JP2002266710A - キャニスタ - Google Patents

キャニスタ

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JP2002266710A
JP2002266710A JP2001067910A JP2001067910A JP2002266710A JP 2002266710 A JP2002266710 A JP 2002266710A JP 2001067910 A JP2001067910 A JP 2001067910A JP 2001067910 A JP2001067910 A JP 2001067910A JP 2002266710 A JP2002266710 A JP 2002266710A
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chamber
canister
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adsorbent
port
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JP2001067910A
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Yuji Hayakawa
祐治 早川
Kaoru Inagaki
薫 稲垣
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Aisan Industry Co Ltd
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Aisan Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸発燃料の吸着効率が高く、かつ、脱離効率
が高いキャニスタを提供する。 【解決手段】 キャニスタ1内を、上部に位置する主室
3と下部に位置する副室4に分割する。主室3の一方の
側にはタンクポート21とパージポート23を設け、副
室4の一方の側には大気ポート27を設ける。主室3と
副室4の他方の側を相互に連通しする。前記副室4にお
ける気体の流れ方向の中間部に、通電により発熱する発
熱体28を配置する。前記主室3と副室4には吸着材5
が充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャニスタに関する
もので、より詳しくは、自動車等に搭載された燃料タン
ク内などで蒸発する蒸発燃料(ベーパ)を捕集し、この
捕集した蒸発燃料をエンジンの運転時に吸気系へパージ
するキャニスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記のようなキャニスタにおい
て、その捕集した蒸発燃料のパージ効率を高めるため
に、図4に示すように、容器内に発熱体を配設したもの
が実開平2−50160号公報に開示されている。
【0003】この図4に示す構造は、キャニスタを構成
する容器101内に活性炭からなる吸着材102cを充
填し、容器101の上部に燃料タンクからの蒸発燃料を
導入するタンクポート103と、エンジンの吸気通路に
連通するパージポート104を設け、容器101の下部
に大気へ開口する大気ポート105を設けて、燃料タン
ク内に発生した蒸発燃料をタンクポート103から導入
して吸着材層102の吸着材102cで吸着捕集し、エ
ンジンの運転時には、エンジンの吸気通路内に発生する
負圧によって前記吸着材層102の吸着材102cに捕
集されていた蒸発燃料をパージポート104からエンジ
ンの吸気通路内へパージするようになっており、吸着材
層が単層で蒸発燃料が上部側から下部側へ流れるダウン
フロータイプ(縦型キャニスタ)になっている。
【0004】そして、前記容器101の中間に、該容器
101内を横断するように発熱体106が配設され、蒸
発燃料のパージ時に発熱体106に通電して、その発熱
体106の発熱によってその周辺の吸着材を加熱し、捕
集されていた蒸発燃料の脱離を促進するようになってい
る。
【0005】更に、前記発熱体106によって、容器1
01内が第1主室102aと第2主室102bとに分割
