JP2002274590A - 梱包された銅又は銅合金管及び銅又は銅合金管の梱包方法 - Google Patents

梱包された銅又は銅合金管及び銅又は銅合金管の梱包方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間に亘って銅又は銅合金管の変色を防止
する梱包された銅又は銅合金管及び銅又は銅合金管の梱
包方法を提供する。 【解決手段】 コイル状の銅管3を非酸化性又は還元ガ
ス雰囲気内で焼鈍し、前記焼鈍に使用した炉から出炉
後、梱包が終了するまでの工程における雰囲気中の露点
を22℃以下とし、銅管3が本質的に外気と接触しない
ように樹脂フィルム4により梱包する。このコイルの銅
表面の付着油は10mg/m以下、その梱包内雰囲気
の露点が22℃以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調冷凍機の伝熱
管、配管及び建築用の給湯・排水配管等に使用される銅
又は銅合金管であって、搬送又は保管のために梱包され
た状態の銅又は銅合金管及び銅又は銅合金管の梱包方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】空調冷凍機用伝熱管及び配管等に使用さ
れる銅又は銅合金管(以下、単に銅管というときは、銅
合金管も含む)は、シームレス管の場合、銅又は銅合金
を溶解鋳造した後、この鋳塊を管状に押出加工し、所定
の寸法までダイスとプラグを使用した抽伸加工を行い、
内面溝付管の場合には、更に、内面に溝付加工する。又
は、溶接溝付管の場合は、銅又は銅合金の鋳塊から板条
素材を形成し、この板条素材に圧延等により溝を形成
し、その後板条素材をその長手方向を中心として管状に
湾曲させた後、その突合せ端部を溶接造管し、得られた
管を伸線して製造する。いずれの場合も、その後、コイ
ル状に巻くか、又は、所定の製品寸法に短尺切断し直管
材とした後、最後に焼鈍する。このような用途の銅管
は、通常、焼鈍状態で使用されることが多い。最終の焼
鈍工程は、光輝焼鈍炉において、不活性又は還元性の雰
囲気で行われる。その後、焼鈍された銅管は、大気中で
梱包される。
【0003】銅管の素材としては、例えばりん脱酸銅か
らなる銅管(C1220)等が使用されている。また、
包装形態は、長尺銅管コイルをコイル巻きしたLWC
(Level Wound Coil)は、木製及びダンボール製リール
に装着され、直管は木箱等に入れられて梱包される。
【0004】銅は、水分及び酸素が関与した酸化還元反
応により、その表面に酸化物が生成する。また、銅は、
表面に形成される酸化皮膜の厚さにより、光が干渉し
て、色調が異なって見える。そして、酸化物が形成され
ていない部分と形成されている部分との色調変化が大き
いとき、変色と呼ばれる欠陥となる。この変色が発生す
ると、ユーザにおいて、外観不良が生じ、又は、ヘアピ
ン曲げの自動ラインにおいては、この変色が欠陥部の黒
色マーカーを識別しているセンサーに反応し、センサー
がこれを疵等の欠陥部分と誤認して、生産性及び歩留低
下等を引き起こす。従来、これらの問題に対しては、変
色防止のために、防錆紙を使用してコイルを梱包する
か、又は焼鈍前後にベンゾトリアゾール系防錆剤を銅又
は銅合金管に塗布する方法等が行われてきた。
【0005】図4(a)及び図4(b)は、従来のLW
Cの梱包を示す模式図である。図4(a)に示すよう
に、従来のLWCの梱包においては、木製リール100
上に、ダンボール製ライナ102が配置され、銅管のコ
イル103の内巻部に、塩化ビニル又はポリエチレン製
内筒101が装着される。なお、このコイル103の最
外周部103aに防錆紙が巻かれる場合は、更にその防
錆紙(図示せず)の外側にポリエチレン製フィルム10
4が巻かれる。又は、図4(b)に示すように、銅管コ
イル112にダンボール製内筒111を有するダンボー
ル製リール110が装着される。なお、銅管112の最
外周部112aに防錆紙を巻く場合は、その防錆紙(図
示せず)の外側にポリエチレン製フィルム113が巻か
れる。そして、図4(a)及び図4(b)に示すコイル
巻きの銅管は、パレット上に積まれ、出荷される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LWC
においては、出荷後の保管中に、コイルの最外周部は銅
の色調が変化しないものの、コイルの内周部又は中央部
付近のみに変色を起こすことがあるという問題点があ
る。
【0007】これは、特に、LWCの場合、コイル巻き
の内周部又は中央部まで、気化防錆紙からの防錆成分を
