JP2002263390A - ミシン針およびその製造方法 - Google Patents

ミシン針およびその製造方法

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JP2002263390A JP2001070851A JP2001070851A JP2002263390A JP 2002263390 A JP2002263390 A JP 2002263390A JP 2001070851 A JP2001070851 A JP 2001070851A JP 2001070851 A JP2001070851 A JP 2001070851A JP 2002263390 A JP2002263390 A JP 2002263390A
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Kazuhiro Nakamura
和丕 中村
Yoshikazu Mitsui
好和 三井
Takeshi Takeuchi
毅 竹内
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Organ Needle Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縫製中での針折れ頻度を激減させ、しかも針
折損トラブル時の針の細かい破片の飛散を防止すること
ができ、縫製作業の安全性を高め、かつ、縫製品の安全
対策上も信頼性のあるミシン針を提供する。 【解決手段】 炭素鋼よりなる金属針素材から、針先部
1、針穴部2、えぐり部3、針幹部4、テーパー部5お
よび柄部6を形成し、前記針幹部4を針先部1に連続す
る小径の第1針幹部4 と、小テーパー部7で連続す
る第1針幹部4より大径で柄部6より小径の第2針幹
部4 とから構成すると共に、熱処理で針全体の硬度
を800Hv以下とし、クロムメッキ層9を備え、針破
壊時の適正な折点角度を15度以内となるようにベーキ
ング処理した構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシン針およびそ
の製造方法、特には金属針線素材の材料特性並びに針の
表面処理の改善によって、針の運針破損時における折れ
る角度を安定化してあり、更に折れても細かい破片の飛
散を防止することが可能な、より安全性の高いミシン
針、特に家庭用ミシン針およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の家庭用ミシン針は、硬度が750
Hv程度でニッケルメッキ処理したものであり、金属針
線素材から針先部、針穴部、えぐり部、針幹部、テーパ
ー部および柄部がそれぞれ一体に形成され、さらにテー
パー部と針幹部から針穴部にかけて糸溝が形成されてお
り、この針を単純に曲げた場合、或る荷重を越えると弾
性域から塑性域に入り、いわゆる歪みが発生すること
が、家庭用ミシン針の折れる原因の一つとして知られて
いる。ところで縫製作業中にハンドリング、糸の張力、
生地の厚さ、縫製素材など多種ある縫製条件、その他の
様々な要因によって過大な荷重が作用して単純曲げ応
力、局部的曲げ応力、または座屈応力などがミシン針に
作用した場合、即ちミシン針自体に許容応力以上の外力
が加わったときには、ミシン針が破壊されて折れること
があり、針が折れると針母材や形成されているメッキ層
が飛散することとなる。このように、ミシンを使用して
縫製作業中に、何らかの原因で針折れ事故が発生するこ
とは、多様な縫製条件下では避けられないことではある
が、なかでも折れた針の細かな破片の飛散によって生ず
る問題は、安全対策上きわめて重大である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような針折れが、
特に折れることの多い箇所としての針穴部で発生したと
きには、糸の離脱を招き、破損した針が飛散することと
なる。例えば、針がミシンの釜若しくは剣先に接触して
折れる一次破壊の場合、ミシンはすぐに停止することは
できずに数回の運針後、糸切れ感知装置等によるトラブ
ル検出によって停止することになるが、この一次破壊時
にそのミシン針の折れ口が細かく砕け、この破片が飛散
することとなり、また折れ口が大きく曲がっている状態
で折れると、ミシン停止前の次の運針時に針中央部が更
