JP2002270681A - 基板処理用静電吸着機構 - Google Patents

基板処理用静電吸着機構

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JP2002270681A
JP2002270681A JP2001063783A JP2001063783A JP2002270681A JP 2002270681 A JP2002270681 A JP 2002270681A JP 2001063783 A JP2001063783 A JP 2001063783A JP 2001063783 A JP2001063783 A JP 2001063783A JP 2002270681 A JP2002270681 A JP 2002270681A
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electrostatic
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processing
concave portion
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Application number
JP2001063783A
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English (en)
Inventor
Yasumi Sago
康実 佐護
Masayoshi Ikeda
真義 池田
Kazuaki Kaneko
一秋 金子
Yuki Komura
由紀 香村
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Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板処理のために基板を静電吸着する静電吸
着機構において、基板の面内温度を充分に均一にできる
構成を提供する。 【解決手段】 処理チャンバー1内で基板9を静電吸着
して保持する基板処理用静電吸着機構は、温度制御手段
を有する静電吸着ステージ2と吸着電源23とから成
る。静電吸着ステージ2は、基板9の裏面に接触する複
数の突起25と、突起25により形成される凹部24内
に熱交換用ガスを導入するガス導入路20を有する。各
突起25の基板9に接触する面は、最も短くなる方向で
見た幅Rが基板9の厚さtの2倍以下であり、各突起2
5の間隔は3mm以下である。静電吸着ステージ2は周
縁に沿って延びる周縁凸部27を有し、周縁凸部27と
基板9により凹部24内が閉空間とされる。周縁凸部2
7の幅は2mm以下又は基板9の厚さの2倍以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、半導体製造装
置のような基板処理装置において基板を静電吸着するた
めに使用される基板処理用静電吸着機構に関する。
【0002】
【従来の技術】静電気によって対象物を吸着する静電吸
着の技術は、対象物に対して損傷を与えずに対象物の位
置を自動的に保持する技術として多用されている。特
に、LSI等の電子デバイスを製造する際に用いられる
各種基板処理装置では、処理対象である基板を所定位置
で保持する技術として、静電吸着の技術が多用されてい
る。
【0003】図10は、基板処理装置に備えられた従来
の静電吸着機構の構成について説明する図である。基板
処理装置は、基板9を所定の雰囲気で処理するため、不
図示の処理チャンバーと、処理チャンバー内を排気する
不図示の排気系と、処理チャンバー内に所定のプロセス
ガスを導入する不図示のプロセスガス導入系とを有して
いる。そして、基板9を処理チャンバー内の所定位置に
保持するため、静電吸着機構を備えている。
【0004】静電吸着機構は、処理チャンバー内に設け
られた静電吸着ステージ2と、静電吸着ステージ2に静
電吸着用の電圧を与える吸着電源3とから成っている。
静電吸着ステージ2は、ステージ本体21と、ステージ
本体21に固定した誘電体ブロック22と、誘電体ブロ
ック22内に設けた一対の吸着電極23,23とから成
る構成である。吸着電源3は、一対の吸着電極23,2
3に互いに極性の異なる直流電圧を与えるようになって
いる。一対の吸着電極23,23に電圧が与えられる
と、誘電体ブロック22が誘電分極して表面に静電気が
誘起され、基板9が静電吸着される。
【0005】このような静電吸着機構では、基板9の温
度制御等の目的から、基板9と静電吸着ステージ2との
間で熱交換する機能が備えられる場合がある。例えば、
基板処理装置では、処理中の基板9の温度を所定の範囲
に維持するため、静電吸着ステージ2内にヒータを設け
てこのヒータを負帰還制御したり、静電吸着ステージ2
内の空洞に所定の温度の冷媒を流通させて基板9を冷却
しながら温度制御したりする場合がある。
【0006】このような温度制御を行う場合、静電吸着
ステージ2と基板9との間の熱交換が充分でないと、温
度制御の精度が低下したり効率が悪くなったりする問題
がある。特に、基板処理装置では、処理チャンバー内が
真空雰囲気であることがあり、この場合には、基板9で
ある基板9と静電吸着ステージ2との間の隙間も真空で
ある。従って、大気圧下に比べて熱交換の効率が悪い。
【0007】このような問題を解決するため、従来の静
電吸着機構の中には、静電吸着ステージ2と基板9との
