t(ω)となる。
【0064】
【数10】
【0065】数10の両辺の対数をとると、次の数11
が得られる。
【0066】
【数11】
【0067】数11の実部及び虚部について、それぞれ
数12及び数13の関係が成立する。
【0068】
【数12】
【0069】
【数13】
【0070】n(ω)は数13から次の数14で表さ
れ、n(ω)は数12から次の数15で表される。
【0071】
【数14】
【0072】
【数15】
【0073】数14及び数15において、振幅透過率T
(ω)及び位相差φ(ω)は、前述したように測定値か
ら求まる値であるが、Aがn(ω)及びn(ω)に
依存している(数9、数3、数5〜数7)ため、数14
及び数15をそのまま解くことは非常に困難である。
【0074】本発明者は、Aを数9のように置いて数1
0から数14及び数15を導くことによって初めて、次
のような逐次近似を行えば、前述した論文開示されてい
る測定方法と異なり評価関数を用いることなく、極めて
簡単な計算によって、計算量を低減しかつ安定して精度
良く複素屈折率(n(ω)及びn(ω))を求める
ことを見出した。
【0075】すなわち、まず、n(ω)及びn
(ω)の適当な初期値(例えば、被測定物20の複素
屈折率のおおよその値は通常既知であるので、この値を
初期値とすればよい。)を近似解として与える。その近
似解を数9に代入してA(すなわち、|A|及びarg
A)を計算する。Aの計算の際には、数3、数5〜数7
を用いる。計算したAを、与えた近似解により定まる既
知数として取り扱って、数14及び数15に代入して、
(ω)及びn(ω)の値を計算する。これにより
得たn(ω)及びn(ω)を新たな近似解として、
同様の手順をn(ω)及びn(ω)の値が収束する
まで繰り返すことによって、複素屈折率N(ω)=n
(ω)+in(ω)を求めることができる。
【0076】このように、逐次近似において、複素屈折
率の近似解を与えて複素屈折率の新たな近似解を得るに
際し、Aを、与えた近似解にて定まる既知数として取り
扱うことにより、新たな近似解を得る。つまり、m=0
の場合(すなわち、多重反射を無視する場合)は、光が
被測定物20の周囲の媒質から被測定物20へ入射する
ときの透過率t及び光が被測定物20から媒質へ射出
するときの透過率tを、与えた近似解にて定まる既知
数として取り扱うことにより、新たな近似解を得る。ま
た、m≧1の場合(すなわち、多重反射を考慮する場
合)は、光が被測定物20の周囲の媒質から被測定物2
0へ入射するときの透過率t、光が被測定物20から
媒質へ射出するときの透過率t、並びに、多重反射に
基づく項(数9中のΣの項)を、与えた近似解にて定ま
る既知数として取り扱うことにより、新たな近似解を得
る。
【0077】再び図1を参照すると、制御・演算処理部
23は、被測定物20の各測定部位について、前述した
演算により複素屈折率を求める。画像処理部24は、制
御・演算処理部23により得られた被測定物20の複素
屈折率の分布を示す画像データを生成し、その画像をC
RT等の表示部25に表示させる。
【0078】次に、本実施の形態おける制御・演算処理
部23の動作の一例について、図3を参照して説明す
る。制御・演算処理部23は、動作を開始すると、基準
時系列波形Eref(t)を計測し(ステップS1)、基
準時系列波形Eref(t)をフーリエ変換して振幅|E
ref(ω)|及び位相θref(ω)を求める(ステップS
2)。次いで、制御・演算処理部23は、被測定物20
の各測定部位について、計測時系列波形Esam(t)を
計測し(ステップS3)、計測時系列波形Esam(t)
をフーリエ変換して振幅|Esam(ω)|及び位相θsam
(ω)を求め(ステップS4)、振幅透過率T(ω)及
び位相差φ(ω)を算出する(ステップS5)。
【0079】その後、制御・演算処理部23は、被測定
物20の各測定部位について、後述するステップS6〜
S10の処理を行う。すなわち、ある測定部位につい
て、初期の近似値n(ω),n(ω)を設定し(ス
テップS6)、現在設定されている近似値n(ω),
(ω)に従って前述した方法でAを計算(ステップ
S7)する。次いで、制御・演算処理部23は、ステッ
プS7で最新に計算されたA、並びに、当該測定部位に
ついてステップS5で算出された振幅透過率T(ω)及
び位相差φ(ω)を、数14及び数15に代入して、新
たな近似解n(ω),n(ω)を算出する(ステッ
プS8)。次に、制御・演算処理部23は、ステップS
8で最新に得られた近似解n(ω),n(ω)が収
束したか否かを判定する(ステップS9)。この判定
は、例えば、ステップS8で最新に得られた近似解n
(ω),n(ω)と前回得られた近似解n(ω),
(ω)との差(絶対値)が所定値以下であるか否か
によって、行うことができる。
【0080】ステップS9で収束していないと判定され
ると、ステップS8で最新に得られた近似解n
(ω),n(ω)を新たな近似値として設定し(ス
テップS10)、ステップS7へ戻る。
【0081】一方、ステップS9で収束したと判定され
ると、制御・演算処理部23は、当該測定部位について
の演算を終了し、残りの測定部位についてステップS6
〜S10を繰り返し、全ての測定部位について、ステッ
プS9で収束したと判定されると、各測定部位について
の収束した近似解n(ω),n(ω)(すなわち、
当該測定部位の複素屈折率)を画像処理部に24に供給
して、複素屈折率の分布を示す画像を表示部25に表示
させ(ステップS11)、動作を終了する。
【0082】なお、ステップS1,S2は、被測定物2
0の複素屈折率測定の度に行う必要はなく、適宜の頻度
で行ってもよいし、例えば、製品出荷時などに最初に1
回行うのみでもよい。
【0083】本実施の形態によれば、前述した論文に開
示されている測定方法と異なり評価関数を用いることな
く、計算量を低減しかつ安定して精度良く複素屈折率又
は複素誘電率を測定することができる。
【0084】ところで、本実施の形態では、基準時系列
波形Eref(t)の計測の際に、前記光路上に被測定物
20も他の試料も配置しなかった。しかし、被測定物2
0の代わりに、既知の複素屈折率及び既知の厚みを持つ
試料を、前記光路上に配置した状態において、計測した
時系列波形E(t)を、基準時系列波形Eref(t)と
して用いてもよい。
【0085】また、多くの場合透磁率は1とみなせるた
め、複素屈折率N(ω)と複素誘電率ε(ω)との間に
は、次の数16の関係がある。したがって、前述した方