に破損して飛散する二次破壊が発生することが極めて多
いことが判明した。そして、このような針折れの発生
は、針折れ発生時点より停止までの移動寸法分の生地の
ロスとなるばかりか、破損した針が飛散することによ
り、縫製作業者などの身体被害の発生誘発の危険もあ
り、しかも安全管理上、縫製中の衣服等への針の破片の
混入の有無を確認するための折れ針探索作業も必須とな
り、細かく砕けた破損針の探索は容易でなく、稼働率も
あげられない不便が生じてしまい、縫製作業はもちろん
縫製品の安全対策上大きな問題であって、ミシン針の使
用にあたっての針の破片の飛散を防止することがミシン
針、特に家庭用ミシン針の安全対策上強く望まれるもの
となっている。
【0004】本発明は、これら従来の問題点を解決しよ
うとするもので、ミシン針自体の材料特性及び針の表面
処理の改良により、針自体の適度な硬度を維持しつつ、
針の折れた箇所に塑性変形による折れ口の曲がり変形が
発生しないように、針自体の折点を低く抑え、縫製中の
針の曲がり、歪みを減少させて針折れ頻度を激減させ、
しかも針折損トラブル時の針の細かな破片の飛散を防止
することができ、縫製作業の安全性を著しく高め、か
つ、破損した針の探索時間の短縮化で稼働率を大巾に高
められるほか、破損した針片の混入を防ぐという縫製品
自体の安全対策のうえでも信頼性のある高品質で経済的
なミシン針、およびこのミシン針を製造する方法を提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、針先部、針穴部、えぐり部、針幹部、テー
パー部および柄部を備えたミシン針において、針全体の
硬度を800Hv以下とし、前記針幹部を針先部に連続
する小径の第1針幹部と、該第1針幹部と小テーパー部
を介して連続する該第1針幹部より大径で柄部より小径
の第2針幹部とから構成すると共に、少なくとも前記針
先部、針穴部、えぐり部、針幹部およびテーパー部にク
ロムメッキ層を備え、針破壊時の折点角度を15度以内
としたものである。
【0006】さらに、このミシン針を製造する方法にお
いて、炭素鋼からなる金属針素材から針先部、針穴部、
えぐり部、針幹部、テーパー部および柄部を備えたミシ
ン針を形成すると共に、前記針幹部を針先部に連続する
小径の第1針幹部と、該第1針幹部と小テーパー部を介
して連続する第1針幹部より大径で柄部より小径の第2
針幹部とに成形し、焼き入れ焼き戻し処理により、この
針全体の硬度を800Hv以下とし、少なくとも前記針
先部、針穴部、えぐり部、針幹部およびテーパー部にメ
ッキ処理によってクロムメッキ層を形成し、更にクロム
メッキ層の水素脆性をコントロールして針破壊時の折点
角度を15度以内の範囲となるようにベーキング処理す
ることを特徴としている。
【0007】なお、前記柄部を含む針全体にクロムメッ
キ層を形成する構成とすることにより、針製造にあたっ
ての既存設備の利用が可能となる。また、前記針幹部に
形成されたクロムメッキ層は、水素脆性をコントロール
するためクロムメッキ処理のメッキ後に温度100〜2
00℃で、時間0.25〜1.00時間、好ましくは
0.50〜0.80時間の範囲でベーキング処理して、
針破壊時の折点角度を15度以内に設定するので、針に
対して適正な硬度を確保しながら脆さを設定することが
容易にできる。
【0008】
【作用】この発明にかかるミシン針は、炭素鋼からなる
金属針素材から針先部、針穴部、えぐり部、針幹部、テ
ーパー部および柄部を備えたミシン針を形成し、前記針
幹部を針先部に連続する小径の第1針幹部と、該第1針
幹部と小テーパー部を介して連続する第1針幹部より大
径で柄部より小径の第2針幹部とに成形し、焼き入れ焼
き戻し処理をしてこの針全体を硬度800Hv以下と
し、少なくとも前記針先部、針穴部、えぐり部、針幹部
およびテーパー部にメッキ処理によってクロムメッキ層
を形成し、さらに水素の含有率により適正な硬度を確保
しながら脆さを設定するために、該クロムメッキ層の水
素脆性をコントロールして針破壊時の折点角度を15度
以内の範囲となるようにベーキング処理してあるので、
針自体の強度は高く、その表面が高耐摩耗性を持ち、耐
久性が大巾に向上すると共に、針折れの発生比率も低下
し、しかも多様な縫製条件下で使用され、荷重がかかっ
て弾性域から塑性域に入った段階で針折れが生じる場合
の、針の折れ角度を安定化させてある。本発明におい
