JP2002270228A - 電 池 - Google Patents

電 池

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JP2002270228A
JP2002270228A JP2001068817A JP2001068817A JP2002270228A JP 2002270228 A JP2002270228 A JP 2002270228A JP 2001068817 A JP2001068817 A JP 2001068817A JP 2001068817 A JP2001068817 A JP 2001068817A JP 2002270228 A JP2002270228 A JP 2002270228A
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negative electrode
battery
lithium
electrolyte
battery according
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Application number
JP2001068817A
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English (en)
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Shigeru Fujita
茂 藤田
Hiroyuki Akashi
寛之 明石
Momoe Adachi
百恵 足立
Goro Shibamoto
悟郎 柴本
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解質の化学的安定性を改善し、特性を向上
させることができる電池を提供する。 【解決手段】 帯状の正極21と負極22とがセパレー
タ23を介して巻回された巻回電極体20を備える。負
極22には充電の途中においてリチウム金属が析出する
ようになっており、負極22の容量は、リチウムの吸蔵
・離脱による容量成分とリチウム金属の析出・溶解によ
る容量成分との和により表される。セパレータ23には
溶媒に電解質塩が溶解された電解液が含浸されており、
溶媒は1,3ジメチル−2−イミダゾリジノンや1,
1,3,3−テトラメチルウレアなどのNCON構造を
有する物質を含んでいる。これにより電解質の化学的安
定性が向上し、副反応が抑制され、充放電サイクル特性
が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極および負極と
共に電解質を備えた電池に係り、特に、負極の容量が軽
金属の吸蔵および離脱による容量成分と、軽金属の析出
および溶解による容量成分との和により表される電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR(ビデオテー
プレコーダ),携帯電話あるいはラップトップコンピュ
ータに代表されるポータブル電子機器が広く普及し、そ
れらの小型化、軽量化および長時間連続駆動が強く求め
られている。それに伴い、それらのポータブル電源とし
て、二次電池の高容量化および高エネルギー密度化の要
求が高まっている。
【0003】高エネルギー密度を得ることができる二次
電池としては、例えば、負極に炭素材料などのリチウム
(Li)を吸蔵および離脱することが可能な材料を用い
たリチウムイオン二次電池や、あるいは負極にリチウム
金属を用いたリチウム二次電池がある。特に、リチウム
二次電池は、リチウム金属の理論電気化学当量が205
4mAh/dm3 と大きく、リチウムイオン二次電池で
用いられる黒鉛材料の2.5倍にも相当するので、リチ
ウムイオン二次電池を上回る高いエネルギー密度を得ら
れるものと期待されている。これまでも、多くの研究者
等によりリチウム二次電池の実用化に関する研究開発が
なされてきた(例えば、Lithium Batteries,Jean-Paul
Gabano編, Academic Press(1983)) 。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ム二次電池は、充放電を繰り返した際の放電容量の劣化
が大きく、実用化が難しいという問題があった。この容
量劣化は、リチウム二次電池が負極においてリチウム金
属の析出・溶解反応を利用していることに基づいてお
り、充放電に伴い、正負極間で移動するリチウムイオン
に対応して負極の体積が容量分だけ大きく増減するの
で、負極の体積が大きく変化し、リチウム金属結晶の溶
解反応および再結晶化反応が可逆的に進みづらくなって
しまうことによるものである。しかも、負極の体積変化
は高エネルギー密度を実現しようとするほど大きくな
り、容量劣化もいっそう著しくなる。
【0005】そこで本発明者等は、負極の容量がリチウ
ムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶
解による容量成分との和により表される二次電池を新た
に開発した。これは、負極にリチウムを吸蔵および離脱
することが可能な炭素材料を用い、充電の途中において
炭素材料の表面にリチウムを析出させるようにしたもの
である。この二次電池によれば、高エネルギー密度を達
成しつつ、充放電サイクル特性を向上させることが期待
できる。しかし、この二次電池を実用化するには、さら
なる特性の向上および安定化を図る必要があり、それに
は電極材料のみならず、電解質に関する研究開発も必要
不可欠である。特に、電解質と電極との間に副反応が生
じ、その副反応生成物が電極表面に堆積すると電池の内
部抵抗が増加してしまい、充放電サイクル特性が著しく
劣化してしまう。つまり、電解質の化学的安定性は非常
に重要な問題である。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、電解質の化学的安定性を改善し、特
性を向上させることができる電池を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による電池は、正
極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極
の容量は、軽金属の吸蔵および離脱による容量成分と、
軽金属の析出および溶解による容量成分との和により表
され、電解質は化6に示したNCON構造を有する物質
を含むものである。
【化6】
【0008】本発明による電池では、電解質が化6に示
したNCON構造を有する物質を含んでいるので、電解
質の化学的安定性が改善され、例えば、負極と電解質と
の副反応が抑制される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0010】図1は本発明の一実施の形態に係る二次電
池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわ
ゆるジェリーロール型といわれるものであり、ほぼ中空
円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極2
2とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体2
0を有している。電池缶11は、例えばニッケルのめっ
きがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され
他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回
電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の
絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
【0011】電池缶11の開放端部には、電池蓋14
と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15
および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficie
nt;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してか
しめられることにより取り付けられており、電池缶11
の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池
缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構
