JP2002270037A - 光硬化型導体インキ及び電極パターンの形成方法 - Google Patents

光硬化型導体インキ及び電極パターンの形成方法

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JP2002270037A JP2001065719A JP2001065719A JP2002270037A JP 2002270037 A JP2002270037 A JP 2002270037A JP 2001065719 A JP2001065719 A JP 2001065719A JP 2001065719 A JP2001065719 A JP 2001065719A JP 2002270037 A JP2002270037 A JP 2002270037A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平版オフセット印刷法により高精度な電極パ
ターンの形成を可能とする紫外線硬化型導体インキ及び
電極形成方法を提供する。 【解決手段】 少なくもと導電性粉体と焼成除去可能な
有機成分からなり、導電性粉体を50〜90重量%の範
囲、及び焼成除去可能な有機成分を10〜50重量%の
範囲で含有する紫外線硬化型導体インキ。該有機成分
は、下記一般式(1)で表される(メタ)アリルエーテ
ル、及び無水マレイン酸を少なくともモノマー原料に
し、且つ該モノマーに由来する構成単位が少なくとも2
以上である共重合体に、光反応性の官能基を付与してな
る光硬化性樹脂である。 【化1】 (ただし、式中、R1 はH又はCH3 を表し、AOは炭
素数3〜18のオキシアルキレン基1種または2種以上
の混合物で、2種以上のときはブロック状に付加してい
てもよく、Rは炭素数4〜24の炭化水素基またはアシ
ル基を表し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数
で1〜1000である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版オフセット印
刷により電極パターンを高い精度で形成するための導体
インキ、及び電極形成方法に関する。精度の要求される
画像表示装置用電極、撮像管電極、特に、プラズマディ
スプレイ用電極の形成に適した導体インキ、及び電極形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子回路や画像表示装置における
電極の微細なパターン形成は、より高い精度でかつ低い
製造コストで実施可能なことが要求されている。
【0003】従来、微細な電極パターンの形成方法とし
て、導電性粉体を含有するパターン形成用ペーストを用
いてスクリーン印刷法やフォトリソグラフイー法により
パターン形成した後、焼成することにより有機成分を揮
発させて電極パターンとする方法がある。しかし、スク
リーン印刷法による電極パターン形成では、スクリーン
印刷版を構成するメッシュ材料の伸びによる印刷精度の
限界があり、形成したパターンのエッジ精度が低いとい
う問題や、またスクリーンの目詰まりが発生しやすいの
で、連続した大量生産に適していないという問題があ
る。一方、フォトリソグラフイー法は、高精度の電極パ
ターンの形成が可能であるものの、製造工程が複雑であ
り、かつ、材料ロスが多く、製造コストの低減に限界が
あった。
【0004】このため工程が簡単で量産性を有する平版
オフセット印刷法を用いることによって、微細電極パタ
ーン形成の低コスト化が試みられている。この平版オフ
セット印刷法では、導電性粉体を含有した導体インキを
凹版あるいは平版の印刷版に供給し、印刷版上のインキ
パターンを一旦ブランケットに転写して、次いで電極被
形成物に転移させ、その後、焼成して有機成分を分解、
揮発することにより電極パターンが形成される。
【0005】上述の平版オフセット印刷法は、スクリー
ン印刷法に比べて精度の高い電極パターンの形成が可能
であり、また、フォトリソグラフイー法に比べてインキ
使用量が少ないという利点がある。さらにフォトリソグ
ラフイー法では、焼成して形成された電極パターンの幅
方向の断面形状は、エッジがシャープなものとなり、例
えば、プラズマディスプレイパネルの電極のように、そ
の上から誘電体層を形成する場合、電極のエッジが誘電
体層を突き破って露出してしまうという問題もあるが、
平版オフセット印刷法で得られた電極は、エッジが滑ら
か(尖っていない)なので、この問題を解決できる利点
もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の導体イ
ンキを用いた平版オフセット印刷法では、水無し平版の
画線部へのインキ供給が不足したり、地汚れが発生する
という問題があった。また、形成された印刷パターンの
幅精度が悪いという問題点や、印刷後の十分な膜厚が得
られないという問題や、ピンホールが生じる等の問題が
あった。
【0007】また、金属製の凹版やガラス製の凹版と、
ブランケットを用いた平版オフセット印刷法では、凹版
への導体インキ充填に一般的にドクターブレードが用い
られるが、このドクターブレードには耐久性等の問題が
あった。
【0008】本発明は、上述のような実情に鑑みてなさ
れたものであり、平版オフセット印刷法により高精度な
電極パターンの形成を可能とする光硬化型導体インキを
提供すること、及び該光硬化型導体インキを用いた電極
形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。本発明の光硬化型導体インキは、
導電性粉体を50〜90重量%の範囲、及び有機成分を
10〜50重量%の範囲で含有する光硬化型導体インキ
であって、該有機成分は、下記一般式(1)で表される
アリルエーテル、及び無水マレイン酸を少なくともモノ
マー原料にし、必要に応じて他のモノマーを配合し、且
つ該モノマーに由来する構成単位が少なくとも2以上で
ある共重合体とし、光反応性の官能基を付与してなる光
硬化性樹脂であることを特徴とする光硬化型導体インキ
