JP2002275282A - ポリプロピレン二軸延伸フィルム - Google Patents

ポリプロピレン二軸延伸フィルム

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JP2002275282A
JP2002275282A JP2001074625A JP2001074625A JP2002275282A JP 2002275282 A JP2002275282 A JP 2002275282A JP 2001074625 A JP2001074625 A JP 2001074625A JP 2001074625 A JP2001074625 A JP 2001074625A JP 2002275282 A JP2002275282 A JP 2002275282A
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JP
Japan
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hydrocarbon group
general formula
group
tert
butyl
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JP2001074625A
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English (en)
Inventor
Kakushi Kito
藤 覚 志 木
Hiroyuki Yoshikawa
川 博 之 由
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Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルム
は、MFR(230℃)が0.1〜20g/10分の範囲に
あり、DSCにより測定される吸熱曲線の最大ピーク位
置の温度(Tm)が140〜170℃の範囲にあり、13
C−NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構
成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入あるいは1,3-
挿入に基づく位置不規則単位の割合がいずれも0.2%
以下であり、GPCにより求めたMw/Mnが2〜4で
あり、室温n−デカン可溶成分が2.0重量%以下であ
るポリプロピレン樹脂からなる。 【効果】 本発明によれば、引張強度、剛性などの機械
的特性に優れるとともにアルミニウム蒸着性にも優れる
ポリプロピレン二軸延伸フィルムを提供することができ
る。このフィルムは、上記のような効果を有するので、
たとえば包装材料の用途などに好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリプロピレン二軸延伸
フィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】結晶性ポリプロピレンなどのポリ
オレフィンは、周期律表第IV〜VI族の遷移金属の化合物
と、周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物とか
らなる、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用いて、オ
レフィンを重合することによって得られることはよく知
られている。
【0003】そして、このような触媒で製造したポリプ
ロピレンを用いて、二軸延伸フィルムを製造すること
は、たとえば特開昭59−171625号公報、特開昭
59−221310号公報、特開昭60−124611
号公報などに記載されている。このようないわゆるチー
グラー・ナッタ触媒を用いて製造されたポリプロピレン
は、得られるフィルムのアルミニウム蒸着性が十分でな
いという欠点があった。
【0004】一方、メタロセン触媒で製造された結晶性
ポリプロピレンを用いた二軸延伸フィルムも知られてお
り、たとえば、特開平8−238729号公報などに記
載されている。しかしながら、メタロセン触媒を用いて
製造された結晶性ポリプロピレンは、上記のいわゆるチ
ーグラー・ナッタ触媒を用いたポリプロピレンに比べて
剛性、機械的強度が劣るため、実用化が困難とされてい
た。
【0005】本願発明者らは、上記の状況に鑑みて鋭意
研究した結果、特定のメタロセン触媒を用いて製造され
た、特定のポリプロピレン樹脂から二軸延伸フィルムを
成形すると、上記のような問題が解決されることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、引張強度、剛性
などの機械的特性に優れるとともにアルミニウム蒸着性
にも優れるポリプロピレン二軸延伸フィルムを提供する
ことを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るポリプロピレン二軸延伸フ
ィルムは、(i)メルトフローレート(ASTM D 1238,2
30℃、2.16kg荷重)が0.1〜20g/10分の範囲に
あり、(ii)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲
線の最大ピーク位置の温度(Tm)が140〜170℃
の範囲にあり、(iii)13C−NMRスペクトルから求め
られる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマー
の2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則単位の
割合がいずれも0.2%以下であり、(iv)ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた
分子量分布(Mw/Mn)が2〜4であり、(v)室温
n−デカン可溶成分が2.0重量%以下であるポリプロ
ピレン樹脂からなることを特徴としている。
【0008】前記ポリプロピレン樹脂は、メタロセン触
媒を用いて製造されたポリプロピレン樹脂であることが
好ましい。前記メタロセン触媒を形成するメタロセン化
合物触媒成分としては、下記一般式(1)または(2)
で表わされるメタロセン化合物が好ましい。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R3は、炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5
6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は
互いに結合して環を形成してもよく、一般式(1)の場
合はR1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR1 3
たはR14が互いに結合して環を形成してもよく、Aは、
不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい
炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、AはY
と共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでい
てもよく、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、M
は、周期表第4族から選ばれた金属を示し、jは、1〜
4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、ア
ニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子
から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同一でも異
なっていてもよい。)
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリプロピレ
ン二軸延伸フィルムについて具体的に説明する。本発明
に係るポリプロピレン二軸延伸フィルムの原料となるポ
リプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体、またはプ
ロピレンと炭素原子数が4〜20のα-オレフィンとの
共重合体である。
【0012】ここで、炭素原子数が4〜20のα- オレ
フィンとしては、具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、
1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1-オクテン、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、
1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これ
らの中でも、炭素原子数が4〜10のα- オレフィンが
好ましい。
【0013】これらのα- オレフィンは、プロピレンと
ランダム共重合体を形成してもよく、また、ブロック共
重合体を形成してもよい。これらのα- オレフィンから
導かれる構成単位は、ポリプロピレン樹脂中に5重量%
以下、好ましくは2重量%以下の割合で含んでいてもよ
い。本発明で用いられるポリプロピレン樹脂は、下記の
特性を有している。 (i)ASTM D-1238に準拠して、230℃、
2.16kg荷重下において測定されるメルトフローレ
ート(MFR)は、0.1〜20g/10分、好ましく
は0.5〜10g/10分、特に好ましくは1〜4g/
10分であり、(ii)示差走査型熱量計(DSC)によ
り測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)
は、140〜170℃、好ましくは150〜165℃、
より好ましくは155〜160℃の範囲にあり、(iii)
13C−NMRスペクトルから求められる、全プロピレン
構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入あるいは1,
3-挿入に基づく位置不規則単位の割合がいずれも0.2
%以下、好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.