間に熱交換用のガスを導入する構成が採られることがあ
る。図10に示す機構は、この例を示している。即ち、
静電吸着ステージ2の吸着面には、凹部24が形成され
ており、静電吸着ステージ2には、この凹部24内にガ
スを導入するガス導入路20が貫通して設けられてい
る。また、ガス導入路20からガス導入する熱交換用ガ
ス導入系4が設けられている。熱交換用ガス導入系4
は、配管41及びバルブ42を通してヘリウム等の熱伝
導率の高いガスを導入するようになっている。尚、凹部
24を設けた場合でも、静電吸着ステージ2による静電
吸着力が基板9に均一に作用するような構成が採用され
ている。即ち、特開平11−204626号に開示され
ているように、静電吸着ステージ2の表面に突起25を
均一に多数設け、この多数の突起25によって凹部24
が形成されるようにする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
の静電吸着機構では、静電吸着ステージ2の表面に形成
した凹部24内にガスを導入して熱伝達効率を高めてい
る。この構成は、静電吸着ステージ2と基板9との間の
全体の熱伝達効率を向上させる点で効果的であるが、均
一な熱伝達が行えず、結果として基板9の温度分布が不
均一になる問題があった。この点について、図11を使
用して説明する。図11は、図10に示す従来の静電吸
着機構の問題点について説明した図である。
【0009】図11は、静電吸着された状態の基板9の
温度分布について示したものである。上記従来の構成に
おいて、ガス導入されている凹部24内の空間を経由し
た静電吸着ステージ2と基板9との間の熱交換効率は、
突起25を経由した熱交換効率に比べて低い。従って、
例えば静電吸着ステージ2を冷却して基板9を冷却しな
がら処理している場合、基板9の面内の領域のうち、突
起25に接触している部分は充分冷却されて温度が下が
るものの、凹部24を臨む部分ではあまり温度が下がら
ない。この結果、図11に示すような面内温度分布とな
る。
【0010】基板9に対する処理は、多くの場合温度依
存性がある。従って、図11に示すように温度分布が形
成されて面内温度が不均一になると、処理のされ方も不
均一になってしまう。本願の発明は、かかる課題を解決
するためになされたものであり、基板処理のために基板
を静電吸着する静電吸着機構において、基板の面内温度
を充分に均一にできる構成を提供する技術的意義があ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、内部で基板の表面に
所定の処理を施す処理チャンバー内の所定位置に基板を
静電吸着して保持する基板処理用静電吸着機構であっ
て、表面に静電気を誘起して当該表面に基板を静電吸着
するとともに基板を加熱又は冷却して温度制御する温度
制御手段を有する静電吸着ステージと、静電吸着用の電
圧を静電吸着ステージに与える吸着電源とから成り、前
記静電吸着ステージの表面には、基板が静電吸着された
際に基板の裏面に接触する突起が複数設けられていると
ともに、前記静電吸着ステージは、これら突起により形
成される凹部内に熱交換用ガスを導入するガス導入路を
有しており、さらに、各突起の基板の裏面に接触する
面、最も短くなる方向で見た幅が基板の厚さの2倍以下
となっているという構成を有する。また、上記課題を解
決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構
成において、前記各突起の離間間隔は、3mm以下であ
るという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項3記載の発明は、前記請求項1の構成におい
て、前記静電吸着ステージの表面には、周縁に沿って周
状に延びるよう形成された周縁凸部が設けられており、
この周縁凸部は、基板が静電吸着された際、基板ととも
に前記凹部内の空間を閉空間とするものであるという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項4
記載の発明は、前記請求項3の構成において、前記周縁
凸部の幅は、2mm以下又は基板の厚さの2倍以下であ
るという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項5記載の発明は、前記請求項1の構成におい
て、前記凹部は、底の浅い底浅凹部と底の深い底深凹部
とから成るものであり、前記ガス導入路の出口開口は底
深凹部に設けられており、底深凹部は、静電吸着ステー
ジの中心軸に対して中心対称状に形成された溝であって
熱交換用ガスを均一に拡散させて底浅凹部に導入するも
のであるという構成を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態(以
下、実施形態)について説明する。図1は、第一の実施
形態の静電吸着機構を備えた基板処理装置の概略構成を
示す正面図である。本実施形態の静電吸着機構は、各種
の基板処理装置に利用が可能であるが、以下の説明で
は、一例としてエッチング装置に利用する場合を採り上
げる。従って、図1に示す装置は、エッチング装置とな
っている。具体的に説明すると、図1に示す装置は、排
気系11及びプロセスガス導入系12を備えた処理チャ
ンバー1と、処理チャンバー1内の所定位置に基板9を
保持する静電吸着機構と、処理チャンバー1内にプラズ
マを形成して基板9の表面をエッチングするための電力
を供給する電力供給系6等から主に構成されている。