付着させることが難しく、また経時変化により防錆紙自
体が吸湿し、梱包されたコイル全体の水分量が増加する
ため、防錆紙(気化防錆紙)の効果が少ないためであ
る。
【0008】また、焼鈍前にベンゾトリアゾール等の防
錆剤を銅管表面に塗布した場合、ベンゾトリアゾールは
光輝焼鈍の雰囲気(450乃至600℃)に曝されると
昇華又は分解するため、焼鈍された後に銅管表面に残留
せず、また、LWCの場合は、光輝焼鈍後にベンゾトリ
アゾール等の防錆作用がある成分を、コイル巻された銅
又は銅合金管の全周に亘って塗布することができない。
更に、図4に示す従来の梱包では、長期保管中に外気か
らの水分供給が起こりやすく、これにより、管の銅又は
銅合金管表面が変色してしまうという問題点がある。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、長期間に亘って銅又は銅合金管の変色を防
止することができる梱包された銅又は銅合金管及び銅又
は銅合金管の梱包方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る梱包された
銅又は銅合金管は、外表面の付着油分量が10mg/m
以下である銅又は銅合金管の直管又はコイル全体が樹
脂フィルムにより覆われたものであって、その梱包内雰
囲気の露点が22℃以下であることを特徴とする。
【0011】本発明によれば、外表面の付着油分量が1
0mg/m以下とした銅又は銅合金管が梱包内雰囲気
の露点が22℃以下になるように梱包されているため、
梱包されたコイル状又は直管状の銅又は銅合金管表面の
水膜の成長を抑制すると共に結露等が生じず、更に、樹
脂フィルムにより梱包内外の温度変化を緩和すると共に
外部から水分が混入することを防止し、長期間に亘っ
て、銅又は銅合金管表面の変色を防止することができ
る。
【0012】本発明に係る銅又は銅合金管の梱包方法
は、非酸化性又は還元ガス雰囲気下で焼鈍し、焼鈍後に
おける管外表面の付着油分量が10mg/m以下のコ
イル状又は直管状の銅又は銅合金管を、前記焼鈍に使用
した炉から出炉した後梱包が終了するまでの工程におけ
る雰囲気中の露点を22℃以下とし、前記梱包は前記コ
イル状又は直管状の銅又は銅合金管を樹脂フィルムにて
覆うものであることを特徴とする。
【0013】本発明においては、銅又は銅合金管のコイ
ル又は直管を非酸化性又は還元性雰囲気で焼鈍した後、
出炉から梱包が終了するまでの工程を露点が22℃以下
の雰囲気とし、この露点が22℃以下の雰囲気下におい
て、銅又は銅合金管が本質的に外気と接触しないように
梱包することにより、外気からの水分を梱包内部に取り
込むことなく、梱包内雰囲気の露点を確実に22℃以下
にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】上述の課題を解決すべく本願発明
者等が鋭意実験研究した結果、従来の梱包で銅管に変色
が生じるのは、以下に示すことが原因であることを知見
した。即ち、LWCの焼鈍炉出炉温度は、40℃程度で
あり、出炉雰囲気より5℃以上高く出炉される。これ
は、LWCの出炉温度が大気よりも低い場合、特に、大
気の相対湿度が80%RHを超えるような高湿度の場合
には、銅管表面に結露が起こり、出炉直後に銅管表面に
酸化による変色が発生してしまうためである。また、焼
鈍炉冷却帯においては、炉内で変色を起こさないよう
に、炉内露点は10℃以下に保たれている。このような
雰囲気からの出炉直後、コイルの巻き内部(コイルの巻
き内の管と管との間)は炉内の雰囲気で満たされている
が、出炉雰囲気で冷却される間にコイルの巻き内部に出
炉場所の雰囲気が侵入する。出炉場所の雰囲気の露点
が、コイル巻き内部の気体(以下、コイル巻き内空気層
ともいう)の露点より高いと、コイル巻き内空気層の絶
対水分量が増加する。その後、リール及びビニール包装
等により、このコイル巻き内空気層の気体の水分を保持
したまま包装される。そうすると、保管時の温度変化、
特に外気温の低下により、コイル巻き内空気層と銅管自
体との間に温度差が生じ、銅管表面に結露が発生する。
そして、この水分(水膜の形成)により、銅管表面で酸
化還元反応が引き起こされて銅酸化物が生成して、変色
が生じる。
【0015】このような知見から、本願発明者等は、出
炉環境の湿度を下げることにより、出炉後、コイル巻き
内空気層に入り込む水分をなくし、酸化変色の原因とな
る水分を排除することにより、銅の酸化還元反応を抑制
し、銅管の変色を防止することができることを見い出し
た。
【0016】銅の酸化還元反応を抑制し、銅管の変色を