である。
【0010】
【化3】
【0011】(ただし、式中、R1 はH又はCH3 を表
し、AOは炭素数3〜18のオキシアルキレン基1種ま
たは2種以上の混合物で、2種以上のときはブロック状
に付加していてもよく、Rは炭素数4〜24の炭化水素
基またはアシル基を表し、nはオキシアルキレン基の平
均付加モル数で1〜1000である。) 本発明の光硬化型導体インキの前記有機成分において、
光反応性の官能基を付与する前の共重合体は、下記一般
式(2)で表される共重合体を用いることができる。
【0012】
【化4】
【0013】(ただし、式中、nは20〜70、AOは
炭素数3〜18のオキシアルキレン基の1種又は2種以
上の混合物で2種以上の時はブロック状に付加していて
も良く、Rは炭素数4〜24の炭化水素基またはアシル
基、mはオキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜1
000、Xは直鎖状又は分岐状のアルキレン基、Yは水
素原子又はメチル基をそれぞれ表す。) 本発明の光硬化型導体インキは、上記構成とすることに
より、導電性粉体の分散性が向上し、インキの粘度を所
望の値にコントロールすることが可能となる。このよう
な導電性粉体の分散性向上は、共重合樹脂中のカルボニ
ル基を配位子とし導電性の原子、例えば、Agが配位し
て金属錯体を形成するためと推定される。従って、平版
オフセット印刷に適用しても厚塗りが可能となり、信頼
性のある高精度な電極パターンの形成を可能とする。ま
た、本発明の光硬化型導体インキは、電離放射線(即
ち、紫外線または電子線)で硬化するために、一度硬化
させた平版オフセット印刷の印刷塗膜上にさらに平版オ
フセット印刷を行って重ね塗りすることにより所望の膜
厚となるように自由にコントロールすることが可能とな
る。したがって、本発明の光硬化型導体インキを用いて
電極パターンを平版オフセット印刷で形成すれば、平版
オフセット印刷が本来有しているパターン精度の優れた
点に加え、厚塗りが可能となる利点がある。
【0014】本発明の光硬化型導体インキは、ガラスフ
リットが10重量%を超えない範囲で含ませることがで
きる。電極パターン被形成体がガラス基板の場合、焼成
後の電極とガラス基板との密着性が向上する。ガラスフ
リットの含有量が10重量%を超えると、導体インキの
保存安定性が悪くなったり、また、電極の抵抗値が高く
なったり、エッジ形状が悪くなり好ましくない。
【0015】本発明の電極形成方法は、導電性粉体を含
有する光硬化型導体インキを印刷によりパターン状に、
例えば、ガラス等の基板面に塗布し、露光して印刷パタ
ーンを形成することを特徴とする。本発明の電極形成方
法における印刷には、平版オフセット印刷、輪転印刷が
好適に適用できる。
【0016】本発明の光硬化型導体インキを平版オフセ
ット印刷、輪転印刷により、例えば、ガラス等の基板面
にパターン状に塗布し、露光して樹脂成分を硬化させて
印刷パターンを形成することにより、プラズマディスプ
レイパネル等の画像表示装置の高精度な電極パターンの
形成が可能となる。
【0017】本発明の電極形成方法に採用する平版オフ
セット印刷法は、凹版へのインキの充填をロールにて行
い、凹版にて形成された印刷パターンを、平版のブラン
ケットに転写させて、さらに被塗物に転写する手法によ
り行う。凹版がガラス凹版の場合には、凹版へのインキ
の充填にはドクターを用いることがある。
【0018】本発明の光硬化型導体インキはこのような
平版オフセット印刷に特に適しており、本発明の光硬化
型導体インキを該平版オフセット印刷により印刷すれ
ば、印刷塗膜の厚みの調整ができ、厚塗りが可能な印刷
となる。本発明の電極形成方法により得られる印刷塗膜
の厚みは、1回の平版オフセット印刷で焼成後の印刷塗
膜厚み10μm以下の厚塗りが可能である。本発明の平
版オフセット印刷はパターン状に塗布した印刷塗膜を露
光により樹脂成分を硬化させることができるため、1回
の塗布後、直ぐに同じ平版オフセット印刷を適用して重
ね塗りを行い、最後に焼成工程を行うことができ、短時
間に、連続して厚みが増大された電極パターンを形成す
ることができ、例えば、プラズマディスプレイパネル等
の画像表示装置の電極の形成のために印刷時の厚み(焼
成前の印刷塗膜)を16μm以上とすることができる。
【0019】本発明の光硬化型導体インキによる平版オ
フセット印刷又は輪転印刷等のパターンは、焼成により
緻密性が高められ、導電性が高められた電極パターンと
することができる。プラズマディスプレイ用電極のよう
な高い導電性が要求されるものには、焼成工程を施すこ
とが望ましい。本発明の光硬化型導体インキは、焼成を
室温より温度を上昇させて400℃〜600℃まで加熱
することにより焼成工程を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。
【0021】導電性粉体 本発明の光硬化型導体インキに用いる導電性粉体として
は、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Pd、Niなどを
挙げることができ、これらの導電性粉体の1種または2
種以上、さらには、上記金属の合金粉体を使用すること
ができる。この導電性粉体の形状は、不定形、塊状、鱗
片状、微結晶状、球状、フレーク状、等の種々の形状で
あって良い。
【0022】本発明の光硬化型導体インキには、粒径が
異なる2種類以上の群の導電性粉体が含まれることが望
ましい。2種類以上の粒径の異なる群から選ばれた導電
性粉体をインキ中に含有させることにより、インキのチ
キソトロピー性が上がり、インキの粘度を固めに調製す
ることが可能となる。そのために、印刷パターンに地汚
れが発生することが無くなるという効果がある。前記導
電性粉体は、平均粒径が0.02〜5μm、好ましくは
0.1〜2.0μmの導電性粉体を全導電性粉体の50
〜90重量%、好ましくは60〜90重量%とし、且つ
平均粒径が1〜10μm、好ましくは3〜8μmの導電