【0013】処理チャンバー1は気密な真空容器であ
り、不図示のゲートバルブを介して不図示のロードロッ
クチャンバーが接続されている。排気系11は、ターボ
分子ポンプ又は拡散ポンプ等により処理チャンバー1内
を所定の真空圧力まで排気できるようになっている。プ
ロセスガス導入系12は、バルブ121や流量調整器1
22を備え、プロセスガスとしてエッチング作用のある
四フッ化炭素等のフッ素系ガスを所定の流量で導入する
ようになっている。電力供給系6は、処理チャンバー1
内に設けられた処理用電極61と、処理用電極61を保
持した垂直な保持棒62と、保持棒62を介して処理用
電極61に電圧を印加する処理用電源63とから主に構
成されている。
【0014】処理用電極61は、高さの低い円筒状であ
り、静電吸着ステージ2と同軸になるよう設けられてい
る。保持棒62は、絶縁材14を介して処理チャンバー
1を気密に貫通している。処理用電極61は、プロセス
ガスを均一に導入する部材としても兼用されている。即
ち、処理用電極61の下面には、ガス吹き出し孔611
が多数均一に形成されている。プロセスガス導入系12
は、保持棒62内を経由して処理用電極61内にプロセ
スガスを導入するようになっている。プロセスガスは、
処理用電極61内に一旦溜まった後、ガス吹き出し孔6
11から均一に吹き出る。
【0015】処理用電源63としては、高周波電源が使
用されている。処理用電源63により処理用電極61に
高周波電圧が与えられると、プロセスガスに高周波放電
が生じ、プラズマが形成される。例えばプロセスガスが
フッ素系ガスである場合、プラズマ中ではフッ素活性種
やフッ素イオンが形成され、これら活性種やイオンが基
板9の表面に達して基板9の表面をエッチングする。
【0016】次に、本実施形態の静電吸着機構の構成に
ついて詳説する。図1に示す静電吸着機構も、従来と同
様に、静電吸着ステージ2と、静電吸着ステージ2に静
電吸着用の電圧を与える吸着電源3とから成っている。
静電吸着ステージ2は、絶縁材13を介して処理チャン
バー1の開口を気密に塞ぐよう設けられている。
【0017】静電吸着ステージ2は、ステージ本体21
と、ステージ本体21に固定した誘電体ブロック22
と、誘電体ブロック22内に設けた一対の吸着電極2
3,23とから成る構成である。ステージ本体21は、
ステンレス又はアルミニウム等の金属製である。誘電体
ブロック22は、アルミナ等の誘電体製である。ステー
ジ本体21と誘電体ブロック22との間には、薄いイン
ジウム層26が挟み込まれている。インジウム層26
は、ステージ本体21と誘電体ブロック22との間の微
小な隙間を埋めて、両者の間の熱交換効率を高める作用
がある。一対の吸着電極23,23は、吸着面の方向に
平行な姿勢で設けられた板状である。一対の吸着電極2
3,23の形状としては、静電吸着ステージ2の中心軸
に対して軸対称な形状及び配置であることが好ましい。
【0018】また、本実施形態では、基板9の受け渡し
のため、静電吸着ステージ2内に昇降ピン7が設けられ
ている。昇降ピン7は、垂直な姿勢であり、静電吸着ス
テージ2と同軸の円周上に等間隔で複数(例えば四つ)
設けられている。本実施形態では、静電吸着ステージ2
の構造の複雑化を避けるため、ガス導入路20内に昇降
ピン7が設けられている。各昇降ピン7の下端は、水平
な姿勢のベース板71に固定されている。ベース板71
には、直線移動機構72が付設されている。直線移動機
構72が動作すると、各昇降ピン7が一体に上昇又は下
降するようになっている。尚、各ガス導入路20は、途
中に横穴が設けられており、不図示の熱交換用ガス導入
系はそこから熱交換用ガスを導入するようになってい
る。また、ガス導入路20の下端には、昇降ピン7の上
下動を許容しつつガス封止を行うメカニカルシール等の
封止部材73が設けられている。
【0019】また、本実施形態では、エッチングを効率
良く行うため、基板9に自己バイアス電圧を与える構成
が採用されている。即ち、静電吸着ステージ2には、バ
イアス用電源8が接続されている。バイアス用電源8
は、吸着電極23,23に高周波電圧を印加するように
なっており、吸着用の直流電圧に重畳させて高周波電圧
を印加するようになっている。尚、吸着電極23,23
を無くして、ステージ本体21にバイアス用電源8と吸
着電源3を接続して、基板9の静電吸着と自己バイアス
電圧の付与を行うようにしても良い。
【0020】吸着電極23,23を介して高周波電界が
設定されると、プラズマと高周波との相互作用により、
負の直流分の電圧である自己バイアス電圧が基板9に与
えられる。この結果、プラズマ中のイオンが引き出され
て効率良く基板9に入射する。この結果、リアクティブ
イオンエッチング等の効率の良いエッチングが行われ
る。
【0021】上記エッチングの際、基板9は、プラズマ
によって加熱されて温度上昇する。温度上昇が限度を越
えると、基板9が熱的損傷を受ける場合がある。例え
ば、基板9が半導体ウェーハである場合、既に形成され
ている素子や配線等が熱により変性して機能に障害が生
じたりする場合がある。このような問題を防止するた
め、静電吸着機構は、エッチング中に基板9を所定温度
に冷却しながら温度制御する温度制御手段5を備えてい
る。温度制御手段5は、静電吸着ステージ2内の空洞に
冷媒を流通させる構成である。具体的には、ステージ本
体21内に空洞200が形成されている。図2は、ステ
ージ本体21内の冷却用の空洞200の形状について説
明する平面断面図である。