防止するためには、梱包内雰囲気の露点を22℃以下に
する必要がある。更に、銅管は梅雨時及び夏場等の高温
多湿等の環境における変化により変色が発生しやすいた
め、コイル内及び出炉時の露点は、20℃以下が好まし
く、15℃以下が更に好ましい。
【0017】また、銅又は銅合金管を樹脂フィルムによ
り包装して、銅又は銅合金管の周囲を外気から遮断し、
コイル巻き内空気層の露点を管理することにより、長期
に亘り、外気の高温多湿環境からの水分の吸い込みを排
除し、変色反応には不可欠である水膜形成を起こりにく
くすることができる。また、フィルム包装により、銅又
は銅合金管表面の温度変化は、外気温度変化と比較して
緩やかになるため、銅又は銅合金管表面の結露現象及び
水膜の形成が起こりにくくなる。この樹脂フィルムは、
水分透過性が少ないものが好ましい。
【0018】更に、銅又は銅合金管の表面の残留油分の
中には、親水基を有するエステル及び油分の付着自体が
結露の核となり、露点以下においても水膜の形成を助長
するものがある。従って、梱包時の銅又は銅合金管表面
の残留油分量を10mg/m 以下にする必要がある。
【0019】以下、本発明を具体化した実施の形態に係
る梱包された銅又は銅合金管について添付の図面を参照
して具体的に説明する。図1(a)及び図1(b)は、
本実施例の梱包コイルを示す模式図である。
【0020】図1(a)に示すように、本実施例の梱包
コイルにおいては、図4(a)及び図4(b)に示す梱
包コイルと同様の内筒を有するリール1に、銅又は銅合
金管のコイル2が装着されており、このコイル2がパレ
ット3上にその軸方向を垂直にして例えば3段に積み重
ねられている。そして、この3段のリール1がひも等で
縛られ、縛られた3段のリール1の全体が外気から密閉
状態になるようにポリエチレン等の樹脂フィルム4によ
り、ストレッチ包装されている。ストレッチ包装とは、
伸張状態の樹脂フィルム4によりコイル全体が覆われた
状態を示す。そして、コイル状の銅又は銅合金管の外表
面の付着油が10mg/m以下であり、梱包内雰囲気
の露点が22℃以下になっている。また、図1(b)に
示す梱包コイルにおいては、パレット3上に、リール1
に装着された2段のコイル2がその軸方向を水平にして
載置されており、コイル2はひも等で相互に固定され、
その全体がポリエチレン等の樹脂フィルム4によりスト
レッチ包装されている。この梱包コイルも、コイル状の
銅又は銅合金管の外表面の付着油が10mg/m以下
であり、梱包内雰囲気の露点が22℃以下になってい
る。
【0021】これにより、夏場等の高温多湿環境におい
ても、梱包された銅又は銅合金管の表面が変色すること
がなく、変色を防止することができる。
【0022】以下、本発明の実施例に係る銅又は銅合金
管の梱包方法について説明する。本実施例においては、
コイル状の銅又は銅合金管の梱包方法について説明す
る。銅又は銅合金管は、コイル状に巻かれ、雰囲気が不
活性又は還元性雰囲気の光輝焼鈍炉に入れられ、最終焼
鈍される。焼鈍後、その外表面の付着油が10mg/m
以下に制御される。光輝焼鈍炉は、加熱帯と、この加
熱帯に隣接した冷却帯とからなり、加熱帯で加熱された
後、冷却帯において工場内等の出炉雰囲気(大気)より
も5℃以上高い温度の例えば40℃程度に冷却される。
焼鈍炉内から出側にかけては、コンベアが配置されてい
る。このコンベア内においても、除湿器等が設けられ、
コンベア内雰囲気の露点が22℃以下に保たれている。
コンベアは、包装ラインに接続されており、冷却帯から
コンベアにより、コイル状に巻回された銅又は銅合金管
が運び出され、包装ラインに搬入される。この包装ライ
ンにおいても、雰囲気内の露点が22℃に保たれてい
る。銅又は銅合金管コイルは、上述の実施例のように、
ダンボール製の内筒を有し、その対向面上にダンボール
製ライナを配置した木製リールに嵌め込まれる。又は、
銅又は銅合金管コイルはダンボール製内筒を有するダン
ボール製リールに嵌め込まれる。そして、このリールに
装着された銅又は銅合金管のコイルの上から全体を樹脂
フィルムにより、リール全体を覆うように密閉する。こ
の際、例えば、帯状の樹脂フィルムを用意し、この樹脂
フィルムをリール全体に伸張状態のまま複数回巻き付け
てストレッチ包装することにより、接着剤等がなくても
リール全体を密閉することができる。これにより、外周
部の外表面の付着油分量を10mg/m以下とした銅
又は銅合金管のコイルを内部の雰囲気の露点が22℃以
下となるように梱包することができる。この梱包コイル
は、その後、例えば地下等の倉庫に保管される。この倉