法によって求めた複素屈折率N(ω)から、数16に従
って、複素誘電率ε(ω)を求めることができることは
明らかである。また、数16を数3〜数15に代入して
おけば、複素屈折率N(ω)を求めることなく、複素屈
折率N(ω)の場合と同様に、複素誘電率ε(ω)を求
めることも可能である。
【0086】
【数16】
【0087】[第2の実施の形態]
【0088】図4は、本発明の第2の実施の形態による
イメージ化装置を模式的に示す概略構成図である。図5
は、本実施の形態における被測定物20の測定部位付近
の様子を模式的に示す図である。図6は、本実施の形態
によるイメージ化装置の制御・演算処理部23の動作を
示す概略フローチャートである。
【0089】図4において、図1中の要素と同一又は対
応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省
略する。
【0090】本実施の形態によるイメージ化装置が前記
第1の実施の形態と異なる所は、前記第1の実施の形態
では、被測定物20の透過光が検出器11で検出される
のに対し、本実施の形態では、被測定物20の反射光が
検出器11で検出されるように構成されている点と、制
御・演算処理部23の動作である。
【0091】前記第1の実施の形態では、被測定物20
の各測定部位について、透過光に関する計測時系列波形
sam(t)を取得していたのに対し、本実施の形態で
は、同様の手法により、被測定物20の各測定部位につ
いて、反射光に関する計測時系列波形Esam’(t)を
取得する。
【0092】ここで、本実施の形態で採用されている、
計測時系列波形Esam’(t)に基づいて被測定物20
の複素屈折率N(ω)を求める手法について、説明す
る。
【0093】発生器7と検出器11との間の光路上に、
被測定物20に代えて、既知の複素屈折率及び既知の厚
みを持つ試料(反射率がほぼ100%の試料が好まし
い。)を配置した状態で、計測時系列波形Esam
(t)の場合と同様に、反射光に関するテラヘルツパル
ス光の電場強度の時系列波形E(t)を、予め計測して
おく。この時系列波形E(t)を基準時系列波形
ref’(t)と呼ぶ。
【0094】基準時系列波形Eref’(t)について、
前記数1で定義されるようなフーリエ変換を実行して、
参照用(基準用)の振幅|Eref’(ω)|と位相
θref’(ω)を得る。また、計測時系列波形Esam
(t)について、前記数1で定義されるようなフーリエ
変換を実行して、振幅|Esam’(ω)|と位相θsam
(ω)を得る。
【0095】さらに、次の数17に従って、被測定物2
0の複素振幅反射率r(ω)を求める。すなわち、振幅
|Esam’(ω)|と振幅|Eref’(ω)|と比である
振幅反射率R(ω)を得るとともに、位相θsam
(ω)と位相θref’(ω)との位相差φ’(ω)を得
る。
【0096】
【数17】
【0097】一方、物質(被測定物20)の複素振幅反
射率r(ω)は、物質の複素屈折率N(ω)で表すこと
ができる。
【0098】被測定物20で反射するテラヘルツパルス
光には、図5(a)に示すように被測定物20の入射面
(検出部11側の面)でのみ反射する光(内部で1回も
反射せずに、多重反射でない反射光)、図5(b)に示
すように被測定物20の検出部11と反対側の面で1回
のみ反射する光(内部で1回反射するが、多重反射でな
い反射光)、図5(c)に示すように被測定物20の内
部で3回反射した光(1回多重反射した光)、図5
(d)に示すように被測定物20の内部で(2l−1)
回反射した光((l−1)回多重反射した光)が含まれ
る。ここで便宜上、図5(b)に示した光を0回多重反
射した光、図5(a)に示した光を−1回多重反射した
光と呼ぶことにすると、lは0以上の整数である。な
お、図5において、反射回数は、被測定物20の内部で
の反射回数を示している。
【0099】(m’−1)回までの多重反射(但し、
m’>0)を考慮すると、複素振幅反射率r(ω)は、
ωを光の角周波数、dを被測定物20の厚さ、cを光速
として、次の数18で表される。ただし、数18におい
て、Bは次の数19で示すように置いた。なお、数18
において、前記第1の実施の形態の場合と同様に、光が
媒質から物質に入射するときの複素透過率及び複素反射
率をそれぞれt(ω),r(ω)とし、物質から媒
質へ射出するときの複素透過率及び複素反射率をそれぞ
れt(ω),r(ω)とし、被測定物20が空気中
又は真空中にあるものとして、被測定物20の両側の媒
質の屈折率nは1とした。もっとも、それ以外の場合
でも同様であり、入射側と射出側の媒質が同一である必
要もない。また、多くの分光器と同様に、本実施の形態
では、前記試料としてミラーを用い、参照用の信号とし
て当該ミラーにより反射された光のスペクトルを用い、
その信号と被測定物20により反射されたスペクトルと
の比を振幅反射率としている。そのため、数18では、
光がミラーで反射される際の位相反転を考慮して全体が
−1倍されている。
【0100】
【数18】
【0101】
【数19】
【0102】数18に数17を代入して整理すると、次
の数20が得られる。数20は、振幅反射率R(ω)及
び位相差φ’(ω)と複素屈折率N(ω)=n(ω)
+in(ω)との関係を示す式であり、m’=0又は
1とすると多重反射を無視したものとなり、m’=1と
すると被測定物20の検出部11側の面で1回のみ反射
した光及び被測定物20の検出部11と反対側の面で1
回のみ反射した光を反映したものとなり、m’≧2とす
ると多重反射を反映したものとなる。複素屈折率の測定
精度をより高めるためにはm’≧2とすることが好まし
いが、本実施の形態では、多重反射を無視しても考慮し
てもよく、m’≧1の任意の整数に設定しておけばよ
い。なお、m’=0とすると、B=0になるものとす
る。
【0103】
【数20】
【0104】数20の左辺を次の数21で示すように置
き、これを数20に代入すると、次の数22が得られ
る。
【0105】
【数21】
【0106】
【数22】
【0107】数22の両辺の対数をとると、次の数23
が得られる。
【0108】
【数23】
【0109】数23の両辺の虚部及び実部の関係から、
(ω)は次の数24で表され、n(ω)は次の数
25で表される。
【0110】
【数24】
【0111】
【数25】
【0112】数24及び数25において、振幅反射率R
(ω)及び位相差φ”(ω)は、前述したように測定値