性粉体を全導電性粉体の10〜50重量%、好ましくは
10〜40重量%とした割合であることが、インキの粘
度を調整するために好ましい。
【0023】導電性粉体の平均粒径が0.02未満であ
ると、導体インキ内での導電性粉体が凝集しやすく、分
散が困難となる。一方平均粒径が10μmを超えると平
版オフセット印刷機のインキングロールでインキを練る
際に、分離を生じたり、ロール間でインキを転移するの
に転移状態が悪くなったり、版にダメージを与えるおそ
れがあり好ましくない。
【0024】また、本発明の光硬化型導体インキ中の導
電性粉体の含有量が50重量%未満であると、焼成によ
り除去される有機成分が多くなり、電極の緻密性が悪く
なり抵抗値が高くなったり、場合によっては断線を生じ
ることもある。また導電性粉体の含有量が90重量%を
超えると、導体インキの印刷塗膜の形状保持性が低く、
良好なパターン形成が困難となる。本発明の光硬化型導
体インキ中の有機成分の含有量が10重量%未満である
と導体インキの印刷塗膜の形状保持性が低く、良好なパ
ターン形成が困難となりやすく、50重量%を超える
と、焼成により除去される有機成分が多くなり、電極の
緻密性が悪くなり抵抗値が高くなったり、場合によって
は断線を生じ、好ましくない。
【0025】また、これらの導電性粉体の形状は、平均
粒径0.02〜5μmの導電性粉体が球状乃至微結晶状
であり、平均粒径1〜10μmの導電性粉体が鱗片状乃
至フレーク状であることがインキの粘度を調整するため
に好ましい。
【0026】本発明の光硬化型導体インキは、回転速度
100s-1における粘度が1000〜5000P 、好ま
しくは1500〜3500P の範囲であることが望まし
い。上記のような範囲とすることにより、平版オフセッ
ト印刷における地汚れ防止、印刷パターンの形状安定が
可能となる。なお、この粘度は、レオメトリック・サイ
エンティフィック社製のRDA−IIにより、rate sweep
として、25mmφのパラレルプレートにインキを挟
み、シェアをかけた時の粘度を測定したものである。
【0027】本発明の光硬化型導体インキは、紫外線ま
たは電子線で硬化するために、重ね刷りにより膜厚を自
由にコントロールすることが可能となる。例えば、印刷
後焼成前では16μm以上を達成することができ、本発
明の光硬化型導体インキは、平版オフセット印刷を使用
してもこのような膜厚とすることが可能となる。なお、
焼成後は有機成分が焼成除去されるので、プラズマディ
スプレイ用電極等の画像表示装置用電極として最終膜厚
を10μm以下とすることができる。
【0028】平版オフセット印刷においては、1回だけ
の印刷工程では、形成された印刷膜表面が安定しない場
合があるが、本発明の光硬化型導体インキは、2回以上
の連続印刷が可能であるので、2回以上平版オフセット
印刷することにより膜表面が安定し、印刷パターン形状
が安定する。
【0029】有機成分 本発明の光硬化型導体インキを構成する有機成分は、前
記に示した共重合体であって、焼成によって揮発、分解
して、焼成後の膜中に炭化物を残存させることのないも
のであれば良い。前記一般式(1)で表されるアリルエ
−テル、無水マレイン酸、及び必要に応じ、これらのモ
ノマーと共重合しうる単量体、例えば、ビニル型単量
体、さらに具体的にはスチレンなどの芳香族ビニル化合
物等を共重合成分として加えたものを有機成分として用
いることができる。前記共重合体を光硬化性樹脂とする
ためには、無水マレイン酸部位を開環し、構造中に水酸
基を含有する反応性モノマーと反応させることにより光
硬化性樹脂となる。使用する反応性モノマーとしては、
構造中に水酸基を含有していれば良く、使用できる反応
性のモノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、カプロラ
クトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、カプロ
ラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレートなどが挙げられる。
【0030】本発明の光硬化型導電性インキには、添加
剤として、分散剤、湿潤剤、増粘剤、レベリング剤、地
汚れ防止剤、ゲル化剤、シリコーンオイル、シリコーン
樹脂、消泡剤、可塑剤などを添加しても良い。
【0031】また本発明の光硬化型導体インキは、重合
開始剤、重合禁止剤、反応性モノマーなどを適宜添加し
てもよい。本発明の光硬化型導体インキに添加する重合
開始剤として焼成によって揮発、分解して、焼成後の膜
中に炭化物を残存させることのないものである。具体的
には、ベンゾフェノン、0−ベンゾイル安息香酸メチ
ル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、
4−4ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−ア
ミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノ
ン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジ
ベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルフェ
ノン、p −tert−ブチルジクロロアセトフェノン、
チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロ
ロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、
ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、
ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチル
エーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアン
トラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルア
ントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベン
ズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジル
アセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデ
ン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−
1,2−ブタジオン−2−(0−メトキシカルボニル)
オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(0−
エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−
プロパントリオン−2−(0−エトキシカルボニル)オ
キシム、1−フエニル−3−エトキシープロパントリオ
ン−2−(0−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケト
ン、2−メチル−[ 4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブ
タノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリ
ンスルホニルクロライド、n −フェニルチオアクリド
ン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニル
スルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェ
ニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、ト
リブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシ
ン、メチレンブルー、等の光還元性の色素とアスコルビ
ン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせな
どが挙げられ、これらを1種または2種以上の組み合わ
せで使用することができる。
【0032】また本発明の光硬化型導体インキには、必
要に応じて反応性のモノマーを添加しても良い。添加す
る反応性モノマーとしては、焼成によって揮発、分解し
て、焼成後の膜中に炭化物を残存させることのないもの
であり、多官能および単官能の反応性モノマーを挙げる
ことができる。例えば、単官能ではテトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオ
キシエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート;
2官能以上では、骨格構造で分類するとポリオール(メ
タ)アクリレート(エポキシ変性ポリオール(メタ)ア
クリレート、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレ
ート等)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキ
シ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト;その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒ
ダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、フォ
スファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレー
トであり、紫外線硬化性、電子線硬化性である様々なモ
ノマー、オリゴマー、ポリマーが利用できる。
【0033】更に詳しく述べると、2官能のモノマー、
オリゴマー、ポリマーとしてはポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート等;3官能のモノマー、オリゴマー、
ポリマーとしてはトリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アク
リレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等;4官能
のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしてはペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ
ールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テト
ラ(メタ)アクリレート等が挙げられ;5官能以上のモ
ノマー、オリゴマー、ポリマーとしてはジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエス
テル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する
(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基数は特に
限定されるものではないが、官能基数が3より小さいと
硬化性が低下する傾向があり、又、20以上では焼成後
の膜中に炭化物が残存する傾向があるため、特に3〜2
0官能のものが好ましい。本発明では上記モノマーを1
種または2種以上の混合物として使用することができ
る。
【0034】ガラスフリット 本発明の導体インキに必要に応じて含有させるガラスフ
リットとしては、例えば、軟化温度が400〜600℃
であり熱膨張係数α300 が35×10-7〜85×10-7
/℃、ガラス転移温度が300〜500℃であるガラス
フリットを使用することができ、ZnO系ガラス、B2
3 −アルカリ土類金属酸化物系ガラス等の酸化アルカ
