JP2002277286A - 回転変位量を検出する装置、及び、ディスク - Google Patents

回転変位量を検出する装置、及び、ディスク

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JP2002277286A
JP2002277286A JP2001077139A JP2001077139A JP2002277286A JP 2002277286 A JP2002277286 A JP 2002277286A JP 2001077139 A JP2001077139 A JP 2001077139A JP 2001077139 A JP2001077139 A JP 2001077139A JP 2002277286 A JP2002277286 A JP 2002277286A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、安価かつ簡素であって高精度な
検出を可能とする回転変位量を検出する装置、及び、デ
ィスクを提供する。 【解決手段】 本発明の検出装置は、回転軸に取り付け
られて当該回転軸と共に回転するディスクであって、当
該ディスクの中心から見て所定の角度間隔で前記ディス
クの円周方向に添って整列している回折格子からなるマ
ークと、前記ディスクの中心に設けられ当該ディスクと
前記回転軸を接続する接続部とを有するディスクと、前
記マークを光学的に検出し、前記回転軸の回転変位量を
検出する検出器とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定体の変位量を
検出する検出装置に係り、特に、回転軸の回転変位量
(例えば、回転角や回転速度など)を光学的に検出する
検出装置及び方法に関する。
【0003】
【従来の技術】近年のオートメーション化や製品の小型
化の進むにつれて従来よりもはるかに細かい作業を自動
化する需要が存在している。このため、位置制御や速度
制御をより高精度に行う必要が生じ、位置や速度をより
高精度に検出するセンサの需要が高まっている。このう
ちロータリエンコーダは、回転角や回転速度などの回転
変位量を検出するセンサとして従来から使用されてい
る。ロータリエンコーダは、半径方向に所定の角度間隔
でマークが複数形成されたディスクを回転し、かかるマ
ークを介し光源から射出された光を検出器により検出
し、検出器が検出したマークの個数を計数することによ
って回転変位量を求めるセンサである。
【0004】ロータリエンコーダのディスクは測定体で
ある回転軸に取り付けられる。ロータリエンコーダが回
転数を正確に検出するためには、マークの構成軌跡を真
円に近づける必要がある以外に、マークの回転中心は回
転軸の中心と偏芯の少ない状態で取り付けられる必要が
ある。ロータリエンコーダに要求される精度は使用する
機器が必要とする精度によって決定されるが、高精度を
必要としないが安価が要求されるものから、高精度が第
一に要求されるものまで様々である。
【0005】例えば、安価なロータリエンコーダとして
は、ディスクは透明なプラスチックシートにスリットパ
ターンを印刷して作成される。印刷による方法は印刷原
版を一度作成すれば、ディスク単体を安価に作成できる
という長所を有する。一方、高精度なロータリエンコー
ダとしてはリソグラフィ技術を用いてガラス円板等にス
リットパターンを形成して作成される。ディスクには数
十ミクロンのオーダーでマークを高精度に作成すること
ができるので、検出目的に見合った密度(即ち、分解
能)でマークを作成することによって回転変位量の検出
精度を上げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、安価に作成さ
れたディスクであってもロータリエンコーダとして機能
させるにはディスクを回転軸の中心に偏芯を抑えて取り
付ける必要がある。このためロータリエンコーダには取
付け用部品が別途必要となり、部品点数が増加するとい
う欠点を有する。更に、かかる取付け部品の精度及び組
み付け精度が必要とされるため、ロータリエンコーダと
して見ると必ずしも安価とはならない。また、上述した
ようにマークはディスクに印刷されるため、分解能を高
め検出精度を上げることには限界がある。
【0007】また、高精度に作成されたディスクはリソ
グラフィ技術を用いるため、クリーンな作業環境を必要
とされるなど製造工程が煩雑である。また、リソグラフ
ィ技術は高価な露光装置等を必要とするなどの理由から
高価なディスクとなってしまう。また、当然、取付け部
品精度及び組み付け精度も高いことが要求されるため、
かかるディスク及び取付け部品を使用するロータリエン
コーダも高価となってしまう。
【0008】一方、偏芯の影響を低減するために、ディ
スク中心に対し既存の光源及び検出器と対称な位置に光
源及び検出器をもう一組設け、検出信号を合算すること
で偏芯の影響を減らす方法がある。しかし、かかる構成
は光源及び検出器を更に必要とするため、部品点数が増
加し高価となる等の理由から好ましくない。そこで、特
開昭61−65115号公報は、光源からディスクに入
射された光の回折光をミラーで偏向し、再びディスクに
入射しかかる反射光(又は透過光)を検出器に導入する
ことで偏芯の影響を低減するロータリエンコーダを開示
している。かかる方法は一対の光源及び検出器で偏芯を
減らした検出が可能であるが、光源及び検出器を複数使
用しないもののミラーを別途必要とするため、やはり部
品点数が増加し好ましくない。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、このような課題
を解決する新規かつ有用な回転変位量を検出する装置、
及び、ディスクを提供することを本発明の概括的目的と
する。
【0010】より特定的には、安価かつ簡素であって高
精度な検出を可能とする回転変位量を検出する装置、及
び、ディスクを提供することを本発明の例示的目的とす
る。
【0011】上記目的を達成するために、本発明の例示
的一態様としての検出装置は、回転軸に取り付けられて
当該回転軸と共に回転するディスクであって、当該ディ
スクの中心から見て所定の角度間隔で前記ディスクの円
周方向に添って整列している回折格子からなるマーク
と、前記ディスクの中心に設けられ当該ディスクと前記
回転軸を接続する接続部とを有するディスクと、前記マ
ークを光学的に検出し、前記回転軸の回転変位量を検出
する検出器とを有する。かかる検出装置は、回折格子か
らなるマークを有するディスクを光学的に検出すること
で回転軸の回転変位量を検出する。また、ディスクはそ
の中心に接続部を有し、かかる接続部と回転体を接続す
ることで容易にディスクを回転体に偏芯が生じることな
く接続できる。マークはディスクの中心から見て同心円
状又は螺旋状に形成された複数の溝として実現可能であ