から求まる値であるが、Bがn(ω)及びn(ω)
に依存し(数19、数3、数5〜数7)、R’(ω)及
び位相差φ”(ω)がn(ω)及びn(ω)に依存
している(数21、数4、数7)ので、数24及び数2
5をそのまま解くことは非常に困難である。
【0113】本発明者は、Bを数19のように置くとと
もに数21のように置いて数20から数24及び数25
を導くことによって初めて、次のような逐次近似を行え
ば、極めて簡単な計算によって、比較的少ない計算量で
安定して精度良く複素屈折率(n(ω)及びn
(ω))を求めることを見出した。
【0114】すなわち、まず、n(ω)及びn
(ω)の適当な初期値(例えば、被測定物20の複素
屈折率のおおよその値は通常既知であるので、この値を
初期値とすればよい。)を近似解として与える。その近
似解を数19に代入してB(すなわち、|B|及びar
gB)を計算する。Bの計算の際には、数3、数5〜数
7を用いる。また、前記近似解を数21に代入して振幅
反射率R’(ω)及び位相差φ”(ω)を計算する。こ
の計算の際には、数4及び数7を用いる。このようにし
て計算したB、振幅反射率R’(ω)及び位相差φ”
(ω)を、与えた近似解により定まる既知数として取り
扱って、数24及び数25に代入して、n(ω)及び
(ω)の値を計算する。これにより得たn(ω)
及びn(ω)を新たな近似解として、同様の手順をn
(ω)及びn(ω)の値が収束するまで繰り返すこ
とによって、複素屈折率N(ω)=n(ω)+in
(ω)を求めることができる。
【0115】このように、逐次近似において、複素屈折
率の近似解を与えて複素屈折率の新たな近似解を得るに
際し、B、振幅反射率R’(ω)及び位相差φ”(ω)
を、与えた近似解にて定まる既知数として取り扱うこと
により、新たな近似解を得る。つまり、m’=1の場合
(すなわち、多重反射を無視するとともに、被測定物2
0の入射面(検出部11側の面)でのみ反射する光を反
映する場合)は、光が被測定物20の周囲の媒質から被
測定物20へ入射するときの透過率t及び反射率
、並びに、光が被測定物20から媒質へ射出すると
きの透過率t及び反射率rを、与えた近似解にて定
まる既知数として取り扱うことにより、新たな近似解を
得る。また、m≧2の場合(すなわち、多重反射を考慮
する場合)は、光が被測定物20の周囲の媒質から被測
定物20へ入射するときの透過率t及び反射率r
光が被測定物20から媒質へ射出するときの透過率t
及び反射率r、並びに、多重反射に基づく項(数19
中のΣの項)を、与えた近似解にて定まる既知数として
取り扱うことにより、新たな近似解を得る。
【0116】次に、本実施の形態おける制御・演算処理
部23の動作の一例について、図6を参照して説明す
る。制御・演算処理部23は、動作を開始すると、基準
時系列波形Eref’(t)を計測し(ステップS2
1)、基準時系列波形Eref’(t)をフーリエ変換し
て振幅|Eref’(ω)|及び位相θref’(ω)を求め
る(ステップS22)。次いで、制御・演算処理部23
は、被測定物20の各測定部位について、計測時系列波
形Esam’(t)を計測し(ステップS23)、計測時
系列波形Esam’(t)をフーリエ変換して振幅|
sam’(ω)|及び位相θsa m’(ω)を求め(ステッ
プS24)、振幅反射率R(ω)及び位相差φ’(ω)
を算出する(ステップS25)。
【0117】その後、制御・演算処理部23は、被測定
物20の各測定部位について、後述するステップS26
〜S31の処理を行う。すなわち、ある測定部位につい
て、初期の近似値n(ω),n(ω)を設定し(ス
テップS26)、現在設定されている近似値n
(ω),n(ω)に従って前述した方法でBを計算
(ステップS27)するとともにR’(ω)及びφ”
(ω)を計算する(ステップS28)。なお、ステップ
S28では、当該測定部位についてステップS25で算
出された振幅反射率R(ω)及び位相差φ’(ω)を用
いる。
【0118】次いで、制御・演算処理部23は、ステッ
プS27で最新に計算されたB、並びに、ステップS2
8で最新に計算されたR’(ω)及びφ”(ω)を、数
24及び数25に代入して、新たな近似解n(ω),
(ω)を算出する(ステップS29)。次に、制御
・演算処理部23は、ステップS29で最新に得られた
近似解n(ω),n(ω)が収束したか否かを判定
する(ステップS30)。この判定は、例えば、ステッ
プS29で最新に得られた近似解n(ω),n
(ω)と前回得られた近似解n(ω),n(ω)
との差(絶対値)が所定値以下であるか否かによって、
行うことができる。
【0119】ステップS30で収束していないと判定さ
れると、ステップS29で最新に得られた近似解n
(ω),n(ω)を新たな近似値として設定し(ス
テップS31)、ステップS27へ戻る。
【0120】一方、ステップS30で収束したと判定さ
れると、制御・演算処理部23は、当該測定部位につい
ての演算を終了し、残りの測定部位についてステップS
26〜S31を繰り返し、全ての測定部位について、ス
テップS30で収束したと判定されると、各測定部位に
ついての収束した近似解n(ω),n(ω)(すな
わち、当該測定部位の複素屈折率)を画像処理部に24
に供給して、複素屈折率の分布を示す画像を表示部25
に表示させ(ステップS32)、動作を終了する。
【0121】なお、ステップS21,S22は、被測定
物20の複素屈折率測定の度に行う必要はなく、適宜の
頻度で行ってもよいし、例えば、製品出荷時などに最初
に1回行うのみでもよい。
【0122】本実施の形態によれば、比較的少ない計算
量で安定して精度良く複素屈折率又は複素誘電率を測定
することができる。
【0123】なお、前述した方法によって求めた複素屈
折率N(ω)から、前記数16に従って、複素誘電率ε
(ω)を求めることができることは明らかである。ま
た、数16を数3〜数7、数18〜数25に代入してお
けば、複素屈折率N(ω)を求めることなく、複素屈折
率N(ω)の場合と同様に、複素誘電率ε(ω)を求め
ることも可能である。
【0124】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0125】例えば、前記各実施の形態では、被測定物
20の各測定部位の複素屈折率が測定されて、その分布
がイメージ化されていたが、本発明では、被測定物20
のある測定部位のみの複素屈折率又は複素誘電率を測定
するだけであってもよい。さらに、イメージが不要で、