リを含まないガラスフリットを使用することが望まし
い。ガラスフリットの軟化温度が600℃を超えると焼
成温度を高くする必要があり、例えば、電極パターン被
形成体の耐熱性が低い場合には焼成段階で熱変形を生じ
ることになり好ましくない。またガラスフリットの軟化
温度が400℃未満では、焼成により有機成分が完全に
分解、揮発して除去される前にガラスフリットが融着す
るため、空隙が生じやすくなり好ましくない。さらに、
ガラスフリットの熱膨張係数α300 が35×10-7/℃
未満、85×10-7/℃を超えると、電極パターン被形
成体の熱膨張係数との差が大きくなりすぎる場合があ
り、歪などを生じることになり好ましくない。このよう
なガラスフリットの粒径(D50)は0.1〜5μm、好
ましくは0.5〜3μmの範囲である。
【0035】溶剤 本発明の光硬化型導体インキは、モノマーの種類によっ
て無溶剤とすることが可能である。しかしながら、本発
明の光硬化型導体インキに溶剤を添加して使用する場
合、沸点が390℃以下の溶剤を用いる。ブランケット
に吸収されやすい溶剤は、導体インキの特性を変化さ
せ、また、ブランケットが膨潤して印刷寸法精度が低下
するので好ましくない。使用する溶剤は、ノルマルパラ
フィン、イソパラフィン、ナフテン、アルキルベンゼン
類の石油系溶剤、またはこれらを組み合わせた混合溶剤
が好ましい。混合溶剤を使用する場合、地汚れを耐性な
どの印刷適正を考慮して選択することが望ましい。
【0036】本発明の光硬化型導体インキは、導電性粉
体の含有率が高いにもかかわらず、分散性が極めて良好
で、インキングロール上での練り適正、平版への塗布性
に優れるものである。本発明の光硬化型導体インキを用
いた平版オフセット印刷は、印刷パターンの厚膜化が可
能であり、電極パターンを焼成することにより、電極パ
ターンをさらに高い精度で成形することができる。
【0037】本発明の光硬化型導体インキを用いて平版
オフセット印刷する際に、使用する平版オフセット印刷
機の制限は特にない。図1は平版オフセット印刷機の好
ましい一例を示す平面図であり、図2は図1に示される
平版オフセット印刷機の側面図である。図1及び図2に
おいて、平版オフセット印刷機1は、印刷定盤3と印刷
版盤4が所定の間隔で配置され、2本のガイドレール
5、5が平行に敷設された基台2と、図示しない移動機
構によりガイドレール5、5上を自在に移動可能な印刷
ヘッド6とを備えている。
【0038】印刷ヘッド6には、昇降可能なブランケッ
トロール7と、第1のインキングロール群8が配設され
ている。第1のインキングロール群8は、ロールの回転
軸方向に揺動する練ローラや、印刷版にインキを塗布す
るインキ付けロールにより構成される。また、基台2に
は第2のインキングロール群9と、導体インキを蓄える
インキブレード10が設けられている。第2のインキン
グロール群9は、インキブレード10からインキを出す
インキ出しロール、ロール回転軸方向に揺動する練りロ
ーラにより構成される。
【0039】図1及び図2に示す平版オフセット印刷機
は、凹版のパターンをブランケットに転写させ、該ブラ
ンケットにより基板に印刷するものである。該平版オフ
セット印刷機1では、電極パターン被形成体11(図1
に1点鎖線で示す)が印刷定盤3に装着される。そし
て、印刷ヘッド6は、まず、ガイドレール5、5上を第
2のインキングロール群9上に移動する。ここで、第2
のインキングロール群9にて練られて均一になった導体
インキが、印刷ヘッド6の第1のインキングロール群8
に転移される。次に、印刷ヘッド6はガイドレール5、
5上を印刷版盤4に向かって移動し、第1のインキング
ロール群8のインキ付けロールによって印刷版12に導
体インキを塗布する。該印刷版12は凹版となっており
平版に比べてインクの厚盛りが可能となっている。その
後、印刷ヘッド6はガイドレール5、5上を第2のイン
キングロール群9側に戻り、再び、第2のインキングロ
ール群9にて練られて均一になった導体インキが、印刷
ヘッド6の第1のインキングロール群8に転移される。
この間、ブランケットロール7は印刷版12に接触しな
い位置に上昇している。このインキ塗布動作は複数回行
っても良い。次にブランケットロール7を印刷位置に降
下させた状態で印刷ヘッド6が印刷定盤3に向かって移
動する。そして、印刷ヘッド6が印刷版盤4を通過する
時に、印刷版12の画線部上の導体インキがブランケッ
トロール7に転移し、同時に、第1のインキングロール
群8のインキ付けロールによって印刷版12に新たに導
体インキが塗布される。
【0040】印刷ヘッド6は更に印刷定盤3に向かって
移動し、印刷定盤3に載置された電極パターン被形成体
11にブランケットロール7から導体インキが印刷され
る。その後、印刷ヘッド6は第2のインキングロール群
9側に戻る。
【0041】尚、印刷ヘッド6が第2のインキングロー
ル群9側に戻る時に、ブランケットロール7によって電
極パターン被形成体11上に重ねて印刷しても良い。ま
た、印刷ヘッド6が第2のインキングロール群9側に戻
る時に、印刷版12からブランケットロール7に導体イ
ンキを転移させながら戻り、再び印刷ヘッド6が印刷定
盤3に向かって移動するときに、ブランケットロール7
に導体インキを重ねて転移させても良い。このようにす
ることで、電極パターンを厚く印刷することができる。
また、孔の発生を防止することができる。またインキを
重ねて転移させる際に紫外線または電子線にて露光させ
て表面のタックをなくし、重ねて転移させることができ
る。これにより精度良く厚く印刷することが可能とな
る。
【0042】このようにして平版オフセット印刷して得
られた電極パターンは、必要に応じて、焼成して有機成
分を実質的に除去することにより電極パターンの導電性
を高める。焼成には400℃〜600℃の範囲で加熱す
る。本発明において有機成分を実質的に除去するとは、
最終印刷塗膜中に有機成分が10%未満、好ましくは0
%となることを意味する。本発明の光硬化型導体インキ
をプラズマディスプレイ用の電極パターンに用いる場合
