JP2002273140A - 穀物乾燥機用集塵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿式であっても簡素かつ小型に構成でき、し
かも集塵貯水室内の水を循環使用することにより水の使
用量を少なくし、塵埃、特に細塵の除去率を大きく向上
させた穀物乾燥機用集塵装置を提供する。 【解決手段】 穀物乾燥機用集塵装置１は、上段に設け
た噴霧除塵室２と、その下段に設けた集塵貯水室とで構
成する。噴霧除塵室２には、穀物乾燥機から圧送される
排風の導入口４に対向させて霧膜生成板５を配置する。
集塵貯水室３から水中ポンプ７で汲み上げた水を霧膜生
成板５に吹き付けて噴霧除塵室２内に排風の導入口４を
遮る霧膜を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、穀物乾燥機と併用
して、穀物乾燥機の排風口または排塵機の排塵口から排
出される排風中の細塵を分離して収集する穀物乾燥機用
集塵装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】穀物を通風乾燥する穀物乾燥機におい
て、被乾燥穀物層を通過して排風口から排出される排風
には、藁屑、穀物の殻、穎、毛茸、泥あるいは埃などの
塵埃が多く含まれている。また、穀物乾燥機には、被乾
燥穀物に混入している塵埃を除去する排塵機を付設する
こともあるが、この排塵機の排塵口からも排風にともな
って多くの塵埃が排出される。

【０００３】従来、一般農家や小規模の穀物乾燥施設等
にあっては、穀物乾燥機の排風口に接続したダクトを屋
外に出して、排風口から塵埃を含んだ排風をそのまま屋
外に排出しているのが実情である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、穀物乾燥機
の排風口から排出される排風を、ダクトで屋外に導いて
排出すると、塵埃による周辺の環境悪化が避けられない
ので、近年、一般農家においても、穀物乾燥機に併設し
て用いる集塵装置の需要が高まっており、その需要に応
じるべく、湿式または乾式で種々の集塵装置が開発され
ている。

【０００５】例えば、乾燥施設においては実開昭６３−
７３１３３号のようなシャワー方式の湿式集塵装置がそ
れであるが、このシャワー方式の湿式集塵機にあって
は、集塵効率を上げるためシャワー室の面積を大きくと
る必要があることから、かなり広い設置場所を要するも
のである。また、一般農家用にコンパクト化された集塵
装置では、特開平８−３０３９５１号のような湿式の集
塵装置も公知であるが、このような小型の湿式集塵装置
においては、少ない面積内で集塵効率を上げるためノズ
ルから循環水を噴霧している。噴霧される循環水は穀物
乾燥機からの塵埃とゴミを徐々に含んでくるものである
から、いずれ循環水を噴霧するノズルがつまり集塵効率
が低下し、若いては水中ポンプ本体が故障している。

【０００６】乾式サイクロン方式の集塵装置は、簡素で
比較的小型に構成できるところから、一般農家や小規模
の穀物乾燥施設等においても容易に設備可能であるが、
特に細塵の除去率が低いため、周辺の環境保持が十分達
成できないことが問題視されている。

【０００７】そこで、本発明は、噴霧除塵室と集塵貯水
室を上下に一つにまとめて湿式であっても簡素かつ小型
に構成することができ、しかも集塵貯水室内の水を循環
使用することにより水の使用量を少なくでき、水を噴霧
させるためのノズルを使用しないうえ、噴霧除塵室内に
おいて穀物乾燥機から圧送される排風の導入口を遮る霧
膜を形成させることにより、塵埃、特に細塵の除去率を
大きく向上させることができる穀物乾燥機用集塵装置を
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る請求項１の穀物乾燥機用集塵装置は、穀
物乾燥機の排風口または穀物乾燥機に付設した排塵機の
排塵口に接続して、穀物乾燥機の排風口または排塵機の
排塵口から排出される排風中の細塵を分離して収集する
集塵装置であって、上段に設けた噴霧除塵室と、その下
段に設けた集塵貯水室とで構成し、上段の噴霧除塵室に
は、穀物乾燥機から圧送される排風の導入口に対向させ
て霧膜生成板を配置し、下段の集塵貯水室から汲み上げ
た水を上記霧膜生成板に吹き付けて噴霧除塵室内に排風
の導入口を遮る霧膜を形成させるように構成したことを
特徴とするものである。

【０００９】本発明に係る請求項２の穀物乾燥機用集塵
装置は、請求項１の構成において、霧膜生成板は、その
水の吹き付け面を緩円錐面としてことを特徴とするもの
である。

【００１０】本発明に係る請求項３の穀物乾燥機用集塵
装置は、請求項１または２の構成において、霧膜生成板
は、水の吹き付け圧により前後に振動または揺動するよ
うに構成されていることを特徴とするものである。