て、針破壊時の折点角度とは、針の軸を固定し、針穴部
位に荷重を加えることで、針全体に曲げ応力を発生させ
て、針先端がどの程度の角度に達したときに折れるかを
測定して行うもので、この折点角度をクロムメッキ層の
水素脆性をコントロールして低く抑えることで折れ口の
変位を抑えるようにしてある。
【0009】
【発明実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を用
いて説明する。図1は、この発明の一つの実施形態の家
庭用ミシン針を示し、このミシン針10は、炭素鋼、超
炭素鋼、例えばSWRS(ピアノ線)、硬剛線材(SW
RH)または合金鋼などの金属素材から、針先部1、針
穴部2、えぐり部3、針幹部4、テーパー部5および柄
部6を形成し、前記針幹部4を、針先部1に連続する小
径の第1針幹部4 と、小テーパー部7で第1針幹部
に連続する第1針幹部4 より大径で柄部6より
小径の第2針幹部4 とから構成し、糸溝8を備える
と共に、熱処理で針素材の硬度を800Hv以下とし、
前記柄部6を除いた前記各部位にクロムメッキ層9を備
え、針破壊時の折点角度を15度以内となるようにベー
キング処理したものからなる。なお、柄部6を含むミシ
ン針10の全体にクロムメッキ層を形成してもよいこと
は言うまでもない。
【0010】このようなミシン針の場合、針の強度を高
めることにより、ミシンの針板、釜等に接触することを
防ぐことができるが、そのために硬度を800Hv以上
に高めると針が折れた場合その折れ口が細かく砕け、こ
の破片が飛散する問題点が生ずるので、針の硬度は低目
にし、かつその針幹部の構造を特有のものとした。即
ち、熱処理工程(焼き入れ/焼き鈍し工程)によってミ
シン針全体の硬度Hv(ビッカース硬さ)を、800H
v以下に抑え、例えば700〜800Hvの範囲、好ま
しくは720〜770Hv、さらに好ましくは740〜
770Hv程度とすることで、折れ口からの細かく砕け
た破片の飛散を防ぎ、かつ針幹部4の二段形状の第1針
幹部4と第2針幹部4(断面積比率0.5〜0.
9:1)を、例えば、各番手ごとに長さ13〜15m
m、直径0.65〜1.15mmの第1針幹部4
と、長さ5.0〜6.0mmで直径0.75〜1.25
mmの第2針幹部4 とから選んで構成した針幹部4
とし、さらにメッキ処理工程によって、例えば、0.5
〜3.5μmの範囲、好ましくは1.8〜3.0μmの
範囲のクロムメッキ層を形成することにより針自体の強
度を向上させ、針折れの発生率を減少させると共に、さ
らにベーキング処理工程によって針折れの角度の安定化
のために最適な折点調整をしている。なお、上記範囲、
例えば厚さ2μmのクロムメッキ層を形成した後の前記
ミシン針の硬度は、800Hv以下である(この硬度の
測定時の荷重は500g Load)。
【0011】折点調整についてみると、炭素鋼の金属針
素材のミシン針は、荷重がかかると弾性域から塑性域に
徐々に変化していくので、この塑性域に入った段階です
ぐ折れるように設計、熱処理してコントロールするのが
望ましく、このためにクロムメッキを施した時に含浸さ
れる水素による水素脆性を調整し、針の折れ角度を安定
化させている。特に、水素脆性について、クロムメッキ
ではミシン針の折点をコントロールできる程の水素脆性
が期待できるので、クロムメッキ処理後に水素脆性除去
のベーキング処理をすることにより折点調整をすること
ができる。
【0012】このベーキング処理としては、ベーキング
炉内において針の温度100〜200℃で0.25〜
1.00時間、好ましくは0.50〜0.80時間処理
することにより、折点角度を15度以内、好ましくは5
〜15度の範囲内に調整するのがよい。この場合、ベー
キング温度が高いと針金属に含有される水素が針金属か
ら放出されて折点は高まるという関係があるので、この
針の折点に影響するベーキング温度と、主として針折れ
の角度安定化のために必要な処理時間とが配慮される。
【0013】こうして製造された本発明のミシン針にお
いては、針折れ口の変位が少なく、針折れの角度の安定
性が良好であることが判明している。表1は、針径、長
さ寸法の略等しいミシン針を選んで、本発明によりHL
×5♯11(番手11):針直径・第1針幹部径0.7
7mm,第2針幹部径0.85mm,テーパー部6.0
mm,柄部12.5mm(クロムメッキ針)を、温度1
00℃で時間40分間ベーキング処理したものと、従来