15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的
に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱な
どにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク
板15aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電
気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子1
6は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限
し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例
えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構
成されている。ガスケット17は、例えば、絶縁材料に
より構成されており、表面にはアスファルトが塗布され
ている。
【0012】巻回電極体20は、例えば、センターピン
24を中心に巻回されている。巻回電極体20の正極2
1にはアルミニウムなどよりなる正極リード25が接続
されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リ
ード26が接続されている。正極リード25は安全弁機
構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接
続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され
電気的に接続されている。
【0013】図2は図1に示した巻回電極体20の一部
を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向
する一対の面を有する正極集電体21aの両面に正極合
剤層21bが設けられた構造を有している。なお、図示
はしないが、正極集電体21aの片面のみに正極合剤層
21bを設けるようにしてもよい。正極集電体21a
は、例えば、厚みが5μm〜50μm程度であり、アル
ミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金
属箔により構成されている。正極合剤層21bは、例え
ば、厚みが80μm〜250μmであり、軽金属である
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料を
含んで構成されている。なお、正極合剤層21bの厚み
は、正極合剤層21bが正極集電体21aの両面に設け
られている場合には、その合計の厚みである。
【0014】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物,リチウ
ム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチ
ウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合
して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするに
は、一般式Lix MO2 で表されるリチウム複合酸化物
あるいはリチウムを含んだ層間化合物が好ましい。な
お、Mは1種類以上の遷移金属が好ましく、具体的に
は、コバルト(Co),ニッケル(Ni),マンガン
(Mn),鉄(Fe),アルミニウム(Al),バナジ
ウム(V)およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1
種が好ましい。xは、電池の充放電状態によって異な
り、通常、0.05≦x≦1.10の範囲内の値であ
る。また、他にも、スピネル型結晶構造を有するLiM
2 4 、あるいはオリビン型結晶構造を有するLiF
ePO4 なども高いエネルギー密度を得ることができる
ので好ましい。
【0015】なお、このような正極材料は、例えば、リ
チウムの炭酸塩,硝酸塩,酸化物あるいは水酸化物と、
遷移金属の炭酸塩,硝酸塩,酸化物あるいは水酸化物と
を所望の組成になるように混合し、粉砕した後、酸素雰
囲気中において600℃〜1000℃の範囲内の温度で
焼成することにより調製される。
【0016】正極合剤層21bは、また、例えば導電剤
を含んでおり、必要に応じて更に結着剤を含んでいても
よい。導電剤としては、例えば、黒鉛,カーボンブラッ
クあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料があげら
れ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられ
る。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であ
れば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるよ
うにしてもよい。結着剤としては、例えば、スチレンブ
タジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピ
レンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリビニリデン
フルオロライドなどの高分子材料が挙げられ、そのうち
の1種または2種以上を混合して用いられる。例えば、
図1に示したように正極21および負極22が巻回され
ている場合には、結着剤として柔軟性に富むスチレンブ
タジエン系ゴムあるいはフッ素系ゴムなどを用いること
が好ましい。
【0017】負極22は、例えば、対向する一対の面を
有する負極集電体22aの両面に負極合剤層22bが設
けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負
極集電体22aの片面のみに負極合剤層22bを設ける
ようにしてもよい。負極集電体22aは、良好な電気化
学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する銅
箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔によ
り構成されている。特に、銅箔は高い電気伝導性を有す
るので最も好ましい。負極集電体22aの厚みは、例え
ば、6μm〜40μm程度であることが好ましい。6μ
mよりも薄いと機械的強度が低下し、製造工程において
負極集電体22aが断裂しやすく、生産効率が低下して
しまうからであり、40μmよりも厚いと電池内におけ
る負極集電体22aの体積比が必要以上に大きくなり、
エネルギー密度を高くすることが難しくなるからであ
る。
【0018】負極合剤層22bは、軽金属であるリチウ
ムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料のいずれ
か1種または2種以上を含んで構成されており、必要に
応じて、例えば正極合剤層21bと同様の結着剤を含ん
でいてもよい。負極合剤層22bの厚みは、例えば、8
0μm〜250μmである。この厚みは、負極合剤層2
2bが負極集電体22aの両面に設けられている場合に
は、その合計の厚みである。
【0019】なお、本明細書において軽金属の吸蔵・離
脱というのは、軽金属イオンがそのイオン性を失うこと
なく電気化学的に吸蔵・離脱されることを言う。これ
は、吸蔵された軽金属が完全なイオン状態で存在する場
合のみならず、完全なイオン状態とは言えない状態で存
在する場合も含む。これらに該当する場合としては、例
えば、黒鉛に対する軽金属イオンの電気化学的なインタ
カレーション反応による吸蔵が挙げられる。また、金属
間化合物あるいは合金の形成による軽金属の吸蔵も挙げ
ることができる。
【0020】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な負極材料としては、例えば、黒鉛,難黒鉛化性炭素あ
るいは易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。こ
れら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非
常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共
に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので
好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエ
ネルギー密度を得ることができ好ましい。
【0021】黒鉛としては、例えば、真密度が2.10
g/cm3 以上のものが好ましく、2.18g/cm3
以上のものであればより好ましい。なお、このような真
密度を得るには、(002)面のC軸結晶子厚みが1
4.0nm以上であることが必要である。また、(00
2)面の面間隔は0.340nm未満であることが好ま
しく、0.335nm以上0.337nm以下の範囲内
であればより好ましい。
【0022】黒鉛は、天然黒鉛でも人造黒鉛でもよい。
人造黒鉛であれば、例えば、有機材料を炭化して高温熱
処理を行い、粉砕・分級することにより得られる。高温
熱処理は、例えば、必要に応じて窒素(N2 )などの不
活性ガス気流中において300℃〜700℃で炭化し、
毎分1℃〜100℃の速度で900℃〜1500℃まで
昇温してこの温度を0時間〜30時間程度保持し仮焼す
ると共に、2000℃以上、好ましくは2500℃以上
に加熱し、この温度を適宜の時間保持することにより行
う。
【0023】出発原料となる有機材料としては、石炭あ
るいはピッチを用いることができる。ピッチには、例え
ば、コールタール,エチレンボトム油あるいは原油など
を高温で熱分解することにより得られるタール類、アス
ファルトなどを蒸留(真空蒸留,常圧蒸留あるいはスチ
ーム蒸留),熱重縮合,抽出,化学重縮合することによ
り得られるもの、木材還流時に生成されるもの、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチ
ラートまたは3,5−ジメチルフェノール樹脂がある。
これらの石炭あるいはピッチは、炭化の途中最高400
℃程度において液体として存在し、その温度で保持され
ることで芳香環同士が縮合・多環化し、積層配向した状
態となり、そののち約500℃以上で固体の炭素前駆
体、すなわちセミコークスとなる(液相炭素化過程)。
【0024】有機材料としては、また、ナフタレン,フ
ェナントレン,アントラセン,トリフェニレン,ピレ
ン,ペリレン,ペンタフェン,ペンタセンなどの縮合多
環炭化水素化合物あるいはその誘導体(例えば、上述し
た化合物のカルボン酸,カルボン酸無水物,カルボン酸
イミド)、またはそれらの混合物を用いることができ
る。更に、アセナフチレン,インドール,イソインドー
ル,キノリン,イソキノリン,キノキサリン,フタラジ
ン,カルバゾール,アクリジン,フェナジン,フェナン
トリジンなどの縮合複素環化合物あるいはその誘導体、
またはそれらの混合物を用いることもできる。
【0025】なお、粉砕は、炭化,仮焼の前後、あるい
は黒鉛化前の昇温過程の間のいずれで行ってもよい。こ
れらの場合には、最終的に粉末状態で黒鉛化のための熱
処理が行われる。但し、嵩密度および破壊強度の高い黒
鉛粉末を得るには、原料を成型したのち熱処理を行い、
得られた黒鉛化成型体を粉砕・分級することが好まし
い。
【0026】例えば、黒鉛化成型体を作製する場合に
は、フィラーとなるコークスと、成型剤あるいは焼結剤
となるバインダーピッチとを混合して成型したのち、こ
の成型体を1000℃以下の低温で熱処理する焼成工程
と、焼成体に溶融させたバインダーピッチを含浸させる
ピッチ含浸工程とを数回繰り返してから、高温で熱処理
する。含浸させたバインダーピッチは、以上の熱処理過
程で炭化し、黒鉛化される。ちなみに、この場合には、
フィラー(コークス)とバインダーピッチとを原料にし
ているので多結晶体として黒鉛化し、また原料に含まれ
る硫黄や窒素が熱処理時にガスとなって発生することか
ら、その通り路に微小な空孔が形成される。よって、こ
の空孔により、リチウムの吸蔵・離脱反応が進行し易し
くなると共に、工業的に処理効率が高いという利点もあ
る。なお、成型体の原料としては、それ自身に成型性、
焼結性を有するフィラーを用いてもよい。この場合に
は、バインダーピッチの使用は不要である。
【0027】難黒鉛化性炭素としては、(002)面の
面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm
3 未満であると共に、空気中での示差熱分析(differen
tialthermal analysis ;DTA)において700℃以
上に発熱ピークを示さないものが好ましい。
【0028】このような難黒鉛化性炭素は、例えば、有
機材料を1200℃程度で熱処理し、粉砕・分級するこ
とにより得られる。熱処理は、例えば、必要に応じて3
00℃〜700℃で炭化した(固相炭素化過程)のち、
毎分1℃〜100℃の速度で900℃〜1300℃まで
昇温し、この温度を0〜30時間程度保持することによ
り行う。粉砕は、炭化の前後、あるいは昇温過程の間で
行ってもよい。
【0029】出発原料となる有機材料としては、例え
ば、フルフリルアルコールあるいはフルフラールの重合
体,共重合体、またはこれらの高分子と他の樹脂との共
重合体であるフラン樹脂を用いることができる。また、
フェノール樹脂,アクリル樹脂,ハロゲン化ビニル樹
脂,ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリアミ
ド樹脂,ポリアセチレンあるいはポリパラフェニレンな
どの共役系樹脂、セルロースあるいはその誘導体、コー
ヒー豆類、竹類、キトサンを含む甲殻類、バクテリアを
利用したバイオセルロース類を用いることもできる。更
に、水素原子(H)と炭素原子(C)との原子数比H/
Cが例えば0.6〜0.8である石油ピッチに酸素
(O)を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)させた
化合物を用いることもできる。
【0030】この化合物における酸素の含有率は3%以
上であることが好ましく、5%以上であればより好まし
い(特開平3−252053号公報参照)。酸素の含有
率は炭素材料の結晶構造に影響を与え、これ以上の含有
率において難黒鉛化性炭素の物性を高めることができ、
負極22の容量を向上させることができるからである。
ちなみに、石油ピッチは、例えば、コールタール,エチ
レンボトム油あるいは原油などを高温で熱分解すること
により得られるタール類、またはアスファルトなどを、
蒸留(真空蒸留,常圧蒸留あるいはスチーム蒸留),熱
重縮合,抽出あるいは化学重縮合することにより得られ
る。また、酸化架橋形成方法としては、例えば、硝酸,
硫酸,次亜塩素酸あるいはこれらの混酸などの水溶液と
石油ピッチとを反応させる湿式法、空気あるいは酸素な
どの酸化性ガスと石油ピッチとを反応させる乾式法、ま
たは硫黄,硝酸アンモニウム,過硫酸アンモニア,塩化
第二鉄などの固体試薬と石油ピッチとを反応させる方法
を用いることができる。
【0031】なお、出発原料となる有機材料はこれらに
限定されず、酸素架橋処理などにより固相炭化過程を経
て難黒鉛化性炭素となり得る有機材料であれば、他の有
機材料でもよい。
【0032】難黒鉛化性炭素としては、上述した有機材
料を出発原料として製造されるものの他、特開平3−1
37010号公報に記載されているリン(P)と酸素と
炭素とを主成分とする化合物も、上述した物性パラメー
タを示すので好ましい。
【0033】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な負極材料としては、また、リチウムと合金あるいは化
合物を形成可能な金属あるいは半導体、またはこれらの
合金あるいは化合物が挙げられる。これらは高いエネル
ギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素
材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得
ることができると共に、優れたサイクル特性を得ること
ができるのでより好ましい。
【0034】このような金属あるいは半導体としては、
例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(A
l)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Z
n)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウ
ム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀
(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)
およびイットリウム(Y)が挙げられる。これらの合金