る。かかる溝は光を回折し、その回折光を検出すること
でディスクの回転変位量を検出することができる。ま
た、マークはディスクの中心から見てフレネルゾーン板
形状、また、ディスクをフレネルレンズ形状に形成しマ
ーク部分に相当する位置に反射膜を印刷することでもよ
い。かかるディスクは当該ディスクにおいて回折する光
を集光し、一点に収束する。よって、各回折光の度にば
らつきがあったとしても、かかる点に検出器を配置すれ
ば、全光量は変動しない為単一な光を用いて検出を行な
うよりもばらつきの影響を抑えることが出来る。
【0012】また、本発明の例示的一態様としてのディ
スクは、回転軸に取り付けられて当該回転軸と共に回転
するディスクであって、前記ディスクの中心に設けられ
当該ディスクと前記回転軸を接続する接続部と、前記デ
ィスクの中心から見て所定の角度間隔で前記ディスクの
円周方向に添って整列している回折格子からなるマーク
とを有する。かかるディスクは上述した検出装置のディ
スクに適用可能である。
【0013】本発明の更なる目的又はその他の特徴は添
付図面を参照して説明される好ましい実施例において明
らかにされるであろう。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の例示的一態様である検出装置(ロータリエンコー
ダ)10について説明する。なお、明細書中、アルファ
ベット付きの参照符号は変形例を示し、特に断らない限
りアルファベットの無い参照符号はアルファベット付き
の参照符号を総括するものとする。図1に示すように、
ロータリエンコーダ10は図示しない回転体の回転軸R
に取り付けられるディスク100、光源200、マスク
300、検出器400を有する。ここで、図1は、本発
明の例示的一態様であるロータリエンコーダ10を示す
概略斜視図である。本実施例では、光源200と検出器
400はディスク100を介し反対側に設けられるが、
かかる形態は例示的であり、光源200と検出器400
はディスク100に対し同じ側に設けられても良い。な
お、後述するようにマスク300の使用は選択的であ
り、マスク300は省略されても良い。ロータリエンコ
ーダ10は回転体の回転軸Rと共に回転するディスク1
00の回転変位量を検出し、回転軸Rの回転変位量を表
すデータを生成する。ロータリエンコーダ10の検出器
の図示しない(又はこれに接続された)制御部は、かか
るデータに基づいて容易に回転軸Rに接続する図示しな
い回転体の回転を制御することができる。
【0015】ディスク100は円板形状を有する薄板で
あって、透明な(即ち、光を透過する)ポリカーボネイ
ド樹脂で射出成形法によって形成される。しかし、本発
明のロータリエンコーダ10のディスク100の材料が
これに限定されるものではなく、例えば、ガラス円板な
どを使用しても良い。ただし、射出成形法でディスク1
00を作成することは一度金型を成形してしまえばディ
スク100の量産が容易であり、安価にディスク100
を成形することができる。また、射出成形法は後述する
ようにディスク100が回転軸Rと接続する接続部12
0とディスク100を一体的に形成できる。よって、デ
ィスク100の中心と回転軸Rの中心は精度よく一致す
るので偏芯を抑えることが可能であり、精度よく回転変
位量を測定することができる。ディスク100は回転軸
Rに接続され、光源200及び検出器400と協働し回
転軸R及びディスク100の回転変位量を検出する。デ
ィスク100はディスク本体である円板形状の円板部1
10と、円板部110の中心に接続し回転軸Rと接続す
る接続部120とを有する。
【0016】円板部110は上述したように円板形状の
薄板であって、図1によく示されるように、円板部11
0と同心の円周上に配置される複数のマーク112を有
する。マーク112は所定の長さ(半径方向)及び幅
(円周方向)を有し、所定の角度間隔で前記ディスクの
円周方向に配置される。なお、マーク112は後述する
ように円板部110の円周方向に整列している回折格子
として光学的に検出可能に形成されたマークである。マ
ーク112の長さ(半径方向)は後述するマスク300
を通過した光源200からの光束より大きく形成される
ことが好ましいが、かかる光束はマスク300の開口3
10の大きさによっても調整可能であるため特に限定を
有するものではない。一方、マーク112の幅(円周方
向)は非マーク領域(マーク112と同一の円周上であ
って、隣接するマーク112の間の領域)114と同一
幅(円周方向)に形成される。なお、マーク112を配
置する所定の角度間隔を狭くすることで、ロータリエン
コーダ10の分解能を高めることができ、かかる所定の
角度間隔は任意に決定することが出来る。円板部110
は回折格子として作用するマーク112で光源200か
らの光を回折し、当該回折光を検出器400で検出する
ことで回転変位量を検出可能とする。本実施例では、1
次透過回折光を利用し検出を行うが後述するように0次
透過回折光、又はその他次数の回折光を利用することを
排除するものではない。しかし、検出器400に入射さ
れる光強度を考慮すると、1又は0次回折光を用いるこ
とが好ましい。
【0017】図1及び図2を参照するに、マーク112
はディスク100の円周方向に整列する回折格子、例え
ば、円板部110の中心から同心円状又は螺旋状の複数
の溝113として形成される。ここで、図2は、図1に
示すディスク100の半径方向の断面形状を示すマーク
112部分の一部拡大断面図である。また、図1におい
て、マーク112の溝113の理解を補助するためマー
ク112は若干誇張して描かれている。本実施例では、
溝113は所定の深さd、幅w、及びピッチpを有する
断面形状が矩形の溝として構成される。なお、溝113
はマーク112を構成するに足りるものであって、マー
ク112の形状に沿って円板部110の円周方向に断続
的に形成されていることに理解されたい。また、同様
に、溝113はマーク112の長さ(半径方向)を構成
するに足りるように、所定の幅w及びピッチpで形成さ
れる。溝113はかかる溝113に入射する光を回折す
る機能を有する。
【0018】より詳細には、図2に示すように、マーク
112に入射する光Iは溝113によって回折され、典
型的に、0次透過回折光It0、±1次透過回折光It+1
及びIt-1、±1次反射回折光Ir+1及びIr-1を生じ
る。かかる1次透過回折光It+1及びIt-1強度と0次透
過回折光It0強度の比は、本実施例のように断面形状が
矩形の溝113である場合、数式1で示される。
【0019】
【数1】
【0020】ここで、λは入射光Iの波長、nはディス
ク100の屈折率である。かかる数式1より、溝113
の幅wをw=p/2、深さdをd=λ/{2(n−
1)}としたときに、1次透過回折光It+1及びIt-1
最大となる。本実施例において、溝113の幅wは0.
