JP2002265655A - オレフィン系樹脂発泡体シート - Google Patents

オレフィン系樹脂発泡体シート

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JP2002265655A
JP2002265655A JP2001063013A JP2001063013A JP2002265655A JP 2002265655 A JP2002265655 A JP 2002265655A JP 2001063013 A JP2001063013 A JP 2001063013A JP 2001063013 A JP2001063013 A JP 2001063013A JP 2002265655 A JP2002265655 A JP 2002265655A
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foam sheet
propylene polymer
olefin
resin foam
mmmm
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JP2001063013A
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Masato Kijima
正人 木島
Tomohiro Nagao
知浩 長尾
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 べたつきが少なく、ポリ塩化ビニルと同等の
柔軟性を有し、かつポリ塩化ビニルやポリウレタンと同
様の風合いを有するオレフィン系樹脂発泡体シート及び
該発泡体シートを使用した積層シートを提供すること。 【解決手段】 (1)メソペンタッド分率(mmmm)
が0.2〜0.6である、(2)ラセミペンタッド分率(r
rrr)と(1−mmmm)とが[rrrr/(1−m
mmm)]≦0.1であるという条件を満たすプロピレン
重合体[I]からなるオレフィン系樹脂発泡体シート、
並びにプロピレン重合体[I]1〜99質量%及びオレ
フィン系重合体[II]99〜1質量%を含む樹脂組成物
からなるオレフィン系樹脂発泡体シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性を有し、文
具用、各種ケース類用、包装用、家具用等として好適に
使用されるオレフィン系樹脂発泡体シート及び該発泡体
シートを使用した積層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、文具用、各種ケース類用、包
装用、家具等として、いろいろな合成樹脂からなる発泡
体シートが使用されており、主として、ポリ塩化ビニル
樹脂やポリウレタン樹脂からなる発泡体シートが使用さ
れていた。これらのシートは、表面に凹凸模様付して立
体的な意匠を施したり、表面にプリント柄等を施したり
して、擬皮革として使用されている。しかしながら、ポ
リ塩化ビニル樹脂からなる発泡体シートは、含有する可
塑剤がシミだしてきて黄変したり、べとつきが発生した
りする問題があるほか、耐寒性や耐油性に劣るという問
題がある。また、可塑剤を多量に使うために、発泡体シ
ートの表面が汚れやすく、汚れを落としにくいという問
題があった。また、ポリウレタン樹脂からなる発泡体シ
ートは、可塑剤のシミだしなどの問題はないが、長時間
使用していたり、高温多湿の条件下で使用していると加
水分解反応が進んでしまい、脆くなりやすく、耐久性に
問題があった。さらに、このような発泡体シート使用用
途が広がり、従来にない物性や特性を有したものが必要
とされてきている。そこで、オレフィン系樹脂からなる
発泡体シートが注目されるようになってきており、オレ
フィン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレンープロピレン共重合体などが
使用されている。しかしながら、上記のようなオレフィ
ン系樹脂よりなる発泡体シートは、肌触り感等におい
て、硬さを感じてしまうために、従来のポリ塩化ビニル
樹脂やポリウレタン樹脂を使用したものと比較して、風
合いの劣るものであり、用途的にも制限されるものであ
った。また、発泡シートが硬いために、表面に凹凸模様
などの加工をした場合に、凹凸が入り難く、加工時間が
長くかかってしまい作業性が悪く、得られた凹凸模様も
ポリ塩化ビニル樹脂やポリウレタン樹脂を使用した場合
より劣るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン
系樹脂発泡体シートにおける上記の問題点を解決し、べ
たつきが少なく、ポリ塩化ビニルと同等の柔軟性を有
し、かつポリ塩化ビニルやポリウレタンと同様の風合い
を有するオレフィン系樹脂発泡体シート及び該発泡体シ
ートを使用した積層シートを提供することを目的とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のプロピ
レン重合体からなる発泡体シート、あるいは特定のプロ
ピレン重合体とオレフィン系重合体を含む樹脂組成物か
らなる発泡体シートが、本目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
〔1〕下記の(1)及び(2) (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
るを満たすプロピレン重合体[I]からなるオレフィン
系樹脂発泡体シートを提供するものであり、また、
〔2〕下記の(1)及び(2) (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