被測定物20のある範囲の平均の複素屈折率又は複素誘
電率を測定したい場合には、前述のように、テラヘルツ
パルス光L4が被測定物20に対して平行光として入射
するような照明光学系を利用してもよい。
【0126】また、前記各実施の形態では、複素屈折率
を最終的な測定結果としていたが、本発明は、他の物性
値を所望の最終的な測定結果とする場合において、当該
物性値を得るための途中段階として複素屈折率又は複素
誘電率を得る場合にも、適用することができる。例え
ば、被測定物20が半導体などである場合のように複素
屈折率の周波数依存性が理論的に求まる場合には、最小
二乗法によりパラメータを最適化すれば、被測定物20
に関する他の情報(例えば、半導体のキャリア密度や移
動度など)を得ることが可能である。半導体のキャリア
密度と移動度を求めたい場合であれば、単一周波数の複
素屈折率から直ちに求めることができるが、より高い精
度でこれらの値を求めたければ、周波数依存性を利用し
て最小二乗法により算出することが有効である。同様の
計算は、透過又は反射スペクトルの測定値と理論値との
差を最小にするようにパラメータ最適化することによっ
ても可能であるが、これは比較的計算量が多い作業であ
る。それよりも、本発明を用いて測定結果から複素屈折
率を算出し、その結果と理論式とを比較しながらパラメ
ータ最適化を行った方が計算量は軽減される。したがっ
て、本発明はパラメータ最適化の前処理としても有効で
ある。
【0127】
【実施例】本発明者は、前述した第1の実施の形態で採
用されている測定手法に従って、被測定物20をn型の
シリコンウエハとしてその複素屈折率を求めた。
【0128】図3中のステップS5で得た周波数0.6
THz(〜20cm−1)における振幅透過率T(ω)
及び位相差φ(ω)は、それぞれT(ω)=0.61
0、位相差φ(ω)=5.78であった。この結果に基
づき、図3中のステップS9で収束したと判定され最終
的に得られた複素屈折率N(ω)は、n(ω)=3.
44及びn(ω)=0.0027であった。この値
は、シリコンウエハの複素屈折率として知られている値
(ω)=3.41及びn(ω)=0.0024
(「基礎物性図表」 工藤惠栄(共立出版、(197
2)、p.254))に極めて近い。このように、本発
明が複素屈折率を求める際に有用であることが、実際に
確認された。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
屈折率の波長依存性を求めるなどの煩雑な手順が不要と
なり、しかも、計算量を低減しかつ安定して精度良く複
素屈折率又は複素誘電率を測定することができる測定方
法及び装置、並びに、これを用いた被測定物のイメージ
化方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるイメージ化装
置を模式的に示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における被測定物の
測定部位付近の様子を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるイメージ化装
置の制御・演算処理部の動作を示す概略フローチャート
である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるイメージ化装
置を模式的に示す概略構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における被測定物の
測定部位付近の様子を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるイメージ化装
置の制御・演算処理部の動作を示す概略フローチャート
である。
【符号の説明】
1 フェムト秒パルス光源 7 テラヘルツ光発生器 9 可動鏡 11 テラヘルツ光検出器 20 被測定物 23 制御・演算処理部 24 画像処理部 25 表示部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
    測定する測定方法であって、 テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から発生して所
    定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光を検出する
    検出部とを用いて、前記光路上に前記被測定物を配置し
    た状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被測定物に照
    射することにより前記被測定物を透過して前記検出部に
    より検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形であ
    る計測時系列波形を取得する段階と、 前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
    た状態であるいは前記光路上に前記被測定物も前記試料
    も配置しない状態で、前記発生部から発生されて前記検
    出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形
    である基準時系列波形と、前記計測時系列波形との関係
    に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素誘電率
    を演算する演算段階と、 を備え、 前記演算段階は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ
    変換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形を
    フーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比であ
    る前記所定周波数の振幅率を求める段階と、(b)前記
    計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数
    の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換して得た前
    記所定周波数の位相との位相差を求める段階と、(c)
    前記所定周波数の前記振幅率及び前記所定周波数の前記