5μm、深さdは0.4μm、ピッチpは1.0μmに
設定され、1次透過回折光が0次透過回折光に対して最
大となるように構成されている。この結果、1次透過回
折光を検出する検出器400の検出精度を高めることが
出来る。なお、上述した溝113の形状及び所定の値は
例示的であり、本発明を限定するものではない。即ち、
溝113の形状は光を回折するに足り、例えば、三角
形、台形、キノフォーム等であってもよい。また、上記
所定の値も同様にディスク100の大きさなどを考慮し
て任意に決定可能な値である。なお、溝113はディス
ク100の形成時、溝113とは反対の凹凸を有するス
タンパを使用して射出成形することによって容易に精度
よく形成することができる。
【0021】接続部120は中空に形成された円筒形状
を有し、円板部110と一体に形成される。接続部12
0は円板部110の中心と接続部120の中心軸が一致
するように接続されており、かかる接続部120はディ
スク100を回転軸Rに接続することが出来る。上述し
たようにディスク100を射出成形法で形成すること
で、接続部120はディスク100の円板部110と一
体的に形成可能である。従って、従来のように、ディス
クと回転軸を接続する取付け部品を必要としない。ま
た、ディスク100の形成時、機械精度の高い金型を使
用すれば形成されるディスク100も高い機械精度を有
する。よって、接続部120は円板部110の中心に精
度よく一体的に形成可能である。この結果、本実施例の
ディスク100は回転軸Rとの接続を取付け部品の組み
付け精度に頼らないので、ディスク100を回転軸Rに
精度よく取り付けることができる。なお、接続部120
の形状は、中空に形成された円筒形状に限定されず、そ
の他の形状であっても良い。また、接続部120は、単
に円板部110の中心に形成される開口として実現され
ても良い。
【0022】光源200は、例えばLEDであって、デ
ィスク100を介し後述する検出器400と対向する側
に設けられる。但し、検出器400がディスク100を
介し反射光を検出する構成である場合、光源200と検
出器400はディスクに対し同じ側に設けられる。光源
200は後述するマスク300を介しディスク100の
マーク112及び非マーク領域114の位置する円周上
に光を射出する。なお、光源200はLEDに限定され
ず、例えば、白熱ランプ又は半導体レーザ等であっても
よい。また、光源200が拡散光を射出するなら、例え
ばレンズ等の光学部品を光源200とマスク300の間
に配置し、かかる光学部品によってほぼ平行な光を得る
ことができる。
【0023】マスク300は、好ましくは、ディスク1
00のマーク112と同一形状及び大きさの開口を有す
る薄板であって、光源200とディスク100の間に設
けられる。マスク300は射出された光がディスク10
0のマーク112(又は、非マーク領域114)と正確
に重なるように光源200からの光を制限する(回転す
るディスク100のマーク112又は非マーク領域11
4とマスク300の開口が光源200より射出される光
の光軸に対し直線上に位置する場合において)。但し、
かかるマスク300の機能はマーク112(又は、非マ
ーク領域114)内に漏れなく照射されるよう光源20
0から光を制限することに足り、開口310の形状はこ
れに限定されない。例示的に、図1に示すように、マー
ク112(又は非マーク領域114)より小さい形状を
有する円形状の開口310であっても良い。従って、薄
板は開口310を除き、光を透過しない材料より形成さ
れることが好ましい。しかし、マスク300を、例え
ば、プラスチック平板より形成し、開口310のみ光を
透過可能とするようなプリントを施すような構成であっ
ても良い。また、上述の作用を達成可能であるならば、
いかなる技術の適用を排除するものではない。なお、光
源200から射出された光がマスク300を介さずとも
マーク112(又は、非マーク領域114)より小さい
照射領域にてディスク100に入射可能であれば、マス
ク300は省略されても良い。また、上述したようにレ
ンズ等の光学部品によってかかる作用を実現可能である
ならば、マスク300はかかる光学部品に置換されても
良い。
【0024】図3を参照するに、マスク300は複数の
開口320を有するマスク300aに置換されても良
い。ここで、図3は、図1に示すマスク300の変形例
であるマスク300aを有するロータリエンコーダ10
を示す概略斜視図である。なお、図3において、ディス
ク100のマーク112は一部省略されており、また、
マーク112の溝は若干誇張して描かれている。マスク
300は、例示的に、3つの開口322乃至開口326
(開口320は開口322乃至開口324を総括するも
のとする)を有する。開口322乃至開口326はマー
ク112と同一形状及び大きさの開口である。なお、マ
スク300aにおける開口320の数は3つに限定され
ず、それ以上であっても良い。また、開口322乃至開
口326はディスク100のマーク112と同一間隔で
形成される。即ち、マスク300aをディスク100の
マーク112と一致するように重ねた場合、かかる開口
322乃至開口326は対応するマーク112と一致し
ている。なお、マスク300aを適用する場合、光源2
00は開口320を含むような大きな(但し、マスク3
00aの薄板よりは小さい)スポット光を使用するもの
とする。また、後述する検出器400とディスク100
の間に光の集光作用を奏するレンズ500が配置される
ものとする。レンズ500は後述するようにマスク30
0aによって分光された光の回折光を検出器400に向
けて集光する。レンズ500を設けることで、分光され
た光に対応する数の検出器を設けなくとも良く、部品点
数の減少及び装置の小型化に寄与する。
【0025】マスク300aの機能はマスク300と同