るを満たすプロピレン重合体[I]1〜99質量%及び
オレフィン系重合体[II]99〜1質量%を含む樹脂組
成物からなるオレフィン系樹脂発泡体シートを提供する
ものである。さらに、本発明は、これらの発泡体シート
に、基布層及び/又は表皮層を積層させてなる積層シー
トを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のオレフィン系樹脂発泡体
シートは、特定のプロピレン重合体[I]からなるオレ
フィン系樹脂発泡体シート(a)、あるいは特定のプロ
ピレン重合体[I]とオレフィン系重合体[II]を含む
樹脂組成物からなるオレフィン系樹脂発泡体シート
(b)である。特定のプロピレン重合体[I]は、下記
の(1)及び(2)を満たすプロピレン重合体である。 (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
る プロピレン重合体[I]において、メソペンタッド分率
(mmmm)は0.3〜0.6が好ましく、0.4〜0.5がさ
らに好ましい。ラセミペンタッド分率(rrrr)と
(1−mmmm)との関係は、 [rrrr/(1−mmmm)]≦0.08であることが
好ましく、 [rrrr/(1−mmmm)]≦0.06であることが
さらに好ましく、 [rrrr/(1−mmmm)]≦0.05であることが
特に好ましい。 プロピレン重合体[I]が、上記の関係を満たすと、得
られるオレフィン系樹脂発泡体シートのべたつき成分の
量と弾性率の低さのバランスが優れる。すなわち、弾性
率が低く柔軟性(軟質性ともいう)に優れ、べたつき成
分が少なく表面特性(例えば、ブリードや他の製品への
べたつき成分の移行が少ない等に代表される)にも優れ
るという利点がある。プロピレン重合体[I]のメソペ
ンタッド分率(mmmm)が0.2未満では、べたつきの
原因となり、0.6を超えると弾性率が高くなり好ましく
ない。プロピレン重合体[I]の[rrrr/(1−m
mmm)]が0.1を超えるとべたつきの原因となる。な
お、本発明で用いられるメソペンタッド分率(mmmm
分率)とは、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)
等により「Macromolecules,6,925
(1973)」で提案された方法に準拠し、13C−NM
Rスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポ
リプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率で
ある。これが大きくなると、立体規則性が高くなること
を意味する。同じくラセミペンタッド分率(rrrr分
率)とは、ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位で
のラセミ分率である。[rrrr/(1−mmmm)]
は、上記のペンタッド単位の分率から求められ、プロピ
レン重合体の立体規則性分布の均一さを表わす指標であ
る。この値が大きくなると立体規則性分布が広がり、既
存触媒系を用いて製造される従来のポリプロピレンのよ
うに高立体規則性PP(ポリプロピレン)とアタクチッ
クPP(APP)の混合物となり、べたつきが増し、透
明性が低下することを意味する。なお、13C−NMRス
ペクトルの測定は、エイ・ザンベリ(A.Zambel
li)等により「Macromolecules,8,
687(1975)」で提案されたピークの帰属に従
い、下記の装置及び条件にて行う。
【0006】装置:日本電子(株)製JNM−EX40
0型13C−NMR装置 方法:プロトン完全デカップリング法 濃度:220mg/ミリリットル 溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの
90:10(容量比)混合溶媒 温度:130℃ パルス幅:45° パルス繰り返し時間:4秒 積算:10000回 プロピレン重合体[I]としては、前記の(1)及び
(2)要件の他に、
【0007】(3)テトラリン中135℃にて測定した
極限粘度[η]が1.0〜3.0デシリットル/gであるも
のが好ましい。なかでもより好ましくは1.0〜2.5デシ
リットル/g、特に好ましくは1.2〜2.2デシリットル
/gである。極限粘度〔η〕が1.0デシリットル/g未
満では、べたつきが発生することがある。また3.0デシ
リットル/gを超えると、流動性が低下するため成形性
が不良となることがある。さらに、前記(1)、(2)
及び(3)の要件の他に、(4)昇温クロマトグラフィ
ーにおける25℃以下で溶出する成分量(W25)が2
0〜100質量%であるものが好ましく、30〜100
質量%がさらに好ましく、50〜100質量%が特に好
ましく、60〜100質量%が最も好ましい。W25と
は、実施例において述べる操作法、装置構成及び測定条
件の昇温クロマトグラフィーにより測定して求めた溶出
曲線におけるTREFのカラム温度25℃において充填
剤に吸着されないで溶出する成分の量(質量%)であ
る。W25は、プロピレン重合体が軟質であるか否かを
表す指標である。この値が大きくなると弾性率の低い成
分が多くなったり、及び/又は立体規則性分布の不均一
さが広がっていることを意味する。本発明においては、
W25が20%未満では、柔軟性がなくなり好ましくな
いことがある。
【0008】プロピレン重合体[I]としては、さらに
下記の〜のいずれかの要件を満たすものが好まし
い。 ゲルパーミエイション(GPC)法により測定した分
子量分布(Mw/Mn)が4以下、さらに好ましくは3.