【0022】図2に示すように、空洞200は、静電吸
着ステージ2が均一に冷却されるように蛇行させた形状
である。そして、その一端には冷媒導入口201が形成
され、他端には冷媒排出口202が形成されている。冷
媒導入口201には、冷媒導入管52がつながってお
り、冷媒排出口202には冷媒排出管53がつながって
いる。そして、冷媒排出管53から排出されて冷媒を温
度制御して冷媒導入管52に送るサーキュレータ54が
設けられている。空洞200に所定の低温に維持された
冷媒が流通する結果、静電吸着ステージ2全体が所定の
低温に維持され、この結果、基板9が冷却されるように
なっている。
【0023】上記温度制御の際、図3に示す静電吸着ス
テージ2と基板9との熱交換効率が向上するよう、本実
施形態においても、静電吸着ステージ2の表面に凹部2
4を設け、図4に示すガス導入路20を経由してこの凹
部24に熱交換用ガスが導入されるようになっている。
以下、この点を説明する。
【0024】まず、図1では、静電吸着ステージ2の表
面は平坦面となっているが、実際には、微小な突起25
が形成されている。各突起25の上面は平らな面となっ
ており、これは皆同じ高さに位置する。つまり、各突起
25の上面は面一になっている。図3は、図1に示す静
電吸着ステージ2の表面に形成された突起25の大きさ
及び配置間隔について説明する断面部分図である。図3
に示すように、静電吸着ステージ2の表面には、突起2
5が形成されている。突起25の平面視はほぼ円形であ
る。従って、突起25の形状は円柱状である。
【0025】図4は、図3に示す突起25の配置につい
て説明する図であり、静電吸着ステージ2の平面概略図
である。静電吸着ステージ2は、平面視がほぼ円形であ
る。但し、静電吸着ステージ2は、基板9として、オリ
エンテーションフラット(オリフラ)を有する半導体ウ
ェーハを保持することが想定されており、オリフラに合
わせた直線状の部分を有する。
【0026】突起25は、静電吸着ステージ2と同心円
周(図4中に一点鎖線で示す)上の位置に等間隔で設け
られている。各円周の径方向の離間距離は、同一円周上
の突起25の離間距離にほぼ等しい。従って、各突起2
5は、すべてほぼ等しい間隔で均一に配置されている。
尚、図4では、紙面上、左上半分の部分のみ突起25が
描かれており、その他の部分では省略されている。
【0027】また、静電吸着ステージ2の周縁には、凸
部(以下、周縁凸部)27が設けられている。この周縁
凸部27は、内側に位置する各突起25と同じ高さであ
る。従って、基板9が静電吸着された際、基板9は突起
25とともにこの周縁凸部27に接触する。そして、基
板9が吸着されると、周縁凸部27の内側の凹部24が
基板9によって塞がれ、閉空間が形成されるようになっ
ている。従って、ガス導入路20を通して熱交換用ガス
が凹部24内に導入された際、本質的にガスの漏れがな
いので、凹部24内の圧力が効率良く高められる。尚、
「閉空間」とは、ガス導入路20の出口開口を除いて本
質的に開口が無い空間という意味である。
【0028】本実施形態の大きな特徴点の一つは、各突
起25の直径(図3にRで示す)が基板9の厚さ(図3
にtで示す)の2倍以下となっている点である。具体的
には、基板9の厚さtは、本実施形態では0.7mm程
度であり、各突起25の直径Rは0.5mm程度となっ
ている。この構成は、基板9の面内温度分布を充分に均
一にするための構成として採用されている。以下、この
点について図5を使用して説明する。図5は、本実施形
態の静電吸着機構の特徴点について説明する模式図であ
る。
【0029】図5では、前述したのと同様に、基板9を
冷却しながら温度制御する場合が示されている。即ち、
基板9は、処理の際に表面(処理される面)を臨む空間
の側からプラズマにより熱量Qが与えられる。そして、
基板9は、静電吸着ステージ2が存在する裏面(処理さ
れる面とは反対の面)側から熱を奪われる。また、突起
25と接触している場所での基板9と静電吸着ステージ
2との間の熱伝達率をKとし、ガスが導入されている
凹部24を経由した基板9と静電吸着ステージ2との間
の熱伝達率をKとする。前述した通り、K>K
ある。
【0030】図5において、基板9の面内に生ずる温度
差は、前述した通り、K>Kに起因している。即
ち、プラズマから与えられるQのうち、凹部24内の空
間を通って静電吸着ステージ2に移動する熱量Qの方
が、突起25との接触面を通って静電吸着ステージ2に
移動する熱量Qに比べて小さい。このため、基板9
は、凹部24を臨む部分で温度が上昇し、突起25と接
触している部分との間で温度差ができる。
【0031】ここで、基板9内の温度差は、面内のみな
らず、厚さ方向にも物理的には生ずる。基板9は、プラ
ズマを臨む表面で温度が最も高く、静電吸着ステージ2
に接する(又は臨む)裏面で最も低くなる。基板9の厚
さ方向の温度度差をΔT、面内の温度差をΔTとす
ると、通常は、図5(1)に示すように突起25の直径
Rが基板9の厚さtの2倍に比べてかなり大きいため、
突起25の存在による熱伝達効率上昇の影響が大きく、
厚さ方向の温度差ΔTに比べ、面内の温度差ΔT
大きくなる。つまり、面内の温度差ΔTに比べると、
厚さ方向の温度差ΔTは小さい(ΔT<ΔT)。
尚、図5中の右端に示す温度分布は、突起25の中心軸
上における基板9の厚さ方向で見た温度分布である。
【0032】一方、図5(2)に示すように、突起25
の直径Rが基板9の厚さtの2倍と同程度まで小さくな