05%以下であり、(iv)GPCにより求めた分子量分
布(Mw/Mn、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均
分子量)が2〜4、好ましくは2.5〜3.5の範囲に
あり、(v)室温n−デカン可溶成分が2.0重量%以
下、好ましくは1.5重量%以下、特に好ましくは1.
0重量%以下の範囲にある。
【0014】ポリプロピレンの分子量分布(Mw/M
n)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下の
ように測定した。分離カラムは、TSK GNH HT
であり、カラムサイズは直径72mm、長さ600mm
であり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジク
ロロベンゼン[和光純薬工業(株)製]、および酸化防
止剤としてBHT[武田薬品工業(株)製]0.025
重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は
0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリット
ルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリス
チレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×1
6 については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4
×106についてはプレッシャーケミカル社製を用い
た。
【0015】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂の
13C−NMRにより測定されるペンタッドアイソタクテ
ィシティー(mmmm分率)は、通常80〜100の範
囲にあり、85〜99.5の範囲にあることがより好ま
しい。室温n−デカン不溶部および室温n−デカン可溶
部は、以下のようにして求められる。すなわち、ガラス
製二重管式恒温槽中のn−デカン約500ml中に、試
料約2gを精秤して入れ、140℃で約1時間攪拌する
ことにより完全に溶解させる。その後、溶液の温度を攪
拌下で緩やかに室温まで降温する。溶液の温度が一定に
なった後、一昼夜攪拌を続け、パウダー状のn−デカン
不溶部をグラスフィルタで濾別する。一方、濾液を過剰
のアセトン中に入れ、沈澱してきたn−デカン可溶部を
グラスフィルタで濾別する。パウダ状のn−デカン不溶
部は約500mlのn−デカンに約140℃で完全に溶
解した後、過剰のアセトン中で再沈澱させて濾別する。
このようにして分別されたn−デカン不溶部とn−デカ
ン可溶部とを、それぞれ約80℃の真空乾燥機において
減圧下一昼夜乾燥後、精秤する。
【0016】本発明で用いられる上記特定のポリプロピ
レン樹脂は、たとえば特定のメタロセン触媒を用いて調
製される。このようなメタロセン触媒を形成するメタロ
セン化合物触媒成分は、下記一般式(1)または(2)
で表わされる。
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R3は、炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5
6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は
互いに結合して環を形成してもよく、一般式(1)の場
合はR1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR1 3
たはR14が互いに結合して環を形成してもよく、Aは、
不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい
炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、AはY
と共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでい
てもよく、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、M
は、周期表第4族から選ばれた金属を示し、jは、1〜
4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、ア
ニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子
から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同一でも異
なっていてもよい。) また、本発明で用いられる他のメタロセン化合物触媒成
分としては、下記一般式(1a)または(2a)で表わ
されるメタロセン化合物が挙げられる。
【0019】
【化4】
【0020】(式中、R3は、炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5
6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、一般式(1a)で示される化合物であって、R3がt
ert-ブチル基またはトリメチルシリル基であり、R13
よびR14が同時にメチル基またはフェニル基である場合
は、R6およびR11は同時に水素原子でなく、R1ないし
12で示される基のうち隣接した基は互いに結合して環
を形成してもよく、一般式(1a)の場合はR1、R4
5およびR12から選ばれる基とR13またはR14が互い
に結合して環を形成してもよく、Aは、不飽和結合およ
び/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜
20の2価の炭化水素基を示し、Aは、Yと共に形成す
る環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Y
は、炭素原子またはケイ素原子であり、Mは、周期表第
4族から選ばれた金属であり、jは、1〜4の整数であ
り、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子
および孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれ、
jが2以上のときはQは互いに同一でも異なっていても
よい。) また、上記以外のメタロセン化合物触媒成分として、下
記一般式(1b)または(2b)で表わされるメタロセ
ン化合物が挙げられる。
【0021】
【化5】
【0022】(式中、R21およびR22は、互いに同一で
も異なっていてもよく、炭化水素基およびケイ素含有炭
化水素基から選ばれ、R5、R6、R7、R8、R9
10、R11、R12、R13およびR14は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基およびケイ
素含有炭化水素基から選ばれ、R5ないしR12のうち隣
接した基は、互いに結合して環を形成してもよく、A
は、不飽和結合および/または芳香族環を含んでいても
よい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、A
は、Yと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含
んでいてもよく、Mは、周期表第4族から選ばれた金属
を示し、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、j
は、1〜4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水
素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中
性配位子から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同
一でも異なっていてもよい。) 上記炭化水素基の好ましい例としては、炭素原子数1〜
20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアル
キル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数
7〜20のアルキルアリール基などが挙げられる。
【0023】また、R3は、イオウ、酸素などの異原子
を含む環状の炭化水素基、たとえばチエニル基、フリル
基などであってもよい。具体的には、メチル、エチル、
n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジ
メチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチル
プロピル、1-エチル-1- メチルプロピル、1,1,2,2-テト
ラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジ
メチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、ネオペンチ
ル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1-メチル
-1- シクロヘキシル、1-アダマンチル、2-アダマンチ
ル、2-メチル-2- アダマンチル、メンチル、ノルボルニ
ル、ベンジル、2-フェニルエチル、1-テトラヒドロナフ
チル、1-メチル-1- テトラヒドロナフチル、フェニル、
ナフチル、トリルなどの炭化水素基が挙げられる。
【0024】上記ケイ素含有炭化水素基の好ましい例と
しては、ケイ素原子数1〜4、かつ炭素原子数3〜20
のアルキルシリル基またはアリールシリル基が挙げられ
る。具体的には、トリメチルシリル、tert-ブチルジメ
チルシリル、トリフェニルシリルなどの基が挙げられ
る。なお、R3は、立体的に嵩高い置換基であることが
好ましく、炭素原子数4以上の置換基であることがより
好ましい。
【0025】上記の一般式(1)または(2)におい
て、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12、R13およびR14は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化
水素基から選ばれる。好ましい炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基の具体例としては、上記と同様の基が挙
げられる。
【0026】シクロペンタジエニル環に置換するR1
いしR4の隣接した置換基は、互いに結合して環を形成
してもよい。そのような置換シクロペンタジエニル基と
しては、インデニル、2-メチルインデニル、テトラヒド
ロインデニル、2-メチルテトラヒドロインデニル、2,4,
4-トリメチルテトラヒドロインデニルなどが挙げられ
る。
【0027】また、フルオレン環に置換するR5ないし
12の隣接した置換基は、互いに結合して環を形成して
もよい。そのような置換フルオレニル基としては、ベン
ゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロ
ジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベ
ンゾフルオレニルなどが挙げられる。さらに、フルオレ
ン環に置換するR5ないしR12の置換基は、合成上の容
易さから左右対称、すなわちR5とR12、R6とR11、R
7とR10、R8とR9が同一の基であることが好ましく、
無置換フルオレン、3,6-二置換フルオレン、2,7-二置換
フルオレンまたは2,3,6,7-四置換フルオレンであること
がより好ましい。ここでフルオレン環の3位、6位、2
位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
【0028】上記一般式(1)または(2)において、
Yは、炭素原子またはケイ素原子である。上記一般式
(1)で表わされるメタロセン化合物は、R13とR14
Yと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シ
リレン基を構成する。好ましい具体例としは、たとえ
ば、メチレン、ジメチルメチレン、ジエチルメチレン、
ジイソプロピルメチレン、メチルtert-ブチルメチレ
ン、ジtert-ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレ
ン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメ
チレン、ジフェニルメチレン、メチルナフチルメチレ
ン、ジナフチルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイ
ソプロピルシリレン、メチルtert-ブチルシリレン、ジ
シクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレ
ン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、メ
チルナフチルシリレン、ジナフチルシリレンなどが挙げ
られる。
【0029】また、上記一般式(1)で表わされるメタ
ロセン化合物は、R1、R4、R5またはR12から選ばれ
る置換基と、架橋部のR13またはR14が互いに結合して
環を形成してもよい。そのような構造の一例として、R
1とR14が互いに結合して環を形成した場合を下記に例
示する。下記一般式(1c)で表わされるメタロセン化
合物では、架橋部とシクロペンタジエニル基が一体とな
り、テトラヒドロペンタレン骨格を形成し、下記一般式
(1d)で表わされるメタロセン化合物では、架橋部と
シクロペンタジエニル基が一体となり、テトラヒドロイ
ンデニル骨格を形成している。また同様に、架橋部とフ
ルオレニル基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0030】
【化6】
【0031】上記一般式(2)で表わされるメタロセン
化合物において、Aは、不飽和結合および/または芳香
族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭
化水素基であり、Yは、このAと結合し、シクロアルキ
リデン基、シクロメチレンシリレン基などを構成する。
また、Aは、Yと共に形成する環を含めて2つ以上の環
構造を含んでいてもよい。
【0032】好ましい具体例としては、たとえばシクロ
プロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデ
ン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシク
ロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマン
チリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダ
ニリデン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチ
レンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロ
ペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレ
ン、シクロヘプタメチレンシリレンなどが挙げられる。
【0033】上記一般式(1)または(2)において、
Mは、周期表第4族から選ばれる金属であり、具体的に
は、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられ
る。上記一般式(1)または(2)において、jは1〜
4の整数である。上記一般式(1)または(2)におい
て、Qはハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中
性配位子から選ばれる。jが2以上のときはQは、互い
に同一でも異なっていてもよい。
【0034】ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭化水素基の具体例とし
ては、上記と同様のものが挙げられる。アニオン配位子
の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノ
キシ等のアルコキシ基;アセテート、ベンゾエート等の
カルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスル
ホネート基などが挙げられる。
【0035】孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体
例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホス
フィンなどの有機リン化合物;テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンな
どのエーテル類が挙げられる。Qは、少なくとも一つは
ハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
【0036】以下に、上記一般式(1)または(2)で
表わされるメタロセン化合物の具体例を示す。なお、本
発明においてMQjがZrCl2の場合は、下記のメタロ
セン化合物を例示したことになる。
【0037】
【化7】
【0038】MQjの具体的な例示としては、ZrC
2、ZrBr2、ZrMe2、Zr(OTs)2、Zr(O
Ms)2、Zr(OTf)2、TiCl2、TiBr2、Ti
Me2、Ti(OTs)2、Ti(OMs)2、Ti(OT
f)2、HfCl2、HfBr2、HfMe2、Hf(OT
s)2、Hf(OMs)2、Hf(OTf)2 などが挙げられ
る。ここでTsはp-トルエンスルホニル基、Msはメタ
ンスルホニル基、Tfはトリフルオロメタンスルホニル