5以下、特に好ましくは3以下である。分子量分布(M
w/Mn)が4を超えるとべたつきが発生したりするこ
とがある。なお、上記Mw/Mnは、実施例において述
べるゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法
により求められる。 DSC測定による融解吸熱量ΔHが30J/g以下で
あると柔軟性が優れ好ましい。ΔHは、軟質であるかな
いかを表す指標でこの値が大きくなると弾性率が高く、
軟質性が低下していることを意味する。 融点(Tm)及び結晶化温度(Tc)があってもなく
てもよいが、軟質性の点からないこと、あるいは低い
値、特にTmについては100℃以下であることが好ま
しい。なお、ΔH、Tm及びTcは、実施例において述
べるDSC測定により求める。
【0009】プロピレン重合体[I]としては、前記
(1)及び(2)を満たすものであればよく、本発明の
目的を損なわない範囲で、プロピレン以外のコモノマー
を2質量%以下共重合させたものであっても構わない。
コモノマーとしては、エチレン,1−ブテン,1−ペン
テン,4−メチル−1−ペンテン,1−ヘキセン,1−
オクテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセ
ン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−エイコ
センなどが挙げられ、本発明においては、これらのうち
一種又は二種以上を用いることができる。本発明に用い
られるプロピレン重合体[I]の製造方法としては、
(A)2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷
移金属化合物と(B)助触媒を組み合わせて得られるメ
タロセン触媒を用いてプロピレンを重合または共重合す
る方法が好ましい。具体的に例示すれば、一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はラ
ンタノイド系列の金属元素を示し、E 1 及びE2 はそれ
ぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換
インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘ
テロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド
基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子
であって、A1 及びA2 を介して架橋構造を形成してお
り、またそれらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、
複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,
1 ,E2 又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩
基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異な
っていてもよく、他のY,E1 ,E2 又はXと架橋して
いてもよく、A1 及びA2 は二つの配位子を結合する二
価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、
ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、
−S−、−SO2 −、−Se−、−NR1 −、−PR1
−、−P(O)R1 −、−BR1 −又は−AlR1 −を
示し、R1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20
の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水
素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
よい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示
し、rは0〜3の整数を示す。〕で表される遷移金属化
合物(A)、及び該(A)成分の遷移金属化合物又はそ
の派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
(B−1)及びアルミノキサン(B−2)から選ばれる
助触媒成分(B)を含有する重合用触媒の存在下、プロ
ピレンを重合又は共重合させる方法が挙げられる。
【0012】一般式(I)で表される遷移金属化合物の
具体例としては、(1,2' −ジメチルシリレン)
(2,1' −ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチル
インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジ
メチルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレン)ビス
(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)ビス(3−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシ
リレン)(2,1' −ジメチルシリレン)ビス(4,5
−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレ
ン)ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウム
ジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルイン
デニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチ
ルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレン)ビス
(4,7−ジ−i−プロピルインデニル)ジルコニウム
ジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)ビス(4−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシ
リレン)(2,1' −ジメチルシリレン)ビス(3−メ
チル−4−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジク
ロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −
ジメチルシリレン)ビス(5,6−ベンゾインデニル)
ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレ
ン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシ
リレン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス(3−
メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
2' −ジメチルシリレン)(2,1' −イソプロピリデ
ン)−ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −イソプロピリデン)−ビス(3−n−ブチルイン
デニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチ
ルシリレン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス
(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,など及びこれらの化合物におけるジルコ
ニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げる
ことができる。
【0013】次に、(B)成分のうちの(B−1)成分
としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テト
ラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェ
ニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テ
トラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモ
ニウムなどを挙げることができる。(B−1)は一種用
いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。一方、(B−2)成分のアルミノキサンとしては、
メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブ
チルアルミノキサン等が挙げられる。これらのアルミノ
キサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。前記重合用触媒としては、上記(A)成分
及び(B)成分に加えて(C)成分として有機アルミニ
ウム化合物を用いることができる。
【0014】(C)成分の有機アルミニウム化合物とし
ては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウ
ム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルア
ルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチル
アルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリ
ド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニ
ウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,
ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセ
スキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミニウ
ム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用い
てもよい。ここで、プロピレンの重合に際しては、触媒
成分の少なくとも一種を適当な担体に担持して用いるこ
とができる。
【0015】重合方法は特に制限されず、スラリー重合
法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法
などのいずれの方法を用いてもよいが、塊状重合法,溶
液重合法が特に好ましい。重合温度は通常−100〜2
50℃、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノ
マー/上記(A)成分(モル比)が好ましくは1〜10
8 、特に100〜105 となることが好ましい。さら
に、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は通常、
常圧〜20MPa(gauge)である。
【0016】本発明のオレフィン系樹脂発泡体シート
(b)を形成する樹脂組成物に含まれるオレフィン系重
合体[II]としては、プロピレン重合体[I]以外のポ
リプロピレン系樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、
プロピレン−エチレン−ジエン共重合体、ポリエチレン
系樹脂、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。プロピレン重合
体[I]以外のポリプロピレン樹脂としては、例えばホ
モプロピレン,プロピレン−エチレンランダム共重合
体,SPP(シンジオタクチックポリプロピレン)及び
プロピレン−エチレン−ブテン1三元共重合体などが挙
げられる。ポリエチレン系樹脂としては、LDPE(低
密度ポリエチレン),炭素数が4,6又は8のLLDP
E(直鎖状低密度ポリエチレン),メタロセン系LLD
PE,EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体),EM
MA(エチレン・メタクリル酸メチル共重合体),EE
A(エチレン−エチルアクリレート共重合体),EMA
(エチルメタクリレート),EMAA(エチレン・アク
リル酸メチル共重合体)及びエチレンアイオノマーなど
が挙げられる。これらは、一種を単独で用いてもよい
し、二種以上を組み合わせて用いてもよい。この樹脂組
成物は、プロピレン重合体[I]1〜99質量%とオレ
フィン系重合体[II]99〜1質量%からなる。好まし
くは、プロピレン重合体[I]10〜80質量%とオレ
フィン系重合体[II]90〜20質量%からなる。さら
に好ましくは、プロピレン重合体[I]25〜75質量
%とオレフィン系重合体[II]75〜25質量%からな
る。特に好ましくは、プロピレン重合体[I]40〜7
5質量%とオレフィン系重合体[II]60〜25質量%
からなる。
【0017】本発明のオレフィン系樹脂発泡体シート
(b)を形成する樹脂組成物は、プロピレン重合体
[I]1〜99質量%とオレフィン系重合体[II]99
〜1質量%、発泡剤及び所望に応じて用いられる各種添
加剤とを加圧ニーダー、ロール、バンバリーミキサー、
スタティックミキサー、スクリュー式押出機等により、
混練することにより得られる。場合によっては、予め各
成分をドライブレンドしたものを混練してもよい。発泡
剤としては、アゾジカルボアミド、オキシビスベンゼン
スルフォニルヒドラジド、ベンゼンスルフォニルヒドラ
ジド、P−トルエンスルフォニルヒドラジド、ジアゾア
ミノベンゼン、アゾビスイソブチロニトリル等の熱分解
型化学発泡剤から選ばれる一種または二種以上を使用す
ることができる。上記の発泡剤の添加量は、発泡体シー
トの発泡倍率によって適宜選択される。例えば、発泡倍
率を3〜15倍程度にする場合は、基材樹脂100重量
部あたり、2〜20重量部程度である。所望に応じて用
いられる各種添加剤としては、紫外線吸収剤、HALS
(ヒンダードアミン系光安定剤)、滑剤、酸化防止剤、
アンチブロッキング剤、核剤、石油樹脂、抗菌剤、帯電
防止剤、着色剤、熱安定剤、離型材、防曇剤、タルクや
炭酸カルシウムなどの無機充填剤、ガラス繊維やカーボ
ン繊維などの強化剤、難燃剤、シリコーン,熱可塑性エ
ラストマー,等が挙げられる。なお、これらの発泡剤や
添加剤は、プロピレン重合体[I]からなるオレフィン
系樹脂発泡体シート(a)においても添加することがで
きる。
【0018】本発明のオレフィン系樹脂発泡体シート
は、公知のシート成形法(ベルトプロセス,カレンダー
成形法,ナイフコーティング法,Tダイ押出し成形法,
インフレーション成形法,キャスト成形法)により作製
することができる。カレンダー成形法の場合、カレンダ
ーロールの温度は発泡剤により発泡性シートが発泡しな
い100〜150℃が好ましい。この得られた発泡性シ
ートを加熱して、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体
シートが得られる。この加熱温度としては、発泡剤の熱
分解温度以上であることが必要であり、通常160〜2
20℃程度である。本発明のオレフィン系樹脂発泡体シ
ートの厚さは、0.1〜5mmであることが好ましく、0.