され、かつ第1主室102a内の容積が、第1主室10
2aと第2主室102bの合計の容積の約50%になっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来構造のキャニ
スタにおいては、発熱体106が容器101内の全体を
横断する大型になり、発熱体106の必要発熱量が大き
くなる問題がある。
【0007】また、前記のように単層ダウンフロータイ
プであるため、発熱体106の発熱により、該発熱体1
06の上部の吸着材、すなわちキャニスタの約半分の容
積の第1主室102a内に収納された吸着材が高温に加
熱される。このように加熱された活性炭からなる吸着材
は、通常高温ほど蒸発燃料の吸着量が低下する特性を有
する。そのため、エンジンを停止して車両に給油した場
合、すなわち、タンクポート103から蒸発燃料(ガソ
リンベーパ)が早い流速で流入したときに、その蒸発燃
料の吸着効率が低い問題がある。
【0008】また、大気ポート105側の第2主室10
2b内における吸着材は発熱体106による昇温が少な
いため、パージ時における蒸発燃料の脱離効率が低く、
該第2主室102b内の吸着材に多量の蒸発燃料が残存
する。しかも、この第2主室102bの容積はキャニス
タの約半分の容積で大容量である。そのため、エンジン
停止中においてタンクポート103から蒸発燃料が少量
で長時間流入したときに、大気ポート105より流出す
る蒸発燃料の流出量(吹き抜け量)が多くなる問題があ
る。
【0009】そこで本発明は、前記の問題を解決するキ
ャニスタを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の第1の発明は、キャニスタ内を、
吸着材を充填した複数の室に分割してこれらの室により
気体の流路を構成し、該流路の一方の側にタンクポート
とパージポートを設け、他方の側に大気ポートを設け、
前記複数の室のうちの大気ポートに近い側の室内に、通
電により発熱する発熱体を配置したことを特徴とするも
のである。
【0011】本発明においては、蒸発燃料のパージ時に
発熱体を加熱することにより、大気ポートに近い側の室
内に充填された吸着材が加熱されて、発熱体を有しない
ものに比べて蒸発燃料の脱離効率が高くなる。
【0012】また、前記の発熱体の加熱時においては、
その発熱体が配置された室内の吸着材の温度は高くなる
が、その他の室内の吸着材の温度は低く保持される。そ
のため、タンクポートから蒸発燃料がキャニスタ内へ導
入された場合には、前記低温の吸着材によって蒸発燃料
の吸着効率が高められる。
【0013】また、前記の発熱体の加熱時においては、
大気ポートに近い側の室内に充填された吸着材の温度が
高められて、その吸着材の脱離効率が高い。そのため、
その後に発熱体の加熱を停止して蒸発燃料の吸着作用を
行う場合において、前記大気側に近い室内の吸着材によ
る吸着効率が高くなり、蒸発燃料の吹き抜けが抑制され
る。
【0014】請求項2記載の第2の発明は、キャニスタ
内に、吸着材を充填した主室と吸着材を充填した副室と
に分割し、主室の一方の側にはタンクポートとパージポ
ートを設け、副室の一方の側には大気ポートを設け、主
室と副室の夫々の他方の側を相互に連通し、前記副室に
おける気体の流れ方向の中間部に、通電により発熱する
発熱体を配置したことを特徴とするものである。
【0015】請求項3記載の第3の発明は、キャニスタ
内を、上部に位置する主室と下部に位置する副室に分割
し、主室の一方の側にはタンクポートとパージポートを
設け、副室の一方の側には大気ポートを設け、主室と副
室の他方の側を相互に連通し、前記副室における気体の
流れ方向の中間部に、通電により発熱する発熱体を配置
し、前記主室と副室には吸着材が充填されていることを
特徴とするものである。
【0016】前記請求項2及び3の発明においても前記
第1の発明と同様の作用を発揮する。
【0017】請求項4記載の第4の発明は、前記第2又
は第3の発明において、前記副室の容積を前記主室の容
積よりも小さく設定したものである。
【0018】本発明においては、副室の流れ方向の長さ
を、その径方向に対して長くすることができるため、蒸
発燃料の吹き抜け量を一層抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示す実施例に基づ