あるいは化合物としては、例えば、化学式Mas Mbt
Liu 、あるいは化学式Map Mcq Mdr で表される
ものが挙げられる。これら化学式において、Maはリチ
ウムと合金あるいは化合物を形成可能な金属元素および
半導体元素のうちの少なくとも1種を表し、Mbはリチ
ウムおよびMa以外の金属元素および半導体元素のうち
少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも
1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半導体元
素のうち少なくとも1種を表す。また、s、t、u、
p、qおよびrの値はそれぞれs>0、t≧0、u≧
0、p>0、q>0、r≧0である。
【0035】中でも、4B族の金属元素あるいは半導体
元素、またはそれらの合金あるいは化合物が好ましく、
特に好ましいのはケイ素あるいはスズ、またはそれらの
合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでも
アモルファスのものでもよい。
【0036】このような合金あるいは化合物について具
体的に例を挙げれば、LiAl、AlSb、CuMgS
b、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Mg2 Sn、N
2Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、Ni
Si2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeS
2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VS
2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、S
2 2 O、SiOv (0<v≦2)、SnOw (0<
w≦2)、SnSiO3 、LiSiOあるいはLiSn
Oなどがある。
【0037】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高
分子材料が挙げられる。他の金属化合物としては、酸化
鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブデンなどの酸化
物や、あるいはLiN3 などが挙げられ、高分子材料と
してはポリアセチレン,ポリアニリンあるいはポリピロ
ールなどが挙げられる。
【0038】また、この二次電池では、充電の過程にお
いて、開回路電圧(すなわち電池電圧)が過充電電圧よ
りも低い時点で負極22にリチウム金属が析出し始める
ようになっている。つまり、開回路電圧が過充電電圧よ
りも低い状態において負極22にリチウム金属が析出し
ており、負極22の容量は、リチウムの吸蔵・離脱によ
る容量成分と、リチウム金属の析出・溶解による容量成
分との和で表される。従って、この二次電池では、リチ
ウムを吸蔵・離脱可能な負極材料とリチウム金属との両
方が負極活物質として機能し、リチウムを吸蔵・離脱可
能な負極材料はリチウム金属が析出する際の基材となっ
ている。
【0039】なお、過充電電圧というのは、電池が過充
電状態になった時の開回路電圧を指し、例えば、日本蓄
電池工業会(電池工業会)の定めた指針の一つである
「リチウム二次電池安全性評価基準ガイドライン」(S
BA G1101)に記載され定義される「完全充電」
された電池の開回路電圧よりも高い電圧を指す。また換
言すれば、各電池の公称容量を求める際に用いた充電方
法、標準充電方法、もしくは推奨充電方法を用いて充電
した後の開回路電圧よりも高い電圧を指す。具体的に
は、この二次電池では、例えば開回路電圧が4.2Vの
時に完全充電となり、開回路電圧が0V以上4.2V以
下の範囲内の一部においてリチウムを吸蔵・離脱可能な
負極材料の表面にリチウム金属が析出している。
【0040】これにより、この二次電池では、高いエネ
ルギー密度を得ることができると共に、サイクル特性お
よび急速充電特性を向上させることができるようになっ
ている。これは、負極22にリチウム金属を析出させる
という点では負極にリチウム金属あるいはリチウム合金
を用いた従来のリチウム二次電池と同様であるが、リチ
ウムを吸蔵・離脱可能な負極材料にリチウム金属を析出
させるようにしたことにより、次のような利点が生じる
ためであると考えられる。
【0041】第1に、従来のリチウム二次電池ではリチ
ウム金属を均一に析出させることが難しく、それがサイ
クル特性を劣化させる原因となっていたが、リチウムを
吸蔵・離脱可能な負極材料は一般的に表面積が大きいの
で、この二次電池ではリチウム金属を均一に析出させる
ことができることである。第2に、従来のリチウム二次
電池ではリチウム金属の析出・溶出に伴う体積変化が大
きく、それもサイクル特性を劣化させる原因となってい
たが、この二次電池ではリチウムを吸蔵・離脱可能な負
極材料の粒子間の隙間にもリチウム金属が析出するので
体積変化が少ないことである。第3に、従来のリチウム
二次電池ではリチウム金属の析出・溶解量が多ければ多
いほど上記の問題も大きくなるが、この二次電池ではリ
チウムを吸蔵・離脱可能な負極材料によるリチウムの吸
蔵・離脱も充放電容量に寄与するので、電池容量が大き
いわりにはリチウム金属の析出・溶解量が小さいことで
ある。第4に、従来のリチウム二次電池では急速充電を
行うとリチウム金属がより不均一に析出してしまうので
サイクル特性が更に劣化してしまうが、この二次電池で
は充電初期においてはリチウムを吸蔵・離脱可能な負極
材料にリチウムが吸蔵されるので急速充電が可能となる
ことである。
【0042】これらの利点をより効果的に得るために
は、例えば、開回路電圧が過充電電圧になる前の最大電
圧時において負極22に析出するリチウム金属の最大析
出容量は、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の充電
容量能力の0.05倍以上3.0倍以下であることが好
ましい。リチウム金属の析出量が多過ぎると従来のリチ
ウム二次電池と同様の問題が生じてしまい、少な過ぎる
と充放電容量を十分に大きくすることができないからで
ある。また、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極
材料の放電容量能力は、150mAh/g以上であるこ
とが好ましい。リチウムの吸蔵・離脱能力が大きいほど
リチウム金属の析出量は相対的に少なくなるからであ
る。なお、負極材料の充電容量能力は、例えば、リチウ
ム金属を対極として、この負極材料を負極活物質とした
負極について0Vまで定電流・定電圧法で充電した時の
電気量から求められる。負極材料の放電容量能力は、例
えば、これに引き続き、定電流法で10時間以上かけて
2.5Vまで放電した時の電気量から求められる。
【0043】セパレータ23は、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレン
などの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多
孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質
膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオ
レフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつ
シャットダウン効果による電池の安全性向上を図ること
ができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100
℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効
果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れて
いるので、セパレータ23を構成する材料として好まし
い。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも化学的安
定性を備えた樹脂であればポリエチレンあるいはポリプ
ロピレンと共重合させたり、またはブレンド化すること
で用いることができる。
【0044】このポリオレフィン製の多孔質膜は、例え
ば、溶融状態のポリオレフィン組成物に溶融状態で液状
の低揮発性溶媒を混練し、均一なポリオレフィン組成物
の高濃度溶液としたのち、これをダイスにより成型し、
冷却してゲル状シートとし、延伸することにより得られ