基を示す。
【0039】さらに、Cp環の置換基と、架橋部の置換
基が互いに結合して環を形成したメタロセン化合物とし
て、例えば下記のような化合物が挙げられる。
【0040】
【化8】
【0041】上記一般式(1)または(2)で表わされ
る、本発明に係るメタロセン化合物としては、以下のよ
うな化合物などが好ましく例示される。一般式(1)
で、R1、R13、R14がメチル、R3がtert-ブチル、
2、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R12が水素、R
6、R11がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、
Qが塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0042】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3が1-メチル-1-シクロヘキシル、R 1、R2、R4、R5
6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がメチル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5
8、R9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を
形成した-(C(CH 3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10
11が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2
CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Q
が塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0043】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3がトリメチルシリル、R1、R2、R4、R5、R8
9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を形成
した-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10とR11
が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2
C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩
素、jが2であるメタロセン化合物。
【0044】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3が1,1-ジメチルプロピル、R1、R 2、R4、R5、R6
8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチ
ル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2で
あるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R14
メチル、R3が1-エチル-1-メチルプロピル、R 1、R2
4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R
10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0045】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3が1,1,3-トリメチルブチル、R1、R2、R4、R5
6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がメチル、R3が1,1-ジメチルブチル、R1、R2
4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R
10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0046】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、R7、R8
9、R10、R12が水素、R6、R11がtert-ブチル、M
がジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメ
タロセン化合物。一般式(1)で、R3、R13、R14
フェニル、R1、R2、R4、R5、R8、R 9、R12が水
素、R6とR7が互いに結合して環を形成した-(C(C
3)2CH2CH 2C(CH3)2)-、R10とR11が互いに結
合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2C(C
3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、j
が2であるメタロセン化合物。
【0047】一般式(1)で、R3がトリメチルシリ
ル、R13、R14がフェニル、R1、R2、R4、R5
8、R9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を
形成した-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10
11が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2
CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Q
が塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0048】一般式(1)で、R13がメチル、R14がフ
ェニル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5
6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がエチル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5
6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。
【0049】一般式(2)で、R1がメチル、R3がtert
-ブチル、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12が水素、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメタロセン化合
物。一般式(2)で、R1がメチル、R3がtert-ブチ
ル、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水
素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが
炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメタロ
セン化合物。
【0050】一般式(2)で、R3がトリメチルシリ
ル、R1、R2、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R12
が水素、R6、R11がtert-ブチル、Mがジルコニウム、
Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメ
タロセン化合物。一般式(2)で、R3がトリメチルシ
リル、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R
12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であ
るメタロセン化合物。
【0051】一般式(2)で、R3がtert-ブチル、
1、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水
素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが
炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)4-であるメタロ
セン化合物。一般式(2)で、R3が1,1-ジメチルプロ
ピル、R1、R2、R4、R5、R6、R 8、R9、R11、R
12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であ
るメタロセン化合物。
【0052】一般式(2)で、R3がtert-ブチル、
1、R2、R4、R5、R8、R9、R12が水素、R6とR7
が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2