【００１１】本発明に係る請求項４の穀物乾燥機用集塵
装置は、請求項１、２または３の構成において、霧膜生
成板は、高速回転するものであることを特徴とするもの
である。

【００１２】本発明に係る請求項５の穀物乾燥機用集塵
装置は、請求項１、２、３または４の構成において、下
段の集塵貯水室内に水中ポンプを設けて、この水中ポン
プで汲み上げた水を上段の噴霧除塵室内の霧膜生成板に
吹き付けるように構成したことを特徴とするものであ
る。

【００１３】本発明に係る請求項６の穀物乾燥機用集塵
装置は、請求項５の構成において、水中ポンプから霧膜
生成板に吹き付ける水の送水する送水管の水中ポンプ側
を可撓性管として、この可撓性管の先端側をその接続先
に対して着脱自在とし、上記可撓性管を集塵貯水室の排
水に利用することができるようにしたことを特徴とする
ものである。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る穀物乾燥用集
塵装置の一実施の形態を示す断面図、図２は同上集塵貯
水室から排水する態様を示す断面図、図３は本発明に係
る穀物乾燥用集塵装置を穀物乾燥機の排風口に接続して
使用する態様を示す断面図である。

【００１５】また、図４は本発明に係る穀物乾燥用集塵
装置の他の実施の形態を示す断面図、図５は同上要部の
断面図、図６は同上要部の作用を表した断面図、図７は
本発明に係る穀物乾燥用集塵装置のさらに他の実施の形
態を示す断面図である。

【００１６】図１および図２において、１は穀物乾燥用
集塵装置である。この穀物乾燥用集塵装置１は、上段に
噴霧除塵室２を備え、かつ下段に集塵貯水室３を備えて
構成されている。上段の噴霧除塵室２には、穀物乾燥機
から圧送される排風の導入口４に対向させて霧膜を形成
させるための霧膜生成板５を配置してあり、この霧膜生
成板５の前面側には噴水ノズル６を近接対向させてあ
る。また、下段の集塵貯水室３内には水中ポンプ７が配
置されており、水中ポンプ７の送水管８は上記噴水ノズ
ル６に接続されている。送水管８は可撓性管であって、
その先端は噴水ノズル６の基端に着脱自在である。９，
１０はその接続コックである。噴霧除塵室２の上面には
フィルタ１１を備えた排風口１２が開口している。１３
は送水管８の引出口である。

【００１７】本発明に係る穀物乾燥機用集塵装置１は、
図３に示すように、穀物乾燥機１４の排風口１５にダク
ト１６を介して排風の導入口４を接続して使用する。１
７は熱風室、１８はバーナ、１９は穀物乾燥層、２０は
排風室、２１は吸引送風機である。

【００１８】穀物乾燥機１４の排風口１５からは、吸引
送風機２１により排風が圧送風として穀物乾燥機用集塵
装置１にその排風導入口４から噴霧除塵室２内に導入さ
れるが、噴霧除塵室２内には、排風導入口４に対向して
配置された霧膜生成板５に、集塵貯水室３から水中ポン
プ７で汲み上げられた水が吹き付けられ、噴霧除塵室２
内には排風の導入口４を遮るように霧膜が形成される。
このため、導入される排風中の塵埃は、この霧膜によっ
て細塵までが効率よく除去されるが、霧膜を通り過ぎた
塵埃があっても噴霧除塵室２内に充満する霧によって残
らず除去され、塵埃が除去された清浄な排風は排風口１
２から外部に放出される。

【００１９】上記のように噴霧除塵室２内で除去された
塵埃は、霧膜および霧による水滴とともに下段の集塵貯
水室３に収集される。集塵貯水室３内の水は霧膜の形成
に循環使用されるが、集塵貯水室３内の水位が低下した
ときは外部から自動的にまたは適宜補給する。

【００２０】集塵貯水室３内に塵埃が所定量まで堆積し
た場合や必要に応じて塵埃の排出をする場合、あるいは
排水をする場合には、噴水ノズル６の基端の送水管８の
先端を接続している接続コック９，１０を外して、図２
に示すように、水中ポンプ７に接続されている送水管８
を引出口１３から外部に引き出し、水中ポンプ７により
集塵貯水室３内の水および塵埃を、効率よくしかも容易
に排出することができる。

【００２１】本発明に係る穀物乾燥機用集塵装置１にお
いて、霧膜生成板５は、図４ないし図５に示すように、
その水の吹き付け面５ａを緩円錐面とすれば、図６に示
すように、霧膜が噴霧除塵室２内の後方に向かって拡散
させることができ、霧膜の表面積を大きくすることで、
より塵埃の除去作用効率を向上させることができる。ま
た、霧膜が噴霧除塵室２の前方から後方に向かって高速
で移動するため、噴霧除塵室２内に前方から後方に向か
っての風の流れを形成し、穀物乾燥機１４に穀物乾燥機
用集塵装置１を付設した事で発生している風の流れの抵
抗を緩和する働きをすることができる。