る。
【0045】低揮発性溶媒としては、例えば、ノナン,
デカン,デカリン,p−キシレン,ウンデカンあるいは
流動パラフィンなどの低揮発性脂肪族または環式の炭化
水素を用いることができる。ポリオレフィン組成物と低
揮発性溶媒との配合割合は、両者の合計を100質量%
として、ポリオレフィン組成物が10質量%以上80質
量%以下、更には15質量%以上70質量%以下である
ことが好ましい。ポリオレフィン組成物が少なすぎる
と、成型時にダイス出口で膨潤あるいはネックインが大
きくなり、シート成形が困難となるからである。一方、
ポリオレフィン組成物が多すぎると、均一な溶液を調製
することが難しいからである。
【0046】ポリオレフィン組成物の高濃度溶液をダイ
スにより成型する際には、シートダイスの場合、ギャッ
プは例えば0.1mm以上5mm以下とすることが好ま
しい。また、押し出し温度は140℃以上250℃以
下、押し出し速度は2cm/分以上30cm/分以下と
することが好ましい。
【0047】冷却は、少なくともゲル化温度以下まで行
う。冷却方法としては、冷風,冷却水,その他の冷却媒
体に直接接触させる方法、または冷媒で冷却したロール
に接触させる方法などを用いることができる。なお、ダ
イスから押し出したポリオレフィン組成物の高濃度溶液
は、冷却前あるいは冷却中に1以上10以下、好ましく
は1以上5以下の引取比で引き取ってもよい。引取比が
大きすぎると、ネックインが大きくなり、また延伸する
際に破断も起こしやすくなり、好ましくないからであ
る。
【0048】ゲル状シートの延伸は、例えば、このゲル
状シートを加熱し、テンター法、ロール法、圧延法ある
いはこれらを組み合わせた方法により、二軸延伸で行う
ことが好ましい。その際、縦横同時延伸でも、逐次延伸
のいずれでもよいが、特に、同時二次延伸が好ましい。
延伸温度は、ポリオレフィン組成物の融点に10℃を加
えた温度以下、更には結晶分散温度以上融点未満とする
ことが好ましい。延伸温度が高すぎると、樹脂の溶融に
より延伸による効果的な分子鎖配向ができず好ましくな
いからであり、延伸温度が低すぎると、樹脂の軟化が不
十分となり、延伸の際に破膜しやすく、高倍率の延伸が
できないからである。
【0049】なお、ゲル状シートを延伸したのち、延伸
した膜を揮発溶剤で洗浄し、残留する低揮発性溶媒を除
去することが好ましい。洗浄したのちは、延伸した膜を
加熱あるいは送風により乾燥させ、洗浄溶媒を揮発させ
る。洗浄溶剤としては、例えば、ペンタン,ヘキサン,
ヘブタンなどの炭化水素、塩化メチレン,四塩化炭素な
どの塩素系炭化水素、三フッ化エタンなどのフッ化炭
素、またはジエチルエーテル,ジオキサンなどのエーテ
ル類のように易揮発性のものを用いる。洗浄溶剤は用い
た低揮発性溶媒に応じて選択され、単独あるいは混合し
て用いられる。洗浄は、揮発性溶剤に浸漬して抽出する
方法、揮発性溶剤を振り掛ける方法、あるいはこれらを
組み合わせた方法により行うことができる。この洗浄
は、延伸した膜中の残留低揮発性溶媒がポリオレフィン
組成物100質量部に対して1質量部未満となるまで行
う。
【0050】セパレータ23には、液状の電解質である
電解液が含浸されている。この電解液は、液状の溶媒、
例えば有機溶剤などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解
された電解質塩であるリチウム塩とを含んでいる。液状
の非水溶媒というのは、例えば、非水化合物よりなり、
25℃における固有粘度が10.0mPa・s以下のも
のを言う。
【0051】このような非水溶媒としては、例えば、環
状炭酸エステルあるいは鎖状炭酸エステルにより代表さ
れる物質の1種または2種以上を混合したものが好まし
い。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,
2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチ
ルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メ
チル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン
酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニ
トリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチル
ピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、ニトロメ
タン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキ
シド、燐酸トリメチルおよびこれらの化合物の水酸基の
一部または全部をフッ素基に置換したものなどが挙げら
れる。
【0052】中でも、優れた充放電容量特性および充放
電サイクル特性を実現するには、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネート
のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0053】また、非水溶媒は化7に示したNCON構
造を有する物質を含んでおり、これにより本実施の形態
では、電解質の化学的安定性が向上し、電極と電解質と
の副反応を抑制することができるようになっている。
【0054】
【化7】
【0055】NCON構造を有する物質としては、例え
ば、化8に示した環状化合物あるいは化9に示した鎖状
化合物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上
が混合して用いられることが好ましい。具体的には、化
10に示した1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、あるいは化11に示した1,1,3,3−テトラメ
チルウレアなどが挙げられる。なお、NCON構造を有
する物質には分子量が大きくなると固体状のものもある
が、例えば他の溶媒に溶解されることによりその効果を
得ることができるので、液状のものに限らず、固体状の
ものを用いてもよい。
【0056】
【化8】 (式中、R1,R2およびR3は、アルキル基またはア
ルキル基に含まれる水素の少なくとも一部がハロゲンで
置換された基を表す。)
【0057】
【化9】 (式中、R4,R5,R6およびR7は、アルキル基ま
たはアルキル基に含まれる水素の少なくとも一部がハロ
ゲンで置換された基を表す。)
【0058】
【化10】
【0059】
【化11】
【0060】これらNCON構造を有する物質の溶媒に
おける含有量(濃度)は、0.01質量%以上40質量
%以下であることが好ましい。0.01質量%よりも少
ないと、電解質の化学的安定性を十分に向上させること
ができず、40質量%を超えると、電解質の電気化学的
安定性を十分に持つことが難しいからである。
【0061】リチウム塩としては、例えば、LiAsF
6 、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiB
(C6 5 4 、LiCH3 SO3 、LiCF3
3 、LiN(SO2 CF3 2 、LiC(SO2 CF
3 3 、LiAlCl4 、LiSiF6 、LiClおよ
びLiBrなどが挙げられ、これらのうちのいずれか1
種または2種以上が混合して用いられる。リチウム塩の
含有量は溶媒に対して3.0mol/kg以下であるこ
とが好ましく、0.5mol/kg以上であればより好
ましい。この範囲内において電解液のイオン伝導度を高
くすることができるからである。
【0062】なお、電解液に代えて、ホスト高分子化合
物に電解液を保持させたゲル状の電解質を用いてもよ
い。ゲル状の電解質は、イオン伝導度が室温で1mS/
cm以上であるものであればよく、組成およびホスト高
分子化合物の構造に特に限定はない。電解液(すなわち
液状の溶媒および電解質塩)については上述のとおりで
ある。ホスト高分子化合物としては、例えば、ポリアク
リロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
リデンとポリヘキサフルオロプロピレンの共重合体、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピ
レン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブ
タジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレ
ンあるいはポリカーボネートが挙げられる。特に、電気
化学的安定性の点からは、ポリアクリロニトリル、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンある
いはポリエチレンオキサイドの構造を持つ高分子化合物
を用いることが望ましい。電解液に対するホスト高分子
化合物の添加量は、両者の相溶性によっても異なるが、
通常、電解液の5質量%〜50質量%に相当するホスト
高分子化合物を添加することが好ましい。
【0063】また、NCON構造を有する物質の含有量
およびリチウム塩の含有量は、電解液の場合と同様であ
る。但し、ここで溶媒というのは、液状の溶媒のみを意
味するのではなく、電解質塩を解離させることができ、
イオン伝導性を有するものを広く含む概念である。よっ
て、ホスト高分子化合物にイオン伝導性を有するものを
用いる場合には、そのホスト高分子化合物も溶媒に含ま
れる。
【0064】この二次電池は、例えば、次のようにして
製造することができる。
【0065】まず、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可能
な正極材料と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤
を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン
などの溶剤に分散してペースト状の正極合剤スラリーと
する。この正極合剤スラリーを正極集電体21aに塗布
し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧
縮成型して正極合剤層21bを形成し、正極21を作製
する。
【0066】次いで、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可
能な負極材料と、結着剤とを混合して負極合剤を調製
し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの
溶剤に分散してペースト状の負極合剤スラリーとする。
この負極合剤スラリーを負極集電体22aに塗布し溶剤
を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型
して負極合剤層22bを形成し、負極22を作製する。
【0067】続いて、正極集電体21aに正極リード2
5を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22
aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。その
のち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して
巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶
接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に
溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶
縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正
極21および負極22を電池缶11の内部に収納したの
ち、電解質を電池缶11の内部に注入し、セパレータ2
3に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電
池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガ
スケット17を介してかしめることにより固定する。こ
れにより、図1に示した二次電池が形成される。
【0068】この二次電池は次のように作用する。
【0069】この二次電池では、充電を行うと、正極合
剤層21bからリチウムイオンが離脱し、セパレータ2
3に含浸された電解液を介して、まず、負極合剤層22
bに含まれるリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料に吸
蔵される。更に充電を続けると、開回路電圧が過充電電
圧よりも低い状態において、充電容量がリチウムを吸蔵
・離脱可能な負極材料の充電容量能力を超え、リチウム
を吸蔵・離脱可能な負極材料の表面にリチウム金属が析
出し始める。そののち、充電を終了するまで負極22に
はリチウム金属が析出し続ける。これにより、負極合剤
層22bの外観は、例えばリチウムを吸蔵・離脱可能な
負極材料として炭素材料を用いる場合、黒色から黄金
色、更には白銀色へと変化する。
【0070】次いで、放電を行うと、まず、負極22に
析出したリチウム金属がイオンとなって溶出し、セパレ
ータ23に含浸された電解液を介して、正極合剤層21
bに吸蔵される。更に放電を続けると、負極合剤層22
b中のリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料に吸蔵され
たリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極合剤層
21bに吸蔵される。よって、この二次電池では、従来
のいわゆるリチウム二次電池およびリチウムイオン二次
電池の両方の特性、すなわち高いエネルギー密度および
良好な充放電サイクル特性が得られる。
【0071】特に本実施の形態では、電解質がNCON
構造を有する物質を含んでいるので、電解質の化学的安
定性が向上し、副反応が抑制され、充放電サイクル特性
などの電池特性が改善される。
【0072】このように、本実施の形態によれば、電解
質がNCON構造を有する物質を含むようにしたので、
電解質の化学的安定性を向上させることができ、副反応
を抑制することができる。よって、充放電サイクル特性
などの電池特性を向上させることができる。
【0073】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について、図
1および図2を参照して詳細に説明する。
【0074】(実施例1〜14)まず、炭酸リチウム
(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを、
Li2 CO3 :CoCO3 =0.5:1(モル比)の割
合で混合し、空気中において900℃で5時間焼成し
て、正極材料としてのリチウム・コバルト複合酸化物
(LiCoO2 )を得た。次いで、このリチウム・コバ
ルト複合酸化物91質量部と、導電剤であるグラファイ
ト6質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質
量部とを混合して正極合剤を調整した。続いて、この正
極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散
して正極合剤スラリーとし、厚み20μmの帯状アルミ
ニウム箔よりなる正極集電体21aの両面に均一に塗布
して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極合剤
層21bを形成し、厚み174μmの正極21を作製し
た。そののち、正極集電体21aの一端にアルミニウム
製の正極リード25を取り付けた。
【0075】また、負極材料として(002)面の面間
隔が0.3358nmの粒状人造黒鉛粉末を用意し、こ
の粒状人造黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリフ
ッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調整
した。次いで、この負極合剤を溶媒であるN−メチル−
2−ピロリドンに分散させてスラリー状としたのち、厚
さ10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22aの両面
に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型
して負極合剤層22bを形成し、厚み130μmの負極
22を作製した。続いて、負極集電体22aの一端にニ
ッケル製の負極リード26を取り付けた。
【0076】正極21および負極22をそれぞれ作製し
たのち、厚み25μmの微多孔性ポリプロピレンフィル
ムよりなるセパレータ23を用意し、負極22,セパレ
ータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこ
の積層体を渦巻状に多数回巻回し、巻回電極体20を作