様、基本的に光源200からの光を制限することにある
が、マスク300aは以下のような点において異なる。
図3によく示されるように、マスク300aは上述した
ように3つの開口322乃至開口326を有すること
で、光源200からの光を3つに分光し、ディスク10
0に照射する。上述したように、マスク300aの開口
320はマーク112に対応している為、かかるマスク
300aは3つの光源よりマーク112(又は、非マー
ク領域114)に光を照射した状態と同一の作用を奏す
る。また、3つに分光された光の回折光をレンズ500
を介し集光し、検出器400で検出することで、特にマ
ーク112において、個々のマーク112の溝113の
形状のばらつきによる光の回折のばらつきを平均化する
ことが出来る。従って、検出器400の検出する光のば
らつきを抑えることが可能であって、ノイズの低減に寄
与する。
【0026】更に、図4を参照するに、マスク300は
ディスク100と同一のディスクから構成するマスク3
00bに置換されても良い。ここで、図4は、図1に示
すマスク300の変形例であるマスク300bを有する
ロータリエンコーダ10を示す概略斜視図である。上述
したようにマスク300bはディスク100、特に円板
部110と同一に形成されたディスクであって、光源2
00とディスク100の間に配置される。また、マスク
300bはディスク100の中心とマスク300bのデ
ィスク中心が一致し、かつ、回転可能なディスク100
に対し相対的に固定して設けられる。また、マスク30
0bはディスク100と同様に、マーク312及び非マ
ーク領域314を有する。マスク300bはマスク30
0aと同様の作用を奏し、複数の光を検出器400で検
出とする。よって、マスク300bはマスク300aと
同様な効果を達成可能であり、ここでの詳細な説明は省
略する。
【0027】検出器400はディスク100のマーク1
12で回折された1次透過回折光を検出可能な位置に配
置され、図示しない受光部及び制御部を有する。検出器
410はマーク112で回折された0次透過回折光を光
学的に検出し、回転変位量を検出する。受光部は光源2
00より射出される光のマーク112によって回折され
た0次透過回折光を光学的に感知し、かかる回折光に対
応した光強度を電気的な強弱に変換する。受光部は、例
えば、フォトトランジスタ、フォトICなどを使用する
ことにより実現可能である。制御部は受光部と電気的に
接続され、受光部から送られる(電気的な)情報に基づ
き回転軸Rの回転量を表すデータを生成する。制御部
は、例示的に、コンパレータ、カウンタ、制御及び演算
回路より構成される。コンパレータは、受光部から送ら
れる電気信号を、当該電気信号に含まれるノイズを除去
するために所定の閾値を比較し、閾値以下の信号をオフ
(L:Low)、閾値以上の信号をオン(H:Hig
h)とした信号を生成する。カウンタは、例えば、Up
入力端子、Clear端子を有し、コンパレータからの
出力としての山の数、例えばオンを計数し、2値化され
た電気信号として制御及び演算回路へ出力する。制御及
び演算回路はカウンタから送られる電気信号より演算す
ることで回転軸Rの回転変位量を求める。また、かかる
回転変位量より回転軸Rの制御をする。なお、制御部は
必ずしも検出器400に設けられる必要はなく、例えば
ロータリエンコーダ10が設けられる装置の制御部に置
換されてもよい。また、コンパレータカウンタ、制御及
び演算回路からなる制御部の構成も例示的であって、上
述の機能を達成可能なら当該周知のいかなる技術に置換
されてもよい。
【0028】なお、図1に示すように、検出器400は
ディスク100のマーク112で回折された0次透過回
折光を検出可能な検出器410に置換されてもよい。こ
こで、検出器410はマーク112で回折された0次透
過回折光を検出可能な位置に設けられる。検出器410
は、検出器410と同様、図示しない受光部及び制御部
を有する。なお、検出器410は検出器400と同様な
構成であるため、ここでの詳細な説明は省略する。検出
器410も検出器400同様回転軸Rの回転量を表すデ
ータを生成する。
【0029】以下、図5及び図6を参照するに、本実施
例の別の例示的一態様のロータリエンコーダ10Aにつ
いて説明する。ここで、図5は、図1に示すロータリエ
ンコーダ10の変形例であるロータリエンコーダ10A
を示す概略斜視図である。図6は、図5に示すディスク
100Aを説明するためのディスクDの概略断面図であ
る。なお、ロータリエンコーダ10Aはロータリエンコ
ーダ10の変形例であり、以下の記述に際し、特に断ら
ない限り大文字のアルファベットを有する参照符号は上
述したアルファベット無い参照符号と同一な構成であ
り、ここでの詳細な説明は省略する。
【0030】図5に示すように、ロータリエンコーダ1
0回転体の回転軸Rに取り付けられるディスク100
A、光源200A、マスク300A、検出器400Aを
有する。本実施例では、光源200Aと検出器400A
はディスク100Aに対し同じ側に設けられるが、かか
る形態は例示的であり、光源200Aと検出器400A
はディスク100Aを介し対向する側に設けられても良
い。なお、光源200Aと検出器400Aを同じ側に設
けることは装置の小型化に寄与する。ロータリエンコー
ダ10Aは図示しない回転体の回転軸Rと共に回転する
ディスク100Aの回転変位量を検出し、回転軸Tの回
転変位量を表すデータを生成する。ロータリエンコーダ
10Aの検出器400A(又はこれに接続された)の図
示しない制御部は、かかるデータに基づいて容易に回転
体の回転を制御することができる。
【0031】ディスク100Aは、ディスク100と同
様に、円板部110Aと、円板部110Aの中心に接続
し回転体Rと接続する接続部120Aとを有する。ま
た、ディスク100Aは透明な(即ち、光を透過する)