5〜3mmがより好ましく、さらに好ましくは0.5〜2
mmである。本発明の積層シートは、発泡性シートの片
面に、表皮層、基布層のいずれか一方を積層し、貼り合
わせるか、あるいは表皮層と基布層の両方をそれぞれの
面に積層し、貼り合わせて、2層又は3層構造とした後
に、加熱して発泡させることにより、得ることができ
る。表皮層や基布層を設けることにより、本発明の発泡
体シートの物性等を向上させることが可能になり、使用
できる用途の拡大を図ることができる。
【0019】表皮層は、非発泡性であり、プロピレン重
合体[I]やオレフィン系重合体[II]に、プロピレン
重合体[I]以外のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレ
ン系樹脂又は熱可塑性エラストマーをブレンドするか、
あるいはこれらのポリプロピレン系樹脂やポリエチレン
系樹脂で形成することができる。この場合も、上述した
各種添加剤を添加することができる。プロピレン重合体
[I]以外のポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系
樹脂としては、オレフィン系重合体[II]において例示
したものと同様のものが挙げられる。熱可塑性エラスト
マーとしては、EPR(エチレン/プロピレンゴムエラ
ストマー),HSBR(水素添加−スチレン/ブタジエ
ンゴムエラストマー),SEPS(スチレン/エチレン
/プロピレン/スチレンエラストマー),SIPS(ス
チレン/イソプレン/スチレンエラストマー)などが挙
げられる。表皮層を発泡体シートと同じオレフィン系樹
脂で形成すると、耐久性等の物性面で好ましく、廃棄処
理においても容易に行うことができる。表皮層の作製
は、上記の発泡性シートと同様のシート作製方法で行え
ばよい。
【0020】基布層としては、通常の合成樹脂レザーや
合成皮革に使用される織布、編布、不織布等の種々のも
のを使用することができ、例えば、綿,レーヨン,ポリ
エステル,ポリアミド等の織布や編布、ポリエチレン,
ポリプロピレン,ポリエステル等の合成樹脂繊維等の各
種不織布が挙げられる。発泡体シートと表皮層又は基布
層との貼り合わせ方法は、通常実施されている方法であ
れば、いかなる方法でも適用でき、発泡体シートと表皮
層や基布層の特性を考慮して適宜選択される。例えば、
発泡体シートと表皮層を貼り合わせる場合、発泡前の発
泡性シートと表皮層とを積層した状態で加熱ロール等に
通すことにより貼り合わせることがきる。また、この貼
り合わせの際に必要に応じて、2層の間に接着層やプラ
イマー層を設けることにより、層間の接着力を向上させ
ることができる。接着層やプライマー層としては、例え
ば、エチレン−ビニルエステル共重合樹脂系、酢酸ビニ
ル樹脂系、ウレタン樹脂系等のホットメルトタイプや反
応タイプのものを使用することができる。また、貼り合
わせる時期としては、発泡性シートを加熱して発泡さ
せ、発泡シートとした後でも、発泡前の発泡性シートの
状態で貼り合わせ、その後に発泡させてもよい。例え
ば、使用する表皮層や基布層が耐熱性を持たない場合
は、発泡後に貼り合わせた方が表皮層や基布層の特性を
損ねる可能性が少なくなり、好ましい。さらにまた、表
皮層や基布層に直接、ナイフコーティング法等により、
発泡性シート層を設けた後、必要に応じて発泡性シート
層面に表皮層又は基布層を貼り合わせて3層構造とし
て、その後に発泡を行なってもよい。発泡後に3層構造
としてもよい。
【0021】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら
制限されるものではない。 製造例1〔プロピレン重合体(P1)の製造〕 (1)錯体の合成 (1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチル
シリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデ
ニル)ジルコニウムジクロライドの合成 シュレンク瓶に(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)−ビス(インデン)のリチウ
ム塩の3.0g(6.97mmol)をTHF50ミリリッ
トルに溶解し−78℃に冷却した。ヨードメチルトリメ
チルシラン2.1ミリリットル(14.2mmol)をゆっ
くりと滴下し室温で12時間攪拌した。溶媒を留去しエ
ーテル50ミリリットルを加えて飽和塩化アンモニウム
溶液で洗浄した。分液後、有機相を乾燥し溶媒を除去し
て(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチ
ルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルイン
デン)を3.04g(5.88mmol)を得た。(収率8
4%) 次に、窒素気流下においてシュレンク瓶に前記で得られ
た(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチ
ルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルイン
デン)を3.04g(5.88mmol)とエーテル50ミ
リリットルを入れる。−78℃に冷却しn−BuLi
(ヘキサン溶液1.54M)を7.6ミリリットル(11.7
mmol)加えた後、室温で12時間攪拌した。溶媒を
留去し、得られた固体をヘキサン40ミリリットルで洗
浄することによりリチウム塩をエーテル付加体として3.