ると、基板9の面内の温度差は、基板9の厚さ方向の温
度差と殆ど同じになる(ΔT≒ΔT)。従って、基
板9の厚さ方向の温度差が無視できる程度に小さいもの
ならば、基板9の面内の温度差も無視できる程度に小さ
いものとなる。通常の基板処理では、基板9の厚さ方向
の温度差は問題になっておらず、従って、突起25の直
径Rが基板9の厚さtの2倍程度まで小さくなれば、問
題となる面内の温度差は生じないことになる。本実施形
態の構成は、このような技術的思想のもと、突起25の
半径を基板9の厚さ程度まで小さくしている。また、突
起25同士の離間間隔(図3にdで示す)は、3mm以
下とすることが好ましい。距離dが3mmを越えると、
凹部24を臨む部分内での基板9の面内の温度差が大き
くなり、実用上問題を生ずる場合がある。
【0033】次に、上記実施形態の構成による温度均一
化の効果を確認した実験の結果について、図6を使用し
て説明する。図6は、実施形態の構成による温度均一化
の効果を確認した実験の結果について示した図である。
以下の実験は、FET(電界効果トランジスタ)等にお
いて電極部の構造として必要になるコンタクトホールを
形成するためのエッチング処理の実験である。コンタク
トホールを形成する場合、コンタクトホールの形状に合
わせてレジストをフォトリソグラフィによりパターニン
グし、これをマスクにしてエッチングを行う。
【0034】エッチングの実験は、以下の条件により行
われた。 処理チャンバー内の圧力:30mTorr(3.99Pa) プロセスガス:CとArとOの混合ガス プロセスガスの流量:C=13.5SCCM Ar=300SCCM O=6SCCM 処理用電源の周波数及び電力:60MHz,1.8kW バイアス用電源の周波数及び電力:1.6MHz,1.8kW 静電吸着ステージの凹部内のガス圧力:4kPa 熱交換用ガス:ヘリウム 静電吸着力:1kgf/cm(9.8N/cm
【0035】尚、「SCCM」とは、0℃、1気圧で換
算した単位時間あたりの気体の流量(cm/分)であ
る。また、静電吸着の吸着面の粗さは、0.25μm以
下(0.25μm以下の突起のみ)である。基板9は、
シリコンウェーハであり、厚さは0.7mm程度であ
る。エッチングする基板9の表面の材料は、酸化シリコ
ンである。また、レジストは、KrFエキシマレーザー
による露光に対応したものを採用した。
【0036】図6は、上記条件のエッチング処理により
得られたエッチング形状について示している。図6にお
いて、(1−1)及び(1−2)は、突起25の直径R
が3mmの場合のエッチング形状(断面形状)を概略的
に示したものである。このうち、(1−1)は、基板9
の表面のうち、裏面において凹部24を臨む部分(以
下、凹部付近部)でのエッチング形状を、(1−2)は
裏面において突起25と接触している箇所の部分又はそ
の付近(以下、突起付近部)におけるエッチング形状を
それぞれ示している。また、図6において、(2−1)
及び(2−2)は、突起25の直径Rが0.5mmの場
合のエッチング形状(断面形状)を概略的に示したもの
である。同様に、(2−1)は、突起付近部でのエッチ
ング形状を、(2−2)は凹部付近部でのエッチング形
状をそれぞれ示している。尚、図6において、突起25
の直径R以外の条件は全て同じである。
【0037】図6(1−1)及び(1−2)に示すよう
に、直径Rが3mmの場合、突起付近部と凹部付近部と
でレジスト残膜91の厚さに差がある。これは、凹部付
近部の方が突起付近部に比べて温度が高いために、エッ
チング中にレジストが多くエッチングされ、その結果、
レジスト残膜91が突起付近部に比べて少なくなったこ
とを示している。また、直径Rが3mmの場合、エッチ
ングにより形成したコンタクトホール92の断面形状も
突起付近部と凹部付近部とで異なっている。即ち、突起
付近部のコンタクトホール92は、凹部付近部のコンタ
クトホール92に比べて幅が狭く、深さが若干深くなっ
ている。これは、以下のような原因であると考えられ
る。
【0038】一般に、エッチング処理では、エッチング
の競合現象として膜堆積が進行している場合が多い。例
えば、フッ化炭素系ガスを使用したエッチングでは、エ
ッチングと競合してフッ化炭素系の膜の堆積が生じてい
る。通常は、イオンや活性種による堆積膜のエッチング
の方が膜堆積に比べて遥かに速く進行するため、膜堆積
が問題になることはない。
【0039】しかしながら、前述したように、温度が低
くなった際、もし温度低下による膜堆積の低減に比べて
エッチング速度の低減の割合の方が大きい場合、エッチ
ング速度が低下してしまう。膜堆積は特にコンタクトホ
ール92の開口の縁の部分に多く生じ、この開口の縁の
部分でエッチング速度の低下が顕著になるから、開口の
面積が小さくなる。図6(1−2)に示すようなコンタ
クトホール92の形状は、このような理由によるものと
考えられる。尚、前述したように、温度低下によって逆
にエッチング速度が上昇する場合もあり、この場合に
は、上記とは逆の結果になる。
【0040】コンタクトホールには、アルミ等の配線材
料を埋め込んで配線が行われるが、図6(1−1)に示
すようにコンタクトホールの直径が大きくなり過ぎる
と、隣りの配線と接触してショートしてしまう等の問題
が生じやすい。従って、コンタクトホールは直径はあま
り大きくない方が好ましい。さらに、コンタクトホール
が深く削られるということは、既に形成されているゲー
ト電極等を過剰に削ってしまう可能性もある。しかし、
図6(1−2)に示すようにコンタクトホールの直径が