    位相差と前記被測定物の前記所定周波数の複素屈折率又
    は複素誘電率との関係を示す式に基づいて、逐次近似に
    より当該複素屈折率又は複素誘電率を求める段階と、を
    有し、 前記式は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内
    部での多重反射を無視したものであり、 前記逐次近似において、複素屈折率又は複素誘電率の近
    似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率の新たな近似解
    を得るに際し、光が前記被測定物の周囲の媒質から前記
    被測定物へ入射するときの透過率及び光が前記被測定物
    から前記媒質へ射出するときの透過率を、与えた近似解
    にて定まる既知数として取り扱うことにより、新たな近
    似解を得る、ことを特徴とする測定方法。
  2. 【請求項2】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
    測定する測定方法であって、 テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から発生して所
    定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光を検出する
    検出部とを用いて、前記光路上に前記被測定物を配置し
    た状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被測定物に照
    射することにより前記被測定物を透過して前記検出部に
    より検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形であ
    る計測時系列波形を取得する段階と、 前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
    た状態であるいは前記光路上に前記被測定物も前記試料
    も配置しない状態で、前記発生部から発生されて前記検
    出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形
    である基準時系列波形と、前記計測時系列波形との関係
    に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素誘電率
    を演算する演算段階と、 を備え、 前記演算段階は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ
    変換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形を
    フーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比であ
    る前記所定周波数の振幅率を求める段階と、(b)前記
    計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数
    の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換して得た前
    記所定周波数の位相との位相差を求める段階と、(c)
    前記所定周波数の前記振幅率及び前記所定周波数の前記
    位相差と前記被測定物の前記所定周波数の複素屈折率又
    は複素誘電率との関係を示す式に基づいて、逐次近似に
    より当該複素屈折率又は複素誘電率を求める段階と、を
    有し、 前記式は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内
    部での多重反射を反映したものであり、 前記逐次近似において、複素屈折率又は複素誘電率の近
    似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率の新たな近似解
    を得るに際し、光が前記被測定物の周囲の媒質から前記
    被測定物へ入射するときの透過率、光が前記被測定物か
    ら前記媒質へ射出するときの透過率、及び、前記多重反
    射に基づく項を、与えた近似解にて定まる既知数として
    取り扱うことにより、新たな近似解を得る、 ことを特徴とする測定方法。
  3. 【請求項3】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
    測定する測定方法であって、 テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から発生して所
    定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光を検出する
    検出部とを用いて、前記光路上に前記被測定物を配置し
    た状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被測定物に照
    射することにより前記被測定物を反射して前記検出部に
    より検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形であ
    る計測時系列波形を取得する段階と、 前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
    た状態で、前記発生部から発生され前記試料を反射して
    前記検出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系
    列波形である基準時系列波形と、前記計測時系列波形と
    の関係に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素
    誘電率を演算する演算段階と、 を備え、 前記演算段階は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ
    変換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形を
    フーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比であ
    る前記所定周波数の振幅率を求める段階と、(b)前記