【００２２】また、図７に示すように、霧膜生成板５を
弾性体５ｂによって支持するなど、水の吹き付け圧によ
り前後に振動または揺動するように構成することによ
り、変化に富んだ霧膜を形成して、塵埃の除去効率をさ
らに向上させることができる。

【００２３】図示の実施の形態において、霧膜生成板５
を高速回転するものとすることにより、形成される霧膜
にさらに変化を起こさせることができ、それによって塵
埃の除去効率の向上を図ることが可能である。なお、そ
の構成については図示を省略する。

【００２４】図示の実施の形態においては、本発明に係
る穀物乾燥機用集塵機１を穀物乾燥機１４の排風口１５
に接続して使用する態様を例示しているが、本発明に係
る穀物乾燥機用集塵機１は穀物乾燥機１に付設した排塵
機の排塵口に接続して使用することができる。また、本
発明に係る穀物乾燥機用集塵機１のほか、他の穀類調製
機の集塵用としても使用することができるものである。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、上段に設けた噴霧除塵
室と、その下段に設けた集塵貯水室とで構成し、上段の
噴霧除塵室には、穀物乾燥機から圧送される排風の導入
口に対向させて霧膜生成板を配置し、下段の集塵貯水室
から汲み上げた水を上記霧膜生成板に吹き付けて噴霧除
塵室内に排風の導入口を遮る霧膜を形成させるように構
成したことにより、噴霧除塵室と集塵貯水室を上下に一
つにまとめて湿式であっても簡素かつ小型に構成するこ
とができ、しかも集塵貯水室内の水を循環使用すること
により水の使用量を少なくできるうえ、塵埃、特に細塵
の除去率を大きく向上させることができる効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る穀物乾燥用集塵装置の一実施の形
態を示す断面図である。

【図２】同上集塵貯水室から排水する態様を示す断面図
である。

【図３】本発明に係る穀物乾燥用集塵装置を穀物乾燥機
の排風口に接続して使用する態様を示す断面図である。

【図４】本発明に係る穀物乾燥用集塵装置の他の実施の
形態を示す断面図である。

【図５】同上要部の断面図である。

【図６】同上要部の作用を表した断面図である。

【図７】本発明に係る穀物乾燥用集塵装置のさらに他の
実施の形態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 穀物乾燥用集塵装置 ２ 噴霧除塵室 ３ 集塵貯水室 ４ 排風の導入口 ５ 霧膜生成板 ５ａ 水の吹き付け面 ５ｂ 弾性体 ６ 噴水ノズル ７ 水中ポンプ ８ 送水管 ９，１０ 接続コック １１ フィルタ １２ 排風口 １３ 送水管の引出口 １４ 穀物乾燥機 １５ 排風口 １６ ダクト １７ 熱風室 １８ バーナ １９ 穀物乾燥層 ２０ 排風室 ２１ 吸引送風機

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 穀物乾燥機の排風口または穀物乾燥機に
   付設した排塵機の排塵口に接続して、穀物乾燥機の排風
   口または排塵機の排塵口から排出される排風中の細塵を
   分離して収集する集塵装置であって、上段に設けた噴霧
   除塵室と、その下段に設けた集塵貯水室とで構成し、上
   段の噴霧除塵室には、穀物乾燥機から圧送される排風の
   導入口に対向させて霧膜生成板を配置し、下段の集塵貯
   水室から汲み上げた水を上記霧膜生成板に吹き付けて噴
   霧除塵室内に排風の導入口を遮る霧膜を形成させるよう
   に構成したことを特徴とする穀物乾燥機用集塵装置。
2. 【請求項２】 霧膜生成板は、その水の吹き付け面を緩
   円錐面としたことを特徴とする請求項１記載の穀物乾燥
   機用集塵装置。
3. 【請求項３】 霧膜生成板は、水の吹き付け圧により前
   後に振動または揺動するように構成されていることを特
   徴とする請求項１または２記載の穀物乾燥機用集塵装
   置。
4. 【請求項４】 霧膜生成板は、高速回転するものである
   ことを特徴とする請求項１、２または３記載の穀物乾燥
   機用集塵装置。
5. 【請求項５】 下段の集塵貯水室内に水中ポンプを設け
   て、この水中ポンプで汲み上げた水を上段の噴霧除塵室
   内の霧膜生成板に吹き付けるように構成したことを特徴
   とする請求項１、２、３または４記載の穀物乾燥機用集
   塵装置。
6. 【請求項６】 水中ポンプから霧膜生成板に吹き付ける
   水の送水する送水管の水中ポンプ側を可撓性管として、
   この可撓性管の先端側をその接続先に対して着脱自在と
   し、上記可撓性管を集塵貯水室の排水に利用することが
   できるようにしたことを特徴とする請求項５記載の穀物
   乾燥機用集塵装置。