あまりにも小さくなると、配線の断面積が低下して抵抗
が大きくなる問題がある。また、コンタクトホールの底
面の面積が小さいので、下地であるゲート電極又はチェ
ンネルとの接触面積が小さくなり、導通不良等が生じや
すい。
【0041】一方、突起25の直径Rが0.5mm程度
である場合は、図6(2−1)及び(2−2)に示すよ
うに、凹部付近部と突起付近部とで、コンタクトホール
92の形状は大差がなく、均一なエッチング形状が得ら
れている。これは、エッチング中の基板9の面内温度が
均一であったことによると考えられる。このように、本
実施形態の構成によれば、突起25の直径Rが基板9の
厚さtの2倍と同程度であるため、問題となる基板9の
面内温度不均一化が生じず、均一な処理が行える。
【0042】上記実施形態では、突起25の平面視の形
状が円形であったため、この直径Rを基板9の厚さの2
倍以下とした。しかしながら、突起25の平面視の形状
は円形以外でも良い(例えば方形)。この点を考慮して
上位概念として表現すると、「突起の表面のうちの最も
短くなる方向で見た幅」(以下、接触面の最短幅)が基
板9の厚さの2倍以下ということになる。突起25の接
触面の形状としては、細長い形状(例えば長方形)の場
合もある。この場合、その長さ方向の長さではなく、長
さ方向に垂直な方向の長さが最短幅であり、それが基板
9の厚さの2倍以下であれば良い。尚、接触面の最短幅
は、基板9の厚さの2倍よりも小さく、1倍以下である
とさらに好ましい。
【0043】また、凹部24の深さ(突起25の高さに
等しく、図3にhで示す)については、1〜20μm程
度であることが好ましい。凹部24の深さが1μmより
小さくなると、凹部24の空間の容積があまりにも小さ
くなってコンダクタンスが低下し、充分な圧力上昇が得
られなくなる。この結果、熱交換効率を向上させる上記
効果が不充分になってしまう。一方、凹部24の深さが
20μmを越えると、熱を伝達するために熱交換用ガス
の分子が移動する必要がある距離が長くなり、熱交換効
率が低くなってしまう。
【0044】さらに、周縁凸部27の幅(図3にWで示
す)についても、慎重な検討が必要である。周縁凸部2
7の幅Wが大きくなると、突起25の場合と同様に、こ
の部分での温度差が無視できなくなり、基板9の面内温
度分布が不均一になる問題が生ずる。特に、周縁凸部2
7は、基板9の周辺部に接触している部分である。基板
9のうち周縁凸部27の外側の部分では、中央部と異な
り、ガス冷却も接触冷却もされないため、中央部に比べ
て温度が高くなり易い。従って、周縁凸部27の幅W
は、ガスの流れを止めるとともに冷却能力の不足を補う
だけの幅が必要である。その一方、あまり冷却されるす
ぎると、やはり温度不均一の原因となる場合がある。周
縁凸部27の幅Wは、突起25の大きさよりも小さく、
基板9の厚さ程度以下とすることが好ましい。数値でい
うと、2mm以下とすることが好ましい。
【0045】上記周縁凸部27の幅の影響について、図
7を使用して説明する。図7は、周縁凸部27の幅の影
響について説明した図である。図7中の(1)は、周縁
凸部27の幅が4mm場合のエッチング速度の分布を、
(2)は、周縁凸部27の幅が2mmの場合のエッチン
グ速度の分布を示している。また図7(3)は、後述す
る第二の実施形態の構成において、周縁凸部27の幅が
2mmの場合であって、図9に示す底深凹部242が周
縁凸部27に隣接したところ(最外周部)に無い場合の
構成におけるエッチング速度の分布を示している。図7
(1)〜(3)の横軸は、基板9の表面の位置を示して
いる。基板9の中心を0とし、+10が径方向の一方の
縁、−10が他方の縁である。
【0046】図7(1)に示すように、周縁凸部27の
幅が4mmと大きいと、基板9の周辺部が充分に冷却さ
れすぎ、エッチング速度が遅くなってしまう。一方、図
7(2)に示すように、周縁凸部27の幅が2mmであ
ると、基板9の周辺部でのエッチング速度の異常な上昇
もなく、エッチング速度が全体に高くなってしまうこと
もない。これは、基板9が全体に均一に効率良く冷却さ
れることを意味している。また、図7(3)に示すよう
に、周縁凸部27に隣接して底深凹部242が無いと、
周縁凸部27に接触した部分の低いエッチング速度に対
し、その内側で急激にエッチング速度が高くなる。これ
は、底負荷凹部242が無いために熱交換用ガスが充分
に供給されず、温度が急激に高くなったことによるもの
と考えられる。尚、周縁凸部27が無いと、エッチング
速度が全体に高くなる。これは、熱交換用ガスが凹部2
4内に封入されないので、凹部24内の圧力があまり上
昇せず、基板9が充分に冷却されないことによる。
【0047】尚、周縁凸部27の幅があまりにも小さく
なると、凹部24内のガス圧によっては基板9が周縁凸
部27から浮いてしまい、熱交換用ガスが漏れ出てしま
う恐れがある。これは、作用させる静電吸着力にもよる
が、一般的には周縁凸部27の幅は0.1mmより小さ
くなると生じ易いので、周縁凸部27の幅は0.1mm
以上とすることが好ましい。
【0048】次に、本願発明の静電吸着機構の第二の実
施形態について説明する。この実施形態は、静電吸着ス
テージの構成が前述した第一の実施形態と異なってい
る。図8は、第二の実施形態の静電吸着ステージ2の平
面概略図、図9は図8に示す静電吸着ステージの正面断
面概略図であり、図8のX−Xでの断面図である。
【0049】図8及び図9に示すように、第二の実施形