C(CH3)2)-、R10とR11が互いに結合して環を形成し
た-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニ
ウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)4-で
あるメタロセン化合物。
【0053】一般式(1)で、R1、R13、R14がメチ
ル、R3がtert-ブチル、R2、R4、R5、R6、R8
9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、M
がジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメ
タロセン化合物。一般式(1)で、R13、R14がメチ
ル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、R6
8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチ
ル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2で
あるメタロセン化合物。
【0054】一般式(1)で、R1、R13、R14がメチ
ル、R3がtert-ブチル、R2、R4、R5、R6、R7
8、R9、R10、R11、R12が水素、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメタロセン化合
物。一般式(1)で、R13、R14がメチル、R3がトリ
メチルシリル、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R9
11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジル
コニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメタロセ
ン化合物。
【0055】一般式(1)で、R13、R14がフェニル、
3がトリメチルシリル、R1、R2、R4、R5、R6、R
8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、
Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2である
メタロセン化合物。上記のようなメタロセン化合物は、
1種単独で、または2種以上組合わせて用いることがで
きる。また上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担
体に担持させて用いることもできる。
【0056】このような粒子状担体としては、SiO
2 、Al23 、B23 、MgO、ZrO2 、CaO、
TiO2 、ZnO、SnO2 、BaO、ThOなどの無
機担体、ポリエチレン、プロピレン系ブロック共重合
体、ポリ-1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレ
ン-ジビニルベンゼン共重合体などの有機担体を用いる
ことができる。これらの粒子状担体は、1種単独で、ま
たは2種以上組合わせて用いることができる。
【0057】本発明では上記メタロセン触媒の助触媒の
一つとして、アルミノキサンを用いることができる。従
来公知のようにアルミノキサンは、たとえば下記のよう
な方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0058】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、トリシク
ロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニ
ウム等のトリシクロアルキルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアル
コキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロ
アルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニ
ウムが特に好ましい。
【0059】また、アルミノキサンを調製する際に用い
られる有機アルミニウム化合物として、下記一般式で表
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。アルミノキサンの溶液または懸濁液に用いられる溶
媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、
シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、
オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、
シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタ
ンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの
石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水
素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化
物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。
【0060】その他、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの
溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が
好ましい。なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量
のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有して
いてもよい。イオン化イオン性化合物としては、ルイス
酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化
合物を例示することができる。
【0061】ルイス酸としては、BR3 (式中、Rはフ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトルフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0062】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ
(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性
化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどを挙げることもできる。
【0063】ボラン化合物としては、デカボラン(1
4)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ド
デカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)
などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。カル
ボラン化合物としては、4-カルバノナボラン(14)、
1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビス〔トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カ
ルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属
カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0064】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
1種単独で、または2種以上組合わせて用いることがで
きる。前記有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン
化イオン性化合物は、上述した粒子状担体に担持させて
用いることもできる。また、触媒を形成するに際して
は、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物とともに以下のような有機アルミニウム化合
物を用いてもよい。
【0065】有機アルミニウム化合物としては、分子内
に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が利
用できる。このような化合物としては、たとえば下記一
般式で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