ポリカーボネイド樹脂で射出成形法によって形成され、
ディスク100と同様の長所を有する。ディスク100
Aは回転軸Rに接続され、光源200A及び検出器40
0Aと協働し図示しない回転体の回転変位量を検出す
る。
【0032】円板部110Aは円板形状の薄板であっ
て、図5によく示されるように、円板部110Aの中心
と同心の円周上に配置される複数のマーク112Aを有
する。マーク112Aは所定の長さ(半径方向)及び幅
(円周方向)を有し、所定の角度間隔でディスク100
Aの円周方向に配置される。なお、マーク112Aは後
述するように円板部110Aの円周方向に平行に整列し
ている回折格子として光学的に検出可能なように形成さ
れたマークである。マーク112Aの長さ(半径方向)
は特に限定を有するものではないが、後述するように長
さ(半径方向)が大きいほど多くの回折光を得ることが
でき、検出器400Aの検出精度を向上させる。一方、
マーク112Aの幅(円周方向)は非マーク領域(マー
ク112Aと同一の円周上であって、隣接するマーク1
12Aの間の領域)114Aと同一幅(円周方向)に形
成される。なお、マーク112Aを配置する所定の角度
間隔を狭くすることで、ロータリエンコーダ10Aの分
解能を高めることができ、かかる所定の角度間隔は任意
に決定することが出来る。円板部110Aは回折格子と
して作用するマーク112Aで光源200Aからの光を
回折し、当該回折光を検出器400Aで検出することで
回転変位量を検出可能とする。
【0033】図5によく示されるように、マーク112
Aは、例えば、円板部110Aの中心から同心円状の複
数の溝113Aとして形成される。なお、図5におい
て、マーク112Aの溝113Aの理解を補助するた
め、マーク112Aは若干誇張して描かれている。より
詳細には、溝113Aはマーク112Aを含むディスク
100Aの断面がフレネルのゾーン板状と見なせるよう
に形成されている。
【0034】ここで、図6を参照するに、フレネルのゾ
ーン板の原理について説明する。ディスクDにはディス
クDの中心から同心円状にZ個(Zは任意の自然数)の
溝C(1)乃至溝C(Z)が形成されている(溝Cは溝
C(1)乃至溝C(Z)を総括するものとする)。な
お、ディスクDに形成されるN(NはN<Zを満たす自
然数)番目の溝C(N)の内周側半径rNinは1番目の
溝C(1)の内周側半径r1inの略(2N−1)1/2倍と
される。また、N番目の溝C(N)の外周側半径rNout
は1番目の溝C(1)の外周側半径r1inの略(2N)
1/2倍とされる。これより、N番目の溝C(N)の溝幅
Nは数式2となる。
【0035】
【数2】
【0036】かかる原則に基づく溝Cを形成したディス
クDに対し、距離a離れた光源pより波長λの光を溝C
(1)乃至溝C(Z)に円錐状のスポット光として照射
する。このとき溝Cの深さdをd=λ/{2(n−
1)}に形成すると、かかる光の透過回折光は距離bだ
け離れた点Q集光される。一方、溝Cの深さdをd=λ
/4に形成すると、かかる光の反射回折光は距離bだけ
離れた点Q´に反射光が回析され集光される。図6にお
いて、光の軌跡(図中、点線の矢印)はN番目の溝C
(N)に入射する光のみ描かれているが、実際にはスポ
ット光が照射された溝C全部においてこれが起こる。な
お、1番目の溝C(1)の内周部半径r1inは以下に記
す数式3より求められる。
【0037】
【数3】
【0038】ここで、fは焦点距離であって、1/f=
1/a+1/bを満たす。
【0039】本実施例のマーク112Aは、かかる原則
に基づき溝113Aが形成されている。なお、溝113
Aの形成に当たっては、1番目の溝113A(1)から
作る必要はない。ディスク100Aの大きさ及び所望の
マーク112Aの長さ(半径方向)を形成するのに必要
な番号範囲の溝113Aを作ればよい。また、溝113
Aはマーク112Aを構成するに足りるものであって、
マーク112Aの形状に沿って円板部110Aの円周方
向に断続的に設けられていることに理解されたい。
【0040】溝形状の原理で説明したように、本実施例
の溝113Aは距離aだけ離れた光源からの光をディス
ク100Aから距離bだけ離れた点に集光する。従っ
て、円周の全マーク112Aの溝113Aに光を入射し
た場合、全マーク112Aからの回折光を常に一点に集
めることができる。この結果、集光した光を検出器40
0Aで検出させることで、ディスク100Aが回転軸R
に対して偏芯して取り付けられた場合であっても、これ
らの偏芯により局所的な信号の揺らぎを平均化した信号
を得ることができる。
【0041】本実施例では、後述する光源200Aの波
長λを800nm、焦点距離fを30mmとし、溝11
3Aは200番目から1000番目までをマーク112
Aとして形成するものとする。数式3にλ=800n
m、f=30mmを代入すると、1番目の溝113A
(1)の内周部半径r1inは0.155mmとなる。ま
た、200番目の溝113A(200)の内周部半径r
200inは3.096mm、1000番目の溝113A
(1000)の外周部半径r1000outは6.932mm
となる。また、溝113Aの深さdは、本実施例では反
射光を使用するため、200nmである。更に、N番目
の溝113A(N)の幅wNは数式2にNと1番目の溝
113A(1)の内周部半径r1inを代入することによ
り数式4で表される。
【0042】
【数4】
【0043】最外周に位置する1000番目の溝113
A(1000)が幅w1000が1番狭く、w1000
1.7μmであって、内周部に位置する溝113Aは順
次広くなっている。
【0044】なお、上述した溝113Aの所定の値は例
示的であり、本発明を限定するものではない。上記所定
の値はディスク100の大きさ、光源200Aに使用す
る波長などを考慮して任意に設定可能である。なお、溝