態の静電吸着ステージ2の表面にも、周縁に沿って形成
された周縁凸部27と、その内側に均等に配置された多
数の突起25とが形成されている。この第二の実施形態
では、周縁凸部27及び突起25により形成される凹部
24が、深さの異なる二つのものから成っている。即
ち、深さの浅い凹部(以下、底浅凹部)241と、深さ
の深い凹部(底深凹部)242である。
【0050】底浅凹部241は、静電吸着ステージと基
板9との間の熱交換効率を高めるための空間であり、前
述した第一の実施形態における凹部24と同様の作用を
持つものである。一方、底深凹部242は、熱交換用ガ
スを効率良く拡散させて底浅凹部241に熱交換用ガス
を均一に導入するためのものである。図8から解るよう
に、底深凹部242は、静電吸着ステージ2の中央から
放射状に延びる溝状の部分(以下、放射状部)と、中心
軸と同軸な円周状に延びる複数の部分(以下、円周状
部)から成っている。尚、円周状部のうちの最も外側の
ものは、周縁凸部27のすぐ内側に形成されている。ま
た、図9に示すように、静電吸着ステージ2は、厚さ方
向に貫通した四つの貫通孔28を有している。この貫通
孔28は、第一の実施形態と同様、凹部24内への熱交
換用ガスの導入路と昇降ピン(図8及び図9中不図示)
のための空間とに兼用されている。
【0051】この第二の実施形態によれば、熱交換用ガ
スはガス導入路から最初に底深凹部242に達し、底深
凹部242内で拡散しながら底浅凹部241に導入され
る。底深凹部242は、底浅凹部241よりコンダクタ
ンスが大きいので熱交換用ガスが底浅凹部241に効率
良く導入され、底浅凹部241の圧力が効率良く高めら
れる。底浅凹部241のみであると、コンダクタンスが
小さいので、基板9の面方向に均一に効率よく熱交換用
ガスを導入することができない。このため、基板9の面
内温度が不均一になり易いが、本実施形態では、このよ
うな問題はない。
【0052】底浅凹部241の深さは、前記第一の実施
形態の凹部24と同様の理由から、1〜20μm程度で
あることが好ましい。また、底深凹部242の深さは、
50〜1000μm程度であることが好ましい。底深凹
部242の深さが50μmより小さいと、底浅凹部24
1と比較したコンダクタンス向上の効果があまり得られ
ず、温度分布均一化の効果が充分に得られない場合があ
る。また、底深凹部242の深さが1000μmより大
きいと、底深凹部242の体積が増えすぎてガス充填に
時間がかかり、底浅凹部241の圧力が充分に上昇せ
ず、熱交換効率が充分に改善されないことがある。
【0053】また、溝状である底深凹部242の幅は、
0.5〜3mm程度であることが好ましい。幅が0.5
mmより小さいと、コンダクタンスが不足し、温度分布
均一化の効果が充分に得られないことがある。幅が3m
mより大きいと、相対的に底浅凹部241の占める面積
が低下し、また底深凹部242の体積が増えすぎるため
に底浅凹部241の圧力が充分に上昇しなくなってしま
うので、熱交換効率向上の効果が充分に得られなくなる
場合がある。
【0054】上記実施形態では、温度制御手段5は基板
9を冷却するものであったが、基板9を加熱して温度制
御するものであっても良い。この場合には、温媒を流通
させたり、抵抗発熱方式のヒータや輻射加熱ランプ等が
静電吸着ステージ2に設けられる。また、上記実施形態
では、双極式の静電吸着機構であったが、単極式即ち一
つの吸着電極のみを使用した構成でも良い。単極式で
も、正又は負の直流電圧を印加することで静電吸着は可
能である。また、一対の吸着電極を多数設けた多極式の
構成でも良い。さらには、基板9を臨む空間にプラズマ
が形成される場合、吸着電極に高周波電圧を印加するこ
とで、プラズマと高周波の相互作用により生ずる直流分
の電圧である自己バイアス電圧を基板9に印加し、この
自己バイアス電圧によって基板9を静電吸着することも
可能である。
【0055】上記実施形態の説明では、基板処理の一例
としてエッチングを採り上げたが、スパッタリングや化
学蒸着(CVD)等の成膜処理、表面酸化や表面窒化等
の表面改質処理、さらにはアッシング処理等を行う装置
についても、同様に実施することができる。基板9の例
としては、半導体ウェーハの他、液晶ディスプレイやプ
ラズマディスプレイ等の表示デバイス用の基板、磁気ヘ
ッド等の磁気デバイス用の基板等を基板とすることがで
きる。
【0056】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1記載
の発明によれば、基板が静電吸着された際に基板の裏面
に接触する各突起の表面のうちの最も短くなる方向で見
た幅が基板の厚さの2倍以下となっているので、基板の
面内の温度差が無視できる程度に小さくなる。このた
め、面内均一性の高い処理が行える。また、請求項2記
載の発明によれば、上記効果に加え、各突起の離間間隔
が3mm以下であるので、この点でさらに基板の面内の
温度差が少なくなり、さらに面内均一性の高い処理が行
える。また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に
加え、基板が静電吸着された際、基板とともに周縁凸部
によって凹部内の空間が閉空間とされるので、熱交換用
ガスの導入による圧力上昇が効率的に行える。また、請
求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、周縁凸部
の幅が2mm以下又は基板の厚さの2倍以下であるの