庫の雰囲気において、例えば露点は20℃以下である。
なお、直管の銅又は銅合金管の場合は、光輝焼鈍から出
炉した直管を、同様に包装ラインまで搬送し、雰囲気内
露点が22℃以下の包装ラインにて木箱等に格納して箱
詰めする。そして、この銅又は銅合金管が格納された箱
を、梱包コイルと同様に、箱全体を密閉するように伸張
状態の樹脂フィルムで覆って梱包する。又は、木箱内の
直管を樹脂フィルムにて覆ったものを、木箱に装入する
方法がある。また、銅管表面の残留油分量を10mg/
以下にすることにより、銅管表面における結露の核
が少なくなり、梱包内の露点22℃に制御することによ
って、変色にまで至ることはない。
【0023】以下、本実施例の樹脂フィルムを使用して
銅又は銅合金管コイルを梱包する方法を更に詳細に説明
する。図2(a)乃至図2(i)及び図3(a)乃至図
3(f)は、本実施例の梱包方法をその工程順に示す側
面図である。
【0024】先ず、図2(a)に示すように、パレット
11を用意し、図2(b)に示すように、パレット11
上に例えば50μmの膜厚のポリエチレンシート12を
載せる。次いで、このポリエチレンシート12上に、例
えば厚さ5mmのポリエチレン発泡材からなるクッショ
ン材13を載置し、このクッション材13上に、図2
(d)に示すように、銅又は銅合金管コイル14を載置
する。この銅又は銅合金管コイル14は、上述した如
く、光輝炉で焼鈍された後、包装ラインにおいて、図1
(a)に示すようにリール(図示せず)に装着されたも
のである。その後、図2(e)乃至図2(i)に示すよ
うに、銅又は銅合金管コイル14上に、円形のカートン
円板15を挟んで銅又は銅合金管コイル14を3段に積
み重ねる(以下、3段に積み重ねられた銅又は銅合金管
コイルを3段コイル16という)。カートン円板15
は、銅又は銅合金管コイル14同士間のクッションとな
る。
【0025】次に、図3(a)に示すように、例えば5
0μmの厚さのポリエチレン製の袋17により3段コイ
ル16を覆う。そして、図3(b)に示すように、帯状
で3段コイル16上からパレット11上までの長さの、
ダンボール等からなる開梱時用保護カートン18を載
せ、図3(c)及び図3(d)に示すように、3段コイ
ル16上部及びパレット11上部にて固定する。この
際、3段コイル16上部においては、例えばテープ19
で固定し、パレット11上部においては、ステープル2
0により固定することができる。
【0026】次に、図3(e)及び図3(d)に示すよ
うに、例えば幅が500mm、厚さが25μmの帯状の
樹脂フィルム21を用意し、樹脂フィルム21の伸張状
態を保ちつつ、3段コイル16の周囲をその上部から巻
回しながら下部のパレット11まで覆う。次いで、再
度、下部から樹脂フィルム21の伸張状態を保ちつつ上
部まで樹脂フィルム21を巻回してストレッチ包装をす
る。これにより、樹脂フィルム21により3段コイル1
6を完全に密閉することができる。なお、このフィルム
21は張力をかけて伸ばしながら巻回するので、その幅
は巻き付け後に、7〜8割程度に細くなる。また、開梱
時に樹脂フィルム21は、保護カートン18上でカッタ
ー等により切断されるが、この保護カートン18によ
り、3段コイル16を傷つけることがない。
【0027】本実施例によれば、外表面の付着油が10
mg/m以下に制御された銅又は銅合金管コイルを、
露点が22℃以下の不活性又は還元性雰囲気に保たれた
光輝炉からコンベアを経て包装ラインまで運び、その
後、雰囲気内の露点が22℃以下に保たれた包装ライン
においてコイル全体を覆うように梱包する。即ち、梱包
コイル内空気層においても、露点22℃以下として樹脂
フィルムによりコイル全体を覆うように梱包することに
より、コイル外部からの水分の混入を防止すると共に梱
包内外の温度の変化を緩和し、梱包後に、外気温低下等
の保管時の温度変化等によってもコイルに変色が発生す
ることがない。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例に係る梱包された銅又
は銅合金管を製造し、変色の試験をした効果について、
比較例と比較して説明する。
【0029】JIS H 3300 りん脱酸銅からな
り、外径が15.88mm、肉厚が0.71mm、長さ
が900mのLWCを作製し、光輝焼鈍炉にて、調質O
材に焼き鈍した。
【0030】この際、焼鈍冷却帯の露点は10℃であ
り、出炉後の銅管温度は35℃であった。銅管表面の残
留油分量が異なるLWCについて、出炉時の大気雰囲気
露点、及び梱包コイル内雰囲気の露点を変えて梱包を行
い、LWCの変色促進試験を行った。変色促進試験は、