06g(5.07mmol)を得た(収率73%)。1 H−NMR(90MHz,THF−d8 )による測定
の結果は、: δ 0.04(s,18H,トリメチルシ
リル),0.48(s,12H,ジメチルシリレン),1.
10(t,6H,メチル),2.59(s,4H,メチレ
ン),3.38(q,4H,メチレン),6.2−7.7
(m,8H,Ar−H)であった。 窒素気流下で前記で得られたリチウム塩をトルエン50
ミリリットルに溶解した。−78℃に冷却し、ここへ予
め−78℃に冷却した四塩化ジルコニウム1.2g(5.1
mmol)のトルエン(20ミリリットル)懸濁液を滴
下した。滴下後、室温で6時間攪拌した。その反応溶液
の溶媒を留去した。得られた残渣をジクロロメタンより
再結晶化することにより(1,2' −ジメチルシリレ
ン)(2,1' −ジメチルシリレン)−ビス(3−トリ
メチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロラ
イドを0.9g(1.33mmol)を得た(収率26
%)。1 H−NMR(90MHz,CDCl3 )による測定の
結果は、: δ 0.0(s,18H,トリメチルシリ
ル),1.02,1.12(s,12H,ジメチルシリレ
ン),2.51(dd,4H,メチレン),7.1−7.6
(m,8H,Ar−H)であった。
【0022】(2)プロピレンの重合 攪拌機付き、内容積10リットルのステンレス製オート
クレーブにn−ヘプタン4リットル、トリイソブチルア
ルミニウム2ミリモル、さらに、メチルアルミノキサン
(アルベマール社製)2ミリモルと、前記で得た(1,
2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレ
ン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)
ジルコニウムジクロライド2マイクロモルを、順次投入
した。次いで、水素を0.06MPa(gauge)導入
した後、60℃まで温度を上昇させながら、全圧で0.8
MPa(gauge)までプロピレンガスを導入した。
重合中、全圧が0.8MPa(gauge)になるように
調圧器によりプロピレンを供給した。重合温度60℃
で、30分間重合を行なった後、内容物を取り出し、減
圧下、乾燥することにより、プロピレン重合体(P1)
を得た。以下に示す「プロピレン重合体の樹脂特性の評
価方法」により得られた結果を第1表に示す。
【0023】<プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法
> (1)[η] の測定 (株) 離合社のVMR−053型自動粘度計を用い、テ
トラリン溶媒中135℃において測定した。 (2)ペンタッド分率の測定 明細書本文中に記載した方法により測定した。 (3)メルトフローレート(MFR)の測定 JIS K 7210に準拠し、230℃、荷重21.1
8Nで測定した。 (4)分子量分布(Mw/Mn)の測定 Mw/Mnは、以下に述べる装置により測定した。
【0024】 GPC測定装置 カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT 検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C 測定条件 溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン 測定温度 :145℃ 流速 :1.0ミリリットル/分 試料濃度 :2.2mg/ミリリットル 注入量 :160マイクロリットル 検量線 :Universal Calibration 解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
【0025】(5)DSC測定 示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製, DSC−
7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下、220℃で
3分間溶融した後、1℃/分で−40℃まで降温したと
きに得られる結晶化発熱カーブの最大ピークのピークト
ップを結晶化温度:Tcとした。さらに、−40℃で3
分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得
られる融解吸熱量をΔHとした。また、このときに得ら
れる融解吸熱カーブの最大ピークのピークトップを融
点:Tmとした。 (6)昇温分別クロマトグラフ 以下のようにして、溶出曲線におけるTREFのカラム
温度25℃において充填剤に吸着されないで溶出する成
分の量W25(質量%)を求めた。 (a)操作法 試料溶液を温度135℃に調節したTREFカラムに導
入し、次いで降温速度5℃/時間にて徐々に0℃まで降
温し、30分間ホールドし、試料を充填剤に吸着させ
る。その後、昇温速度40℃/時間にてカラムを135
℃まで昇温し、溶出曲線を得た。 (b)装置構成 TREFカラム :GLサイエンス社製 シリカゲルカラム (4.6φ×150mm) フローセル :GLサイエンス社製 光路長1mm KBrセル 送液ポンプ :センシュウ科学社製 SSC−3100ポンプ バルブオーブン :GLサイエンス社製 MODEL554オーブン (高温型) TREFオーブン:GLサイエンス社製 二系列温調器 :理学工業社製 REX−C100温調器 検出器 :液体クロマトグラフィー用赤外検出器 FOXBORO社製 MIRAN 1A CVF 10方バルブ :バルコ社製 電動バルブ ループ :バルコ社製 500マイクロリットルループ (c)測定条件 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 試料濃度 :7.5g/リットル 注入量 :500マイクロリットル ポンプ流量 :2.0ミリリットル/分 検出波数 :3.41μm カラム充填剤 :クロモソルブP(30〜60メッシュ) カラム温度分布 :±0.2℃以内