で、周縁凸部の付近での基板の急激な温度変化が防止さ
れる。従って、この点でさらに温度が均一になり、面内
均一性の高い処理が行える。また、請求項5記載の発明
によれば、上記効果に加え、凹部は、底の浅い底浅凹部
と底の深い底深凹部とから成るので、底深凹部を経由し
て効率良く均一に底浅凹部に熱交換用ガスを導入でき
る。従って、この点で熱交換効率の向上や温度均一化の
効果がさらに高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態の静電吸着機構を備えた基板処
理装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】ステージ本体21内の冷却用の空洞200の形
状について説明する平面断面図である。
【図3】図1に示す静電吸着ステージ2の表面に形成さ
れた突起25の大きさ及び配置間隔について説明する断
面部分図である。
【図4】図3に示す突起25の配置について説明する図
であり、静電吸着ステージ2の平面概略図である。
【図5】実施形態の静電吸着機構の特徴点について説明
する模式図である。
【図6】実施形態の構成による温度均一化の効果を確認
した実験の結果について示した図である。
【図7】周縁凸部27の幅の影響について説明した図で
ある。
【図8】第二の実施形態の静電吸着ステージ2の平面概
略図である。
【図9】図8に示す静電吸着ステージの正面断面概略図
であり、図8のX−Xでの断面図であるる。
【図10】基板処理装置に備えられた従来の静電吸着機
構の構成について説明する図である。
【図11】図10に示す従来の静電吸着機構の問題点に
ついて説明した図である。
【符号の説明】
1 処理チャンバー 11 排気系 12 プロセスガス導入系 2 静電吸着ステージ 20 ガス導入路 200 空洞 21 ステージ本体 22 誘電体ブロック 23 吸着電極 24 凹部 241 底浅凹部 242 底深凹部 25 突起 27 周縁凸部 3 吸着電源 4 熱交換用ガス導入系 5 温度制御手段 6 電力供給系 61 処理用電極 63 処理用電源 7 昇降ピン 9 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23Q 3/15 H01L 21/302 B (72)発明者 金子 一秋 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 (72)発明者 香村 由紀 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 Fターム(参考) 3C016 CE05 GA10 4K030 GA02 JA03 KA23 KA26 KA41 LA15 5F004 AA01 BA04 BB22 BB25 CA04 DA22 5F031 CA02 CA05 CA09 HA02 HA08 HA16 HA19 HA33 HA37 HA38 HA40 MA32 PA11 5F045 BB02 DP03 DQ10 EJ02 EJ03 EJ10 EK21 EM05 EM07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部で基板の表面に所定の処理を施す処
    理チャンバー内の所定位置に基板を静電吸着して保持す
    る基板処理用静電吸着機構であって、 表面に静電気を誘起して当該表面に基板を静電吸着する
    とともに基板を加熱又は冷却して温度制御する温度制御
    手段を有する静電吸着ステージと、静電吸着用の電圧を
    静電吸着ステージに与える吸着電源とから成り、 前記静電吸着ステージの表面には、基板が静電吸着され
    た際に基板の裏面に接触する突起が複数設けられている
    とともに、前記静電吸着ステージは、これら突起により
    形成される凹部内に熱交換用ガスを導入するガス導入路
    を有しており、さらに、各突起の基板の裏面に接触する
    面は、最も短くなる方向で見た幅が基板の厚さの2倍以
    下となっていることを特徴とする基板処理用静電吸着機
    構。
  2. 【請求項2】 前記各突起の離間間隔は、3mm以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の基板処理用静電吸
    着機構。
  3. 【請求項3】 前記静電吸着ステージの表面には、周縁
    に沿って周状に延びるよう形成された周縁凸部が設けら
    れており、この周縁凸部は、基板が静電吸着された際、
    基板とともに前記凹部内の空間を閉空間とするものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の基板処理用静電吸着
    機構。
  4. 【請求項4】 前記周縁凸部の幅は、2mm以下又は基
    板の厚さの2倍以下であることを特徴とする請求項3記
    載の基板処理用静電吸着機構。
  5. 【請求項5】 前記凹部は、底の浅い底浅凹部と底の深
    い底深凹部とから成るものであり、前記ガス導入路の出
    口開口は底深凹部に設けられており、底深凹部は、静電
    吸着ステージの中心軸に対して中心対称状に形成された
    溝であって熱交換用ガスを均一に拡散させて底浅凹部に
    導入するものであることを特徴とする請求項1記載の基
    板処理用静電吸着機構。
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