    計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数
    の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換して得た前
    記所定周波数の位相との位相差を求める段階と、(c)
    前記所定周波数の前記振幅率及び前記所定周波数の前記
    位相差と前記被測定物の前記所定周波数の複素屈折率又
    は複素誘電率との関係を示す式に基づいて、逐次近似に
    より当該複素屈折率又は複素誘電率を求める段階と、を
    有し、 前記式は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内
    部での多重反射を無視するとともに、前記被測定物の前
    記検出部側の面で1回のみ反射した光及び前記被測定物
    の前記検出部と反対側の面で1回のみ反射した光を反映
    したものであり、 前記逐次近似において、複素屈折率又は複素誘電率の近
    似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率の新たな近似解
    を得るに際し、光が前記被測定物の周囲の媒質から前記
    被測定物へ入射するときの透過率及び反射率、並びに、
    光が前記被測定物から前記媒質へ射出するときの透過率
    及び反射率を、与えた近似解にて定まる既知数として取
    り扱うことにより、新たな近似解を得る、ことを特徴と
    する測定方法。
  4. 【請求項4】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
    測定する測定方法であって、 テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から発生して所
    定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光を検出する
    検出部とを用いて、前記光路上に前記被測定物を配置し
    た状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被測定物に照
    射することにより前記被測定物を反射して前記検出部に
    より検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形であ
    る計測時系列波形を取得する段階と、 前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
    た状態で、前記発生部から発生され前記試料を反射して
    前記検出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系
    列波形である基準時系列波形と、前記計測時系列波形と
    の関係に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素
    誘電率を演算する演算段階と、 を備え、 前記演算段階は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ
    変換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形を
    フーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比であ
    る前記所定周波数の振幅率を求める段階と、(b)前記
    計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記所定周波数
    の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換して得た前
    記所定周波数の位相との位相差を求める段階と、(c)
    前記所定周波数の前記振幅率及び前記所定周波数の前記
    位相差と前記被測定物の前記所定周波数の複素屈折率又
    は複素誘電率との関係を示す式に基づいて、逐次近似に
    より当該複素屈折率又は複素誘電率を求める段階と、を
    有し、 前記式は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内
    部での多重反射を反映したものであり、 前記逐次近似において、複素屈折率又は複素誘電率の近
    似解を与えて複素屈折率又は複素誘電率の新たな近似解
    を得るに際し、光が前記被測定物の周囲の媒質から前記
    被測定物へ入射するときの透過率及び反射率、光が前記
    被測定物から前記媒質へ射出するときの透過率及び反射
    率、並びに、前記多重反射に基づく項を、与えた近似解
    にて定まる既知数として取り扱うことにより、新たな近
    似解を得る、 ことを特徴とする測定方法。
  5. 【請求項5】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率あ
    るいはこれらのいずれかに基づく物性値の、分布に従っ
    て、前記被測定物をイメージ化するイメージ化方法にお
    いて、前記被検物の個々の部位の複素屈折率又は複素誘
    電率の測定に、請求項1乃至4のいずれかに記載の測定
    方法を適用することを特徴とするイメージ化方法。
  6. 【請求項6】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
    測定する測定装置であって、 テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から発生して所
    定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光を検出する
    検出部とを含み、前記光路上に前記被測定物を配置した
    状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被測定物に照射
    することにより前記被測定物を透過して前記検出部によ
    り検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形である