には、焼成後の電極パターンは有機成分が限りなく0%
である必要があるが、特に、抵抗を考慮しない用途に使
用する場合にはその限りではない。
【0043】本発明の光硬化型導体インキは、プラズマ
ディスプレイ用電極の形成に好適であるが、これに限定
されず、ELディスプレイ用電極、LCDディスプレイ
用電極、CRT電極等の画像表示装置用電極、撮像管電
極の形成に適用できる。ガラスフリットを必要としない
電極には、フィルム液晶ディスプレイ用電極、フィルム
ELディスプレイ用電極、フィルムカラーフィルムター
用電極に適用できる。
【0044】
【実施例】本実施例で使用する光硬化性樹脂の製造例を
下記に示す。
【0045】光硬化型樹脂の製造例1 還流冷却管、撹拌機、滴下ロート及び温度計付の2リッ
トル容の四つ口フラスコに、アリルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体 マリアリムAAB−0851(商品
名、日本油脂製)200g及び2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート(略語:HEMA)7.0gを酸性触媒と
共に仕込み90〜100℃の温度にて12時間反応させ
た後、室温まで冷却した。生成物のIR分析により17
80cm-1の吸収ピークの消失を確認し反応を終了し
た。導電性粉体として、下記表1に示す性状の銀粉A、
B、C、Dを用意した。
【0046】
【表1】
【0047】光硬化型導体インキを調製 上記導電性粉体(A〜D)のいずれかを使用し、下記の
実施例1〜5に示す成分を混合して実施例1〜5の5種
の光硬化型導体インキを調製した。導体インキに用いた
導電性粉体の量、有機成分の合計量、ガラスフリットの
量を下記の実施例1〜5に示す。
【0048】 〔実施例1〕 導電性粉体A 60重量部 導電性粉体B 15重量部 ガラスフリット(ASF 1350:商品名、旭硝子株式会社製) 3重量部 製造例1の樹脂 10重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA:商品名、日本化薬 社製) 5重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA :商品名、日本化薬 社製) 5重量部 光重合開始剤(Irg. 184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 2重量部
【0049】 〔実施例2〕 導電性粉体B 17重量部 導電性粉体C 60重量部 ガラスフリット(ASF 1350:商品名、旭硝子株式会社製) 1.5重量部 ガラスフリット(ASF 1375:商品名、旭硝子株式会社製) 1.5重量部 製造例1の樹脂 10重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA:商品名、日本化薬 社製) 8重量部 光重合開始剤(Irg. 184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 2重量部
【0050】 〔実施例3〕 導電性粉体A 60重量部 導電性粉体B 20重量部 ガラスフリット(ASF 1350:商品名、旭硝子株式会社製) 1.5重量部 ガラスフリット(ASF 1375:商品名、旭硝子株式会社製) 1.5重量部 製造例1の樹脂 15重量部 光重合開始剤(Irg. 184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 2重量部 溶剤(AF6:商品名、日石三菱株式会社製) 5重量部
【0051】 〔実施例4〕 導電性粉体C 65重量部 導電性粉体D 10重量部 ガラスフリット(ASF 1280:商品名、旭硝子株式会社製) 5重量部 製造例1の樹脂 15重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA :商品名、日本化薬 社製) 3重量部 光重合開始剤(Irg.184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 2重量部
【0052】 〔実施例5〕 導電性粉体B 10重量部 導電性粉体D 60重量部 ガラスフリット(ASF 1375:商品名、旭硝子株式会社製) 5重量部 製造例1の樹脂 15重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA :商品名、日本化薬 社製) 5重量部 光重合開始剤(Irg.184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 5重量部 溶剤(5号ソルベント:商品名、日石三菱株式会社製) 5重量部
【0053】 〔比較例1〕 導電性粉体A 80重量部 ガラスフリット(ASF 1350:商品名、旭硝子株式会社製) 3重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA :商品名、日本化薬 社製) 7重量部 ジアリルフタレート(ダップs:商品名、ダイソー株式会社製) 8重量部 光重合開始剤(Irg.184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 2重量部
【0054】 〔比較例2〕 導電性粉体B 80重量部 ガラスフリット(ASF 1280:商品名、旭硝子株式会社製) 3重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA:商品名、日本化薬 社製) 7重量部 ジアリルフタレート(ダップs:商品名、ダイソー株式会社製) 8重量部 光重合開始剤(Irg.184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 2重量部