113Aはディスク100Aの形成時、溝113Aとは
反対の凹凸を有するスタンパを使用して射出成形するこ
とによって容易に精度よく形成することができる。
【0045】接続部120Aは中空に形成された円筒形
状を有し、円板部110Aと一体に形成される。接続部
120Aはディスク100Aを回転軸Rに接続すること
が出来る。本実施例のディスク100Aも、ディスク1
00と同様に、回転軸Rとの接続を取付け部品の組み付
け精度に頼らないので、ディスク100Aを回転軸Rに
精度よく取り付けることが可能である。なお、接続部1
20Aの形状は、中空に形成された円筒形状に限定され
ず、その他の形状であっても良い。また、接続部120
Aは、単に円板部110Aの中心に形成される開口とし
て実現されても良い。
【0046】図7を参照するに、ディスク100Aはデ
ィスク100Bに置換されてもよい。ここで、図7は、
図5に示すディスク100Aの変形例であるディスク1
00Bを示す概略断面図(a)及び概略平面図(b)で
ある。ディスク100Bはフレネルレンズ状の円板部1
10Bと、円板部110Bの中心に接続し回転体Rと接
続する接続部120Bとを有する。また、ディスク10
0Bは透明な(即ち、光を透過する)ポリカーボネイド
樹脂で射出成形法によって形成され、ディスク100と
同様の長所を有する。
【0047】図7によく示されるように、円板部110
Bは一の側面116がフレネルレンズ形状を有し、当該
一の面116の反対側の側面118を平面とした薄板で
ある。円板部110Bは平面である側面118上であっ
て、かかる円板部110Bの中心と同心の円周上に配置
される複数のマーク112Bを有する。マーク112B
は所定の長さ(半径方向)及び幅(円周方向)を有し、
所定の角度間隔でディスク100Bの円周方向に配置さ
れる。なお、マーク112Bは後述するように光を反射
可能な反射膜130より実現される。マーク112Bの
長さ(半径方向)は特に限定を有するものではないが、
後述するように長さ(半径方向)が大きいほど多くの回
折光を得ることができ、検出器400Aの検出精度を向
上させる。一方、マーク112Bの幅(円周方向)は非
マーク領域114B(マーク112Bと同一の円周上で
あって、隣接するマーク112Bとの間の領域)と同一
幅(円周方向)に形成される。なお、マーク112Bを
配置する所定の角度間隔を狭くすることで、ロータリエ
ンコーダ10Aの分解能を高めることができ、かかる所
定の角度間隔は任意に決定することが出来る。
【0048】マーク112Bは反射作用を奏するマーク
112B部分のフルネルレンズ状の側面116で光源2
00Aからの光を回折し、当該反射回折光を検出器40
0Aで検出することで回転変位量を検出可能とする。図
7(b)に示されるように、マーク112Bは、例え
ば、Al、Ag、Au等の高い反射率を有する部材をコ
ーティングすることで形成される。なお、マーク112
Bは上述のように平面状の側面118に設けられ、フレ
ネルレンズ状の側面116から入射した光を反射する。
フレネルレンズ状の側面116及び当該側面116と反
対側に高反射率のマーク112Bと施すことで、上述の
ディスク100Aと同様の作用を奏する。よって、ディ
スク100Bの詳細な説明は省略する。
【0049】接続部120Bは中空に形成された円筒形
状を有し、円板部110Bと一体に形成される。接続部
120Bはディスク100Bを回転軸Rに接続すること
が出来る。本実施例のディスク100Bも、ディスク1
00と同様に、回転軸Rとの接続を取付け部品の組み付
け精度に頼らないので、ディスク100Bを回転軸Rに
精度よく取り付けることが可能である。なお、接続部1
20Bの形状は、中空に形成された円筒形状に限定され
ず、その他の形状であっても良い。また、接続部120
Bは、単に円板部110Bの中心に形成される開口とし
て実現されても良い。
【0050】なお、以下の説明において、特に断らない
限り、ディスク100Aはディスク100Bを総括する
ものとする。
【0051】光源200Aは、例えばLEDであって、
ディスク100Aを介し後述する検出器400Aと対向
する側に設けられる。ロータリエンコーダ10Aのディ
スクがディスク100Aである場合、光源200Aはデ
ィスク100Aとの距離が1/f=1/a+1/bを満
たすような距離aでディスク100Aの中心軸上に配置
される。ここで、fは焦点距離であって本実施例ではf
=30mmであり、bは検出器400Aとディスク10
0Aとの距離である。一方、ロータリエンコーダ10A
のディスクがディスク100Bである場合、光源200
Aと検出器400Aはディスク100Aによる物体と
像、即ち共役な関係に配置される。
【0052】光源200Aはディスク100Aのマーク
112Aを含む円周に光を照射可能なように、円錐形状
を有する光束を射出する。かかる光源200Aでディス
ク100Aを照射すると、後述するマスク300Aと協
働し、ディスク100A全体からの反射回折光を検出器
400Aで検出可能となる。従って、たとえ回転軸Rと
ディスク100Aの間に偏芯が生じていたとしても、検
出器400Aでの検出信号は平均化される。よって、検
出器400Aで検出される回転変位量も偏芯の影響は低
減され、精度よく検出される。
【0053】マスク300Aは、好ましくは、ディスク
100Aのマーク112Aと同一形状及び大きさの開口
310Aを有する薄板であって、光源200Aとディス
ク100Aの間に設けられる。なお、本実施例では、マ
スク300Aはマーク112Aに対応する数の開口31
0Aが設けられている。また、開口310Aはディスク
100Aのマーク112Aと同一間隔及び同一半径で形
成される。即ち、マスク300Aをディスク100Aの
マーク112Aと一致するように重ねた場合、かかる開
口310Aは対応するマーク112Aの位置及び形状が