(R1)m Al(O(R2))nHpXq(式中、R1および
2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子
数が通常1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示
し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0
≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数
であって、しかも、m+n+p+q=3である。) 本発明で用いられるポリプロピレン樹脂は、上記のよう
なメタロセン触媒の存在下に常法に従い、プロピレンを
単独重合させるか、またはプロピレンと少量のエチレン
および/または炭素原子数4〜20のα- オレフィンと
を共重合させることにより調製することができる。
【0066】ポリプロピレン樹脂の重合は、通常、約−
50〜200℃、好ましくは約50〜100℃温度で、
また通常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2
〜50kg/cm2の圧力下で行なわれる。プロピレン
の重合は、回分式、半連続式、連続式の何れの方法にお
いても行なうことができる。本発明に係るポリプロピレ
ン二軸延伸フィルムは、上記のようなポリプロピレン樹
脂からなるシートまたはフィルムを用いて、従来公知の
延伸装置により、製造することができる。
【0067】たとえばテンター法(縦横延伸、横縦延
伸)、同時二軸延伸法などが挙げられる。二軸延伸フィ
ルムの延伸倍率は、通常20〜70倍であることが望ま
しい。また、二軸延伸フィルムの厚さは、通常5〜20
0μmであることが望ましい。このような二軸延伸フィ
ルムは、機械的強度に優れるとともに、透明性に優れて
いる。
【0068】本発明に係るポリプロピレン二軸延伸フィ
ルムの調製の際に用いられるポリプロピレン樹脂には、
必要に応じて、従来公知の耐候性安定剤、耐熱安定剤、
帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、
防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老化防止
剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を、本発明の
目的を損なわない範囲で配合されていてもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、引張強度、剛性などの
機械的特性に優れるとともにアルミニウム蒸着性にも優
れるポリプロピレン二軸延伸フィルムを提供することが
できる。このフィルムは、上記のような効果を有するの
で、たとえば包装材料の用途などに好適に用いられる。
【0070】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例等におけるフィルムの物性は、以下のよう
にして測定ないし評価した。 (1)延伸成形性 延伸成形性は、シートによる150℃の引張試験におけ
る降伏点応力により、評価した。 (2)引張弾性率 引張弾性率は、JIS K6781に従って引張試験を
行なって測定した。
【0071】<測定条件> 引張速度:50mm/分 チャック間距離:80mm (3)アルミニウム蒸着性 アルミニウム蒸着性は、二軸延伸フィルムにアルミニウ
ムを蒸着させ、その剥離強度により、評価した。
【0072】<評価基準> ◎:非常に良好なもの ○:良好なもの
【0073】
【実施例1】[メタロセン化合物の合成] <ジメチルメチレン(3-tert-ブチル−5-メチルシクロ
ペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)
ジルコニウムジクロライドの合成> (1)4,4’-ジ-t-ブチルジフェニルメタンの合成 300ml容量の二口フラスコを十分に窒素置換し、A
lCl338.4g(289mmol)を入れ、CH3
280mlを加えて溶解し、これを溶液(1)とし
た。滴下ロートと磁気撹拌子を備えた500ml容量の
三口フラスコを十分に窒素置換し、これにジフェニルメ
タン25.6g(152mmol)と2,6-ジ-t-ブチル-
4-メチルフェノール43.8g(199mmol)を入
れ、CH3NO280mlを加えて溶解した。撹拌しなが
ら氷浴で冷却した。(1)の溶液を35分かけて滴下し
た後、反応液を12℃で1時間撹拌した。反応液を氷水
500ml中に注ぎ、ヘキサン800mlで反応生成物
を抽出した。その反応生成物を含む有機層を5%水酸化
ナトリウム水溶液600mlで洗浄し、続いてMgSO
4で乾燥した。MgSO4をろ別した後、溶媒をエバポレ
ートして得られたオイルを−78℃に冷却して固体を析
出させ、それをろ過で回収し、エタノール300mlで
洗浄した。減圧下で乾燥して、4,4'-ジ-t-ブチルジフェ
ニルメタンを得た。その収量は18.9gであった。 (2)2,2'-ジヨード-4,4'-ジ-t-ブチルジフェニルメタ
ンの合成 磁気撹拌子を備えた200ml容量のフラスコに、4,4'
-ジ-t-ブチルジフェニルメタン1.95(6.96mm
ol)とHIO40.78g(3.48mmol)、I2
1.55g(6.12mmol)、concH2SO40.4
8mlを入れた。これに酢酸17.5ml、水3.75
mlを加え、撹拌しながら90℃に加熱し5時間反応さ
せた。反応液を氷水50ml中に注ぎ、(C252
で反応生成物を抽出した。その反応生成物を含む有機層
を飽和NaHSO4水溶液100mlで洗浄し、続いて
Na2CO3を添加し、撹拌後Na2CO3をろ別した。さ
らに有機層を水800mlで洗浄後、Mg2SO4を加え
て乾燥した。Mg2SO4をろ別した後、溶媒を留去して
黄色オイルを得た。この黄色オイルをカラムクロマトグ
ラフィーにより精製し、2,2'-ジヨード-4,4'-ジ-t-ブチ
ルジフェニルメタンを得た。その収量は3.21gであ
った。 (3)3,6-ジ-t-ブチルフルオレンの合成 50ml容量の二口フラスコに、2,2'-ジヨード-4,4'-
ジ-t-ブチルジフェニルメタン3.21g(6.03m
mol)、銅粉2.89g(47.0mmol)を入
れ、230℃に加熱し、撹拌しながら5時間反応させ
た。反応生成物をアセトンで抽出し、溶媒を留去し、赤
褐色オイルを得た。この赤褐色オイルからカラムクロマ
トグラフィーにより薄黄色のオイルを得た。未反応原料
を含むフラクションは再度カラムにかけて目的物のみ回
収した。メタノールで再結晶して白色固体の3,6-ジ-t-
ブチルフルオレンを得た。その収量は1.08gであっ
た。 (4)1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタジエンの合
成 窒素雰囲気下で、濃度2.0mol/lのtert-ブチル
マグネシウムクロライド/ジエチルエーテル溶液(45
0ml、0.90mol)に脱水ジエチルエーテル(3
50ml)を加えた溶液に、氷冷下で0℃を保ちながら
3-メチルシクロペンテノン(43.7g、0.45mm
ol)の脱水ジエチルエーテル(150ml)溶液を滴
下し、さらに室温で15時間撹拌した。反応溶液に塩化
アンモニウム(80.0g、1.50mol)の水(3
50ml)溶液を、氷冷下で0℃を保ちながら滴下し
た。この溶液に水(2500ml)を加え撹拌した後、
反応生成物を含む有機層を分離して水で洗浄した。この
有機層に、氷冷下で0℃を保ちながら10%塩酸水溶液
(82ml)を加えた後、室温で6時間撹拌した。この
反応液の有機層を分離し、水、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウム(乾燥剤)で乾燥した。乾燥剤を濾過し、濾液か
ら溶媒を留去して液体を得た。この液体を減圧蒸留(4
5〜47℃/10mmHg)することにより14.6g
の淡黄色の液体(1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタ
ジエン)を得た。その分析値を以下に示す。
【0074】1H−NMR(270MHz、CDCl
3中、TMS基準)δ6.31+6.13+5.94+5.
87(s+s+t+d、2H)、3.04+2.95(s
+s、2H)、2.17+2.09(s+s、3H)、
1.27(d、9H) (5)3-tert-ブチル-5,6,6-トリメチルフルベンの合成 窒素雰囲気下で1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタジ
エン(13.0g、95.6mmol)の脱水メタノー
ル(130ml)溶液に、氷冷下で0℃を保ちながら脱
水アセトン(55.2g、950.4mmol)を滴下
し、さらにピロリジン(68.0g、956.1mmo
l)を滴下した後、室温で4日間撹拌した。反応液をジ
エチルエーテル(400ml)で希釈した後、水400
mlを加えた。反応生成物を含む有機層を分離し、0.