いて本発明の実施の形態について説明する。
【0020】図1において、キャニスタを構成する容器
1内は水平方向に配置された仕切り壁2により複数の室
に分割されており、図の実施例では上部の主室3と下部
の副室4とに2分割されている。これらの室3,4が気
体の流路を形成している。
【0021】前記主室3内には、活性炭などの吸着材5
からなる主吸着材層6が横長状態に設けられている。該
主吸着材層6の一方の側はフィルタ7,8で保持され、
他方の側はフィルタ9で保持されている。
【0022】前記副室4内には活性炭などの吸着材5か
らなる副吸着材層10が横長状に設けられている。該副
吸着材層10の一方の側はフィルタ11で保持され、他
方の側はフィルタ12で保持されている。
【0023】前記副室4の径方向(図1の横方向の軸に
対する直交方向)の断面積は、主室3の同方向の断面積
に対して40〜60%程度に設定されている。
【0024】前記他方の側のフィルタ9,12の外側、
すなわち主室3及び副室4の他方の側には有孔プレート
13,14が配置され、該有孔プレート13,14の外
側には拡散室15,16が形成され、これらの室15,
16は、前記仕切り壁2部に形成した通路17によって
連通している。
【0025】前記一方の側のフィルタ7,8の外側、す
なわち、主室3と副室4の一方の側には、仕切り板18
で区画された室19と室20が形成されている。
【0026】前記室19側には、タンクポート21が形
成され、該タンクポート21は、燃料タンク22などの
蒸発燃料発生源に連通している。また、前記室20側に
はパージポート23が形成され、該パージポート23
は、エンジン24の吸気通路25に連通されている。
【0027】前記フィルタ11の外側、すなわち、前記
副室4における前記室16と反対側である一方の側には
室26が形成され、該室26には大気ポート27が設け
られており、該大気ポート27は大気に開口している。
【0028】大気ポート27に一番近い室の内部、図1
の実施例では副室4内には、該副室4内を、流体の流れ
方向、すなわち、蒸発燃料及び大気の流れ方向に2分す
る発熱体28が配設され、該発熱体28の表裏面に夫々
フィルタ29,30が配設されている。実施例において
は、副室4における流体の流れ方向の略中央部に発熱体
28が垂直状態に配設されている。この発熱体28によ
って副室4が第1副室4aと第2副室4bに2分割さ
れ、その第1副室4a内に吸着材5が充填されて第1副
吸着材層10aが形成され、第2副室4b内に吸着材5
が充填されて第2副吸着材層10bが設けられている。
【0029】また、前記大気ポート27に近い側の第2
副室4bの容積は、該第2副室4bと第1副室4aと前
記主室3の合計の容積に対して10〜20%程度に設定
されている。
【0030】前記発熱体28は、図2及び図3に示すよ
うに熱伝導性の2枚のプレート28a,28b内に発熱
源28cを介在して構成されており、図の実施例では発
熱源28cとしてPTCヒータを使用している。
【0031】前記両プレート28a,28bは、その外
周面が前記副室4の内周面に接するような図2に示す形
状に形成され、かつ、該両プレート28a,28bには
その表裏面に貫通する通気穴28eが形成され、該通気
穴28eが絞り通路になっている。更に、発熱体28、
すなわちプレート28a,28bは図1のように立設し
て配置され、その立設状態におけるプレート28a,2
8bの上部側に位置して前記の通気穴28eが形成され
ている。該プレート28a,28bの夫々の外側面には
ピン28fが突設され、該ピン28fの外側にフィルタ
29,30が配置され、プレート28a,28bとフィ
ルタ29,30との間に通気用の隙間が形成されてい
る。
【0032】前記発熱源(PTCヒータ)28cは、電
線31により、制御手段33を介して電源32に接続さ
れている。制御手段33には、前記発熱源28cへの電
流をオン、オフ制御するスイッチを有し、キャニスタ1
内に吸着された蒸発燃料のパージ開始時に発熱源28c
に通電するようになっており、このパージ開始時は車両
の諸条件により設定されるものである。
【0033】前記キャニスタ1には、該キャニスタ1内
の温度を検知する温度センサ34が備えられており、キ
ャニスタ1内の所定位置の温度が所定温度以下になった