例によるHA×1♯11(番手11):針直径0.77
mm,テーパー部7.2mm,柄部11.7mm(ニッ
ケルメッキ針)の各試料A〜Hの強度を測定した結果の
強度比較表である。表中、剛性値(g)は図3に示すよ
うにミシン針10の柄部6をミシン針棒Sで固定し、針
穴部2の部位に荷重Wを加えることで針の先端部を角度
θ、実験では10度曲げるために要した荷重をグラム
(g)で表したものである。
【0014】表1から明らかなように、本発明のミシン
針である折点角度15度以内の範囲のA〜Dのものが、
針の折れ口変化が少なく剛性も高く有効であって、実験
では折点角度が5度以下であると縫製中の変位量に耐え
きれずミシン針が折れてしまう傾向にあり、また15度
以上では針の折れ口が曲がってしまう傾向があることが
判明した。さらに従来例のニッケルメッキ針の場合、折
点角度15度近くまで下げるには硬度は800Hv以上
にしなければならず、折れ口が粉々に折れてしまうこと
が判明した。
【0015】
【表1】
【0016】針破壊時の折点角度とは、ミシン針の針軸
を固定し、針穴部に荷重を加えることで曲げ応力を発生
させて、針先端がどの角度に達したときに折れるかを測
定したものである。即ち、図3に示すとおり、ミシン針
10の柄部6の針軸をミシン針棒Sへ挿入長(10m
m)で嵌挿して片持ち状態にて固定し、針穴部2の中央
部に荷重Wをかけて折り曲げ、針が折れた時の角度を表
す。この場合、ミシン針10の針幹部4の塑性変形量が
大きければ、角度θは大きくなり、かつ折れ口変形も大
きくなり、二次破壊の発生率が高まる。また塑性変形量
が小さければ角度θは小さくなり、かつ折れ口の変位も
少なくなり、二次破壊の発生率が少なくなるので、折点
角度を15度以内の範囲に設定したものである。
【0017】次に表2は、家庭用ミシン針につき、寸法
的に殆ど変わりのない従来例の一般針HA×1♯11
(ニッケルメッキ針)と、本発明針HL×5♯11(ク
ロムメッキ針)とをランダムに選出した各試針No.1
〜5につき、折点機(手動式)によって折り、その折れ
口の変位量(一次破壊時の折れ口側の端部の折れ曲がり
量即ち変位量mm)を測定した結果をまとめた表であ
る。この表2から明らかなように、本発明による針は従
来例の針に比べ、折れ口の変位量が極めて小さいことが
判る。実験の結果、折れ口の変位量の大きい針は2次破
壊を招くことになり、本発明のミシン針の場合のように
折れ口変位量が少ないものは2次破壊による折損事故が
少ないことが判明した。
【0018】
【表2】
【0019】即ち、破壊時までの塑性域が大きくなり、
その歪み量も大きくなる表2に示す従来の一般針では、
この歪み量が大きく、針折れ時の折れ口が大きく曲がっ
て変形してしまい、次の運針時に針中央部が折損して飛
散するという二次破壊の可能性が高い。これに対し、本
発明の家庭用ミシン針は、剛性が高く厳しい縫製条件に
おいても針の曲がり、歪みが少なく、一次破壊時での変
位量も小さくて2次破壊が少ない。
【0020】表3に示すように家庭用ミシン針につき、
従来針HA×1♯11(ニッケルメッキ針)と、本発明
針HL×5♯11(クロムメッキ針)を試料として針板
への衝突テスト及び刺繍縫いテストをした結果に基づく
折損ミシン針を、各本数抽出して調べたところ、2ヶ所
以上で折れた二次破壊現象の発生率が従来針は多いこと
が判明している。なお、本実施の形態のミシン針が折れ
た場合でも、炭素鋼の母材とクロムメッキ層とが一体的
に折れるので、メッキ層だけが飛散することもなく、飛
散した部分の回収が容易であることが判明している。
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明は、針先部、針穴部、えぐり部、
針幹部、テーパー部および柄部を備えたミシン針におい
て、針全体の硬度を800Hv以下とし、前記針幹部を
針先部に連続する小径の第1針幹部と、該第1針幹部と
小テーパー部を介して連続する該第1針幹部より大径で
柄部より小径の第2針幹部とから構成すると共に、少な
くとも前記針先部、針穴部、えぐり部、針幹部およびテ
ーパー部にクロムメッキ層を備え、針破壊時の折点角度
を15度以内としたことにより、針自体の強度は高く、
縫製作業中の針の曲がり、歪みを減少させて針折れ頻度
を激減させ、しかも針折れの角度を安定化するととも
に、針の硬度を低目に抑え、針折損トラブル時の針の細