    計測時系列波形を取得する計測時系列波形取得部と、 前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
    た状態であるいは前記光路上に前記被測定物も前記試料
    も配置しない状態で、前記発生部から発生されて前記検
    出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形
    である基準時系列波形と、前記計測時系列波形との関係
    に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素誘電率
    を演算する演算部と、 を備え、 前記演算部は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ変
    換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形をフ
    ーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比である
    前記所定周波数の振幅率を求める振幅率演算部と、
    (b)前記計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記
    所定周波数の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換
    して得た前記所定周波数の位相との位相差を求める位相
    差演算部と、(c)前記所定周波数の前記振幅率及び前
    記所定周波数の前記位相差と前記被測定物の前記所定周
    波数の複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す式に基
    づいて、逐次近似により当該複素屈折率又は複素誘電率
    を求める逐次近似部と、を有し、 前記式は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内
    部での多重反射を無視したものであり、 前記逐次近似部は、前記逐次近似において、複素屈折率
    又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘
    電率の新たな近似解を得るに際し、光が前記被測定物の
    周囲の媒質から前記被測定物へ入射するときの透過率及
    び光が前記被測定物から前記媒質へ射出するときの透過
    率を、与えた近似解にて定まる既知数として取り扱うこ
    とにより、新たな近似解を得る、 ことを特徴とする測定装置。
  7. 【請求項7】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
    測定する測定装置であって、 テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から発生して所
    定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光を検出する
    検出部とを含み、前記光路上に前記被測定物を配置した
    状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被測定物に照射
    することにより前記被測定物を透過して前記検出部によ
    り検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形である
    計測時系列波形を取得する計測時系列波形取得部と、 前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
    た状態であるいは前記光路上に前記被測定物も前記試料
    も配置しない状態で、前記発生部から発生されて前記検
    出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形
    である基準時系列波形と、前記計測時系列波形との関係
    に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素誘電率
    を演算する演算部と、 を備え、 前記演算部は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ変
    換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形をフ
    ーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比である
    前記所定周波数の振幅率を求める振幅率演算部と、
    (b)前記計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記
    所定周波数の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換
    して得た前記所定周波数の位相との位相差を求める位相
    差演算部と、(c)前記所定周波数の前記振幅率及び前
    記所定周波数の前記位相差と前記被測定物の前記所定周
    波数の複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す式に基
    づいて、逐次近似により当該複素屈折率又は複素誘電率
    を求める逐次近似部と、を有し、 前記式は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内
    部での多重反射を反映したものであり、 前記逐次近似部は、前記逐次近似において、複素屈折率
    又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘
    電率の新たな近似解を得るに際し、光が前記被測定物の
    周囲の媒質から前記被測定物へ入射するときの透過率、
    光が前記被測定物から前記媒質へ射出するときの透過
    率、及び、前記多重反射に基づく項を、与えた近似解に
    て定まる既知数として取り扱うことにより、新たな近似
    解を得る、ことを特徴とする測定装置。
  8. 【請求項8】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