一致している。
【0054】マスク300Aは射出された光がディスク
100Aのマーク112A(又は、非マーク領域114
A)と正確に重なるように光源200Aからの光を制限
する(回転するディスク100Aのマーク112A又は
非マーク領域114Aとマスク300Aの開口310A
が重なる場合において)。更に、マスク300Aは開口
310Aが円周上に一様に設けられているため、ディス
ク100Aのマーク312A(又は非マーク領域314
A)全体に光源200Aからの光を照射可能とする。か
かる構成において、光源200Aでディスク100Aを
照射すると、ディスク100A全体からの反射回折光を
検出器400Aで検出可能となる。従って、たとえ回転
軸Rとディスク100Aの間に偏芯が生じていたとして
も、検出器400Aでの検出信号は平均化される。よっ
て、検出器400Aで検出される回転変位量も偏芯の影
響は低減され、精度よく検出される。
【0055】検出器400Aはディスク100Aのマー
ク112で反射された回折光を検出可能な位置に配置さ
れ、図示しない受光部及び制御部を有する。より、詳細
にはロータリエンコーダ10Aのディスクがディスク1
00Aである場合、検出器400Aはディスク100A
との距離が1/f=1/a+1/bを満たすような距離
bでディスク100Aの中心軸上に配置される。ここ
で、fは焦点距離であって本実施例ではf=30mmで
あり、aは光源200Aとディスク100Aとの距離で
ある。かかる式より、光源200Aとディスク100A
の距離aを定めれば、距離bが定まる。また、この逆も
成り立つ。一方、ロータリエンコーダ10Aのディスク
がディスク100Bである場合、検出器400Aと光源
200Aはディスク100Aによる物体と像、即ち共役
な関係に配置される。なお、図示しない受光部及び制御
部は上述した検出器400と同様であるため、ここでの
詳細な説明は省略する。
【0056】なお、図8に示すように、光源200A及
び検出器400Aからディスク100Aまでの距離が等
しい場合、ハーフミラー600を設けることで検出器4
00Aと光源200Aが重ならないようにすることも可
能である。ここで、図8は、図5に示すロータリエンコ
ーダ10Aの光源200A及び検出器400Aからディ
スク100Aまでの距離が等しい場合の変形例である。
かかる構成はロータリエンコーダ10Aの小型化に寄与
する。
【0057】検出器400Aはディスク100Aのマー
ク112Aで反射され、かつ、回折された回折光を光学
的に検出し、回転変位量を検出する。検出器400Aは
上述の光源200A及びマスク300Aにより、ディス
ク100A全体からの反射回折光を検出可能である。従
って、たとえ回転軸Rとディスク100Aの間に偏芯が
生じていたとしても、検出器400Aでの検出信号は平
均化される。よって、検出器400Aで検出される回転
変位量も偏芯の影響は低減され、精度よく検出される。
【0058】以下、ロータリエンコーダ10を利用した
回転変位量の検出動作について説明する。まず、ディス
ク100を回転軸Rに取り付ける。次いで、回転軸Rを
図1において右回りに等速度で回転させる。このとき、
光源200側からマスク300を介しディスク100を
見ると、マーク112及び非マーク領域114が交互に
出現する。
【0059】光源200がマスク300を介しディスク
100に向けて光を射出する。ここで、ロータリエンコ
ーダ10(ロータリエンコーダ10Aを除く)であっ
て、特にマスク300及び300aを使用する場合(図
1及び図2に示す)、光源200より射出された光はマ
スク300及び300aを介しディスク100に入射さ
れる。このとき、マーク112に入射した光は回折さ
れ、1次透過回折光が検出器400に向かう。一方、非
マーク領域114に入射した光はそのまま透過し、直進
する。また、ロータリエンコーダ10(ロータリエンコ
ーダ10Aを除く)であって、特にマスク300bを使
用する場合(図4に示す)、光源200より射出された
光はマスク300bを介しディスク100に入射され
る。なお、図9に示すように、回転するディスク100
とマスク300bは、マスク300のマーク312及び
非マーク領域314にディスク100のマーク112及
び非マーク領域114が各々一致する場合(図9
(a))と、マスク300のマーク312及び非マーク
領域314にディスク100の非マーク領域114及び
マーク112が各々一致する場合(図9(b))があ
る。ここで、図9は、図4に示すマスク300bとディ
スク100近傍の光源200からの光路を示した概略側
面図である。図9(a)に示す場合、即ち、マスク30
0のマーク312(及び非マーク領域314)がディス
クのマーク112(及び非マーク領域114)と一致す
る場合、光源200からの光は結果的に直進する。一
方、図9(b)に示す場合、即ち、マスク300のマー
ク312(及び非マーク領域314)がディスクの非マ
ーク領域114(及びマーク112)と一致する場合、
光源200からの光は結果的に回折し、回折光が検出器
400に向かう。
【0060】一方、ロータリエンコーダ10Aである場
合(図5に示す)、光源200Aより射出された光はマ
スク300Aを介しディスク100Aに入射される。こ
のとき、マーク112Aに入射した光は回折され、1次
反射回折光が検出器400に向かう。一方、非マーク領
域114Aに入射した光は透過され、そのまま直進す
る。なお、上述したように光源200Aは円錐形状の光
束を有し、マスク300Aの各開口310Aを介しディ
スク100Aに入射した光について、かかる現象がおき
るものである。
【0061】上述した各パターンで検出器400に向か
った光は図示しない受光部によって受光され、電気信号
に変換されて図示しない制御部に送られる。ディスク1
00が等速回転をする際、受光部で感知した光の強弱を