【0055】 〔比較例3〕 導電性粉体A 15重量部 導電性粉体B 60重量部 ガラスフリット(ASF 1350:商品名、旭硝子株式会社製) 1.5重量部 ガラスフリット(ASF 1375:商品名、旭硝子株式会社製) 1.5重量部 製造例1の樹脂 20重量部 光重合開始剤(Irg. 184:商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 2重量部 溶剤(AF6:商品名、日石三菱株式会社製) 5重量部
【0056】〔実施例6〕電極パターンの形成 上記工程で調製した実施例1〜5、比較例1〜3の配合
の各導体インキを使用し、図1に示される平版オフセッ
ト印刷機(株式会社紅羊社製作所製 エクターLCD印
刷機)を用いてガラス基板(ソーダガラス、350mm
×450mm、圧さ2.1mm)に下記の印刷条件でパ
ターン印刷を行い、その後、光洋サーモシステム株式会
社製の焼成装置にて580℃まで昇温させ、該温度に1
0分間保持し、室温まで降下させることにより電極パタ
ーンを得た。 印刷条件 印刷速度 : 600mm/s 印圧 : 0.1mm(印刷版上、基板上共に) 印刷回数 : 4回 使用印刷版 : 東レ株式会社製 水無し版(DG−
2)(画線部の幅100μ) ブランケットロール: NBRブランケット 上述の電極パターン形成における導体インキの印刷適
正、印刷物形状、電極パターンの品質を評価し、その結
果を下記の表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2によれば、本発明の実施例1〜5の光
硬化型導体インキは、導電性粉体の分散性、光硬化型導
体インキの印刷特性、形成された電極パターンは共に比
較例に比べて良好であることが分かる。
【0059】〔実施例7〕粘度測定 前記実施例3と前記比較例3に用いた光硬化型導体イン
キについて粘度測定を、RDA−II(商品名、レオメト
リック・サイエンティフィック社製)を用い、rate
sweepで25mmφのパラレルプレートにインキ
を挟みシェアをかけた時の粘度を測定した。その結果を
図3の粘度チャートのグラフに示す。図3において矢印
Aは実施例3のインキ及び矢印Bは比較例3のインキの
それぞれの粘度曲線を示す。導電性粉体の粒径分布が本
発明の範囲でなく、実施例3で用いた2種の粒径の導電
性粉体の重量比を反対にしたものは粘度が非常に高くな
ることが分かる。
【0060】熱重量分析 前記実施例3のインキ組成から導電性粉体を除いた樹脂
組成を用いて500mJ/cm2 の紫外線を照射して得
た塗膜のTGA(熱重量分析)を測定した。比較のため
に前記比較例2の導電性粉体を除いた有機成分のみを硬
化させて得た塗膜についても行った。熱重量分析には、
JIS−K7120に基づく手法により行った。熱重量
分析装置にはTGA−7(商品名、Perkin Elmer社製)
を用いて、昇温速度20℃/分にて行った。その結果、
得られたTGA(熱重量分析)を図4(実施例3)及び
図5(比較例2)にグラフとして示す。図4及び図5に
よれば、実施例3の樹脂は、比較例2の樹脂よりも優れ
た焼成性であることが分かる。
【0061】〔実施例8〕前記実施例3と同じ組成の光
硬化型導体インキを用い、図1及び図2に示す平版オフ
セット印刷機にて1回〜4回の重ね刷りをした。1回印
刷する毎にUV照射装置(FUSION UV SYS
TEM社製)を用いてHバルブを使用して、500mJ
/cm2 で紫外線照射した。各回数毎の膜厚の結果は次
の通りであった。なお、1回目とは平版オフセット印刷
にてブランケットロールからガラスに転移する時の回数
を示す。 1回目 3.24μM 2回目 8.7μM 3回目 12.5μM 4回目 16.7μM
【0062】
【発明の効果】本発明の光硬化型導体インキによれば、
印刷法、特に、平版オフセット印刷法により、16μm
以上の厚刷り印刷が可能であり、地汚れが防止でき、し
かもスクリーン印刷よりも高精度な電極パターンの形成
が可能である。
【0063】本発明の光硬化型導体インキは、導電性粉
体の分散性、印刷適性、電極のパターン性、焼成性が良
好である。
【0064】本発明の光硬化型導体インキによる印刷パ
ターンは、焼成により緻密性が高められ、導電性が高め
られた電極パターンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光硬化型導体インキを使用して電極
パターンを形成する平版オフセット印刷機の1例を示す
平面図である。
【図2】 図1に示される平版オフセット印刷機の側面
図である。
【図3】 実施例3と比較例3に用いた光硬化型導体イ
ンキについて粘度測定を示すグラフである。
【図4】 実施例3のインキに用いた樹脂の熱重量分析
の結果を示すグラフである。
【図5】 比較例2のインキに用いた樹脂の熱重量分析
の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 平版オフセット印刷機 2 基台 3 印刷定盤 4 印刷版盤 5 ガイドレール 6 印刷ヘッド 7 ブランケットロール 8 第1のインキングロール群 9 第2のインキングロール群 10 インキブレード 11 電極パターン被形成体 12 印刷版
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月29日(2001.3.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】〔実施例6〕電極パターンの形成 上記工程で調製した実施例1〜5、比較例1〜の配合
の各導体インキを使用し、図1に示される平版オフセッ
ト印刷機(株式会社紅羊社製作所製 エクターLCD印
刷機)を用いてガラス基板(ソーダガラス、350mm
×450mm、厚さ2.1mm)に下記の印刷条件でパ
ターン印刷を行い、その後、光洋サーモシステム株式会
社製の焼成装置にて580℃まで昇温させ、該温度に1
0分間保持し、室温まで降下させることにより電極パタ
ーンを得た。 印刷条件 印刷速度 : 600mm/s 印圧 : 0.1mm(印刷版上、基板上共に) 印刷回数 : 4回 使用印刷版 : 東レ株式会社製 水無し版(DG−
2)(画線部の幅100μ) ブランケットロール: NBRブランケット 上述の電極パターン形成における導体インキの印刷適