5Nの塩酸水溶液(150ml×4)、水(200ml
×3)、飽和食塩水(150ml)で洗浄した後、無水
硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥した。乾燥剤を濾過
し、濾液から溶媒を留去して液体を得た。この液体を減
圧蒸留(70〜80℃/0.1mmHg)することによ
り10.5gの黄色の液体(3-tert-ブチル-5,6,6-トリ
メチルフルベン)を得た。その分析値を以下に示す。
【0075】1H−NMR(270MHz、CDCl
3中、TMS基準)δ6.23(s、1H)、6.05
(d、1H)、2.23(s、3H)、2.17(d、6
H)、1.17(s、9H) (6)2-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニ
ル)-2-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロパン
の合成 3,6-ジ-tert-ブチルフルオレン(0.9g、3.4mm
ol)のTHF(30ml)溶液に、氷冷下でn−ブチ
ルリチウムのヘキサン溶液(2.1ml、3.4mmo
l)を窒素雰囲気下で滴下し、さらに室温で6時間撹拌
した。さらに、氷冷下で、この赤色溶液に3-tert-ブチ
ル-5,6,6-トリメチルフルベン(0.6g、3.5mm
ol)のTHF(15ml)溶液を窒素雰囲気下で滴下
し、室温で12時間撹拌した後に水30mlを加えた。
ジエチルエーテルで抽出、分離した反応生成物を含む有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、濾液か
ら溶媒を減圧下で除去して固体を得た。この固体を熱メ
タノールから再結晶して1.2gの淡黄色の固体(2-
(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)-2-
(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロパン)を得
た。その分析値を以下に示す。
【0076】1H−NMR(270MHz、CDCl
3中、TMS基準)δ7.72(d、2H)、7.18−
7.05(m、4H)、6.18−5.99(s+s、1
H)、4.32−4.18(s+s、1H)、3.00−
2.90(s+s、2H)、2.13−1.98(t+
s、3H)、1.38(s、18H)、1.19(s、9
H)、1.10(d、6H) (7)ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシク
ロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライドの合成 氷冷下で、2-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジ
エニル)-2-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロ
パン(1.3g、2.8mmol)のジエチルエーテル
(40ml)溶液にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液
(3.6ml、5.8mmol)を窒素雰囲気下で滴下
し、さらに室温で16時間撹拌した。反応混合物から溶
媒を減圧下で除去して赤橙色の固体を得た。この固体に
−78℃でジクロロメタン150mlを加えて撹拌溶解
し、次いで、この溶液を−78℃に冷却したジルコニウ
ムテトラクロライド(THF)2錯体(1.0g、2.
7mmol)のジクロロメタン(10ml)懸濁液に加
え、−78℃で6時間撹拌し、室温で一昼夜撹拌した。
この反応溶液から溶媒を減圧下で除去し、オレンジ色の
固体を得た。さらに、この固体をトルエンで抽出、セラ
イト濾過し、濾液から溶媒を減圧下で除去した後、ジエ
チルエーテルから再結晶し0.18gのオレンジ色の固
体(ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロ
ペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)
ジルコニウムジクロライド)を得た。その分析値を以下
に示す。
【0077】1H−NMR(270MHz、CDCl
3中、TMS基準)δ7.98(dd、2H)、7.90
(d、1H)、7.69(d、1H)、7.32−7.2
5(m、2H)、6.01(d、1H)、5.66(d、
1H)、2.54(s、3H)、2.36(s、3H)、
2.28(s、1H)、1.43(d、18H)、1.0
8(s、9H) <ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデ
ニル)ジルコニウムジクロライドの合成>Organometall
ics,13,954(1994)に記載の方法に従って、ジメチル
シリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジル
コニウムジクロライドを合成した。 [シリカ担持メチルアルミノキサンの調製]充分に窒素
置換した500ml容量の反応器に、シリカ20g(旭
硝子(株)製、商品名 H−121、窒素下150℃で
4時間乾燥したもの)、およびトルエン200mlを仕
込み、撹拌しながらメチルアルミノキサン60ml(ア
ルベマール社製、10重量%トルエン溶液)を窒素雰囲
気下で滴下した。次いで、この混合物を110℃で4時
間反応させた後、反応系を放冷して固体成分を沈澱さ
せ、上澄み溶液をデカンテーションによって取り除い
た。続いて、固体成分をトルエンで3回、ヘキサンで3
回洗浄し、シリカ担持メチルアルミノキサンを得た。 [プロピレン単独重合体(A)の製造]充分に窒素置換
した1000ml容量の二つ口フラスコ中に、シリカ担
持メチルアルミノキサンをアルミニウム換算で20mm
ol入れ、ヘプタン500mlに懸濁させた。次いで、
その懸濁液に、ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メ
チルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフル
オレニル)ジルコニウムジクロライド54mg(0.0
88mmol)をトルエン溶液として加えた後、次い
で、トリイソブチルアルミニウム(80mmol)を加
え、30分攪拌して触媒懸濁液とした。
【0078】次に、充分に窒素置換した200リットル
容量のオートクレーブに50kgのプロピレンを仕込
み、上記の触媒懸濁液を添加し、3.0〜3.5MPa
の圧力下、70℃で40分重合を行なった。重合後、メ
タノールを加えて重合を停止し、未反応のプロピレンを
パージしてプロピレン単独重合体(A)を得た。そし
て、このプロピレン単独重合体(A)を真空下、80℃
で6時間乾燥した。
【0079】上記のようにして得られたプロピレン単独
重合体(A)は、Tmが160℃であり、MFRが2.