ときに、この温度を温度センサ34で検知して前記制御
手段33により発熱源28cへの通電を開始し、所定温
度以上になったときに、この温度を温度センサ34で検
知して制御手段33により発熱源28cへの通電を遮断
するようになっている。なお、前記温度センサ34は、
図の実施例では前記副室4の側部の室16に位置して設
けられており、また、前記の所定温度とは、前記の温度
センサ34の設置位置での温度が、例えば40℃〜60
℃の温度の範囲とする。
【0034】以上の構成により、キャニスタ1は、該キ
ャニスタ1内に導入された蒸発燃料や大気の気体が吸着
材層6,10内を水平方向に流れる横型キャニスタにな
っている。
【0035】次に、本実施例の作用について説明する。
【0036】エンジン24の停止中において、燃料タン
ク22の気相部で発生した蒸発燃料(空気と燃料成分)
は、燃料タンク22内の圧力と大気ポート27部の大気
圧との差圧により、タンクポート21からキャニスタ1
内に流入し、主吸着材層6内を流通し、室15、通路1
7、室16を流通した後、第1副吸着材層10a内を流
通し、発熱体28の通気穴28eを通って第2副吸着材
層10b内を流通し、大気ポート27から流出する。
【0037】このような蒸発燃料の流通により、その燃
料成分は各吸着材層6,10a,10bの吸着材5に吸
着捕集される。
【0038】また、エンジン24を始動すると、吸気通
路25内の負圧がパージポート23に作用し、大気が大
気ポート27より導入されて、前記蒸発燃料の流れと逆
の流れで各吸着材層10b,10a,6内を流通し、パ
ージポート23から吸気通路25へ流れる。そのため、
前記のように各吸着材層10b,10a,6の吸着材5
に吸着捕集されていた蒸発燃料(燃料成分)は大気の流
れにより吸着材5から離脱され、大気とともにパージポ
ート23から吸気通路25を通じてエンジン24にパー
ジされる。
【0039】また、キャニスタ1内の所定位置の温度が
前記所定温度以下の状態において、前記のようにエンジ
ン24を始動すると、発熱源28cに通電され、発熱体
28、すなわち、両プレート28a,28bが加熱され
て該両プレート28a,28bが発熱する。これによ
り、両プレート28a,28bに接するフィルタ29,
30付近の吸着材5が加熱される。このとき、大気ポー
ト27から導入された大気は、第2吸着材層10b内を
通り、発熱体28で加熱されてその通気穴28eを通
り、その加熱された大気が、発熱体28の下流側の第1
吸着材層10aに流れるため、第1吸着材層10aの吸
着材5が最も加熱される。更に、発熱体28の両プレー
ト28a,28bの通気穴28eが絞り通路になってい
るため、発熱体28の付近に空気のよどみ部分ができ、
この発熱体28付近の空気のよどみ部分も加熱される。
また、発熱体28より下流に遠ざかるにつれてその吸着
材5の温度が漸次低下し、主吸着材層6の吸着材5の温
度は低く保持される。また、発熱体28の上流側の第2
副室4b内の吸着材5の温度は、発熱体28より遠ざか
るにつれ急激に低下する。
【0040】この加熱時におけるキャニスタ1内の温度
分布についての実験結果を図5に示す。
【0041】本発明の図1に示す実施例のキャニスタ1
において、発熱体28を副室4部の略中央に配置し、図
4の従来品のキャニスタにおいて発熱体106を大気ポ
ート105とパージポート104の略中間に配置し、両
発熱体28,106を約80℃に加熱して、各キャニス
タの各部位の温度を測定した結果、本発明の実施例では
1 の特性が得られ、従来品ではB1 の特性が得られ
た。
【0042】この温度分布から明らかなように、本発明
のキャニスタにおける第1副室4aは60〜80℃に加
熱され、主室3内の吸着材5の温度は、従来のキャニス
タにおける第1主室102a内の吸着材の温度よりも低
温になる。このように主室3内が低温であることは、後
述する蒸発燃料の吸着作用に有効になる。
【0043】また、本発明の図1に示す実施例のキャニ
スタ1において、発熱体28を副室4内に配設した場合
(通電あり)と、この発熱体28がない場合(通電な
し)とを比較実験した結果、本発明の通電ありの場合に
おいては第1副室4aが前記のように60〜80℃に加
熱されることによって、パージ流量に対する蒸発燃料の
脱離量は図6に示すA2 の特性が得られた。図6におい