、電極パターンの品質を評価し、その結果を下記の表
2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 B Fターム(参考) 4J039 AD01 AD02 AD10 AD14 BA06 BA25 BD02 BD04 BE12 EA24 FA04 GA02 5C027 AA02 5C040 GC03 GC18 GC19 JA12 JA21 JA28 KA01 KA16 KB03 KB09 KB17 KB28 MA24 MA26 5G301 DA03 DA34 DA38 DA42 DD02 5G323 CA05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくもと導電性粉体と焼成除去可能な
    有機成分からなり、導電性粉体を50〜90重量%の範
    囲、及び焼成除去可能な有機成分を10〜50重量%の
    範囲で含有する光硬化型導体インキであって、 該有機成分は、下記一般式(1)で表される(メタ)ア
    リルエーテル、及び無水マレイン酸を少なくともモノマ
    ー原料にし、且つ該モノマーに由来する構成単位が少な
    くとも2以上である共重合体に、光反応性の官能基を付
    与してなる光硬化性樹脂であることを特徴とする光硬化
    型導体インキ。 【化1】 (ただし、式中、R1 はH又はCH3 を表し、AOは炭
    素数3〜18のオキシアルキレン基1種または2種以上
    の混合物で、2種以上のときはブロック状に付加してい
    てもよく、Rは炭素数4〜24の炭化水素基またはアシ
    ル基を表し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数
    で1〜1000である。)
  2. 【請求項2】 前記光反応性の官能基を付与する前の共
    重合体は、下記一般式(2)で表される請求項1記載の
    光硬化型導体インキ。 【化2】 (ただし、式中、nは20〜70、AOは炭素数3〜1
    8のオキシアルキレン基の1種又は2種以上の混合物で
    2種以上の時はブロック状に付加していても良く、Rは
    炭素数4〜24の炭化水素基またはアシル基、mはオキ
    シアルキレン基の平均付加モル数で1〜1000、Xは
    直鎖状又は分岐状のアルキレン基、Yは水素原子又はメ
    チル基をそれぞれ表す。)
  3. 【請求項3】 前記導電性粉体は、粒径が異なる2種類
    以上の群の導電性粉体の混合物である請求項1又は2記
    載の光硬化型導体インキ。
  4. 【請求項4】 前記導電性粉体は、50〜90重量%が
    平均粒径0.02〜5μm、10〜50重量%が平均粒
    径1〜10μmの範囲である請求項1乃至3の何れか1
    項記載の光硬化型導体インキ。
  5. 【請求項5】 前記導電性粉体は、平均粒径0.02〜
    5μmの導電性粉体の形状が球状乃至微結晶状であり、
    平均粒径1〜10μmの導電性粉体の形状が鱗片状乃至
    フレーク状である請求項1乃至4の何れか1項記載の光
    硬化型導体インキ。
  6. 【請求項6】 ガラスフリットが10重量%を超えない
    範囲で含まれる請求項1乃至5の何れか1項記載の光硬
    化型導体インキ。
  7. 【請求項7】 回転速度100s-1における粘度が10
    00〜5000P の範囲である請求項1乃至6の何れか
    1項記載の光硬化型導体インキ。
  8. 【請求項8】 導電性粉体を含有する光硬化型導体イン
    キを印刷によりパターン状に基板に塗布し、露光して印
    刷パターンを形成し、その後焼成することを特徴とする
    電極形成方法。
  9. 【請求項9】 導電性粉体を含有する光硬化型導体イン
    キを平版オフセット印刷によりパターン状に基板に塗布
    し、露光して印刷パターンを形成し、その後焼成するこ
    とを特徴とする電極形成方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至7の何れか1項記載の光
    硬化型導体インキを印刷によりパターン状に基板に塗布
    し、露光して印刷パターンを形成し、その後焼成するこ
    とを特徴とする電極形成方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至7の何れか1項記載の光
    硬化型導体インキを平版オフセット印刷によりパターン
    状に基板に塗布し、露光して印刷パターンを形成し、そ
    の後焼成することを特徴とする電極形成方法。
  12. 【請求項12】 前記平版オフセット印刷は、凹版への
    インキの充填をロールにて行い、凹版により形成された
    印刷パターンを平版のブランケットに転写させて、さら
    に被塗物に転写する手法により行う請求項9又は11記
    載の電極形成方法。
  13. 【請求項13】 前記露光が電離放射線である請求項8
    乃至12の何れか1項記載の電極形成方法。
  14. 【請求項14】 印刷を複数回適用して重ね塗りして得
    た厚みの増大された印刷パターンを形成する請求項8乃
    至13の何れか1項記載の電極形成方法。
  15. 【請求項15】 焼成前の印刷塗膜の厚みが16μm以
    上である請求項8乃至14の何れか1項記載の電極形成
    方法。
  16. 【請求項16】 焼成後の印刷塗膜の厚みが10μm以
    下である請求項8乃至15の何れか1項記載の電極形成
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項8乃至16の何れか1項記載の
    電極形成方法により得られた、焼成工程により実質的に
    有機成分が除去されて導電性が増大した電極パターン。
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