かい破片の飛散を防止することができ、縫製作業の安全
性を著しく高め、縫製品の安全対策上も信頼性のある高
品質なミシン針とすることができる。
【0023】また、本発明では炭素鋼からなる金属針素
材から針先部、針穴部、えぐり部、針幹部、テーパー部
および柄部を備えたミシン針を形成すると共に、前記針
幹部を針先部に連続する小径の第1針幹部と、該第1針
幹部と小テーパー部を介して連続する第1針幹部より大
径で柄部より小径の第2針幹部とに成形し、焼き入れ焼
き戻し処理により、この針全体の硬度を800Hv以下
とし、少なくとも前記針先部、針穴部、えぐり部、針幹
部およびテーパー部にメッキ処理によってクロムメッキ
層を形成し、更にクロムメッキ層の水素脆性をコントロ
ールして針破壊時の折点角度を15度以内の範囲となる
ようにベーキング処理することにより、簡易で経済的な
処理で針折れが生じる際の折れ角度を安定化させるとと
もに、縫製中における針折損トラブル時の針の細かい破
片の飛散を防止できる安全なミシン針を、生産性良好に
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のミシン針を示し、(a)は正
面図、(b)はその縦断面図である。
【図2】図1のA−A線における拡大縦断面図である。
【図3】ミシン針の針破壊時の折点角度を測定するため
の概略説明図である。
【符号の説明】
1 針先部 2 針穴部 3 えぐり部 4 針幹部 4 第1針幹部 4 第2針幹部 5 テーパー部 6 柄部 7 小テーパー部 8 糸溝 9 クロムメッキ層 10 ミシン針
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三井 好和 長野県上田市大字前山1番地 オルガン針 株式会社内 (72)発明者 竹内 毅 長野県上田市大字前山1番地 オルガン針 株式会社内 Fターム(参考) 3B150 CE06 CE22 DD05 HA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針先部、針穴部、えぐり部、針幹部、テ
    ーパー部および柄部を備えたミシン針において、針全体
    の硬度を800Hv以下とし、前記針幹部を針先部に連
    続する小径の第1針幹部と、該第1針幹部と小テーパー
    部を介して連続する該第1針幹部より大径で柄部より小
    径の第2針幹部とから構成すると共に、少なくとも前記
    針先部、針穴部、えぐり部、針幹部およびテーパー部に
    クロムメッキ層を備え、針破壊時の折点角度を15度以
    内としたことを特徴とするミシン針。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のミシン針において、更
    に前記柄部にクロムメッキ層を備えていることを特徴と
    するミシン針。
  3. 【請求項3】 炭素鋼からなる金属針素材から針先部、
    針穴部、えぐり部、針幹部、テーパー部および柄部を備
    えたミシン針を形成すると共に、前記針幹部を針先部に
    連続する小径の第1針幹部と、該第1針幹部と小テーパ
    ー部を介して連続する第1針幹部より大径で柄部より小
    径の第2針幹部とに成形し、焼き入れ焼き戻し処理によ
    り、この針全体の硬度を800Hv以下とし、少なくと
    も前記針先部、針穴部、えぐり部、針幹部およびテーパ
    ー部にメッキ処理によってクロムメッキ層を形成し、更
    にクロムメッキ層の水素脆性をコントロールして針破壊
    時の折点角度を15度以内の範囲となるようにベーキン
    グ処理することを特徴とするミシン針の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のミシン針の製造方法に
    おいて、前記焼き入れ焼き戻し処理により硬度700〜
    800Hvの硬度層としたことを特徴とするミシン針の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載のミシン
    針の製造方法において、前記ベーキング処理は、温度1
    00〜200℃、時間0.25〜1.00時間の範囲で
    処理することを特徴とするミシン針の製造方法。
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