【0026】製造例2〔プロピレン重合体(P2)の製
造〕 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積約6リットルのかきまぜ機付きガラス反応器を窒
素ガスで十分に置換したのち、これにエタノール約24
30g、ヨウ素16g及び金属マグネシウム160gを
仕込み、かきまぜながら加熱して、還流条件下で系内か
らの水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、固体状応
生成物を得た。この固体状生成物を含む反応液を減圧下
で乾燥させることにより、マグネシウム化合物を得た。 (2)固体触媒成分(A)の調製 窒素ガスで十分置換した内容積5リットルのガラス製反
応器に、上記(1)で得られたマグネシウム化合物(粉
砕していないもの)160g、精製ヘプタン80ミリリ
ットル、四塩化ケイ素24ミリリットル及びフタル酸ジ
エチル23ミリリットルを仕込み、系内を80℃に保
ち、かきまぜながら四塩化チタン770ミリリットルを
加えて110℃で2時間反応させたのち、固体成分を分
離して90℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩
化チタン1220ミリリットルを加え、110℃で2時
間反応させたのち、精製ヘプタンで十分に洗浄して固体
触媒成分(A)を得た。
【0027】(3)プロピレンの気相重合 内容積200リットルの重合槽に、上記(2)で得られ
た固体触媒成分6.0g/時間、トリイソブチルアルミニ
ウム(TIBA)0.2モル/時間、1−アリル−3, 4
−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.012モル/時
間、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CHMD
MS)0.012モル/時間、プロピレン37kg/時間
で供給し、70℃、2.8MPa(gauge)で重合を
行ない、プロピレン重合体を製造した。得られたプロピ
レンパウダーに、2, 5−ジメチル−2, 5−ジ−(t
−ブチルパーオキシ)−ヘキサンを混合し、さらに下記
の添加剤処方を行い、単軸押出機(塚田樹機製作所製:
TLC 35−20型)にて押し出し造粒し、ペレット
を製造した。得られたペレット(P2)について、前記
「プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法」により得ら
れた結果を第1表に示す。
【0028】(添加剤処方) ・フェノール系酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製,イルガノックス1010;1,000pp
m ・リン系酸化防止剤:クラリアント社製,P−EPQ;
500ppm ・中和剤:ステアリン酸カルシウム;500ppm ・中和剤:協和化学工業社製,DHT−4A;500p
pm
【0029】製造例3〔プロピレン重合体(P3)の製
造〕 内容積1リットルのステンレス製オートクレーブにヘプ
タン400ミリリットル,トリイソブチルアルミニウム
0.5ミリモル、さらに、ジメチルアニリニウム(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート2マイクロモルと、特開平
3−163088号公報の実施例1と同様にして製造し
た(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η
5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド
1マイクロモルをトルエン中5分間予備接触させた触媒
成分を投入した。ここで、水素0.03MPa(gaug
e)を導入した後、全圧で0.8MPa(gauge)ま
でプロピレンガスを導入し重合中圧力が一定になるよう
に調圧器によりプロピレンを供給した。重合温度70℃
で、1時間重合を行なった後、内容物を取り出し、減圧
下、乾燥することにより、プロピレン重合体(P3)を
得た。「プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法」を行
い、得られた結果を第1表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1 上記で得たプロピレン重合体(P1)に以下の添加剤を
処方し、単軸押出機(塚田樹機製作所製,TLC 35
−20型)にて押し出し造粒し、P1のペレットを製造
した。 (添加剤処方) ・フェノール系酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製,イルガノックス1010;500ppm ・リン系酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケミカル
ズ社製,イルガフォス168;1,000ppm
【0032】得られたP1のペレット100重量部、ア
ゾジカルボアミド3重量部、酸化亜鉛1重量部、リン酸
エステル系酸化防止剤0.3重量部及びフェノール系酸化
防止剤0.1重量部をバンバリーミキサーで混練し、発泡
性樹脂組成物を調製した。この組成物を、120℃に加
熱したカレンダーロールを使用して、厚さ0.5mm、幅
50cm、長さ80cmの発泡性シートを作製した。こ
のシートを、190℃に加熱したオーブン中に入れて加
熱し、厚さ2mmの発泡体シートを得た。以下に示す