0g/10分であり、Mw/Mnが2.3であり、2,1
−挿入と1,3−挿入の割合がともに0%、室温n−デカ
ン可溶成分量が0.1重量%であった。 [ポリプロピレン組成物(1)の製造]ヘンシェルミキ
サー中に、上記プロピレン単独重合体(A)を供給し、
さらにリン系酸化防止剤[トリス(2,4-ジ-t-ブチルフ
ェニル)フォスファイト]0.1重量部、造核剤として
ヒドロキシアルミニウム-ビス[2,2-メチレン-ビス(4,
6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]0.2重量
部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部およびエルカ
酸アミド0.1重量部を添加し、攪拌混合した。
【0080】次いで、得られた混合物を二軸押出機(4
0mmφ)を用いて、樹脂温度200℃で溶融混練し、
その混練物を押し出してポリプロピレン樹脂組成物
(1)のペレットを得た。 [ポリプロピレン二軸延伸フィルムの製造]上記ポリプ
ロピレン樹脂組成物(1)のペレットを、さらに押出機
で溶融した後、樹脂温度270℃でT−ダイより押出
し、シート状に冷却固化し、次いで、130℃と140
℃の加熱ロール(速度4m/分、20m/分)を通すこ
とにより、延伸倍率5倍になるように縦方向(MD)に
延伸した。
【0081】次いで、この延伸したシートを、入口付近
の温度が190℃、出口付近の温度が165℃になって
いるテンター内で横方向(TD)に延伸倍率10倍にな
るように延伸することにより、厚みが約25μmのポリ
プロピレン二軸延伸フィルムを得た。このフィルムにつ
いて各種物性を上記方法に従って測定ないし評価した。
【0082】結果を第1表に示す。
【0083】
【比較例1】チーグラー・ナッタ触媒として塩化マグネ
シウム担持チタン触媒を用いて製造したプロピレン単独
重合体(B)は、Tmが164℃であり、MFRが2.
2g/10分であり、Mw/Mnが4.5であり、室温
n−デカン可溶成分量が1.0重量%であった。2,1−
挿入と1,3−挿入は共に検出されなかった。
【0084】このプロピレン単独重合体(B)を用い
て、実施例1と同様にして、ポリプロピレン二軸延伸フ
ィルムを製造し、その物性を上記方法に従って測定ない
し評価した。結果を第1表に示す。
【0085】
【比較例2】[プロピレン単独重合体(C)の製造] 〔ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデ
ニル)ジルコニウムジクロライドによるプロピレン単独
重合体(C)の製造〕実施例1において、メタロセン化
合物として、ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェ
ニルインデニル)ジルコニウムジクロライドを70mg
用いた以外は、実施例1と同様にして、プロピレン単独
重合体(C)を製造した。
【0086】得られたプロピレン単独重合体(C)の収
量は16.3kgであった。このプロピレン単独重合体
(C)は、Tmが153℃であり、MFRが1g/10
分であり、Mw/Mnが2.5であり、室温n−デカン
可溶成分量は0.6重量%であった。また、プロピレン
単独重合体(C)の2,1-挿入の割合は0.80%であ
り、1,3-挿入は0.05%であった。
【0087】このプロピレン単独重合体(C)を用い
て、実施例1と同様にして、ポリプロピレン二軸延伸フ
ィルムを製造し、その物性を上記方法に従って測定ない
し評価した。結果を第1表に示す。
【0088】
【表1】
【0089】第1表に示す物性測定ないし評価結果か
ら、本発明に係るポリプロピレン二軸延伸フィルムは、
良好な剛性(引張弾性率)を維持しており、しかもアル
ミニウム蒸着性に優れていることが判る。すなわち、本
発明によれば、機械的特性およびアルミニウム蒸着性に
優れたポリプロピレン二軸延伸フィルムを提供すること
が可能であることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA20 BA01 BB06 BB08 BC01 4J028 AA01A AB00A AC27A AC28A BA00A BA01B BB00A BB01B BC25B DA02 EB04 EC01 4J100 AA03P CA01 CA03 DA04 DA09 DA23 DA41 DA42 DA43 FA10 4J128 AA01 AB00 AC27 AC28 AD00 BA00A BA01B BB00A BB01B BC25B DA02 EB04 EC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)メルトフローレート(ASTM D 123
    8,230℃、2.16kg荷重)が0.1〜20g/10分の範
    囲にあり、(ii)示差走査型熱量計により測定される吸
    熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)が140〜17
    0℃の範囲にあり、(iii)13C−NMRスペクトルから
    求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノ
    マーの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則単
    位の割合がいずれも0.2%以下であり、(iv)ゲルパ
    ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求
    めた分子量分布(Mw/Mn)が2〜4であり、(v)
    室温n−デカン可溶成分が2.0重量%以下であるポリ
    プロピレン樹脂からなることを特徴とするポリプロピレ
    ン二軸延伸フィルム。
  2. 【請求項2】前記ポリプロピレン樹脂が、メタロセン触
    媒を用いて製造されたポリプロピレン樹脂であることを
    特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン二軸延伸フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】前記メタロセン触媒を形成するメタロセン
    化合物触媒成分が、下記一般式(1)または(2)で表
    わされることを特徴とする請求項2に記載のポリプロピ
    レン二軸延伸フィルム; 【化1】 (式中、R3は、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素
    基から選ばれ、 R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10
    11、R12、R13、およびR14は、互いに同一でも異な
    っていてもよく、水素原子、炭化水素基およびケイ素含
    有炭化水素基から選ばれ、 R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は互い
    に結合して環を形成してもよく、一般式(1)の場合は
    1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR1 3または
    14が互いに結合して環を形成してもよく、 Aは、不飽和結合および/または芳香族環を含んでいて
    もよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、
    AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含
    んでいてもよく、 Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、 Mは、周期表第4族から選ばれた金属を示し、 jは、1〜4の整数であり、 Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子およ
    び孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれ、jが
    2以上のときはQは互いに同一でも異なっていてもよ
    い。)。
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