温度40℃で、相対湿度が70%RHである条件から、
温度が25℃で相対湿度が90%RHである条件へ3時
間かけて移行し、各条件で3時間ずつ保持するサイクル
を繰り返して、合計20日間の期間行った。コイルの内
周部に変色が発生したもの(あんこ変色)を×、発生し
なかったものを○として評価した。コイルを梱包した際
の各条件及び評価結果を下記表1に示す。なお、LWC
を巻き取る工程にて、外表面を拭き取ることにより脱脂
し、この脱脂の程度を拭き取り方法を変更して、銅管表
面の残留油分量を調整した。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1に示すように、実施例1乃至実施
例7は、管外表面の油分量が10mg/m以下、梱包
コイル内の露点が22℃以下であって本発明範囲内であ
るため、いずれのコイルにも変色が発生しなかった。
【0033】一方、比較例8は、梱包コイル内の露点は
本発明範囲内であるものの、管外表面の油分量が10m
g/mを超えたため、銅管表面が酸化されて変色が発
生した。また、比較例9は、管外表面の油分量が10m
g/m以下であるものの、梱包コイル内の露点が本発
明範囲を超えたため、銅管表面が酸化されて変色が発生
した。また、従来例10は、包装する際、露点が22℃
以下の雰囲気下で梱包されておらず、また、コイル全体
を梱包していないため、梱包内雰囲気に含まれる水分及
び外気から混入される水分により銅管表面が酸化され、
変色が発生した。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
コイル状又は直管状の銅又は銅合金管を例えば非酸化性
又は還元ガス雰囲気内で焼鈍し、焼鈍後、梱包が終了す
るまでの工程を露点が22℃以下の雰囲気とし、この状
態で銅又は銅合金管の全体を樹脂フィルムにより梱包す
ることにより、長期期間の保管等において、温度変化等
によっても梱包内の銅又は銅合金管表面に結露等が生じ
ず、且つ外気から水分が混入することなく、銅又は銅合
金管の表面変色を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本実施例の梱包コイルを
示す模式図である。
【図2】(a)乃至(i)は、本発明の実施例の梱包方
法をその工程順に示す側面図である。
【図3】(a)乃至(f)は、同じく、本発明の実施例
の梱包方法を示す図であって、図2の次の工程をその工
程順に示す側面図である。
【図4】(a)及び(b)は、従来のLWCの梱包を示
す模式図である。
【符号の説明】
1、100、110;リール 2、103、112;銅管コイル 3、11;パレット 4、21;樹脂フィルム 12;ポリエチレンシート 13;クッション材 14、16;コイル 15;カートン円板 18;保護カートン 101、111;内筒 102;ライナ 104、113;フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 81/24 B65D 81/24 E (72)発明者 佐藤 匡彦 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内 Fターム(参考) 3E028 AB02 BB04 CA09 HA02 3E037 AA01 AA20 BA07 BA09 BC01 CA04 3E051 AA08 AB05 BA03 BA13 FA08 3E067 AA14 AA16 AB49 AB64 BA08A BA17A BB14A CA05 FC01 GA25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外表面の付着油分量が10mg/m
    下である銅又は銅合金管の直管又はコイル全体が樹脂フ
    ィルムにより覆われたものであって、その梱包内雰囲気
    の露点が22℃以下であることを特徴とする梱包された
    銅又は銅合金管。
  2. 【請求項2】 非酸化性又は還元ガス雰囲気下で焼鈍
    し、焼鈍後における外表面の付着油分量を10mg/m
    以下としたコイル状又は直管状の銅又は銅合金管を、
    前記焼鈍に使用した炉から出炉した後梱包が終了するま
    での工程における雰囲気中の露点を22℃以下とし、前
    記梱包は前記コイル状又は直管状の銅又は銅合金管を樹
    脂フィルムにて覆うものであることを特徴とする銅又は
    銅合金管の梱包方法。
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