「オレフィン系樹脂発泡体シートの特性の評価方法」に
よる評価結果を第2表に示す。
【0033】<オレフィン系樹脂発泡体シートの特性の
評価方法> (1)しなやかさ 手で触ってしなやかさのあるものを○、しなやかさの無
いものを×とした。 (2)風合い 目視で観察し、ポリ塩化ビニルと同等の風合いを有する
ものを○、風合いが劣るものを×とした。 (3)べたつき感 べたつき感のないものを○、手で触ると粘着感のあるも
のを×とした。
【0034】実施例2 実施例1において、P1のペレット100重量部の代わ
りに、P1のペレットを70質量%、出光石油化学社製
のポリプロピレンE−304GP(プロピレンホモポリ
マー,メルトインデックス=3)(第2表においては3
04と記す)を30質量%の割合で配合したものを10
0重量部使用した以外は実施例1と同様にして発泡体シ
ートを作製し、同様の評価を行った。評価結果を第2表
に示す。 比較例1 実施例1において、P1のペレットの代わりに前記で得
たP2のペレットを用いた以外は実施例1と同様にして
発泡体シートを作製した。評価結果を第2表に示す。 比較例2 実施例1において、P1のペレットの代わりに前記で得
たP3のペレットを用いた以外は実施例1と同様にして
発泡体シートを作製した。評価結果を第2表に示す。 比較例3 市販のポリ塩化ビニル発泡体について、実施例1と同様
の評価を行なった。評価結果を第2表に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、べたつきが少なく、ポ
リ塩化ビニルと同等の柔軟性を有し、かつポリ塩化ビニ
ルやポリウレタンと同様の風合いを有するオレフィン系
樹脂発泡体シート及び該発泡体シートを使用した積層シ
ートを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA24 BA13 BA14 BA17 BA18 BA19 BA20 CA29 CC04Y CE02 CE14 CE46 CE47 DA08 DA09 DA20 DA33 DA34 DA37 DA45 4F100 AK07A DG11B DJ01A JA06A JK13 JL08A YY00A 4J002 BB03X BB06X BB07X BB12W BB12X BB14W BB15W BB15X BB23X EQ016 ER016 EV266 FD010 FD040 FD326 4J100 AA02Q AA03P AA04Q AA07Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q AA21Q CA01 CA04 DA41 FA10 JA57 JA58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(1)及び(2) (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
    ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
    mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
    るを満たすプロピレン重合体[I]からなるオレフィン
    系樹脂発泡体シート。
  2. 【請求項2】 プロピレン重合体[I]が、さらに下記
    の(3) (3)テトラリン中135℃にて測定した極限粘度
    [η]が1.0〜3.0デシリットル/gであるを満たすプ
    ロピレン重合体である請求項1に記載のオレフィン系樹
    脂発泡体シート。
  3. 【請求項3】 プロピレン重合体[I]が、さらに下記
    の(4) (4)昇温クロマトグラフィーにおける25℃以下で溶
    出する成分量(W25)が20〜100質量%であるを
    満たすプロピレン重合体である請求項1又は2に記載の
    オレフィン系樹脂発泡体シート。
  4. 【請求項4】 プロピレン重合体[I]が2個の架橋基
    を介して架橋構造を形成してなる遷移金属化合物と助触
    媒からなるメタロセン触媒を用いて重合されたものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン系樹脂発
    泡体シート。
  5. 【請求項5】 下記の(1)及び(2) (1)メソペンタッド分率(mmmm)が0.2〜0.6で
    ある (2)ラセミペンタッド分率(rrrr)と(1−mm
    mm)とが[rrrr/(1−mmmm)]≦0.1であ
    るを満たすプロピレン重合体[I]1〜99質量%及び
    オレフィン系重合体[II]99〜1質量%を含む樹脂組
    成物からなるオレフィン系樹脂発泡体シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のオレフィン系樹脂
    発泡体シートに、基布層及び/又は表皮層を積層させて
    なる積層シート。
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231192A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Japan Polypropylene Corp ポリプロピレン系発泡延伸フィルム
JP2009179647A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Japan Polypropylene Corp 空冷インフレーション用発泡樹脂組成物およびそれを用いた空冷インフレーション発泡フィルム

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