て、A2 は発熱体28を設けた場合のパージ流量に対す
る脱離量の特性、A3 は発熱体を設けない場合のパージ
流量に対する脱離量の特性を示す。
【0044】このことから、本発明のように発熱体28
を設けることにより、発熱体を設けないものに比べて、
副室4内の吸着材5に捕集された蒸発燃料の脱離効率が
向上する。したがって、主室3より小容積の副室4では
あるが、この副室4内に発熱体28を設けることによ
り、パージ時における蒸発燃料の脱離効率を向上させる
ことができる。
【0045】次に、蒸発燃料の吸着作用について説明す
る。
【0046】前記のように発熱体28により加熱されて
キャニスタ1内が前記図5の温度分布のときに、エンジ
ンを停止し、車両に給油した場合、すなわち、タンクポ
ート21より蒸発燃料(ガソリンベーパ)が早い流速で
流入したときには、前記のように、キャニスタ1の主室
3内の吸着材5の温度が図4に示す従来のキャニスタの
第1主室102aの温度よりも低いため、本発明のキャ
ニスタ1での蒸発燃料の吸着量は従来のものに比べて増
加する。これは、通常、活性炭などからなる吸着材は、
高温時ほど吸着量が低下する特性を持っているためであ
る。更に、本発明の主室3の容積を従来の第1主室10
2aの容積よりも大きくすることができることからも、
一層吸着量を増大することができる。
【0047】本発明の実施例におけるキャニスタと前記
図4に示す従来のキャニスタにおいて、給油時での吸着
量を求めた結果、図7に示すように、本発明のものにお
いてはA4 の吸着量で、従来のものにおいてはB4 の吸
着量であった。
【0048】次に、本発明のキャニスタ1における第1
副室4a内が60〜80℃に加熱され、所定量のパージ
を実施した状態において車両を停止させ、車両を数日
間、所定温度条件にて放置した場合、すなわち、燃料タ
ンク22より蒸発燃料がタンクポート21から少量で長
時間流入したときに大気ポート27より外部へ流出した
蒸発燃料量(吹き抜け量)と吸着材5に吸着された蒸発
燃料量(吸着量)との関係の実験結果を図8に示す。図
8において、A5 は本発明の実施例のキャニスタ1の特
性を示し、B5 は従来のキャニスタ101の特性を示
す。
【0049】この結果から、本発明においては従来のも
のに比べて、吸着量が多く、吹き抜け量が少ないことが
分かる。
【0050】この結果の理由について説明する。
【0051】前記図5で説明したように、本発明のキャ
ニスタ1における主室3内の吸着材5の温度が図4に示
す従来のキャニスタにおける第1主室102a内の吸着
材102cの温度よりも低いため、主室3の吸着材5で
の吸着量が多くなるからである。
【0052】また、本発明は、そのキャニスタ1内を、
主室3と副室4に分割し、かつ、副室4における第1副
室4a内の吸着材5が、パージ時に高温に加熱されて脱
離量が高められて、吸着時での吸着効率が高められるた
めである。
【0053】また、本発明の実施例においては、大気ポ
ート27から発熱体28までの間の第2副室4bの容積
は、キャニスタ1の全体の容積(主室3+副室4の容
積)の10〜20%程度であるのに対し、図4の従来の
キャニスタ101の第2主室102bの容積は、キャニ
スタ101の全体の容積(第1主室102a+第2主室
102bの容積)の約50%である。そのため、発熱体
28の発熱時の吸着材5の温度上昇の影響を受けにくい
部分の容積は、本発明の実施例(第2副室4b)の方が
少ない。換言すれば、本発明においては、パージ時にお
いて蒸発燃料が効率的に脱離されて吸着時の吸着効率が
高くなる部分が多い。
【0054】また、駐車時の蒸発燃料の吹き抜け量は、
吸着材に残存している蒸発燃料の量(残存量)が多いほ
ど増加する傾向がある。したがって、残存量が多い部分
を少なくすると吹き抜け量が少なくなる。このような残
存量が多い部分は本発明の実施例では第2副室4b部で
あり、従来のものは第2主室102bである。本発明に
おける第2副室4bの容積は従来の第2副室102bに
比べて小さいため、吹き抜け量は少なくなる。
【0055】また、仮に、図4の従来のものにおいて、
発熱体106を大気ポート105側へ移動して第2主室
102bの容積を本発明における第2副室4と同一容積
とした場合においても、第2主室102bの径方向の断
面積の相当直径Dと軸方向長(流れ方向長)Lの関係L