縦軸、経過時間を横軸にした電気信号に変換すると波形
は略正弦波を示す。次いで、制御部のコンパレータが受
光部で電気的波形に変換された回転変位量の波形を所定
の閾値と比較する。コンパレータは回転変位量の波形が
閾値以上の値をもつ間をHigh、閾値以下の値のもつ
間をLowとして、回転変位量の電気信号をパルス波形
に変換する。つまり、出力されるパルス波形は検出器4
00が非マーク領域114を検知している間はLowに
なり、マーク112を検知している間はHighとな
る。なお、図4に示す形態のロータリエンコーダ10
は、かかる波形が逆転する。カウンタはコンパレータで
パルス波形に変換された回転変位量、例えば、High
の回数をカウントする。カウンタはかかるカウントが行
なわれるたびにカウントした総計を演算及び制御回路に
送信する。計数されたマーク112の数とマーク112
間隔との積をとることによってロータリエンコーダ10
の(又はこれに接続された)図示しない制御部は回転角
を算出することができる。よって、制御部は回転軸Rに
接続された図示しない回転体の回転を制御することがで
きる。
【0062】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可
能である。
【0063】
【発明の効果】本発明の例示的一態様としてのロータリ
エンコーダは回転軸に接続するディスクの接続部が円板
部と一体に射出成形されるため、回転軸に対しディスク
が精度よく接続されるので検出精度が高い。また、ディ
スクを射出成形することでマークを精度よく形成できる
ので、マークである回折格子の回折精度もよく精度の高
い検出を行える。
【0064】本発明の別な例示的一態様としてのロータ
リエンコーダは偏芯が生じる場合でも、ディスク全体か
らの信号を検出するため検出信号の偏芯によるズレ等は
平均化され、その影響を低減することが出来る。よっ
て、かかるロータリエンコーダは精度の高い検出を行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的一態様であるロータリエンコ
ーダを示す概略斜視図である。
【図2】 図1に示すディスクの半径方向の断面形状を
示すマーク部分の一部拡大断面図である。
【図3】 図1に示すスリットの変形例であるスリット
を有するロータリエンコーダを示す概略斜視図である。
【図4】 図1に示すスリットの変形例であるスリット
を有するロータリエンコーダを示す概略斜視図である。
【図5】 図1に示すロータリエンコーダの変形例であ
るロータリエンコーダを示す概略斜視図である。
【図6】 図5に示すディスクを説明するためのディス
クの概略断面図である。
【図7】 図5に示すディスクの変形例であるディスク
を示す概略断面図及びそれに対応する概略平面図であ
る。
【図8】 図5に示すロータリエンコーダの光源及び検
出器からディスクまでの距離が等しい場合の変形例であ
る。
【図9】 図4に示すマスクとディスク近傍の光源から
の光路を示した概略側面図である。
【符号の説明】
10 ロータリエンコーダ 100 ディスク 110 円板部 112 マーク 113 溝 114 非マーク領域 120 接続部 200 光源 300 スリット 400 検出器 500 レンズ 600 ハーフミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA09 AA39 BB16 DD04 FF17 GG02 GG06 GG07 HH03 HH13 JJ01 JJ09 JJ18 LL30 LL43 MM04 NN03 QQ04 QQ14 QQ34 QQ51 UU08 2F103 BA05 BA06 CA01 CA04 CA06 DA13 EA03 EA05 EA12 EA22 EA24 EB02 EB06 EB12 EB32 EB33 ED07 ED21 FA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に取り付けられて当該回転軸と共
    に回転するディスクであって、当該ディスクの中心から
    見て所定の角度間隔で前記ディスクの円周方向に添って
    整列している回折格子からなるマークと、前記ディスク
    の中心に設けられ当該ディスクと前記回転軸を接続する
    接続部とを有するディスクと、 前記マークを光学的に検出し、前記回転軸の回転変位量
    を検出する検出器とを有する検出装置。
  2. 【請求項2】 前記マークは前記ディスクの中心から見
    て同心円状又は螺旋状に形成された溝を有する請求項1
    記載の検出装置。
  3. 【請求項3】 前記マークは前記ディスクの中心から見
    てフレネルゾーン板形状を有する請求項1記載の検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ディスクはフレネルレンズであっ
    て、前記マークに対応する位置に反射部材を有する請求
    項1記載の検出装置。
  5. 【請求項5】 前記検出装置は前記ディスクに光を射出
    する光源と前記検出器の間に前記光を制限するマスクを
    更に有する請求項1記載の検出装置。
  6. 【請求項6】 前記マスクは前記ディスクと同一形状の
    ディスクである請求項5記載の検出装置。
  7. 【請求項7】 回転軸に取り付けられて当該回転軸と共
    に回転するディスクであって、 前記ディスクの中心に設けられ当該ディスクと前記回転
    軸を接続する接続部と、 前記ディスクの中心から見て所定の角度間隔で前記ディ
    スクの円周方向に添って整列している回折格子からなる
    マークとを有するディスク。
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