製した。
【0077】巻回電極体20を作製したのち、巻回電極
体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード2
6を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安
全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめ
っきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。そのの
ち、電池缶11の内部に電解液を減圧方式により注入し
た。
【0078】電解液には、エチレンカーボネート35質
量%と、ジメチルカーボネート50質量%と、エチルメ
チルカーボネート15質量%とを混合した混合物に、N
CON構造を有する物質として1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンまたは1,1,3,3−テトラメチル
ウレアを添加して溶媒を形成し、それに電解質塩として
LiPF6 を1.2mol/kgの濃度で溶解させたも
のを用いた。その際、溶媒におけるNCON構造を有す
る物質の含有量は、実施例1〜14で表1に示したよう
に変化させた。
【0079】
【表1】
【0080】電池缶11の内部に電解液を注入したの
ち、表面にアスファルトを塗布したガスケット17を介
して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、実
施例1〜14について直径14mm、高さ65mmのジ
ェリーロール型二次電池を得た。
【0081】得られた実施例1〜14の二次電池につい
て、23℃の環境下で充放電試験を行い、定格放電容量
および放電容量維持率を求めた。その際、充電は、40
0mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行っ
たのち、4.2Vの定電圧で充電時間の総計が4時間に
達するまで行った。充電終了直前の正極21と負極22
との間の電圧は4.2V、電流値は5mA以下であっ
た。一方、放電は、400mAの定電流で電池電圧が
2.75Vに達するまで行った。ちなみに、ここに示し
た条件で充放電を行えば、完全充電状態および完全放電
状態となる。なお、定格放電容量は、2サイクル目の放
電容量とし、放電容量維持率は、2サイクル目の放電容
量に対する200サイクル目の放電容量の比率、すなわ
ち(200サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電
容量)×100として算出した。得られた結果を表1に
示す。
【0082】また、実施例1〜14の二次電池につい
て、上述した条件で1サイクル充放電を行ったのち再度
完全充電させたものを解体し、目視および 7Li核磁気
共鳴分光法により、負極合剤層22bにリチウム金属が
析出しているか否かを調べた。更に、上述した条件で2
サイクル充放電を行い、完全放電させたものを解体し、
同様にして、負極合剤層22bにリチウム金属が析出し
ているか否かを調べた。それらの結果も表1に示す。
【0083】本実施例に対する比較例1として、NCO
N構造を有する物質を添加しないことを除き、他は本実
施例と同様にして二次電池を作製した。また更に、本実
施例に対する比較例2〜4として、負極合剤層を厚くし
て負極の厚みを180μmとし、リチウムを吸蔵・離脱
可能な負極材料の量を増やして充電時にリチウム金属が
析出しないようにし、本実施例と同様にして二次電池を
作製した。その際、比較例2ではNCON構造を有する
物質を添加せず、比較例3ではNCON構造を有する物
質として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを用
い、比較例4では1,1,3,3−テトラメチルウレア
を用いた。それらの溶媒における含有量は、実施例1,
8と同じ1.0質量%とした。
【0084】比較例1〜4の二次電池についても、実施
例1〜14と同様にして充放電試験を行い、定格放電容
量、放電容量維持率および完全充電状態と完全放電状態
とにおけるリチウム金属の析出の有無を調べた。得られ
た結果を表1に示す。
【0085】表1に示したように、実施例1〜14およ
び比較例1では、完全充電状態において負極合剤層に白
銀色の析出物が見られ、 7Li核磁気共鳴分光法により
リチウム金属に帰属するピークが得られた。すなわち、
リチウム金属の析出が認められた。また、完全充電状態
では、 7Li核磁気共鳴分光法により、リチウムイオン
に帰属するピークも得られ、負極合剤層において黒鉛の
層間にリチウムイオンが吸蔵されていることが認められ
た。一方、完全放電状態では、負極合剤層は黒色で白銀
色の析出物は見られず、 7Li核磁気共鳴分光法によっ
ても、リチウム金属に帰属するピークは見られなかっ
た。また、リチウムイオンに帰属するピークはわずかに
認められる程度であった。すなわち、負極の容量は、リ
チウム金属の析出・溶解による容量成分とリチウムイオ
ンの吸蔵・離脱による容量成分との和により表されるこ
とが確認された。
【0086】これに対して、比較例2〜4では、完全充
電状態において、白銀色の析出物は認められず、黄金色
であり、 7Li核磁気共鳴分光法によってもリチウム金
属に帰属するピークは見られず、リチウムイオンに帰属
するピークのみが得られた。一方、完全放電状態では、
黒色であり、 7Li核磁気共鳴分光法によっても、リチ
ウム金属に帰属するピークは見られず、リチウムイオン
に帰属するピークがわずかに認められた。すなわち、負
極の容量は、リチウムイオンの吸蔵・離脱による容量に
より表され、比較例2〜4は既存のリチウムイオン二次
電池であることが確認された。
【0087】また、表1から分かるように、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノンを含む実施例1〜7およ
び1,1,3,3−テトラメチルウレアを含む実施例8
〜14は、それらを含まない比較例1に比べて、高い放
電容量維持率が得られた。これに対して、リチウムイオ
ン二次電池である比較例2〜4では、それらを含まない
比較例2も、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
または1,1,3,3−テトラメチルウレアを含む比較
例3,4も、放電容量維持率にほとんど差がなかった。
【0088】すなわち、溶媒に1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンまたは1,1,3,3−テトラメチル
ウレアを含むようにすれば、充放電サイクル特性を向上
させることができ、特に、負極22の容量が、軽金属の
吸蔵および離脱による容量成分と、軽金属の析出および
溶解による容量成分との和により表される二次電池にお
いて高い効果が得られることが分かった。
【0089】また、実施例1〜14の結果から、定格放
電容量および放電容量維持率は、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノンまたは1,1,3,3−テトラメチ
ルウレアの含有量を増加させると大きくなり、極大値を
示したのち小さくなる傾向が見られた。すなわち、溶媒
におけるそれらの含有量を0.01質量%以上40質量
%以下の範囲内とすれば、より高い効果を得られること
が分かった。
【0090】なお、上記実施例では、NCON構造を有
する物質について具体的に例を挙げて説明したが、上述
した効果は、化7に示したNCON分子構造に起因する
ものと考えられる。よって、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノンまたは1,1,3,3−テトラメチルウ
レア以外のものでも、上記化8または化9などで表され
る一般的な化合物であれば、同様の結果を得ることがで
きる。
【0091】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施
例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例
えば、上記実施の形態および実施例においては、軽金属
としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナト
リウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアル
カリ金属、またはマグネシウム(Mg)あるいはカルシ
ウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニ
ウム(Al)などの他の軽金属、またはリチウムあるい
はこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用
することができ、同様の効果を得ることができる。その
際、軽金属を吸蔵および離脱することが可能な負極材
料、正極材料、非水溶媒、あるいは電解質塩などは、そ
の軽金属に応じて選択される。但し、軽金属としてリチ
ウムまたはリチウムを含む合金を用いるようにすれば、
現在実用化されているリチウムイオン二次電池との電圧
互換性が高いので好ましい。なお、軽金属としてリチウ
ムを含む合金を用いる場合には、電解質中にリチウムと
合金を形成可能な物質が存在し、析出の際に合金を形成
してもよく、また、負極にリチウムと合金を形成可能な
物質が存在し、析出の際に合金を形成してもよい。
【0092】また、上記実施の形態および実施例におい
ては、電解液または固体状の電解質の1種であるゲル状
の電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質
を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例え
ば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分
散させた有機固体電解質、イオン伝導性セラミックス,
イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる
無機固体電解質、またはこれらの無機固体電解質と電解
液とを混合したもの、またはこれらの無機固体電解質と
ゲル状の電解質あるいは有機固体電解質とを混合したも
のが挙げられる。
【0093】更に、上記実施の形態および実施例におい
ては、巻回構造を有する円筒型の二次電池について説明
したが、本発明は、巻回構造を有する楕円型あるいは多
角形型の二次電池、または正極および負極を折り畳んだ
りあるいは積み重ねた構造を有する二次電池についても
同様に適用することができる。加えて、いわゆるコイン
型,ボタン型あるいはカード型など二次電池についても
適用することができる。また、二次電池に限らず、一次
電池についても適用することができる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項12のいずれか1に記載の電池によれば、電解質が化
1に示したNCON構造を有する物質を含むようにした
ので、電解質の化学的安定性を向上させることができ、
充放電サイクル特性などの電池特性を改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を
表す断面図である。
【図2】図1に示した二次電池における巻回電極体の一
部を拡大して表す断面図である。
【符号の説明】
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、1
5…安全弁機構、15a…ディスク板、16…熱感抵抗
素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正
極、21a…正極集電体、21b…正極合剤層、22…
負極、22a…負極集電体、22b…負極合剤層、23
…セパレータ、24…センターピン、25…正極リー
ド、26…負極リード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/44 H01M 4/44 4/46 4/46 4/48 4/48 4/54 4/54 4/56 4/56 4/58 4/58 (72)発明者 足立 百恵 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 柴本 悟郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AJ06 AJ07 AK03 AL01 AL06 AL07 AL11 AL12 AM02 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 BJ27 DJ17 DJ18 HJ01 HJ02 5H050 AA07 AA08 AA09 AA12 AA13 BA16 BA17 CA07 CA08 CA09 CB01 CB07 CB08 CB11 CB12 CB13 CB14 CB15 FA05 FA17 FA19 FA20 HA01 HA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極および負極と共に電解質を備えた電
    池であって、 前記負極の容量は、軽金属の吸蔵および離脱による容量
    成分と、軽金属の析出および溶解による容量成分との和
    により表され、 前記電解質は化1に示したNCON構造を有する物質を
    含むことを特徴とする電池。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記電解質は前記NCON構造を有する
    物質を含む溶媒を含有し、この溶媒における前記NCO
    N構造を有する物質の含有量は0.01質量%以上40
    質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の電
    池。
  3. 【請求項3】 前記NCON構造を有する物質は、化2
    に示した環状化合物および化3に示した鎖状化合物から
    なる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする
    請求項1記載の電池。 【化2】 (式中、R1,R2およびR3は、アルキル基またはア
    ルキル基に含まれる水素の少なくとも一部がハロゲンで
    置換された基を表す。) 【化3】 (式中、R4,R5,R6およびR7は、アルキル基ま
    たはアルキル基に含まれる水素の少なくとも一部がハロ
    ゲンで置換された基を表す。)
  4. 【請求項4】 前記NCON構造を有する物質は、化4
    に示した1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを含
    むことを特徴とする請求項3記載の電池。 【化4】
  5. 【請求項5】 前記NCON構造を有する物質は、化5
    に示した1,1,3,3−テトラメチルウレアを含むこ
    とを特徴とする請求項3記載の電池。 【化5】
  6. 【請求項6】 前記負極は前記軽金属を吸蔵および離脱
    することが可能な負極材料を含むことを特徴とする請求
    項1記載の電池。
  7. 【請求項7】 前記負極は炭素材料を含むことを特徴と
    する請求項6記載の電池。
  8. 【請求項8】 前記負極は、黒鉛、易黒鉛化性炭素およ
    び難黒鉛化性炭素からなる群のうちの少なくとも1種を
    含むことを特徴とする請求項7記載の電池。
  9. 【請求項9】 前記負極は黒鉛を含むことを特徴とする
    請求項8記載の電池。
  10. 【請求項10】 前記負極は、前記軽金属と合金または
    化合物を形成可能な金属、半導体、これらの合金、およ
    び化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする請求項6記載の電池。
  11. 【請求項11】 前記負極は、スズ(Sn),鉛(P
    b),アルミニウム(Al),インジウム(In),ケ
    イ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビ
    スマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム
    (Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニ
    ウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ハフニウム
    (Hf),ジルコニウム(Zr)およびイットリウム
    (Y)の単体、合金および化合物からなる群のうちの少
    なくとも1種を含むことを特徴とする請求項10記載の
    電池。
  12. 【請求項12】 前記軽金属はリチウム(Li)を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の電池。
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