/Dが小さくなり、吹き抜け量が多くなる。
【0056】更に、本発明の実施例においては、副室4
の径方向の断面積を、主室3の径方向の断面積の40〜
60%程度としているため、副室4の径方向の断面積の
相当直径D1 と軸方向長(流れ方向長)L1 との関係L
1 /D1 が大きくとれる。一般にL1 /D1 の値が大き
いほど吹き抜け量を低減できることが判っている。
【0057】なお、前記実施例は、キャニスタ内を上部
に主室3を配置し、下部に副室4を配置した横型キャニ
スタに本発明を適用した例であるが、本発明は、図1に
示すキャニスタを、そのタンクポート21、パージポー
ト23、大気ポート27が上方に向くように配置する縦
型キャニスタに適用してもよく、また、前記の主室と副
室を一平面上に並設する型式のものに適用してもよい。
【0058】更に、前記実施例は、1個の主室3と1個
の副室4で構成したキャニスタに本発明を適用した例で
あるが、キャニスタ内を3個以上設けて、その大気ポー
トに近い室に前記の発熱体を配置してもよい。
【0059】
【発明の効果】以上のようであるから本発明によれば、
発熱体を大気ポートに近い側の室内に設けて、パージ時
にこの室内の吸着材を加熱することにより、吸着材に捕
集した蒸発燃料の脱離効率を向上させることができる。
また、このように吸着材の脱離効率を高めることによ
り、蒸発燃料の吸着作用時において、蒸発燃料の吹き抜
けを抑制することができる。
【0060】また、大気ポートに近い側の室内の吸着材
のみを加熱するため、その他の室の吸着材は高温になら
ず、給油時においてタンクポートより蒸発燃料が早い流
速で流入したときもその蒸発燃料の吸着効率を高めるこ
とができる。
【0061】更に、キャニスタ内を複数個に分割した副
室に発熱体を配置したので、発熱体を従来のものに比べ
て小型化し、必要発熱量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断面図。
【図2】図1に示すキャニスタの発熱体を示す正面図。
【図3】図2におけるC−C線断面図。
【図4】従来のキャニスタを示す縦断面図。
【図5】本発明のキャニスタと従来のキャニスタの室内
における各位置の温度を示す図。
【図6】本発明のキャニスタにおけるパージ流量と脱離
量の関係を示す図。
【図7】本発明のキャニスタと従来のキャニスタにおけ
る吸着量を示す図。
【図8】本発明のキャニスタと従来のキャニスタにおけ
る吸着量と吹き抜け量の関係を示す図。
【符号の説明】
1 キャニスタ 2 仕切り壁 3 主室 4 副室 5 吸着材 21 タンクポート 23 パージポート 27 大気ポート 28 発熱体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャニスタ内を、吸着材を充填した複数
    の室に分割してこれらの室により気体の流路を構成し、
    該流路の一方の側にタンクポートとパージポートを設
    け、他方の側に大気ポートを設け、前記複数の室のうち
    の大気ポートに近い側の室内に、通電により発熱する発
    熱体を配置したことを特徴とするキャニスタ。
  2. 【請求項2】 キャニスタ内に、吸着材を充填した主室
    と吸着材を充填した副室とに分割し、主室の一方の側に
    はタンクポートとパージポートを設け、副室の一方の側
    には大気ポートを設け、主室と副室の夫々の他方の側を
    相互に連通し、前記副室における気体の流れ方向の中間
    部に、通電により発熱する発熱体を配置したことを特徴
    とするキャニスタ。
  3. 【請求項3】 キャニスタ内を、上部に位置する主室と
    下部に位置する副室に分割し、主室の一方の側にはタン
    クポートとパージポートを設け、副室の一方の側には大
    気ポートを設け、主室と副室の他方の側を相互に連通
    し、前記副室における気体の流れ方向の中間部に、通電
    により発熱する発熱体を配置し、前記主室と副室には吸
    着材が充填されていることを特徴とするキャニスタ。
  4. 【請求項4】 前記副室の容積を前記主室の容積よりも
    小さく設定した請求項2又は3記載のキャニスタ。
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