    測定する測定装置であって、 テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から発生して所
    定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光を検出する
    検出部とを含み、前記光路上に前記被測定物を配置した
    状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被測定物に照射
    することにより前記被測定物を反射して前記検出部によ
    り検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形である
    計測時系列波形を取得する計測時系列波形取得部と、 前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
    た状態で、前記発生部から発生され前記試料を反射して
    前記検出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系
    列波形である基準時系列波形と、前記計測時系列波形と
    の関係に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素
    誘電率を演算する演算部と、 を備え、 前記演算部は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ変
    換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形をフ
    ーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比である
    前記所定周波数の振幅率を求める振幅率演算部と、
    (b)前記計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記
    所定周波数の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換
    して得た前記所定周波数の位相との位相差を求める位相
    差演算部と、(c)前記所定周波数の前記振幅率及び前
    記所定周波数の前記位相差と前記被測定物の前記所定周
    波数の複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す式に基
    づいて、逐次近似により当該複素屈折率又は複素誘電率
    を求める逐次近似部と、を有し、 前記式は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内
    部での多重反射を無視するとともに、前記被測定物の前
    記検出部側の面で1回のみ反射した光及び前記被測定物
    の前記検出部と反対側の面で1回のみ反射した光を反映
    したものであり、 前記逐次近似部は、前記逐次近似において、複素屈折率
    又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘
    電率の新たな近似解を得るに際し、光が前記被測定物の
    周囲の媒質から前記被測定物へ入射するときの透過率及
    び反射率、並びに、光が前記被測定物から前記媒質へ射
    出するときの透過率及び反射率を、与えた近似解にて定
    まる既知数として取り扱うことにより、新たな近似解を
    得る、ことを特徴とする測定装置。
  9. 【請求項9】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率を
    測定する測定装置であって、 テラヘルツパルス光の発生部と該発生部から発生して所
    定の光路を経て到達するテラヘルツパルス光を検出する
    検出部とを含み、前記光路上に前記被測定物を配置した
    状態で、前記テラヘルツパルス光を前記被測定物に照射
    することにより前記被測定物を反射して前記検出部によ
    り検出されるパルス光の、電場強度の時系列波形である
    計測時系列波形を取得する計測時系列波形取得部と、 前記光路上に前記被測定物に代えて所定の試料を配置し
    た状態で、前記発生部から発生され前記試料を反射して
    前記検出部にて検出されるパルス光の、電場強度の時系
    列波形である基準時系列波形と、前記計測時系列波形と
    の関係に基づいて、前記被測定物の複素屈折率又は複素
    誘電率を演算する演算部と、 を備え、 前記演算部は、(a)前記計測時系列波形をフーリエ変
    換して得た所定周波数の振幅と前記基準時系列波形をフ
    ーリエ変換して得た前記所定周波数の振幅との比である
    前記所定周波数の振幅率を求める振幅率演算部と、
    (b)前記計測時系列波形をフーリエ変換して得た前記
    所定周波数の位相と前記基準時系列波形をフーリエ変換
    して得た前記所定周波数の位相との位相差を求める位相
    差演算部と、(c)前記所定周波数の前記振幅率及び前
    記所定周波数の前記位相差と前記被測定物の前記所定周
    波数の複素屈折率又は複素誘電率との関係を示す式に基
    づいて、逐次近似により当該複素屈折率又は複素誘電率
    を求める逐次近似部と、を有し、 前記式は、前記テラヘルツパルス光の前記被測定物の内
    部での多重反射を反映したものであり、 前記逐次近似部は、前記逐次近似において、複素屈折率
    又は複素誘電率の近似解を与えて複素屈折率又は複素誘
    電率の新たな近似解を得るに際し、光が前記被測定物の
    周囲の媒質から前記被測定物へ入射するときの透過率及
    び反射率、光が前記被測定物から前記媒質へ射出すると
    きの透過率及び反射率、並びに、前記多重反射に基づく
    項を、与えた近似解にて定まる既知数として取り扱うこ
    とにより、新たな近似解を得る、 ことを特徴とする測定装置。
  10. 【請求項10】 被測定物の複素屈折率又は複素誘電率
    あるいはこれらのいずれかに基づく物性値の、分布に従
    って、前記被測定物をイメージ化するイメージ化装置に
    おいて、請求項5乃至9のいずれかに記載の測定装置を
    含むことを特徴とするイメージ化装置。
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